JP2001303839A - 車載用電子機器におけるパネル可倒機構 - Google Patents

車載用電子機器におけるパネル可倒機構

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JP2001303839A
JP2001303839A JP2000123613A JP2000123613A JP2001303839A JP 2001303839 A JP2001303839 A JP 2001303839A JP 2000123613 A JP2000123613 A JP 2000123613A JP 2000123613 A JP2000123613 A JP 2000123613A JP 2001303839 A JP2001303839 A JP 2001303839A
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(57)【要約】 【課題】操作するときに違和感がなく、楽に操作できる
車載用電子機器におけるパネル可倒機構を提供する。 【解決手段】筐体1に摺動自在に支持されたスライダ2
をスライダ付勢ばねで筐体1から突出する方向に付勢
し、スライダ1にパネル6の下部を回動自在に支持さ
せ、パネル7の上部に設けた凸部6aを筐体1に固定さ
れた縦方向のガイド溝7と係合させたパネル可倒機構に
おいて、ガイド溝7を筐体1内部方向に向けて凸とした
曲線で形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車載用音響機器等
の車載用電子機器に係わり、特に、記録媒体の挿入口を
開き、あるいは、操作性や視認性を向上するためのパネ
ル可倒機構に関する。
【0002】
【従来の技術】車載用音響機器において、使用者に多く
の情報を見せるためにパネルの表示画面は大きくなる傾
向にある。一方、CD、MD等を車載用音響機器に挿入
するための挿入口が必要であり、これをパネルが配置さ
れた場所と別の位置に設けることがスペース的に困難と
なるので、パネルを可倒することで記録媒体の挿入口を
開くことが従来行われている。
【0003】そのような従来の車載用音響機器の手動式
パネル可倒機構の例を図7および図8により説明する。
図に示すスライダ13は筐体1に摺動自在に支持されて
おり、引張りコイルばね15により筐体1から突出する
方向に付勢されている。スライダ13に設けられたラッ
ク13bは筐体1に支持されたギヤダンパー9と噛み合
っている。
【0004】スライダ13はパネル12の下端を軸13
aを介して回動自在に支持している。また、パネル12
の上端に設けられた凸部12aは筐体1に設けられた縦
方向のガイド溝14と係合している。
【0005】スライダ13が図7に示すように筐体1か
ら突出すると、パネル12は倒される。この状態で筐体
1の前面は大きく開かれ、筐体1の前面に設けられた記
録媒体挿入口からCD等を挿入または排出することがで
できる。
【0006】スライダ13が図7に示すように倒れた状
態から正立した通常の使用状態とするにはパネル12の
下端部を筐体1の内部方向に押してスライダ13を筐体
1の内部に押し込む。
【0007】スライダ13が内部まで押し込まれると図
示していないロック機構によりロックされ、引張りコイ
ルばね15の弾力に抗してその位置に保持される。この
ロック機構のロックを解除することにより引張りコイル
ばね15の弾力によりスライダ13が図7に示すように
筐体1から突出されるがその移動速度はギヤダンパー9
の作用により抑えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の車載用
音響機器のパネル可倒機構において、パネル12を閉じ
る(正立させる)ためには、図8に示す凸部12aを図
示のY方向に移動させる必要がある。すなわち、手でパ
ネル12を押すことにより凸部12aにY方向の分力を
加える必要がある。
【0009】例えば、軸13aと凸部12aとの中心軸
を結ぶ方向に図示Cの向きの力を加えると、凸部12a
には図示のX方向の力が加わることになる。X方向の力
を水平方向および垂直方向の分力に分解すると、垂直方
向の分力がガイド溝14の延びる方向すなわち図示Yの
方向の分力となる。
【0010】図示Y方向の分力により凸部12aがガイ
ド溝14に沿って移動するわけであるが、Y方向の分力
はX方向とY方向との成す角度αが大きいため、小さい
ものとなる。Y方向の分力が水平方向の分力に摩擦係数
を乗じた摩擦抵抗より小さいと凸部12aはガイド溝1
4にロックされて動かないことになる。
【0011】実際は図示Cの向きの力を加えてパネル1
2を正立させることはできるが、パネル12が立ってく
るに従って押す位置が下側になり押しにくくなる。図示
Bの向きに力を加えた場合はパネル12を動かすことは
できるが、パネル12に反時計方向のトルクが加わるこ
とになり、抵抗が大きくかなりの力を必要とする。図示
Aの向きに力を加えた場合はパネル12に加わる反時計
方向のトルクが大きくパネル12を全く動かすことがで
きない。
【0012】また、スライダ13は引張りコイルばね1
5により筐体1から突出する方向に付勢されているが、
筐体1が前面を多少上向くように傾けて設置される場合
もあり、その場合には引張りコイルばね15はスライダ
13およびパネル12を重力に抗して突出させることに
なる。
【0013】そのため、引張りコイルばね15の弾力
(ばね定数)を大きくする必要がある。このように、ば
ね定数の大きい引張りコイルばね15を用いることにな
るが、そのために、スライダ13を中に押し込んだ状態
すなわち、引張りコイルばね15が大きく伸びた状態で
はスライダ13をかなり大きな力で押さなければならな
いことになる。
【0014】このように、パネル12を正立させる(閉
じる)ためにはかなりの力を要し、パネル12の動き
(傾きの変化)に合わせて人が手で押す位置、方向を変
化させてる必要があった。また、大きな荷重変化により
人の手に違和感を感じさせ、初めて使用する人や女性に
は使いにくいものとなっていた。
【0015】この発明は上記した点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、操作するときに
違和感がなく、楽に操作できる車載用電子機器における
パネル可倒機構を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の車載用電子機
器におけるパネル可倒機構は、筐体に摺動自在に支持さ
れたスライダをスライダ付勢ばねで筐体から突出する方
向に付勢し、前記スライダにパネルの下部を回動自在に
支持させ、前記パネルの上部に設けた凸部を筐体に固定
された縦方向のガイド溝と係合させたパネル可倒機構に
おいて、前記ガイド溝を筐体内部方向に向けて凸とした
曲線で形成したものである。
【0017】また、前記車載用電子機器におけるパネル
可倒機構において、前記スライダ付勢ばねとして複数の
ねじりコイルばねを用い、それらのねじりコイルばねの
前記スライダに対する作用点と装着位置との相対位置関
係を異ならせ、スライダに対する作用点と装着位置との
相対位置関係を同一とした場合に比べて前記スライダの
全ストロークに渡る前記スライダ付勢ばねの付勢力の変
動を小さくしたものである。
【0018】さらに、前記各車載用電子機器におけるパ
ネル可倒機構において、前記パネルの下部に部分円筒形
の凸部を形成したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明の実施例である車載用音
響機器のパネル可倒機構を図面に基づいて説明する。図
1はこの発明の実施例である車載用音響機器のパネル可
倒機構の部分を示す平面図、図2は同パネル可倒機構を
示す分解側面図である。
【0020】図1および図2に示すスライダ2は筐体1
から出入方向に摺動自在に支持されている。スライダ2
は同一のねじりコイルばねからなるスライダ付勢ばね3
および3aで筐体1から突出する方向に付勢されてい
る。
【0021】図4に詳しく示すようにスライダ付勢ばね
3の基端直状部の取付け角度はスライダ付勢ばね3aの
取付け角度よりβだけ余分に付勢方向に傾けられてい
る。そして、スライダ2が筐体最内部にあるときスライ
ダ付勢ばね3の作動直状部の角度はスライダ付勢ばね3
aの角度よりβだけ余分に作動方向に傾いている。すな
わち、スライダ付勢ばね3とスライダ付勢ばね3aとで
ねじれ変形角度は同じとなっている。
【0022】このようにスライダ付勢ばね3とスライダ
付勢ばね3aとでねじれを戻すトルクは等しいが、スラ
イダ付勢ばね3aはスライダ付勢ばね3に比べコイル中
心から作動点に至る長さが長くさらに作用方向のスライ
ダー移動方向(図示のA方向)とがなす角度が大きい。
従って、スライダ付勢ばね3の方がスライダ付勢ばね3
aよりもスライダ2に対して大きいA方向の付勢力を加
えている。
【0023】スライダ2が中間まで突出した図5に示す
状態ではスライダ付勢ばね3とスライダ付勢ばね3aと
でねじれ変形角度はスライダ付勢ばね3aの方が大き
く、コイル中心から作動点に至る長さおよび作用方向の
スライダー移動方向とがなす角度は略等しい。この状態
ではスライダ付勢ばね3aの方が僅かにスライダ付勢ば
ね3よりも大きいA方向の付勢力を加えている。
【0024】スライダ2が完全に突出した図6に示す状
態ではスライダ付勢ばね3とスライダ付勢ばね3aとで
ねじれ変形角度はスライダ付勢ばね3aの方が大きく、
コイル中心から作動点に至る長さおよび作用方向のスラ
イダー移動方向とがなす角度はスライダ付勢ばね3の方
がスライダ付勢ばね3よりも大きい。この状態ではスラ
イダ付勢ばね3aの方がスライダ付勢ばね3よりも大き
いA方向の付勢力を加えている。
【0025】全ストロークにおけるスライダの突出方向
の付勢力の変動幅は、図7で説明した従来例のよりも小
さくなっている。スライダ2に設けられたラック2cに
は筐体1に支持されたギヤダンパ9を噛み合っており、
スライダ2の動きが緩やかになる。
【0026】図2に示すように、スライダ2に設けられ
た鋸歯形状部2aにはレバー4に立設された軸に嵌合し
たローラ4aが圧接する。レバー4は筐体1に回動自在
に支持されており、レバー付勢ばね5により反時計方向
に付勢されている。調整用レバー10は筐体1に回動自
在に支持されその両端が夫々レバー4と筐体1に可動状
態に支持されたつまみ8と当接している。
【0027】パネル6の下端部はスライダー2の先端に
設けられた軸2bに回動自在に支持されており、パネル
6の上端部に設けられた凸部6aは筐体1に設けられた
ガイド溝7と係合している。パネル6の下部には部分円
筒形状凸部6bが形成されている。ガイド溝7は筐体内
部方向に向けて凸とした曲線で形成されている。
【0028】スライダー2が図2に示す位置に押し込ま
れた状態ではパネル6は直立状態となる。このとき鋸歯
形状部2aの最前の傾斜部がローラ4aを押しレバー4
はロック状態となり、スライダ2は図2に示す位置に係
止されている。
【0029】この状態でつまみ8を押すと、ローラ4a
と鋸歯形状部2aとの係合が外れて、スライダ2はスラ
イダ付勢ばね3および3aの弾力により筐体1から押し
出される。このときのスライダ2の速度はギヤダンパ9
により制限されている。
【0030】そして適宜のタイミングでつまみ8を離す
と、レバー4はレバー付勢ばね5の弾力により反時計方
向に回動してローラ4aが鋸歯形状部2aを係止してス
ライダ2がその位置に保持され、パネル6が傾斜した状
態に停止する。図3はパネル6が倒立した状態を示して
いるす。この状態で記録媒体挿入口が開かれ、記録媒体
を挿入することができる。なお、実施例では鋸歯形状部
2aの歯の数に応じてパネル6を3段階の傾斜角度とす
ることができる。すなわち、使用者の好みのパネル傾斜
角度として装置を使用できる。
【0031】図3に示す状態でパネル6の下方の部分円
筒形状凸部6bを図示のB方向に押すと、ローラ4aが
スライダ2の鋸歯形状部2aに押され、レバー4は矢印
C方向に回動されローラ4aと鋸歯形状部2aとの係合
が解除されスライダ2を筐体内部に押し込むことができ
る。
【0032】なお、スライダ2を押し込む初期の段階で
パネル6の凸部6aは図示のZ方向に移動するが、軸2
bと凸部6aを結ぶX方向とつ方向とのなす角度が小さ
いのでスライダ2を無理なく押し込むことができる。ま
た、先に説明したようにスライダ2の全ストロークに渡
り荷重変動が少なく、また、パネル6の傾斜角度に拘ら
ず部分円筒形状凸部6bを楽に押すことができ、パネル
6を容易に手動で閉じることができる。
【0033】実施例で示したようにこの発明のパネル可
倒機構はモータを駆動源とするような駆動機構がないの
で、機構が簡単であり、多くのスペースがパネル可倒機
構で占められることがない。
【0034】
【発明の効果】この発明の車載用電子機器におけるパネ
ル可倒機構によれば、パネルを手動で閉じる操作に大き
な力や特別な技巧を必要とせず、初めての人でも簡単に
行うことが可能である。
【0035】また、スライダのストロークが大きくなっ
ても複数の付勢ばねを用いることにより、荷重変化を小
さくできるので、荷重変化にる違和感を感じることがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例である車載用音響機器のパネ
ル可倒機構の部分を示す平面図である。
【図2】同パネル可倒機構を示す分解側面図である。
【図3】同パネル可倒機構を一部透視して示す側面図で
ある。
【図4】同パネル可倒機構の部分を示す平面図である。
【図5】同部分の他の状態を示す平面図である。
【図6】同部分のさらに他の状態を示す平面図である。
【図7】従来の車載用音響機器のパネル可倒機構の例を
一部透視して示す側面図である。
【図8】同パネル可倒機構の部分詳細側面図である。
【符号の説明】
1 筐体 2 スライダ、2a 鋸歯形状部、2b 軸、2c ラ
ック 3、3a スライダ付勢ばね 4 レバー、4a ローラ 5 レバー付勢ばね 6 パネル、6a 凸部、6b 部分円筒形状凸部 7 ガイド溝 8 つまみ 9 ギヤダンパー 10 調整用レバー 12 パネル、12a凸部 13 スライダ、13a 軸、13b ラック 14 ガイド溝 15 引張りコイルばね 16 つまみ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体に摺動自在に支持されたスライダを
    スライダ付勢ばねで筐体から突出する方向に付勢し、前
    記スライダにパネルの下部を回動自在に支持させ、前記
    パネルの上部に設けた凸部を筐体に固定された縦方向の
    ガイド溝と係合させたパネル可倒機構において、前記ガ
    イド溝を筐体内部方向に向けて凸とした曲線で形成した
    ことを特徴とする車載用電子機器におけるパネル可倒機
    構。
  2. 【請求項2】 前記スライダ付勢ばねとして複数のねじ
    りコイルばねを用い、それらのねじりコイルばねの前記
    スライダに対する作用点と装着位置との相対位置関係を
    異ならせ、スライダに対する作用点と装着位置との相対
    位置関係を同一とした場合に比べて前記スライダの全ス
    トロークに渡る前記スライダ付勢ばねの付勢力の変動を
    小さくしたことを特徴する請求項1のパネル可倒機構。
  3. 【請求項3】 前記パネルの下部に部分円筒形の凸部を
    形成したことを特徴とする請求項1または2のパネル可
    倒機構。
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EP1564074A3 (en) * 2002-08-06 2005-10-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Electronic apparatus
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