JP2001303383A - 織機及び同織機を使った強化繊維織物の製造方法 - Google Patents

織機及び同織機を使った強化繊維織物の製造方法

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JP2001303383A
JP2001303383A JP2000121149A JP2000121149A JP2001303383A JP 2001303383 A JP2001303383 A JP 2001303383A JP 2000121149 A JP2000121149 A JP 2000121149A JP 2000121149 A JP2000121149 A JP 2000121149A JP 2001303383 A JP2001303383 A JP 2001303383A
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Masahiko Taneike
昌彦 種池
Sadao Samejima
禎雄 鮫島
Juichi Takeda
重一 武田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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    • D03WEAVING
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    • D03D41/00Looms not otherwise provided for, e.g. for weaving chenille yarn; Details peculiar to these looms
    • D03D41/008Looms for weaving flat yarns
    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03CSHEDDING MECHANISMS; PATTERN CARDS OR CHAINS; PUNCHING OF CARDS; DESIGNING PATTERNS
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    • D03C9/02Healds
    • D03C9/024Eyelets

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  • Textile Engineering (AREA)
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  • Looms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】拡幅された偏平な経糸が再度収束するのを防止
すると共に、経糸の毛羽の発生をも防ぐことのできる織
機と、同織機を使って薄目付の強化繊維織物を製織可能
な強化繊維織物の製造方法とを提供する。 【解決手段】ヘルド(2) は、その両端に形成されたヘル
ドバー挿通孔(6a,6b)が、同ヘルドバー挿通孔(6a,6b)
に挿通されるヘルドバー(5a,5b) の断面との間にクリア
ランスが実質的に存在しない形態を有している。かかる
ヘルド(2) を備えた織機を用いて偏平な強化繊維糸条に
より織物を製織すれば、薄目付けの強化繊維織物が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織機と同織機を使
った繊維織物の製造方法に関し、特に薄目付の繊維強化
プラスチック用強化繊維織物を製織するに適した織機及
び強化繊維織物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチックに使用される強化
繊維として、例えば炭素繊維が汎用されている。この炭
素繊維の引張り弾性率はマトリックス樹脂の引張り弾性
率と比較して極めて大きい。このため、強化繊維として
炭素繊維を使用した炭素繊維強化プラスチックに引張り
応力が作用した場合には、その引張り応力に対する前記
プラスチックの引張り強度は主に前記炭素繊維により発
揮されることになる。従って、前記炭素繊維糸条の強度
や炭素繊維のマトリックス樹脂中での分布が均一であ
り、且つ同炭素繊維のマトリックス樹脂に対する充填密
度が高いほど、繊維強化プラスチックとしての引張り強
度が向上することになる。
【0003】また、繊維強化プラスチックの引張り強度
は、マトリックス樹脂中の強化繊維糸条の延在方向に平
行な方向(0°の方向)に張力が作用した場合に最大と
なる。そのため、強化繊維糸条を一方向に引き揃えたシ
ート状体としてマトリックス樹脂中に含有させた場合
は、その一方向での引張り強度が向上される。更に近年
では、強化繊維糸条を経糸及び緯糸の両方向に配した織
物としてマトリックス樹脂中に含有させ、経糸方向及び
緯糸方向の二方向での引張り強度の向上を図っている。
【0004】ところで、マトリックス樹脂中に強化繊維
を均一に含有させた繊維強化プラスチック製品を製造す
るにあたっては、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸さ
せたシート状の半製品であるプリプレグを利用し、前記
製品の多様な形状に対処している。更に、繊維強化プラ
スチックを多方向からの張力に対応させるためには、同
プラスチック内に強化繊維糸条を織物として含有させる
ことが好ましく、半製品であるプリプレグにあっても、
強化繊維糸条を織物に形成して、マトリックス樹脂を含
浸させている。
【0005】このように、多方向からの張力に対応で
き、且つ、マトリックス樹脂中に均一な密度で強化繊維
を含有させるためには、上述したように強化繊維糸条を
織物として含有させることが有効であるが、一方では、
この織り構造に起因して、繊維強化プラスチックとして
の引張り強度が充分に発揮できない場合も生じる。即
ち、前記織物における経糸と緯糸とが交差する交差部に
おいては、経糸及び緯糸が互いにクリンプすることによ
り生じる織物の厚み方向に、織物のシート面に対して交
差角が生じることは否めない。そのため、シート面に並
行な経糸又は緯糸方向での引張り応力が作用すると、前
記交差部において各糸条に剪断方向の力が働くため、強
化繊維糸条の引張り強度が充分に発揮されなくなる。
【0006】また、前記交差部では糸条の厚み寸法だけ
空隙部が形成されるため、そのような強化繊維からなる
織物にプリプレグのマトリックス樹脂を含浸させる際
に、同交差部ではその空隙部の分だけ樹脂リッチとなっ
たり、或いは、前記空隙部に樹脂が含浸されずボイドが
発生するといった不都合がある。このように空隙部で樹
脂リッチとなったりボイドが生じたプリプレグを使用し
て形成された繊維強化プラスチック製品も、同様に樹脂
リッチの部位やボイドが存在することとなる。かかる繊
維強化プラスチックに引張り応力が作用した場合には、
同応力が樹脂リッチの部位やボイドの部分に集中し、強
化繊維プラスチックの引張り強度が十分に発揮されず、
更にはそのときの剪断力により繊維強化プラスチックが
破壊される場合もある。
【0007】このような不都合は、強化繊維糸条として
相対的に高い番手の円形或いは楕円形断面の繊維糸条を
用いた場合に顕著となる。そのため、強化繊維糸条を織
物に製織してマトリックス樹脂を付与し、プリプレグを
製造する場合には、特に、繊維を開繊して偏平化し、経
糸と緯糸との交差部での厚みを小さくし、同交差部での
交差角を小さくすると共に空隙を小さくすることが重要
となる。この強化繊維糸条の偏平化は、得られた繊維強
化プラスチックの強度を向上させるだけでなく、繊維強
化プラスチックとして平滑な成型品を得るためにも必要
不可欠であり、平滑性に欠ける繊維強化プラスチックで
は、その商品価値も小さくなる。
【0008】ところで、一般に、織機ではヘルドを上下
動させることにより、同ヘルドに形成されているメール
に挿通された経糸に開口運動を伝え、その開口に緯糸を
挿通させて筬打ちし、織物が製織される。前記ヘルドに
はワイヤーヘルドやテープヘルドが用いられている。例
えば、図6及び図7に示すように、複数のワイヤーヘル
ド22はその両端に形成されたヘルドバー挿通孔26
a,26bにヘルドバー5a,5bが挿通され、同ヘル
ドバー5a,5bの端部をヘルド枠4に固定している。
このヘルド枠4を上下動させることにより、複数のヘル
ド22を一斉に上下動させて同ヘルド22のメール23
に挿通された経糸1の開口を行う。
【0009】繊維強化プラスチックに使用される炭素繊
維等の強化繊維も上述したような一般の織機を用いて織
物に製織できる。例えば、特許第2964840号公報
に開示されている炭素繊維織物の製造方法では、レピア
織機を用いて製織するにあたって、ヘルドの位置を経糸
配列方向に実質上移動しないように固定し、各ヘルドか
らの経糸を、各筬羽間に形成された筬目のほぼ中央部に
常に通している。具体的には、上下いずれか一方のヘル
ドバーに溝を形成して、その溝にヘルドを引っ掛け、更
にその上に押さえ板を配して、ヘルドを左右方向に移動
不能であるように固定している。
【0010】同公報に開示された炭素繊維織物の製造方
法では、上述のようにヘルドの位置を経糸方向に実質上
移動しないように固定することにより、経糸を常時、筬
目の中央部に挿通させることができるため、経糸が筬羽
のエッジで擦られて毛羽が生じるといった不都合を回避
できるとしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同公報
に開示された炭素繊維織物の製造方法では、単にヘルド
の左右方向での移動を不能とし、経糸の筬羽に対する接
触を防止するだけである。ところが、一般のワイヤーヘ
ルドやテープヘルドは、図7に示すように、その両端に
形成された、ヘルドバー5a,5bを挿通するヘルドバ
ー挿通孔26a,26bの開口面積を、前記ヘルドバー
5a,5bの断面寸法よりも十分に大きくしており、ヘ
ルドバー挿通孔26a,26bとヘルドバー5a,5b
との間にはクリアランスが形成されている。従って、こ
のクリアランスによりヘルド22がヘルドバー5a,5
bに対して容易に回転し、メール23には経糸1の挿通
方向に対してねじれが生じる。
【0012】従って、ヘルド22には経糸1を挿通させ
るメール23が、ヘルドバー挿通孔26a,26bに対
して90度に製作されていても、ヘルド22が回転して
メール23に経糸1の挿通方向に対するねじれが生じて
しまうと、同メール23の経糸挿通方向に直交する開口
面積が小さくなる。そのため、同メール23に挿通され
ている経糸1が前記メール23の開口側縁に接触し、メ
ール23への挿通前に拡幅された経糸1が、その糸幅を
収束させてしまう。更には、毛羽を発生する要因ともな
ってしまう。
【0013】そこで、本発明は、強化繊維織物を薄目付
けで製織する際、ヘルドのヘルドバー挿通孔とヘルドバ
ーとの間のクリアランスによるヘルドの回転に伴って、
メールが経糸の延在方向に対してねじれが生じるのを防
ぎ、拡幅された経糸が再度収束するのを防止すると共
に、経糸の毛羽の発生をも防ぐことのできる織機と、同
織機を使った強化繊維織物の製造方法とを提供すること
を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の作用効果】上記
目的を達成するために、本件請求項1に係る発明は、ヘ
ルドバー挿通孔の開口が、同ヘルドバー挿通孔に挿通さ
れるヘルドバーの断面との間にクリアランスが実質的に
存在しない形態を有するヘルドを備えてなることを特徴
とする織機を主要な構成としている。
【0015】かかる織機では、ヘルドバーに対してヘル
ドがその長手方向(上下方向)の軸を中心に回動するこ
とがなく、経糸が挿通されているメールにも捩じれが発
生せず、常にメールが経糸の挿通方向に直交して開口
し、メールの経糸挿通方向に直交する開口面積が狭めら
れることがない。そのため、経糸が拡幅された状態でヘ
ルドのメールを挿通しても、前記経糸がメールの開口側
縁と接触して収束することもなく、拡幅状態を維持でき
る。また、メールの開口側縁との接触や擦れによって経
糸に毛羽が発生したり、糸切れを起こすこともない。
【0016】ヘルドのヘルドバー挿通孔の開口形状及び
ヘルドバーの断面形状には特に制限はなく、ヘルドのヘ
ルドバー挿通孔にヘルドバーを挿通させたときに、実質
的にクリアランスが存在しないよう、両者は略同一の形
状とする。
【0017】前記ヘルドの寸法は、その中心に配された
経糸を挿通するメールの内寸における厚み(経糸の挿通
方向での長さ寸法)が1mm以上となるように設定する
ことが好ましい。なお、このメールの内寸は、製織する
織物に必要な目付によって適宜設定されるものであり、
上述の寸法に限定されるものではない。
【0018】本件請求項2に係る発明によれば、少なく
とも前記ヘルドバー挿通孔が経糸配列方向に所定寸法の
幅を有している。ヘルドバー挿通孔の経糸配列方向での
寸法が1 mm以上であれば、前記ヘルドバーに対するヘ
ルドの回動が更に抑制される。なお、前記ヘルドバー挿
通孔の経糸配列方向の寸法は、メールの内寸における経
糸配列方向の寸法と同等もしくはそれ以上の寸法とする
こともできる。
【0019】また、ヘルドの両端に形成されるヘルドバ
ー挿通孔は、片側端に1個であってもよく、或いは片側
端に2個以上形成されていてもよい。但し、ヘルドの製
造上の問題から、前記ヘルドバー挿通孔は片側端に2個
形成されていれば十分である。片側端にヘルドバー挿通
孔が2個ある場合においても、ヘルドのヘルドバー挿通
孔はヘルドバーを挿通させるに十分な開口寸法であり、
且つ同ヘルドバー挿通孔とヘルドバーとの間に実質的に
クリアランスが存在しないことが必要である。
【0020】本件請求項3に係る発明によれば、前記ヘ
ルドに形成されたメールの中心を通り、同メールを含む
平面に直交する直線と、同メールに挿通される経糸との
なす角度が0±5°以内である。前記角度が0±5°よ
りも大きくなると、経糸が前記メールの開口側縁に接触
し、毛羽や糸切れを生じやすい。また、経糸が拡幅され
た状態で供給されても、前記メールの開口側縁との接触
により、収束してしまうといった不都合がある。
【0021】本件請求項4に係る発明は、上記請求項1
〜3のいずれかに係る織機を用い、偏平な経糸をもって
製織することを特徴とする強化繊維織物の製造方法を主
要な構成としている。上述したように前記織機はヘルド
の回動が阻止され、経糸がメールの開口側縁に接触する
ことがないため、経糸の拡幅状態を維持できると共に経
糸に毛羽の発生もない。そのため、得られた強化繊維織
物は薄目付けであり、構成繊維糸条も偏平で、経糸と緯
糸との交差角も小さい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本
発明の織機における特徴部分である、第1の実施形態に
よる、複数のヘルドが支持されたヘルド枠を概略的に示
す正面図である。
【0023】前記ヘルド2は、その中心に経糸1を挿通
するメール3を備えており、前記ヘルド2の両端にはヘ
ルドバー5a,5bを挿通するためのヘルドバー挿通孔
6a,6bが形成されている。前記ヘルドバー挿通孔6
a,6bにはヘルドバー5a,5bが挿通され、同ヘル
ドバー5a,5bがヘルド枠4に固定されている。
【0024】図2(a)はヘルド2の正面図、図2
(b)は同ヘルド2の側面図である。前記ヘルド2は上
下のブロック体2a,2bと、同ブロック体2a,2b
をその間に間隙を形成した状態で側方から支持する側部
プレート2c,2dとを備えている。前記ブロック体2
a,2b間の前記間隙は、経糸1を挿通するためのメー
ル3を構成している。
【0025】本実施例にあっては、前記ブロック体2
a,2bは、経糸配列方向に1mm以上の寸法を有する
と共に、経糸の挿通方向に1mm以上の寸法を有するブ
ロック体である。更に上下の前記ブロック体2a,2b
の互いに対向する面が円弧面に形成されており、経糸1
が同ブロック体2a,2bに接触したときに、同ブロッ
ク体2a,2bのエッジにより糸切れや毛羽が発生する
のを防止している。
【0026】更に、前記ヘルド2の上下端部には、前記
ヘルド2を左右に貫通するヘルドバー挿通孔6a,6b
が形成されている。同ヘルドバー挿通孔6a,6bの開
口は、その形態が同ヘルドバー挿通孔6a,6bに挿通
されるヘルドバー5a,5bの断面形態と略同一であ
る。従って、前記ヘルドバー挿通孔6a,6bにヘルド
バー5a,5bを挿通させると、同図2(a)に示すよ
うに両者の間には実質的にクリアランスが存在していな
い。
【0027】このように、ヘルド2のヘルドバー挿通孔
6a,6bと、同ヘルドバー挿通孔6a,6bに挿通さ
れたヘルドバー5a,5bとの間に実質的にクリアラン
スが存在していない場合には、前記ヘルド2がその上下
方向の軸線を中心に回動することがない。更に、本実施
例にあっては、ブロック体2a,2bの経糸配列方向の
寸法が1mm以上であり、即ち、ヘルドバー挿通孔6
a,6bの経糸配列方向の寸法が1mm以上であるた
め、前記ヘルド2の回動が確実に防止される。
【0028】従って、前記ヘルド2に配されたメール3
が経糸1の延在する方向に対してねじれを生じることも
なく、図3に示すような、前記メール3の中心を通り、
同メール3を含む平面に直交する直線と、同メール3に
挿通される経糸1とのなす角度θは、0±5°以内とな
る。そのため、経糸1は前記ヘルド2に形成されたメー
ル3の左右の側壁を構成する側部プレート2c,2dに
接触することもなく、拡幅された状態を維持できると共
に、毛羽や糸切れの発生を防止できる。
【0029】しかも、前記ブロック体2a,2bの経糸
挿通方向の寸法を1mm以上としており、即ち、メール
3の経糸挿通方向の寸法が1mm以上となるため、経糸
1の前記メール3に対する接触長さが長くなり、経糸1
の張力変動を抑制できるため、経糸1の拡幅状態が維持
される。
【0030】図4は本発明の第2の実施形態によるヘル
ドの概略図であり、図4(a)は同ヘルドの正面図、図
4(b)は同ヘルドの側面図である。前記ヘルド2′は
上述した第1の実施形態によるヘルド2と同様に、上下
のブロック体2a,2bと、同ブロック体2a,2bを
側方から支持する側部プレート2c,2dとを備えてお
り、前記ブロック体2a,2b間の間隙が、経糸1を挿
通するためのメール3を構成している。
【0031】更に、本実施形態のヘルド2′は、その上
下に前記側部プレート2c,2dの外側に駒部材2e,
2fが配されており、ヘルドバー5a,5bを挿通する
ためヘルドバー挿通孔6a′,6b′は、前記駒部材2
e,2f、側部プレート2c,2d及びブロック体2
a,2bを貫通して形成されている。同ヘルドバー挿通
孔6a′,6b′の開口形態は、同ヘルドバー挿通孔6
a′,6b′に挿通されるヘルドバー5a,5bの断面
形態と略同一に形成されている。
【0032】本実施形態のヘルド2はヘルドバー挿通孔
6a′,6b′の形成位置に駒部材2e,2fを備えて
おり、ヘルドバー挿通孔6a′,6b′の経糸配列方向
の長さ寸法が前記駒部材2e,2fの分だけ更に長くな
るため、ヘルド2′の上下方向の軸を中心とした回動を
より効果的に防止でき、メール3の捩じれを最小限に抑
えることができる。
【0033】図5は本発明の第3の実施形態によるヘル
ドの概略図であり、図5(a)は同ヘルドの正面図、図
5(b)は同ヘルドの側面図である。前記ヘルド12
は、水平方向に互いに平行に配された上下の丸棒12
a,12bと、同丸棒12a,12bの端部を支持する
側部プレート12c,12dとを備えている。前記丸棒
12a,12bは長さが1mm以上であり、直径も1m
m以上である。
【0034】前記丸棒12a,12bの間は、経糸を挿
通するメール13を構成しており、同メール13の経糸
挿通方向での寸法は前記丸棒12a,12bの直径に相
当し、1mm以上である。
【0035】前記側部プレート12c、12dは上下端
部にヘルドバー5a,5bの挿通用開口であるヘルドバ
ー挿通孔16a,16bが形成されている。なお、本実
施の形態にあっても、同ヘルドバー挿通孔16a,16
bの開口形態は前記ヘルドバー5a,5bの断面形態と
略同一であり、前記ヘルドバー挿通孔16a,16bと
同ヘルドバー挿通孔16a,16bに挿通された前記ヘ
ルドバー5a,5bとの間には実質的にクリアランスが
存在しない。
【0036】また、前記左右の側部プレート12c、1
2dにそれぞれ形成されたヘルドバー挿通孔16a,1
6bの間の間隙は前記丸棒12a,12bの長さと同一
であり、1mm以上である。
【0037】以下、本発明の強化繊維織物の製造方法に
ついて、実施例を挙げて比較例と比較し説明する。な
お、以下の実施例及び比較例においては、経糸として炭
素繊維3000本からなり、引張強度が450kg/m
2 、弾性率が24×103 kg/mm2 、サイジング
剤付着量が1.2wt%で、トウ幅が2mmである炭素
繊維糸条を使用した。
【0038】織機としては、図1 に示すヘルド枠4及び
ヘルド2を使用し、同ヘルドのヘルドバー挿通孔6a,
6bと、同挿通孔6a,6bに挿通されたヘルドバー5
a,5bとのクリアランスを変更しながら、前記ヘルド
2に形成されたメール3の中心を通り、同メール3を含
む平面に直交する直線と、同メール3に挿通される経糸
1とのなす角度θを変化させて、炭素繊維織物を製織し
た。
【0039】また、各実施例及び比較例について、得ら
れた炭素繊維糸条における毛羽の発生の有無は目視検査
により評価した。更に、炭素繊維織物において、経糸の
トウ幅をノギスにより計測を行った。
【0040】(実施例1)メール3の中心線と糸条との
なす角度θの最大値が±1.4°となるように、ヘルド
2のヘルドバー挿通孔6a,6bと同ヘルドバー挿通孔
6a,6bに挿通されたヘルドバー5a,5bとのクリ
アランスを設定し、炭素繊維織物を製造した。得られた
炭素繊維織物は、毛羽が発生していなかった。また、同
織物の経糸のトウ幅は、糸条とメールの開口側縁との干
渉が抑制されているため、2.1 mmと収束は全く認め
られず、拡幅状態が維持されていた。
【0041】(実施例2)メール3の中心線と糸条との
なす角度θの最大値が±2.9°となるように、ヘルド
2のヘルドバー挿通孔6a,6bと同ヘルドバー挿通孔
6a,6bに挿通されたヘルドバー5a,5bとのクリ
アランスを設定し、炭素繊維織物を製造した。得られた
炭素繊維織物には、毛羽が発生していなかった。また、
同織物の経糸のトウ幅は、糸条とメールの開口側縁との
干渉が抑制されているため、2.1mmと収束は全く認
められず、拡幅状態が維持されていた。
【0042】(実施例3)メール3の中心線と糸条との
なす角度θの最大値が±5.0°となるように、ヘルド
2のヘルドバー挿通孔6a,6bと同ヘルドバー挿通孔
6a,6bに挿通されたヘルドバー5a,5bとのクリ
アランスを設定し、炭素繊維織物を製造した。得られた
炭素繊維織物には、毛羽が発生していなかった。また、
同織物の経糸のトウ幅は、糸条とメールの開口側縁との
干渉が抑制されているため、2.0mmと収束は全く認
められず、拡幅状態が維持されていた。
【0043】(比較例1)メール3の中心線と糸条との
なす角度θの最大値が±10°となるように、ヘルド2
のヘルドバー挿通孔6a,6bと同ヘルドバー挿通孔6
a,6bに挿通されたヘルドバー5a,5bとのクリア
ランスを設定し、炭素繊維織物を製造した。得られた炭
素繊維織物には、毛羽は殆ど発生していなかった。しか
しながら、同織物の経糸のトウ幅は、糸条とメールの開
口側縁との干渉が多少発生したため、1.8mmとトウ
幅が減少しており、収束が認められた。
【0044】(比較例2)メール3の中心線と糸条との
なす角度θの最大値が±15°となるように、ヘルド2
のヘルドバー挿通孔6a,6bと同ヘルドバー挿通孔6
a,6bに挿通されたヘルドバー5a,5bとのクリア
ランスを設定し、炭素繊維織物を製造した。得られた炭
素繊維織物には、毛羽が多少発生していた。また、同織
物の経糸のトウ幅も、糸条とメールの開口側縁との干渉
が多少発生したため、1.7mmとトウ幅が減少してお
り、収束が認められた。
【0045】(比較例3)メール3の中心線と糸条との
なす角度θの最大値が±20°となるように、ヘルド2
のヘルドバー挿通孔6a,6bと同ヘルドバー挿通孔6
a,6bに挿通されたヘルドバー5a,5bとのクリア
ランスを設定し、炭素繊維織物を製造した。得られた炭
素繊維織物には、毛羽が多少発生していた。また、同織
物の経糸のトウ幅も、糸条とメールの開口側縁との干渉
が多少発生したため、1.7mmとトウ幅が減少してお
り、収束が認められた。
【0046】
【表1】
【0047】以上、述べたように本発明によれば、薄目
付織物を製織する際、ヘルドの回動や変位を防止して同
ヘルドと繊維糸条との干渉を低減することにより、拡幅
された繊維糸条が収束するのを防ぎ、更には毛羽の発生
も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の織機における、複数のヘルドが取り付
けられたヘルド枠を概略的に示す正面図である。
【図2】前記ヘルドを概略的に示す正面図及び側面図で
ある。
【図3】前記ヘルドのメールに繊維糸条が挿通された状
態を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態によるヘルドを概略的に
示す正面図及び側面図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態によるヘルドを概略
的に示す正面図及び側面図である。
【図6】従来の、複数のワイヤーヘルドが取り付けられ
たヘルド枠を概略的に示すの正面図である。
【図7】従来のワイヤーヘルドを概略的に示した側面図
である。
【符号の説明】
1 経糸 2,2′ ヘルド 2a,2b ブロック体 2c,2d 側部プレート 2e,2f 駒部材 3 メール 4 ヘルド枠 5a,5b ヘルドバー 6a,6 b ヘルドバー挿通孔 12 ヘルド 12a,12b 丸棒 12c,12d 側部プレート 16a,16b ヘルドバー挿通孔 22 ヘルド 23 メール 26a,26b ヘルドバー挿通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 47/14 D03D 47/14 (72)発明者 武田 重一 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4L048 AA05 AB07 AB27 AC09 AC12 CA01 CA06 DA41 4L050 CA17 EE10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘルドバー挿通孔の開口が、同ヘルドバ
    ー挿通孔に挿通されるヘルドバーの断面との間にクリア
    ランスが実質的に存在しない形態を有するヘルドを備え
    てなることを特徴とする織機。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記ヘルドバー挿通孔が経糸
    配列方向に所定寸法の幅を有してなることを特徴とする
    請求項1記載の織機。
  3. 【請求項3】 前記ヘルドに形成されたメールの中心を
    通り、同メールを含む平面に直交する直線と、同メール
    に挿通される経糸とのなす角度が0±5°以内であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の織機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の織機を
    用い、偏平な経糸をもって製織することを特徴とする強
    化繊維織物の製造方法。
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