JP2001303308A - 乳房カップ - Google Patents

乳房カップ

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JP2001303308A
JP2001303308A JP2000113102A JP2000113102A JP2001303308A JP 2001303308 A JP2001303308 A JP 2001303308A JP 2000113102 A JP2000113102 A JP 2000113102A JP 2000113102 A JP2000113102 A JP 2000113102A JP 2001303308 A JP2001303308 A JP 2001303308A
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JP
Japan
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fiber
breast cup
yarn
dtex
lining
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Takashi Ota
隆司 太田
Setsuo Taguchi
節男 田口
Kazuko Yamane
和子 山根
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた保形性、反発性、柔軟性を有し、かつ洗
濯耐久性や通気性が良好で、染色可能な乳房カップを提
供する。 【解決手段】少なくとも特性値(A)を有するポリエス
テル繊維(A繊維)と特性値(B)を有するポリエステ
ル繊維(B繊維)で構成される布帛からなることを特徴
とする乳房カップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保形性が良好で、
反発性、柔軟性、耐洗濯性、通気性に優れた乳房カップ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、乳房カップを有する女性用衣
料類、例えば、ブラジャー、ロングラインブラジャー、
ビスチェ、ボディスーツ、スリーインワン、ブラキャミ
ソールあるいはブラスリップなどがある。乳房カップを
有する衣類は、着用者の乳房にあてがわれるため、柔ら
かい感触と膨らみのある立体形状が要求され、女性の衣
服として広く普及している。
【0003】乳房カップの素材としては、従来より発泡
ポリウレタンシート、不織布、ポリエステル繊維編物な
どが用いられている。
【0004】しかしながら、発泡ポリウレタンシートで
は、保形性、柔軟性に優れるものの、通気性が低いため
むれやすく、また染色できない、黄変するなどの欠点が
あった。
【0005】また、不織布の場合は、通気性は良好であ
るが、洗濯による型くずれや染色できないなどの問題が
あった。
【0006】さらにポリエステル繊維編物については、
通気性に優れ、染色可能であるが、保形性に劣り、洗濯
によって型くずれするものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の欠点や問題点を解消することを目的とするものであ
る。特に、優れた保形性、反発性、柔軟性を有し、かつ
洗濯耐久性や通気性が良好で、染色可能な乳房カップを
提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明の乳房カップは、次の通りの構成をとるものであ
る。すなわち、 (1)少なくとも下記特性値(A)を有するポリエステ
ル繊維と下記特性値(B)を有するポリエステル繊維で
構成される布帛からなることを特徴とする乳房カップ。
【0009】特性値(A):荷重伸長曲線において、 (1)見掛ヤング率が800〜2000N/mm2 (2)初期伸度が4%〜12% (3)初期応力が0.6〜1cN/dtex 特性値(B):荷重伸長曲線において、 (1)見掛ヤング率が100〜700N/mm2 (2)初期伸度が8〜30% (3)初期応力が0.1〜0.7cN/dtex (2)布帛が、織物または編物であることを特徴とする
前記(1)記載の乳房カップ。 (3)布帛が、表地および裏地と該表地および裏地を連
結する連結糸からなる三層構造体であることを特徴とす
る前記(1)または(2)記載の乳房カップ。 (4)布帛が、表地および/または裏地が少なくとも前
記A繊維を有する複合糸で構成されるとともに、該表地
および裏地を連結する連結糸が少なくとも前記B繊維を
有する複合糸で構成される三層構造体からなることを特
徴とする乳房カップ。 (5)布帛が、表地および/または裏地が少なくとも前
記A繊維と、下記特性値(C)を有するポリエステル繊
維を有する複合糸からなり、表地および裏地とを連結す
る連結糸が少なくとも前記B繊維を有する複合糸で構成
される三層構造体からなることを特徴とする乳房カップ 特性値(C):荷重伸長曲線において、 (1)見掛ヤング率が2000〜15000N/mm2 (2)初期伸度が8%以下 (3)初期応力が0.7〜4cN/dtex以上 (6)連結糸が少なくとも前記B繊維と前記C繊維を有
する複合糸であることを特徴とする前記(4)または
(5)記載の乳房カップ。 (7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の乳房カッ
プを用いてなることを特徴とする衣類。 (8)衣類が、ブラジャー、ボディスーツ、ビスチェ、
スリーインワン、ブラキャミソール、ブラスリップ、ロ
ングラインブラジャー、および水着から選ばれたもので
あること特徴とする前記(7)記載の衣類。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明につい
て説明をする。
【0011】本発明は、保形性、柔軟性および通気性が
良好で、好みの色に自在に染色でき、長時間の着用や繰
り返し洗濯により型くずれし難い乳房カップに関するも
のである。
【0012】本発明の乳房カップは、少なくともA繊維
とB繊維で構成される布帛からなることを特徴とするも
のである。
【0013】A繊維は、荷重伸長曲線において、見掛ヤ
ング率が800〜2000N/mm 2 、好ましくは80
0〜1800N/mm2 、さらに好ましくは850〜1
600N/mm2 、最も好ましくは900〜1500N
/mm2 であり、初期伸度が4〜12%、好ましくは4
〜11%、さらに好ましくは5〜10%、最も好ましく
は6〜9%であり、初期応力が0.6〜1cN/dte
x、好ましくは0.65〜0.95cN/dtex、さ
らに好ましくは0.7〜0.9cN/dtex、最も好
ましくは0.75〜0.85cN/dtexである特性
値を有し、この値により優れた成形性を発現でき、成形
後も良好な保形性が得られる。
【0014】見掛ヤング率が2000N/mm2 より高
く、初期伸度が4%より低く、初期応力が1cN/dt
exより高くなると、硬い繊維となるため成形性が得ら
れなくなる。また、見掛ヤング率が800N/mm2
り低く、初期伸度が12%より高く、初期応力が0.6
cN/dtexより低くなると、柔らかい繊維となり、
成形した形を保持できなくなる。
【0015】ここで、成形性とは任意の形に成形加工を
行った場合、その形を作れるかどうかの性能であり、保
形性とは成形したものの形を保持する耐久性のことであ
る。
【0016】B繊維は、荷重伸長曲線において、見掛ヤ
ング率が100〜700N/mm2、好ましくは150
〜650N/mm2 、さらに好ましくは200〜600
N/mm2 、最も好ましくは250〜550N/mm2
であり、初期伸度が8〜30%、好ましくは10〜25
%、さらに好ましくは11〜23%、最も好ましくは1
2〜20%であり、初期応力が0.1〜0.7cN/d
tex、0.15〜0.65cN/dtex、さらに好
ましくは0.2〜0.6cN/dtex、最も好ましく
は0.3〜0.55cN/dtexである特性値を有
し、低見掛ヤング率、高初期伸度、低初期応力であるた
めに優れた反発性を有する。
【0017】見掛ヤング率が700N/mm2 より高
く、初期伸度が10%より低く、初期応力が0.6cN
/dtexより高くなると、特性値(A)の範囲では、
前述の通り成形性が発現するものの、反発性、柔軟性は
低下してしまい、その範囲を超えると硬い繊維となる。
また、見掛ヤング率が100N/mm2 より低く、初期
伸度が30%よりも高く、初期応力が0.1cN/dt
exより低いと柔らかくなりすぎてコシがない繊維にな
ってしまい、反発性の乏しいものになってしまう。
【0018】本発明で用いるA繊維およびB繊維の太さ
は、どちらの場合も特に限定されないが、一般的には単
繊維繊度で0.1〜200デシテックスが好ましく、よ
り好ましくは0.5〜150デシテックス、さらに好ま
しくは1〜100デシテックス、最も好ましくは2〜5
0デシテックス、トータル繊度において20〜1000
デシテックス、より好ましくは30〜500デシテック
ス、さらに好ましくは40〜400デシテックス、最も
好ましくは50〜300デシテックスの糸として用いる
のが好ましい。単糸繊度、トータル繊度とも細くなり過
ぎると、良好な保形性、反発性が得難くなり、また太く
なり過ぎると肌触りが悪くなる。
【0019】また、本発明において特に重要なことは、
乳房カップを構成する繊維に少なくともA繊維とB繊維
を含むことである。これは、優れた成形性を有するA繊
維と反発性、柔軟性が良好なB繊維で構成することによ
り保形性に優れ、反発性、柔軟性良好な乳房カップとす
ることができる。
【0020】B繊維を含まずに乳房カップを構成した場
合は、保形性を有するものが得られるものの、反発性が
乏しく硬いものになってしまい、着用した場合には肌触
りの悪いものになってしまう。また、逆にA繊維を含ま
ずに乳房カップとした場合には、成形性がないため乳房
カップの形にすることができなくなる。すなわち、A繊
維とB繊維の少なくとも両方の繊維を含む乳房カップと
することで、柔軟でありながら、優れた保形性、反発性
を有し、着用した場合には肌触りが良好で、乳房の形を
美しく表現できるものとすることができる。
【0021】本発明の乳房カップは、ポリエステル繊維
から構成されることから、分散染料でフルカラーに染色
でき、かつ高い染色堅牢度が得られ好ましい。
【0022】乳房カップを構成する布帛は、織物、編物
あるいは不織布などの繊維シートが用いられ特に限定さ
れない。良好な通気性や洗濯耐久性を得るためには、織
物または編物が好ましく適用され、また、優れた保形性
を有する乳房カップを得るためには、織物、編物とも嵩
の高い多重組織が好ましく適用され、さらに好ましくは
表地および裏地とそれを連結する連結糸からなる三層構
造体が適用される。
【0023】本発明の好ましい態様の一つとしては、表
地および/または裏地が少なくともA繊維を有する複合
糸で、それを連結する連結糸がB繊維を有する複合糸で
構成される三層構造体からなる乳房カップである。
【0024】ここで、注目すべきことは、表地または裏
地のどちらか一方、あるいは表地と裏地の両方(以下、
単に表地および/または裏地という)にA繊維を有し、
表地と裏地とを連結する連結糸にB繊維を有することで
ある。これは、表地および裏地で優れた成形性を発現さ
せ、連結糸で反発性、柔軟性を発現させて、優れた保形
性、反発性および柔軟性を有し、嵩高性、通気性、洗濯
耐久性が良好な乳房カップとすることができる。
【0025】また、さらに好ましい態様としては、表地
および/または裏地が、少なくともA繊維とC繊維を有
する複合糸で構成されることである。また、連結糸が、
少なくともB繊維とC繊維を有する複合糸であることも
好ましい態様である。当然ながら、表地および/または
裏地が、少なくともA繊維とC繊維を有する複合糸で構
成され、それを連結する連結糸が、少なくともB繊維と
C繊維を有する複合糸であることも好ましい態様であ
る。
【0026】C繊維は、荷重伸長曲線において、見掛ヤ
ング率が2000〜15000N/mm2 、好ましくは
2100〜14000N/mm2 、さらに好ましくは2
200〜13000N/mm2 、最も好ましくは250
0〜12000N/mm2 であり、初期伸度が8%以
下、好ましくは7%以下、さらに好ましくは6%以下、
最も好ましくは5%以下であり、初期応力が0.7〜4
cN/dtex、好ましくは0.8〜3.8cN/dt
ex、さらに好ましくは0.85〜3.5cN/dte
x、最も好ましくは0.9〜3cN/dtexである特
性値を有し、見掛ヤング率が高く、初期伸度が低く、初
期応力が高い繊維であるため、前述のA繊維およびB繊
維よりも硬い繊維である。これは、成形性、反発性は劣
るものの、優れた剛性を有するため、A繊維と複合する
ことにより保形性を向上させることができる。また、B
繊維と複合することで、反発性を増し、連結糸とした場
合に嵩高性も付与できる。また、当然ながら、C繊維と
してはその特性値から通常のポリエステル延伸糸も含ま
れ、好ましく適用できる。
【0027】C繊維の太さは、特に限定されないが、一
般的には単繊維繊度で0.1〜100デシテックスが好
ましく、より好ましくは0.2〜80デシテックス、さ
らに好ましくは0.3〜60デシテックス、最も好まし
くは0.5〜30デシテックス、トータル繊度において
20〜500デシテックス、より好ましくは30〜30
0デシテックス、さらに好ましくは40〜200デシテ
ックス、最も好ましくは50〜100デシテックスの糸
として用いるのが好ましい。単糸繊度、トータル繊度と
も細くなり過ぎると、剛性が低くなり、また太くなり過
ぎると硬くなり、成形性が低下しやすくなる。
【0028】本発明で用いるポリエステル繊維とは、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレートなどの芳香族ポリエ
ステルが好ましく適用でき、特にポリエチレンテレフタ
レートが好ましく適用できる。また、ポリエチレンテレ
フタレートにポリアルキレングリコールが共重合された
共重合体や、ポリエチレンテレフタレートに5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸が共重合された共重合体も好ま
しく適用できる。
【0029】また、ポリエステルの極限粘度(オルソク
ロロフェノール、30℃)は0.55〜1.00である
ことが好ましく、染色を容易にする観点からは、ポリエ
ステルが、ポリエチレンテレフタレートにポリアルキレ
ングリコールが共重合された共重合体であって、90℃
〜110℃で分散染料可染とすることもできる。このポ
リエステルを用いたポリエステル繊維の場合、天然繊維
と混用しての染色に有利である。さらに、また、濃色、
鮮明な染色をする観点からは、ポリエステルが5−ナト
リウムスルホイソフタル酸が共重合されたカチオン染料
可染型ポリエステルとすることもできる。
【0030】本発明で用いるポリエステル繊維は、フィ
ラメント形態であっても、またステープル形態であって
もよいが、繰り返し洗濯に対する耐久性や染色加工のし
やすさからフィラメント形態が好ましい。
【0031】また、本発明で用いるA繊維、B繊維およ
びC繊維は目的に応じて他の繊維と混用できる。例え
ば、本発明以外のポリエステル繊維、ポリアミド繊維、
ポリアクリル繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維、
獣毛、絹、綿、レーヨン、麻のうち、少なくとも1種類
以上の繊維と混用することは好ましい一形態である。当
然ながら、A繊維、B繊維およびC繊維のうち2種類ま
たは3種類で混用することやそれに加えて、さらに他の
繊維を混用することは好ましい一形態である。複合形態
としては、エア交絡、交撚、合撚、引き揃え、混紡、ル
ープ加工などが好ましい。
【0032】本発明の乳房カップを有する衣類として
は、ブラジャー、ボディスーツ、ビスチェ、スリーイン
ワン、ブラキャミソール、ブラスリップ、ロングライン
ブラジャー、水着などに好ましく適用でき、保形性、反
発性、柔軟性および通気性が良好で、長時間の着用や繰
り返しの洗濯によって型くずれしない乳房カップを有す
る従来技術では得難い衣類を提供することができる。
【0033】本発明において、本発明者らが行った各種
特性の測定方法および条件は下記の通りである。 (1)荷重伸長曲線 JIS−L1013 7.5(引張強さ及び伸び率)の
試験法に準じて、下記条件にて測定し、グラフ化したも
のをいう。
【0034】試験機:定速伸長形引張試験機 試長(つかみ間隔):5cm 初期荷重:8.82mN/tex 引張速度:100mm/分 チャート速度:100mm/分 温度:20±2℃ 湿度:65±5%RH (2)見掛ヤング率 JIS−L1013 7.10に準じて求めた。 (3)初期応力及び初期伸度 図1に示すように得られた荷重伸長曲線の第一接線1と
第二接線2との交点3における荷重伸長曲線の強度の値
を初期応力とし、その時の伸度を初期伸度とした。
【0035】本発明の乳房カップを有する衣類の製造方
法は特に限定されないが、以下にその好ましい方法を述
べる。
【0036】表地および/または裏地および/またはそ
れを連結する連結糸に少なくとも高配向未延伸ポリエス
テル糸を含む複合糸を用いて三層構造体の織編物を作製
する。次いで、この織編物を60〜120℃の乾熱およ
び/または40〜80℃の湿熱、好ましくは65〜11
0℃の乾熱および/または45〜70℃の湿熱、より好
ましくは70〜100℃の乾熱および/または50〜6
5℃の湿熱の熱処理を拡布状で施して収縮させる。収縮
率は、織編物の密度、複合する糸種によって任意に選ば
れるが、織編物が抵抗を受けつつ収縮させるように、緩
やかに制限収縮させることが好ましい。いきなり高温で
処理することや急激に収縮させることは、成形性や柔軟
性などの特性やシワのない表面を有する乳房カップとす
るに好ましくない。
【0037】染色については、行わなくても何ら構わな
いが、行う場合には染色機を用いて分散染料浴中で、少
なくとも55〜70℃において、0.5℃/分以下、好
ましくは0.4℃/分以下、さらに好ましくは0.3℃
/分以下の速度で緩やかに昇温させることが好ましく、
昇温後は110〜130℃、3〜60分で染色すること
が好ましい。
【0038】特に緩やかに昇温させることは、シワや染
色ムラを発生しないようにすることの他に、柔軟性を向
上させることからも好ましい。もちろん、必要に応じて
余剰染料を除去するために従来公知の還元洗浄を行うこ
とは何ら問題ではない。
【0039】また、帯電防止剤、可縫性向上剤、柔軟
剤、抗菌剤、吸汗剤などの機能性剤を付与し、従来公知
の仕上げセットを施してもよい。
【0040】その後の成形加工は、乳房カップ形状の金
型を用いて、温度160〜200℃、時間10〜180
秒、クリアランス0〜3mmで行うことが好ましく、温
度170〜190℃、時間30〜120秒、クリアラン
ス0.5〜2mmで行うことがさらに好ましいが、成形
加工条件は特に限定されるものではなく、形状、風合い
によって好ましい成形加工条件が選ばれる。
【0041】成形加工後は、乳房カップ形状に合わせて
裁断し、衣類に応じた部材を用いて縫製することにより
作られる。
【0042】もちろん、本発明の乳房カップを芯材とし
て表面にレースを配したり、プリントを行って装飾や柄
を付与したものであってもよい。
【0043】
【実施例】以下、実施例について説明する。 実施例1 139デシテックス、36フィラメントのポリエチレン
テレフタレート高配向未延伸糸と83デシテックス、7
2フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を
エア交絡した複合糸を表地および裏地に用い、266デ
シテックス、48フィラメントのポリエチレンテレフタ
レート高配向未延伸糸と83デシテックス、72フィラ
メントのポリエチレンテレフタレートフィラメント延伸
糸をエア交絡した複合糸を連結糸として用い、厚さ2.
4mmの三層構造体編物を作製した。
【0044】かかる生機をテンターにて温度90℃で4
0秒間処理し、タテ5%、ヨコ20%収縮させた。
【0045】次いで、液流染色機内で分散染料を用いて
染色した。そのときの昇温条件は、40℃から55℃ま
で1℃/分、55℃から70℃まで0.2℃/分、70
℃から110℃まで1.0℃/分であり、110℃にて
10分間染色した。
【0046】染色後、帯電防止剤と可縫性向上剤を有す
る液浴中に浸せきした後、マングルで絞液し130℃で
3分間乾燥し、仕上げセットとしてテンターで有り幅で
150℃、30秒処理した。この布帛は収縮シワ、染色
ムラは発現していなかった。
【0047】この布帛を乳房カップ形状を有する金型を
用いて、クリアランス1.0mm、温度180℃、60
秒間プレスする成形加工を行ったところ、柔軟でありな
がらしっかりとしたカップ形状を有するものであった。
【0048】このカップ状に成形したものから解した糸
の、荷重伸長曲線を分析した結果を表1に示した。これ
は本発明の要件である特性値を満足する値であった。
【0049】得られた成形加工品を乳房カップ状に裁断
し、ストラップ、土台布、ワイヤーなど用いてブラジャ
ーに縫製した。
【0050】さらに、このカップの表面にレースを積層
して縫製した。レースを積層しても嵩張り感がなく、エ
レガントな外観を有するものであった。
【0051】このブラジャーを着用したところ、身体に
良くフィットし、肌触りがよく、軽くて、動きやすく、
通気性、透湿性が良好であり、スポーツをするのに極め
て快適であった。通気量(JIS−L1096(フラジ
ール法)に準ずる)を測定したところ、35cc/cm
2 ・secであった。さらに、家庭用洗濯機を用いて3
0回分水洗濯(水流:強、洗濯:5分間、濯ぎ:5分
間、洗剤:(株)花王ザブ)したところ、カップ形状が
崩れることなく洗濯前の形状がよく保持されていた。ま
た、寸法変化もほとんど認められなかった。 また、強
制の圧縮試験(荷重:100g/cm2 、時間:60分
間)においても、徐重後変形が認められず、カップ形状
を維持していた。 比較例1、比較例2 乳房カップに、発泡ポリウレタンシートの熱成形したも
の(比較例1)、繊維の一成分に熱接着性を有するいわ
ゆるサーマルボンド不織布を用いて熱成形したもの(比
較例2)を用いて、実施例1と同じ部材構成にてブラジ
ャーを縫製した。それぞれについて、通気量を測定した
ところ、比較例1は5cc/cm2 ・secであり、実
施例1に比べて通気性が不良であり、むれ感のあるもの
であった。比較例2は、19cc/cm2 ・secであ
った。さらに比較例1および2を実施例1と同様の繰り
返し洗濯を行ったところ、比較例1は型くずれが著しく
当初の形を留めていなかった。比較例2はカップ部が破
れてカップの形状を留めていなかった。 比較例3 139デシテックス、24フィラメントのポリエチレン
テレフタレート延伸糸と83デシテックス、72フィラ
メントのポリエチレンテレフタレート延伸糸をエア交絡
した複合糸を表地および裏地に用い、165デシテック
ス、36フィラメントのポリエチレンテレフタレート延
伸糸と83デシテックス、72フィラメントのポリエチ
レンテレフタレートフィラメント延伸糸をエア交絡した
複合糸を連結糸として用い、三層構造体の編物を作製し
た。得られた編地を90℃で5分熱水リラックスの後、
180℃で30秒熱処理し、その後、分散染料を用いて
130℃で30分染色した。
【0052】この染色布を用いて実施例1と同様の成形
加工を行い、乳房カップ形状に成形したところ、乳房カ
ップの形状とすることができなかった。
【0053】比較例3から解した糸の、荷重伸長曲線を
分析した結果を表2に示した。これは本発明の要件を満
たすものではなかった。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明により、優れた保形性、反発性、
柔軟性を有し、かつ通気性や肌触りが良好で、さらに
は、フルカラーに染色可能で、長時間の着用や繰り返し
洗濯によって型くずれしない乳房カップおよびその乳房
カップを有する衣類を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ポリエステル繊維の初期伸度、初期応力
を説明する荷重伸長曲線である。
【符号の説明】 1:第一接線 2:第二接線 3:第一接線と第二接線の交点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04B 1/24 D04B 1/24 21/14 21/14 Z 21/20 21/20 Z // D02J 1/08 D02J 1/08 Fターム(参考) 4L002 AA07 AB04 AC01 BB01 CB01 DA01 EA02 EA05 FA03 4L036 MA05 MA33 MA40 PA41 PA46 UA01 4L048 AA20 AA49 AA51 AB08 AB09 AC10 AC12 BA09 CA11 CA12 DA01 EB02 EB05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記特性値(A)を有するポリ
    エステル繊維(以下A繊維と記述)と下記特性値(B)
    を有するポリエステル繊維(以下B繊維と記述)で構成
    される布帛からなることを特徴とする乳房カップ。 特性値(A):荷重伸長曲線において、 (1)見掛ヤング率が800〜2000N/mm2 (2)初期伸度が4%〜12% (3)初期応力が0.6〜1cN/dtex 特性値(B):荷重伸長曲線において、 (1)見掛ヤング率が100〜700N/mm2 (2)初期伸度が8〜30% (3)初期応力が0.1〜0.7cN/dtex
  2. 【請求項2】布帛が、織物または編物であることを特徴
    とする請求項1記載の乳房カップ。
  3. 【請求項3】布帛が、表地および裏地と該表地および裏
    地を連結する連結糸からなる三層構造体であることを特
    徴とする請求項1または2記載の乳房カップ。
  4. 【請求項4】布帛が、表地および/または裏地が少なく
    とも前記A繊維を有する複合糸で構成されるとともに、
    該表地および裏地を連結する連結糸が少なくとも前記B
    繊維を有する複合糸で構成される三層構造体からなるこ
    とを特徴とする乳房カップ。
  5. 【請求項5】布帛が、表地および/または裏地が少なく
    とも前記A繊維と、下記特性値(C)を有するポリエス
    テル繊維(以下C繊維と記述)を有する複合糸からな
    り、表地および裏地とを連結する連結糸が少なくとも前
    記B繊維を有する複合糸で構成される三層構造体からな
    ることを特徴とする乳房カップ 特性値(C):荷重伸長曲線において、 (1)見掛ヤング率が2000〜15000N/mm2 (2)初期伸度が8%以下 (3)初期応力が0.7〜4cN/dtex以上
  6. 【請求項6】連結糸が少なくとも前記B繊維と前記C繊
    維を有する複合糸であることを特徴とする請求項4また
    は5記載の乳房カップ。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の乳房カッ
    プを用いてなることを特徴とする衣類。
  8. 【請求項8】衣類が、ブラジャー、ボディスーツ、ビス
    チェ、スリーインワン、ブラキャミソール、ブラスリッ
    プ、ロングラインブラジャー、および水着から選ばれた
    ものであること特徴とする請求項7記載の衣類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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