JP2001302918A - 樹脂構造体およびその用途 - Google Patents

樹脂構造体およびその用途

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JP2001302918A JP2000311404A JP2000311404A JP2001302918A JP 2001302918 A JP2001302918 A JP 2001302918A JP 2000311404 A JP2000311404 A JP 2000311404A JP 2000311404 A JP2000311404 A JP 2000311404A JP 2001302918 A JP2001302918 A JP 2001302918A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高湿度下での使用においても気体および/また
は液体の耐透過性を有し、しかも吸湿による寸法変化お
よび剛性などの機械的性質の低下を抑制した優れた吸水
時特性を有する熱可塑性樹脂構造体およびバリヤ性、強
度、耐久性、成形加工性にも優れたプラスチック容器、
管状体を与える積層構造体および用途を提供する。 【解決手段】実質的に(a)ポリアミド樹脂5〜80容
量%および(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂95〜
20容量%からなる樹脂組成物で構成され、かつ、電子
顕微鏡で観察される樹脂相分離構造において(b)ポリ
フェニレンスルフィド樹脂がマトリクス相(連続相)、
(a)ポリアミド樹脂が分散相となる相構造を形成する
ことを特徴とする熱可塑性樹脂構造体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体および/また
は液体の耐透過性に優れた樹脂構造体およびその用途に
関するものである。特に、ポリアミド樹脂とポリフェニ
レンスルフィド樹脂を特定の相構造を形成させることに
よって得られる特異的な耐透過性、低吸水性、吸湿時寸
法安定性、成形加工性を有する、気体および/または液
体バリア部品への適用に好適な樹脂成形品および、オイ
ル、ガソリンなどの薬液貯蔵および運搬用容器、配管
類、食品用、医療用包装材や容器などへの適用に好適な
積層構造体およびその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、機械的特性、耐熱
性、耐薬品性および成形性をバランスよく備えているた
め、電気・電子部品および自動車部品などに広く用いら
れている。また、近年、安全性、保存安定性、更には環
境汚染防止性を確保するために内容物の漏洩防止、外気
の混入防止等の目的でガスバリア性(耐透過性)が要求
される樹脂成形品が増加してきており、その中でもポリ
アミド樹脂は、優れたガスバリア性を有することから様
々な成形品として用いられてきている。しかしながら、
ポリアミド樹脂は、吸湿により強靱性は更に向上する反
面、寸法変化および剛性などの低下や、更に、高湿度下
の使用においては薬液および気体の耐透過性が低下し、
その使用範囲を制約されることが多い状況にあり、改善
が望まれている。
【0003】このようなポリアミド樹脂の物性を補完す
るために、耐水性、耐透過性に優れる反面、靭性や成形
加工性などに問題を有するポリフェニレンスルフィド樹
脂(以下PPS樹脂と略す)とを組み合わせた樹脂組成
物および成形体が従来より提案されている。
【0004】しかしながら、これらの方法では確かにポ
リアミド樹脂単体に比較し、吸水時の寸法安定性および
剛性は向上するものの、必ずしも満足するものではな
い。また、耐透過性および剛性が必要な部材に用いる場
合には十分とはいえず、これらポリアミド樹脂の有する
特性とPPS樹脂の有する特性を兼ね備えている、高度
に特性バランスに優れた成形材料がさらに求められてい
る。
【0005】また、バリア性の高い樹脂からなるバリア
層を積層させた積層構造体においては、バリア層を形成
する樹脂としてポリアミド樹脂(たとえば特開昭58−
220738号公報)を代表例として挙げることができ
る。しかし、最近は自動車燃料としてガソリンとアルコ
−ル類との混合物、いわゆるガスホ−ルが用いられる機
会も増加しており、このような場合、上記の従来技術で
得られるプラスチック容器ではバリア性が不十分であ
り、更なるバリア性の向上技術が望まれている。
【0006】一方、PPS樹脂はガソリンや自動車オイ
ルなどの薬液および水、炭酸ガスに対して極めて高いバ
リア性を示すことが知られており、これを用いたブロ−
成形中空容器や管状体なども提案されている(たとえば
特開昭62−90216号公報、特開昭61−2558
32号公報、特開平3−32816号公報など)。しか
し、PPS樹脂は他の樹脂との層間接着性が不十分のた
めポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン
系材料を始め他の樹脂材料との共押出やラミネ−ト加工
などが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリアミド
樹脂の有する機械的強度および靭性と、PPS樹脂の有
する低吸水性および耐透過性との高度なバランスの実現
を課題とし、更にポリアミド樹脂の本質的特徴である吸
湿による寸法変化および剛性などの機械的性質の低下と
薬液およびガスの耐透過性低下を可能な限り抑制した熱
可塑性樹脂構造体、特に気体および/または液体バリア
部品への適用に好適なポリアミド−PPS系樹脂成形体
およびバリア性、成形加工性、層間接着性、強靱性に優
れ、製造安定性、経済性を向上できる優れたプラスチッ
ク容器とするために好適な積層構造体を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
の課題を解決すべく検討した結果、ポリアミド樹脂とP
PS樹脂を特定量配合し、さらに必要に応じ無機充填材
を配合して得られる樹脂組成物において、その樹脂相分
離構造がPPS樹脂相が構造体中で連続した相を形成す
るよう分散構造を制御することにより上記課題が解決さ
れることを見出し本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、(1)実質的に(a)
ポリアミド樹脂5〜80容量%および(b)ポリフェニ
レンスルフィド樹脂95〜20容量%からなる樹脂組成
物で構成され、かつ、電子顕微鏡で観察される樹脂相分
離構造において(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂が
マトリクス相(連続相)、(a)ポリアミド樹脂が分散
相となる相構造を形成することを特徴とする熱可塑性樹
脂構造体、(2)(a)ポリアミド樹脂と(b)ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂の混合比率が、各々55〜80
容量%および45〜20容量%であることを特徴とする
前記(1)記載の熱可塑性樹脂構造体、(3)(a)ポ
リアミド樹脂と(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂の
混合比率が、各々60〜75容量%および40〜25容
量%であることを特徴とする前記(1)記載の熱可塑性
樹脂構造体、(4)(a)ポリアミド樹脂15〜85容
量%および(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂85〜
15容量%からなる樹脂組成物100重量部に対し、無
機充填材(c)0〜200重量部含有してなる樹脂組成
物で構成され、かつ、電子顕微鏡で観察される樹脂相分
離構造において(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂か
らなる相も(a)ポリアミド樹脂からなる相もともに実
質的な連続相である相構造を形成することを特徴とする
熱可塑性樹脂構造体、(5) (a)ポリアミド樹脂5
5〜95容量%および(b)ポリフェニレンスルフィド
樹脂45〜5容量%からなる樹脂組成物で構成され、か
つ、電子顕微鏡で観察される樹脂相分離構造において
(a)ポリアミド樹脂からなる連続相と(b)ポリフェ
ニレンスルフィド樹脂からなる帯状分散相とからなる相
構造を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂構造体、
(6) (a)成分のポリアミド樹脂及び(b)成分の
ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計100重量部に対
して(c)無機充填材0.5〜200重量部を含有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱可
塑性樹脂構造体。(7) 射出成形、射出圧縮成形、圧
縮成形の内から選ばれる少なくとも一種の方法で成形さ
れた前記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹
脂構造体、(8) 前記(1)〜(7)いずれか記載の
熱可塑性樹脂構造体を加工して得られる薬液またはガス
の搬送用あるいは貯蔵用容器、(9) 前記(1)〜
(7)いずれか記載の熱可塑性樹脂構造体を加工して得
られる薬液またはガスの搬送用あるいは貯蔵用容器の付
属部品、(10) 前記(1)〜(6)いずれか記載の
熱可塑性樹脂構造体がバリア層を構成してなることを特
徴とする積層構造体、(11) バリア層の片面側また
は両面側に隣接層が構成され、該隣接層を構成する樹脂
層がバリア層を構成する熱可塑性樹脂構造体とは異なる
熱可塑性樹脂層からなることを特徴とする前記(10)
に記載の積層構造体、(12) 隣接層を構成する熱可
塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、AB
S樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを
特徴とする前記(11)に記載の積層構造体、(13)
隣接層を構成する熱可塑性樹脂が、高密度ポリエチレ
ンであることを特徴とする前記(11)記載の積層構造
体、(14) バリア層と隣接層との間に接着層が構成
されることを特徴とする前記(11)記載の積層構造
体、(15) 共押出成形法で成形されることを特徴と
する前記(10)〜(14)のいずれかに記載の積層構
造体、(16) 共押出成形法を用いて多層チューブま
たは多層ブロー中空成形体に成形されたことを特徴とす
る前記(10)〜(15)のいずれかに記載の積層構造
体、を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において「重量」とは「質量」を意味す
る。
【0011】本発明で用いられる(a)ポリアミド樹脂
とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボ
ン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。その主
要構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、
パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロ
ラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラ
メチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチル
ペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウン
デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,
2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレ
ンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミ
ノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメ
チル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチ
ル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス
(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノ
プロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの
脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン
酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフ
タル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタ
ル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘ
キサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族
のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これら
の原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポ
リマーを各々単独または混合物の形で用いることができ
る。
【0012】本発明において、特に有用なポリアミド樹
脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れ
たポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプ
ロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド
(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナ
イロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイ
ロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプ
ロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー
(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサ
メチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6
T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチ
レンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6
T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチ
レンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6
I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキ
サメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T
/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ
ドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポ
リヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレ
フタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコ
ポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレ
ンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレン
テレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテ
レフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、
ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)お
よびこれらの混合物などが挙げられる。
【0013】とりわけ好ましいポリアミド樹脂として
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン6/66コポリマー、またナイロン6T/66コポ
リマー、ナイロン6T/6Iコポリマー、ナイロン6T
/12、およびナイロン6T/6コポリマーなどのヘキ
サメチレテレフタルアミド単位を有する共重合体を挙げ
ることができ、更にこれらのポリアミド樹脂を耐衝撃
性、成形加工性、相溶性などの必要特性に応じて混合物
として用いることも実用上好適である。
【0014】これらポリアミド樹脂の重合度には特に制
限がないが、サンプル濃度0.01g/mlの98%濃
硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度として、1.5
〜7.0の範囲のものが好ましく、特に2.0〜6.0
の範囲のポリアミド樹脂が好ましい。
【0015】また、本発明のポリアミド樹脂には、長期
耐熱性を向上させるために銅化合物が好ましく用いられ
る。銅化合物の具体的な例としては、塩化第一銅、塩化
第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ
化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅、リン酸銅、酢酸第
一銅、酢酸第二銅、サリチル酸第二銅、ステアリン酸第
二銅、安息香酸第二銅および前記無機ハロゲン化銅とキ
シリレンジアミン、2ーメルカプトベンズイミダゾー
ル、ベンズイミダゾールなどの錯化合物などが挙げられ
る。なかでも1価の銅化合物とりわけ1価のハロゲン化
銅化合物が好ましく、酢酸第1銅、ヨウ化第1銅などを
特に好適な銅化合物として例示できる。銅化合物の添加
量は、通常ポリアミド樹脂100重量部に対して0.0
1〜2重量部であることが好ましく、さらに0.015
〜1重量部の範囲であることが好ましい。添加量が多す
ぎると溶融成形時に金属銅の遊離が起こり、着色により
製品の価値を減ずることになる。本発明では銅化合物と
併用する形でハロゲン化アルカリを添加することも可能
である。このハロゲン化アルカリ化合物の例としては、
塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化カ
リウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウ
ムおよびヨウ化ナトリウムを挙げることができ、ヨウ化
カリウム、ヨウ化ナトリウムが特に好ましい。
【0016】本発明で用いられる(b)PPS樹脂は、
下記構造式で示される繰り返し単位を有する重合体であ
り、
【0017】
【化1】 耐熱性の観点からは上記構造式で示される繰り返し単位
を含む重合体を70モル%以上、更には90モル%以上
含む重合体が好ましい。またPPS樹脂はその繰り返し
単位の30モル%未満が、下記の構造を有する繰り返し
単位等で構成されていてもよい。
【0018】
【化2】 かかる構造を一部有するPPS重合体は、融点が低くな
るため、本発明の積層構造体においてバリア層以外に用
いられる熱可塑性樹脂の融点が低い場合には成形性の点
で有利となる。
【0019】本発明で用いられるPPS樹脂の溶融粘度
は、溶融混練が可能であれば特に制限はないが、通常5
0〜20000poise(320℃、剪断速度100
0sec-1)のものが好ましく使用され、100〜50
00poiseの範囲がより好ましい。
【0020】かかるPPS樹脂は通常公知の方法即ち特
公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の
小さな重合体を得る方法あるいは特公昭52−1224
0号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比
較的分子量の大きな重合体を得る方法などによって製造
できる。本発明において上記の様に得られたPPS樹脂
を空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活
性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、
熱水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イ
ソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官
能基含有化合物による活性化など種々の処理を施した上
で使用することももちろん可能である。
【0021】PPS樹脂の加熱による架橋/高分子量化
する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化
性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴ
ンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器
中で所定の温度において希望する溶融粘度が得られるま
で加熱を行う方法が例示できる。加熱処理温度は通常、
170〜280℃が選択され、好ましくは200〜27
0℃である。また、加熱処理時間は通常0.5〜100
時間が選択され、好ましくは2〜50時間であるが、こ
の両者をコントロールすることにより目標とする粘度レ
ベルを得ることができる。加熱処理の装置は通常の熱風
乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であ
ってもよいが、効率よくしかもより均一に処理するため
には回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがよ
り好ましい。
【0022】PPS樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気
下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法として
は、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で、
加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜2
70℃、加熱時間は0.5〜100時間、好ましくは2
〜50時間加熱処理する方法が例示できる。加熱処理の
装置は、通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌
翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより
均一に処理するためには回転式あるいは撹拌翼付の加熱
装置を用いるのがより好ましい。
【0023】本発明に用いるPPS樹脂は脱イオン処理
を施されたPPS樹脂であることが好ましい。かかる脱
イオン処理の具体的方法としては酸水溶液洗浄処理、熱
水洗浄処理および有機溶媒洗浄処理などが例示でき、こ
れらの処理は2種以上の方法を組み合わせて用いても良
い。
【0024】PPS樹脂を有機溶媒で洗浄する場合の具
体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち、
洗浄に用いる有機溶媒としては、PPS樹脂を分解する
作用などを有しないものであれば特に制限はないが、例
えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド、ス
ルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン
などのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、
トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタ
ン、テトラクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲ
ン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレ
ングリコールなどのアルコール、フェノール系溶媒、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶
媒などがあげられる。これらの有機溶媒のなかでN−メ
チルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ク
ロロホルムなどの使用が好ましい。また、これらの有機
溶媒は、1種類または2種類以上を混合して使用され
る。有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中に
PPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要によ
り適宜撹拌または加熱することも可能である。有機溶媒
でPPS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制
限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択でき
る。洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向が
あるが、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分効果が
得られる。また有機溶媒洗浄を施されたPPS樹脂は残
留している有機溶媒を除去するため、水または温水で数
回洗浄することが好ましい。
【0025】PPS樹脂を熱水で洗浄処理する場合の具
体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち熱
水洗浄によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を
発現するため、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水
であることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定
量の水に所定量のPPS樹脂を投入し、常圧であるいは
圧力容器内で加熱、撹拌することにより行われる。PP
S樹脂と水との割合は、水の多いほうが好ましいが、通
常、水1リットルに対し、PPS樹脂200g以下の浴
比が選択される。
【0026】PPS樹脂を酸処理する場合の具体的方法
としては以下の方法が例示できる。すなわち、酸または
酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があ
り、必要により適宜撹拌または加熱することも可能であ
る。用いられる酸はPPS樹脂を分解する作用を有しな
いものであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロロ酢
酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボン
酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカ
ルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン
酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル
酸などのジカルボン酸、硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪
酸などの無機酸性化合物などがあげられる。中でも酢
酸、塩酸がより好ましく用いられる。酸処理を施された
PPS樹脂は残留している酸または塩などを除去するた
めに、水または温水で数回洗浄することが好ましい。ま
た洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の好まし
い化学的変性の効果を損なわない意味で蒸留水あるいは
脱イオン水であることが好ましい。
【0027】本発明において、(a)成分のポリアミド
樹脂と(b)成分のPPS樹脂の相溶性の向上を目的と
して従来公知の相溶化剤を配合することもできる。これ
ら相溶化剤の具体的な例としては、エポキシ基、アミノ
基、イソシアネート基、水酸基、メルカプト基、ウレイ
ド基の中から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する
アルコキシシランなどの有機シラン化合物、エチレン、
プロピレンなどのα−オレフィンとアクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、クロトン酸などのα,β−不飽和
カルボン酸、これらのエステル、無水物、ハロゲン化
物、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛などと
の塩などの誘導体から選ばれた少なくとも1種の化合物
とのランダム、ブロック、グラフト共重合体などの変性
ポリオレフィン類、α−オレフィンおよびα,β−不飽
和酸のグリシジルエステルを主構成成分とするオレフィ
ン系共重合体などのエポキシ基含有オレフィン系共重合
体および多官能エポキシ化合物などが挙げられ、これら
は2種以上同時に使用することもできる。
【0028】本発明で言う熱可塑性樹脂構造体とは、
(1)PPS樹脂成分が連続相(マトリックス相)を形
成し、ポリアミド樹脂成分が分散相を形成する相構造
(例えば海島構造)、(2)PPS樹脂成分とポリアミ
ド樹脂成分が共に実質的な連続相を形成する相構造(例
えば海海構造)、または(3)ポリアミド樹脂成分が連
続相を形成し、PPS樹脂成分が多数の薄い二次元的に
重なった帯(層)状として分散相を形成する相構造(ラ
ミナー構造)、を一部もしくは全部に有する構造体であ
る。構造体の形状については特に制限はない。また、構
造体の種々の場所で上記相構造(1)、(2)または
(3)が共存したり、複数回出現したりする場合もあ
る。この相構造(1)、(2)または(3)は、走査型
および透過型電子顕微鏡を用いて観察し、確認する。
【0029】本発明の熱可塑性樹脂構造体における
(a)成分のポリアミド樹脂および(b)成分のPPS
樹脂の配合割合は、PPS樹脂成分が連続相(マトリッ
クス相)を形成し、ポリアミド樹脂成分が分散相を形成
する相構造(例えば海島構造、図1)の場合には、ポリ
アミド樹脂5〜80容量%、PPS樹脂95〜20容量
%である。好ましくは、ポリアミド樹脂55〜80容量
%、PPS樹脂45〜20容量%である。このようなP
PS樹脂成分が少量成分である場合、例えばポリアミド
樹脂/PPS樹脂の溶融粘度比を適切に制御することに
よってPPS樹脂が連続相をとる相構造を形成すること
ができる。この相構造の成形体は、吸水時特性および耐
透過性のバランスに優れ、積層構造体のバリア層では、
強靱性、層間接着性、バリア性および経済性のバランス
が優れたものであり特に好ましい。更には、両成分配合
比がポリアミド樹脂60〜75容量%、PPS樹脂40
〜25容量%であることが好ましい。(a)成分のポリ
アミド樹脂が80容量%を超えると、本発明の樹脂成形
体の特徴であるPPS樹脂成分が連続相を形成すること
が困難となり、本発明の目的を達成することができな
い。また、(a)成分のポリアミド樹脂が5容量%未満
になると樹脂成形体の靭性低下および積層構造体の層間
接着性の低下をきたすので好ましくない。
【0030】PPS樹脂成分とポリアミド樹脂成分が共
に実質的な連続相(マトリックス相)を形成する相構造
(例えば海海構造、図2)を得る場合は、ポリアミド樹
脂15〜85容量%、PPS樹脂85〜15容量%の組
成範囲において、ポリアミド樹脂およびPPS樹脂の溶
融粘度および相溶性を制御することが重要である。この
相分離構造を具現化する上で、ポリアミド樹脂30〜7
0容量%、PPS樹脂70〜30容量%の組成が好まし
く、ポリアミド樹脂35〜65容量%、PPS樹脂65
〜35容量%が更に好ましい。(a)成分のポリアミド
樹脂が85容量%を超える場合、PPS樹脂成分が実質
的な連続相を形成することが困難となり、本発明の目的
を達成する構造体を得ることができない。
【0031】次に、ポリアミド樹脂成分が連続相(マト
リックス相)を形成し、PPS樹脂成分が多数の薄い2
次元的に重なった帯(層)状として分散相(ラミナー構
造、図3)を形成する相構造を得る場合には、ポリアミ
ド樹脂55〜95容量%、PPS樹脂45〜5容量%で
ある。好ましくはポリアミド樹脂60〜95容量%、P
PS樹脂40〜5容量%、更に好ましくはポリアミド樹
脂65〜95容量%、PPS樹脂35〜5容量%であ
る。(a)成分のポリアミド樹脂が95容量%を超える
と、PPS樹脂成分の帯状分散相を十分な長さ、量とす
ることが困難となり、本発明の目的を達成することがで
きない。また、(a)成分のポリアミド樹脂が55容量
%未満になるとPPS樹脂成分が帯状分散相を形成する
ことが困難となる。
【0032】帯状分散相を形成するPPS樹脂成分のL
/T(長さ/厚み)は、30以上であることが好まし
い。より好ましくはL/Tは100以上、特に好ましく
はL/Tは150以上である。L/Tが30以下である
場合、目的のバリア性を達成する構造体を得ることがで
きない。また、L/Tの上限については特に制限はない
が工業的には1×106以下が実用的である。
【0033】本発明に用いる(c)無機充填材として
は、特に限定されるものではないが、繊維状、板状、粉
末状、粒状などの充填材を使用することができる。具体
的には、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、
ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金
属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊
維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊
維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化
ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカ
ー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウム
ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィ
スカー状充填材、ワラステナイト、セリサイト、カオリ
ン、マイカ、クレー、ベントナイト、アスベスト、タル
ク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、モンモリロナイ
ト、合成雲母などの膨潤性の層状珪酸塩、アルミナ、酸
化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チ
タン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラス・ビーズ、セラ
ミックビ−ズ、窒化ホウ素、炭化珪素、燐酸カルシウム
およびシリカなどの非繊維状充填剤が挙げられる。上記
充填材中、ガラス繊維および導電性が必要な場合にはP
AN系の炭素繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の
種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定
はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップ
ドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用い
ることができる。また、上記の充填材は2種以上を併用
して使用することもできる。なお、本発明に使用する上
記の充填材はその表面を公知のカップリング剤(例え
ば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリン
グ剤など)、その他の表面処理剤および膨潤性の層状珪
酸塩では有機化オニウムイオンで予備処理して使用する
ことは、より優れた機械的強度、バリア性を得る意味に
おいて好ましい。
【0034】また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル
共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0035】上記の(c)無機充填材の添加量は、
(a)ポリアミド樹脂および(b)PPS樹脂の合計量
100重量部に対し、0.5〜200重量部であること
が好ましい。より好ましくは5〜200重量部、特に好
ましくは10〜150重量部である。
【0036】本発明で言う積層構造体は複数種の樹脂が
積層された構造体であって、上記特定の相構造を有する
熱可塑性樹脂構造体が少なくとも1層(以下(イ)バリ
ア層という)に構成され、また別な組成もしくは相構造
を有する本発明の熱可塑性樹脂構造体(該層もバリア層
である。)または該バリア層の少なくとも一面側に該バ
リア層とは異なった樹脂層(以下(ロ)隣接層という)
が構成された構造体である。また、本発明の積層構造体
の好ましい態様においては、(イ)バリア層と(ロ)隣
接層との接着力を向上する目的で該両層の間に、該両層
に密着性を有し、かつ、共押出性を有する樹脂層(以下
(ハ)接着層という)が適宜構成された積層体である。
具体的には、例えば(イ)層/(ロ)層の2種2層構
造、(ロ)層/(イ)層/(ロ)層の2種3層構造、
(ロ)層/(ハ)層/(イ)層の3種3層構造、(ロ)
層/(ハ)層/(イ)層/(ロ)層の3種4層構造、
(ロ)層/(ハ)層/(イ)層/(ハ)層/(ロ)層の
3種5層構造などの積層構造が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0037】本発明において(ロ)隣接層を構成する樹
脂は、本発明の要件とは異なる相構造または組成を有す
る熱可塑性樹脂で構成される。該熱可塑性樹脂の種類に
は特に制限はなく、積層構造体の使用目的に応じて適宜
選択することができる。具体例としては、飽和ポリエス
テル樹脂、ポリスルホン樹脂、四フッ化ポリエチレン樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹
脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ABS樹脂、ポリアミドエラストマ、ポリエ
ステルエラストマなどが挙げられ、これらは2種以上の
混合物として使用しても良い。中でも、ポリオレフィン
樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂およびABS樹脂がより好ましく用
いられる。
【0038】ここで好ましいポリオレフィン樹脂の例と
しては、低、中および高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン/プロピレン共重合体、ポリ−1−ブテ
ン、ポリ−4−メチルペンテン−1、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン、およびポリメチルペンテン
などが挙げられる。中でも、低、中および高密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合
体がより好ましく用いられる。
【0039】また、好ましい熱可塑性ポリエステルとし
ては、例えばテレフタル酸などのジカルボン酸と脂肪族
ジオールとから得られるポリエステルをいう。テレフタ
ル酸以外のジカルボン酸としては、アゼライン酸、セバ
シン酸、アジピン酸、デカンジカルボン酸などの炭素数
2〜20の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、またはシ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸な
どが挙げられ、これらは単独であっても混合物であって
も良い。脂肪族ジオールとしては、エチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよ
びヘキサメチレングリコールなどが挙げられる。具体的
には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキ
サメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど
が挙げられるが、中でも適度な機械的強度を有するポリ
ブチレンテレフタレート、またはテレフタル酸を60モ
ル%以上、好ましくは70モル%以上とドデカンジカル
ボン酸および/またはイソフタル酸を含有するジカルボ
ン酸成分と1,4−ブタンジオール成分からなる共重合
ポリエステルが特に好ましく使用される。
【0040】これら熱可塑性ポリエステル樹脂の重合度
には特に制限は無いが、好ましく使用されるポリブチレ
ンテレフタレート、共重合ポリブチレンテレフタレート
の場合、0.5%オルトクロロフェノール溶液を25℃
で測定した固有粘度としてが0.5〜2.5の範囲のも
のが好ましく、特に0.8〜2.0の範囲のものが好ま
しい。また、ポリエチレンテレフタレートの場合、0.
5%オルトクロロフェノール溶液を25℃で測定した固
有粘度として0.54〜1.5の範囲のものが好まし
く、特に0.6〜1.2の範囲のものが好ましい。
【0041】また、好ましいポリアミド樹脂の例として
は、前述の(a)成分として説明したポリアミド樹脂と
同様であるが、中でもアミド基1個当たりの炭素数が8
〜15の範囲である構造単位からなるポリアミド樹脂で
が好適であり、更にアミノカルボン酸またはその誘導体
をモノマーとするポリアミド樹脂は、より優れた低温靱
性を得る意味で特に好ましい。かかるポリアミドとして
はポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリウンデカ
ンアミド(ナイロン11)などが例示でき、あるいはメ
タクレゾール中(ポリマー濃度0.5重量%)、25℃
で測定した相対粘度が1.0〜7.0の範囲、特に1.
5〜5.0の範囲のポリアミド樹脂が例示できる。
【0042】これらポリアミド樹脂の重合度にはとくに
制限がなく、サンプル濃度0.01g/mlの98%濃
硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度として、1.5
〜7.0の範囲のものが好ましい。更に好ましくは2.
0〜6.5、特に好ましくは2.5〜5.5の範囲であ
る。
【0043】かかる(ロ)隣接層を構成する熱可塑性樹
脂は、各樹脂に適した可塑剤、酸化防止剤、核剤、着色
剤などの添加剤を含んでいても良い。
【0044】本発明で特定した相分離構造をとる熱可塑
性樹脂構造体で構成された(イ)バリア層、その片面側
または両面側に(ロ)隣接相が構成された積層構造体
は、2色射出成形法などによっても製造し得るが、フィ
ルム状またはシ−ト状として得る場合は各々の層を形成
する組成物を別個の押出機で溶融した後、多層構造のダ
イに供給し、共押出成形する方法、予め隣接層を成形し
た後、上記バリア層を溶融押出するいわゆるラミネ−ト
成形法などにより製造することができる。また、積層構
造体の形状が瓶、樽、タンクなどの中空容器やパイプ、
チュ−ブなどの管状体である場合は、通常の共押出成形
法を採用することができ、例えば内層を特定の相分離構
造を有するバリア層、外層を隣接層で形成する2層中空
成形体の場合、2台の押出機へ、上記バリア層用樹脂組
成物と隣接層用樹脂組成物とを別々に供給し、これら2
種の溶融樹脂を共通のダイ内に圧力供給して、各々環状
の流れとなした後、バリア層を内層側に、隣接層を外層
側になるように合流させ、ついで、ダイ外へ共押出し
て、通常公知のチューブ成形法、ブロー成形法などを行
うことにより、2層中空成形体を得ることができる。ま
た、3層中空成形体の場合には、3台の押出機を用いて
上記と同様の方法にて3層構造にするか、または2台の
押出機を用いて2種3層構造の中空成形体を得ることも
可能である。これらの方法の中では層間接着力の点で共
押出成形法を用いて成形することが好ましい。
【0045】また本発明の積層構造体においては、成形
体の耐衝撃性や成形性、各層間の接着力をさらに向上す
る目的で(イ)バリア層と(ロ)隣接層の間に(ハ)接
着層を適宜構成させることが好ましい。接着層を構成す
る樹脂としては、(イ)バリア層および(ロ)隣接層に
対して接着性を示し、これらとの共押出が可能なもので
あれば構造を特に限定されるものではない。具体的な例
を挙げれば、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィ
ンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン
酸などのα,β−不飽和カルボン酸、これらのエステ
ル、無水物、ハロゲン化物、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、亜鉛などとの塩などの誘導体から選ばれた
少なくとも1種の化合物とのランダム、ブロック、グラ
フト共重合体などの変性ポリオレフィン類、エチレン、
プロピレンなどのα−オレフィンと酢酸ビニル、ビニル
アルコ−ル、スチレン類の中から選ばれる少なくとも1
種の化合物とのランダム、ブロック、グラフト共重合
体、共重合ポリアミド系接着剤、共重合ポリエステル系
接着剤などを挙げることができる。したがってこれら接
着層の使い方によって積層構造体は2種2層、2種3
層、3種3層、3種4層、3種5層などいくつかの形を
取り得るのである。
【0046】本発明の熱可塑性樹脂構造体には導電性を
付与するために導電性フィラーおよび/または導電性ポ
リマーを使用することが可能であり、その材料は特に限
定されるものではないが、導電性フィラーとして、通常
樹脂の導電化に用いられる導電性フィラーであれば特に
制限は無く、その具体例としては、金属粉、金属フレー
ク、金属リボン、金属繊維、金属酸化物、導電性物質で
被覆された無機フィラー、カーボン粉末、黒鉛、炭素繊
維、カーボンフレーク、鱗片状カーボンなどが挙げられ
る。
【0047】金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属
種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニ
ウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示で
きる。
【0048】金属繊維の金属種の具体例としては鉄、
銅、ステンレス、アルミニウム、黄銅などが例示でき
る。
【0049】かかる金属粉、金属フレーク、金属リボ
ン、金属繊維はチタネート系、アルミ系、シラン系など
の表面処理剤で表面処理を施されていても良い。
【0050】金属酸化物の具体例としてはSnO2(ア
ンチモンドープ)、In23(アンチモンドープ)、Z
nO(アルミニウムドープ)などが例示でき、これらは
チタネート系、アルミニウム系、シラン系カップリング
剤などの表面処理剤で表面処理を施されていても良い。
【0051】導電性物質で被覆された無機フィラーにお
ける導電性物質の具体例としてはアルミニウム、ニッケ
ル、銀、カーボン、SnO2(アンチモンドープ)、I
2 3(アンチモンドープ)などが例示できる。また被
覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビー
ズ、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ
ー、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アル
ミニウムウィスカー、酸化亜鉛系ウィスカー、酸化チタ
ン酸系ウィスカー、炭化珪素ウィスカーなどが例示でき
る。被覆方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、
無電解メッキ法、焼き付け法などが挙げられる。またこ
れらはチタネート系、アルミ系、シラン系カップリング
剤などの表面処理剤で表面処理を施されていても良い。
【0052】カーボン粉末はその原料、製造法からアセ
チレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフ
タリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラッ
ク、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラ
ック、ディスクブラックなどに分類される。本発明で用
いることのできるカーボン粉末は、その原料、製造法は
特に限定されないが、アセチレンブラック、ファーネス
ブラックが特に好適に用いられる。またカーボン粉末
は、その粒子径、表面積、DBP吸油量、灰分などの特
性の異なる種々のカーボン粉末が製造されている。本発
明で用いることのできるカーボン粉末は、これら特性に
特に制限は無いが、強度、電気伝導度のバランスの点か
ら、平均粒径が500nm以下、特に5〜100nm、
更には10〜70nmが好ましい。また比表面積(BE
T法)は10m2 /g以上、更には30m2 /g以上が
好ましい。またDBP給油量は50ml/100g以
上、特に100ml/100g以上が好ましい。また灰
分は0.5重量%以下、特に0.3重量%以下が好まし
い。
【0053】かかるカーボン粉末はチタネート系、アル
ミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されて
いても良い。また溶融混練作業性を向上させるために造
粒されたものを用いることも可能である。
【0054】用途によって成形体には、表面の平滑性が
求められる。かかる観点から、本発明で用いる導電性フ
ィラーは、本発明で用いられる(c)無機充填材同様、
高いアスペクト比を有する繊維状フィラーよりも、粉
状、粒状、板状、鱗片状、あるいは樹脂組成物中の長さ
/直径比が200以下の繊維状のいずれかの形態である
ことが好ましい。
【0055】導電性ポリマーの具体例としては、ポリア
ニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリ(パラフ
ェニレン)、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン
などが例示できる。
【0056】上記導電性フィラーおよび/または導電性
ポリマーは、2種以上を併用して用いても良い。かかる
導電性フィラー、導電性ポリマーの中で、特にカーボン
ブラックが強度、経済性の点で特に好適に用いられる。
【0057】本発明で用いられる導電性フィラーおよび
/または導電性ポリマーの含有量は、用いる導電性フィ
ラーおよび/または導電性ポリマーの種類により異なる
ため、一概に規定はできないが、導電性と流動性、機械
的強度などとのバランスの点から、(a)および(b)
成分と(c)成分の合計100重量部に対し、1〜25
0重量部、好ましくは3〜100重量部の範囲が好まし
く選択される。また、更に好ましくは(a)成分と
(b)成分の合計100重量部に対し、3〜100重量
部の範囲が導電性機能を付与するために好ましく選択さ
れる。
【0058】また導電性を付与した場合、十分な帯電防
止性能を得る意味で、その体積固有抵抗が1010Ω・c
m以下であることが好ましい。但し上記導電性フィラ
ー、導電性ポリマーの配合は一般に強度、流動性の悪化
を招きやすい。そのため目標とする導電レベルが得られ
れば、上記導電性フィラー、導電性ポリマーの配合量は
できるだけ少ない方が望ましい。目標とする導電レベル
は用途によって異なるが、通常体積固有抵抗が100Ω
・cmを越え、1010Ω・cm以下の範囲である。
【0059】本発明における組成物中には本発明の効果
を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱
安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホ
スファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾ
ルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型
剤および滑剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエス
テル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ス
テアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチ
レンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシア
ニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、
結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可
塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼ
ンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェ
ート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カ
チオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイ
ン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラ
ミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化
ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化
ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれら
の臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ
等)、他の重合体を添加することができる。
【0060】本発明の樹脂構造体を得る方法としては、
本発明が要件とする相構造が得られれば、特に制限はな
いが、溶融混練において、たとえば2軸押出機で溶融混
練する場合にメインフィーダーからポリアミド樹脂とP
PS樹脂を供給し、無機充填材を押出機の先端部分のサ
イドフィーダーから供給する方法や事前にポリアミド樹
脂とPPS樹脂を溶融混練した後、無機充填材と溶融混
練する方法などが挙げられる。
【0061】本発明の熱可塑性樹脂構造体および積層構
造体は公知の方法で賦形でき、その成形方法に関しても
制限はなく射出成形、押出成形、吹込成形、プレス成形
等を利用することができる。中でも射出成形、射出圧縮
成形、圧縮成形から選ばれる一方法を採用することが生
産性に優れ工業的に本発明を実施する上で好ましい。ま
た、成形温度については、通常、PPS樹脂の融点より
5〜50℃高い温度範囲から選択され、一般的には、単
層であるが、2色成形法により多層にしてもかまわな
い。
【0062】本発明の樹脂構造体における各層の配置に
ついては特に制限はなく、全ての層を本発明の熱可塑性
樹脂構造体で構成してもよいし、他の層にその他の熱可
塑性樹脂を用いて構成してもよい。本発明の熱可塑性樹
脂構造体からなる層はその耐透過性効果を十分に発揮さ
せる上で、2層以上の場合は最内面側に用いることが好
ましい。また、得られた成形品同士あるいはその他の成
形品と接着または溶着させてもよく、その方法は特に限
定されず公知の技術を用いることが可能である。
【0063】本発明の熱可塑性樹脂構造体および積層構
造体はその優れたガスバリア性、耐久性、加工性を活か
し、薬液またはガス搬送および/または貯蔵用容器およ
びその付属部品や共押出成形法を用いて成形された多層
チューブまたは多層ブロー中空成形体として好ましく用
いることができる。薬液やガスとしては、例えば、フロ
ン−11、フロン−12、フロン−21、フロン−2
2、フロン−113、フロン−114、フロン−11
5、フロン−134a、フロン−32、フロン−12
3、フロン−124、フロン−125、フロン−143
a、フロン−141b、フロン−142b、フロン−2
25、フロン−C318、R−502、1,1,1−ト
リクロロエタン、塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチ
ル、メチルクロロホルム、プロパン、イソブタン、n−
ブタン、ジメチルエーテル、ひまし油ベースのブレーキ
液、グリコールエーテル系ブレーキ液、ホウ酸エステル
系ブレーキ液、極寒地用ブレーキ液、シリコーン油系ブ
レーキ液、鉱油系ブレーキ液、パワーステアリングオイ
ル、ウインドウオッシャ液、ガソリン、メタノール、エ
タノール、イソプタノール、ブタノール、窒素、酸素、
水素、二酸化炭素、メタン、プロパン、天然ガス、アル
ゴン、ヘリウム、キセノン、医薬剤等の気体および/ま
たは液体あるいは気化ガス等の耐透過性が優れているこ
とから、例えば、上記気体および/または液体の耐透過
性フィルムを始めとして、エアバック、シャンプー、リ
ンス、液体石鹸、洗剤等の各種薬剤用ボトル、薬液保存
用タンク、ガス保存用タンク、冷却液タンク、オイル移
液用タンク、消毒液用タンク、輸血ポンプ用タンク、燃
料タンク、キャニスター、ウォッシャー液タンク、オイ
ルリザーバータンクなどの自動車部品、医療器具用途部
品、および一般生活器具部品としてのタンク、ボトル状
成形品やまたはそれらタンク、ボトルに付属するカット
オフバルブなどのバルブや継手類、付属ポンプのゲー
ジ、ケース類などの部品、フューエルフィラーアンダー
パイプ、ORVRホース、リザーブホース、ベントホー
スなどの各種燃料チューブおよび接続部品(コネクター
等)、オイルチューブおよび接続部品、ブレーキホース
および接続部品、ウインドウオッシャー液用ノズルおよ
びホース、冷却水、冷媒等用クーラーホースおよび接続
用部品、エアコン冷媒用チューブおよび接続用部品、床
暖房パイプおよび接続部品、消火器および消火設備用ホ
ース、医療用冷却機材用チューブおよび接続用部品やバ
ルブ類、その他薬液およびガス搬送用チューブ用途、薬
品保存用容器等の薬液および耐ガス透過性が必要とされ
る用途、自動車部品、内燃機関用途、電動工具ハウジン
グ類などの機械部品を始め、電気・電子部品、医療、食
品、家庭・事務用品、建材関係部品、家具用部品など各
種用途が挙げられる。
【0064】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるも
のではない。 (1)アルコールガソリン透過性 直径40mmの押出機の先端にチューブ状に成形するダ
イス、チューブを冷却し寸法制御するサイジングダイ、
および引取機からなるものを使用し、外径:8mm、内
径:6mmのチューブを成形した。さらに20cm長に
カットし、チューブの一端を密栓し、内部に市販レギュ
ラーガソリンとエタノールを75対25重量比に混合し
たアルコールガソリン混合物を6g精秤し内部に仕込
み、残りの端部も密栓した。その後、全体の重量を測定
し、試験チューブを60℃の防爆型オーブンにいれ、5
00時間処理し、減量した重量を測定した。 (2)吸湿時のアルコールガソリン透過性 上記(1)と同様にアルコールガソリン混合物を充填し
た試験チューブを温度40℃、相対湿度65%の恒温恒
湿器中で500時間処理し、減量した重量を測定した。 (3)酸素透過性 JIS K7126 A法(差圧法)に準じてGTR−
10(ヤナコ分析工業製)を用いて測定を行った。 (4)材料強度 以下の標準方法に従って測定した。 引張強度 :ASTM D638 曲げ弾性率 :ASTM D790 Izod衝撃強度 :ASTM D256 (5)吸水率 ASTM 1号試験片(厚さ1/8インチ)を用い、温
度60℃、相対湿度95%の恒温恒湿器中に、24時間
静置し、成形直後の絶対乾燥時(絶乾時)と吸水後の重
量から吸水時重量増加率として求めた。
【0065】吸水率(%)={(吸水後の重量−絶乾時
の重量)/絶乾時の重量}×100 (6)吸水時寸法安定性 上記吸水率と同様に吸水処理した試験片において、成形
直後の絶対乾燥時(絶乾時)と吸水後の試験片長さ(長
尺方向)から吸水時寸法増加率として求めた。
【0066】吸水時寸法安定性(%)={(吸水後の試
験片長さ−絶乾時の試験片長さ)/絶乾時の試験片長
さ}×100 (7)吸水時弾性率 上記吸水率と同様に吸水処理した試験片の曲げ弾性率を
ASTM D790に従って測定した。 (8)相分離構造の観察 チューブ成形品の断面部分(バリア層)を電子顕微鏡
(TEM、SEM)を用いて観察を行なった。 (9)溶融粘度比 プランジャー式キャピラリーレオメーターを用いて、溶
融混練温度でのせん断速度10sec-1の溶融粘度(p
oise)を測定し求めた。
【0067】溶融粘度比=(ポリアミド樹脂の溶融粘
度)/(PPS樹脂の溶融粘度) (10)積層構造体の物性 (A)ガスホ−ルバリヤ性: チューブを30cmにカ
ットしたチューブの一端を密栓し、内部に市販レギュラ
ーガソリンとメチルアルコールを85対15(重量比)
に混合したアルコールガソリン混合物を入れ、残りの端
部も密栓した。その後、全体の重量を測定し、試験チュ
ーブを40℃の防爆型オーブンにいれ、重量変化により
アルコールガソリン透過性を評価した。 (B)成形品層間の接着強度: チューブを幅10mm
の短冊状に切削し、接着層を挟む内外層(接着層は、熱
可塑性樹脂組成物からなる(ロ)隣接層側に付着)をお
互いに180度方向に引張ることにより、単位長さ当り
の接着強度を測定した。 [参考例1(共重合PPSの製造)]攪拌機付きオート
クレーブに硫化ナトリウム3.26kg(25モル、結
晶水40%を含む)、水酸化ナトリウム4g、酢酸ナト
リウム三水和物1.36kg(約10モル)およびN−
メチルピロリドン7.9kgを仕込み、撹拌しながら徐
々に205℃まで昇温し、水1.36kgを含む留出水
約1.5リットルを除去した。残留混合物に1,4−ジ
クロロベンゼン3.38kg(23.0モル)、1,3
−ジクロロベンゼン0.37kg(2.5モル)および
NMP2kgを加え、265℃で5時間加熱した。反応
生成物を70℃の温水で3回洗浄し、続いてpH=4の
60℃酢酸水溶液で洗浄し、更に70℃の温水で4回洗
浄した後80℃で24時間減圧乾燥して、融点255
℃、メルトフローレート(MFR)800g/10分
(315℃、5000g荷重)の共重合PPS樹脂約2
kgを得た。 [参考例2(有機化層状珪酸塩の製造)]Na型モンモ
リロナイト(クニミネ工業:クニピアF、陽イオン交換
容量120ミリ当量/100g)100gを温水10リ
ットルに攪拌分散し、ここにトリオクチルメチルアンモ
ニウムクロライド48g(陽イオン交換容量に対して1
当量)を溶解させた温水2リットルを添加して1時間攪
拌した。生じた沈殿を濾別した後、温水で洗浄した。こ
の洗浄と濾別の操作を3回行い、得られた固体を80℃
で真空乾燥して乾燥した有機化層状珪酸塩を得た。得ら
れた有機化層状珪酸塩の無機灰分量を測定したところ、
67重量%であった。なお、無機灰分量の測定は有機化
層状珪酸塩0.1gを500℃の電気炉で3時間灰化し
た前後の重量から求められる。
【0068】実施例および比較例で使用したポリアミド
樹脂およびPPSは以下のとおり。なお、特に断らない
限りはいずれも常法に従い重合を行い、調製した。 <ポリアミド樹脂> (N6−1):融点225℃、相対粘度2.80のナイ
ロン6樹脂。 (N6−2):融点225℃、相対粘度3.30のナイ
ロン6樹脂。 (N6−3):融点225℃、相対粘度3.40のナイ
ロン6樹脂。 (N6−4):融点225℃、相対粘度4.30のナイ
ロン6樹脂。 (N6−5):融点225℃、相対粘度3.40のナイ
ロン6樹脂100重量部、上記参考例2で得られた有機
化層状珪酸塩5部を混合し、2軸押出機を用いてシリン
ダー温度250℃で溶融押出して得られた層状珪酸塩含
有ナイロン6樹脂。 (N66):融点265℃、相対粘度3.20のナイロ
ン66樹脂。 (N6/66):融点217℃、相対粘度2.85のナ
イロン6/66共重合体。 (6T/12):融点300℃、相対粘度2.50のナ
イロン6T/12共重合体。 <PPS樹脂> (PPS−1):融点280℃、メルトフローレート
(MFR)1000g/10分(315℃、5000g
荷重)、重量平均分子量(Mw)30000のPPS樹
脂。 (PPS−2):融点280℃、MFR300g/10
分、Mw49000、700poiseのPPS樹脂。 (PPS−3):融点280℃、MFR100g/10
分、Mw70000、1700poiseのPPS樹
脂。 (PPS−4):融点280℃、MFR600g/10
分、Mw38000、450poiseのPPS樹脂。 (PPS−5):上記参考例1で得られた融点255
℃、MFR800g/10分の共重合PPS樹脂。 <バリア層を形成する樹脂組成物以外の熱可塑性樹脂層
(隣接層)> (ロ−1):MFR0.3g/10分、密度0.945
の高密度ポリエチレン。 (ロ−2):ポリブチレンテレフタレート(東レ社
製、”ルミコン”5201X11)。 (ロ−3):ナイロン11(東レ社製、”リルサン”B
ESN O P40TL)。 <接着層> (ハ−1):エチレン/グリシジルメタクリレ−ト=9
4/6(重量%)共重合体。 (ハ−2):エチレン/メチルアクリレート/グリシジ
ルメタクリレ−ト=64/30/6(重量%)共重合
体。
【0069】実施例1〜12、比較例1〜4 表1、2に示すようにポリアミド樹脂、PPS樹脂を混
合し、日本製鋼所社製TEX30型2軸押出機のメイン
フィダーから供給し、無機充填材を供給する場合は、シ
リンダー途中のサイドフィダーを用いて供給する方法で
混練温度300℃、スクリュー回転数200rpmで溶
融混練を行った。得られたペレットを乾燥後、射出成形
(東芝機械社製IS100FA、金型温度80℃)によ
り試験片を調製した。また、上記の方法によりアルコー
ルガソリン透過性評価用のチューブを調製した。各サン
プルの耐透過性、材料強度および吸水時特性などを測定
した結果は表1、2に示すとおりであった。
【0070】なお、ここで表中のGFはガラス繊維(繊
維径10μm、3mmチョップドストランド、日本電気
ガラス社製)、MFはミルドファイバー(平均繊維長1
40μm、平均繊維径9μm、日本電気ガラス社製)、
PAはポリアミド樹脂をそれぞれ表す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】 実施例1〜12および比較例1〜4より特定の相分離構
造を規定した本発明の樹脂成形体は、耐透過性が良好で
あり、特に吸水時の耐透過性、寸法安定性と吸水時剛性
のバランスに優れた特性が得られる実用価値の高いもの
である。また、射出成形により調製された試験片も優れ
た耐透過性を有する実用価値の高いものであった。
【0073】実施例13〜21、比較例5〜7 ポリアミド樹脂、PPS樹脂および有機シラン化合物
(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を表
3、4に示すバリヤ層配合組成に混合し、日本製鋼所製
TEX30型2軸押出機を用いて混練温度270〜32
0℃、スクリュー回転数200rpmで溶融混練し、ペ
レットを得た。得られたペレットを乾燥した後、チュー
ブ成形に供した。
【0074】得られた組成物からなる(イ)バリヤ層1
層、熱可塑性樹脂からなる(ロ)隣接層1層および、バ
リヤ層と隣接層との間に介在する(ハ)接着層1層から
なる3種3層のチューブを成形した。成形装置として
は、3台の押出機を有し、この3台の押出機から吐出さ
れた樹脂をアダプターによって集めてチューブ状に成形
するダイス、チューブを冷却し寸法制御するサイジング
ダイ、および引取機からなるものを使用した。
【0075】得られた3層チューブは、外径:8mm、
内径:6mmで、外層(熱可塑性樹脂層)厚み:0.7
0mm、接着層厚み0.10mm、内層(バリヤ層)厚
み:0.20mmであった。この多層チューブの評価結
果を表3、4に示す。また、相分離構造を評価した電子
顕微鏡写真をそれぞれ図4〜図7に示す。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】 実施例13〜21により特定の相分離構造を規定した本
発明の積層構造体は、高いガスホ−ルバリヤ性を有し、
層間接着性に優れた実用価値の高いものであった。ま
た、同様に実施例により得られた材料を多層ブロー中空
成形体に加工したが、良好な特性を有していた。
【0078】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂構造体は、気体お
よび/または液体バリア性が良好であり、特に高湿下で
も耐透過性および剛性が良好であることから各種用途に
展開可能であり、例えば電気・電子関連機器、精密機械
関連機器、事務用機器、自動車・車両関連部品、建材、
包装材、家具、日用雑貨などに適している。また、本発
明の積層構造体は、ガスホ−ルなどに対しても高いバリ
ヤ性を持ち、しかも強度、耐久性、成形加工性にも優れ
たプラスチック容器、管状体を与えるものであり、自動
車のガソリンタンク、薬液運搬および貯蔵用容器、配管
類、食品用、医療用包装材や容器などへの適用に好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 PPS樹脂成分(PPS)が連続相を形成
し、ポリアミド樹脂成分(PA)が分散相を形成する相
構造モデル図。
【図2】 PPS樹脂成分とポリアミド樹脂成分が共に
実質的な連続相を形成する相構造例モデル図。
【図3】 ポリアミド樹脂成分が連続相を形成し、PP
S樹脂成分が多数の薄い2次元的に重なった帯(層)状
として分散相を形成する相構造モデル図。
【図4】 実施例13で得られた樹脂構造体の相分離構
造を示す電子顕微鏡写真であり、黒く写っている部分が
PPS樹脂成分である。
【図5】 実施例14ので得られた樹脂構造体の相分離
構造を示す電子顕微鏡写真であり、黒く写っている部分
がPPS樹脂成分である。
【図6】 実施例15ので得られた樹脂構造体の相分離
構造を示す電子顕微鏡写真であり、黒く写っている部分
がPPS樹脂成分である。
【図7】 比較例5ので得られた樹脂構造体の相分離構
造を示す電子顕微鏡写真であり、黒く写っている部分が
PPS樹脂成分である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 1/09 C08J 5/00 CEZ 4J002 C08J 5/00 CEZ CFG CFG C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 77/00 C08L 77/00 B29K 77:00 // B29K 77:00 81:00 81:00 B29L 9:00 B29L 9:00 23:00 23:00 B65D 1/00 A B (31)優先権主張番号 特願2000−39192(P2000−39192) (32)優先日 平成12年2月17日(2000.2.17) (33)優先権主張国 日本(JP) Fターム(参考) 3E033 BA13 BA14 BA17 BA21 BA26 BB01 BB04 BB08 CA07 CA09 CA11 CA16 CA17 FA02 FA03 GA02 4F071 AA54 AA55 AA62 AB03 AB28 AD01 AE17 AH05 AH07 AH12 AH17 AH19 BB03 BB05 BC04 4F100 AA01H AH06 AK01B AK01C AK05B AK05C AK41B AK41C AK45B AK45C AK46A AK46B AK46C AK48 AK57A AK71G AK74B AK74C AL05A BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 BA44 CA23 CB00 EH20 GB08 GB17 GB33 GB48 JB16B JB16C JD02A JD05 JK01 YY00A 4F206 AA03 AA13 AA24 AA28 AA29 AA34 AA49 AB11 AB16 AB25 AG03 AH55 AH56 AH58 AH63 JA07 JB22 JF01 JL02 4F207 AA03 AA13 AA24 AA28 AA29 AA34 AA49 AB11 AB16 AB25 AG03 AG08 AH55 AH56 AH58 AH63 KA01 KA17 KB22 KF01 KK76 KL65 4J002 CL00W CL01W CL03W CL05W CL063 CN01X DA016 DA096 DC006 DE076 DE096 DE116 DE136 DE146 DE186 DE236 DG046 DG056 DH046 DJ006 DJ016 DJ026 DJ036 DJ046 DJ056 DK006 DL006 FA046 FA066 FA086 FD013 FD016 GC00 GF00 GG01 GM00 GN00 GQ00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に(a)ポリアミド樹脂5〜80
    容量%及び(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂95〜
    20容量%からなる樹脂組成物で構成され、かつ、電子
    顕微鏡で観察される樹脂相分離構造において(b)ポリ
    フェニレンスルフィド樹脂がマトリクス相(連続相)、
    (a)ポリアミド樹脂が分散相となる相構造を形成する
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂構造体。
  2. 【請求項2】 (a)ポリアミド樹脂と(b)ポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂の混合比率が、各々55〜80容
    量%および45〜20容量%であることを特徴とする請
    求項1記載の熱可塑性樹脂構造体。
  3. 【請求項3】 (a)ポリアミド樹脂と(b)ポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂の混合比率が、各々60〜75容
    量%および40〜25容量%であることを特徴とする請
    求項1記載の熱可塑性樹脂構造体。
  4. 【請求項4】 (a)ポリアミド樹脂15〜85容量%
    及び(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂85〜15容
    量%からなる樹脂組成物で構成され、かつ、電子顕微鏡
    で観察される樹脂相分離構造において(b)ポリフェニ
    レンスルフィド樹脂からなる相も(a)ポリアミド樹脂
    からなる相もともに実質的な連続相である相構造を形成
    することを特徴とする熱可塑性樹脂構造体。
  5. 【請求項5】 (a)ポリアミド樹脂55〜95容量%
    及び(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂45〜5容量
    %からなる樹脂組成物で構成され、かつ、電子顕微鏡で
    観察される樹脂相分離構造において(a)ポリアミド樹
    脂からなる連続相と(b)ポリフェニレンスルフィド樹
    脂からなる帯状分散相とからなる相構造を形成すること
    を特徴とする熱可塑性樹脂構造体。
  6. 【請求項6】 (a)成分のポリアミド樹脂及び(b)
    成分のポリフェニレンスルフィド樹脂の合計100重量
    部に対して(c)無機充填材0.5〜200重量部を含
    有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の熱可塑性樹脂構造体。
  7. 【請求項7】 射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形の内
    から選ばれる少なくとも一種の方法で成形された請求項
    1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか記載の熱可塑性樹
    脂構造体を加工して得られる薬液またはガスの搬送用あ
    るいは貯蔵用容器。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7いずれか記載の熱可塑性樹
    脂構造体を加工して得られる薬液またはガスの搬送用あ
    るいは貯蔵用容器の付属部品。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6いずれか記載の熱可塑性
    樹脂構造体がバリア層を構成してなることを特徴とする
    積層構造体。
  11. 【請求項11】 バリア層の片面側または両面側に隣接
    層が構成され、該隣接層を構成する樹脂層がバリア層を
    構成する熱可塑性樹脂構造体とは異なる熱可塑性樹脂層
    からなることを特徴とする請求項10に記載の積層構造
    体。
  12. 【請求項12】 隣接層を構成する熱可塑性樹脂が、ポ
    リオレフィン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリア
    ミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂から選ば
    れる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求
    項11に記載の積層構造体。
  13. 【請求項13】 隣接層を構成する熱可塑性樹脂が、高
    密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項11記
    載の積層構造体。
  14. 【請求項14】 バリア層と隣接層との間に接着層が構
    成されることを特徴とする請求項11記載の積層構造
    体。
  15. 【請求項15】 共押出成形法で成形されることを特徴
    とする請求項10〜14のいずれかに記載の積層構造
    体。
  16. 【請求項16】 共押出成形法を用いて多層チューブま
    たは多層ブロー中空成形体に成形されたことを特徴とす
    る請求項10〜15のいずれかに記載の積層構造体。
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