JP2001131405A - 気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成物 - Google Patents
気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成物Info
- Publication number
- JP2001131405A JP2001131405A JP31172699A JP31172699A JP2001131405A JP 2001131405 A JP2001131405 A JP 2001131405A JP 31172699 A JP31172699 A JP 31172699A JP 31172699 A JP31172699 A JP 31172699A JP 2001131405 A JP2001131405 A JP 2001131405A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- gas
- liquid
- acid
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
撃強度および耐オイル性が改良され、耐屈曲疲労性が向
上した気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成
物およびその気体および/または液体バリア成形品、フ
ィルムもしくはシートを提供する。 【解決手段】PA樹脂(a)100重量部に、液晶性樹
脂(b)を0.5〜100重量部配合してなり、溶融加
工温度において、(a)のせん断速度100/秒におけ
る溶融粘度(Va100)とせん断速度1000/秒に
おける溶融粘度(Va1000)および配合する(b)
のせん断速度100/秒における溶融粘度(Vb10
0)とせん断速度1000/秒における溶融粘度(Vb
1000)が特定の関係式を満足する、(a)と(b)
の組み合わせからなる気体および/または液体バリア成
形体用樹脂組成物。
Description
/または液体のバリア性に優れ、面衝撃強度、耐オイル
性が改良され、耐屈曲疲労性が向上するために、これら
の特性が要求される自動車用途を始め、多くのバリア性
を必要とする用途に有用な樹脂組成物とその製造方法お
よびその成形品、フィルムもしくはシートに関するもの
である。
心にガスバリア材料の開発がなされてきたが、主に結晶
性高分子の結晶構造や、分子内架橋性高分子の架橋構造
による分子鎖の密閉性によるガスバリア性能発揮が主な
ものであり、コスト的な面からも、一般的なエンジニア
リングプラスチックのガスバリア性向上の検討が求めら
れている。
イルそのものや、これに起因する可燃性ガスのバリア性
が必要とされる自動車部品が挙げられる。
用としては、今までにもポリアミド樹脂、中でもポリア
ミド11やポリアミド12などの柔軟ポリアミド樹脂が
広く用いられているが、ポリアミド樹脂を単独で使用し
た場合、環境汚染問題および燃費向上から要求されてい
るアルコールガソリンの透過防止性に対しては十分では
ないと言う懸念点が指摘されその改良が望まれており、
上記の問題を改善するために、様々な改良が試みられて
いる。
した無機充填材を添加することによってガソリン透過性
を改良する検討がなされており、チューブやパイプ用途
において燃料移送などに用いられつつある。しかし、こ
の場合には靱性低下などの問題が生じ耐衝撃特性を要求
される自動車用途などには好ましくない。
年、熱可塑性樹脂に液晶性樹脂を配合して燃料透過性を
改良する検討がなされつつあり、これらは特開平6−1
37469号公報などに提案されている。
37469号公報の方法では、ナイロン樹脂と液晶性樹
脂の粘度比を非常に大きくすることで、液晶性樹脂粒子
のアスペクト比が非常に大きくなるために、確かに長手
方向の寸法安定性やガソリン透過性は若干向上するもの
の十分ではなく、またこのようにアスペクト比が非常に
大きい液晶性樹脂粒子はその残留応力によって、耐候性
が低下するのみでなく、屈曲運動や衝撃に対する耐性に
乏しくなり、粒子界面から剥離しガス漏れの原因となる
ため好ましくない。
し、気体および/または液体バリア性に優れ、面衝撃強
度および耐オイル性が改良され、耐屈曲疲労性が向上し
た気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成物お
よびその気体および/または液体バリア成形品、フィル
ムもしくはシートの取得を課題とする。
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の結論
に達した。
(a)100重量部に、液晶性樹脂(b)を0.5〜1
00重量部配合してなり、溶融加工温度において、該ポ
リアミド樹脂(a)のせん断速度100/秒における溶
融粘度(Va100)とせん断速度1000/秒におけ
る溶融粘度(Va1000)および配合する液晶性樹脂
(b)のせん断速度100/秒における溶融粘度(Vb
100)とせん断速度1000/秒における溶融粘度
(Vb1000)が下式1−1および式1−2を満足す
ることを特徴とするポリアミド樹脂(a)と液晶性樹脂
(b)の組み合わせからなる気体および/または液体バ
リア成形体用樹脂組成物、 0.1<Vb100 /Va100<1.5 −[式1−1] 0.05< Vb1000/Va1000<0.7 −[式1−2] (2)該ポリアミド樹脂(a)と液晶性樹脂(b)の溶
融粘度比が上記(1)記載の式1を満足する溶融加工温
度で溶融混練することにより、上記(1)記載の樹脂組
成物を製造することを特徴とする気体および/または液
体バリア成形体用樹脂組成物の製造方法、(3)溶融混
練温度が該液晶性樹脂(b)の液晶開始温度以上融点以
下であることを特徴とする上記(2)記載の気体および
/または液体バリア成形体用樹脂組成物の製造方法、
(4)上記(1)記載の該気体および/または液体バリ
ア成形体用樹脂組成物からなる気体および/または液体
バリア成形品、フィルムもしくはシート、(5)該ポリ
アミド樹脂(a)と液晶性樹脂(b)の溶融粘度比が上
記(1)記載の式1を満足するような溶融加工温度で溶
融成形することにより、上記(4)記載の気体および/
または液体バリア成形品、フィルムもしくはシートを製
造することを特徴とする気体および/または液体バリア
成形品、フィルムもしくはシートの製造方法、(6)溶
融成形温度が該液晶性樹脂(b)の液晶開始温度以上融
点以下であることを特徴とする上記(5)記載の気体お
よび/または液体バリア成形品、フィルムもしくはシー
トの製造方法を提供するものである。
タムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とす
るナイロンである。その原料の代表例としては、6−ア
ミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−ア
ミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミ
ノ酸、ε−アミノカプロラクタム、ω−ラウロラクタム
などのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノ
ナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデ
カメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレ
ンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレン
ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1
−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メ
タン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)
メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プ
ロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエ
チルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミ
ン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル
酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロ
イソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボ
ン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から
誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各
々単独または混合物の形で用いることができる。
は、170℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れた
ポリアミドであり、具体的な例としては、ポリウンデカ
アミド(ナイロン11)、ポリドデカミド(ナイロン1
2)、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメ
チレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレ
ンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセ
バカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデ
カミド(ナイロン612)、ポリノナメチレンテレフタ
ルアミド(ナイロン9T)、ポリカプロアミド/ポリヘ
キサメチレンアジパミド(ナイロン6/66)、ポリド
デカミド/ポリヘキサメチレンテレフタラミドコポリマ
ー(ナイロン12/6T)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタ
ルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T
/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメ
チレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6
I)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンイソフタ
ルアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリ
マー(ナイロン6/6I/6T)、ポリヘキサメチレン
アジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポ
リヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロ
ン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル
アミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマ
ー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフ
タルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタ
ルアミド)コポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリ
キシリレンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれら
の混合物ないし共重合体などが挙げられる。
11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、ナイロン9T、ナイロン6/66コポリマ
ー、ナイロン66/610、ナイロン6/12コポリマ
ー、ナイロン12/6Tコポリマー、ナイロン6T/6
コポリマー、ナイロン66/6Tコポリマー、ナイロン
6T/6Iコポリマー、ナイロン6T/M5Tコポリマ
ーなどの例を挙げることができ、更にこれらのナイロン
樹脂を成形性、耐熱性、靱性、耐薬品性、真円性などの
必要特性に応じてナフタレンジカルボン酸、ジカルボキ
シビフェニルなどのカルボン酸を少量共重合するかある
いは上記ナイロン樹脂を1種あるいは2種の混合物とし
て用いることも実用上好適である。
制限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相
対粘度が、2.0〜8.0の範囲のものが好ましく、
3.0〜7.0の範囲のものがより好ましく、さらに
3.5〜6.5の範囲のものが最も好ましい。
得られる。例えば重合方法としては溶融重合、界面重
合、溶液重合、塊状重合、固相重合などの方法が利用さ
れ、一般的には溶融重合が最も適当である。さらに前記
のポリアミドを押出機又は射出成形機に投入し、完全又
は部分的に交換反応を行わせることによって共重合体を
得ることができる。
し得る樹脂であり、エステル結合を有するものが好まし
い。例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキ
シ単位、芳香族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ
単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶
融相を形成する液晶性ポリエステル、あるいは、上記構
造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ
単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単
位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエ
ステルアミドなどである。
えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸などから生成した構造単位、芳香族ジオキシ
単位としては、例えば、4,4´−ジヒドロキシビフェ
ニル、ハイドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメ
チル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチル
ハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
および4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなど
から生成した構造単位、芳香族ジカルボニル単位として
は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)
エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸などから生成した構造単位、
アルキレンジオキシ単位としてはエチレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル等から生成した構造単位(なかでもエチレングリコー
ルから生成した構造単位が好ましい。)、芳香族イミノ
オキシ単位としては、例えば、4−アミノフェノールな
どから生成した構造単位が挙げられる。
−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる
液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成
した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生
成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物および/ま
たは脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる
液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成
した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから
生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピ
ン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エ
チレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸
から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p
−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレン
グリコールから生成した構造単位、テレフタル酸および
イソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリ
エステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単
位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,
4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、
テレフタル酸および/またはセバシン酸から生成した構
造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安
息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから
生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成
した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から
生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙
げられる。
リエステルの例としては、下記(I)、(II)、(III)
および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、
または、(I)、(III) および(IV)の構造単位からな
る液晶性ポリエステルなどが好ましく挙げられる。
よび(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルであ
る。
式中Xは水素原子または塩素原子を示す。) 上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成し
た構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、
t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上
の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、
構造単位(III)はエチレングリコールから生成した構造
単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフ
ェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,
4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一
種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各
々示す。これらのうちR1が
ステルは、上記したように構造単位(I)、(III)、
(IV)からなる共重合体および上記構造単位(I)、(I
I)、(III)、(IV)からなる共重合体から選択される1種
以上であり、上記構造単位(I)、(II)、(III)および
(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を
発揮させるためには次の共重合量であることが好まし
い。
II)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)
の合計に対して50〜90モル%が好ましく、60〜8
5モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造
単位(I)、(II)および(III)の合計に対して50〜1
0モル%が好ましく、40〜15モル%がより好まし
い。また、構造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(I
I)]は好ましくは75/25〜95/5であり、より好
ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位
(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モ
ルであることが好ましい。
は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)
および(III)の合計に対して40〜90モル%である
ことが好ましく、60〜88モル%であることが特に好
ましく、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に
等モルであることが好ましい。
リマー主鎖を構成するユニットが等モルであるが、末端
を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らな
いことを意味する。
上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールか
ら生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
リエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単
位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニ
ルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン
酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジ
ヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安
息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液
晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめるこ
とができる。
(b)の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
おいて、次の製造方法が好ましく挙げられる。 (1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセ
トキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性
ポリエステルを製造する方法。 (2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無
水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化し
た後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを
製造する方法。 (3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよ
び4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール
重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。 (4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを
反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重
縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。 (5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)ま
たは(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する
方法。 (6)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(2)ま
たは(3)の方法により液晶性ポリエステルを製造する
方法。
に対して、溶融加工温度(T)においてポリアミド樹脂
(a)のせん断速度100/秒における溶融粘度(V
a100)とせん断速度1000/秒における溶融粘度(V
a1000)および配合する液晶性樹脂(b)のせん断速度
100/秒における溶融粘度(Vb100)とせん断速度1
000/秒における溶融粘度(Vb1000)が下式1−1
および式1−2を満足する液晶性樹脂(b)を選択して
配合することが本発明の効果を発揮するためには必須で
ある。
り、さらに好ましくは下式3を満足する溶融粘度比であ
る。
や成形品を製造する際の射出成形、押し出し成形、吹き
込み成形、プレス成形、インジェクションプレス成形な
どの溶融成形、またフィルムやシートを製造する際の溶
融押し出しや繊維を製造する際の溶融紡糸などをいう。
工をする際の温度であり、例えば混練や成形において
は、樹脂温度をさす。樹脂温度は、例えば差し込み式の
熱電対によってモニターすることができ、吐出される樹
脂の温度を熱電対でモニターした温度のことを本発明に
おいては溶融加工温度(樹脂温度)という。
発明の効果である様々な気体・液体に対するバリア性が
十分に発揮される。また、面衝撃強度や耐オイル性、耐
屈曲疲労性がバランス良く向上するために好ましい。
定されないが、好ましくは340℃以下であり、より好
ましくは320℃以下である。
合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件
で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の
観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、2
0℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度2
0℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピー
ク温度(Tm2)を融点とする。
への配合量は、ポリアミドの本来有する特性を損なわ
ず、かつ新規に気体および/または液体バリア性や面衝
撃強度などの特性を付与する点からポリアミド樹脂10
0重量部に対して0.5〜100重量部、好ましくは
1.0〜70重量部、より好ましくは2〜50重量部で
ある。
形体用樹脂組成物においては、ポリアミド樹脂(a)中
に分散する液晶性樹脂(b)の分散形態は特に限定され
ないが、本発明の必須溶融粘度比の組み合わせの組成物
の場合には、分散粒子は楕円球もしくは扁平楕円球をし
ていることが好ましい。
径(長径)は、本発明の効果である気体および/または
液体バリア性、面衝撃強度、耐オイル性のうち、特に気
体および/または液体バリア性をより発現するために、
0.5〜20μmの範囲であることが好ましく、より好
ましくは0.8〜18μm、更に好ましくは1.0〜1
5μmである。
比(長径/短径)は、気体および/または液体バリア性
や面衝撃強度をより鮮明に発揮するために、1.1以上
10未満であることが好ましく、より好ましくは1.2
〜6、更に好ましくは1.5〜5である。
脂組成物中の液晶性樹脂(b)の数平均分散径の測定方
法は、組成物の任意方向に切削して得られたコア層部分
の切片を電子透過型顕微鏡(TEM)により観察・写真
撮影し、最も長い径が観察された方向の断面写真におい
て分散粒子100個の平均値をそれぞれ数平均分散径と
して求めた。なお、分散粒子径は長径方向で測定し、通
常溶融混練後押し出したストランドをカッターもしくは
ローラーで引き取りペレタイズした場合には、ペレット
の長手方向に長径が見られる。
形体用樹脂組成物に導電性を付与するために導電性フィ
ラー及び/又は導電性ポリマーを使用することが可能で
あり、特に限定されるものではないが、導電性フィラー
として、通常樹脂の導電化に用いられる導電性フィラー
であれば特に制限は無く、その具体例としては、金属
粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維、金属酸化
物、導電性物質で被覆された無機フィラー、カーボン粉
末、黒鉛、炭素繊維、カーボンフレーク、鱗片状カーボ
ンなどが挙げられる。
種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニ
ウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示で
きる。
銅、ステンレス、アルミニウム、黄銅などが例示でき
る。
ン、金属繊維はチタネート系、アルミ系、シラン系など
の表面処理剤で表面処理を施されていても良い。
ンチモンドープ)、In2 O3 (アンチモンドープ)、
ZnO(アルミニウムドープ)などが例示でき、これら
はチタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処理剤
で表面処理を施されていても良い。
ける導電性物質の具体例としてはアルミニウム、ニッケ
ル、銀、カーボン、SnO2 (アンチモンドープ)、I
n2O3 (アンチモンドープ)などが例示できる。また
被覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビー
ズ、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ
ー、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アル
ミニウムウィスカー、酸化亜鉛系ウィスカー、酸化チタ
ン酸系ウィスカー、炭化珪素ウィスカーなどが例示でき
る。被覆方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、
無電解メッキ法、焼き付け法などが挙げられる。またこ
れらはチタネート系、アルミ系、シラン系などの表面処
理剤で表面処理を施されていても良い。
チレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフ
タリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラッ
ク、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラ
ック、ディスクブラックなどに分類される。本発明で用
いることのできるカーボン粉末は、その原料、製造法は
特に限定されないが、アセチレンブラック、ファーネス
ブラックが特に好適に用いられる。またカーボン粉末
は、その粒子径、表面積、DBP吸油量、灰分などの特
性の異なる種々のカーボン粉末が製造されている。本発
明で用いることのできるカーボン粉末は、これら特性に
特に制限は無いが、強度、電気伝導度のバランスの点か
ら、平均粒径が500nm以下、特に5〜100nm、
更には10〜70nmが好ましい。また表面積(BET
法)は10m2 /g以上、更には30m2 /g以上が好
まし。またDBP給油量は50ml/100g以上、特
に100ml/100g以上が好ましい。また灰分は
0.5%以下、特に0.3%以下が好ましい。
ミ系、シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されて
いても良い。また溶融混練作業性を向上させるために造
粒されたものを用いることも可能である。
バリアシートは、しばしば表面の平滑性が求められる。
かかる観点から、本発明で用いられる導電性フィラー
は、高いアスペクト比を有する繊維状フィラーよりも、
粉状、粒状、板状、鱗片状、或いは樹脂組成物中の長さ
/直径比が200以下の繊維状のいずれかの形態である
ことが好ましい。
例としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチ
レン、ポリ(パラフェニレン)、ポリチオフェン、ポリ
フェニレンビニレンなどが例示できる。
マーは、2種以上を併用して用いても良い。かかる導電
性フィラー、導電性ポリマーの中で、特にカーボンブラ
ックが強度、コスト的に特に好適に用いられる。
又は導電性ポリマーの含有量は、用いる導電性フィラー
及び/又は導電性ポリマーの種類により異なるため、一
概に規定はできないが、導電性と流動性、機械的強度な
どとのバランスの点から、導電性フィラーを用いた場合
には、(a)成分と(b)成分の合計100重量部に対
し、5〜200重量部、また、導電性ポリマーの場合に
は、(a)および(b)成分の合計100重量部に対
し、1〜250重量部、好ましくは3〜100重量部の
範囲が好ましく選択される。
止性能を得る意味で、その体積固有抵抗が1010Ω・c
m以下であることが好ましい。但し上記導電性フィラ
ー、導電性ポリマーの配合は一般に強度、流動性の悪化
を招きやすい。そのため目標とする導電レベルが得られ
れば、上記導電性フィラー、導電性ポリマーの配合量は
できるだけ少ない方が望ましい。目標とする導電レベル
は用途によって異なるが、通常体積固有抵抗が100Ω
・cmを越え、1010Ω・cm以下の範囲である。
リア成形体用樹脂組成物の機械強度その他の特性を付与
するために充填剤を使用することが可能であり、特に限
定されるものではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状
などの充填剤を使用することができる。具体的には例え
ば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステ
ンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊
維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、
セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、ア
ルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素
繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チ
タン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィス
カー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー
状充填剤、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カ
ルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイ
クロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナ
イト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、
グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状の充填剤が
挙げられる。上記充填剤中、ガラス繊維および導電性が
必要な場合にはPAN系の炭素繊維が好ましく使用され
る。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いる
ものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維
タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなど
から選択して用いることができる。また、上記の充填剤
は2種以上を併用して使用することもできる。なお、本
発明に使用する上記の充填剤はその表面を公知のカップ
リング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理
して用いることもできる。
共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
(a)、液晶性樹脂(b)の合計100重量部に対し、
通常、0.05〜100重量部であり、好ましくは5〜
80重量部、より好ましくは10〜50重量部である。
液体バリア成形体用樹脂組成物からなる気体および/ま
たは液体バリア成形品、フィルムもしくはシートの気体
および/または液体バリア性をさらに向上させることが
必要な場合、界面接着性を上げるために、酸無水物ある
いは多価エポキシ化合物を添加することが可能である。
酸無水物の例としては、無水安息香酸、無水イソ酪酸、
無水イタコン酸、無水オクタン酸、無水グルタル酸、無
水コハク酸、無水酢酸、無水ジメチルマレイン酸、無水
デカン酸、無水トリメリト酸、無水1,8−ナフタル
酸、無水フタル酸、無水マレイン酸などが挙げられ、中
でも無水コハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水フタ
ル酸、無水マレイン酸などが好ましく用いられる。ま
た、多価エポキシ化合物は、分子内に2個以上のエポキ
シ基を有する化合物である。好ましくは多価エポキシ化
合物は、エポキシ当量100〜1000の多官能エポキシ化合
物から選択される。そのような多価エポキシ化合物とし
ては、例えばノボラック樹脂(フェノールノボラック、
クレゾールノボラック等)とエピクロルヒドリンとを反
応させて得られるノボラック型エポキシ化合物が挙げら
れる。または、1分子に2個以上の活性水素を有する化
合物とエピクロルヒドリンまたは2-メチルエピクロルヒ
ドリンとを反応させて得られる化合物が挙げられる。1
分子に2個以上の活性水素を有する化合物としては、例
えば多価フェノール類(ビスフェノールA、ビスヒドロ
キシジフェニルメタン、レゾルシン、ビスヒドロキシジ
フェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA
等)、多価アルコール類(エチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ビスフェノールA‐エチレン
オキシド付加物、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレ
ート等)、アミノ化合物(例えばエチレンジアミン、ア
ニリン等)、多価カルボキシ化合物(例えばアジピン
酸、フタル酸、イソフタル酸等)が挙げられる。そのよ
うな多価エポキシ化合物の例としては、例えばテレフタ
ル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルシアヌレー
ト、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、N,N'- ジグリ
シジルアニリン等が挙げられる。その他に、線状脂肪族
エポキシ化合物、例えばブタジエンダイマージエポキシ
ド、エポキシ化大豆油など、脂環式エポキシ化合物、例
えばビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタ
ジエンジエポキシド等などが挙げられる。これらを単独
でまたは2種以上組合せて使用する。
物の配合量は、気体および/または液体バリア性改良効
果の点からポリアミド樹脂100重量部に対して0.0
1〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3
重量部、特に好ましくは0.1〜2重量部である。酸無
水物または多価エポキシ化合物を用いることにより、界
面接着性が向上するだけでなく、ポリアミド樹脂(a)
中に分散する液晶性樹脂(b)の分散粒子径およびアス
ペクト比の分布幅が狭くなり、結果的に液晶性樹脂添加
による気体および/または液体バリア性のよりすぐれた
向上効果を得ることが可能である。 しかし、添加する
酸無水物量または多価エポキシ化合物量が多すぎるとコ
ンパウンド時および押出成形時にガス発生あるいは反応
過多によるゲル化が起こり押出時の分解発泡、押出加工
不能、噛み込み不良、成形品のガス焼け等の原因とな
り、得られた成形品も表面外観のみならず、機械特性も
低下する傾向にある。
リア成形体用樹脂組成物に長期耐熱性を向上させるため
に銅化合物が好ましく用いられる。銅化合物の具体的な
例としては、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭
化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫酸第二銅、
硝酸第二銅、リン酸銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、サリ
チル酸第二銅、ステアリン酸第二銅、安息香酸第二銅お
よび前記無機ハロゲン化銅とキシリレンジアミン、2−
メルカプトベンズイミダゾール、ベンズイミダゾールな
どの錯化合物などが挙げられる。なかでも1価の銅化合
物とりわけ1価のハロゲン化銅化合物が好ましく、酢酸
第1銅、ヨウ化第1銅などを特に好適な銅化合物として
例示できる。銅化合物の添加量は、通常ポリアミド樹脂
100重量部に対して0.01〜2重量部であることが
好ましく、さらに0.015〜1重量部の範囲であるこ
とが好ましい。添加量が多すぎると溶融成形時に金属銅
の遊離が起こり、着色により製品の価値を減ずる傾向に
ある。本発明では銅化合物と併用する形でハロゲン化ア
ルカリを添加することも可能である。このハロゲン化ア
ルカリ化合物の例としては、塩化リチウム、臭化リチウ
ム、ヨウ化リチウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨ
ウ化カリウム、臭化ナトリウムおよびヨウ化ナトリウム
を挙げることができ、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウ
ムが特に好ましい。
ア成形体用樹脂組成物にアルコキシシラン、好ましくは
エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メ
ルカプト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1
種の官能基を有するアルコキシシランの添加は、機械的
強度、靱性などの向上に有効である。かかる化合物の具
体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラ
ン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどの
メルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイ
ドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピル
トリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有
アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルト
リエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメト
キシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシ
ラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどの
イソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロ
ピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシ
ラン化合物などが挙げられる。
(共)重合体を配合することが可能である。
ア成形体とした場合の層間接着性、フィルム、シートと
しての柔軟性などを得る意味においてエポキシ基、酸無
水物基、カルボキシル基およ及びその塩、カルボン酸エ
ステルから選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する
オレフィン系共重合体を配合することが可能である。
及びその塩、カルボン酸エステル基から選ばれる少なく
とも1種の官能基を含有するオレフィン系共重合体の配
合量は、気体および/または液体バリア性、面衝撃強
度、フィルムもしくシートの成形性などの点から、ポリ
アミド樹脂(a)および液晶性樹脂(b)の合計量10
0重量部に対し、1〜200重量部の範囲が選択され、
好ましくは1〜100重量部、より好ましくは3〜50
重量部の範囲が選択される。
シル基及びその塩、カルボン酸エステル基を含有しない
エラストマーを用いること、特に上記エポキシ基、酸無
水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステ
ル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオ
レフィン系共重合体と併用して用いることは、優れた平
滑性を有するフィルムもしくはシートを得る上で、また
より優れた機械的強度、成形性を得る上で有効である。
及びその塩、カルボン酸エステル基を含有しないエラス
トマーを用いる場合、その好適な配合量は、気体および
/または液体バリア性、面衝撃強度、成形性の点から、
ポリアミド樹脂(a)および液晶性樹脂(b)の合計量
100重量部に対し、5〜200重量部の範囲が選択さ
れ、5〜100重量部がより好適であり、10〜80重
量部が更に好適である。
用して用いる場合には、特に気体および/または液体バ
リア性の観点から、官能基を含有するオレフィン系共重
合体とエポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びそ
の塩、カルボン酸エステル基を含有しないエラストマー
の合計がポリアミド樹脂(a)および液晶性樹脂(b)
の合計量100重量部に対し、200重量部以下が好ま
しく、100重量部以下、更に70重量部以下がより好
ましい。
を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱
安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホ
スファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾ
ルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型
剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、そのエステ
ル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステ
アラミド、各種ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレン
ワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニ
ン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結
晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑
剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼン
スルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェー
ト型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチ
オン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン
系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラミ
ンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポ
リスチレン、臭素化PPO、臭素化PC、臭素化エポキ
シ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモ
ンとの組み合わせ等)、他の重合体(ポリエステル、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリエーテルスルフォン等)を添加す
ることができる。
形体用樹脂組成物を得る方法については本発明で規定し
た気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成物が
得られる限り、制限はないが、ポリアミド樹脂(a)と
液晶性樹脂(b)の相互作用を適度に向上させるために
好ましい方法としてニーディングディスク等を挿入した
2軸押出機を用いて樹脂組成物に適度な剪断力をかけ、
溶融混練を行う。
ついては、上記した通りであるが、溶融加工温度につい
ては、ポリアミド樹脂(a)と液晶性樹脂(b)の溶融
粘度比が、本発明の必須範囲を満たす溶融加工温度であ
れば特に限定されないが、液晶性樹脂(b)の液晶開始
温度以上融点以下において混練することが、気体および
/または液体バリア性や耐オイル性をより発揮するため
に好ましい。液晶開始温度の測定は、剪断応力加熱装置
(CSS−450)により剪断速度1,000(1/
秒)、昇温速度5.0℃/分、対物レンズ60倍におい
て測定し、視野全体が流動開始する温度を液晶開始温度
とした。
する際には、前記したポリアミド樹脂(a)と液晶性樹
脂(b)との好ましい混練方法におけるいずれの段階で
添加してもよい。具体的には、ポリアミド樹脂および酸
無水物あるいは多価エポキシ化合物、導電性フィラー及
び/又は導電性ポリマー、官能基を含有するおよび/ま
たは官能基を含有しないオレフィン系共重合体、その他
の添加剤を溶融混練した後、液晶性樹脂、充填材と混練
する方法、全ての成分を一括混練する方法、一度ポリア
ミド樹脂と酸無水物あるいは多価エポキシ化合物、液晶
性樹脂とを混練した後に導電性フィラー及び/又は導電
性ポリマー、官能基を含有するおよび/または官能基を
含有しないオレフィン系共重合体、その他の添加剤充填
材およびその他の添加剤を混練する方法、一度ポリアミ
ド樹脂と酸無水物あるいは多価エポキシ化合物、液晶性
樹脂とを混練し樹脂組成物(A)とした後、得られた樹
脂組成物(A)を用いて導電性フィラー及び/又は導電
性ポリマーの高濃度組成物(マスター)(B)を作成す
る等が挙げられ、いずれの方法でもかまわない。
形体用樹脂組成物はマスターバッチ法により製造するこ
とも可能である。その場合は、ポリアミド樹脂(a)の
一部に液晶性樹脂(b)、さらに必要に応じて導電性フ
ィラー及び/又は導電性ポリマーや官能基を含有するお
よび/または官能基を含有しないオレフィン系共重合
体、その他の添加剤を溶融混練してなるマスターにポリ
アミド樹脂(a)またはポリアミド樹脂(a)および酸
無水物あるいは多価エポキシ化合物の残部を混合して、
直接溶融成形に供することができる。
形体用樹脂組成物の成形方法に関しても制限はなく、公
知の方法を利用することができる。例えば射出成形、押
出成形、ブロー成形、圧縮成形(プレス成形、インジェ
クションプレス成形)などにより、三次元成形品、シー
ト、容器パイプなどに加工することができる。本発明の
特性発揮の観点から、ブロー成形あるいは押し出し成形
等が好ましい。また、例えばTダイ法あるいはインフレ
ーション法によってフィルムもしくはシートとすること
ができる。
バリア成形品、フィルムもしくはシートは、溶融粘度比
を必須範囲とすることで、通常、その液晶性樹脂(b)
の分散形態は、分散粒子が楕円球もしくは扁平楕円球を
しており、その扁平方向は多くの場合に均一方向にある
という特徴的な構造を有する。その数平均分散径(長
径)は、0.2〜20μmの範囲であることが好まし
く、より好ましくは0.5〜18μm、更に好ましくは
1.0〜15μmである。
比(長径/短径)は、気体および/または液体バリア性
や面衝撃強度をより鮮明に発揮するために、1.5以上
10未満であることが好ましく、より好ましくは2〜
8、更に好ましくは3〜6である。
ィルムもしくはシート中の液晶性樹脂(b)の数平均分
散径の測定方法は、組成物の任意方向に切削して得られ
たコア層部分の切片を電子透過型顕微鏡(TEM)によ
り観察・写真撮影し、最も長い径が観察された方向の断
面写真において分散粒子100個の平均値をそれぞれ数
平均分散径として求めた。なお、分散粒子径は長径方向
で測定した。
り特徴的であり、液晶性樹脂(b)粒子が、例えば成形
品については、流れ方向に配向しており、その粒子の配
列が厚み方向に直線的ではなく。交互に重なり合うよう
に分散していることが好ましい。このような粒子分散形
態が、特に気体や液体のバリア性を発揮するために好ま
しい。
体および/または液体バリア性を発揮する方向に平行な
任意断面において、任意に選んだ液晶性樹脂(b)粒子
が少なくても2つ以上の粒子に近接しており、その平均
近接距離が気体および/または液体バリア性を発揮する
方向では10μm以下であり、それに垂直な方向には1
5μm以下であることが好ましく、より好ましくは3つ
以上の粒子に近接しており、その平均近接距離が気体お
よび/または液体バリア性を発揮する方向では8μm以
下であり、それに垂直な方向には13μm以下であるこ
とが好ましく、更に好ましくは5つ以上の粒子に近接し
ており、その平均近接距離が気体および/または液体バ
リア性を発揮する方向では6μm以下であり、それに垂
直な方向には11μm以下であることが好ましい。この
ように、粒子間が近接していることが特に気体および/
または液体バリア性を鮮明に発揮する上で好ましい。こ
こで、気体および/または液体バリア性を発揮する方向
とは、通常、成形品においては樹脂の流動方向に直交す
る厚み方向のことをいい、フィルムやシートにおいては
延伸方向や押し出し成形時の押し出し方向に直交する厚
み方向のことをいう。本発明の気体および/または液体
バリア成形品は、全ての方向に対して気体および/また
は液体バリア性が優れているが、特にこの方向への気体
および/または液体バリア性が優れている。
性を良好に発揮するためには、液晶性樹脂(b)の長軸
と気体および/または液体バリア性を発揮する方向に平
行は短軸の比が1.5以上10未満であることが好まし
く、より好ましくは2〜8、更に好ましくは3〜6であ
る。成形品中やフィルムもしくはシート中においてアス
ペクト比が適度に調節されることで、靱性の低下や表層
剥離を引き起こすことなく、特性を向上することができ
る。
が、そりを抑制する上で好ましい。液晶性樹脂(b)粒
子の気体および/または液体バリア性を発揮する方向の
成形品表層部と中心部の分散粒子径(長径)の比(表層
部の液晶性樹脂分散粒子径/中心部の液晶性樹脂分散粒
子径)が1.5未満であることが好ましく、より好まし
くは1.2未満である。
の気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成物
は、極めて良好な気体および/または液体バリア性に加
えて、面衝撃強度や耐オイル性が向上し、電気電子部
品、機械機構部品、自動車部品など幅広い用途に好適で
あり、特に自動車部品用途に好適である。
リア成形体用樹脂組成物は、本発明の気体および/また
は液体バリア成形体用樹脂組成物ともしくはそれ以外の
樹脂製成形品、フィルム、シートなどと、場合によって
は金属、紙、不織布も含む布などと積層により積層品と
して用いることが出来る。積層品の製造方法は特に限定
されるものではなく、一般的な溶着法、もしくは接着剤
などを用いて接着する、あるいは、インサート成形や二
色成形などによって金型内で複合させても良い。フィル
ムやシートにおいては、特殊なダイを用いて押し出し後
にそのまま積層する多層押し出しによっても積層するこ
とが出来る。ブロー成形においては、通常の多層同時ブ
ローはもちろん、一層を成形後に次層を内層に成形する
積層ブロー成形も用いることができる。また、チューブ
状体の成形においては、層の数もしくは材料の数の押出
機より押し出された溶融樹脂を、一つの多層チューブ用
ダイスに導入し、ダイス内もしくはダイスを出た直後に
接着せしめることにより、多層チューブを製造すること
ができる。また、一旦単層チューブを製造し、その内側
あるいは外側に他の層を積層し、多層チューブを製造す
る方法によってもよい。 なお、三層以上の多層構成か
らなる多層チューブを製造する場合には、押出機を適宜
に増設してそれぞれの押出機を共押出ダイに接続し、多
層状のパリソンを押出すことにより得られる。
形体用樹脂組成物を用いた多層の成形品、フィルムもし
くはシートにおける各層の配置については特に制限はな
く、全ての層を本発明の気体および/または液体バリア
成形体用樹脂組成物で構成してもよいし、少なくとも1
層に本発明の気体および/または液体バリア成形体用樹
脂組成物を用い、他の層にその他の熱可塑性樹脂を用い
て構成してもよい。本発明の気体および/または液体バ
リア成形体用樹脂組成物からなる層は外層、内層もしく
は中間層であっても良いが、導電性を付与する場合はそ
の導電効果を十分に発揮させる上で、最内層であること
が好ましい。
形体用樹脂組成物からなる層の厚みは積層成形品におい
ては0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.5
〜2mmである。また積層フィルムにおいては、5〜5
00μmが好ましく、より好ましくは10〜200μm
である。また積層シートにおいては、0.2〜5mm程
度が好ましく、より好ましくは0.5〜2mmである。
たは液体バリア成形体用樹脂組成物以外の熱可塑性樹脂
としては、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、
四フッ化ポリエチレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、
ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホ
ン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケ
トン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、熱可塑性
ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、
ポリアミドエラストマ、ポリエステルエラストマなどが
例示でき、必要に応じ、これらの一種以上の熱可塑性樹
脂を配合して用いることも、それらに各種添加剤を添加
して所望の物性を付与して用いることも勿論可能であ
る。
リア成形品、フィルム、シートは一般的に用いられる方
法によって、2次加工することができる。2次加工と
は、切削・研磨などの物理加工、加温・加熱による老成
処理などの加熱処理、イオンやプラズマによる表面処理
などであり、特に加温・加熱下での延伸処理やガスバリ
ア性を発揮する方向の厚みを減じるプレス、ローラー圧
延、多軸引張延伸などの応力付加による圧延処理が好ま
しく用いられる。加温・加熱温度は、通常ポリアミド樹
脂(a)のガラス転移温度以上かつ液晶性樹脂(b)の
液晶開始温度−10℃以下が好ましい。
び/または液体バリア成形体、フィルムもしくはシート
は、気体および/または液体バリア性に優れ、面衝撃強
度、耐オイル性が改良され、耐屈曲疲労性が向上するた
めに、薬液および/またはガス(例えば、フロン−1
1、フロン−12、フロン−21、フロン−22、フロ
ン−113、フロン−114、フロン−115、フロン
−134a、フロン−32、フロン−123、フロン−
124、フロン−125、フロン−143a、フロン−
141b、フロン−142b、フロン−225、フロン
−C318、R−502、1,1,1−トリクロロエタ
ン、塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル、メチルク
ロロホルム、プロパン、イソブタン、n−ブタン、ジメ
チルエーテル、ひまし油ベースのブレーキ液、グリコー
ルエーテル系ブレーキ液、ホウ酸エステル系ブレーキ
液、極寒地用ブレーキ液、シリコーン油系ブレーキ液、
鉱油系ブレーキ液、パワースアリリングオイル、ウイン
ドウオッシャ液、ガソリン、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、ブタノール、窒素、酸素、二酸化炭
素、メタン、プロパン、アルゴン、ヘリウム、キセノ
ン、医薬剤等)搬送ライン用に用いるパイプや上記薬液
の貯蔵用タンク、ポット、もしくはパッキンやフラン
ジ、バルブ、コックなどのそれらの付属部品などの自動
車部品、電気・電子部品、および医療器具用途部品とし
て有効である。具体的には、冷却液タンク、オイル移液
用タンク、消毒液用タンク、輸血ポンプ用タンク、燃料
タンク、燃料タンク部材、ウォッシャー液タンク、ウォ
ッシャー液タンク部材、オイルリザーバータンク、オイ
ルリザーバータンク部材などの自動車部品、医療器具用
途部品、および一般生活器具部品としてタンク状成形品
やその付属部品などに有効である。特に本発明の気体お
よび/または液体バリア成形体は、上記特性を十分に発
揮される燃料チューブ、タンク、その付属部品など、特
に自動車などの内燃機関もしくはその周辺用途に好まし
く適用される。
説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定される
ものではない。
イロン6のペレットを得た。このポリアミドの対数粘度
を測定したところ4.20、融点222℃であった。
ン酸の等モル塩20重量%、ε−カプロラクタムを80
重量%の混合水溶液(固形原料濃度60重量%)を加圧
重合缶に仕込み、攪拌下に昇温し、水蒸気圧17kg/cm
2 で1.5時間反応させた後約2時間かけて徐々に放圧
し、更に常圧窒素気流下で約30分反応し、相対粘度
4.09、融点192℃のポリアミド樹脂を得た。
´−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル
酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエ
チレンテレフタレ−ト346重量部及び無水酢酸960
重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重
合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位72.5
モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレ
ンジオキシ単位20モル当量、芳香族ジカルボン酸単位
27.5モル当量からなる融点267℃、液晶開始温度
238℃、277℃の溶融粘度18Pa・s(オリフィ
ス0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))
の液晶性樹脂が得られた。
量部と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸457重量部及
び無水酢酸873重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応
容器に仕込み、重合を行った結果、芳香族オキシカルボ
ニル単位100モル等量からなる融点283℃、液晶開
始温度233℃、293℃の溶融粘度が50Pa・s
(オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度1,000
(1/秒))の液晶性樹脂が得られた。
量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレ
フタレ−ト346重量部及び無水酢酸809重量部を攪
拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った
結果、芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、エチ
レンジオキシ単位20モル当量、芳香族ジカルボン酸単
位20モル当量からなる融点282℃、液晶開始温度2
31℃、292℃の溶融粘度が24Pa・s(オリフィ
ス0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))
の液晶性樹脂が得られた。
量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル126重量
部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6d
l/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部及び
無水酢酸960重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容
器に仕込み、重合を行った結果、芳香族オキシカルボニ
ル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当
量、エチレンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジ
カルボン酸単位20モル当量からなる融点314℃、液
晶開始温度293℃、324℃の溶融粘度21Pa・s
(オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度1,000
(1/秒))の液晶性樹脂が得られた。
2)100重量部に対し、液晶性樹脂(B−1〜B−
4)および充填材やその他の添加材をドライブレンド
し、表1中の樹脂温度で、ニーディングディスクをスク
リューパターンに組み込んだPCM30型二軸押出機
(池貝鉄鋼)で溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られ
た組成物はペレタイズした後、80℃で10時間真空乾
燥し、下記方法により評価した。
散径は、ASTM D256に従って作成したアイゾッ
ト衝撃試験片の中心部を流れ方向に切削して得られた切
片を電子透過型顕微鏡(TEM)により観察・写真撮影
した。流れ方向に粒子この断面写真において、厚み方向
に垂直に任意直線を50本引き、100μm当たりの通
過粒子個数を平均をとって評価した(平均直列粒子個
数)。
を高化式フローテスターによって、剪断速度100/
秒、および1,000/秒の条件下でノズル径0.5も
しくは1.0mmφ、ノズル長10mmのノズルを用い
測定した。
性) 直径40mmの押出機の先端にチューブ状に成形するダ
イス、チューブを冷却し寸法制御するサイジングダイ、
および引取機からなるものを使用し、外径:8mm、内
径:6mmのチューブを成形した。さらに30cm長に
カットし、チューブの一端を密栓し、内部に市販レギュ
ラーガソリンとメチルアルコールおよびエチルアルコー
ルを80対10対10重量比に混合したアルコールガソ
リン混合物を入れ、残りの端部も密栓した。その後、全
体の重量を測定し、試験チューブを40℃の防爆型オー
ブンにいれ、重量変化によりアルコールガソリン透過性
を評価した。
重機械工業(株)製)に供し、表1中の樹脂温度で、金
型温度80℃に設定し、150mm角2mm厚の角板を
成形した。島津製作所(株)製サーボパルサEHF−U
2H−20L型高速面衝撃試験機を用い、23℃で、ダ
ート径1/2インチ(12.5mm)、衝突速度5m/
sで試験を行った。
重機械工業(株)製)に供し、表1中の樹脂温度で、金
型温度80℃に設定し、厚み3.1mm厚、標点間距離
1/2のASTM1号ダンベル型引張試験片を成形し、
DOP中に50℃で48時間浸積した。その後ASTM
D638に従い引張試験を行い、破断挙動を評価し
た。<評価> ○:引張伸度の低下が30%未満、×:
引張伸度が30%以上低下。 (6)耐屈曲疲労性 住友ネスタ−ル射出成形機プロマット40/25(住友
重機械工業(株)製)に供し、表1中の樹脂温度で、金
型温度80℃に設定し、127mm×12.7mm×
3.1mm厚の成形品を作成し、水平台の端にこの成形
品が台端から70mmはみ出すように固定して置き、成
形品端から10mmの部分に垂直上方に繰り返し応力を
付加して、振り幅5mmの屈曲運動を50回(/100
秒)で行った。試験後の成形品のそりを評価した。<評
価>○:そりが0.5mm以内、△:そりが0.5mm
超1mm以内、×:そりが1mm超。
は液体バリア成形体用樹脂組成物は、極めて優れた気体
および/または液体バリア性を有しており、面衝撃強度
や耐オイル性が改良され、耐屈曲疲労性が向上するた
め、これらの特性が必要とされる自動車部品用途、特に
燃料移送パイプやオイルリザーバータンクなどの燃料や
オイルとの接触機会の多い部品に好適である気体および
/または液体バリア成形品、フィルムもしくはシートを
得ることができる。
び/または液体バリア成形体用樹脂組成物は様々な気体
・液体のバリア性に優れ、面衝撃強度、耐オイル性が改
良され、耐屈曲疲労性が向上するために、これらの特性
が要求される自動車用途を始め、多くの気体もしくは液
体のバリア用途に有用な樹脂組成物およびその成形品、
フィルムもしくはシートが得られ、特に自動車などの内
燃機関用燃料チューブやタンクおよびその付属部品など
に好ましく適用される。
Claims (6)
- 【請求項1】ポリアミド樹脂(a)100重量部に、液
晶性樹脂(b)を0.5〜100重量部配合してなり、
溶融加工温度において、該ポリアミド樹脂(a)のせん
断速度100/秒における溶融粘度(Va100)とせ
ん断速度1000/秒における溶融粘度(Va100
0)および配合する液晶性樹脂(b)のせん断速度10
0/秒における溶融粘度(Vb100)とせん断速度1
000/秒における溶融粘度(Vb1000)が下式1
−1および式1−2を満足することを特徴とするポリア
ミド樹脂(a)と液晶性樹脂(b)の組み合わせからな
る気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成物。 0.1<Vb100 /Va100<1.5 −[式1−1] 0.05< Vb1000/Va1000<0.7 −[式1−2] - 【請求項2】該ポリアミド樹脂(a)と液晶性樹脂
(b)の溶融粘度比が請求項1記載の式1を満足する溶
融加工温度で溶融混練することにより、請求項1記載の
樹脂組成物を製造することを特徴とする気体および/ま
たは液体バリア成形体用樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項3】溶融混練温度が該液晶性樹脂(b)の液晶
開始温度以上融点以下であることを特徴とする請求項2
記載の気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成
物の製造方法。 - 【請求項4】請求項1記載の該気体および/または液体
バリア成形体用樹脂組成物からなる気体および/または
液体バリア成形品、フィルムもしくはシート。 - 【請求項5】該ポリアミド樹脂(a)と液晶性樹脂
(b)の溶融粘度比が請求項1記載の式1を満足するよ
うな溶融加工温度で溶融成形することにより、請求項4
記載の気体および/または液体バリア成形品、フィルム
もしくはシートを製造することを特徴とする気体および
/または液体バリア成形品、フィルムもしくはシートの
製造方法。 - 【請求項6】溶融成形温度が該液晶性樹脂(b)の液晶
開始温度以上融点以下であることを特徴とする請求項5
記載の気体および/または液体バリア成形品、フィルム
もしくはシートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31172699A JP4406977B2 (ja) | 1999-11-01 | 1999-11-01 | 気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31172699A JP4406977B2 (ja) | 1999-11-01 | 1999-11-01 | 気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001131405A true JP2001131405A (ja) | 2001-05-15 |
JP4406977B2 JP4406977B2 (ja) | 2010-02-03 |
Family
ID=18020744
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31172699A Expired - Fee Related JP4406977B2 (ja) | 1999-11-01 | 1999-11-01 | 気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4406977B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003042296A (ja) * | 2001-07-27 | 2003-02-13 | Suzutora:Kk | 帯電防止パッキン材 |
-
1999
- 1999-11-01 JP JP31172699A patent/JP4406977B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003042296A (ja) * | 2001-07-27 | 2003-02-13 | Suzutora:Kk | 帯電防止パッキン材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4406977B2 (ja) | 2010-02-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6730378B2 (en) | Resin-molded article and process for producing the same | |
KR100612754B1 (ko) | 수지 구조체 및 그 용도 | |
JP4214669B2 (ja) | 樹脂構造体およびその用途 | |
JP2003096317A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
CN115700024A (zh) | 树脂组合物和电磁波吸收体 | |
JP3931622B2 (ja) | 樹脂構造体 | |
JP5157705B2 (ja) | 樹脂構造体 | |
JP7025604B1 (ja) | 樹脂組成物、成形品およびメッキ付成形品の製造方法 | |
WO2021256487A1 (ja) | 樹脂組成物、成形体、電磁波吸収体および樹脂組成物の吸収率の測定方法 | |
JP4529218B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JPH01242618A (ja) | 改良ポリエステル樹脂の製造法 | |
JPH10296889A (ja) | 多層中空成形体 | |
JP2001226537A (ja) | 熱可塑性樹脂構造体および成形品 | |
JP2001226538A (ja) | 熱可塑性樹脂構造体および成形品 | |
JP4639442B2 (ja) | 樹脂構造体およびそれからなる薬液またはガス搬送および/または貯蔵用容器およびその付属部品。 | |
JP4406977B2 (ja) | 気体および/または液体バリア成形体用樹脂組成物 | |
JP2001131406A (ja) | 気体および/または液体バリア成形品用樹脂組成物 | |
JPH10292105A (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP4714965B2 (ja) | 気体および/または液体バリア部品用強化樹脂組成物および成形品 | |
JP2001172496A (ja) | 気体および/または液体バリア用樹脂組成物および成形品 | |
JP2001131404A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物および成形品 | |
JP2001302853A (ja) | 樹脂成形品 | |
JP2004059757A (ja) | 樹脂組成物 | |
JP2002121334A (ja) | 樹脂構造体およびそれからなる薬液またはガス搬送および/または貯蔵用容器およびその付属部品 | |
JP4172064B2 (ja) | 溶着用樹脂組成物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061101 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090403 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090721 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090824 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091020 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091102 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131120 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |