JP2001302782A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
芳香族ポリカーボネートの製造方法Info
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Abstract
ル交換法芳香族ポリカーボネートの提供。 【解決手段】エステル交換反応触媒存在下、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物との重縮合反応
によって芳香族ポリカーボネートを製造する方法におい
て、該重合設備に使用する窒素の供給配管上、受給容器
への供給口近傍にフィルターを設置することを特徴とす
る芳香族ポリカーボネートの製造方法。
Description
シ化合物と炭酸ジエステル化合物とのエステル交換法に
よる芳香族ポリカーボネートの製造方法に関し、特に、
色相、熱安定性、加水分解安定性に優れた芳香族ポリカ
ーボネートを提供するものである。
性、耐衝撃性、透明性等に優れたエンジニアリングプラ
スチックスとして、多くの分野において幅広く用いられ
ている。この芳香族ポリカーボネートの製造方法につい
ては、従来、種々の研究が行われ、その中で、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAとい
う。)とホスゲンとの界面重縮合法が工業化されてい
る。また、炭酸ジエステル化合物と芳香族ジヒドロキシ
化合物を重縮合させてポリカ−ボネ−トを製造する、い
わゆるエステル交換法は、上記界面重縮合法に比べて、
工程が比較的単純であり、操作、コスト面で優位性が発
揮できるだけでなく、毒性の強いホスゲンや、塩化メチ
レン等のハロゲン系溶剤を使用しないという点におい
て、環境保全の面からも優れているといった利点があ
り、将来有望であると考えられる。しかし、エステル交
換法には、界面重縮合法に比べて高温で重合するため、
製品の芳香族ポリカーボネートが着色し易いという問題
がある。着色する原因は、種々考えられるが、反応器材
質中のFe元素や系外からのFe元素の混入がその一因
である。
特許第4383092号においては、反応混合物と接触
する部分を、Ta、Cr、Ni等の非鉄系、非ステンレ
ス系の特殊な材質の反応装置とすることにより、生成ポ
リマーの着色を抑制する方法が提案されている。しか
し、これらの金属は高価であり、加工も簡単ではないと
いう欠点を有している。特開平4−72327号では、
反応混合物と接触する部分の材質としてCu及び/又は
Niの含有量が85%以上の金属材料を使用する方法が
提案されているが、やはり高価な装置となる欠点を有し
ている。その他にも、反応装置の材質として使用する金
属として、Ni及び/又はAlの含有量が60%以上の
もの(特開平5−125168号)、Ni及び/又はM
oの含有量が60%以上のもの(特開平5−12516
9号)、Ni及び/又はCの含有量が60%以上のもの
(特開平5−125170号)、Ni及び/又はCrの
含有量が60%以上のもの(特開平5−125172
号)、Cu及び/又はAlの含有量が60%以上のもの
(特開平5−125173号)等も提案されている。し
かしながら、上記提案は、いずれも、反応装置外部から
のFeの混入防止対策については触れていない。
ドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物とのエステル交
換法によって芳香族ポリカーボネートを製造する方法に
おいて、外部からのFeの混入が少なく、色相に優れた
芳香族ポリカーボネートを提供することを目的とする。
のFeの混入防止策を鋭意検討する過程で、重合設備に
使用する窒素の供給配管からのFeの混入が無視できな
いこと、また、該供給配管上の適切な位置にフィルター
を設置すれば、上記の目的を達成できることを見出し、
本発明に到達した。
媒存在下、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル
化合物との重縮合反応によって芳香族ポリカーボネート
を製造する方法において、該重合設備に使用する窒素の
供給配管上、受給容器への供給口近傍にフィルターを設
置することを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造
方法に存する。
する。本発明に係わる芳香族ポリカーボネートを製造す
る原料として、炭酸ジエステル化合物と芳香族ジヒドロ
キシ化合物とが用いられる。
の、置換されていてもよい、脂肪族基又は芳香族基であ
り、AとA’とは、同一でも異なってもよい。)
の具体例としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジ
フェニルカーボネート(DPCと略称することがあ
る。)及びジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカ
ーボネート等があるが、好ましくはジフェニルカーボネ
ート、置換ジフェニルカーボネートがあり、特にジフェ
ニルカーボネートが好ましい。これらの炭酸ジエステル
化合物は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよ
い。
と共に、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30
モル%以下の量でジカルボン酸、あるいはジカルボン酸
エステルを使用してもよい。このようなジカルボン酸あ
るいはジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸
ジフェニル等が用いられる。このようなカルボン酸、あ
るいはカルボン酸エステルを炭酸ジエステル化合物と併
用した場合には、ポリエステルカーボネートが得られ
る。
記式(2)で示される。
2価の炭化水素基、ハロゲン置換の2価の炭化水素基、
−S−基、−SO2 −基、−SO−基、−O−基又は−
CO−基を示し、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜14
のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1
〜8のオキシアルキル基又は炭素数6〜18のオキシア
リール基を示す。mは、0又は1であり、yは、0〜4
の整数である。)
合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェ
ニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−
ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニト
ロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、
4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニ
ルエーテル等が例示される。これらの中でも、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
また、これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で又
は2種以上を混合して、用いることができる。
シ化合物との混合比率は、所望する芳香族ポリカーボネ
ートの分子量と末端ヒドロキシ基量により決められる。
末端ヒドロキシ基量は、製品ポリカーボネートの熱安定
性と加水分解安定性に大きな影響を及ぼし、実用的な物
性を持たせるためには1000ppm以下にすることが
必要となる。従って、芳香族ジヒドロキシ化合物1モル
に対して炭酸ジエステル化合物を等モル量以上用いるの
が一般的であり、1.01〜1.30モル、好ましくは
1.01〜1.20モルの量で用いられるのが望まし
い。
る際には、通常エステル交換触媒が使用される。エステ
ル交換触媒としては、主として、アルカリ金属化合物及
び/又はアルカリ土類金属化合物が使用され、補助的
に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性ア
ンモニウム化合物あるいはアミン系化合物等の塩基性化
合物を併用することも可能である。これらの触媒は、1
種類で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用し
てもよい。
物1モルに対して、1×10-8〜1×10-5モルの範囲
で用いられる。この量より少なければ、所定の分子量、
末端ヒドロキシ基量のポリカーボネートを製造するのに
長時間必要な重合活性が得られず、この量より多い場合
は、ポリマー色相が悪化し、ゲルの発生による異物量も
増大する傾向となる。特に、アルカリ金属化合物及び/
又はアルカリ土類金属化合物を用いる場合、それらの金
属量として1×10-8〜2×10-6モルの範囲が好まし
く、0.5×10-7〜1×10-6モルの範囲が特に好ま
しい。
ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの水酸化
物、炭酸水素塩、炭酸塩、酢酸塩、リン酸水素塩、フェ
ニルリン酸塩等の無機アルカリ金属化合物や、ステアリ
ン酸、安息香酸等の有機酸類、メタノール、エタノール
等のアルコール類,石炭酸、ビスフェノールA等のフェ
ノール類との塩等の有機アルカリ金属化合物等が挙げら
れる。アルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、
カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム
の水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、酢酸塩等の無機アル
カリ土類金属化合物や、有機酸類、アルコール類、フェ
ノール類との塩等の有機アルカリ土類金属化合物等が挙
げられる。
トラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピ
ルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ
素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホ
ウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホ
ウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジル
ホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホ
ウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニ
ルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素、等の水素化物、
ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩、バリウム塩、或いはストロンチウ
ム塩等が挙げられる。
エチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、ト
リイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、
あるいは四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
ば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロ
キシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、
トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメ
チルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメ
チルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルア
ンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニ
ウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒ
ドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキ
シド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベン
ジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルト
リフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェ
ニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
ミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル
−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、
2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−
メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、
2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカ
プトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキ
ノリン等が挙げられる。
工程で製造される。一般的には反応温度140〜320
℃、反応時間0.1〜5時間、反応圧力は常圧より段階
を追って減圧度を上げ、副生するモノフェノール化合物
をラインから連続的に除去しながら反応を行う。最終的
には267Pa以下の減圧下、250〜320℃の温度
で重縮合反応を行い、粘度平均分子量10000〜10
0000、好ましくは12000〜40000に高分子
量化する。必要に応じて、窒素等の不活性ガスを流通さ
せることもできる。また、モノフェノール化合物に同伴
する原料を重合槽に戻すために、分留塔を重合槽に付設
することもできる。
ッチ式と連続式の組合せのいずれでもよい。使用する装
置は、槽型、管型又は塔型のいずれの形式であってもよ
く、例えば、各種の撹拌翼を具備した竪型重合槽、横型
1軸タイプの重合槽及び/又は横型2軸タイプの重合槽
等を使用することができる。
が好ましく、例えば、運転開始前に、原料混合物調製
槽、重合槽及びこれらを連結する配管内を、窒素ガス等
の不活性ガスで置換しておく。通常、芳香族ジヒドロキ
シ化合物と炭酸ジエステル化合物との溶融原料混合物
を、竪型重合槽に供給する。触媒は、原料とは別のライ
ンで第1重合槽に直接供給してもよいし、第1重合槽に
入る手前の配管内で、スタティックミキサー等により原
料と混合した状態で供給させてもよい。必要に応じて、
触媒を溶解あるいは懸濁するための溶媒が用いられる。
好ましい溶媒としては、水、アセトン、フェノール等が
挙げられる。
り、抜き出し口は、重合槽底部にあるのが好ましい。ま
た、各重合槽から反応液を連続して抜き出す方法は、落
差を利用する方法、圧力差を利用する方法、ギアポンプ
等の送液ポンプを用いる方法等、反応液の物性に適応し
た方法で行うのが好ましい。
等の触媒を用いる場合には、ポリカーボネート中に残存
する触媒を中和するために、酸性化合物、特にはイオウ
含有酸性化合物を、触媒金属に対して0.5〜10当
量、好ましくは1〜5当量を添加することができる。す
なわち、通常0.01〜20ppm、好ましくは0.1
〜10ppm、さらに好ましくは3〜7ppm添加す
る。
ホン酸、スルフィン酸又はそれらのエステル誘導体であ
り、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸、それらのメ
チル、エチル、ブチル、t−ブチル、オクチル、ドデシ
ル、フェニル、ベンジル、フェネチル等のエステル類、
ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸、ナフタ
レンスルホン酸等が挙げられる。これらの化合物の内、
p−トルエンスルホン酸のエステル又はベンゼンスルホ
ン酸のエステルが好ましく、これらの化合物を2種以上
使用してもよい。さらに、これらの化合物のアルカリ金
属塩を、これらの化合物と併用すると、分散性が向上し
失活効果が高まるので好ましい。併用する量としては、
非アルカリ金属塩に対してアルカリ金属塩を、重量比で
0.3〜3倍程度の量用いることが好ましい。
への添加方法は、任意の方法により行うことができる。
例えば、イオウ含有酸性化合物を、直接又は希釈剤で希
釈して、溶融又は固体状態にあるポリカーボネートに添
加し、分散させることができる。具体的には、重縮合反
応器中、反応器からの移送ライン中、押出機中に供給し
て混合することができ、通常は押出機中に供給される。
また、ミキサー等で、ポリカーボネートや、他種ポリマ
ーのペレット、フレーク、粉末等と混合後、押出機に供
給して混練することもできる。これらのうちポリカーボ
ネートのフレークに、イオウ含有酸性化合物の原液を添
加し、ミキサー等で混合後、マスターバッチとして添加
することが好ましい。さらに、添加の際には、重量フィ
ーダー等を用いて、添加量を精度良く制御することが好
ましい。
う場合、又は水添加、熱安定剤、離型剤、染料、顔料、
紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、有機・無機充填剤
等を添加する場合は、これらの添加及び処理は、イオウ
含有酸性化合物と同時に行ってもよいが、イオウ含有酸
性化合物を最初に添加、混練することが好ましい。使用
する押出機は、脱揮機能を備えたものであれば形式は問
わない。具体的には、ベント式の単軸又は多軸押出機が
挙げられるが、特に噛み合い型二軸押出機が好ましく、
回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。ベント
数に制限はないが、通常2〜10段の多段ベントが用い
られる。
種の態様を挙げることができる。第一は、粉体原料のハ
ンドリングを窒素雰囲気下で行うこと、第二は、重合設
備の運転開始に際し、経路となる容器や配管等の内部に
存在する空気の窒素置換を行うこと、第三は、重合槽の
圧力調整を窒素によって行うことにある。本発明におい
ては、これら重合設備に使用する窒素の供給配管にフィ
ルターを設置し、あらかじめフィルターで濾過した窒素
の供給を準備することが必要である。
ーボネートの連続重合プロセスでは、重合槽に供給する
原料混合物を調製する際に、通常、融点の高い芳香族ジ
ヒドロキシ化合物は粉体でハンドリングされるが、粉塵
爆発の危険性があり、不活性ガス雰囲気下で行われるの
が一般的である。芳香族ジヒドロキシ化合物(以下、代
表的化合物ビスフェノールAに因んで、BPAと略称す
ることがある。)は、通常タンクローリー又はフレコン
バッグで受け入れを行う。タンクローリーで受け入れる
際には、タンクローリー内部もあらかじめフィルターで
濾過した窒素で置換する必要がある。また、タンクロー
リーからBPA貯槽にBPAを受け入れるときにも、上
記フィルターで濾過した窒素を用いることで、BPA貯
槽内へのFeの混入を防ぐことができる。また、BPA
をフレコンバッグからBPA貯槽に受け入れる場合も、
好ましくはBPA受け入れ前、遅くともBPA受け入れ
後に、該貯槽内を上記フィルターで濾過した窒素で置換
した後、原料混合物調製槽へ移送することが好ましい。
カーボネートの重合プロセスでは、無酸素下が好ましい
ので、重合設備の運転開始前に、原料混合物調製槽、重
合槽及びこれらを連結する配管内を、不活性ガス置換し
ておく。このような置換操作においても、上記フィルタ
ーで濾過した窒素を用いることで、原料混合物調製槽内
へのFeの混入を防ぐことができる。
法ポリカーボネートの連続重合プロセスでは、多段の竪
型重合槽と横型重合槽を組み合わせたプロセスが一般的
であり、これら重合槽は、それぞれ所定の圧力に維持す
る必要があり、これを不活性ガスを用いて行うことが一
般的である。これらの圧力調整においても、上記フィル
ターで濾過した窒素を用いることで、重合槽内へのFe
混入を防ぐことができる。
に、特に制限はないが、絶対濾過精度が大きすぎると十
分にFeが除去できず、得られるポリカーボネートの着
色が悪化する原因となる。また、絶対濾過精度が小さす
ぎるとFeの目詰まりが多発したりして、長期安定運転
の確保が困難になる等の問題がある。従って、絶対濾過
精度は、通常2μm以下から選ばれ、0.01μm〜2
μmの範囲が好ましく、0.2μm〜2μmが特に好ま
しい。フィルターの形式は、カートリッジタイプ、ポロ
タイプ等特に制限はない。濾材は、Feを含まない材質
であれば、差し支えないが、ニトロアセテート、セルロ
ースアセテート、テフロン(登録商標)等の合成樹脂製
のものが一般的である。
重合設備に使用する窒素の供給配管上、受給容器への供
給口近傍であることが必要である。化学工場では、窒素
は、発生源から配管で各製造プロセスに供給され、ま
た、配管にはFe主体の材質が、敷設後多年にわたって
使用されているのが現状で、窒素の流速によっては、配
管内部のFeが窒素に伴われてプロセスに混入する原因
になる。従って、少しでも配管からのFeの混入を避け
るために、フィルターは、窒素の供給を受ける容器の近
傍に設置する。特に、Fe異物の混入を嫌う製品の製造
プロセスでは、窒素の受給容器ごとにフィルターを設置
することが必要である。本発明では、プロセス内へのF
eの混入を防ぐために、重合設備の種々の受給容器のう
ち、原料貯槽、特に粉体原料のハンドリングを行うBP
A貯槽の窒素ライン、及び重合槽、特にその圧力調整用
の窒素ラインに、フィルターを設置することが好まし
い。
発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、
得られた芳香族ポリカーボネートの分析は下記の測定方
法により行った。
限粘度[η]を測定し、以下の式より粘度平均分子量
(Mv)を求めた。 [η]=1.23×10-4×(Mv)0.83
以上乾燥した後、(株)日本製鋼所製J−100SS−
2射出成形機を用いて、バレル温度280℃、金型温度
90℃の条件下にて成形した、厚み3mm、一辺100
mm角の射出成形品について、スガ試験機(株)製カラ
ーテスターSC−1−CHで、色の絶対値である三刺激
値XYZを測定し、次の関係式により黄色度の指標であ
るYI値を算出した。 YI=(100/Y)×(1.28X−1.06Z) このYI値が大きいほど着色していることを示す。
PCを収容する内容積1.2m3 のタンクは、それぞ
れ、窒素供給配管を備え、該それぞれの配管上、窒素供
給口近傍には、絶対濾過精度0.5μmのテフロン製濾
材を装備したフィルター(アドバンテック社製、型番T
CF−050)を設置した。上記サイロに、BPA10
00kgを投入し、上記フィルターで濾過した窒素を
0.2m3 /hの流量で導入して10分間以上置換した
後、重量式フィーダーを用いて、44.9kg/hの速
度で原料混合物調製槽へ供給した。一方、雰囲気を上記
フィルターで濾過した窒素で置換した、上記タンクか
ら、DPCを44.9kg/hの速度で原料混合物調製
槽へ供給した。別に、原料混合物調製槽への窒素供給配
管上、供給口近傍に設置した、上記と同一の、絶対濾過
精度0.5μmのフィルターで濾過した窒素ガス雰囲気
下、140℃で、BPAとDPCとを一定のモル比(D
PC/BPA=1.065)で溶融混合し、原料混合物
を得た。
℃に加熱した原料導入管を通して、常圧、窒素雰囲気
下、210℃に制御した第1竪型撹拌重合槽内に連続供
給し、平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポ
リマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつ
つ、液面レベルを一定に保った。また、上記原料混合物
の供給を開始すると同時に、触媒として0.16%水溶
液状の炭酸セシウムを、BPA1モルに対し0.5×1
0-6モルの流量で、同重合槽に連続供給した。
き続き第2、第3及び第4の竪型重合槽並びに第5の横
型重合槽に、逐次連続供給された。これら重合槽では、
それぞれ、第2重合槽(210℃、13300Pa)、
第3重合槽(240℃、1995Pa)、第4重合槽
(260℃、67Pa)、第5重合槽(265℃、67
Pa)と、反応の進行とともに高温、高真空、低撹拌速
度となるように重合条件を設定した。反応の間、各槽の
平均滞留時間が60分になるように液面レベルを制御
し、また同時に副生するフェノールの留去も行った。芳
香族ポリカーボネートの製造速度は50kg/hであっ
た。
量によって調整した。図1に示すように、重合槽(1)
に設置した窒素の供給配管(2)の供給口近傍には、フ
ロート式流量計(3)を挟んで、前記原料混合物調製槽
等への窒素供給口近傍に設置したのと同一の、絶対濾過
精度0.5μmのフィルター(4)を設置した。また、
重合槽の気相部は、圧力調節機構(PC)によって開閉
される調節弁(5)を備えた配管(6)を介して、真空
ポンプに接続し所定の圧力に調整した。
の分子量は15000であった。このポリマーを溶融状
態のまま、3段ベントを具備し、ベント孔の間に水導入
口を具備した2軸押出機(神戸製鋼所(株)製、46m
mφ、噛み合いスクリュー、同方向)に導入し、注水脱
揮操作後、ペレット化を行った。得られたポリマーの色
相を測定したところYI=1.6であった。
で、芳香族ポリカーボネートを得た。得られたポリマー
の分子量は、15100で、色相はYI=2.5であっ
た。
混入を防止し、色相に優れたエステル交換法芳香族ポリ
カーボネートが得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】エステル交換反応触媒存在下、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物との重縮合反応
によって芳香族ポリカーボネートを製造する方法におい
て、該重合設備に使用する窒素の供給配管上、受給容器
への供給口近傍にフィルターを設置することを特徴とす
る芳香族ポリカーボネートの製造方法。 - 【請求項2】設置するフィルターの絶対濾過精度が2μ
m以下であることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポ
リカーボネートの製造方法。 - 【請求項3】受給容器が原料貯槽及び重合槽であること
を特徴とする請求項1又は2記載の芳香族ポリカーボネ
ートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000125771A JP3714595B2 (ja) | 2000-04-26 | 2000-04-26 | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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