JP2001302670A - イミダゾリジン化合物の製造法 - Google Patents

イミダゾリジン化合物の製造法

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JP2001302670A
JP2001302670A JP2000129615A JP2000129615A JP2001302670A JP 2001302670 A JP2001302670 A JP 2001302670A JP 2000129615 A JP2000129615 A JP 2000129615A JP 2000129615 A JP2000129615 A JP 2000129615A JP 2001302670 A JP2001302670 A JP 2001302670A
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mol
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imidazolidine
cyanide
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Kazumi Nakano
一美 中野
Katsuyuki Imamiya
勝之 今宮
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クロマノン化合物を出発物質とし、これから安
全に、かつ効率よくイミダゾリジン化合物を製造しうる
方法を提供すること。 【解決手段】(A)一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3
のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基、R2
はカルボキシル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニ
ル基またはカルバモイル基を示す)で表されるクロマノ
ン化合物および炭酸アンモニウムと、青酸塩とを反応さ
せ、(B)得られた反応溶液に塩酸を添加した後、85
〜105℃に加熱し、該反応溶液に不純物として含まれ
ている青酸塩を分解することを特徴とする一般式(II): 【化2】 (式中、R1 およびR2 は前記と同じ)で表されるイミ
ダゾリジン化合物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イミダゾリジン化
合物の製造法に関する。さらに詳しくは、糖尿病合併症
治療薬およびその合成中間体として有用なイミダゾリジ
ン化合物を安全に製造しうる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】置換2,3−ジヒドロスピロ〔4H−1
−ベンゾピラン−4,4’−イミダゾリジン〕−2’,
5’−ジオンに代表されるイミダゾリジン化合物は、糖
尿病合併症治療薬などとして有用な化合物である。
【0003】前記イミダゾリジン化合物の製造法として
は、従来、特開昭61−200991号公報、特開昭6
3−253086号公報などに記載の方法が知られてお
り、これらの方法によれば、反応終了後に、反応溶液を
酸性にし、目的化合物を沈澱させ、これを単離すること
によって収得されている。
【0004】しかしながら、前記方法には、反応時に発
生した青酸ガスが反応雰囲気内に存在しているため、生
成した目的化合物を単離する際には人体などに対する安
全面で欠点があった。
【0005】そこで、得られた反応溶液に残存している
青酸化合物を無毒化させるために、反応溶液に次亜塩素
酸や過酸化水素を添加することにより、青酸化合物を分
解させる方法が提案されている。しかしながら、かかる
方法には、次亜塩素酸を用いた場合には、該次亜塩素酸
は青酸化合物を分解する能力が高いが、イミダゾリジン
化合物を酸化分解してしまうという欠点があり、また過
酸化水素を用いた場合には、該過酸化水素は青酸化合物
を分解する能力が低いという欠点がある。
【0006】したがって、近年、クロマノン化合物を出
発物質とし、これから安全に、かつ効率よくイミダゾリ
ジン化合物を製造しうる方法の開発が待ち望まれてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、クロマノン化合物を出
発物質とし、これから安全に、かつ効率よくイミダゾリ
ジン化合物を製造しうる方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、(1)(A)一般式(I):
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコ
キシ基、R2 はカルボキシル基、炭素数1〜3のアルコ
キシカルボニル基またはカルバモイル基を示す)で表さ
れるクロマノン化合物および炭酸アンモニウムと、青酸
塩とを反応させ、(B)得られた反応溶液に塩酸を添加
した後、85〜105℃に加熱し、該反応溶液に不純物
として含まれている青酸塩を分解することを特徴とする
一般式(II):
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1 およびR2 は前記と同じ)で
表されるイミダゾリジン化合物の製造法、ならびに
(2)青酸化合物を不純物として含むイミダゾリジンの
溶液中に、塩酸を添加した後、80〜105℃に加熱す
ることを特徴とする、イミダゾリジン化合物の溶液中の
青酸化合物を除去する方法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、糖尿病合併症治療薬と
して有用なイミダゾリジン化合物を製造する方法であ
る。本発明の製造法によれば、前記したように、(A)
一般式(I):
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコ
キシ基、R2 はカルボキシル基、炭素数1〜3のアルコ
キシカルボニル基またはカルバモイル基を示す)で表さ
れるクロマノン化合物および炭酸アンモニウムと、青酸
塩とを反応させ、(B)得られた反応溶液に塩酸を添加
した後、85〜105℃に加熱することにより、一般式
(II):
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R1 およびR2 は前記と同じ)で
表されるイミダゾリジン化合物を得ることができる。
【0018】本発明においては、前記工程(B)を採用
した点に、1つの大きな特徴がある。このように、前記
工程(B)を採用した場合には、従来、反応溶液に不純
物として残存している青酸塩を無毒化させるために用い
られている次亜塩素酸や過酸化水素を添加した場合と対
比して、塩酸の添加および特定温度の加熱が採用されて
いることに基づいて、青酸塩が非常に効率よく分解され
るのみならず、イミダゾリジン化合物が酸化分解を受け
ることがなく、純度が低下しないので、目的化合物であ
るイミダゾリジン化合物を効率よく、しかも安全に得る
ことができるという格別顕著に優れた効果が発現され
る。
【0019】このように、前記工程(B)を採用するこ
とにより、これらの格別顕著に優れた効果が発現される
のは、おそらく、前記工程(B)においては、得られた
反応溶液に、種々ある酸のなかでも特に塩酸を添加し、
かつ特定温度に加熱するという操作を採用することによ
る相乗効果として、格別顕著に優れた効果が発現される
ものと考えられる。したがって、例えば、塩酸の代わり
に、次亜塩素酸や過酸化水素を用いた場合は勿論のこ
と、塩酸と同じような無機酸である硫酸などを用いたと
しても、青酸塩の分解が遅く、長時間を要し、イミダゾ
リジン化合物が分解を受けるので、本発明の目的はとて
も達成されない。また、ただ単に塩酸を添加するだけで
も本発明の目的が達成されない。
【0020】一般式(I)において、R1 は、水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭
素数1〜3のアルコキシ基である。ハロゲン原子として
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子
があげられるが、これらのなかでは、フッ素原子および
塩素原子が好ましい。炭素数1〜3のアルキル基として
は、具体的には、メチル基、エチル基およびプロピル基
があげられる。また、炭素数1〜3のアルコキシ基とし
ては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基およびプロ
ポキシ基があげられる。
【0021】また、R2 は、カルボキシル基、炭素数1
〜3のアルコキシカルボニル基またはカルバモイル基で
ある。炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基として
は、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基およびプロポキシカルボニル基があげられる。
【0022】クロマノン化合物の代表例としては、6−
フルオロ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−2H−1−
ベンゾピラン−2−カルボン酸、6−クロロ−3,4−
ジヒドロ−4−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−2−
カルボン酸、6−メチル−3,4−ジヒドロ−4−オキ
ソ−2H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸、3,4
−ジヒドロ−4−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−2
−カルボン酸などがあげられる。
【0023】クロマノン化合物は、例えば、リービッヒ
・アンナレーン・ケミー(Ann. Chem.)1973年1552−1556
頁に記載の方法、特開昭63−250373号公報に記載の方法
などによって容易に調製することができる。
【0024】青酸塩の代表例としては、青酸ナトリウ
ム、青酸カリウムなどの青酸アルカリ金属塩があげられ
る。
【0025】クロマノン化合物および炭酸アンモニウム
と、青酸塩とを反応させる際には、溶媒を用いることが
できる。かかる溶媒としては、例えば、水、メタノー
ル、エタノールなどの低級アルコール、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル、それらの混合溶媒などがあげられ
る。これらの溶媒のなかでは、水が好ましい。溶媒の使
用量は、特に限定がないが、通常、クロマノン化合物1
00重量部に対して、300〜1000重量部、好まし
くは400〜800重量部であることが望ましい。
【0026】反応に際しては、まず、クロマノン化合物
と、炭酸アンモニウムとを混合することが好ましい。炭
酸アンモニウムは、そのアンモニウム量で、クロマノン
化合物1モルに対して、反応を十分に進行させる観点か
ら、8.5モル以上、好ましくは9モル以上使用するこ
とが望ましく、また青酸塩の塩酸による分解に要する時
間を短縮させる観点から、11.5モル以下、好ましく
は11モル以下使用することが望ましい。
【0027】なお、クロマノン化合物と炭酸アンモニウ
ムとを溶媒中で混合する場合、溶媒の温度は、両者を十
分に混合させる観点から、10℃以上とし、また炭酸ア
ンモニウムの分解を回避する観点から、30℃以下とす
ることが好ましい。
【0028】次に、クロマノン化合物と炭酸アンモニウ
ムとの混合物に、青酸塩を添加する。青酸塩の量は、ク
ロマノン化合物1モルに対して、反応を促進させる観点
から、1.1モル以上とし、また経済性の観点から、
1.3モル以下とすることが望ましい。特に好ましい青
酸塩の量は、クロマノン化合物1モルに対して1.2モ
ルである。
【0029】なお、青酸塩は、そのままの状態でクロマ
ノン化合物と炭酸アンモニウムとの混合物に添加しても
よいが、安全面から、水溶液にして添加することが好ま
しい。この場合、水の使用量は、青酸塩100重量部に
対して300〜600重量部、好ましくは400〜50
0重量部であることが望ましい。また、青酸塩をクロマ
ノン化合物と炭酸アンモニウムとの混合物に添加する際
には、青酸塩を滴下により添加してもよく、また流入に
より添加してもよい。クロマノン化合物と炭酸アンモニ
ウムとの混合物に、青酸塩を添加する際の温度は、反応
を促進させる観点から、20℃以上とすることが好まし
く、また安全性の観点から、30℃以下とすることが好
ましい。
【0030】クロマノン化合物と炭酸アンモニウムとの
混合物に、青酸塩を添加することにより、クロマノン化
合物および炭酸アンモニウムと、青酸塩との反応が行な
われるが、反応温度は、反応を十分に進行させる観点か
ら、60℃以上とし、また炭酸アンモニウムの昇華を回
避する観点から、65℃以下とすることが好ましい。な
お、かかる反応温度に昇温させる際には、安全面から、
例えば、20〜30℃の温度から60〜65℃の温度に
30分間〜2時間程度の時間をかけて徐々に加熱するこ
とが好ましい。
【0031】通常、前記反応温度で4〜6時間程度加熱
することにより、反応が終了する。反応の終了は、例え
ば、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCとい
う)により確認することができる。
【0032】以上のようにして反応させることにより、
一般式(II)で表されるイミダゾリジン化合物が得られ
る。
【0033】得られたイミダゾリジン化合物を反応溶液
からそのまま取り出すことは、反応溶液中に青酸塩が存
在しているので、安全面から好ましくない。したがっ
て、得られた反応溶液をそのままの状態にして、該反応
溶液に塩酸を添加する。
【0034】塩酸としては、例えば、濃度が35%以上
の濃塩酸が好ましい。塩酸の量は、青酸塩の分解を迅速
に行なう観点から、クロマノン化合物1モルに対して塩
化水素量が10モル以上、好ましくは12モル以上とな
るように調整することが望ましく、また生成する廃液量
を低減させることにより経済性を高める観点から、クロ
マノン化合物1モルに対して塩化水素量が20モル以
下、好ましくは18モル以下とすることが望ましい。
【0035】なお、塩酸を反応溶液に添加する際には、
塩酸を分割して添加することが反応性の観点から好まし
い。例えば、反応溶液の液温を0〜20℃に調整し、そ
の温度で塩酸をクロマノン化合物1モルに対して塩化水
素量で4〜8モル程度添加し(1段目の添加)、その
後、反応溶液の液温を40〜80℃に調整し、その温度
で塩酸をクロマノン化合物1モルに対して塩化水素量で
8〜12モル程度添加すること(2段目の添加)が好ま
しい。前記1段目の添加で反応溶液の液温を0〜20℃
に調整することが好ましいのは、0℃よりも低い温度で
は、反応溶液の攪拌性が低下する傾向があり、また20
℃よりも高ければ反応溶液が発泡する傾向があるからで
ある。また、前記2段目の添加で反応溶液の液温を40
〜80℃に調整することが好ましいのは、40℃よりも
低い温度では、青酸塩の分解が遅くなる傾向があり、ま
た80℃よりも高ければ反応溶液からの発泡が激しくな
るからである。
【0036】反応溶液に塩酸を添加した後には、該反応
溶液を加熱する。加熱温度は、青酸塩の分解を促進し、
生成したイミダゾリジン化合物の分解を回避する観点か
ら、85〜105℃、好ましくは85〜100℃、さら
に好ましくは90〜95℃である。加熱に要する時間
は、通常、3〜5時間程度である。このように加熱する
ことにより、反応溶液中に残存している青酸塩が分解
し、その残存濃度は、作業環境上許容される濃度である
10ppm以下となる。
【0037】反応を行なった後には、反応溶液を0〜2
0℃で5〜20時間、好ましくは1〜10℃で10〜1
5時間熟成することが、ジアステレオマーである4R体
の析出を減らし、目的化合物である4S体を収率よく得
る観点から好ましい。
【0038】次に、生成したイミダゾリジン化合物は、
反応溶液から濾過により回収することができる。なお、
濾液は、アンモニウム塩を含む廃液であり、通常の処理
で廃棄することができる。
【0039】本発明の別の実施態様として、青酸化合物
を不純物として含むイミダゾリジン化合物の溶液に、塩
酸を添加した後、80〜105℃に加熱することによ
り、該イミダゾリジン化合物の溶液中に混在する青酸化
合物を除去するという実施態様も考えられる。該実施態
様は、前記工程Aの代わりに、青酸化合物を不純物とし
て含むイミダゾリジン化合物の溶液を出発としたもので
あり、前記方法の工程Bに準じて実施することができ
る。尚、添加する塩酸の量は、イミダゾリジン化合物1
モルに対して、塩化水素量が10〜20モルとなるよう
に調整することが好ましい。
【0040】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0041】実施例1 ガストラップを取り付けた500ml容の四つ口フラス
コに、水92.2g、クロマノン化合物〔(2S)−6
−フルオロ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−2H−1
−ベンゾピラン−2−カルボン酸〕20.0gおよび炭
酸アンモニウム39.53g(アンモニア量としてクロ
マノン化合物1モルに対して10モル)を添加したの
ち、20〜25℃で30分間攪拌した。
【0042】次に、青酸カリウム7.83gを水37.
1mlに溶解させた溶液を、フラスコ内に流入させた。
その後、約1時間かけてフラスコ内の内容物を60℃に
加熱し、60〜65℃の温度に調整しながら5時間反応
を行なった。
【0043】反応終了後、得られた反応溶液を5℃に冷
却し、35%の濃塩酸56.78gを30分間かけて滴
下した。55〜65℃に加熱した後、さらに35%の濃
塩酸95.49gを25分間かけて滴下し、90〜95
℃に加熱した。加熱を3時間行なったところ、反応溶液
中のシアン残存濃度は3.5ppmであった。
【0044】次に、反応溶液を1〜10℃で25〜30
時間攪拌した後、反応溶液を濾過し、得られた残渣を水
20mlで洗浄し、乾燥することにより、イミダゾリジ
ン化合物〔(2s,4s)−6−フルオロ−2,3−ジ
ヒドロ−2’,5’−ジオキソスピロ〔4H−1−ベン
ゾピラン−4,4’−イミダゾリジン〕−2−カルボキ
サミド〕モノハイドレート20.28gを得た(モノハ
イドレート体として収率:71.4%)。得られたイミ
ダゾリジン化合物のHPLCによる純度は99.46%
であり、4R体の含有率は0.46%であった。
【0045】比較例1 ガストラップを取り付けた500ml容の四つ口フラス
コに、水92.2g、クロマノン化合物〔(2S)−6
−フルオロ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−2H−1
−ベンゾピラン−2−カルボン酸〕20.0gおよび炭
酸アンモニウム39.53g(アンモニア量としてクロ
マノン化合物1モルに対して10モル)を添加したの
ち、20〜25℃で30分間攪拌した。
【0046】次に、青酸カリウム7.83gを水37.
1mlに溶解させた溶液を、フラスコ内に流入させた。
その後、約1時間かけてフラスコ内の内容物を60℃に
加熱し、内容物の温度を60〜65℃に調整しながら5
時間反応を行なった。
【0047】反応終了後、得られた反応溶液を5℃に冷
却し、濃硫酸146gと水212gを混合した希硫酸の
1/3を30分間かけて滴下した。55〜65℃に加熱
した後、さらに残り2/3の希硫酸を25分間かけて滴
下し、90〜95℃で3時間加熱した。反応溶液中のシ
アン濃度は5700ppmであった。反応容器中のシア
ンガス濃度は、1100ppmであるため、該反応溶液
を開放系で取り扱うことができなかった。
【0048】比較例2 ガストラップを取り付けた500ml容の四つ口フラス
コに、水92.2g、クロマノン化合物〔(2S)−6
−フルオロ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−2H−1
−ベンゾピラン−2−カルボン酸〕20gおよび炭酸ア
ンモニウム39.53g(アンモニア量としてクロマノ
ン化合物1モルに対して10モル)を添加したのち、2
0〜25℃で30分間攪拌した。
【0049】次に、青酸カリウム7.83gを水37.
1mlに溶解させた溶液を、フラスコ内に流入させた。
その後、約1時間かけてフラスコ内の内容物を60℃に
加熱し、60〜65℃の温度に調整しながら5時間反応
を行なった。
【0050】反応終了後、得られた反応溶液を5℃に冷
却し、35%濃塩酸56.78gを30分間かけて滴下
した。55〜65℃に加熱し、35%濃塩酸96gを2
5分間かけて滴下し、70〜75℃に加熱した。5時間
加熱すると、反応溶液中のシアン残存濃度は88ppm
であった。安全に取り扱うことができるシアン残存濃度
は10ppm以下であるから、この反応溶液は、そのシ
アン残存濃度が高いので、開放系での取扱いが危険であ
った。
【0051】比較例3 ガストラップを取り付けた500ml容の四つ口フラス
コに、水46g、クロマノン化合物〔(2S)−6−フ
ルオロ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−カルボン酸〕10gおよび炭酸アンモ
ニウム19.8g(アンモニア量としてクロマノン化合
物1モルに対して10モル)を添加したのち、20〜2
5℃で30分間攪拌した。
【0052】次に、青酸カリウム3.9gを水19ml
に溶解させた溶液を、フラスコ内に流入させた。その
後、約1時間かけてフラスコ内の内容物を60℃に加熱
し、60〜65℃の温度に調整しながら5時間反応を行
なった。
【0053】反応終了後、得られた反応溶液を5℃に冷
却し、35%濃塩酸28.5gを30分間かけて滴下
し、55〜65℃の温度で30分間加熱し、次いで35
%濃塩酸48gを25分間かけて滴下し、110℃に加
熱した。3時間加熱すると、反応溶液中のシアン残存濃
度は2ppmであった。引き続いて25〜30℃で1時
間攪拌した後、5〜8℃で1時間熟成した。その後、反
応溶液を濾過し、得られた結晶を水10mlで洗浄し、
乾燥したところ、該結晶は黄色に着色していた。また、
HPLCによる純度は、98.9%で、クロマノン化合
物〔(2S)−6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−4−
オキソ−2H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸〕が
0.99%の濃度で含まれていた。
【0054】以上の結果から、実施例1によれば、クロ
マノン化合物を出発物質とし、これから安全に、かつ効
率よくイミダゾリジン化合物を製造することができるこ
とがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、クロマノン化
合物を出発物質とし、これから安全に、かつ効率よくイ
ミダゾリジン化合物を製造することができるという効果
が奏される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3
    のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基、R2
    はカルボキシル基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニ
    ル基またはカルバモイル基を示す)で表されるクロマノ
    ン化合物および炭酸アンモニウムと、青酸塩とを反応さ
    せ、(B)得られた反応溶液に塩酸を添加した後、85
    〜105℃に加熱し、該反応溶液に不純物として含まれ
    ている青酸塩を分解することを特徴とする一般式(II): 【化2】 (式中、R1 およびR2 は前記と同じ)で表されるイミ
    ダゾリジン化合物の製造法。
  2. 【請求項2】 工程(B)において、クロマノン化合物
    1モルに対して、塩化水素量が10〜20モルとなるよ
    うに塩酸を反応溶液に添加する請求項1記載のイミダゾ
    リジン化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 工程(A)において、クロマノン化合物
    1モルに対して、アンモニウム量で炭酸アンモニウム
    8.5〜11.5モル及び青酸塩1.1〜1.3モルを
    使用する請求項1記載のイミダゾリジン化合物の製造
    法。
  4. 【請求項4】 青酸化合物を不純物として含むイミダゾ
    リジンの溶液中に、塩酸を添加した後、80〜105℃
    に加熱することを特徴とする、イミダゾリジン化合物の
    溶液中の青酸化合物を除去する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014203987A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 株式会社 三和化学研究所 (2s,4s)-6-フルオロ-2',5'-ジオキソスピロ[クロマン-4,4'-イミダゾリジン]-2-カルボキサミドの結晶

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WO2014203987A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 株式会社 三和化学研究所 (2s,4s)-6-フルオロ-2',5'-ジオキソスピロ[クロマン-4,4'-イミダゾリジン]-2-カルボキサミドの結晶

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