JP2001302557A - アゾ化合物の異性体分離方法 - Google Patents
アゾ化合物の異性体分離方法Info
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Abstract
合物のラセミ体とメソ体の異性体混合物からラセミ体と
メソ体とをを分離取得する方法を提供する。 【解決手段】一般式[1] 【化1】 (式中、R1及びR2は夫々独立して低級アルキル基又は
シアノ基であり且つ異なる基を表し、R3及びR4は夫々
独立して低級アルキル基を表し、R5は水素原子又は低
級アルコキシ基を表す。)で示される化合物のラセミ体
とメソ体の混合物を水溶性有機溶媒で処理することを特
徴とする、該ラセミ体とメソ体との分離方法。
Description
物のラセミ体とメソ体の異性体混合物を、安全且つ効率
よく分離取得する方法に関する。
目的として、重合速度を早める研究が行われている。
開始剤であり、ラセミ体とメソ体の異性体混合物として
存在し、通常混合物のまま使用されているが、ラセミ体
の方が、メソ体よりも有機溶媒に対する溶解度が高いこ
とが知られている。
合物からラセミ体を分離取得し、これを重合開始剤とし
て使用すれば、当該ラセミ体の有機溶媒に対する溶解度
が高いことから、反応溶媒中の重合開始剤濃度が高くな
り、重合速度を早めることが可能となる。
開始剤としても有用な化合物であり、室温下、ラジカル
付加反応を特異的に進行させるため、光反応に変わるラ
ジカル反応開始剤としても利用可能である。この目的に
もラセミ体の方が好ましいことが知られており、これは
当該アゾ化合物のトランス体−シス体の異性化という立
体構造上の違いによるものと考えられているが、詳細は
明らかではない。
(CN)2)と2,3-ジメチル-2-ブテンを、当該アゾ化合物の
ラセミ体をラジカル開始剤として用いてラジカル付加反
応させると、95%の収率で目的とする付加体が得られる
のに対し、同一条件下で、メソ体をラジカル反応開始剤
として用いると、7%しか付加体を得ることができな
い。
体とメソ体の異性体混合物からラセミ体とメソ体を効率
よく分離し、ラセミ体のみを重合開始剤やラジカル付加
反応開始剤として使用したいという要望が高まっている
現状にある。
合物よりラセミ体を分離する方法としては、低温活性ア
ゾ化合物のラセミ体が、メソ体よりも有機溶媒に対する
溶解性が高いことを利用して、アゾ化合物の異性体混合
物からラセミ体をエーテルで抽出し、濾過により残存し
たメソ体を濾取し、一方、ラセミ体が溶解している濾液
からエーテルを濃縮留去し、目的とするラセミ体を得る
方法(Chim.Ind.(Milan) 1970, 52(11), 1116-20(Ita
l))等が知られている。
るため、室温で不安定な低温活性アゾ化合物が分解して
しまい、安全上好ましくないばかりか、引火性の高いエ
ーテルを使用しているため、火災爆発の危険性を伴う等
の問題点を有している。そこで、低温活性アゾ化合物の
異性体混合物から、引火性の高いエーテルを使用せず
に、低温下、ラセミ体を安全に、且つ効率よく分離する
方法の開発が強く望まれている。
き状況に鑑みなされたもので、安全且つ効率よく低温活
性アゾ化合物のラセミ体とメソ体の異性体混合物からラ
セミ体とメソ体とを分離取得する方法を提供することを
目的とする。
ルキル基又はシアノ基であり且つ異なる基を表し、R3
及びR4は夫々独立して低級アルキル基を表し、R5は水
素原子又は低級アルコキシ基を表す。)で示される化合
物のラセミ体とメソ体の混合物を水溶性有機溶媒で処理
することを特徴とする、該ラセミ体とメソ体との分離方
法、の発明である。
ルキル基又はシアノ基であり且つ異なる基を表し、R3
及びR4は夫々独立して低級アルキル基を表し、R5は水
素原子又は低級アルコキシ基を表す。)で示される化合
物のラセミ体とメソ体の混合物を水溶性有機溶媒で処理
することを特徴とする、該ラセミ体の取得方法、の発明
である。
化合物のラセミ体から成る、重合開始剤、の発明であ
る。
れる化合物のラセミ体を、重合開始剤として使用するこ
とを特徴とする、重合モノマーの重合方法、の発明であ
る。
く鋭意研究を重ねた結果、一般式[1]で示される室温で
不安定な低温活性アゾ化合物のラセミ体とメソ体の異性
体混合物を水溶性有機溶媒で処理することにより、該ラ
セミ体とメソ体を安全且つ効率よく分離取得し得ること
を見出し、本発明を完成するに至った。
低級アルキル基としては、直鎖状でも分枝状或いは環状
でもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3
のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチ
ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、
イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペン
チル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペン
チル基、sec-ペンチル基、2-メチルブチル基、1-エチ
ルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、tert
-ヘキシル基、sec-ヘキシル基、ネオヘキシル基、シク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等が挙げられる。
は、直鎖状でも分枝状或いは環状でもよく、通常炭素数
1〜6、好ましくは炭素数1〜3のものが挙げられ、具
体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポ
キシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブト
キシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n−ペン
チルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオ
キシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ
基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、se
c-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、ネオヘ
キシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ
基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基
等が挙げられる。
合物の具体例としては、例えば式[1]
4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製:
商品名 V-70)、式[2]
バレロニトリル)(和光純薬工業(株)製:商品名 V-6
5)等が挙げられ、中でも2,2'-アゾビス(4-メトキシ-
2,4-ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
とメソ体の混合物から該ラセミ体とメソ体を分離取得す
る方法は、具体的には以下のようにして実施される。
化合物のラセミ体とメソ体の混合物を、低温下、水溶性
有機溶媒に接触させ、ラセミ体を水溶性有機溶媒中に抽
出する操作を行う。次いで、得られた懸濁液を濾過し、
得られた濾液からラセミ体を晶析させる。一方、メソ体
は、濾過操作により残存した結晶として得られる。この
ようにして、高純度の該ラセミ体及びメソ体が得られ
る。
セミ体に対する溶解度が高く、メソ体に対する溶解度が
低いものが好ましく、具体的には、約20℃でのラセミ体
の溶解度が25g/dl以上であって、メソ体の溶解度が6g/
dl未満のもの、好ましくは、ラセミ体の溶解度が40g/dl
以上であって、メソ体の溶解度が2g/dl未満のもの、よ
り好ましくは、ラセミ体の溶解度が40g/dl以上であっ
て、メソ体の溶解度が1g/dl未満のものが挙げられる。
これらの水溶性有機溶媒としては、例えばメタノール,
エタノール,イソプロパノール,ブタノール等のアルコ
ール類、例えばアセトン,メチルエチルケトン等のケト
ン類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等が挙げられ、中でもメタノールが好ま
しい。これらは夫々単独で用いても、二種以上適宜組み
合わせて用いてもよい。
化合物のラセミ体とメソ体の比率、該アゾ化合物の使用
量、抽出温度等により異なるが、通常、使用するアゾ化
合物に対して1〜10倍重量 、好ましくは1〜5倍重量
である。
ミ体の溶解度が低くなり抽出効果が低下してしまい、高
すぎると溶媒中に溶解しているラセミ体の分解が起きて
しまうため、通常-10〜20℃、好ましくは5〜15℃であ
る。
る方法、例えばラセミ体を含む溶媒に、水を加えること
等により行うことができる。
ようとするラセミ体の理論量に対して通常1〜15倍重量
である。
で、例えば練洗等により洗浄することにより、容易に高
純度のラセミ体が得られる。
乾燥等の通常行われる方法で処理し、高純度の目的物を
得る。
通常行われる同種反応に準じて行われる。
化合物のラセミ体は、温和な加熱又は光照射によって容
易にアゾ基が分解し窒素ガスの発生と共にラジカル種を
生じるので、その際に各種の重合性モノマーが存在すれ
ば速やかに重合を起こす。更に、当該アゾ化合物のラセ
ミ体は、溶媒に対する溶解度が高いので、反応溶媒中の
アゾ化合物の濃度を高めることができる為、反応効率は
向上し、これにより反応中の溶媒量の減少又は1回の反
応の仕込量を増加することが可能となる。
合物のラセミ体を重合開始剤として用いて、重合性モノ
マーと適当な溶媒中、或いは無溶媒で、要すれば不活性
ガス雰囲気下で常法に従って重合反応を行うことによ
り、ポリマーが得られる。
通常行われる後処理法に準じて行えばよい。
鎖移動剤(例えばラウリルメルカプタン, オクチルメル
カプタン, ブチルメルカプタン, 2-メルカプトエタノー
ル,チオグリコール酸ブチル等。)を添加し、分子量の
調節を行ってもよい。
バルク重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合等すべての
重合方法で行うことができる。
は、例えば下記一般式[2]
基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、アルキル
オキシカルボニル基、シアノ基又はアルデヒド基を表
し、R7は水素原子、低級アルキル基、カルボキシル
基、アルキルオキシカルボニル基、シアノ基又はハロゲ
ン原子を表し、R8は水素原子、低級アルキル基、ハロ
アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、脂
肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基、ハロゲン原子、ア
ルキルオキシカルボニル基、シアノ基、含シアノアルキ
ル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボキシア
ルキル基、アルデヒド基、カルバモイル基又はN−アル
キルカルバモイル基を表す。また、R6とR7とが結合
し、隣接する-C=C-と一緒になって脂肪族環を形成して
いてもよい。)で示されるもの等が挙げられる。
れる低級アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも或
いは環状でもよく、例えば炭素数1〜6のアルキル基が
挙げられ、具体的にはメチル基,エチル基,n-プロピ
ル基,イソプロピル基,n-ブチル基,イソブチル基,t
ert-ブチル基,sec-ブチル基,n-ペンチル基,イソペ
ンチル基,tert-ペンチル基,1-メチルペンチル基,n
-ヘキシル基,イソヘキシル基、シクロプロピル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
ル基としては、例えば上記した如き低級アルキル基の水
素原子の一部がカルボキシル基に置換されたもの等が挙
げられ、具体的には、例えばカルボキシメチル基、カル
ボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブ
チル基、カルボキシペンチル基、カルボキシヘキシル基
等が挙げられる。
ボニル基としては、例えば炭素数2〜11のものが好まし
く、具体的には、例えばメトキシカルボニル基,エトキ
シカルボニル基,プロポキシカルボニル基,ブトキシカ
ルボニル基,ペンチルオキシカルボニル基,ヘキシルオ
シカルボニル基,ヘプチルオキシカルボニル基,2-エチ
ルヘキシルオキシカルボニル基,オクチルオキシカルボ
ニル基,ノニルオキシカルボニル基,デシルオキシカル
ボニル基等が挙げられる。
ては、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素等が挙げられる。
例えば上記低級アルキル基がハロゲン化(例えばフッ素
化,塩素化,臭素化,ヨウ素化等)された炭素数1〜6
のものが挙げられ、具体的には、例えばクロロメチル
基,ブロモメチル基,トリフルオロメチル基,2-クロロ
エチル基,3-クロロプロピル基,3-ブロモプロピル基,
3,3,3-トリフルオロプロピル基,4-クロロブチル基,5-
クロロペンチル基,6-クロロヘキシル基等が挙げられ
る。
アリール基のアリール基としては、例えばフェニル基,
トリル基,キシリル基,ナフチル基等が挙げられ、ま
た、該置換基としては、例えば低級アルコキシ基等が挙
げられる。置換アリール基の具体例としては、例えばメ
トキシフェニル基,tert-ブトキシフェニル基等が挙げ
られる。
は、例えば5員環又は6員環であり、異性原子として1
〜3個の例えば窒素原子,酸素原子,硫黄原子等のヘテ
ロ原子を含んでいるもの等が好ましく挙げられ、具体例
としては、例えばピロリジル-2-オン基,ピペリジル
基,ピペリジノ基,ピペラジニル基,モルホリノ基等が
挙げられる。
は、例えば5員環又は6員環であり、異性原子として1
〜3個の例えば窒素原子,酸素原子,硫黄原子等のヘテ
ロ原子を含んでいるもの等が好ましく挙げられ、具体例
としては、例えばピリジル基,イミダゾリル基,チアゾ
リル基,フラニル基,ピラニル基等が挙げられる。
は、例えば上記した如き低級アルキル基の水素原子の一
部がシアノ基に置換されたものが挙げられ、具体的に
は、例えばシアノメチル基,2-シアノエチル基,2-シア
ノプロピル基,3-シアノプロピル基,2-シアノブチル
基,4-シアノブチル基,5-シアノペンチル基,6-シアノ
ヘキシル基等が挙げられる。
例えば炭素数2〜20のカルボン酸由来のものが挙げら
れ、具体的には、例えばアセチルオキシ基,プロピオニ
ルオキシ基,ブチリルオキシ基,ペンタノイルオキシ
基,ヘキサノイルオキシ基,ヘプタノイルオキシ基,オ
クタノイルオキシ基,ノナノイルオキシ基,デカノイル
オキシ基,ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
基としては、カルバモイル基の水素原子の一部がアルキ
ル基で置換されたものが挙げられ、具体的には、例えば
N-メチルカルバモイル基,N-エチルカルバモイル基,
N-n-プロピルカルバモイル基,N-イソプロピルカル
バモイル基,N-n-ブチルカルバモイル基,N-tert-ブ
チルカルバモイル基等が挙げられる。
=C-と一緒になって脂肪族環を形成している場合として
は、炭素数5〜10の不飽和脂肪族環を形成している場合
が挙げられ、環は単環でも多環でもよい。これら環の具
体的としては、例えばノルボルネン環、シクロペンテン
環、シクロヘキセン環、シクロオクテン環、シクロデセ
ン環等が挙げられる。
不飽和モノマーの具体例としては、例えばエチレン,プ
ロピレン,ブチレン,イソブチレン等の炭素数2〜20の
エチレン性不飽和脂肪族炭化水素類、例えばスチレン,
4-メチルスチレン,4-エチルスチレン,ジビニルベンゼ
ン等の炭素数8〜20のエチレン性不飽和芳香族炭化水素
類、例えばギ酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニ
ル,酢酸イソプロペニル等の炭素数3〜20のアルケニル
エステル類、例えば塩化ビニル,塩化ビニリデン,フッ
化ビニリデン,テトラフルオロエチレン等の炭素数2〜
20の含ハロゲンエチレン性不飽和化合物類、例えばアク
リル酸,メタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸,フマ
ル酸,クロトン酸,ビニル酢酸,アリル酢酸,ビニル安
息香酸等の炭素数3〜20のエチレン性不飽和カルボン酸
類(これら酸類は、例えばナトリウム,カリウム等のア
ルカリ金属塩やアンモニウム塩等、塩の形になっている
ものでもよい。)、例えばメタクリル酸メチル,メタク
リル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ブ
チル,メタクリル酸2-エチルヘキシル,メタクリル酸ラ
ウリル,メタクリル酸ステアリル,アクリル酸ラウリ
ル,アクリル酸ステアリル,イタコン酸メチル,イタコ
ン酸エチル,マレイン酸メチル,マレイン酸エチル,フ
マル酸メチル,フマル酸エチル,クロトン酸メチル,ク
ロトン酸エチル,3-ブテン酸メチル等のエチレン性不飽
和カルボン酸エステル類、例えばアクリロニトリル,メ
タクリロニトリル,シアン化アリル等の炭素数3〜20の
含シアノエチレン性不飽和化合物類、例えばアクリルア
ミド,メタクリルアミド等の炭素数3〜20のエチレン性
不飽和アミド化合物類、例えばアクロレイン,クロトン
アルデヒド等の炭素数3〜20のエチレン性不飽和アルデ
ヒド類、例えばN-ビニルピロリドン,ビニルピペリジ
ン等の炭素数5〜20のエチレン性不飽和脂肪族ヘテロ環
状アミン類、例えばビニルピリジン,1-ビニルイミダゾ
ール等の炭素数5〜20のエチレン性不飽和芳香族ヘテロ
環状アミン類等が挙げられる。
宜組み合わせて用いてもよい。
ン,ジエチルエーテル,ジオキサン等のエーテル類、例
えばクロロホルム,塩化メチレン,1,2-ジクロロエタン
等のハロゲン化炭化水素類、例えばn-ヘキサン,石油エ
ーテル,トルエン,ベンゼン,キシレン等の炭化水素
類、例えばメタノール,エタノール,イソプロパノール
等のアルコール類、例えばアセトン,メチルエチルケト
ン,メチルイソブチルケトン等のケトン類、例えばアセ
トニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は夫々単独で用
いても、二種以上適宜組合せて用いてもよい。
ルゴンガス等が挙げられる。
り得られたアゾ化合物のラセミ体の使用量は、使用する
重合性モノマーの種類によっても異なるが、重合性モノ
マーに対して通常0.01〜100重量%、好ましくは0.05〜5
0重量%である。
0〜120℃、より好ましくは50〜90℃である。
マーや本発明に係るアゾ化合物の種類や量等の反応条件
により異なるが、通常2〜24時間である。
行われる同種反応に準じて行えばよい。
媒濃縮に必要な加熱操作を行う必要がなく、且つ引火性
の高いエーテルを使用する必要もないので、アゾ化合物
の異性体混合物から、これらのラセミ体とメソ体とを、
安全、且つ高収率で得られるという利点を有する。
により行われるので、得られるラセミ体及びメソ体は高
純度の結晶化物として得ることができる。
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。
mlに2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニ
トリル) 108.1g(和光純薬工業(株)製:商品名V-7
0、NMR分析による比率 メソ体:ラセミ体=54.0:46.
0、m.p. 58.9〜87.9℃、乾燥減量 7.5%)を撹拌下に投
入した後、その懸濁液を5℃下で30分間撹拌させた。残
った結晶(メソ体)を濾取し、メタノール 50mlで洗浄
し、メソ体 54.2gを得た。(収率 97.7%、純度 97.3
%、m.p. 92.4〜96.5℃) 次いで、濾液を-7℃に保ちながら、水 495mlを注入
し、1時間撹拌し、ラセミ体を晶析させた。得られた晶
析物を濾取し、水 75mlで洗浄後乾燥して、ラセミ体 4
3.3gを得た。(収率 91.7%、純度97.4%、m.p. 58.6〜
60.1℃)
0mlに2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロ
ニトリル) 108.1g(和光純薬工業(株)製:商品名V-7
0、NMR分析による比率 メソ体:ラセミ体=54.0:46.
0、m.p. 58.9〜87.9℃、乾燥減量 7.5%)を撹拌下投入
した後、その懸濁液を20℃下で30分間撹拌させた。残っ
た結晶(メソ体)を濾取後乾燥し、メソ体 54.7gを得
た。(収率 95.5%、純度 94.3%) 以下、濾液を0℃に保ちながら、メタノールと同量の水
150mlを注入し、1時間撹拌し、ラセミ体を晶析させ
た。得られた晶析物を濾取し、水 75mlで洗浄後乾燥し
て、ラセミ体を 41.6gを得た。(収率87.7%、純度97.0
%)
0mlに2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロ
ニトリル) 108.1g(和光純薬工業(株)製:商品名V-7
0、NMR分析による比率 メソ体:ラセミ体=54.0:46.
0、m.p. 58.9〜87.9℃、乾燥減量 7.5%)を撹拌下投入
した後、その懸濁液を15℃下で30分間撹拌させた。以
下、濾液への添加水量を200mlとした以外は、実施例
2.と同様に処理し、目的とするメソ体及びラセミ体を
得た。 メソ体:55.9g(収率98.0%、純度94.7%) ラセミ体:40.9g(収率86.4%、純度97.2%)
0mlに2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロ
ニトリル)108.1 g(和光純薬工業(株)製:商品名V-7
0、NMR分析による比率 メソ体:ラセミ体=54.0:46.
0、m.p. 58.9〜87.9℃、乾燥減量 7.5%)を撹拌下に投
入した後、その懸濁液を5℃下で30分間撹拌させた。以
下、濾液への添加水量を450mlとした以外は、実施例
2.と同様に処理し、目的とするメソ体及びラセミ体を
得た。 メソ体:55.3g(収率 98.5%、純度 96.2%) ラセミ体:39.5g(収率 83.3%、純度97.0%、)
mlに2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニ
トリル) 108.1g(和光純薬工業(株)製:商品名V-7
0、NMR分析による比率 メソ体:ラセミ体=54.0:46.
0、m.p. 58.9〜87.9℃、乾燥減量7.5%)を撹拌下投入し
た後、その懸濁液を0℃下で30分間撹拌させた。以下、
濾液への添加水量を778mlとした以外は、実施例2.と
同様に処理し、目的とするメソ体及びラセミ体を得た。 メソ体:54.0g(収率97.4%、純度97.4%) ラセミ体:36.7g(収率77.7%、純度97.4%)
にアクリロニトリル 2.0g、及び実施例1で得られた2,2
-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)
(V−70)のラセミ体 0.136g(0.44mmol)を重合開始
剤として加えた。このジメチルスルホキシド溶液 10ml
を、ガラス管(コーニング社製:商品名 パイレック
ス)より作製した重合管中に加え、管内の空気を窒素ガ
スに置換し、溶存酸素を減圧下除去した後、重合管を溶
封した。溶封した重合管を45℃で重合反応を行った後、
所定時間毎に重合管を開封し、この反応溶液をメタノー
ル150mlに注入し、析出、沈殿させることにより各生成
ポリマーを得た。次式より各生成ポリマーの重合率を算
出した。 重合率(%)=(生成ポリマー量(g))÷(仕込みアクリロニ
トリル量(g))×100 所定時間毎の重合率の結果を表1に示す。
混合物から、ラセミ体とメソ体を安全且つ容易に分離す
る方法を提供するものであり、本発明の方法によれば、
従来の方法のように、引火性の高いエーテル溶媒を使用
する必要もなく、且つ抽出溶媒を加熱留去する必要もな
いため、極めて安全に、且つ効率よく高純度な該ラセミ
体とメソ体を製造し得る。
Claims (22)
- 【請求項1】一般式[1] 【化1】 (式中、R1及びR2は夫々独立して低級アルキル基又は
シアノ基であり且つ異なる基を表し、R3及びR4は夫々
独立して低級アルキル基を表し、R5は水素原子又は低
級アルコキシ基を表す。)で示される化合物のラセミ体
とメソ体の混合物を水溶性有機溶媒で処理することを特
徴とする、該ラセミ体とメソ体との分離方法。 - 【請求項2】一般式[1]に於いて、R1及びR2が夫
々独立して炭素数1〜6のアルキル基又はシアノ基であ
り、R3及びR4が夫々独立して炭素数1〜6のアルキ
ル基であり、R5が水素原子又は炭素数1〜6のアルコ
キシ基である、請求項1に記載の分離方法。 - 【請求項3】一般式[1]に於いて、R1及びR2が夫
々独立してメチル基、エチル基又はシアノ基であり、R
3及びR4が夫々独立してメチル基又はエチル基であ
り、R 5が水素原子、メトキシ基又はエトキシ基であ
る、請求項1に記載の分離方法。 - 【請求項4】一般式[1]に於いて、R1及びR2の何
れか一方がメチル基で他方がシアノ基であり、R3及び
R4が夫々メチル基であり、R5がメトキシ基である、
請求項1に記載の分離方法。 - 【請求項5】水溶性有機溶媒による処理が抽出処理であ
る、請求項1に記載の分離方法。 - 【請求項6】水溶性有機溶媒による処理を20℃以下で行
う、請求項1に記載の分離方法。 - 【請求項7】水溶性有機溶媒による処理を-10〜20℃で
行う、請求項1に記載の分離方法。 - 【請求項8】水溶性有機溶媒が、ラセミ体に対する溶解
度が25g/dl以上、メソ体に対する溶解度が6g/dl未満の
ものである、請求項1に記載の分離方法。 - 【請求項9】水溶性有機溶媒が、アルコール類、ケトン
類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド又はジメチ
ルスルホキシドである、請求項1に記載の分離方法。 - 【請求項10】水溶性有機溶媒が、メタノールである、
請求項1に記載の分離方法。 - 【請求項11】一般式[1] 【化2】 (式中、R1及びR2は夫々独立して低級アルキル基又は
シアノ基であり且つ異なる基を表し、R3及びR4は夫々
独立して低級アルキル基を表し、R5は水素原子又は低
級アルコキシ基を表す。)で示される化合物のラセミ体
とメソ体の混合物を水溶性有機溶媒で処理することを特
徴とする、該ラセミ体の取得方法。 - 【請求項12】一般式[1]に於いて、R1及びR2が
夫々独立して炭素数1〜6のアルキル基又はシアノ基で
あり、R3及びR4が夫々独立して炭素数1〜6のアル
キル基であり、R5が水素原子又は炭素数1〜6のアル
コキシ基である、請求項11に記載の分離方法。 - 【請求項13】一般式[1]に於いて、R1及びR2が
夫々独立してメチル基、エチル基又はシアノ基であり、
R3及びR4が夫々独立してメチル基又はエチル基であ
り、R 5が水素原子、メトキシ基又はエトキシ基であ
る、請求項11に記載の分離方法。 - 【請求項14】一般式[1]に於いて、R1及びR2の
何れか一方がメチル基で他方がシアノ基であり、R3及
びR4が夫々メチル基であり、R5がメトキシ基であ
る、請求項11に記載の分離方法。 - 【請求項15】水溶性有機溶媒による処理が抽出処理で
ある、請求項11に記載の分離方法。 - 【請求項16】水溶性有機溶媒による処理を20℃以下で
行う、請求項11に記載の分離方法。 - 【請求項17】水溶性有機溶媒による処理を-10〜20℃
で行う、請求項11に記載の分離方法。 - 【請求項18】水溶性有機溶媒が、ラセミ体に対する溶
解度が25g/dl以上、メソ体に対する溶解度が6g/dl未満
のものである、請求項11に記載の分離方法。 - 【請求項19】水溶性有機溶媒が、アルコール類、ケト
ン類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド又はジメ
チルスルホキシドである、請求項11に記載の分離方
法。 - 【請求項20】水溶性有機溶媒が、メタノールである、
請求項11に記載の分離方法。 - 【請求項21】請求項1に記載の一般式[1]に示され
る化合物のラセミ体から成る、重合開始剤。 - 【請求項22】請求項1に記載の一般式[1]で示され
る化合物のラセミ体を、重合開始剤として使用すること
を特徴とする、重合モノマーの重合方法。
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JPS51131827A (en) * | 1975-01-17 | 1976-11-16 | Wako Pure Chem Ind Ltd | Process for preparation of azonitrile compounds |
JPS55104248A (en) * | 1979-02-06 | 1980-08-09 | Sumitomo Chem Co Ltd | Improved preparation of azo compound |
JPS59157063A (ja) * | 1983-02-26 | 1984-09-06 | Wako Pure Chem Ind Ltd | 溶剤溶解性に優れた2,2′―アゾビス(2,4―ジメチルワレロニトリル)異性体混合物 |
-
2001
- 2001-02-08 JP JP2001031884A patent/JP4797251B2/ja not_active Expired - Lifetime
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