JP2001302545A - 清涼化剤 - Google Patents

清涼化剤

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JP2001302545A
JP2001302545A JP2001039116A JP2001039116A JP2001302545A JP 2001302545 A JP2001302545 A JP 2001302545A JP 2001039116 A JP2001039116 A JP 2001039116A JP 2001039116 A JP2001039116 A JP 2001039116A JP 2001302545 A JP2001302545 A JP 2001302545A
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acid
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JP2001039116A
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Inventor
Hiroaki Matsushima
弘明 松嶋
Shigetoshi Okumura
重年 奥村
Shigeo Morioka
茂夫 森岡
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 清涼化剤により、不快な香気や局所刺激を伴
うことなく、医薬組成物や粘膜適用組成物に長期間に亘
り清涼感を付与する。 【解決手段】 清涼化剤は、下記式(1)で表される化
合物(カフェインなど)又はその薬学上許容される塩で
構成されている。 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、水素原子又は置換されて
もよいアルキル基を示す) 上記化合物(1)又はその塩を、清涼化剤として、全体
に対して、0.0001〜20重量%含有させることに
より、医薬用組成物又は粘膜適用組成物(水性又は非水
性眼科用液剤(点眼剤、洗眼剤)、点鼻剤、コンタクト
レンズ用剤、眼軟膏剤などの粘膜適用製剤)を有効に清
涼化できる。粘膜適用製剤は、種々の成分、例えば、充
血除去剤、眼筋調節成分、消炎剤又は収れん剤、抗ヒス
タミン剤、抗アレルギー剤、抗菌剤又はサルファ剤、ビ
タミン類、アミノ酸類などを含有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清涼化剤、それを
用いた清涼化組成物(医薬組成物又は粘膜適用組成物)
及び清涼化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬用組成物に清涼感を付与する清涼化
剤として、ペパーミント油、ウイキョウ油、ケイヒ油な
どの精油や、l−メントール、dl−メントール、d−
カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオールなどの精
油成分が知られている。
【0003】なかでも最も代表的な清涼化剤はl−メン
トールである。l−メントールは強い清涼感があるため
汎用されているが、独特の香気を併せ持つことから、反
って不快感を生じることがあり、清涼感と同時に、刺激
性を有しているため増量すると痛みを伴うほどの刺激を
生じることもある。また、なんらかの障害や病的症状が
生じた場合にl−メントール含有の医薬組成物を適用す
ると、敏感な粘膜などではl−メントールにより炎症を
引き起こすこともあるため、安全性の面で問題がある。
さらにはそれらの精油又は精油成分は揮発性成分である
ことから、製剤中での安定性に劣り清涼感を維持するこ
とができない。
【0004】しかしながら、その一方で、患者は医薬品
適用時の清涼感を求めており、また適用時の官能改善は
コンプライアンスを向上させるための重要な要因ともな
るため、欠点はあるものの清涼化剤の必要性は依然とし
て高い。
【0005】そこで、l−メントールの代替化合物とし
て、強い香気を伴わず清涼感のみを追求した化合物とし
て、l−メントールの誘導体(特開昭52−10522
3号公報、特公昭61−48813号公報、特公平2−
290827号公報)をはじめとして、l−メントール
とは基本構造の異なる化合物群(特開昭48−9801
2号公報、特開昭51−15098号公報)をも含めて
多くの化合物が開発されている。これらの清涼化剤は、
不快な香気がなく粘膜や皮膚に対しての清涼感が増強さ
れ、また持続化に優れた化合物である。しかしながら、
粘膜刺激といった安全性の問題は依然として残されてい
る。
【0006】また、感じる身体の部位によっても、清涼
感の感度が大幅に異なることがわかっている。例えば、
目、舌、口腔内、陰部、唇、鼻腔などの粘膜部位は高感
度であるが、皮膚のような外皮部位では感度が大幅に低
い(H.R.Watson et al, J.Soc.Cosmet.,29,185-200)。
そのため、清涼感が増強・持続された化合物を医薬用組
成物に使用して高感度部位へ適用すると、強すぎる清涼
感から反って不快感を与えてしまう。このように、医薬
組成物の粘膜適用時にも刺激性が少なく、適度な清涼感
を与えることができる安全性に優れた清涼化剤が求めら
れている。
【0007】一方、カフェインには、中枢神経興奮剤、
溶解補助剤としての用途が知られており、安全性の高い
化合物であるが、カフェインそれ自体の官能に関する機
能については知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、不快な香気や局所刺激を伴うことなく、清涼感を付
与できる清涼化剤、この清涼化剤を用いた組成物および
清涼化方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、安定性が高く長期間
に亘り清涼感を付与できる清涼化剤、この清涼化剤を用
いた組成物および清涼化方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく鋭意研究を進めてきた結果、特定の化合物
又はその薬学上許容される塩が、不快な香気や局所刺激
を伴うことなく、清涼感(例えば、粘膜に対する良質で
適度な清涼感)を付与できること、揮発することなく製
剤中に安定に存在しその濃度が持続することを見いだ
し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の方法では、下記式
(1)で表される化合物又はその薬学上許容される塩か
ら選択された少なくとも1種の化合物を含有させること
により組成物を清涼化させる。
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R1、R2及びR3は、同一または
異なっていてもよく、それぞれ、水素原子又は置換され
てもよいアルキル基を示す) 前記化合物(1)又はその塩は、組成物(医薬用組成
物、粘膜適用組成物など)に清涼感を付与する。そのた
め、式(1)で表される化合物又はその薬学上許容され
る塩は、本発明の清涼化剤(又は清涼感改善剤)を構成
する。式(1)で表される化合物には、カフェイン、テ
オフィリン、ジプロフィリン、テオブロミン、プロキシ
フィリン、ペントキシフィリンなどが含まれる。
【0014】さらに、本発明は、前記式(1)で表され
る化合物又はその薬学上許容される塩を清涼化剤として
含有する医薬用組成物、前記化合物(1)又はその薬学
上許容される塩を含む粘膜適用組成物(又は清涼感が付
与又は改善された清涼化組成物)も含む。さらに、本発
明は、前記式(1)で表される化合物又はその薬学上許
容される塩と、特定の群から選択された少なくとも一種
の成分又はそれらの薬学上許容される塩とを含む粘膜適
用組成物も提供する。なお、本明細書において、前記医
薬用組成物、製剤、清涼化組成物、粘膜適用組成物(又
は医薬粘膜適用組成物)を単に「組成物」又は「製剤」
という場合がある。
【0015】これらの組成物(又は製剤)は、水性又は
非水性液剤[眼科用液剤(点眼剤、洗眼剤など)、点鼻
剤、コンタクトレンズ用剤など]、軟膏剤(眼軟膏剤な
ど)などであってもよい。前記組成物又は製剤は、充血
除去剤、眼筋調節成分、消炎剤又は収れん剤、抗アレル
ギー剤、抗ヒスタミン剤、抗菌剤又はサルファ剤、ビタ
ミン類、アミノ酸類、糖類などの成分を含んでいてもよ
い。さらに、前記組成物又は製剤は、溶解補助剤又は乳
化剤、無機塩類、緩衝剤、等張化剤、保存剤又は防腐
剤、粘稠剤、キレート剤、安定化剤、pH調整剤から選
択された少なくとも一種の成分を含んでいてもよい。前
記式(1)で表される化合物又はその薬学上許容される
塩の含有量は、組成物全体に対して、0.0001〜2
0重量%(又は(W/V)%)程度である。
【0016】
【発明の実施の形態】前記式(1)において、アルキル
基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、t−ブチル基などのC1-6
ルキル基(特にC1-4アルキル基)が例示できる。好ま
しいアルキル基には、メチル基およびエチル基が含まれ
る。
【0017】これらのアルキル基は、置換基、例えば、
ハロゲン原子(塩素、臭素、フッ素原子など)、ヒドロ
キシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキ
シ基などのC1-4アルコキシ基など)、アリールオキシ
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(C1-4
アルコキシ−カルボニル基など)、アリールオキシカル
ボニル基、アシル基(ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル基などのC1-4アルキル−カルボニル基、ベンゾイル
基などのアリール−カルボニル基など)、ニトロ基、ア
ミノ基、N−置換アミノ基(モノ又はジC1-4アルキル
アミノ基など)、シアノ基などを有していてもよい。
【0018】前記化合物(1)は薬学上許容できる塩と
しても使用できる。薬理的に許容できる塩としては、例
えば、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸、
フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メ
タンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩
など)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫
酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩(トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピリ
ジン、ピコリンなどの第三級アミンとの塩など)、無機
塩基との塩(アンモニウム塩、ナトリウム、カリウムな
どのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのア
ルカリ土類金属、アルミニウムなどとの塩)などが例示
できる。
【0019】式(1)で表される化合物の具体的な化合
物としては、キサンチン誘導体(カフェイン、テオフィ
リン、テオブロミン)、ジプロフィリン、プロキシフィ
リン、ペントキシフィリンなどが挙げられる。これらの
化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましい化合物はキサンチン誘導体(カフェイン、テオ
フィリン、又はテオブロミン)、特にカフェインであ
る。なお、カフェインには無水カフェインも含まれる。
【0020】なお、本明細書において、前記式(1)で
表される化合物には、化合物(1)を含む混合物の形態
で使用される物質も包含される。例えば、安息香酸ナト
リウムとの混合物である安息香酸ナトリウムカフェイ
ン、カフェインとクエン酸との混合物であるクエン酸カ
フェインなどは、カフェインを含む混合物であるため、
本質的にはカフェインと同じ作用を示す。また、テオフ
ィリンとエチレンジアミンとの混合物であるアミノフィ
リン、テオフィリンとアミノイソブタノールとの混合物
であるブフィリンなども、テオフィリンを含む混合物で
あるため、本質的にはテオフィリンと同じ清涼化作用を
示す。同様に、テオブロミンとサリチル酸塩との混合物
であるサリチル酸カルシウムテオブロミンやサリチル酸
ナトリウムテオブロミン、テオブロミンと酢酸ナトリウ
ムとの混合物である酢酸ナトリウムテオブロミンなども
テオブロミンを含む混合物であるため、本質的にはテオ
ブロミンと同じ作用を示す。すなわち、これらの混合物
は、本発明におけるカフェイン、テオフィリン、テオブ
ロミンに包含される。
【0021】前記式(1)で表される化合物又はその塩
は、種々の成分(特に薬理活性又は生理活性成分などの
有効成分)と組み合わせることにより、組成物又は製剤
[医薬用組成物、粘膜適用組成物(医薬粘膜適用製剤な
ど)又は製剤組成物]を清涼化する方法、組成物又は製
剤に清涼感を付与する方法、又は組成物又は製剤の清涼
感を改善する方法に用いるのに有用である。そして、本
発明では、前記化合物(1)又はその塩を含む清涼化組
成物又は清涼化製剤を提供することもできる。
【0022】本発明の化合物(1)又はその塩は、清涼
化剤として有用であり、組成物や製剤に限らず、食品、
化粧品などにも使用することができる。特に、本発明
は、前記化合物(1)又はその塩を清涼化剤として含む
組成物又は製剤に適用できる。また、本発明は、前記化
合物(1)又はその塩を含む組成物又は製剤(特に医薬
粘膜適用製剤である清涼化組成物)に適用できる。
【0023】本発明では刺激を軽減し、かつ適度な清涼
感を付与することができるので、前記組成物又は製剤は
皮膚や頭皮などの外皮に適用しても有用であるが、特に
粘膜適用製剤に有用である。粘膜には、例えば、角膜お
よび結膜などの眼粘膜、歯茎、舌、口唇、口腔粘膜、咽
頭部粘膜、肛門部粘膜、直腸粘膜、外陰部粘膜、膣粘膜
などが含まれる。特に、本発明の化合物(1)又はその
塩は、眼粘膜、鼻粘膜、特に眼粘膜に適用する製剤への
使用に適している。
【0024】前記組成物(又は製剤)は、例えば、液剤
(懸濁剤、乳剤など)、エキス剤又はチンキ剤、シロッ
プ剤、軟膏剤、硬膏剤、散剤、パップ剤又はパスタ剤、
ローション剤、エアゾール剤などが例示でき、これらの
組成物又は製剤を適当な吸収体(脱脂綿、ガーゼなど)
に吸収させた製剤、支持体(布、プラスチックフィルム
など)に支持させた製剤などの形態とすることもでき、
このような形態の製剤も本発明の組成物又は製剤に包含
される。
【0025】好ましい製剤には、水性又は非水性液剤
[例えば、眼科用治療剤(点眼剤、洗眼剤、眼内灌流液
などの眼科用液剤も含む)、点鼻剤、コンタクトレンズ
用剤など]、軟膏剤(眼軟膏剤など)などが含まれる。
特に、本発明の製剤は眼粘膜又は鼻粘膜適用製剤(特
に、点眼剤、洗眼剤、眼軟膏剤、点鼻剤、コンタクトレ
ンズ用剤)として有用である。
【0026】本発明の組成物や製剤において、前記化合
物(1)又はその塩の含有量は、製剤の形態や適用部
位、他の構成成分(有効成分を含む)の種類や化合物
(1)又はその塩の種類などにより異なるが、通常、前
記式(1)で表される遊離の化合物換算で、0.000
1〜20重量%(又は(W/V)%)、好ましくは0.
0001〜15重量%(又は(W/V)%)、さらに好
ましくは0.0001〜10重量%(又は(W/V)
%)、特に0.001〜5重量%(又は(W/V)%)
程度である。粘膜への適用では、前記化合物(1)又は
その塩の含有量は、0.001〜2重量%(又は(W/
V)%)がさらに好ましい。
【0027】前記組成物又は製剤における有効成分(薬
理活性又は生理活性成分)の種類は特に制限されず、製
剤の用途および形態に応じて、種々の活性成分、例え
ば、抗炎症薬成分、抗アレルギー薬成分、解熱鎮痛薬成
分、向精神薬成分、抗高血圧薬成分、利尿薬成分、鎮咳
薬成分、去痰薬成分、抗ぜんそく薬成分、健胃薬成分、
消化薬成分、潰瘍治療薬成分、貧血薬成分、収れん薬成
分、抗菌又は殺菌薬成分、抗腫瘍薬成分、ホルモン類、
タンパク又はペプチド類、ビタミン類、アミノ酸類など
が使用できる。本発明において好適な粘膜適用製剤(医
薬粘膜適用製剤など)、特に水性製剤(特に眼科用液剤
や軟膏剤、点鼻剤、コンタクトレンズ用剤)の成分とし
ては、例えば、次のような成分(特に、眼や鼻粘膜に対
して適用される成分)が例示できる。
【0028】充血除去剤(血管収縮剤又は交感神経興奮
剤):α−アドレナリン作動薬、例えば、イミダゾリン
誘導体(ナファゾリン、テトラヒドロゾリンなど)、β
−フェニルエチルアミン誘導体(フェニレフリン、エピ
ネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリンなど)お
よびそれらの塩(例えば、塩酸ナファゾリン、硝酸ナフ
ァゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸エピネフリン、塩
酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸テトラ
ヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリンなど)など 眼筋調節成分:アセチルコリンと類似した活性中心を有
するコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、メチル硫酸ネ
オスチグミンなどの第4級アンモニウム化合物など 消炎(又は抗炎)剤又は収れん剤:例えば、イプシロン
−アミノカプロン酸、ベルベリン、アズレンスルホン
酸、グリチルリチン酸、消炎酵素剤(リゾチームな
ど)、サリチル酸メチル、アラントイン、亜鉛およびそ
れらの塩(塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレン
スルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、
硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチームなど)など 抗ヒスタミン剤:例えば、クロルフェニラミン、ジフェ
ンヒドラミン、イプロヘプチン、ケトチフェン、エメダ
スチン、クレマスチン、アゼラスチン、レボカバスチ
ン、オロバタジンおよびそれらの塩(塩酸ジフェンヒド
ラミン、塩酸イプロヘプチン、塩酸アゼラスチン、塩酸
レボカバスチン、塩酸オロバタジン、マレイン酸クロル
フェニラミン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダ
スチン、フマル酸クレマスチンなど)など 抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸、アンレキサ
ノクス、イブジラスト、スプラタスト、ペミロラスト、
トラニラストおよびそれらの塩(クロモグリク酸ナトリ
ウム、トシル酸スプラタストなど)など 抗菌剤又はサルファ剤:例えば、スルホンアミド類(ス
ルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール又はそれ
らの塩(スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイ
ソミジンナトリウムなど))、アクリノール、第4級ア
ンモニウムまたはその塩[ベンザルコニウム(塩化ベン
ザルコニウムなどのベンザルコニウム塩など)、ベンゼ
トニウム(臭化ベンゼトニウム、塩化ベンゼトニウムな
どのベンゼトニウム塩など)、セチルピリジニウム(塩
化セチルピリジニウムなどのセチルピリジウム塩など)
など]、アルキルポリアミノエチルグリシン、オフロキ
サシン、ノルフロキサシンなど ビタミン類:例えば、ビタミンB2(又はフラビンアデ
ニンジヌクレオチドナトリウム),ビタミンB6(又は
塩酸ピリドキシン),ビタミンB12(又はシアノコバラ
ミン)、酢酸レチノール(ビタミンAアセテート)、パ
ルミチン酸レチノール、酢酸トコフェロール(ビタミン
Eアセテート)、酢酸d−α−トコフェロール、パンテ
ノール、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシ
ウムなどアミノ酸類:例えば、L−アスパラギン酸又は
その塩(L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギ
ン酸マグネシウム、L−アスパラギン酸カリウム・マグ
ネシウムなど)、アミノエチルスルホン酸(タウリン)
など 糖類:例えば、単糖類(グルコースなど)、二糖類(ト
レハロース、ラクトース、フルクトースなど)、セルロ
ースまたはその誘導体(ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
スなど)またはそれらの塩、高分子糖類またはそれらの
塩(コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナト
リウムなど)、糖アルコール類(マンニトール、キシリ
トール、ソルビトールなど)など その他の成分:ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドンなど 通常、これらの成分のうち、下記群から選択された少な
くとも一種の成分又はそれらの薬学上許容される塩が使
用できる。
【0029】ナファゾリン,フェニレフリン,エピネフ
リン,エフェドリン,メチルエフェドリン,テトラヒド
ロゾリン,メチル硫酸ネオスチグミン,イプシロン−ア
ミノカプロン酸,ベルベリン,アズレンスルホン酸,グ
リチルリチン酸,リゾチーム,サリチル酸メチル,アラ
ントイン,亜鉛,クロルフェニラミン,ジフェンヒドラ
ミン,イプロヘプチン,ケトチフェン,エメダスチン,
クレマスチン,アゼラスチン,レボカバスチン,オロバ
タジン,クロモグリク酸,アンレキサノクス,イブジラ
スト,スプラタスト,ペミロラスト,トラニラスト,ス
ルファメトキサゾール,スルフイソキサゾール,スルフ
イソミジン,アクリノール,ベンゼトニウム,セチルピ
リジニウム,アルキルポリアミノエチルグリシン,オフ
ロキサシン,ノルフロキサシン,フラビンアデニンジヌ
クレオチド,ピリドキシン,シアノコバラミン,レチノ
ール,トコフェロール,パンテノール,パントテン酸,
アスパラギン酸,アミノエチルスルホン酸,グルコー
ス,コンドロイチン硫酸,ヒアルロン酸,およびポリビ
ニルアルコール これらの成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用で
きる。
【0030】これらの成分の含有量は、製剤の種類、活
性成分の種類などに応じて選択でき、例えば、製剤全体
に対して、0.0001〜30重量%(又は(W/V)
%)、好ましくは0.001〜10重量%(又は(W/
V)%)、さらに好ましくは0.01〜10重量%(又
は(W/V)%)程度の範囲から選択できる。
【0031】前記化合物(1)又はその塩と前記有効成
分との割合は、通常、前者/後者(重量比)=1/0.
0001〜1/10000、好ましくは1/0.001
〜1/5000、さらに好ましくは1/0.005〜1
/1000、特に1/0.01〜1/200程度であ
る。
【0032】より具体的は、本発明において好適な水性
製剤(眼科用液剤、鼻科用液剤、コンタクトレンズ用剤
など)において、各成分の含有量(単位:重量%(又は
(W/V)%))は、例えば、次の通りである。
【0033】充血除去剤(血管収縮剤又は交感神経興奮
剤):例えば、有効量(例えば0.0001)〜0.
5、好ましくは0.0005〜0.3、さらに好ましく
は0.001〜0.1程度 眼筋調節成分:例えば、有効量(例えば0.0001)
〜0.01、好ましくは0.0002〜0.05、さら
に好ましくは0.0003〜0.005程度 消炎(又は抗炎)剤又は収れん剤:例えば、有効量(例
えば0.001)〜10、好ましくは0.005〜5、
さらに好ましくは0.01〜3程度 抗ヒスタミン剤:例えば、有効量(例えば0.0001
〜0.1)、好ましくは0.0005〜0.07、さら
に好ましくは0.001〜0.05程度 抗アレルギー剤:例えば、有効量(例えば0.001)
〜10、好ましくは0.005〜5、さらに好ましくは
0.01〜5程度 抗菌剤又はサルファ剤:例えば、有効量(0.001)
〜10、好ましくは0.003〜10、さらに好ましく
は0.01〜10程度 ビタミン類:例えば、有効量(例えば0.0001)〜
0.5、好ましくは0.0005〜0.3、さらに好ま
しくは0.001〜0.1程度 アミノ酸類:例えば、有効量(例えば0.0001)〜
5、好ましくは0.0005〜3、さらに好ましくは
0.001〜2程度 糖類[例えば、単糖類(グルコースなど)、二糖類(ト
レハロース、ラクトース、フルクトースなど)など]:
例えば、0.0001〜5、好ましくは0.001〜
5、さらに好ましくは0.01〜2 セルロースまたはその誘導体(ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル
エチルセルロースなど)またはそれらの塩:例えば、
0.001〜5、好ましくは0.001〜3、さらに好
ましくは0.01〜1 高分子糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロ
ン酸ナトリウムなど)またはそれらの塩:例えば、0.
0001〜2、好ましくは0.01〜2、さらに好まし
くは0.01〜1 ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール:例え
ば、0.001〜10、好ましくは0.001〜5、さ
らに好ましくは0.01〜3。
【0034】なお、前記組成物や製剤は、必要に応じ
て、その他の成分(生理活性又は薬理活性成分)を含ん
でいてもよい。
【0035】本発明の組成物又は製剤は、製剤の種類に
応じた種々の基剤や添加剤を用いて調製できる。例え
ば、水性液剤(点眼剤、点鼻剤など)は、通常、基剤と
しての水を用いて調製でき、非水性液剤には、種々の油
性基剤、例えば、植物油(オリーブ油、大豆油、ごま
油、綿実油など)、プロピレングリコール、流動パラフ
ィンなどが使用できる。
【0036】眼軟膏剤は、軟膏基剤(ワセリン、流動パ
ラフィン、ロウなどの炭化水素系基剤、乳剤性軟膏基
剤、マクロゴールなどの水溶性軟膏基剤、セタノール、
高級脂肪酸エステルなど)を用いて調製でき、ゲル剤
は、ゲル基剤(例えば、カルボキシビニルポリマー、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポ
リマー、ガム類など)を用いて調製できる。
【0037】水性液剤などの製剤は、前記基剤に加え
て、溶解補助剤又は乳化剤、無機塩類、緩衝剤、等張化
剤、保存剤又は防腐剤、粘稠剤、キレート剤、安定化
剤、pH調整剤、抗酸化剤、着色剤、着香剤又は芳香剤
などの種々の成分を含んでいてもよい。
【0038】溶解補助剤又は乳化剤としては、例えば、
ポリオキシエチレン(POE)−ポリオキシプロピレン
(POP)ブロックコポリマー(BASF Wyandotte Copro
ration,プルロニック)、ポリソルベート、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノオレート)、ポリオキシエチレンオキ
システアリン酸トリグリセリド、ポリオキシエチレンモ
ノ高級脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンモノステア
レート)、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油などのノニオン性界面活性剤などが例示
できる。さらに、必要であれば、カチオン性界面活性剤
(塩化ベンザルコニウムなどの第4級アンモニウム塩、
アルキレンジアミン(エチレンジアミンなど)に、PO
EブロックとPOPブロックとで構成されたブロック鎖
が付加したPOE−POPブロック置換アルキレンジア
ミン(BASF Wyandotte Coproration,テトロニック)な
ど)、アニオン性界面活性剤(アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキル硫酸塩など)や両性界面活性剤(塩酸
アルキルポリアミノエチルグリシンなど)を使用しても
よい。
【0039】無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、乾燥炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネ
シウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸二水素カリウム、チオ硫酸ナトリウムなどが
例示でき、これらの無機塩類は緩衝剤成分や等張化剤成
分として使用される場合がある。
【0040】緩衝剤としては、例えば、リン酸緩衝剤、
ホウ酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酒石酸緩
衝剤、酢酸緩衝剤、アミノ酸(イプシロンアミノカプロ
ン酸、アスパラギン酸塩など)などが例示できる。
【0041】等張化剤としては、例えば、糖類(ソルビ
トール、グルコース、マンニトールなど)、多価アルコ
ール類(グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコールなど)、無機塩類(塩化ナトリウム、塩
化カリウムなど)などが例示できる。
【0042】保存剤又は防腐剤としては、例えば、第4
級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼ
トニウム、塩化セチルピリジニウムなど)、パラオキシ
安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、パラオ
キシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パ
ラオキシ安息香酸ブチルなど)、ベンジルアルコール、
フェネチルアルコール、ソルビン酸又はその塩(カリウ
ム塩など)、アルキルポリアミノエチルグリシン、チメ
ロサール、クロロブタノール、デヒドロ酢酸ナトリウ
ム、硫酸ポリミキシンB、ポリクォード、ポリヘキサメ
チレンビグアニド、クロルヘキシジンなどが例示でき
る。
【0043】粘稠剤には、例えば、ポリビニルアルコー
ル(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン
(K25,K30,K90など)、多糖類又はその誘導
体[セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース(2208,290
6,2910など)、カルボキシメチルセルロースなど
のセルロース類又はこれらの塩など)、アラビアゴム
末、コンドロイチン硫酸ナトリウム、トラガント末な
ど]、糖類(ブドウ糖、ソルビトール、デキストラン7
0など)、カルボキシビニルポリマー、マクロゴール4
000などが例示できる。前記ポリオキシエチレンブロ
ックとポリオキシプロピレンブロックとを含むブロック
コポリマー(BASF Wyandotte Coproration,プルロニッ
ク,テトロニックなど)も粘稠剤として使用できる。こ
れらの粘稠剤のうち、通常、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、セルロース誘導体(ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースま
たはこれらの塩など)などが使用される。
【0044】キレート剤としては、例えば、エチレンジ
アミン四酢酸塩、エデト酸又はその塩(エデト酸二ナト
リウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム
などのアルカリ金属塩、又はエデト酸カルシウムなどの
アルカリ土類金属塩)、ニトリロ三酢酸又はその塩、ヘ
キサメタリン酸ソーダ、クエン酸などが例示できる。安
定化剤としては、エデト酸塩(エデト酸ナトリウムな
ど)、エチレンジアミン四酢酸塩などが例示できる。
【0045】pH調整剤としては、塩基(水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、
炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩又は炭酸水素
塩など)、酸(酢酸、クエン酸などの有機酸、塩酸、リ
ン酸などの無機酸)、ホウ砂などが例示できる。
【0046】さらに、必要であれば、精油や精油成分な
どの他の清涼化剤(例えば、l−メントール、d−メン
トール、dl−メントール、d−カンフル、dl−カン
フル、d−ボルネオール、dl−ボルネオール、ゲラニ
オール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、
ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、ペパーミント油など)
を含んでいてもよい。
【0047】さらに、用途に応じて必要であれば、局所
麻酔剤(リドカイン、塩酸リドカインなど)、眼圧降下
剤、無痛化剤(塩化ベンザルニウム、塩酸プロカインな
ど)などを用いてもよい。
【0048】水性液剤(特に、粘膜適用液剤、例えば、
点眼剤などの眼科用液剤、点鼻剤、コンタクトレンズ用
剤など)のpHは、通常、4〜9、好ましくは5〜8.
5(例えば、5.5〜8)程度である。浸透圧は、通
常、150〜450mOsm程度であり、生理食塩水に
対する浸透圧比は、通常、0.6〜2.0,好ましくは
0.7〜1.7、特に0.8〜1.5程度である。
【0049】本発明の製剤は、前記化合物(1)、前記
基剤および添加剤を用いて慣用の方法により製造でき
る。例えば、水性液剤は、蒸留水および添加剤を用いて
前記化合物(1)を溶解又は懸濁させ、所定の浸透圧に
調整し、濾過滅菌処理することにより調製できる。
【0050】本発明の製剤の用法および用量は、製剤の
種類や形態、患者の症状、年齢などに応じて選択でき
る。例えば、眼科用水性液剤(点眼剤など)の用法およ
び用量は、通常、1日当たり1〜6回程度であり、一回
の滴数は1〜3滴程度である。また、眼軟膏剤は、通
常、1日当たり1〜3回程度、結膜嚢内に適量で塗布で
きる。
【0051】
【発明の効果】本発明では、特定の化合物(1)を用い
るので、不快な香気や局所刺激を伴うことがなく安全面
において優れている。また、前記化合物(1)は、安定
性が高く長期間に亘り清涼感を維持することができる。
さらに、本発明の特定の化合物(1)は、粘膜へ適度な
清涼感を付与することができる。そして、特定の化合物
(1)は不快な香気や粘膜刺激を伴うことがなく、粘膜
へ良質で適度な清涼感を与えることができるので、使用
量によって清涼感の強度を自由に調整できる。
【0052】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0053】 実施例1(点眼剤) 塩酸テトラヒドロゾリン 0.50g メチル硫酸ネオスチグミン 0.05g 塩酸ピリドキシン 1.00g アスパラギン酸カリウム 10.00g 塩化ベンザルコニウム 0.10g ホウ酸 5.00g 無水カフェイン 3.00g 1N水酸化ナトリウム溶液 適量 (pH 6.5) 精製水 適量 1000mL
【0054】 実施例2(点眼剤) 塩酸テトラヒドロゾリン 0.50g メチル硫酸ネオスチグミン 0.05g 塩酸ピリドキシン 1.00g アスパラギン酸カリウム 10.00g 塩化ベンザルコニウム 0.10g ホウ酸 2.00g ジプロフィリン 50.00g 1N水酸化ナトリウム溶液 適量 (pH 6.5) 精製水 適量 1000mL
【0055】 実施例3(洗眼剤) アスパラギン酸カリウム 1.00g マレイン酸クロルフェニラミン 0.03g 塩化ベンザルコニウム 0.10g ホウ酸 18.00g 無水カフェイン 1.00g 1N水酸化ナトリウム 適量 (pH 6.5) 精製水 適量 1000mL
【0056】 実施例4(点鼻剤) 塩酸ナファゾリン 0.50g マレイン酸クロルフェニラミン 3.00g 塩化ベンザルコニウム 0.10g 塩化ナトリウム 4.00g 無水カフェイン 5.00g リン酸水素ナトリウム 5.00g 1N水酸化ナトリウム 適量 (pH6.5) 精製水 適量 1000mL
【0057】試験例1 無水カフェイン、ジプロフィリン、プロキシフィリン、
ペントキシフィリンを、生理食塩水(日本薬局方)に異
なる濃度(0.1〜2(W/V)%)で溶解した試験溶
液を無菌的に調製した。試験に使用した化合物は、いず
れも日本薬局方もしくは日本薬局方外医薬品規格にて規
定された化合物を使用した。事前に承諾を得た健常人5
人の片眼に各濃度の試験溶液1〜4を点眼し、僚眼には
対照として生理食塩水(日本薬局方)を点眼し、眼粘膜
に対する清涼感の有無、不快な香気、刺激感を比較し
た。その結果、不快な臭気や刺激感を感じた人はいなか
った。適度な清涼感の有無について結果を表1に示す。
なお、表には、適度な清涼感を感じたと答えた人数を示
す。
【0058】
【表1】
【0059】試験例2 無水カフェイン、アミノフィリン(テオフィリンとエチ
レンジアミンとの混合物)を、生理食塩水(日本薬局
方)に溶解した試験溶液を無菌的に調製した。試験に使
用した化合物は、いずれも日本薬局方もしくは日本薬局
方外医薬品規格にて規定された化合物を使用した。事前
に承諾を得た健常人5人の片側の鼻腔に各濃度の試験溶
液1〜4を点鼻し、反対側の鼻腔には対照として生理食
塩水(日本薬局方)を点鼻し、鼻腔粘膜に対する清涼感
を比較した。その結果、不快な臭気や刺激感を感じた者
はいなかった。清涼感の有無について結果を表2に示
す。
【0060】さらに、無水カフェインを生理食塩水(日
本薬局方)に溶解した試験溶液を調製し、事前に承諾を
得た健常人5人の片側の眼瞼に各濃度の試験溶液1〜4
を塗布し、反対側の眼瞼には対照として生理食塩水(日
本薬局方)を塗布して、外皮のなかでも特に敏感な部分
である眼瞼に対する清涼感を比較した。その結果、不快
な香気や刺激感を感じた者はいなかった。適度な清涼感
の有無については結果を表2に示す。なお、表には、適
度な清涼感を感じたと答えた人数を示す。
【0061】
【表2】
【0062】試験例3 試験例1と同様にして、実施例1の点眼剤について官能
試験を行った。比較対照として、無水カフェインを含ま
ないほかは実施例1と同様に調製した点眼剤を用いた。
その結果、無水カフェインを添加した実施例1の点眼剤
について、不快な香気や刺激を感じたものはいなかっ
た。そして、5人中4人が適度な清涼感を感じたことが
確認された。
【0063】試験例1と同様にして実施例3の洗眼剤に
ついて官能試験を行った。比較対照として、無水カフェ
インを含まないほかは実施例3と同様に調製した洗眼剤
を用いた。その結果、無水カフェインを添加した実施例
3の洗眼剤について、不快な香気や刺激を感じたものは
いなかった。そして、5人中3人が適度な清涼感を感じ
たことが確認された。
【0064】試験例2と同様にして実施例4の点鼻剤に
ついて官能試験を行った。比較対照として、無水カフェ
インを含まないほかは実施例4と同様に調製した点鼻剤
を用いた。その結果、無水カフェインを添加した実施例
4の点鼻剤について、不快な香気や刺激を感じたものは
いなかった。そして、5人中4人が適度な清涼感を感じ
たことが確認された。
【0065】試験例4 表3に示す成分を用い、比較例1及び実施例5〜6の人
工涙液型点眼剤を調製した。事前に承諾を得た健常人1
4人に対して、比較例及び実施例の点眼剤を点眼して、
眼粘膜に対する清涼感及び刺激症状を比較した。なお、
清涼感及び刺激感の強さは、それぞれ下記の基準で評価
し、14人の平均値として表3に示した。
【0066】清涼感の強さ 0=清涼感を感じない 1=弱い清涼感を感じる 2=強い清涼感を感じる 刺激感の強さ 0=刺激感を感じない 1=弱い刺激感を感じる 2=強い刺激感を感じる
【0067】
【表3】
【0068】その結果、清涼感について、比較例に比べ
て実施例の点眼剤は清涼感が増していることがわかっ
た。また、実施例の点眼剤には刺激性症状はなく、安全
性が高いことも示された。
【0069】 実施例7(人工涙液型点眼剤) 無水カフェイン 0.1g 塩化ナトリウム 0.7g 塩化カリウム 0.1g ホウ酸 1.0g エデト酸ナトリウム 0.05g pH調整剤 適量 滅菌精製水 適量 全量 100mL
【0070】 実施例8(コンタクトレンズ用消毒剤) 無水カフェイン 0.3g ポリヘキサメチレンビグアニド 0.0001g 塩化ナトリウム 0.9g ホウ酸 1.0g ヒドロキシエチルセルロース 0.1g ポロクサマー407 0.1g エデト酸ナトリウム 0.05g pH調整剤 適量 滅菌精製水 適量 全量 100mL
【0071】 実施例9(コンタクトレンズ用洗浄消毒保存剤) 無水カフェイン 0.1g ポリヘキサメチレンビグアニド 0.0001g 塩化ナトリウム 0.9g ホウ酸 1.0g ポリビニルピロリドン 2.0g ポロクサマー407 0.1g エデト酸ナトリウム 0.005g pH調整剤 適量 滅菌精製水 適量 全量 100mL
【0072】 実施例10(洗眼剤) グリチルリチン酸2カリウム 0.025g マレイン酸クロルフェニラミン 0.003g 塩酸ピリドキシン 0.010g 酢酸トコフェロール 0.005g L−アスパラギン酸カリウム 0.100g アミノエチルスルホン酸 0.100g コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.050g ホウ酸 1.700g ホウ砂 0.100g 無水カフェイン 0.2g クロロブタノール 0.010g ポリソルベート80 0.05g pH調整剤 適量 滅菌精製水 適量 全量 100mL
【0073】 実施例11(点眼剤) 無水カフェイン 0.075g 塩酸ナファゾリン 0.003g アラントイン 0.060g 塩化ナトリウム 0.7g 塩化カリウム 0.1g ホウ酸 1.0g エデト酸ナトリウム 0.05g ポロクサマー407 0.100g ヒアルロン酸ナトリウム 0.05g イプシロン−アミノカプロン酸 0.750g pH調整剤 適量 滅菌精製水 適量 全量 100mL
【0074】 実施例12(点眼剤) 無水カフェイン 0.125g クロモグリク酸ナトリウム 1.00g マレイン酸クロルフェニラミン 0.015g 塩化ナトリウム 0.7g 塩化カリウム 0.1g ホウ酸 1.0g エデト酸ナトリウム 0.05g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.100g pH調整剤 適量 滅菌精製水 適量 全量 100mL
【0075】 実施例13(人工涙液型点眼剤) 無水カフェイン 0.03g 塩化ナトリウム 0.7g 塩化カリウム 0.1g ホウ酸 1.0g エデト酸ナトリウム 0.05g アルキルポリアミノエチルグリシン液 0.100g (10W/W%) グルコース 0.08g ヒドロキシエチルセルロース 0.050g ポロクサマー407 0.100g pH調整剤 適量 滅菌精製水 適量 全量 100mL
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森岡 茂夫 大阪市生野区巽西1丁目8番1号 ロート 製薬株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA06 AA11 BB21 BB24 BB25 DD60 FF52 FF70 4C084 AA17 MA01 MA05 MA16 MA28 MA56 MA58 MA59 NA09 NA20 ZA332 ZA342

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1): 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、同一または異なっていて
    もよく、それぞれ、水素原子又は置換されてもよいアル
    キル基を示す)で表される化合物又はその薬学上許容さ
    れる塩から選択された少なくとも1種の化合物を含有さ
    せる組成物の清涼化方法。
  2. 【請求項2】 式(1)で表される化合物が、カフェイ
    ン、テオフィリン、ジプロフィリン、テオブロミン、プ
    ロキシフィリン、およびペントキシフィリンからなる群
    から選択された少なくとも一種である請求項1記載の清
    涼化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の式(1)で表される化合
    物又はその薬学上許容される塩で構成された清涼化剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の式(1)で表される化合
    物又はその薬学上許容される塩を清涼化剤として含有す
    る医薬用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の式(1)で表される化合
    物又はその薬学上許容される塩を含む粘膜適用組成物。
  6. 【請求項6】 眼粘膜又は鼻粘膜適用組成物である請求
    項4又は5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 充血除去剤、眼筋調節成分、消炎剤又は
    収れん剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、抗菌剤又
    はサルファ剤、ビタミン類、アミノ酸類および糖類から
    選択された少なくとも一種の成分をさらに含む請求項4
    又は5記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の式(1)で表される化合
    物又はその薬学上許容される塩を、組成物全体に対し
    て、0.0001〜20重量%(又は(W/V)%)含
    む請求項4又は5記載の組成物。
  9. 【請求項9】 点眼剤、洗眼剤、眼軟膏剤又は点鼻剤で
    ある請求項4又は5記載の組成物。
  10. 【請求項10】 コンタクトレンズ用剤である請求項5
    記載の組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の式(1)で表される化
    合物又はその薬学上許容される塩と、下記の群から選択
    された少なくとも一種の成分又はそれらの薬学上許容さ
    れる塩とを含む粘膜適用組成物。ナファゾリン,フェニ
    レフリン,エピネフリン,エフェドリン,メチルエフェ
    ドリン,テトラヒドロゾリン,メチル硫酸ネオスチグミ
    ン,イプシロン−アミノカプロン酸,塩化ベルベリン,
    アズレンスルホン酸,グリチルリチン酸,リゾチーム,
    サリチル酸メチル,アラントイン,亜鉛,クロルフェニ
    ラミン,ジフェンヒドラミン,イプロヘプチン,ケトチ
    フェン,エメダスチン,クレマスチン,アゼラスチン,
    レボカバスチン,オロバタジン,クロモグリク酸,アン
    レキサノクス,イブジラスト,スプラタスト,ペミロラ
    スト,トラニラスト,スルファメトキサゾール,スルフ
    イソキサゾール,スルフイソミジン,アクリノール,ベ
    ンゼトニウム,セチルピリジニウム,アルキルポリアミ
    ノエチルグリシン,オフロキサシン,ノルフロキサシ
    ン,フラビンアデニンジヌクレオチド,ピリドキシン,
    シアノコバラミン,レチノール,トコフェロール,パン
    テノール,パントテン酸,アスパラギン酸,アミノエチ
    ルスルホン酸,グルコース,コンドロイチン硫酸,ヒア
    ルロン酸,およびポリビニルアルコール
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