JP2001301152A - 画像表示記録液、及び、画像記録方法 - Google Patents

画像表示記録液、及び、画像記録方法

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JP2001301152A
JP2001301152A JP2000117126A JP2000117126A JP2001301152A JP 2001301152 A JP2001301152 A JP 2001301152A JP 2000117126 A JP2000117126 A JP 2000117126A JP 2000117126 A JP2000117126 A JP 2000117126A JP 2001301152 A JP2001301152 A JP 2001301152A
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recording liquid
water
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JP2000117126A
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English (en)
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Takako Kobayashi
孝子 小林
Hiroshi Inoue
洋 井上
Koji Doi
孝次 土井
Izuru Matsui
出 松井
Takeshi Hashimoto
健 橋本
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に優しく、吐出が安定し、発色性が高い
ため高画質の画像が形成可能であり、システムの高速化
が可能な画像記録方法、及び、それに用いる画像表示記
録液を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、水、及び、水に不溶の微粒
子を含む画像表示記録液を印字パルスに応じて液滴化し
た後、記録媒体表面に移動させることにより画像を表示
する画像記録方法であって、前記液滴化が、画像表示記
録液を、該画像表示記録液の自由表面から噴射すること
により、0.1〜5plの液滴サイズとなるように行わ
れることを特徴とする画像記録方法である。また、前記
画像記録方法に用いられ、少なくとも、水、及び、水に
不溶の微粒子を含み、該水に不溶の微粒子が、顔料微粒
子、樹脂微粒子、及び、無機微粒子の少なくともいずれ
かであって、その体積平均粒子径が、0.001〜5μ
mであることを特徴とする画像表示記録液である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水に不溶の微粒子
を含む画像表示記録液及びそれを用いた画像記録方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】記録媒体上に記録液を移動させて画像を
表示する方法の一つであるインクジェットプリンター
は、他の記録方法と比較して、現像や定着等の行程が不
要であることから、システムが単純であり、オゾン等の
発生のない安全な記録技術として注目されている。現在
までに、数多くのインクジェットプリンターの方式が提
案されており、例えば、ノズル中で液体を気化させた時
に生じた圧力を利用して液滴を吐出するサーマルインク
ジェット方式や、圧電体の変位によってノズルの先から
液滴を吐出するピエゾインクジェット方式が知られてい
る。
【0003】これらのインクジェットシステムは、ノズ
ルの吐出口付近でインクの成分が蒸発し、不溶成分が析
出した場合に目詰まりが生じることがあるため、プリン
ターシステムでは、ダミージェット等の画像表示には関
係ない部分でインクを吐出させてこの問題を解決してい
る。このため、システムが複雑になったりプリント時間
が長くなるという問題があった。
【0004】さらに、高画質化の要求に伴い、画像表示
用の液滴サイズを小さくするという要求があるが、これ
らの方式では、液滴サイズがノズル径に依存することか
ら、液滴の直径を20μm以下にすることは難しく問題
があった。
【0005】これらを解決する方法の一つとして、超音
波を利用して自由表面からインク滴を噴射させ画像を印
字する技術がある。この技術は、例えば特公平6−45
233号公報に記載されているような、圧電体の変位に
よって生じた超音波を、インクの液面近傍にレンズによ
って収束させ液滴を発生させるものである。超音波イン
クジェットは、ノズルを有していないため目詰まりがな
く、さらには飛翔したドロップ滴が小さいことから、得
られる画像の高画質化が可能であるという利点を有して
いる。
【0006】超音波インクジェットにおけるインク滴の
飛翔効率の上昇と安定化を目的として、例えば、特開平
09−248908号公報には、インク保持室の内壁面
の音響インピーダンスとインクの音響インピーダンスと
の差を規定する技術が提案されている。しかし、材料の
音響インピーダンスの規定によって、駆動エネルギーに
対しての飛翔効率を上げることは可能であるが、吐出状
態を安定化させるという点では十分ではなく問題があっ
た。
【0007】また、同様の目的で、特開平11−277
735号公報には、液滴発生時のインクの液面形状変化
の特性に合わせた形状のスリットを備える技術が提案さ
れている。この技術は、システム材料の物性とインクの
物性とを適当な値に合わせる技術であるが、自由表面か
らの低表面張力インクの噴射特性が一般的に不安定なこ
とから、ここでのインクの表面張力は50mN/mに設
定されており、インクの特性は必ずしも用紙の浸透性が
速いものではないため、高速印字への適応が十分ではな
く問題があった。
【0008】その他にも、吐出特性を向上させる目的
で、例えば、特開平10−36742号、特開平10−
20430号、特開平11−158430号の各公報
に、超音波インクジェット用インクとして、音響減衰が
少ない特性を有しているインクキャリアを用いる技術が
記載されている。このようなインクキャリアを用いた場
合には、インクの吐出性は良好であり、画質も高画質と
なる。しかし、このようなインクキャリアは常温固体で
あることから、インクを溶解させるためにマシンが大型
になったり、高エネルギーを要することから、環境に優
しい水系インクのニーズには応えることができず問題が
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
インクジェット技術は、システムが複雑で、高画質化の
点でも問題があった。本発明は、前記従来における諸問
題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、目詰まりもなく小液滴の吐出が可能で
あるため、高画質の画像を形成可能なインクジェット技
術の提供を目的とし、更に詳しくは、環境に優しく、吐
出が安定し、発色性が高いため高画質の画像が形成可能
であり、更に、システムの高速化が可能な画像記録方
法、及び、それに用いる画像表示記録液を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、少なくとも、水、及び、水に不溶の微粒子を含
む画像表示記録液を超音波インクジェットに用いること
によって、上記目的を達成できることを見出し、本発明
を完成するに至った。即ち、前記課題を解決するための
手段としては、以下の通りである。 <1> 少なくとも、水、及び、水に不溶の微粒子を含
む画像表示記録液を印字パルスに応じて液滴化した後、
記録媒体表面に移動させることにより画像を表示する画
像記録方法であって、前記液滴化が、画像表示記録液
を、該画像表示記録液の自由表面から噴射することによ
り、0.1〜5plの液滴サイズとなるように行われる
ことを特徴とする画像記録方法である。前記画像記録方
法においては、画像表示記録液の液滴化の手段が、超音
波インクジェットであるのが好ましい。
【0011】<2> 前記<1>に記載の画像記録方法
に用いられ、少なくとも、水、及び、水に不溶の微粒子
を含み、該水に不溶の微粒子が、顔料微粒子、樹脂微粒
子、及び、無機微粒子の少なくともいずれかであって、
その体積平均粒子径が、0.001〜5μmであること
を特徴とする画像表示記録液である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像記録方法及び
画像表示記録液について説明する。 [画像表示記録液]本発明の画像表示記録液は、少なく
とも、水、及び、水に不溶の微粒子を含み、必要に応じ
てその他の成分を含む。
【0013】−水及び水に不溶の微粒子− 本発明の画像表示記録液が、前記水に不溶の微粒子を含
むことが必要であるのは、以下の通りである。即ち、前
記水に不溶の微粒子を含む画像表示記録液を、超音波イ
ンクジェットシステムに用いると、吐出性が安定化する
からである。これは、前記水に不溶の微粒子を含む画像
表示記録液を噴射した際のドロップスピードが速いこ
と、即ち、吐出の際のドロップ生成に必要とされるエネ
ルギー(しきい値)(以下、単に「しきい値」と略する
ことがある。)が低く、低エネルギーでインクの吐出が
可能だからである。このメカニズムについては、明確で
はないが、含有される水に不溶の微粒子が、超音波イン
クジェットシステムにおける噴射のドロップ生成(ドロ
ップの切断)時に、効果的に作用しているためではない
かと考えられている。また、水に不溶の微粒子を含む画
像表示記録液を用いれば、当該微粒子が、用紙中への浸
透を抑制するために色材成分が用紙の表面付近に存在す
るため、高濃度化が達成され、発色性が向上するからで
ある。
【0014】尚、本発明において、前記水に不溶の微粒
子とは、50℃において、水100gに対する溶解度
が、0.1g以下である微粒子をいう。
【0015】前記水に不溶の微粒子は、顔料微粒子、樹
脂微粒子、及び、無機微粒子の少なくともいずれかであ
る。
【0016】前記顔料微粒子としては、例えば、カーボ
ンブラック、ブリリアントカーミンBS、レーキカーミ
ンFB、ブリリアントファストスカーレッド、ジスアゾ
イエロー、パーマネントレッドR、キナクリドンマゼン
タ、ファストイエロー10G、フタロアシアニンブル
ー、ブルーレーキ、イエローレーキ、ローダミンレーキ
等が挙げられる。これらの顔料微粒子は、例えば、微粒
子化し分散媒中に分散させて用いることができ、分散媒
中に分散させるには、所望により、表面に高分子をグラ
フト重合した自己分散型、分散剤を用いた分散剤添加型
等の分散液として分散させることができる。前記顔料微
粒子を分散させるための分散剤としては、一般に使用さ
れるものでよく、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルマ
リン縮合物、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アク
リル酸共重合体、スチレンスルホン酸樹脂等が挙げられ
る。前記顔料微粒子を分散剤に分散させる場合、分散剤
における前記顔料微粒子の含有量としては、10〜30
重量%程度が好ましい。
【0017】前記樹脂微粒子としては、常温で造膜性を
有する樹脂微粒子と造膜性を有しない樹脂微粒子の双方
が含まれる。前記樹脂微粒子のうち、常温で造膜性を有
する樹脂微粒子としては、例えば、アクリルシリコーン
系樹脂微粒子、フッ素系樹脂微粒子、アクリル系樹脂微
粒子、ポリエステル系樹脂微粒子、酢酸ビニル系樹脂微
粒子、塩化ビニル系樹脂微粒子、スチレン−ブタジエン
重合体系樹脂微粒子、ポリウレタン系樹脂系樹脂微粒
子、ポリスチレン系樹脂微粒子、酢酸ビニル−アクリル
共重合体系樹脂微粒子、酢酸ビニル−アクリルアミド共
重合体系樹脂微粒子、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、エポキシ樹脂系樹脂微粒子、ポリアミド樹脂系樹脂
微粒子、及び、シリコーン系樹脂微粒子等の樹脂微粒子
が挙げられる。
【0018】前記樹脂微粒子のうち、常温で造膜性を有
しない樹脂微粒子としては、例えば、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ABS樹脂、フッ素系樹脂、ポリメタクリル
酸メチル、アクリル系樹脂、ポリイソプレン、エチレン
プロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリル
ゴム、シリコーンゴム、フッ素系ゴム、ナイロン、ポリ
カーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニルサルフ
ァイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリイミド、
ポリアミドイミド、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ユ
リア樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタ
ール、エポキシ樹脂等の高分子材料が挙げられる。これ
らの樹脂微粒子は、乳化重合、懸濁重合、シード重合等
の高分子重合法や、懸濁凝集法、粉砕樹脂を熱風にて溶
融する方法を用いて粒子化することができる。
【0019】前記無機微粒子としては、酸化アルミニウ
ム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素等の
酸化物、窒化ケイ素、窒化チタン等の窒化物、及び、炭
化ケイ素、炭化タングステン等の炭化物、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、クレー、タルク、マイカ等、常温で
固体の非水溶性の物質であれば、特に制限なく使用する
ことができる。これらの無機微粒子は、気相中で金属蒸
気を酸化あるいは窒化、炭化する方法や、液中放電、噴
霧乾燥、粉砕法等の方法で粒子化することが可能であ
る。
【0020】前記水に不溶の微粒子は、1種単独で使用
してもよく、2種以上を併用してもよく、また、気相中
に粉末状態で得られたものでもよく、水性の連続相中に
分散された状態で得られたものでもよい。
【0021】前記水に不溶の微粒子の前記画像表示記録
液における体積平均粒子径としては、0.001〜5μ
mであることが必要であり、0.01〜3μmが好まし
い。前記体積平均粒子径が、0.001μm未満では、
微粒子を分散させるのに過剰な分散剤が必要となるた
め、画像表示記録液が不安定になり好ましくなく、5μ
mを超えると、画像表示記録液中で凝集を起こしたり沈
降したりするため好ましくない。
【0022】前記水に不溶の微粒子の含有量としては、
前記画像表示記録液の全量に対し、0.1〜30重量%
が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。前記
含有量が、30重量%を超えると、画像表示記録液の粘
度が高くなるため好ましくないことがある一方、0.1
重量%未満では、超音波インクジェットシステムの吐出
性を良好に保てないことがあり好ましくない。
【0023】前記画像表示記録液に含まれる水として
は、蒸留水、イオン交換水、純水等を用いることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0024】−その他の成分− 前記画像表示記録液は、水及び水に不溶の微粒子の他、
必須成分として、着色剤を含有し、必要に応じて、水溶
性有機溶媒、界面活性剤、各種添加剤等のその他の成分
を含有する。尚、前記画像表示記録液が、前述のその他
の成分を含有する場合、前記「水に不溶の微粒子」は、
前述のその他の成分にも不溶である。
【0025】−−着色剤−− 前記着色剤としては、例えば、前記水に不溶の微粒子が
顔料微粒子等である場合には、前記水に不溶の微粒子が
着色剤を兼ねていてもよいが、前記水に不溶の微粒子と
は別に、水溶性染料、油溶性染料等の各種染料や、顔料
で着色したオイルエマルジョン、着色ポリマー及びワッ
クス等を用いることができる。前記各種染料の中では、
水溶性染料が好ましい。
【0026】前記水溶性染料としては、酸性染料、直接
染料、塩基性染料、反応性染料等のいずれでもよいが、
酸性染料、直接染料がより好ましい。前記水溶性染料と
しては、例えば、C.I.ダイレクトブラック−2、−
4、−9、−11、−17、−19、−22、−32、
−80、−151、−154、−168、−171、−
194;C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、
−8、−22、−34、−70、−71、−76、−7
8、−86、−112、−142、−165、−19
9、−200、−201、−202、−203、−20
7、−218、−236、−287;C.I.ダイレク
トレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−1
3、−15、−20、−28、−31、−33、−3
7、−39、−51、−59、−62、−63、−7
3、−75、−80、−81、−83、−87、−9
0、−94、−95、−99、−101、−110、−
189、−227;
【0027】C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、
−4、−8、−11、−12、−26、−27、−2
8、−33、−34、−41、−44、−48、−5
8、−86、−87、−88、−135、−142、−
144;C.I.フードブラック−1、−2;C.I.
アシッドブラック−1、−2、−7、−16、−24、
−26、−28、−31、−48、−52、−63、−
107、−112、−118、−119、−121、−
156、−172、−194、−208;C.I.アシ
ッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−2
3、−27、−29、−40、−43、−55、−5
9、−62、−78、−80、−81、−83、−9
0、−102、−104、−111、−185、−24
9、−254;C.I.アシッドレッド−1、−4、−
8、−13、−14、−15、−18、−21、−2
6、−35、−37、−52、−110、−144、−
180、−249、−257;C.I.アシッドイエロ
ー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、
−14、−18、−19、−23、−25、−34、−
38、−41、−42、−44、−53、−55、−6
1、−71、−76、−78、−79、−122等が挙
げられる。これらの染料等の着色剤は、1種単独で使用
してもよく、2種以上を併用してもよい。また、シア
ン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの4原色の
他、赤、青、緑等のカスタムカラーに調色してもよい。
更にまた、これらの染料等と顔料微粒子等の顔料とを併
用してもよい。
【0028】前記着色剤の含有量としては、画像表示記
録液の全量に対して、0.1〜20重量%が好ましく、
1〜10重量%がより好ましい。前記含有量が多くなる
と、画像表示記録液のコストが高くなるだけではなく、
粘度が高くなる等、吐出に支障をきたすことがあるため
好ましくなく、前記含有量が低いと、十分な画像濃度が
得られないことがあり好ましくない。
【0029】但し、前記水に不溶の微粒子が、着色剤を
兼ねる場合、着色剤(水に不溶の微粒子)の含有量とし
ては、前記画像表示記録液の全量に対し、0.1〜30
重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好まし
い。
【0030】−−水溶性有機溶媒−− 前記画像表示記録液には、従来のインクジェットインク
と同様に、水の蒸発を防止する目的で、従来使用されて
いるような水溶性有機溶媒を用いることができる。前記
水溶性有機溶媒としては、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサ
ントリオール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレ
ングリコール等の多価アルコール類、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコー
ルエーテル類、チオジエタノール、2−メルカプトエタ
ノール、チオグリセロール、スルホラン、ジメチルスル
ホキシド等の含硫黄溶媒類、2−ピロリドン、N−メチ
ル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリ
エタノールアミン、ジエタノールアミン等の含窒素溶媒
が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2
種類以上を併用してもよい。
【0031】前記水溶性有機溶媒の含有量としては、画
像表示記録液の全量の約1〜60重量%が好ましく、約
5〜40重量%がより好ましい。前記含有量が、前記数
値範囲を超えると、画像表示記録液の粘度が上昇し、吐
出安定性、吐出応答性が低下し好ましくないことがあ
る。
【0032】但し、前述の水溶性有機溶媒の中でも、界
面活性能を有するジエチレングリコールモノブチルエー
テルのような溶媒の添加量としては、画像表示記録液の
全量に対し、約0.01〜5重量%としなければならな
い。前記添加量が、前述の数値範囲を超えると、自由表
面からの液滴の生成が困難になり好ましくないことがあ
る一方、前述の数値範囲に満たないと、目的とする効果
が十分に得られないことがあり好ましくない。
【0033】−−界面活性剤−− 前記画像表示記録液には、その物性調整等のために、界
面活性剤を添加してもよい。前記界面活性剤は、前記画
像表示記録液に含まれる水に不溶な微粒子の分散状態を
更に安定化させると共に、染料の溶解性を高める働きを
する。前記界面活性剤としては、各種のものが用いられ
るが、インクの安定性の点で、非イオン性界面活性剤、
陰イオン性界面活性剤及び、両性界面活性剤が好まし
い。
【0034】前記非イオン性界面活性剤としては、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレング
リセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸
アミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロ
ックコポリマー、テトラメチルデシンジオール、テトラ
メチルデシンジオールエチレンオキサイド付加物等が挙
げられる。また、前記陰イオン性界面活性剤としては、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスル
ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪
酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪
酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの
硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホ
コハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合
物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキル
エーテルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、アクリル酸−
アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
【0035】前記両性界面活性剤としては、ベタイン、
スルフォベタイン、サルフェートベタイン、イミダゾリ
ン等が挙げられる。その他、ポリシロキサンポリオキシ
エチレン付加物等のシリコーシ系界面活性剤やパーフル
オロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスル
ホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテ
ル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラム
ノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等
が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用い
ても良く、2種以上併用してもよい。これらの界面活性
剤の中でも、画像のにじみ、乾燥性、インクの低気泡
性、耐目詰まり性等を考慮した場合、非イオン性界面活
性剤が好ましい。
【0036】前記界面活性剤の添加量としては、前記画
像表示記録液の全量に対し、0.001〜10重量%が
好ましく、0.001〜5重量%がより好ましい。前記
添加量が、前記数値範囲に満たないと、目的とする効果
が発現されないことがある一方、前記数値範囲を超える
と、インクコストが高くなったり粘度が高くなったり、
本発明の必須成分である、水に不溶の微粒子の分散性を
却って阻害することがあるため好ましくない。
【0037】−−その他の添加剤−− 前記画像表示記録液には、更に、所望により、その他の
添加剤を含有させることができる。例えば、pH調整剤
として、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、シュウ
酸、マロン酸、ホウ酸、リン酸、亜リン酸等の酸、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アン
モニア等の塩基、およびリン酸塩、シュウ酸塩、アミン
塩やグッドバッファー等の各種緩衝剤を添加することが
できる。前記画像表示記録液のpHとしては、ヘッドや
カートリッジ部材の浸食を考慮するとpH3〜11が好
ましく、pH4〜10がより好ましい。
【0038】更に、その他の成分として、尿素、チオ尿
素、アセトアミド等の可溶化剤、ポリエチレンイミン、
ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレング
リコール、セルロース誘導体等の物性調整剤、アルギン
酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、スチレン
−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重
合体、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、
キチン、キトサン、カラギーナン等のにじみ防止用増粘
剤、シクロデキストリン、ポリシクロデキストリン、大
環状アミン類、クラウンエーテル類等の包接化合物を必
要に応じて含有させてもよく、更に、防カビ剤、防錆
剤、酸化防止剤、キレート化剤等を含有させてもよい。
【0039】前記本発明の画像表示記録液の製造方法と
しては、例えば、画像表示記録液の材料である、水、水
に不溶の微粒子、着色剤、その他の添加剤等を、前述の
画像表示記録液の組成となるように秤量した後、十分に
混合溶解させ、粗大粒子及びゴミを取り除くためにろ過
する等の方法によって製造することができる。この時、
着色剤は、必要に応じて、予め水を主体とした分散媒中
に十分に分散/溶解させたものを用いることも可能であ
る。
【0040】前述の画像表示記録液の組成物を混合溶解
するには、マグネチックスターラー、ホモジナイザー、
超音波ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェーカ
ー等を適宜用いる。これらは、1種単独で使用してもよ
く、2種以上を使用してもよい。また、混合溶解の際、
必要に応じて画像表示記録液を加熱することも可能であ
る。但し、画像表示記録液の加熱温度としては、画像表
示記録液の成分が分解しない温度が好ましく、通常、3
0〜50℃程度が好ましい。画像表示記録液のろ過は、
メンブランフィルター等を用いた加圧ろ過や吸引ろ過等
で行なうことができる。メンブランフィルターとして
は、親水性の素材のフィルターが好ましく、その孔径と
しては、0.1〜20μm程度で適当なサイズのものを
選んで用いることができる。
【0041】本発明の画像表示記録液は、後述の本発明
の画像記録方法に用いられる。従って、本発明の画像表
示記録液を用いれば、環境に優しく、また、安定した吐
出で、発色性の高い高画質の画像が形成可能であり、更
に、システムの高速化も可能である。
【0042】[画像記録方法]本発明の画像記録方法
は、画像表示記録液を印字パルスに応じて液滴化した
後、記録媒体表面に移動させることにより画像を表示す
る画像記録方法である。
【0043】前記画像表示記録液としては、少なくと
も、水、及び、水に不溶の微粒子を含む画像表示記録液
であることが必要である。前記水、及び、水に不溶の微
粒子としては、前記本発明の「画像表示記録液」の項で
述べたのと同様である。前記画像表示記録液としては、
前記本発明の画像表示記録液が特に好ましい。
【0044】前記本発明の画像表示記録液において、前
記液滴化は、前記画像表示記録液を、該画像表示記録液
の自由表面から噴射することにより行われる。前記噴射
される液滴のサイズとしては、0.1〜5plであるこ
とが必要であり、1〜4plであるのが好ましい。前記
液滴のサイズが、前記数値範囲を超えると、得られる画
像のドットが大きくなり高画質化できないため好ましく
なく、前記数値範囲に満たないと、ドロップ滴がミスト
化してしまい、浮遊することがあるため、記録媒体上の
目的の位置に印字することができなかったり、プリンタ
ーの設置してある環境をインクで汚染してしまう可能性
があるため好ましくない。
【0045】前記液滴化の手段としては、容易に小液滴
化が可能であり、前記数値範囲に液滴サイズを調整し得
る点で、超音波インクジェットであるのが好ましい。前
記本発明の画像記録方法に好適に用いることが可能な超
音波インクジェットヘッドの一例として、シングルヘッ
ドタイプの超音波インクジェットヘッドの概略構成図を
図1に示した。
【0046】図1に示す超音波インクジェットヘッド1
00は、プリントヘッドチップ11と、インクプール1
7と、を有する。プリントヘッドチップ11は、インク
16の満たされたインクプール17においてインク16
に浸漬されており、超音波発生手段である圧電素子14
と、超音波収束手段である超音波レンズ(音響レンズ)
12と、固体基盤22と、を備える。
【0047】圧電素子14の圧電材料としては、例え
ば、ZnO、Pb(ZrTi)O3、LiNbO3、水晶
等のセラミック圧電材料、フッ化ビニリデンと三フッ化
エチレンとの共重合体等の圧電性高分子材料等が挙げら
れる。
【0048】超音波インクジェットヘッド100におい
ては、図示しない制御回路によって駆動された圧電素子
14から超音波13が発生し、固体基盤22を伝播し、
超音波レンズ(音響レンズ)12によって液面付近で収
束する超音波15となり、インク液滴21が噴射され
る。
【0049】圧電素子14から発生される超音波13の
周波数は、一般に圧電材料の種類や圧電素子の形状等に
よって変化し、インク液滴21の大きさは、超音波13
の周波数の大きさによって変化する。インク液滴21が
小さい程、高解像度の画像が得られることから、インク
液滴21の粒径としては、3〜11μmが好ましく、そ
のためには超音波13の周波数が10〜500Hz程度
となるように圧電素子14を設計するのが好ましい。
【0050】超音波インクジェットヘッド100におけ
る超音波レンズ(音響レンズ)12は、入射した超音波
13を屈折させてインク界面付近に収束させるもので、
一般的に入射した超音波13に対して球面状の凹型収束
素子として動作するように形成されている。超音波レン
ズ(音響レンズ)12は、シリコン、窒化シリコン、炭
化シリコン、アルミナ、サファイア等の音響速度の高い
材料からなる固体基盤22を化学的にエッチングした
り、熱間プレスや射出成形等により、アルミナ、窒化シ
リコン、炭化シリコン等の材料内に鋳造成形して得るこ
とが可能である。
【0051】又、図2は、マルチヘッドタイプの超音波
インクジェットヘッドのプリントヘッドチップの概略構
成図である。プリントヘッドチップ11’は、超音波発
生手段である圧電素子14’と、超音波収束手段である
超音波レンズ(音響レンズ)12’と、固体基盤22’
と、を備える。プリントヘッドチップ11’は、図1の
超音波インクジェットヘッド100において、プリント
ヘッドチップ11に代えて使用され、これを用いること
により、1のインクプール内で、同時に複数箇所での印
字が可能となる。
【0052】超音波インクジェットヘッドのプリントヘ
ッドチップの構成としては、図1に示すようなシングル
ヘッドタイプであってもよく、図2に示すような複数の
超音波レンズ(音響レンズ)を有するマルチヘッドタイ
プでもよく、上記のものに限定されるものではない。
【0053】以上説明した本発明の画像記録方法によれ
ば、目詰まりもなく小液滴の吐出が可能であるため、高
画質の画像が形成可能である。更に詳しくは、環境に優
しく、安定した吐出で、発色性が高い高画質の画像が形
成可能であり、更に、システムの高速化が可能である。
【0054】
【実施例】本発明の実施の形態として、以下の実施例を
用いて具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施
例によって限定されるものではない。尚、実施例におい
て、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、
「%」は「重量%」を示す。
【0055】(実施例1) [画像表示記録液の作製] −組成− ・カーボンブラック(キャボジェット600、キャボッ
ト社製)(50℃において、水100gに対する溶解
度:0g)・・・3部 ・ポリオキシエチレン(n=9)ラウリルエーテル(日
本サーファクタント社製)・・・1部 ・ジエチレングリコール(和光純薬社製)・・・15部 ・グリセリン(和光純薬社製)・・・5部 ・純水・・・76部 上記組成になるように各成分を秤量し、十分に混合溶解
し分散させた後、0.45μmフィルターで加圧ろ過し
て画像表示記録液を作製した。
【0056】[超音波インクジェットベンチによる印字
テスト]得られた画像表示記録液について、下記のよう
に印字テストを行い、以下に示す評価をそれぞれ行っ
た。図1に示す超音波インクジェットヘッド100にお
いて、超音波レンズ(音響レンズ)12として、直径
1.25mmのサファイア製凹レンズを備えた自作ヘッ
ドを用い、図3に示すように、更に、RFコントローラ
ー23、記録媒体24、及び、紙送りロール25を有す
る評価ベンチを作成した。
【0057】所定条件(超音波周波数:100KHz、
吐出エネルギー:インク吐出のしきい値の1.2倍のエ
ネルギー値)下、液滴サイズ2plの画像表示記録液を
噴射させ、一般的な普通紙(L紙、富士ゼロックス
(株)製)上に、40mm×10mmの100%カバレ
ッジパターン及びラインパターンを印字した際、下記そ
れぞれの評価を行った。結果を表1に示す。
【0058】<画質の評価1(吐出性の評価)>得られ
たラインパターンの画像を、光学顕微鏡(倍率:50
倍)で観察し、ドット抜け、ライン乱れの数から、下記
評価基準に従い吐出性の評価を行った。 −評価基準− ・画像乱れが無い場合・・・〇 ・画像乱れが所々見られる場合・・・△ ・画像乱れでラインが表示されない場合・・・×
【0059】<画質の評価2(発色性の評価)>得られ
たカバレッジパターンの光学濃度を、濃度測定器(商品
名:X−Rite404、X−Rite社製)を用いて
下記評価基準に従い測定することにより発色性の評価を
行った。 −評価基準− ・光学濃度が1.3以上である場合・・・○ ・光学濃度が1.2以上1.3未満である場合・・・△ ・光学濃度が1.2未満である場合・・・×
【0060】<画質の評価3(耐光性の評価)>得られ
たカバレッジパターンを、ガラス越しに1週間、日光の
当たる環境に放置した後、その光学濃度を測定し、下記
評価基準に従い耐光性の評価を行った。 −評価基準− ・1週間放置後の光学濃度が1.2以上である場合・・
・○ ・1週間放置後の光学濃度が1.0以上1.1未満であ
る場合・・・△ ・1週間放置後の光学濃度が1.0未満である場合・・
・×
【0061】<印字速度の評価1(ドロップスピードの
測定)>印字テストの際のドロップスピードを、CCD
カメラで取り込んだ画像から求めた。
【0062】<印字速度の評価2(ドライング性の評
価)>得られたカバレッジパターンに、インクジェット
用コート紙を重ねた後、その上から100g重の圧力を
加え、インクジェット用コート紙に画像が転写されなく
なるまでの時間を測定し、下記評価基準に従いドライン
グ性の評価を行った。 −評価基準− ・画像が転写されなくなるまでの時間が60秒未満であ
る場合・・・〇 ・画像が転写されなくなるまでの時間が60秒以上12
0秒未満である場合・・・△ ・画像が転写されなくなるまでの時間が120秒以上で
ある場合・・・×
【0063】(実施例2)実施例1の「画像表示記録液
の作製」において、下記組成になるように各成分を秤量
したほかは、実施例1と同様にして画像表示記録液を作
製し、実施例1と同様にして印字テスト及び各評価を行
った。結果を表1に示す。
【0064】−組成− ・C.Iダイレクトブラック199(住友化学社製)・
・・3部 ・スチレン−アクリル樹脂微粒子(大日本インキ(株)
製)(50℃において、水100gに対する溶解度:0
g)・・・2.5部 ・ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物・・・2部 ・ジエチレングリコール(和光純薬社製)・・・15部 ・グリセリン(和光純薬社製)・・・5部 ・純水・・・72.5部
【0065】(実施例3)実施例1の「画像表示記録液
の作製」において、下記組成になるように各成分を秤量
したほかは、実施例1と同様にして画像表示記録液を作
製し、実施例1と同様にして印字テスト及び各評価を行
った。結果を表1に示す。
【0066】−組成− ・C.Iダイレクトブラック199(住友化学社製)・
・・1部 ・カーボンブラック(キャボジェット600、キャボッ
ト社製)(50℃において、水100gに対する溶解
度:0g)・・・2部 ・ポリオキシエチレン(n=9)ラウリルエーテル(日
本サーファクタント社製)・・・1部 ・プロクセル(ゼネカ)・・・0.2部 ・ジエチレングリコール(和光純薬社製)・・・15部 ・グリセリン(和光純薬社製)・・・5部 ・純水・・・75.8部
【0067】(実施例4)実施例1の「画像表示記録液
の作製」において、下記組成になるように各成分を秤量
したほかは、実施例1と同様にして画像表示記録液を作
製し、実施例1と同様にして印字テスト及び各評価を行
った。結果を表1に示す。
【0068】−組成− ・C.Iダイレクトブラック199(住友化学社製)・
・・3部 ・シリカ微粒子(体積平均粒子径:200nm、日本ア
エロジル社製)(50℃において、水100gに対する
溶解度:0g)・・・0.5部 ・ポリオキシエチレン(n=5)オレイルエーテル(日
本サーファクタント社製)・・・2.3部 ・プロクセル(ゼネカ)・・・1.7部 ・ジエチレングリコール(和光純薬社製)・・・15部 ・グリセリン(和光純薬社製)・・・5部 ・純水・・・72.5部
【0069】(実施例5)実施例1の「画像表示記録液
の作製」において、下記組成になるように各成分を秤量
したほかは、実施例1と同様にして画像表示記録液を作
製し、実施例1と同様にして印字テスト及び各評価を行
った。結果を表1に示す。
【0070】−組成− ・カーボンブラック(キャボジェット600、キャボッ
ト社製)(50℃において、水100gに対する溶解
度:0g)・・・3部 ・ジエチレングリコール(和光純薬社製)・・・15部 ・グリセリン(和光純薬社製)・・・5部 ・純水・・・77部
【0071】(比較例1)実施例1の「画像表示記録液
の作製」において、下記組成になるように各成分を秤量
したほかは、実施例1と同様にして画像表示記録液を作
製し、実施例1と同様にして印字テストを行い、画質及
び印字速度の評価を行った。結果を表2に示す。
【0072】−組成− ・C.Iダイレクトブラック199(住友化学社製)・
・・3部 ・ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物・・・2部 ・ジエチレングリコール(和光純薬社製)・・・15部 ・グリセリン(和光純薬社製)・・・5部 ・純水・・・75部
【0073】(比較例2)実施例1の「画像表示記録液
の作製」において、下記組成になるように各成分を秤量
したほかは、実施例1と同様にして画像表示記録液を作
製し、実施例1と同様にして印字テストを行い、画質及
び印字速度の評価を行った。結果を表2に示す。
【0074】−組成− ・C.Iダイレクトブラック199(住友化学社製)・
・・3部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(和光純薬
社製)・・・6部 ・ジエチレングリコール(和光純薬社製)・・・15部 ・グリセリン(和光純薬社製)・・・5部 ・純水・・・71部
【0075】(比較例3)実施例1の「画像表示記録液
の作製」において、下記組成になるように各成分を秤量
したほかは、実施例1と同様にして画像表示記録液を作
製し、実施例1と同様にして印字テスト及び各評価を行
った。結果を表2に示す。
【0076】−組成− ・C.Iダイレクトブラック199(住友化学社製)・
・・3部 ・ジエチレングリコール(和光純薬社製)・・・15部 ・グリセリン(和光純薬社製)・・・5部 ・純水・・・77部
【0077】(比較例4)実施例1の「画像表示記録液
の作製」において、下記組成になるように各成分を秤量
したほかは、実施例1と同様にして画像表示記録液を作
製し、実施例1と同様にして印字テスト及び各評価を行
った。結果を表2に示す。
【0078】−組成− ・C.Iダイレクトブラック199(住友化学社製)・
・・3部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(和光純薬
社製)・・・4部 ・ジエチレングリコール(和光純薬社製)・・・15部 ・グリセリン(和光純薬社製)・・・5部 ・純水・・・73部
【0079】(比較例5)実施例1の「画像表示記録液
の作製」において、下記組成になるように各成分を秤量
したほかは、実施例1と同様にして画像表示記録液を作
製し、実施例1と同様にして印字テスト及び各評価を行
った。結果を表2に示す。
【0080】−組成− ・C.Iダイレクトブラック199(住友化学社製)・
・・3部 ・ポリオキシエチレン(n=10)パーフルオロアルキ
ルエーテル(和光純薬社製)・・・0.25部 ・プロクセル(ゼネカ)・・・0.75部 ・ジエチレングリコール(和光純薬社製)・・・15部 ・グリセリン(和光純薬社製)・・・5部 ・純水・・・76部
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】次に、各実施例及び比較例で用いた画像表
示記録液の表面張力を、所定環境(温度:23℃、湿度
55%RH)下、ウィルヘルミー型表面張力計を用いて
測定し、又、粘度をせん断速度1400S-1の条件で測
定した。結果を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】表1〜3の結果、実施例1〜3において、
表面張力及び粘度の低い画像表示記録液を用いた場合
は、比較例1、3で表面張力の高い画像表示記録液を用
いた場合と比較して、発色性・吐出性に優れ、又、ドラ
イング性が高く、ドロップスピードが速く、高速・高画
質化が可能であることが判った。また、水に不溶の微粒
子及び着色剤を兼ねるものとして、顔料微粒子(カーボ
ンブラック)を3重量部用いた実施例1では、特に耐光
性に優れていた。
【0086】図4は、実施例1、4、5及び比較例2〜
5におけるドロップスピード(m/s)と、表面張力
(mN/m)と、の関係を示す図である。一般に、ドロ
ップスピード(m/s)は表面張力(mN/m)が高く
なる程、高くなる傾向があるが、図4より、水に不溶の
微粒子を画像表示記録液に含む実施例1、4、5では、
同様の表面張力(mN/m)の画像表示記録液を用いた
比較例と比べて、特にドロップスピードが速いため、吐
出性に優れ、高速・高画質印字が可能であることが判
る。
【0087】図5では、実施例1、4、5及び比較例
2、5において、吐出の際のドロップ生成に必要なエネ
ルギー(しきい値)と画像表示記録液の粘度(mPa・
s)との関係を、水のしきい値とのエネルギー比(しき
い値のエネルギー比)(以下、単に「しきい値のエネル
ギー比」と称することがある。)と、粘度(mPa・
s)と、の関係で示した。一般に、しきい値のエネルギ
ー比は、粘度(mPa・s)が高くなる程、高くなる傾
向があるが、図5より、水に不溶の微粒子を画像表示記
録液に含む実施例1、4、5では、同様の粘度(mPa
・s)の画像表示記録液を用いた比較例と比べて、特に
しきい値のエネルギー比が低いため、ドロップが切断さ
れ易く、吐出性に優れ、高速・高画質印字が可能である
ことが判る。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、目詰まりもなく小液滴
の吐出が可能であるため、高画質の画像を形成可能なイ
ンクジェット技術の提供ができ、更に詳しくは、環境に
優しく、吐出が安定し発色性が高いため高画質の画像が
形成可能であり、更に、システムの高速化が可能な画像
記録方法、及び、それに用いる画像表示記録液を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像記録方法に好適に用いることが
可能な、シングルヘッドタイプのインクジェットヘッド
の一例を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の画像記録方法に好適に用いることが
可能な、マルチヘッドタイプのインクジェットヘッドの
プリントヘッドチップの一例を示す概略構成図である。
【図3】 実施例に用いた超音波インクジェットの評価
ベンチの概略構成図である。
【図4】 実施例及び比較例における画像表示記録液の
表面張力(mN/m)とドロップスピード(m/s)と
の関係図である。
【図5】 実施例及び比較例における、しきい値と画像
表示記録液の粘度(mPa・s)との関係図である。
【符号の説明】
11,11’:プリントヘッドチップ 12,12’:超音波レンズ(音響レンズ) 13:超音波 14,14’:圧電素子 15:収束する超音波 16:インク 17:インクプール 21:インク液滴 22,22’:固体基盤 23:RFコントローラー 24:記録媒体 25:紙送りロール 100:超音波インクジェットヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/00 B41J 3/04 103A C09D 11/00 (72)発明者 土井 孝次 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 松井 出 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 橋本 健 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 FA01 FC01 2C057 AF21 AG44 BA14 BF06 2H086 BA02 BA53 BA55 4J039 AD01 AD03 AD04 AD08 AD10 AD12 AD15 AE02 AE03 AE04 AE05 AE06 AE08 AE09 AE11 BA04 BA09 BA13 BA15 BA16 BA17 BA18 BA23 BE01 BE12 BE22 CA06 EA41 EA42 GA24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、水、及び、水に不溶の微粒
    子を含む画像表示記録液を印字パルスに応じて液滴化し
    た後、記録媒体表面に移動させることにより画像を表示
    する画像記録方法であって、 前記液滴化が、画像表示記録液を、該画像表示記録液の
    自由表面から噴射することにより、0.1〜5plの液
    滴サイズとなるように行われることを特徴とする画像記
    録方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像記録方法に用いら
    れ、少なくとも、水、及び、水に不溶の微粒子を含み、
    該水に不溶の微粒子が、顔料微粒子、樹脂微粒子、及
    び、無機微粒子の少なくともいずれかであって、その体
    積平均粒子径が、0.001〜5μmであることを特徴
    とする画像表示記録液。
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WO2003091037A1 (fr) * 2002-04-25 2003-11-06 Konica Minolta Holdings, Inc. Procede d'impression a jet d'encre
WO2016063891A1 (ja) * 2014-10-21 2016-04-28 株式会社Screenホールディングス 顔料組成物及びインクジェット用水性インク組成物

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