JP2001301116A - 印刷機用湿し水供給装置 - Google Patents

印刷機用湿し水供給装置

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JP2001301116A
JP2001301116A JP2000115725A JP2000115725A JP2001301116A JP 2001301116 A JP2001301116 A JP 2001301116A JP 2000115725 A JP2000115725 A JP 2000115725A JP 2000115725 A JP2000115725 A JP 2000115725A JP 2001301116 A JP2001301116 A JP 2001301116A
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water
roll
supply device
gap
dampening solution
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JP2000115725A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Soeda
浩充 添田
Akikazu Seo
昭和 瀬尾
Yoshito Kiyota
義人 清田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷機用湿し水供給装置をに関し、湿し水を
水元ロールの表面に均一に分布させるようにするととも
に、湿し水のインキロール等への付着を防止して、印刷
品質を向上させることができるようにする。 【解決手段】 高速で回転する水元ロール20に向かっ
て湿し水を吐出するスプレーノズル3と、スプレーノズ
ル3を覆うとともに水元ロール20側に開口してスプレ
ーノズル3から吐出された湿し水が周囲に飛散すること
を防ぐケース6とをそなえた印刷機用湿し水供給装置に
おいて、ケース6の水元ロール20側の開口における水
元ロール回転方向上流側と下流側とのそれぞれに、拡散
した湿し水を捕収する広がり水滴補収板1,が互いに隙
間Sをあけて水元ロール20の幅方向に延在するように
配設され、上記の両広がり水滴補収板間の隙間Sが、該
スプレーノズル3の正面位置に配置されるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷に
おいて湿し水を供給する装置に関し、特に、スプレーノ
ズルによって湿し水を供給する、印刷機用湿し水供給装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷では、殆ど凹凸のない刷
版の表面に、水が主成分である湿し水と油性インキとを
供給して印刷を行なう。油性インキを刷版表面の画像部
分に供給し、湿し水を非画像部分に供給し、両者の相互
反発性を利用して画像部のみにインキを付着させ、用紙
に転写して印刷する。このため、オフセット印刷には刷
版に湿し水を供給する湿し水供給装置が装備されてお
り、湿し水供給装置の一種類としてスプレー方式のもの
が開発されている。
【0003】従来の印刷機用湿し水供給装置は、例えば
図4に示すように、水元ロール20の表面に向かって開
口したケース34が備えられ、ケース34内には水元ロ
ール20の表面に対向するようにスプレーノズル31が
支持部材33に支持され装備されている。スプレーノズ
ル31には、一定の周期で一定時間開となる電磁弁32
を介して、供給管35が接続されている。供給管35に
はケース34外から加圧された湿し水が導入されるよう
になっている。
【0004】これにより、供給管35〜導入される加圧
された湿し水は、一定の周期で一定時間開となる電磁弁
32で制御されてスプレーノズル31から微少な水滴と
なって吐出される。このとき、スプレーノズル31はケ
ース34で覆われているので、吐出水滴が周囲に飛散す
るのが防止され、ケース34内に残った湿し水は戻り管
36から排出される。もちろん、ケース34の水元ロー
ル20に向かう方向は水元ロール20に水滴を供給する
為に全面開放となっているので、スプレーノズル31か
ら吐出された微少な水滴は、水元ロール20の表面に広
く噴霧される。
【0005】したがって、スプレーノズル31から吐出
された水滴は印刷機の版胴と同一周速で高速回転する水
元ロール20に付着し、水着けロール(図示せず)に転
写されて印刷機の版胴(図示せず)に装着された刷版の
表面に供給される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の従来
のスプレー式の印刷機用湿し水供給装置では種々の課題
がある。まず、第1の課題を説明すると、スプレーノズ
ル31から吐出される水の水元ロール軸方向の分布が、
スプレーノズル31の正面が多く両側に離れる程少なく
なるような不均一分布となる。このため、4〜16ヶ程
のスプレーノズル31を水元ロール20の軸方向と平行
に均等配置して均一分布に近づけるようにしているが、
それでも、湿し水の供給量は水元ロール20の軸方向の
位置によって、一般に10〜20%程度の変動がある。
【0007】次に、第2の課題を説明すると、スプレー
ノズル31から吐出される湿し水の時間方向の分布にも
変動がある。つまり、通常の印刷速度、例えば10m/
secの場合には、湿し水の吐出のピッチが5Hz程度
であり、一回の電磁弁32の開時間は30msec程度
であるので、この場合は周期0.2secの変動(印刷
紙面上では2mピッチの変動)があることになる。これ
らの湿し水供給量の不均一性が大きい場合は、供給量の
少ない部分での汚れや、多い部分での白けや水マーク等
の印刷障害を生じてしまう。
【0008】第3の課題を説明すると、スプレーノズル
31から吐出される湿し水は水元ロール軸直角方向にも
ある程度の広がりがあり、広がった水滴が水元ロール2
0に付着せずに周囲に飛散するため、水元ロール軸直角
方向に広がった部分はケース34によってカバーしてこ
の飛散を防いでいる。しかし、ケース34と高速回転す
る水元ロール20との間には数ミリ程度の隙間があるの
で、水元ロール20の外表面近傍に高速の気流が生じ
る。スプレーノズル31から広がった吐出水のうち特に
水元ロール20の回転下流方向に広がった水滴は水元ロ
ール20近傍の高速気流に同伴され、ケース34と水元
ロール20の隙間から周囲に飛散する。周囲に飛散した
水滴が付近のインキロール等に付着するとインキを過乳
化させその部分の印刷濃度を低下させてしまい、またフ
レーム等の固定部に付着・集合してインキロール等に落
下すると局部的濃度低下等の印刷障害が生じてしまう。
【0009】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、湿し水を水元ロールの表面に均一に分布させるよ
うにするとともに、湿し水のインキロール等への付着を
防止して、印刷品質を向上させることができるようにし
た、印刷機用湿し水供給装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の印刷
機用湿し水供給装置は、高速で回転する水元ロールに向
かって湿し水を吐出するスプレーノズルと、該スプレー
ノズルを覆うとともに該水元ロール側に開口して該スプ
レーノズルから吐出された該湿し水が周囲に飛散するこ
とを防ぐケースとをそなえた印刷機用湿し水供給装置に
おいて、該ケースの水元ロール側の開口における水元ロ
ール回転方向上流側と下流側とのそれぞれに、拡散した
湿し水を捕収する広がり水滴補収板が互いに隙間をあけ
て該水元ロールの幅方向に延在するように配設され、上
記の両広がり水滴補収板間の隙間が、該スプレーノズル
の正面位置に配置されていることを特徴としている。
【0011】上記の両広がり水滴補収板間の隙間は、好
ましくは3〜50mmの範囲内に設定し、さらに好まし
くは8〜12mmの範囲内に設定する。また、該ケース
の水元ロール側の開口近傍における該水元ロールの回転
方向下流側の位置に、該水元ロールの表面にエアを吹き
付ける加圧エア吹出しスリットが設けられていることが
好ましい。
【0012】さらに、該スプレーノズルは該水元ロール
のロール幅方向に複数併設されたものの場合、該水元ロ
ールのロール幅方向に延在する上記の両広がり水滴補収
板のうち少なくともいずれか一方の広がり水滴補収板の
該隙間側の縁部は、上記の複数のスプレーノズルによる
吐出水量の該ロール幅方向への分布状態に対応して、吐
出水量分布の多い部分ほど該隙間を狭めるような形状に
形成されていることが好ましい。特に、上記一方の広が
り水滴補収板の該隙間側の縁部は、上記の複数のスプレ
ーノズルによる吐出水量の該ロール幅方向への分布特性
線と対応した形状に形成されていることが好ましい。
【0013】さらに、上記一方の広がり水滴補収板の該
ロール幅方向端部に、該隙間を上記一方の広がり水滴補
収板とは独立して調整可能な端部独立補収板が設けられ
ていることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。なお、各実施形態の印刷機用
湿し水供給装置はオフセット印刷機に装備されている。
まず、本発明の第1実施形態について説明すると、図1
は本発明の第1実施形態としての印刷機用湿し水供給装
置を示すものである。
【0015】図1に示すように、この湿し水供給装置に
は、水元ロール20の表面に向かって開口したケース6
が備えられ、ケース6内には水元ロール20の表面に対
向するようにスプレーノズル3が支持部材5に支持され
装備されている。なお、スプレーノズル3は、水元ロー
ル20の軸心線方向に向かって、複数のものが併設され
ている。
【0016】従来例と同様に、スプレーノズル3には、
一定の周期で一定時間開となる電磁弁4を介して、供給
管7が接続されており、供給管7にはケース6外から加
圧された湿し水が導入されるようになっている。また、
ケース6にはケース6内に残った湿し水を排出する戻り
管8が接続されている。本装置の場合、ケース6におい
て水元ロール20の表面に向かった開口側には、水元ロ
ール20側の面に上下一対の広がり水滴補収板1,2が
配設され、スプレーノズル3から噴出された湿し水のう
ち、噴射中心線(一点鎖線参照)方向から外れた位置に
拡散した(即ち、広がった)湿し水が、これらの広がり
水滴補収板1,2によって捕収(捕まえて回収する)よ
うになっている。
【0017】上方に設けられた広がり水滴補収板(上
部)1と下方に設けられた広がり水滴補収板(下部)2と
は一定の隙間Sをもって配置されている。この隙間S
は、スプレーノズル3から水元ロール20の軸心線へ向
かう噴射中心線(一点鎖線参照)を含む空間内に配置し
て設けられ、隙間Sの大きさは、好ましく3〜50mm
の範囲内とし、さらに好ましくは8〜12mmの範囲内
とする。
【0018】また、これらの広がり水滴補収板(上部)
1と広がり水滴補収板(下部)2は、その隙間Sと反対側
の縁部(広がり水滴補収板(上部)1の上縁部及び広が
り水滴補収板(下部)2の下縁部)はケース6に密閉状態
で固定されている。また、ケース6内の低い位置には戻
り管8が設けられている。さらに、本実施形態の場合、
広がり水滴補収板(下部)2は、広がり水滴補収板(上
部)1よりも水元ロール20に接近した位置に配置され
ている。つまり、スプレーノズル3から広がった吐出水
のうち特に水元ロール20の回転下流方向に広がった水
滴は、高速回転する水元ロール20の表面近傍の高速気
流に同伴されて飛散しやすいが、広がり水滴補収板(下
部)2を水元ロール20により接近させることで、高速
気流に同伴されて飛散する水滴についても容易に回収で
きるようになっている。
【0019】さらに、広がり水滴補収板(下部)2にお
いて、隙間Sに臨んだ上端縁には、ケース6の内側へ向
かって回収ガイド2aが突設されている。広がり水滴補
収板(下部)2は、広がり水滴補収板(上部)1よりも水
元ロール20に接近した位置に配置されているので、回
収ガイド2aは、広がり水滴補収板(上部)1の鉛直直
下に位置しており、広がり水滴補収板(上部)1で捕集
され広がり水滴補収板(上部)1から滴下した湿し水
が、回収ガイド2aに案内されてケース6内に回収され
るようになっている。
【0020】本発明の第1実施形態としての印刷機用湿
し水供給装置は、上述のように構成されているので、ス
プレーノズル3から吐出された水滴(湿し水)のうち、
スプレーノズル3からの噴射中心線1から離隔した方向
に広がる部分、即ち、水元ロール20の軸と直角方向に
広がる部分は、広がり水滴補収板(上部)1と広がり水
滴補収板(下部)2とに衝突補収されてケース6内に回
収される。
【0021】回収された湿し水は戻り管8から重力によ
って湿し水タンク(図示せず)に戻され再循環される。
また、このとき、広がり水滴補収板(上部)1で捕集さ
れて滴下した湿し水は、広がり水滴補収板(下部)2の
上端縁に設けら回収ガイド2aに案内されてケース6内
に円滑に回収される。
【0022】両広がり水滴補収板1,2の隙間の大きさ
にもよるが、上記のような好きな設定によれば、広がり
水滴補収板(上部)1と広がり水滴補収板(下部)2とに
よってスプレー吐出水の50〜95%(より好ましい設
定によっては80〜90%)がカットされるので水元ロ
ール20へ供給される水量は従来の量に対して5〜50
%(より好ましい設定によっては10〜20%)とな
る。従って、電磁弁4の開閉周期は従来の1/2〜1/
20、より好ましい設定によっては1/5〜1/10に
設定することになる。
【0023】このようにして、スプレーノズル3から広
がった吐出水のうち特に水元ロール20の回転下流方向
に広がった水滴は、広がり水滴補収板(下部)2に衝突
補収されてケース6内に回収されるので、高速回転する
水元ロール20の表面近傍の高速気流に同伴されて周囲
に飛散する水滴の量を大幅に低減することができる。電
磁弁4の開閉周期を従来の1/2〜1/20、望ましく
は1/5〜1/10に設定することができるので、時間
方向(水元ロール20の周方向)の吐出水量の変動を大
幅に低減できる。
【0024】そして、湿し水の供給量調整は、供給量が
最小の部分でも版面に汚れを生じない様に行なうので、
供給量最小の部分以外は湿し水供給過剰となり、通常
は、供給量の多い部分ではインキの過乳化による印刷濃
度の低下や、スプレーマークと呼ばれる水マークが紙面
画線部に生じたりするが、この印刷機用湿し水供給装置
では、吐出水量を均一化することができるため、これら
の印刷障害を防止でき、印刷性能を向上させることがで
きる。
【0025】なお、本実施形態では、広がり水滴補収板
(下部)2を、広がり水滴補収板(上部)1よりも水元
ロール20に接近した位置に配置しているが、かならず
しもこれに限定されない。つまり、広がり水滴補収板
(下部)2は、スプレーノズル3から広がった吐出水の
うち、高速回転する水元ロール20の表面近傍の高速気
流に同伴されて飛散しやすい水元ロール20の回転下流
方向に広がった水滴を回収しやすい位置に配置すればよ
く、広がり水滴補収板(上部)1との相対位置関係で位
置設定しなくてもよい。ただし、広がり水滴補収板(下
部)2を、広がり水滴補収板(上部)1よりも水元ロール
20に接近した位置に配置し、回収ガイド2aを設ける
ことで、広がり水滴の捕収はより確実になるものと考え
られる。
【0026】次に、本発明の第2実施形態について説明
すると、図2は本発明の第2実施形態としての印刷機用
湿し水供給装置を示すものである。図2において、図1
と同符号は同様な部分を示しており、これらについては
説明を簡略化する。図2に示すように、この湿し水供給
装置では、スプレーノズル3の噴射中心線(一点鎖線参
照)が水元ロール20の軸心線よりも回転方向上流側に
偏倚した方向に向けられており、ケース14もスプレー
ノズル3の噴射中心線と同様に偏倚した方向に向けられ
て配設されている。
【0027】そして、ケース14の水元ロール20側の
上部(水元ロール20の回転方向上流側)には、広がり
水滴補収板(上部)に相当する広がり水滴補収部14A
がそなえられ、ケース14の水元ロール20側の下部
(水元ロール20の回転方向上流側)には、広がり水滴
補収板(下部)に相当する広がり水滴補収部14Bがそ
なえられており、両広がり水滴補収部14A,14B間
には、隙間Sが形成されている。
【0028】そして、ケース14内には、ケース14内
を水元ロール20の回転方向上流側と下流側とに分ける
仕切板16が設けられており、ケース14の開口部(隙
間S)のうち、仕切板16よりも上方(水元ロール20
の回転方向上流側)は、吐出水滴吹出口15として構成
されている。また、下方の水滴補収部14Bにおける隙
間Sに臨んだ上端縁には、ケース14の内側へ向かって
噴出エアガイド11が仕切板16とほぼ平行に突設され
ており、隙間Sの下方、即ち、噴出エアガイド11と仕
切板16との間は、エア吹出しスリット12として構成
されている。さらに、仕切板16で仕切られたケース1
4内下方(水元ロール20の回転方向下流側)は、ヘッ
ダー室17として構成されており、このヘッダー室17
にエア供給管13から加圧エアが供給され、高圧になる
ヘッダー室17からエア吹出しスリット12を通じて加
圧エアが噴出されるようになっている。
【0029】なお、エア吹出しスリット12は、吐出水
滴吹出口15に対して水元ロール20の回転方向下流側
に設けられるが、水元ロール20の表面から1〜100
mm、望ましくは5〜30mmの距離の位置に設け、エ
ア吹出し方向は水元ロール20の表面に対して直角又は
水元ロール表面近傍の同伴気流の流れに逆らう方向(即
ち、水元ロール20の回転方向上流側)とする。
【0030】本発明の第2実施形態としての印刷機用湿
し水供給装置は、上述のように構成されているので、加
圧エアはエア供給管13からヘッダー室17に入り、ヘ
ッダー室17の容積に対して十分小さな開口面積を有す
るエア吹出しスリット12から水元ロール表面に向かっ
て吹出される。この一方で、スプレーノズル3から水滴
が吐出され、余剰の水は連通間10を介して戻り管8か
ら排出される。
【0031】これにより、吐出水滴吹出口15に対して
水元ロール20の回転方向下流側に、エア吹出しスリッ
ト12から水元ロール表面に向かって加圧エアが吹出さ
れエアカーテンが形成されるので、水元ロール20の表
面近傍の同伴気流が遮断されることになり、吐出された
水滴の一部が同伴気流に乗って周囲に飛散することが防
止され、前述のような印刷障害を防止でき、印刷性能を
向上させることができる。
【0032】次に、本発明の第3実施形態について説明
すると、図3は本発明の第3実施形態としての印刷機用
湿し水供給装置を示すものであり、図3の左右方向が水
元ロール20の幅方向(軸心線方向)に相当する。図3
において、図1と同符号は同様な部分を示しており、こ
れらについては説明を簡略化する。また、本実施形態の
印刷機用湿し水供給装置の側面視は図1と同様に構成さ
れている。ただし、本実施形態では、広がり水滴補収板
(上部または下部)を符号18で示す。
【0033】図3に示すように、スプレーノズル3は水
元ロール20の幅方向に複数個取付られており、これら
の複数のスプレーノズル3による吐出水量の水元ロール
幅方向の分布(以下、ロール幅方向分布という)は、ス
プレーノズル3の取付ピッチと同一ピッチの周期的凹凸
形状となる。つまり、スプレーノズル3の噴射中心線
(一点鎖線参照)の近傍では、吐出水量が多く、ここか
ら離れるのにしたがって吐出水量が少なくなり、これに
より、スプレーノズル3の取付ピッチと同一ピッチの周
期的凹凸形状となるのである。
【0034】本実施形態の広がり水滴補収板(上部また
は下部)の正面視形状は、図3に示すように、“ロール
幅方向分布”の形状に対して、幅方向に同一で高さ方向
に相似の形状とした均一分布型水滴補収板18となって
いる。つまり、均一分布型水滴補収板18の隙間S側の
縁部は、ロール幅方向において、吐出水量が多い部分で
は隙間S(図1参照)を狭めるように突出し、吐出水量
が少ない部分では隙間S(図1参照)を広げるようにへ
こんでおり、ロール幅方向分布”の形状と略相似の、ス
プレーノズル3の取付ピッチと同一ピッチの周期的凹凸
形状となっているのである。
【0035】また、両端部の幅10〜100mmについ
ては、開口を独立して調整する為の端部独立補収板19
がそれぞれ設けられている。本発明の第3実施形態とし
ての印刷機用湿し水供給装置は、上述のように構成され
ているので、幅方向に複数個設置されたスプレーノズル
3からの吐出水量分布パターンと同じ形状をした均一分
布型水滴補収板18によって吐出水滴の一部を補収・回
収する。
【0036】幅方向に複数個取付られたスプレーノズル
3の“吐出水量のロール幅方向分布”は図3に示すよう
にスプレーノズル3の取付ピッチと同一ピッチの周期的
凹凸があるが、この分布パターンと略同形状の均一分布
型水滴補収板18によって吐出水滴の一部を補収・回収
するので、吐出水量の幅方向分布を均一化することがで
き、印刷性能を向上させることができる。
【0037】また、両端部の幅10〜100mmについ
ては、開口を独立して調整する為の端部独立補収板19
がそれぞれ設けられているので、供給水量が不足しがち
な両端部を独立に調整可能となり、ロール幅方向の両端
部においても吐出水量の幅方向分布を均一化することが
できる。なお、本発明は、上述の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でかかる
実施形態を種々変形して実施しうるものであり、各実施
形態を適宜組み合わせて実施することもできる。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の印刷機用
湿し水供給装置によれば、高速回転する水元ロールの表
面近傍に飛散する水滴の量を大幅に低減することがで
き、吐出水量を均一化することができるため、供給量の
多い部分ではインキの過乳化による印刷濃度の低下や、
スプレーマークと呼ばれる水マークが紙面画線部に生じ
たりする印刷障害を防止でき、印刷性能を向上させるこ
とができる。
【0039】また、両広がり水滴補収板間の隙間を3〜
50mmの範囲内に設定すれば、上記効果をより確実に
得ることができる(請求項2)。また、ケースの開口近
傍における水元ロールの回転方向下流側の位置に、加圧
エア吹出しスリットを設けることで、水元ロールの表面
近傍の同伴気流が遮断されることになり、吐出された水
滴の一部が同伴気流に乗って周囲に飛散することが防止
され、印刷性能を一層向上させることができる(請求項
3)。
【0040】さらに、広がり水滴補収板の隙間側の縁部
を、複数のスプレーノズルによる吐出水量の分布状態に
対応して形成することで、吐出水量の幅方向分布をより
均一化することができ、印刷性能をさらに向上させるこ
とができる(請求項4)。この場合、上記一方の広がり
水滴補収板該隙間側の縁部を、上記の複数のスプレーノ
ズルによる吐出水量の該ロール幅方向への分布特性線と
対応した形状に形成すれば、より確実に吐出水量の幅方
向分布を均一化することができる(請求項5)。
【0041】さらに、開口を独立して調整可能な端部独
立補収板を設けることで、供給水量が不足しがちな両端
部を独立に調整でき、ロール幅方向の両端部においても
吐出水量の幅方向分布を均一化することができる(請求
項6)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての印刷機用湿し水
供給装置を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態としての印刷機用湿し水
供給装置を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態としての印刷機用湿し水
供給装置を示す模式的正面図である。
【図4】従来の印刷機用湿し水供給装置を示す模式的な
断面図である。
【符号の説明】
1 広がり水滴補収板(上部) 2 広がり水滴補収板(下部) 2A 回収ガイド 3 スプレーノズル 4 電磁弁 5 支持部材 6 ケース 7 供給管 8 戻り管 10 連通管 11 吐出エアガイド 12 エア吹出しスリット 13 エア供給管 14 ケース 15 吐出水滴吹出口 16 仕切板 17 ヘッダー室 18 均一分布型水滴補収板 19 端部独立補収板 20 水元ロール S 隙間(開口)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清田 義人 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社紙・印刷機械事業部内 Fターム(参考) 2C034 BB15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速で回転する水元ロールに向かって湿
    し水を吐出するスプレーノズルと、該スプレーノズルを
    覆うとともに該水元ロール側に開口して該スプレーノズ
    ルから吐出された該湿し水が周囲に飛散することを防ぐ
    ケースとをそなえた印刷機用湿し水供給装置において、 該ケースの水元ロール側の開口における水元ロール回転
    方向上流側と下流側とのそれぞれに、拡散した湿し水を
    捕収する広がり水滴補収板が互いに隙間をあけて該水元
    ロールの幅方向に延在するように配設され、 上記の両広がり水滴補収板間の隙間が、該スプレーノズ
    ルの正面位置に配置されていることを特徴とする、印刷
    機用湿し水供給装置。
  2. 【請求項2】 上記の両広がり水滴補収板間の隙間が、
    3〜50mmの範囲内に設定されていることを特徴とす
    る、請求項1記載の印刷機用湿し水供給装置。
  3. 【請求項3】 該ケースの水元ロール側の開口近傍にお
    ける該水元ロールの回転方向下流側の位置に、該水元ロ
    ールの表面にエアを吹き付ける加圧エア吹出しスリット
    が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2記
    載の印刷機用湿し水供給装置。
  4. 【請求項4】 該スプレーノズルは該水元ロールのロー
    ル幅方向に複数併設され、 該水元ロールのロール幅方向に延在する上記の両広がり
    水滴補収板のうち少なくともいずれか一方の広がり水滴
    補収板の該隙間側の縁部は、上記の複数のスプレーノズ
    ルによる吐出水量の該ロール幅方向への分布状態に対応
    して、吐出水量分布の多い部分ほど該隙間を狭めるよう
    な形状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜
    3のいずれかの項に記載の印刷機用湿し水供給装置。
  5. 【請求項5】 上記一方の広がり水滴補収板の該隙間側
    の縁部は、上記の複数のスプレーノズルによる吐出水量
    の該ロール幅方向への分布特性線と対応した形状に形成
    されていることを特徴とする、請求項4記載の印刷機用
    湿し水供給装置。
  6. 【請求項6】 上記一方の広がり水滴補収板の該ロール
    幅方向端部に、該隙間を上記一方の広がり水滴補収板と
    は独立して調整可能な端部独立補収板が設けられている
    ことを特徴とする、請求項4又は5記載の印刷機用湿し
    水供給装置。
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