JP2001300753A - 鋼材のレーザ切断方法、及びその装置 - Google Patents

鋼材のレーザ切断方法、及びその装置

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JP2001300753A
JP2001300753A JP2000124032A JP2000124032A JP2001300753A JP 2001300753 A JP2001300753 A JP 2001300753A JP 2000124032 A JP2000124032 A JP 2000124032A JP 2000124032 A JP2000124032 A JP 2000124032A JP 2001300753 A JP2001300753 A JP 2001300753A
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cutting
laser
groove
torch
melt
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JP2000124032A
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Hirofumi Imai
浩文 今井
Naoya Hamada
直也 浜田
Hiroyuki Yamamoto
博之 山本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23PMETAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
    • B23P25/00Auxiliary treatment of workpieces, before or during machining operations, to facilitate the action of the tool or the attainment of a desired final condition of the work, e.g. relief of internal stress
    • B23P25/003Auxiliary treatment of workpieces, before or during machining operations, to facilitate the action of the tool or the attainment of a desired final condition of the work, e.g. relief of internal stress immediately preceding a cutting tool
    • B23P25/006Heating the workpiece by laser during machining

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工物である鋼板に特殊な特性を付与する
ことなく、既存の鋼板にそのまま適用できる汎用性の高
いレーザ切断法であって、主切断用のアシストガスへの
外乱を無くし高品質な切断面品質を得ることができる鋼
板のレーザ切断法、及び装置を提供する。 【解決手段】 レーザ照射部を切断線に沿って移動しな
がら、先ず溝形成用レーザを切断部に照射して溝を形成
し、次いで前記溝部分に沿って主切断用レーザを鋼板に
照射して切断部を加熱溶融し鋼板をレーザ切断するに際
し、主切断用トーチと溝形成用トーチとの間に溶融物除
去用ガスノズルを有し、該溶融物除去用ガスノズルの出
口を先行する溝形成用トーチ側に向けて被加工物の未加
工部と相対する方向に溝形成用の溶融物除去用ガスを噴
射し溶融物を除去すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザによる鋼板
の切断技術に関し、特に、高品質の切断面を得ることが
できるレーザ切断方法及びその装置に係る。
【0002】
【従来の技術】鋼板を溶断する方法の一つに、切断部に
レーザビームを照射するとともに酸素ガスを吹き付けて
加熱溶融させて切断加工を行うレーザ切断法がある。従
来の切断法と比較してレーザ切断法は、切断面の精度が
優れており、加工速度が速く、熱影響部の深さも低減で
きるといったメリットがある。
【0003】しかし、レーザ切断では、鋼板の厚みが厚
くなると、板の下方にいくに従って酸素ガスの純度が低
下し、酸化発熱が停滞して溶融物の粘性が上昇し、切断
対象材に酸化物が付着して切断不良を引き起こすことが
知られている。また、鋼材表面には一般的に酸化膜であ
るスケールが付着しているがその厚みや密着性が不均一
であったり、場合によってはマーキング用のペンキや、
油、赤錆等の異物が付着していることもある。このよう
な箇所では切断現象が変わるため断面のえぐれやドロス
付着により切断面が均一でなくなり、切断面品質悪化に
よる切断欠陥となる。
【0004】これらの対策として、アシストガスとし
て、非常に高純度の酸素ガスを用いて、鋼の酸化発熱反
応を促進したり、溶融物の粘性が低くなるように鋼板の
成分を調整する方法(特開平5−112821号公報
等)や、鋼板の製造条件を限定して切断面の表面粗さを
低減したりする方法(特開平7−155975号公報
等)が提案されているが、いずれもレーザ以外の要因を
改善することに重点が置かれており、結果的に厚板の製
造コスト上昇は免れずメリットが少ない。
【0005】これらを解決する方法として、先ず溝形成
用レーザを切断部に照射して溶融させると共に、溝形成
用レーザで溶融した際に発生する溶融物を吹き飛ばす溶
融物除去用のガスを側方から吹き付けることで溶融物を
吹き飛ばして切断部に溝を形成し、次いで溝部に切断用
レーザを照射することで、均一で高品質な切断面を得る
方法(特開平09−088502号公報や、特開平09
−088503号公報)が提案されている。
【0006】しかし、これらの方法においても溶融物除
去用ガスノズルの設置場所、向き、角度等の空間的な配
置が明確に規定されておらず、配置の仕方によっては主
切断用レーザのアシストガスとして使用する高純度酸素
ガスの純度を低下させることになり、酸化発熱反応が得
られにくくなるので、かえって切断面品質を劣化させる
場合がある。また、直線切断でない場合、すなわち形状
切断に対する機構が考慮されていなかった問題もあっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被加工物で
ある鋼板に特殊な特性を付与せず、既存の鋼板にそのま
ま適用できる汎用性の高さを維持したまま、従来までの
技術では明確に定義されていなかった溶融物除去のため
に設置する溶融物除去用ガスノズルの設置場所、向き、
角度等の空間的な配置を明確に規定することで、溶融物
除去用ガスによる主切断用のアシストガスに対する巻き
込みによる外乱の問題を解決し、ガスの切断品質を安定
的に高品質なレーザ切断を実現する鋼板のレーザ切断方
法、及びその装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下の本発
明の構成、すなわち、 (1)レーザ照射部を切断線に沿って移動しながら、先
ず溝形成用レーザを切断部に照射して溝を形成し、次い
で前記溝部分に沿って主切断用レーザを鋼板に照射して
切断部を加熱溶融し鋼板をレーザ切断する方法におい
て、主切断用トーチと溝形成用トーチとの間に溶融物除
去用ガスノズルを有し、該溶融物除去用ガスノズルの出
口を先行する溝形成用トーチ側に向けて被加工物の未加
工部と相対する方向に溝形成用の溶融物除去用ガスを噴
射し溶融物を除去することを特徴とするレーザ切断方
法。 (2)レーザ照射部を切断線に沿って移動しながら、先
ず溝形成用レーザを切断部に照射して溝を形成し、次い
で前記溝部分に沿って主切断用レーザを鋼板に照射して
切断部を加熱溶融し鋼板をレーザ切断する方法におい
て、該溝幅を主切断レーザビームの鋼板上での大きさよ
りも広くすることを特徴とするレーザ切断方法。 (3)レーザ照射部を切断線に沿って移動しながら、先
ずレーザを切断部に照射して溝を形成する溝形成用レー
ザと、次いで形成した溝部分に沿ってレーザを照射して
切断部を加熱溶融し鋼板を切断する主切断用レーザを有
するレーザ切断装置において、主切断用トーチ、溝形成
用トーチおよび溶融物除去用ガスノズルを有し、該溶融
物除去用ガスノズルを前記二つのトーチの中間に配置
し、かつノズルの出口を先行する溝形成用トーチ側に向
けて被加工物の未加工部と相対する方向にしたことを特
徴とするレーザ切断装置。 (4)(3)に記載の鋼板のレーザ切断装置において、
切断線に合わせて溝形成用トーチを常に切断進行方向前
方に配置するように主切断用トーチを中心としてその周
囲を溝形成用トーチと溶融物除去ガス用ノズルが一体と
なって回転する機構を有するレーザ切断用トーチを備え
ることを特徴とするレーザ切断装置。により解決でき
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の方法を実施するためのレーザ切断
用装置の配置図である。レーザ切断用装置は、溝形成用
レーザトーチ4、溶融物除去用ノズル7、及び主切断用
レーザトーチ2で構成され、トーチと鋼板の相対移動時
この工程順に配置される。
【0010】図2にはこれらを空間的に配置するための
パラメータ記号を説明する図面である。溝形成用の溶融
物除去用ガスは、これから溝を形成する方向に向けて噴
射するようにノズル7の上部を傾けて配置する。この
時、溶融物除去用ノズル7と鋼板1とのなす角度をθ、
溶融物除去用ノズル7の狙い地点の延長線と鋼板表面上
との交点と溝形成用トーチ4の中心軸との間隔をLS 、
ノズル最先端部と鋼板表面までの距離をLD 、溶融物除
去ガスの吹き出し圧力をPD として表す。
【0011】次に、溝の付与条件について説明する。鋼
板表面に溝形成用レーザを105W/cm2 以上のパワー密
度にて照射することで、光エネルギーが熱エネルギーに
変換されて鋼材表面の温度は上昇する。そして融点、あ
るいは沸点に至り、溶融域が鋼板の母材の深さまで達す
る。この溶融物は、窒素、あるいはドライエアー等のガ
スを強く吹き付け、溶融物の界面張力を上回るようなガ
ス分子のモーメンタムによる外力を伝達し与えることで
母材から引き離し飛散させることができる。溶融地点に
おいては、溶融物除去用ガスの噴射方向が鋼板移動方向
と反対方向、すなわち、溝の既形成側から未形成側に向
けて吹く方向になるようにする。これにより既に形成さ
れた溝部分に再び溶融物が被ることが無いため均一な溝
を形成することができる。溶融物除去用ガスの噴射方向
は、鋼板の表面に対して斜めに傾けてガス流れを一方向
に整流化し、溶融物除去用ガスの狙い方向延長地点は、
必ず溝形成用トーチの中心軸の後で規定する距離だけ手
前側を狙うようにすることが、均一な形状の溝を形成す
る上で最も確実な方法である。
【0012】図3は本発明による溶融物除去用ガスの狙
い地点と溝形成用トーチの中心軸間の間隔LS と切断欠
陥の発生頻度の関係を示した図である。ここで、溶融物
除去用ガスノズルの出口径をφ=3mm、ドライエアーを
使用し付加圧力をPn =0.7MPa 、LS の符号は、除
去ガスノズルの中心軸が溝形成用トーチの狙い地点より
も手前にある時を正、奥にある時を負となるようにとる
こととした。
【0013】負側の領域では、ガス流れの中心軸よりも
既切断側を流れる速度ベクトルの一部が鋼板表面にぶつ
かった後上表面に沿って溝形成用レーザが照射されてい
る地点から溝が既に形成されている方向に転向するた
め、一旦溶融飛散した溶鋼が再び溝部分に付着・凝固し
てしまう。このような部分を、主切断レーザで切断する
と不規則なバリ部分等でのレーザビームの吸収率が異な
ることも起こり得る。また、レーザビームの空間的強度
分布も母材に達する時点では一様でなくなり、溶融部分
の形状が不規則になり得る。そのため主切断用のアシス
トガスである酸素ガスによる酸化発熱反応も不安定にな
り、結果として切断面の不良を誘発する。この現象は除
去ガスの狙い位置が溝形成レーザの照射地点にちょうど
重なる点(LS =0)に於いても同様となる。
【0014】これに対しLS =0mmを超え正領域に入る
と徐々にガスの流れの速度ベクトルの向きが一様になっ
てくる。溶鋼はガスのモーメンタムによって効率的に飛
ばされるようになり、一様な断面形状を有する溝が形成
できる。LS >2mmでは切断面の欠陥の発生確率は徐々
に増えLS =6mmで40%となる。ここでは溶融部除去
用ガスノズルの出口径をφ=3mm、付加圧力をPn =
0.7MPa としたが、Pn =0.1〜1.0MPa ではい
ずれもほぼ同等の結果となった。これによりガスの付加
条件が一定の場合、LS =1〜2mmの領域に設定するの
が望ましいことがわかる。
【0015】次に、溶融物除去用ガスノズルの位置と主
切断用トーチとの位置関係について説明する。溝形成用
レーザトーチ4と主切断用レーザトーチ2との間に配置
される溶融物除去用ガスノズル7は、その上部を主切断
用レーザトーチ側に傾けその出口を溝形成用トーチ側に
向けて溶融物除去用ガスが既溝形成部分から未溝形成部
分に向けて噴射するようにする。この時、溶融物排除ガ
スが噴射するノズル最先端部と主切断用ノズル2の中心
軸との距離をLM とする。
【0016】レーザ切断はレーザビームによる加熱とア
シストガスとしてレーザビームと同軸に噴射している酸
素ガスによる酸化発熱反応による加熱を利用する熱切断
である。その際、酸素ガスの純度の影響は大であるが、
発明者らの実験からも供給ガス純度として99.6%以
上を使用することが切断面の品質を確保する上で必要で
あることが分かっている。
【0017】切断地点の鋼板上表面位置に於いてこの純
度を下回ると十分な酸化発熱反応が得られず、溶鋼の温
度が十分に上昇しない。このため溶鋼が部材外に排出さ
れるのに必要な粘性まで下がらず残留してしまい切断不
良に至る。このためもし、LM があまりに小さいと溶融
物除去用ガスとして噴射している窒素やドライエアー中
の窒素が、主切断用アシストガスとして使用する高純度
酸素ガスに巻き込み、純度を低下させ切断不良の原因と
なる。
【0018】一方、溝形成用レーザの照射によって昇温
した箇所が再び冷却する前に主レーザ切断を行なうと、
溝形成用レーザの照射による予熱効果を生かすことがで
きる。そして結果として主切断における投入エネルギー
の効率向上に繋がる。このため、可能な限りLM 間の間
隔を近づけることが望ましい。
【0019】そこで、主切断用トーチと溶融物除去用ガ
スノズルの先端部間距離、及び溶融物除去用ガスノズル
の傾斜角度と切断不良発生の関係について記述する。溶
融物除去用ガスは前述したような理由から、主切断用酸
素ガスに巻き込まれると切断欠陥の原因となり得る。主
切断用トーチと溶融物除去用ガスノズルの先端部間距離
によっては主切断用トーチ側に窒素ガスが流れ込み、そ
の影響が切断欠陥として表れることがある。また、巻き
込みによる純度低下は溶融物除去用ガスノズルの傾斜角
度によっても依存しており同様の現象が起こる。そこ
で、主切断用トーチと溶融物除去用ガスノズルをある程
度離すことで窒素を拡散させ酸素純度の低下を抑制する
ことができる。
【0020】図4は本発明による主切断用レーザトーチ
と溶融物除去用ガスノズルの先端部間の距離と切断欠陥
の発生頻度の関係を溶融物除去用ガスノズルの傾斜角度
θ=30゜、60゜、90゜について示した図である。
溶融物除去用ガスノズルの傾斜角度θ=30゜の時、L
M =5mmから急激に切断欠陥の発生確率は減少し、LM
=20mm以上で0に近づく。θ=60゜では、LM =5
mmから徐々に切断欠陥は減少し、LM =30mm以上でよ
うやく切断欠陥の発生確率が10%を切るレベルに下が
る。さらにθ=90゜とすると、LM =30mm離しても
切断欠陥の発生確率は80%程度あり、切断地点におけ
る酸素純度は欠陥が発生しない基準純度99.6%に対
してかなり劣化しているということが言える。
【0021】つまりこの傾向から、溶融物除去用ガスノ
ズルの傾斜角度θは小さくすれば、主切断用レーザトー
チと溶融物除去用ガスノズルの先端部間の距離LM を狭
めることができる。反対に溶融物除去用ガスノズルの傾
斜角度θが大きい場合、LMを大きくとらないと切断欠
陥は無くならない。従って、この結果から溶融物除去用
ガスノズルをθ=30゜の傾斜角度を持たせて溶融物除
去用ガスノズルを配置した場合には、LM =20mm以上
離すことが望ましく、この時の切断欠陥の発生確率はほ
ぼ0とすることができる。
【0022】次に、本発明による切断方法を実現する切
断用レーザヘッドの構成について記述する。図5にその
構成の一例を示す。切断トーチ追従用ノズル押さえ15
によって、主切断用トーチ2、溶融物除去用ガスノズル
7、溝形成用トーチ4は直線上に保持する。そして、溶
融物除去用ガスノズル7、溝形成用トーチ4は一体とな
って、主切断用トーチ2の中心軸17を中心として回転
することができる。回転駆動は専用のサーボモータコン
トローラ18からの命令によって駆動するサーボモータ
ー14をベルトあるいは歯車等の駆動力伝達機構を経て
駆動する方式等を用い、切断トーチ追従用ノズル押さえ
15ごと主切断用トーチ2を中心に任意の角度だけ回転
させる。また、回転後はサーボモータコントローラ18
からの命令によって、溝形成用レーザ4の照射地点と主
切断レーザ照射地点の軌跡とのずれを一定角度以内に保
持しなければならない。このときの回転角度の保持精度
の説明図を図7に示す。溝形成部8の中心線と切断幅1
2の中心線の間隔Xwとしたとき、溝形成幅WG と切断
カーフ幅WK との関係はXw<(WG −WK )/2を満
たさなければならない。つまり、この範囲外では切断幅
部分が溝形成部分をはみ出し、切断不良を引き起こす原
因となる。
【0023】図6に一例として本発明による切断法に
て、鋼板1を四角形に切り抜く時の切断ヘッドの移動軌
跡の上面図を示す。鋼板1上を図中の切断開始地点から
切断終了地点まで矢印に沿って連続して切断する。この
とき溝形成用トーチ4が主切断用トーチ2と溶融物除去
用ノズルに対して常に前方に位置するように、サーボモ
ータ14で角度制御しながら切断追従用ノズル押さえ1
5の位置を決定する。また溝形成幅WG と切断カーフ幅
WKとの関係はXw<(WG −WK )/2を満たすよう
にサーボモータ14を角度制御する。さらに、切断加工
中進行方向の転換に伴い加工速度が時々刻々変化するた
め、場所によって加工形状が変化しないよう、溝形成用
レーザの出力は、鋼板への単位長さ当たりの投入熱量が
一定となるように切断用ヘッドの進行速度に同期させて
出力制御させるものとする。この出力制御は、主切断用
レーザを制御するNC、NCからの加工速度や切断ヘッ
ドの位置等の情報を基にサーボモータコントローラ、あ
るいは上位コンピュータによって行う。
【0024】切断用ヘッドは切断開始地点からスタート
し直線に進み、最初の90゜折曲地点1に溝形成用トー
チ4が差し掛かったところで、サーボモータ14は次の
直線上に沿うように回転速度をコントロールしながら9
0゜回転する。主切断用トーチ2は、その中心軸17を
溝形成用トーチ4が通った道筋を倣って追従する。つま
り主切断用レーザ5は溝形成用レーザによって形成され
た溝形成部8上を常に倣って進む。以降、折曲地点2、
折曲地点3も同様にして切り進み、切断終了地点にて主
切断用レーザ、溝形成用レーザとも停止する。最後に今
まで回転した角度分だけ切断用ヘッドを逆回転してサー
ボモータを停止し切断を完了する。
【0025】
【実施例】図8は、本発明のレーザ切断方法の実施例を
示す図面である。本実施例の装置構成は、溝形成用レー
ザトーチ4、溶融物除去用ガスノズル7、主切断用トー
チ2からなり、未切断側からこの順番で配置される。溝
形成用レーザ6には、波長1.06μmで出力200W
の連続発振のYAGレーザを使用し、コア径φ1.0mm
のSI型光ファイバー13で鋼材表面まで導光した。出
射光学部は組み合わせレンズ9で1:1の縮小率で集光
し、鋼板表層にて約φ1.0mmのビーム径になるように
した。溶融物除去用ガスノズル7は出口径φ=3mmで、
傾斜角度θ=30゜、LD =10mm、LS =2mmとなる
ように配置し、ドライエアーを0.7MPa の元圧として
噴射した。
【0026】また、主切断用レーザには、出力P=60
00Wの連続波レーザ5を使用し、焦点距離f=254
mmのレンズで集光した。主切断用トーチ2と溶融物除去
用ガスノズル7との間隔はLM =20mmとした。主切断
用のアシストガスには99.8%の高純度酸素ガスを使
用し、付加圧力は0.1MPa とした。切断対象の鋼板1
は、厚さz=25mmの普通鋼板で、表面には30μmの
スケール膜3が付着している。また、鋼板の表面には、
赤錆、工業用油、ペンキが付着した物を選定し、各々に
ついてその異物付着箇所を横切るようにして切断を行っ
た。
【0027】速度をv=0.8 m/minとして実験を行っ
た結果、まず溝形成用レーザ単独では溝幅950μm、
溝深さ150μmの溝が形成できた。また、主切断ビー
ムと溝形成レーザを同時照射した場合、いずれの異物付
着箇所においても鋼板裏面はドロスフリーであり、切断
面にはえぐれ等も無く、切断欠陥は全く認められなかっ
た。さらに、これらの異物付着条件について各々100
ずつ切断を施行したが、欠陥発生の確率はいずれも0%
であった。
【0028】本発明による切断用レーザヘッドは、図5
と同じ構成とした。切断トーチ追従用ノズル押さえ15
により、主切断用トーチ2、溶融物除去用ガスノズル
7、溝形成用トーチ4は直線上に保持し、それらを主切
断用トーチ2の中心軸17を中心として回転させた。主
切断用のレーザ切断機のNCから主切断用レーザヘッド
の位置と速度の信号をサーボモータコントローラに受け
渡し、その情報からサーボモータコントローラはモータ
ーの回転速度、回転角度、切断ヘッドの鋼板との相対速
度を計算し位置制御、溝形成レーザの出力制御を行っ
た。このとき、溝形成幅WG =950μm、切断カーフ
幅WG =800μm、両者の中心線の軌跡のずれXw<
50μmであり、Xw<(WG −WK )/2を満たして
いた。
【0029】切断は、図6のように鋼板1上を切断開始
地点から切断終了地点まで矢印に沿って連続して切断
し、3m×5mの長方形状に切り抜いた。切断用ヘッド
は切断開始地点からスタートし直線に進み、最初の90
゜折曲地点1に溝形成用トーチ4が差し掛かったところ
で、サーボモータ14は次の直線上に沿うように回転速
度をコントロールしながら90゜回転し、以降折曲地点
2、折曲地点3も同様にして進み、切断終了地点にて主
切断用レーザ、溝形成用レーザとも停止した。これらの
過程を経て切断完了した被切断材料の切断面は、外周上
どの地点においてもドロス付着や、切断面のえぐれ等が
無く切断欠陥は皆無であった。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、先ず溝形
成用レーザを切断部に照射して溝を形成し、次いで前記
溝部上を溝部分に沿って切断用レーザを照射して切断す
る際に、被加工物の進行方向と相対する方向に溝形成用
の溶融物除去用ガスの噴射するため、主切断用の酸素ガ
スの純度を劣化させることなく、鋼板の表面に依存しな
い安定した切断面品質を得ることができる。この結果、
鋼板の表面性状に依存しない従来の切断方法よりも、切
断欠陥の抑制に対して大幅な効果が見られる。このこと
は切断後のドロス落としなどの後工程を不要とするた
め、製造現場での要員削減やコストの削減に効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するためのレーザ切断用装置
の配置図。
【図2】レーザ切断用装置を空間的に配置するためのパ
ラメータ群の説明図。
【図3】本発明による溶融物除去用ガスノズルの狙い地
点と溝形成用トーチの中心軸間の間隔と切断欠陥の発生
頻度の関係図。
【図4】本発明による主切断用レーザトーチと溶融物除
去用ガスノズルの先端部分との間の距離と切断欠陥の発
生頻度の関係図。
【図5】本発明による切断用レーザヘッドの構成図。
【図6】本発明による切断ヘッドの移動軌跡の上面図。
【図7】本発明による切断ヘッド回転角度の保持精度の
説明図。
【図8】本発明のレーザ切断方法の実施例の説明図。
【符号の説明】
1 鋼板 2 主切断用トー
チ 3 スケール 4 溝形成用レー
ザトーチ 5 主切断用レーザ 6 溝形成用レー
ザ 7 溶融物除去用ガス噴射ノズル 8 溝形成部 9 集光レンズ 10 切断用レーザ
集光部 11 溝形成用レーザ集光部 12 被切断部 13 ファイバー 14 サーボモー
ター 15 切断トーチ追従用ノズル押さえ 16 未切断部 17 回転軸 18 サーボモータコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 博之 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4E068 AE00 CD15 CG01 CH07 CJ01 DA14 DB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ照射部を切断線に沿って移動しな
    がら、先ず溝形成用レーザを切断部に照射して溝を形成
    し、次いで前記溝部分に沿って主切断用レーザを鋼板に
    照射して切断部を加熱溶融し鋼板をレーザ切断する方法
    において、主切断用トーチと溝形成用トーチとの間に溶
    融物除去用ガスノズルを有し、該溶融物除去用ガスノズ
    ルの出口を先行する溝形成用トーチ側に向けて被加工物
    の未加工部と相対する方向に溝形成用の溶融物除去用ガ
    スを噴射し溶融物を除去することを特徴とするレーザ切
    断方法。
  2. 【請求項2】 レーザ照射部を切断線に沿って移動しな
    がら、先ず溝形成用レーザを切断部に照射して溝を形成
    し、次いで前記溝部分に沿って主切断用レーザを鋼板に
    照射して切断部を加熱溶融し鋼板をレーザ切断する方法
    において、該溝幅を主切断レーザビームの鋼板上での大
    きさよりも広くすることを特徴とするレーザ切断方法。
  3. 【請求項3】 レーザ照射部を切断線に沿って移動しな
    がら、先ずレーザを切断部に照射して溝を形成する溝形
    成用レーザと、次いで形成した溝部分に沿ってレーザを
    照射して切断部を加熱溶融し鋼板を切断する主切断用レ
    ーザを有するレーザ切断装置において、主切断用トー
    チ、溝形成用トーチおよび溶融物除去用ガスノズルを有
    し、該溶融物除去用ガスノズルを前記二つのトーチの中
    間に配置し、かつノズルの出口を先行する溝形成用トー
    チ側に向けて被加工物の未加工部と相対する方向にした
    ことを特徴とするレーザ切断装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の鋼板のレーザ切断装置
    において、切断線に合わせて溝形成用トーチを常に切断
    進行方向前方に配置するように主切断用トーチを中心と
    してその周囲を溝形成用トーチと溶融物除去ガス用ノズ
    ルが一体となって回転する機構を有するレーザ切断用ト
    ーチを備えることを特徴とするレーザ切断装置。
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