JP2001300209A - 濾過装置 - Google Patents

濾過装置

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JP2001300209A
JP2001300209A JP2000123841A JP2000123841A JP2001300209A JP 2001300209 A JP2001300209 A JP 2001300209A JP 2000123841 A JP2000123841 A JP 2000123841A JP 2000123841 A JP2000123841 A JP 2000123841A JP 2001300209 A JP2001300209 A JP 2001300209A
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pipe
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Yosuke Yamada
要輔 山田
Tadashi Suehiro
正 末廣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ脱脂液やセメント混入液を、効率的
に濾過すると共に、濾過材料の交換を不要にする。 【解決手段】 筒状体2内に配置した上ネット4と下ネ
ット5の間に、無機質粒状材である濾過材料7が入れら
れている。下方の供給空間6cから汚濁液を供給する
と、濾過材料7は浮上し、汚濁液は、浮上した濾過材料
7中を下方から上方に流通することにより濾過される。
濾過された液は、排出空間6aから排出される。汚濁物
15により目詰まりしたら、液の供給を停止して、攪拌
翼8aを回転して濾過材料7を攪拌すると、濾過材料7
は濾過空間6bに留まったままで、汚濁物15のみが、
下ネット5を通過して下方の供給空間6cに落下し、汚
濁物15の除去ができ、目詰まりの解消ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚濁液を濾過する
ことにより液中に含まれている汚濁物を物理的に除去す
る濾過装置に関するものであり、工場廃液等を確実かつ
効率的に濾過処理することができるように工夫したもの
である。
【0002】
【従来の技術】工場や工事現場では、多量の汚濁液が発
生する。この汚濁液をそのまま外部に排出したのでは公
害が発生するため、汚濁液中に混入している汚濁物を除
去して排水したいという要望がある。
【0003】汚濁液としては、例えば次のようなものが
ある。 (1)アルカリ脱脂液。 (2)工場で生じる乳化廃液。 (3)水溶性研削液。 (4)鉄板や銅板やステンレス板をバフ研磨するときに
使用した水溶液(この水溶液中には、鉄粉や銅粉やステ
ンレス粉等の金属粉が混入している)。 (5)道路工事現場や建築現場にて発生するセメント混
入水。 (6)塗料混入水。
【0004】従来では、この様な汚濁液をフィルタ等で
濾過しようとしたり、金属粉を磁石により吸着して除去
しようとしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述したよう
な汚濁液には多量の汚濁物が混入しているため、フィル
タ等で濾過しようとしても、短時間でフィルタ等が目詰
まりしてしまう。また目詰まりしたこのフィルタ等を交
換するため、交換作業が面倒である。更に、交換した使
用済のフィルタ等が新たな廃棄物となり、このフィルタ
をそのまま廃棄したのでは新たに公害が発生してしまい
問題であった。
【0006】また、汚濁液としては、酸性液やアルカリ
液や油混入液があり、これらの液に耐える部材により、
濾過等をしなければならないが、酸やアルカリに侵され
ることなく濾過処理ができる適当な濾過装置がなかっ
た。
【0007】さらに、金属粉を磁石により吸着しようと
しても、その効率は悪く、また、金属粉以外の汚濁物の
除去はできなかった。
【0008】本発明は、上記従来技術に鑑み、中性の汚
濁液のみならず酸性やアルカリ性の汚濁液であっても汚
濁液から汚濁物を物理的に濾過・除去することができ、
しかも、濾過材料の交換が不要な濾過装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、軸の向きが上下方向に沿う状態で設置され
ると共に処理液が下方から上方に向けて内部に流通され
る筒状体と、この筒状体の内部にて軸方向に離間して張
られた上ネット及び下ネットと、前記筒状体の内周面と
前記上ネットと前記下ネットとで囲まれる空間に入れら
れた粒状材でなる濾過材料と、前記濾過材料を攪拌する
攪拌構造とを有することを特徴とする。
【0010】また本発明の構成は、軸の向きが上下方向
に沿う状態で設置されると共に処理液が内部に流通され
る筒状体と、下方に向かうに従い開口面積が狭められる
形状となって前記筒状体の内部に配置されて、この筒状
体の内部を上室と下室とに区画する漏斗部材と、前記筒
状体の上室の内部にて軸方向に離間して張られた上ネッ
ト及び下ネットと、前記筒状体の内周面と前記上ネット
と前記下ネットとで囲まれる空間に入れられた粒状材で
なる濾過材料と、前記濾過材料を攪拌する攪拌構造とを
有することを特徴とする。
【0011】また本発明の濾過装置の構成は、前記処理
液を前記下ネットと前記漏斗部材との間に噴出すると共
に、前記処理液の噴出の際に生じる噴出作用を利用し
て、前記下室内に存在する処理液を吸引して下室の処理
液圧力を上室の処理液圧力よりも低下させる処理液供給
手段を有することを特徴とする。この処理液供給手段
は、外管の内部に内管を配置してなる二重管で形成され
ると共に、先端開口が前記下ネットと前記漏斗部材との
間に臨み、前記外管と前記内管との間を通して前記処理
液を供給する供給パイプと、前記下室と前記内管とを連
通する減圧用パイプとで構成されていることを特徴とす
る。また処理液供給手段は、先端開口が前記下ネットと
前記漏斗部材との間に臨んで前記処理液を供給すると共
に、絞り部を有する供給管と、前記下室と前記絞り部と
を連通する減圧用パイプとで構成されていることを特徴
とする。
【0012】また前記濾過材料は無機質粒状材であるこ
とを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0014】<第1の実施の形態>図1は本発明の第1
の実施の形態にかかる濾過装置1を示す。この濾過装置
1の筒状体2は、その軸の向きが上下方向に沿う状態で
設置(取り付け、配置)されるものであり、上端面が上
蓋3aにより閉止されており、下端面が下蓋3bにより
閉止されている。この筒状体2内には、後述するよう
に、汚濁液等の処理液が下方から上方に向けて流通され
る。
【0015】筒状体2の内部には、軸方向(上下方向)
に離間して、上ネット4と下ネット5が張られている。
つまり、上ネット4及び下ネット5は、筒状体2内を流
通する処理液が全て透過する状態で、張り渡されて筒状
体2に配置されている。そして、上ネット4と上蓋2a
との間に排出空間6aが形成され、上ネット4と下ネッ
ト5の間に濾過空間6bが形成され、下ネット5と下蓋
2bとの間に供給空間6cが形成されている。
【0016】濾過空間6b、つまり筒状体2の内周面と
上ネット4と下ネット5とで囲まれる空間には、多数の
粒状材でなる濾過材料7が入れられている。この濾過材
料7の個々の粒状材は、比重が軽く、且つ、酸やアルカ
リに侵されることがなく、しかも、その粒径が上ネット
4及び下ネット5のネット径よりも大きいものを採用し
ている。
【0017】濾過材料7の具体例としては、例えば、フ
ヨーライト(商品名:芙蓉パーライト株式会社製)を用
いることができる。このフヨーライトは、黒曜石を粉砕
して焼成加工した無機質粒状材であり、独立気泡をガラ
ス質の皮膜で覆った軽量発泡体であり、その比重は0.
08〜0.6であり、一般にはセメントの骨材として使
用されている。ちなみに、このような無機質粒状材を濾
過材料として使用することは、本願発明により新たに開
発した新規な用途である。
【0018】なお濾過材料としては、ガラスバルーンや
ガラスビーズやプラスチック粒等を使用することができ
る。なお、ガラスバルーンとは、内部に気泡を有するガ
ラス球である。
【0019】攪拌棒8は、筒状体2の軸方向に延びる状
態で、筒状体2に回転自在に取り付けられている。この
攪拌棒8のうち濾過空間6bに位置する部分には、攪拌
翼8aが取り付けられている。そして、攪拌棒8の上端
に備えたハンドル8bを回転させると攪拌棒8が回転
し、これにより攪拌翼8aが回転して濾過材料7を攪拌
させることができる。
【0020】このような構成となっている濾過装置1の
供給空間6cには、ポンプPが介装された供給パイプ1
1と、ドレン弁12aが介装されたドレンパイプ12が
連結され、排出空間6aには排出パイプ13が連結され
る。
【0021】濾過装置1に処理液が供給されていないと
きには、図1に示すように、濾過材料7は、個々の粒状
材の間に、ある程度の隙間を持った状態で、濾過空間6
b内に入っている。
【0022】濾過処理をする際にはドレン弁12aを閉
じた状態で、貯溜槽(図示省略)に貯溜している汚濁液
などの処理液を、ポンプP及び供給パイプ11を介し
て、供給空間6cに供給する。そうすると、処理液は筒
状体2を下方から上方に向かって流れる。
【0023】このようにして処理液を筒状体2に供給す
ると、比重の小さい濾過材料7は浮上して、図2に示す
ように、個々の粒状材が緊密に押しつけられた稠密状態
となると共に、濾過材料7の下面と下ネット5との間に
隙間ができる。
【0024】処理液は、濾過材料7の中を下方から上方
に向かって流通することにより、濾過される。濾過され
た処理液は、排出空間6aから排出パイプ13を介し
て、再び貯溜槽に戻される。つまり、処理液はこの濾過
装置1と貯溜槽との間で循環流通され、濾過材料7を複
数回通過して濾過されることにより清澄になっていく。
【0025】このようにして処理液中の汚濁物の濾過・
除去が完了したら、処理液の循環流通をやめ、貯溜槽中
の処理液(清澄になった処理液)を外部環境に排出する
ことができる。
【0026】濾過された液は、汚濁物が濾過・除去され
ているため清澄であり、そのまま外部環境に排出して
も、公害の発生の恐れはない。また工場等において、工
業用水として再利用することができる。また、汚濁液が
酸性やアルカリ性である場合等には、必要に応じて化学
的な中和処理をしてから排出する。更に、濾過された液
を、中空糸膜による精密濾過をすることにより、より品
質のよい清澄水として再使用することもできる。
【0027】上述したような濾過作業を続けていくと、
図2に示すように、濾過材料7には汚濁物15が付着す
る。特に濾過材料7の下面に汚濁物15が付着する。こ
の汚濁物は堆積して成長し、塊状や粘土状となってい
く。この汚濁物15の一部は、濾過材料7の下面から自
然に剥離して下方に沈殿するものもある。下方に沈殿し
た汚濁物15は、下ネット5を通過して供給空間6cに
入り沈殿する。
【0028】処理液を循環流通させている濾過作業の途
中や、処理液の循環流通はさせていないが筒状体2内に
処理液が残留しているときに、ドレン弁12aを開放す
ると、沈殿した汚濁物15を処理液と共に外部に排出す
ることができる。汚濁物15を含む処理液(ドレン排
水)は少量であるので、簡単に無害化処理することがで
きる。
【0029】濾過材料7の下面に堆積した汚濁物15の
量がある程度以上になると、処理液が濾過材料7を通過
しにくくなり、排出空間6aから排出される処理液の量
が低下してくる。このため排出空間6aから排出される
処理液の量が、一定量以下になったら、次に示すような
回復作業をする。
【0030】この回復作業では、ポンプPの運転を停止
して処理液の循環流通を停止し、筒状体2内にある処理
液を抜いていく。少なくとも、筒状体2内に残留してい
る処理液の液面が、下ネット5よりも下方になるまで処
理液を抜いていく。このようにすると、濾過材料7は処
理液中に浮くことができなくなり、図1に示すように、
濾過材料7の下面が下ネット5に接するとともに、濾過
材料7の個々の粒状材の間に、ある程度の隙間が生じ
る。
【0031】この状態でハンドル8bを回して、攪拌翼
8aを回転させると、濾過材料7の個々の粒状材が攪拌
され、濾過材料7の個々の粒状材に付着していた汚濁物
が下方に移動してきて供給空間6cに落下する。特に、
濾過材料7の下面に付着・堆積していた汚濁物15は、
攪拌の振動により簡単に供給空間6cに落下する。この
ため、濾過材料8が濾過空間6bに留まったままで、汚
濁物15のみが下ネット5を通過して下方の供給空間6
cに落下していく。このため、濾過材料8と汚濁物15
との分離・除去が確実に短時間でできる。
【0032】なお、仮に下ネット5が無い場合には、攪
拌により汚濁物が粒状材から剥離・脱落しても、剥離・
脱落した汚濁物と粒状材とが同じ空間にあるため、汚濁
物の再付着が発生してしまい、汚濁物の分離・除去を効
率的に行うことはできない。
【0033】上述した回復作業のときに、供給空間6c
に処理液を残しておけば、上述したようにして供給空間
6cに落下してきた汚濁物15は、ドレン弁12aを開
くことにより、処理液と共に外部に排出することができ
る。
【0034】このような回復作業が完了したら、再び濾
過作業を行うことができる。つまり、汚濁物15により
目詰まりが発生しても、回復作業をすることにより目詰
まりを解消することができ、濾過材料7の交換は不要で
ある。
【0035】また、濾過材料としてフヨーライトのよう
な無機質粒状材を採用した場合には、酸やアルカリに侵
されることがないので、酸性やアルカリ性の処理液の濾
過ができる。
【0036】なお上記例では、濾過材料7として比重が
1よりも小さい粒状材を採用しているが、比重が1より
も大きい粒状材を濾過材料として採用することができ
る。例えば比重が1.2〜1.3程度の粒状材を濾過材
料として採用することができる。このようにした場合に
は、処理液を供給しても濾過材料(粒状材)は浮くこと
はないが、処理液の流体圧力により、濾過材料(粒状
材)が上方に押しつけられ、濾過作業中には図2に示す
ように、濾過材料は下ネット5から上方にシフトし、個
々の粒状材が緊密に押しつけられた稠密状態となり、良
好に濾過をすることができる。
【0037】また、回復作業のときには、処理液を筒状
体2から抜かなくても、比重の大きい濾過材料は下方に
シフトして下ネット5に接する状態となり、攪拌により
回復作業をすることができる。もちろん、回復作業のと
きに完全に処理液を抜くようにしても良い。
【0038】<第2の実施の形態>次に本発明の第2の
実施の形態にかかる濾過装置50を、図3及び図4を参
照して説明する。なお図3は処理液が供給されていない
ときの状態を示し、図4は処理液が供給されているとき
の状態を示す。
【0039】図3及び図4に示すように、この濾過装置
50の筒状体51は、その軸の向きが上下方向に沿う状
態で設置(取り付け、配置)されるものであり、上端面
が上蓋52aにより閉止されており、下端面が下蓋52
bにより閉止されている。この筒状体51内には、後述
するように、汚濁液等の処理液が下方から上方に向けて
流通される。
【0040】筒状体51の内部の上下方向の略中央には
漏斗部材53が配置されており、この漏斗部材53によ
り、筒状体51は上室54と下室55とに区画されてい
る。漏斗部材53は下方に向かうに従い開口面積が狭め
られるような円錐形状面となっており、下端面が開口面
53aとなっている。この開口面53aを介して、上室
54と下室55とが連通している。
【0041】筒状体51の上室54の内部には、軸方向
(上下方向)に離間して、上ネット56と下ネット57
が張られている。つまり、上ネット56及び下ネット5
7は、筒状体51内を流通する処理液が全て透過する状
態で、張り渡されて筒状体51に配置されている。そし
て、上ネット56と上蓋52aとの間に排出空間58a
が形成され、上ネット56と下ネット57の間に濾過空
間58bが形成され、下ネット57と漏斗部材53との
間に供給空間58cが形成されている。
【0042】濾過空間58b、つまり筒状体51の内周
面と上ネット56と下ネット57とで囲まれる空間に
は、多数の粒状材でなる濾過材料59が入れられてい
る。この濾過材料59の個々の粒状材は、比重が軽く、
且つ、酸やアルカリに侵されることがなく、しかも、そ
の粒径が上ネット56及び下ネット57のネット径より
も大きいものを採用している。濾過材料59の具体例と
しては、例えば、フヨーライト(商品名:芙蓉パーライ
ト株式会社製)を用いることができる。
【0043】なお濾過材料としては、ガラスバルーンや
ガラスビーズやプラスチック粒等を使用することができ
る。なお、ガラスバルーンとは、内部に気泡を有するガ
ラス球である。
【0044】攪拌棒60は、筒状体51の上室54内を
軸方向に延びる状態で、筒状体51に回転自在に取り付
けられている。この攪拌棒60のうち濾過空間58bに
位置する部分には、攪拌翼60aが取り付けられてい
る。そして、攪拌棒60の上端には回転駆動部61が連
結されている。回転駆動部61にはモータ等が内蔵され
ており、この回転駆動部61により攪拌棒60を回転さ
せると、攪拌翼60aが回転し、濾過材料59を攪拌さ
せることができる。
【0045】排出空間58aには、流量計62が介装さ
れた排出パイプ63が連結されている。そして、排出空
間58aから排出される処理液の量、つまり、流量計6
2により検出した流量が、予め設定した設定流量よりも
少なくなったら、回転駆動部61により攪拌棒60を回
転させて、攪拌翼60aにより濾過材料59の攪拌をす
るようにしている。
【0046】一方、供給管70は、外管70aと内管7
0bとでなる二重管である。この供給管70は、下蓋5
2bを貫通して筒状体51の下室55内を軸方向に延び
ており、供給管70の先端開口部分は、漏斗部材53の
開口面53aを貫通して上室54の供給空間58cに臨
むように配置されている。
【0047】そして、供給管70の外管70aの下端に
は、ポンプPが介装された供給パイプ71が連結されて
いる。また、内管70bの下端には、減圧用パイプ72
が連結されており、この減圧用パイプ72の入口端72
aは下室55の上部に開口している。つまり、減圧用パ
イプ72は、下室55の上部と内管70bの下端とを連
通している。また下室55には、ドレン弁73aが介装
されたドレンパイプ73が連結されている。
【0048】濾過処理をする際にはドレン弁73aを閉
じた状態で、貯溜槽(図示省略)に貯溜している汚濁液
などの処理液を、ポンプPにより供給パイプ71及び供
給管70を介して、供給空間58cに供給する。そうす
ると、処理液は、筒状体51の内部に満たされる。
【0049】このようにして処理液を筒状体51に供給
すると、比重の小さい濾過材料59は浮上して、図4に
示すように、個々の粒状材が緊密に押しつけられた稠密
状態となると共に、濾過材料59の下面と下ネット57
との間に隙間ができる。
【0050】処理液は、濾過材料59の中を下方から上
方に向かうことにより、濾過される。濾過された処理液
は、排出空間58aから排出パイプ63を介して、再び
貯溜槽に戻される。つまり、処理液はこの濾過装置50
と貯溜槽との間で循環流通され、濾過材料59を複数回
通過して濾過されることにより清澄になっていく。
【0051】このようにして処理液中の汚濁物の濾過・
除去が完了したら、処理液の循環流通をやめ、貯溜槽中
の処理液(清澄になった処理液)を外部環境に排出する
ことができる。
【0052】濾過された液は、汚濁物が濾過・除去され
ているため清澄であり、そのまま外部環境に排出して
も、公害の発生の恐れはない。また工場等において、工
業用水として再利用することができる。また、汚濁液が
酸性やアルカリ性である場合等には、必要に応じて化学
的な中和処理をしてから排出する。更に、濾過された液
を、中空糸膜による精密濾過をすることにより、より品
質のよい清澄水として再使用することもできる。
【0053】上述したような濾過作業を続けていくと、
図4に示すように、濾過材料59には汚濁物74が付着
する。特に濾過材料59の下面に汚濁物74が付着す
る。この汚濁物は堆積して成長し、塊状や粘土状となっ
ていく。この汚濁物74の一部は、濾過材料59の下面
から自然に剥離して下方に沈殿するものもある。
【0054】濾過材料59の下面に堆積した汚濁物74
の量がある程度以上になると、処理液が濾過材料59を
通過しにくくなり、排出空間58aから排出される処理
液の量が低下してくる。そして、流量計62により検出
した流量が、予め設定した設定流量よりも少なくなった
ら、自動的に回復作業に移行し、ポンプPの運転を停止
して処理液の循環流通を停止すると共に、回転駆動部6
1により攪拌棒60を回転させて、攪拌翼60aにより
濾過材料59の攪拌をする。
【0055】この回復作業では、筒状体51内にある処
理液を抜いていく。少なくとも、筒状体51内に残留し
ている処理液の液面が、下ネット57よりも下方になる
まで処理液を抜いていく。このようにすると、濾過材料
59は処理液中に浮くことができなくなり、図3に示す
ように、濾過材料59の下面が下ネット57に接すると
ともに、濾過材料59の個々の粒状材の間に、ある程度
の隙間が生じる。
【0056】この状態で攪拌翼60aを回転させると、
濾過材料59の個々の粒状材が攪拌され、濾過材料59
の個々の粒状材に付着していた汚濁物が下方に移動して
きて供給空間58cに落下する。特に、濾過材料59の
下面に付着・堆積していた汚濁物74は、攪拌の振動に
より簡単に供給空間58cに落下する。落下した汚濁物
53の一部は、自重により、漏斗部材53の表面に沿っ
て下方に移動し、開口面53a通って下室55に落下す
る。
【0057】このため、濾過材料59が濾過空間58b
に留まったままで、汚濁物74のみが下ネット57を通
過して下方に落下していく。このため、濾過材料59と
汚濁物74との分離・除去が確実に短時間でできる。
【0058】上述した回復作業のときに、下室55に処
理液を残しておけば、上述したようにして下室55に落
下してきた汚濁物74は、ドレン弁73aを開くことに
より、処理液と共に外部に排出することができる。
【0059】処理液を循環流通させている濾過作業の途
中や、処理液の循環流通はさせていないが筒状体51内
に処理液が残留しているときに、ドレン弁73aを開放
すると、沈殿した汚濁物74を処理液と共に外部に排出
することができる。汚濁物74を含む処理液(ドレン排
水)は少量であるので、簡単に無害化処理することがで
きる。
【0060】このような回復作業が完了したら、再び濾
過作業を行うことができる。つまり、汚濁物74により
目詰まりが発生しても、回復作業をすることにより目詰
まりを解消することができ、濾過材料59の交換は不要
である。
【0061】再濾過を開始し、ポンプPにより供給パイ
プ71から処理液を外管70aに供給すると、処理液
は、外管70aと内管70bとの間の空間を通って上方
に向かって流れ、外管70aの上端面から供給空間58
cに噴出される。
【0062】筒状体51の内部が処理液で満たされてい
る場合には、外管70aと内管70bとの間の空間を通
って上方に向かって流れてきた処理液が、外管70aの
上端面から供給空間58cに噴出されることにより、内
管70b内の処理液も吸引されて引き出される。つま
り、エジェクターの原理により内管70b内の処理液が
吸引されて供給空間58cに噴射される。
【0063】このため、下室55の上部、つまり減圧用
パイプ72の入口端72aが開口している部分の処理液
圧力が低下する。この結果、供給空間58cの処理液圧
力が高く、下室55の上部空間の処理液圧力が低くなる
ため、図4中に矢印で示すように、漏斗部材53aに沿
い上方(供給空間58c側)から、開口面53aを通
り、下室55の上部に向かう流れが生じる。なお、殆ど
の処理液は、濾過空間58bを通って上方に流れてい
る。
【0064】このように、下方に向かう流れにより、供
給空間58cに落下してきた汚濁物74は、漏斗部材5
3に沿い下方に移動し、開口面53aから下室55側に
落下する。下室55に落下した汚濁物74は下室55の
下方に沈殿する。このため、供給空間58c内に落下し
た汚濁物74を確実に下室55側に移すことができる。
【0065】漏斗部材53は下方に向かうに従い開口面
積が狭められるような円錐形状面となっているため、下
室55に移動した汚濁物74が上室54側に戻ってくる
ことは殆ど無い。この結果、濾過材料59と汚濁物74
との分離・除去を効率的に行うことができる。
【0066】また、濾過材料としてフヨーライトのよう
な無機質粒状材を採用した場合には、酸やアルカリに侵
されることがないので、酸性やアルカリ性の処理液の濾
過ができる。
【0067】なお上記例では、濾過材料59として比重
が1よりも小さい粒状材を採用しているが、比重が1よ
りも大きい粒状材を濾過材料として採用することができ
る。このようにした場合には、処理液を供給しても濾過
材料(粒状材)は浮くことはないが、処理液の流体圧力
により、濾過材料(粒状材)が上方に押しつけられ、濾
過作業中には図3に示すように、濾過材料は下ネット5
7から上方にシフトし、個々の粒状材が緊密に押しつけ
られた稠密状態となり、良好に濾過をすることができ
る。
【0068】また、回復作業のときには、処理液を筒状
体51から抜かなくても、比重の大きい濾過材料は下方
にシフトして下ネット57に接する状態となり、攪拌に
より回復作業をすることができる。もちろん、回復作業
のときに完全に処理液を抜くようにしても良い。
【0069】<第3の実施の形態>図5は第3の実施の
形態にかかる濾過装置50Aを示す。この濾過装置50
Aは、図3,図4に示す濾過装置50の一部を変更した
ものであるので、変更部分を中心に説明をする。
【0070】図5に示すように、この濾過装置50Aの
供給管80は中央部に絞り部80aを有している。この
供給管80は、下蓋52bを貫通して筒状体51の下室
55内を軸方向に延びており、供給管80の先端開口部
分は、漏斗部材53の開口面53aを貫通して上室54
の供給空間58cに臨むように配置されている。
【0071】そして、供給管80の下端には、ポンプP
が介装された供給パイプ81が連結されている。また、
絞り部80aには、減圧用パイプ82の下端が連結され
ており、この減圧用パイプ82の上端開口は下室55の
上部に開口している。つまり、減圧用パイプ82は、下
室55の上部と絞り部80aとを連通している。
【0072】他の部分の構成は、図3,図4に示す第2
の実施の形態にかかる濾過装置50と同様である。
【0073】濾過作業のために、ポンプPにより供給パ
イプ81から処理液を供給管80に供給すると、処理液
は、供給管80を通って上方に向かって流れ、供給管8
0の上端面から供給空間58cに噴出される。
【0074】筒状体51の内部が処理液で満たされてい
る場合には、供給管80の絞り部80aでの流速が速い
ため、減圧用パイプ82内の処理液も吸引されて引き出
される。つまり、エジェクターの原理により減圧用パイ
プ82内の処理液が吸引されて供給空間58cに噴射さ
れる。
【0075】このため、下室55の上部、つまり減圧用
パイプ82の上端が開口している部分の処理液圧力が低
下する。この結果、供給空間58cの処理液圧力が高
く、下室55の上部空間の処理液圧力が低くなるため、
図5中に矢印で示すように、漏斗部材53aに沿い上方
(供給空間58c側)から、開口面53aを通り、下室
55の上部に向かう流れが生じる。なお、殆どの処理液
は、濾過空間58bを通って上方に流れている。
【0076】このように、下方に向かう流れにより、供
給空間58cに落下してきた汚濁物74は、漏斗部材5
3に沿い下方に移動し、開口面53aから下室55側に
落下する。下室55に落下した汚濁物74は下室55の
下方に沈殿する。このため、供給空間58c内に落下し
た汚濁物74を確実に下室55側に移すことができる。
【0077】<変形例>更にまた、筒状体51の外部に
配置したパイプにより、上室55の上部と供給空間58
cとを繋ぎ、ポンプにより下室55側の処理液を吸引し
て供給空間58c側に送るように構成することによって
も、漏斗部材53aに沿い上方(供給空間58c側)か
ら、開口面53aを通り、下室55の上部に向かう流れ
を生じさせることもできる。
【0078】なお、第2及び第3の実施の形態(図3〜
図5)では、濾過装置として、濾過材料を用いた浮上式
の濾過装置を採用しているが、中空糸膜を用いた濾過装
置とすることもできる。このような中空糸膜型の濾過装
置においても、エジェクタの原理を利用して下室55側
を低圧にし、汚濁物を効果的に下室55側に流入させる
ことができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、上ネッ
トと下ネットの間に入れた濾過材料に対して、下方から
処理液を供給することにより、処理液を確実かつ効率的
に濾過することができる。
【0080】また濾過材料が目詰まりしても、攪拌構造
により濾過材料を攪拌することにより目詰まりが解消す
るため、濾過材料の交換は不要であり濾過材料は半永久
的に使用することができる。
【0081】更に、剥離した汚濁物と濾過材料とを確実
に分離・除去をすることができるため、濾過効率が向上
する。
【0082】また濾過材料として無機質粒状材を採用す
ることにより、酸性やアルカリ性の処理液の濾過をする
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる濾過装置を
示す構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる濾過装置を
示す構成図。
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかる濾過装置を
示す構成図。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかる濾過装置を
示す構成図。
【図5】本発明の第3の実施の形態にかかる濾過装置を
示す構成図。
【符号の説明】
1,50,50A 濾過装置 2,51 筒状体 4,56 上ネット 5,57 下ネット 8a 攪拌翼 53 漏斗部材 54 上室 55 下室 70 供給管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸の向きが上下方向に沿う状態で設置さ
    れると共に処理液が下方から上方に向けて内部に流通さ
    れる筒状体と、 この筒状体の内部にて軸方向に離間して張られた上ネッ
    ト及び下ネットと、 前記筒状体の内周面と前記上ネットと前記下ネットとで
    囲まれる空間に入れられた粒状材でなる濾過材料と、 前記濾過材料を攪拌する攪拌構造とを有することを特徴
    とする濾過装置。
  2. 【請求項2】 軸の向きが上下方向に沿う状態で設置さ
    れると共に処理液が内部に流通される筒状体と、 下方に向かうに従い開口面積が狭められる形状となって
    前記筒状体の内部に配置されて、この筒状体の内部を上
    室と下室とに区画する漏斗部材と、 前記筒状体の上室の内部にて軸方向に離間して張られた
    上ネット及び下ネットと、 前記筒状体の内周面と前記上ネットと前記下ネットとで
    囲まれる空間に入れられた粒状材でなる濾過材料と、 前記濾過材料を攪拌する攪拌構造とを有することを特徴
    とする濾過装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記処理液を前記下ネットと前記漏斗部材との間に噴出
    すると共に、前記処理液の噴出の際に生じる噴出作用を
    利用して、前記下室内に存在する処理液を吸引して下室
    の処理液圧力を上室の処理液圧力よりも低下させる処理
    液供給手段を有することを特徴とする濾過装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記処理液供給手段は、外管の内部に内管を配置してな
    る二重管で形成されると共に、先端開口が前記下ネット
    と前記漏斗部材との間に臨み、前記外管と前記内管との
    間を通して前記処理液を供給する供給パイプと、 前記下室と前記内管とを連通する減圧用パイプとで構成
    されていることを特徴とする濾過装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 前記処理液供給手段は、先端開口が前記下ネットと前記
    漏斗部材との間に臨んで前記処理液を供給すると共に、
    絞り部を有する供給管と、 前記下室と前記絞り部とを連通する減圧用パイプとで構
    成されていることを特徴とする濾過装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    おいて、 前記濾過材料は無機質粒状材であることを特徴とする濾
    過装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2470694C1 (ru) * 2011-08-30 2012-12-27 Российская Федерация, от имени которой выступает Государственная корпорация по атомной энергии "Росатом" - Госкорпорация "Росатом" Сорбционный фильтр

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RU2470694C1 (ru) * 2011-08-30 2012-12-27 Российская Федерация, от имени которой выступает Государственная корпорация по атомной энергии "Росатом" - Госкорпорация "Росатом" Сорбционный фильтр

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