JP2001299386A - 酵素濃度の測定方法および酵素濃度の測定装置 - Google Patents
酵素濃度の測定方法および酵素濃度の測定装置Info
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Abstract
酵素濃度測定方法を提供すること。 【解決手段】 測定試料液の1または2種以上の酵素濃
度を測定する方法であって、各酵素に対する抗酵素抗体
を担体の特定部位に担持させ、該担体に測定試料液を添
加して、各抗酵素抗体に、対応する測定試料液中の酵素
を各々捕捉させ、次いで各酵素に対応する基質を少なく
とも含む酵素反応液を添加して、各々の酵素反応産物を
生成させ、該酵素反応産物を分析することにより各酵素
の濃度を測定することを特徴とする。
Description
る方法及び酵素濃度測定装置に関する。より詳しくは、
血液、尿などの体液中の酵素濃度を測定する方法および
測定装置に関する。
定する方法は知られている。具体的には、測定試料中の
「遊離状態」の酵素の活性を測定する方法であり、酵素
活性の測定には、吸光度変化、電極反応などを利用する
方法が挙げられる。この方法においては、反応液中で均
一な反応が行われることが重要である。しかし、従来の
酵素濃度の測定においては、ひとつの反応容器内では一
種の酵素しか測定できないという欠点がある。
る。通常、酵素活性の測定には、吸光度変化や電極反応
を用いるが、異なる酵素であっても、最終測定物質は同
じものであることが多い。例えば、酸化還元反応に関与
する酵素であれば、基質が異なっても、検出には、NA
D/NADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ド)の酸化還元反応に伴う340nmにおける吸光度変
化を計測する。別の例では、共役酵素により過酸化水素
を生成させる測定系を利用するものも多くあり、この場
合も過酸化水素生成量を電極で測定したり、ペルオキシ
ダーゼなどの酵素を用いて、吸光度・蛍光強度の変化を
測定したりする。従って、溶液内均一反応における酵素
活性測定に同じ検出反応を利用する場合は、2種以上の
酵素濃度の同時測定は不可能である。
を同時計測しようとする場合、最終生成物が異なるもの
で、且つ同時分別測定できるような組み合わせなら、同
時測定は可能であるが、適用対象は非常に限定されたも
のになる。例えば、吸光度測定の場合、吸収極大を示す
波長が異なっていても、ブロードな吸収スペクトルを示
す場合(通常、吸収スペクトルはブロード)、互いに測
定値に影響を与えるため正確な計測は困難である。
方法は報告されている。例えば、特定のアイソエンザイ
ムを測定する際に、他のアイソエンザイムに対する抗体
を添加し、他のアイソエンザイムの酵素活性を阻害し、
残存する酵素活性から特定のアイソエンザイムの活性を
測定する方法が挙げられる。しかしこの方法では、抗酵
素抗体は測定対象でない酵素の活性を阻害するために用
いるものであり、2種以上の酵素の活性を同時に測定す
る方法ではない。
て、担体上で酵素反応を行わせる測定法もあるが、溶液
反応をろ紙、グラスファイバーなどの担体内で行わせる
だけであり、均一反応であるため、多項目同時測定はで
きない。
測定する方法を提供すること、特に2種以上の酵素濃度
を同時に測定する方法を提供することを課題とする。ま
た、本発明は酵素濃度測定装置を提供することを課題と
する。
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、測定すべき目的酵
素を一旦抗酵素抗体により特定の位置に捕捉し、その後
その場所で酵素活性を発現させ各酵素の酵素活性を測定
することにより、同一系内で複数の酵素濃度を測定可能
とすることを見出し、本発明を完成するに至った。
濃度を測定する方法であって、各酵素に対する抗酵素抗
体を担体の特定部位に担持させ、担持された該抗体に測
定試料液を接触させ、各抗酵素抗体に対応する測定試料
液中の酵素を各々捕捉させ、次いで各酵素に対応する基
質を少なくとも含む酵素反応液を、抗酵素抗体に捕捉さ
れた酵素に接触させ、各々の酵素反応産物を生成させ、
該酵素反応産物を分析することにより各酵素の濃度を測
定することを特徴とする酵素濃度の測定方法。 (2)前記測定試料液の測定対象の酵素は、2種または
それ以上であることを特徴とする(1)の酵素濃度の測
定方法。 (3)前記酵素反応液と酵素を接触させる際に、測定対
象の酵素の共役酵素を反応系中に存在させ、前記酵素反
応産物は、共役酵素による反応を経て生成することを特
徴とする(1)または(2)の酵素濃度の測定方法。 (4)前記酵素反応産物は色素であることを特徴とする
(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。 (5)前記酵素反応産物の分析は、前記色素の量を吸光
度で測定することを特徴とする(4)の方法。 (6)前記酵素反応産物の分析は、抗酵素抗体の固定化
位置に電極を配し、該酵素反応産物を電極上に接触さ
せ、電極に一定電圧を付与した電極に流れる電流値の変
化を測定することを特徴とする(1)〜(4)のいずれ
かの酵素濃度の測定方法。 (7)前記担体は、水溶液を吸収、拡散する材質からな
る展開層を有し、担体の前記抗酵素抗体を担持させた部
位とは異なる部位に測定試料液をスポットし、測定試料
液を展開層を通して抗酵素抗体を担持させた部位方向に
展開させて測定試料液中の酵素を抗酵素抗体に捕捉さ
せ、次いで、酵素反応液を該担持部位と異なる部位にス
ポットし、展開層中で酵素反応液を展開させることを特
徴とする(4)の酵素活性の測定方法。 (8)測定試料液中の1または2種以上の測定対象の酵
素濃度を測定するための試験片であって、担体と、該担
体の特定部位に担持された各々の測定対象の酵素に対す
る抗酵素抗体と含み、前記抗体に測定試料液を接触さ
せ、各抗酵素抗体に対応する測定試料液中の酵素を各々
捕捉させ、次いで各酵素に対応する基質を少なくとも含
む酵素反応液を、抗酵素抗体に捕捉された酵素に接触さ
せ、各々の酵素反応産物を生成させ、該酵素反応産物を
分析することにより各酵素の濃度を測定する試験片。 (9)水溶液を吸収、拡散する材質からなる展開層が設
けられ、担体の前記抗酵素抗体を担持させた部位とは異
なる部位に測定試料液をスポットしたときに、測定試料
液が展開層を通して抗酵素抗体を担持させた部位方向に
展開することを特徴とする(8)の試験片。 (10)各々の抗酵素抗体が、互いに分離して担体に担
持された(9)の試験片。 (11)上記(8)〜(10)のいずれかの試験片を用
いて酵素反応産物を測定することにより測定試料液中の
酵素濃度を測定する酵素反応装置であって、測定試料液
を試験片に供給する測定試料液供給手段と、前記酵素に
対応する基質を少なくとも含む酵素反応液を試験片に供
給する酵素反応液供給手段とを備えた酵素反応装置。 (12)上記(8)〜(10)のいずれかの試験片を用
いて、酵素反応産物を測定することによる酵素濃度の測
定装置であって、酵素反応産物の濃度を測定する酵素反
応産物測定手段と、該酵素反応産物測定手段により測定
された測定値をデータ処理するデータ処理手段と、該デ
ータ処理手段による処理結果を表示する表示手段とを備
えた酵素濃度の測定装置。 (13)前記試験片を(11)の酵素反応装置と共に装
着可能とした(12)の酵素濃度の測定装置。
定試料液の1または2種以上の酵素濃度を測定する方法
であって、各酵素に対する抗酵素抗体を担体の特定部位
に担持させ、担持された該抗体に測定試料液を接触さ
せ、各抗酵素抗体に対応する測定試料液中の酵素を各々
捕捉させ、次いで各酵素に対応する基質を少なくとも含
む酵素反応液を、抗酵素抗体に捕捉された酵素に接触さ
せ、各々の酵素反応産物を生成させ、該酵素反応産物を
分析することにより各酵素の濃度を測定することを特徴
とする。
体的に説明すると、以下の通りである。例えば、a酵素
とb酵素の2種の濃度を測定する場合、(1)担体1上
に抗a酵素抗体、抗b酵素抗体を各々異なる部位に担持
させる。(2)担体に測定試料液2(a酵素、及びb酵
素含有)を添加して、抗酵素抗体に測定試料液を接触さ
せる。(3)各抗酵素抗体が各々の酵素を捕捉する。
(4)続いて基質を少なくとも含む酵素反応液3を添加
して、抗酵素抗体に捕捉された各酵素に酵素反応液を接
触させる。(5)酵素濃度に比例して各々の酵素反応産
物4aおよび4bが生成する。
に制限されないが、例えば、GOT(アスパラギン酸ア
ミノトランスフェラーゼ)、GPT(アラニンアミノト
ランスフェラーゼ)、α−アミラーゼ、アルカリホスフ
ァターゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、クレアチ
ンキナーゼ、ピルビン酸キナーゼ、リパーゼ等が挙げら
れる。また、抗酵素抗体の特異性を選択することによ
り、アイソエンザイムを別々に測定することも可能であ
り、例えば、α−アミラーゼは膵臓アミラーゼと唾液ア
ミラーゼがある。アルカリホスファターゼでは、肝臓、
胎盤、骨等由来の異なるものがある。その他、GOT、
GPT、クレアチンキナーゼ等多くの酵素にアイソエン
ザイムが存在する。
た酵素が存在する可能性のあるものであれば特に問題は
ないが、例えば、血清、血漿等の血液;髄液;唾液等の
体液、組織片、尿、便等が挙げられる。
る際、酵素活性に影響を与えないことが重要である。即
ち、抗体が酵素の活性発現部位と直接結合するような場
合、酵素活性は阻害されることになるため、抗体の酵素
に対する認識部位(以下、「エピトープ」ともいう)が
酵素活性発現部位と離れていることが必要である。抗体
が、酵素活性発現部位の近傍をエピトープとした場合、
抗体分子も分子量16万と結構大きな分子なので、ある
程度の阻害は生じる傾向がある。
ては、ポリクローナル抗体を用いることも出来るが、ポ
リクローナル抗体よりもモノクローナル抗体が好まし
い。ウサギやヤギなどで作ったポリクローナル抗体は、
これらの多くのエピトープに対する抗体の混合物である
ため、ポリクローナル抗体を使った場合、酵素のどの部
位を捕捉するか非特異的である。従って、ある確率で酵
素の活性発現を阻害する抗体を使用する可能性があるた
め、モノクローナル抗体を用いることが好ましい。モノ
クローナル抗体は、ひとつのクローンだけを大量に取っ
たものであり、認識部位はすべて同じである。従って、
クローンを選択する際に、酵素活性を阻害しないもの使
用することが好ましい。
用いた通常のモノクローナル抗体の作製法(Kohler and
Milstein, Nature,495-492, 1975)にしたがって、調
製することができる。具体的には、酵素で免疫したマウ
ス、ラット、ヒツジなどの実験動物から脾細胞等の抗体
産生細胞を採取し、同細胞とマウス骨髄腫細胞を融合さ
せてハイブリドーマを作製し、得られたハイブリドーマ
から抗原として用いた酵素に対するモノクローナル抗体
を産生する株を選択し、クローニングする。得られたモ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを適当な培地で培
養し、培養液からモノクローナル抗体を精製する。
もよい。用いる酵素によっても適宜選択する必要がある
が、具体的に、例えば、GOTには抗GOT抗体(ヒツ
ジIgG、Biogenesis社)、GPTには抗GPT抗体
(ヒツジIgG、BioPur社)、α−アミラーゼには抗ヒ
ト唾液アミラーゼ抗体(ヒツジIgG、BioPur社)、抗
ヒト膵アミラーゼ抗体(ヒツジIgG、BioPur社)、抗
ヒトアミラーゼモノクローナル抗体(マウスIgG、In
ternational Reagent社)または抗ヒト膵アミラーゼ抗
体(ウサギIgG、カルビオケム社)、アルカリホスフ
ァターゼには、抗アルカリホスファターゼ抗体(ヤギI
gG、ロックランド社)、乳酸デヒドロゲナーゼには、
抗LDH抗体(ヤギIgG、ケミコン社)、抗ヒトLD
H−5抗体(ヒツジIgG、Biogenesis社)、リパーゼ
には、抗リパーゼ抗体(ヒツジIgG、コスモバイオ
社)等が挙げられる。
体も市販されており、共役酵素として使用できるものを
適宜選択して使用することができる。例えば、ペルオキ
シダーゼ標識抗GOT抗体(ヒツジIgG、ロックラン
ド社)、ペルオキシダーゼ標識抗LDH抗体(ヤギIg
G、ロックランド社)等が挙げられる。
素抗体を担体に固定化し、次いで各酵素に対応する基質
を加え、該抗酵素抗体の近傍に生成した各酵素反応産物
を分析することにより、測定対象の酵素濃度を測定する
が、該酵素反応産物が分析しにくい場合は、上記の酵素
で得られる酵素反応産物に代わって、共役酵素によって
生成される酵素反応産物を測定するのが好ましい。その
酵素反応産物が数種の共役酵素による数段反応が組合わ
さって生成された酵素反応産物であっても構わない(以
下、酵素濃度測定のために分析される酵素反応産物を
「最終酵素反応産物」ともいう。)。
する方法としては、免疫測定法で使用される種々の方法
が挙げられる。具体的には、担体表面に抗体を物理吸着
法で吸着固定する方法、または担体表面に存在する官能
基を用い、抗酵素抗体分子の官能基と化学的結合を行わ
せて固定化する方法が挙げられる。化学的結合として
は、例えば、担体のカルボキシル基と抗体のアミノ基、
または担体のアミノ基と抗体のカルボキシル基の官能基
を、カルボジイミドなどの縮合剤を用いて結合させる方
法により行う。また、担体のアミノ基と抗体のアミノ基
の官能基を結合するためのグルタルアルデヒドや、担体
と抗体のチオール基同士を結合するためのマレイミド等
の二価反応性試薬を用いて結合させても良い。
る方法は、免疫分析法やDNA分析法で通常用いられて
いる方法により可能であり、例えば、「R.Ekins,F.Chu,
J.Micalef,J.Biolumi.Chemilumi.,vol.4,59-78(1989)」
や「M.Eggers,et al.,BioThechniques,vol.17,516-524
(1994)」に報告されている方法により行うことが出来
る。
おける占有面積などにより集積化は決まるが、前記文献
記載の方法では数万種類の抗酵素抗体の固定化が可能で
ある。ただし、本発明においては、酵素活性の測定が必
要であり、かつ最終反応生成物が本発明で検出可能なも
のということを考えると、酵素の測定数は1〜30項目
が好ましい。
体)抗体を担体に担持させておいて、抗酵素抗体を該抗
体により捕捉することで、抗酵素抗体を担体に固定化し
ても良い。そのような抗(抗酵素抗体)としては、例え
ば、抗酵素抗体がウサギIgGであれば、抗ウサギIg
G抗体(ヤギIgG)等を用いる。また、共役酵素で標
識した抗(抗酵素抗体)抗体を用いることもでき、例え
ば、市販の抗体として、ペルオキシダーゼ標識抗ウサギ
IgG抗体(ヤギIgG、ICNファーマシューティカ
ルス社)、グルコースオキシダーゼ標識抗マウスIgG
抗体(ヤギIgG、アメリカンコーレックス社)等が挙
げられる。
固定化することが出来るものであれば特に制限はない
が、紙(セルロース)、ニトロセルロース、ガラス、ア
クリル、ポリメチレンアクリレート、ポリメチレン、ナ
イロン、ポリカーボネート、ポリエチレンなどのプラス
チック、金、カーボン、グラスファイバー等が挙げられ
る。その形状としては、反応液を収容可能な容器、ある
いはマイクロタイタープレート、ビーズ、磁性ビーズ、
ディスク、メンブレンなどのあらゆる形が可能である。
からなる展開層を有する担体を用いることも好ましい。
水溶液を吸収、拡散する材質からなる展開層として、セ
ルロース、ニトロセルロース、グラスファイバー等が挙
げられる。そのような展開層を有する担体を用いた場合
の測定方法を図3に示す。具体的には、セルロース13
b上にニトロセルロースメンブレン13aを設けた、展
開層も兼ねたプレート状の担体13を用いることが出来
る。
特定部位に抗酵素抗体(10,11,12)を担持させ
た後(a)、その担持部位と異なる部位に測定試料液1
4をスポットし(b)、測定試料液をニトロセルロース
メンブレン13aを通して抗酵素抗体担持部位方向に展
開させて、測定試料液中の酵素(15,16,17)を
各抗酵素抗体(10,11,12)に捕捉させた後
(c,e)、さらに酵素反応液18をスポットし
(f)、展開層中で酵素反応液を展開させることによ
り、担体の上部や内部を反応液が浸み通りながら
(g)、徐々に拡散しながら抗酵素抗体に捕捉された酵
素と反応していき、抗酵素抗体の担持部位に最終酵素反
応産物(19,20,21)が生成する(h)。測定試
料液中の非反応物は反応部位から離れていき、結果とし
て反応部位では非反応物が除去されることになることか
ら好ましい。
体に担持させた抗酵素抗体において、測定試料中の測定
対象の酵素をいったん捕捉させ、その後、基質を少なく
とも含む酵素反応液を加え、抗酵素抗体の近傍で酵素活
性を発現させる。
には、酵素反応の結果生じる最終酵素反応産物を分析す
ることにより行われるが、最終酵素反応産物が酵素反応
液全体に拡散しないで、特定の位置にだけ生成するよう
な系が必要である。最終酵素反応産物が拡散しないで特
定の位置にだけ生成するような系とは、ある項目の最終
酵素反応産物が、多項目測定時に、他の項目の妨害をし
ない範囲で生成するようにすれば良い。
各酵素ごとの濃度を正確に分析するために、最終酵素反
応産物を生産するのに係わる酵素を抗酵素抗体の近傍に
固定化する。当然ながら、最終酵素反応産物に係わる共
役酵素のみでなく、それに係わる共役系の他の共役酵素
全てが前記抗酵素抗体の近傍に固定化していることは、
さらに望ましいことである。
酵素により別の最終酵素反応産物とする場合、中間段階
の酵素反応産物の水溶性が高いときに、該酵素反応に係
わる酵素同士が離れていると、定量的に最終酵素反応産
物(沈着色素等の検出物)に変換できないため、定量性
が低下することから好ましくない。従って、中間段階の
酵素反応産物を拡散させないためには、それに係わる共
役酵素を反応系中において抗酵素抗体の近傍に固定する
ことが好ましい。しかし、測定酵素の項目によっては、
中間段階の酵素は、最終段階の酵素よりも影響度は低い
ことから、中間段階の共役酵素の固定化は必ずしも必要
ではない。
象の酵素の基質を少なくとも含むものであり、最終酵素
反応産物の生成に係わる共役酵素、およびそれらの基質
等を必要により含有するものである。該酵素反応液は、
濃度測定を測定対象とする酵素により、適宜選択する。
い。最終酵素反応産物が色素である場合、測定対象の酵
素濃度の測定方法として、酵素反応で最終的に色素の発
色を起こさせ、これを吸光光度計や目視で測定する方法
が挙げられる。この方法においても、抗酵素抗体の近傍
に、発色を起こさせる酵素(以下、「発色酵素」ともい
う)を固定化させることが好ましい。発色酵素を抗酵素
抗体の近傍に固定化する方法として、以下の方法が挙げ
られる。 (A)抗酵素抗体と発色酵素との混合物を固定化する方
法、(B)発色酵素で標識した抗酵素抗体を固定化する
方法、(C)発色酵素で標識した抗(抗酵素抗体)抗体
や発色酵素で標識したプロテインAを固定化し、さらに
そこに抗酵素抗体を反応させて捕捉させる方法などがあ
る。
反応系中に存在させるには、抗酵素抗体の近傍に固定す
る場合も、上記と同様に抗体に固定化することができる
し、また、測定対象の酵素を捕捉した後、その酵素活性
を測定する際に用いる酵素反応液に基質と共に含有させ
ておくこともできる。
化する方法の一つである(c)方法において、発色酵素
で抗体、プロテインAなどを標識するには、カルボジイ
ミド、マレイミド、グルタルアルデヒド、過ヨウ素酸等
を用いる多くの方法が知られている。
疫測定法”蛋白質 核酸 酵素 別冊No.31,1987、“超高
感度酵素免疫測定法”石川栄治、学会出版センター、19
93)の記載の方法により行うことが出来る。
ノ基を結合させることができる。抗体や酵素のような蛋
白質には、アミノ酸由来のカルボキシル基とアミノ基が
存在するため、これらをカルボジイミドを用いて結合さ
せることができる。試薬は水溶性カルボジイミドである
1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミ
ドがよく使われる。詳しくは、リン酸緩衝液、Good's緩
衝液などの緩衝液(pH5〜8)中に、抗体1分子あた
り、0.1〜100倍当量のカルボジイミド試薬、1〜20倍当
量の酵素を加えて反応させる。抗体1分子に対して酵素
分子の結合量は、0.1〜10が好ましい。
とができる。例えば、BMDB試薬(1,4-Bis-Maleimidy
-2,3-dihydroxybutane,Pierce社)のようなマレイミド基
を2個有する試薬を使うと、抗体のチオール基と酵素の
チオール基とを結合させることができる。抗体、酵素な
どの蛋白質は、分子内にS−S結合を有することがある
ため、ジチオスレイトール、メルカプトエタノールなど
の還元剤を用いることにより、チオール基を形成させる
ことができる。これらの還元処理により導入したチオー
ル基を結合に利用する。
aleimidobutyryloxy)sulfosuccinimido ester,Pierce
社)のような、マレイミド基とN−ヒドロキシこはく酸
イミド基の2種類の官能基を持つ試薬の場合、マレイミ
ド基は、蛋白質のチオール基、N−ヒドロキシこはく酸
イミド基は蛋白質のアミノ基と結合させることができ
る。通常、抗体を還元処理して導入されるチオール基
は、抗体の抗原結合部位から離れた場所に導入されるた
め、抗体活性に影響を与えることなく標識が可能となり
有利である。
6〜8程度の中性付近の緩衝液中で行う。N−ヒドロキ
シこはく酸イミド基とアミノ基の結合も同様にpH6〜
8程度の中性付近の緩衝液中で行う。アミノ基、チオー
ル基を持たない緩衝液が良いため、リン酸、炭酸、Goo
d's緩衝液がよく使われる。
基を結合させることができる。グルタルアルデヒドの重
合体が反応に寄与している。温和な条件下で反応するた
め、抗体と酵素の混合液にグルタルアルデヒドを添加し
て、中性、室温で数時間放置すれば標識できる。
酸化し、アルデヒド基を形成させることができる。該ア
ルデヒド基がアミノ基と結合する。発色反応で検出する
際に用いられるペルオキシダーゼは糖タンパクであり、
糖の酸化が酵素活性に影響しにくいのでペルオキシダー
ゼの標識法として良く使われる。
との反応はランダムにおこるため、抗体間、酵素間の結
合による重合体形成も生じる。抗体活性、酵素活性への
影響を少なくするためには、抗体1分子あたり、酵素0.1
〜10分子程度の結合が好ましい。
色素とする場合の酵素反応は、1段でなくても、数段組
み合わせたものでも良い。最終酵素反応産物が色素であ
る場合の具体的をいくつか例示する。 <1>ペルオキシダーゼにより発色を行う例 (例1)GOT(アスパラギン酸アミノトランスフェラ
ーゼ)の酵素活性測定方法 具体例の一つとして、担体であるニトロセルロースメン
ブレン上で、ペルオキシダーゼによる反応生成物の発色
を計測することにより、GOTの濃度測定を行うことが
出来る。反応機構を下記に示す。
化したニトロセルロースメンブレン上に、血清検体など
GOTを含有する測定試料液を、反応緩衝液と共に添加
し抗酵素抗体でGOTを捕捉させる。次いで、洗浄液
(界面活性剤を含有したトリス緩衝液など)で、未結合
成分を除去した後、GOTの基質、共役酵素及び発色試
薬を含む酵素反応液を加える。
の基質として、α−ケトグルタル酸とアスパラギン酸、
(ii)生成したオキサロ酢酸を基質とするオキサロ酢酸
脱炭酸酵素、(iii)前記反応で生成したピルビン酸を
基質とするピルビン酸オキシダーゼ、(iv)前記反応で
生成した過酸化水素により、メンブレン上に固定化され
ているペルオキシダーゼ活性を測定するための発色試薬
(4−クロロナフトール)、との混合液が用いられ、該
酵素反応液をHEPES緩衝液(pH7)と共に添加す
る。反応により生じた色素は、不溶性なので、メンブレ
ン上に沈着する。一定時間後、メンブレン上の色素濃度
を計測する。計測には、反射式の吸光度検出器や目視計
測が利用できる。
したり、洗浄液をメンブレンを透過させることで行う。
前記酵素反応液は、混合液を同時に添加しても良いし、
ステップ毎に添加しても良い。 (例2)GPT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)
の酵素活性測定方法 具体例の一つとして、担体であるニトロセルロースメン
ブレン上で、ペルオキシダーゼによる反応生成物の発色
を計測することにより、GPTの濃度測定を行うことが
出来る。反応機構を下記に示す。
化したニトロセルロースメンブレン上に、血清検体など
GPTを含有する測定試料液を、反応緩衝液と共に添加
し抗酵素抗体でGPTを捕捉する。次いで、洗浄液(界
面活性剤を含有したトリス緩衝液など)で、未結合成分
を除去した後、GPTの基質、共役酵素及び発色試薬を
含む酵素反応液を加える。ここで酵素反応液としては、
(i)GPTの基質として、α−ケトグルタル酸とアラ
ニン、(ii)生成したピルビン酸を基質とするピルビン
酸オキシダーゼ、(iii)前記反応で生成した過酸化水
素により、メンブレン上に固定化されているペルオキシ
ダーゼ活性を測定するための発色試薬(4−クロロナフ
トール)、との混合液が用いられ、該酵素反応液をHE
PES緩衝液(pH7)と共に添加する。反応により生
じた色素は、不溶性なので、メンブレン上に沈着する。
一定時間後、メンブレン上の色素濃度を計測する。計測
には、反射式の吸光度検出器や目視計測が利用できる。
したり、洗浄液をメンブレンを透過させることで行う。
前記酵素反応液は、混合液を同時に添加しても良いし、
ステップ毎に添加しても良い。 (例3)アミラーゼの酵素活性測定方法 具体例の一つとして、担体であるニトロセルロースメン
ブレン上で、ペルオキシダーゼによる反応生成物の発色
を計測することにより、アミラーゼの濃度測定を行うこ
とが出来る。反応機構を下記に示す。
固定化したニトロセルロースメンブレン上に、血清検体
などアミラーゼを含有する測定試料液を、反応緩衝液と
共に添加し抗酵素抗体でアミラーゼを捕捉する。次い
で、洗浄液(界面活性剤を含有したトリス緩衝液など)
で、未結合成分を除去した後、アミラーゼの基質、共役
酵素及び発色試薬を含む酵素反応液を加える。ここで酵
素反応液としては、(i)アミラーゼの基質として、マ
ルトペンタオース、(ii)生成したマルトトリオースと
マルトースを基質とするα−グルコシダーゼ、(iii)
生成したグルコースを基質とするグルコースオキシダー
ゼ、(iv)前記反応で生成した過酸化水素により、メン
ブレン上に固定化されているペルオキシダーゼ活性を測
定するための発色試薬(4−クロロナフトール)、との
混合液が用いられ、該酵素反応液をHEPES緩衝液
(pH7)と共に添加する。反応により生じた色素は、
不溶性なので、メンブレン上に沈着する。一定時間後、
メンブレン上の色素濃度を計測する。計測には、反射式
の吸光度検出器や目視計測が利用できる。
したり、洗浄液をメンブレンを透過させることで行う。
前記酵素反応液は、混合液を同時に添加しても良いし、
ステップ毎に添加しても良い。 <ペルオキシターゼの抗酵素抗体近傍への固定化方法>
ペルオキシダーゼの酵素反応産物(色素)が、抗酵素抗
体固定化位置の近傍に局所的に発現するためには、ペル
オキシダーゼが抗酵素抗体の近傍に固定化されているこ
とが好ましい。
素反応産物である色素として不溶性のものを選択し、ペ
ルオキシダーゼ存在位置近傍に沈着するようにする。抗
酵素抗体固定化位置における沈着量が、求める酵素活性
量を表すものであり、抗酵素抗体固定化位置に沈着させ
るには、その位置にペルオキシダーゼが必要である。
役酵素を工夫して、最終的にペルオキシダーゼの反応に
持っていくものが数多くある。例えば、前記GOT、G
PTの測定法では、GOTの第3反応以降と、GPTの
第2反応以降はまったく同じである。つまり、複数項目
を同時測定する場合、それぞれの項目用のペルオキシダ
ーゼが必要である。
ころにペルオキシダーゼがあると、他の項目の酵素反応
由来の過酸化水素に反応してしまう可能性があるため、
ある酵素の活性検出に必要なペルオキシダーゼは、その
酵素(すなわち酵素を捕捉する抗酵素抗体)の近傍にい
て、その酵素由来の過酸化水素だけに反応し、また、そ
の酵素由来の過酸化水素はすべて捉える位置にあること
が好ましい。中間酵素反応産物であり中間基質でもある
過酸化水素の拡散を防止するために、カタラーゼを系内
に分散させるか、または、抗酵素抗体と別の抗酵素抗体
との間にカタラーゼを固定化しても良い。
(a)抗体とペルオキシダーゼの混合物を固定化する方
法、(b)ペルオキシダーゼ標識した抗酵素抗体を固定
化する方法、(c)ペルオキシダーゼ標識した抗(抗酵
素抗体)抗体やペルオキシダーゼ標識プロテインAを固
定化し、さらにそこに抗酵素抗体を反応させて捕捉させ
る方法などがある。
シターゼ以外)も、同様に抗体に固定化することもでき
るし、測定対象の酵素を捕捉した後、その酵素活性を測
定する際に用いる反応液に含有させておくこともでき
る。
と、上記の固定化方法(c)でペルオキシダーゼを抗酵
素抗体の近傍に存在させる場合、以下の通りに行うこと
が出来る。 (1)ペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgGを担体表面
上に固定化する。固定化には、物理吸着法を用い、さら
に、固定化位置、面積などは、例えばインクジェットプ
リンターなどを利用し、線状、図形状にできる。また
は、スタンプ方式で固定化も可能である。 (2)担体表面を牛血清アルブミンなどの蛋白質でコー
トし、非特異的吸着をブロックする。 (3)ピルビン酸オキシダーゼ標識抗GPT(ウサギI
gG抗体)を前記抗ウサギIgGに捕捉させることによ
り、担体上に固定化する。抗ウサギIgGの代わりに、
プロテインAも使用できる。抗ウサギIgGを抗ウサギ
Fcとするとさらに良い。
の酵素を抗酵素抗体近傍に固定化できる。また共役酵素
系の導入方法をGOTの濃度を色素を分析することによ
り測定する方法(図2の(a))を例にして、図2
(b)を参考に以下に具体的に示す。 ペルオキシダーゼ標識抗GOT抗体を担体表面上に固
定化し、オキサロ酢酸脱炭酸酵素とピルビン酸オキシダ
ーゼを酵素反応液中に存在させる方法。 ペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG抗体(ヤギIg
G)を担体表面に固定化し、これにピルビン酸オキシダ
ーゼ標識抗GOT抗体(ウサギIgG)を捕捉させ、オ
キサロ酢酸脱炭酸酵素を酵素反応液中に存在させる方
法。 ペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体(ヤギIg
G)を担体表面に固定化し、これにピルビン酸オキシダ
ーゼ標識抗ウサギIgG抗体(マウスIgG)を捕捉さ
せ、さらにオキサロ酢酸脱炭酸酵素標識抗GOT(ウサ
ギIgG)を捕捉させる方法。 ペルオキシダーゼ標識抗GOTを担体表面上に固定化
し、オキサロ酢酸脱炭酸酵素、ピルビン酸オキシダーゼ
及び過酸化水素拡散防止のためのカタラーゼを酵素反応
液中に存在させる方法。 ペルオキシダーゼと抗GOTを担体表面上に固定化
し、ピルビン酸オキシダーゼ、オキサロ酢酸脱炭酸酵素
を酵素反応液中に存在させる方法。 ピルビン酸オキシダーゼとペルオキシダーゼ標識抗G
OTを担体表面上に固定化し、オキサロ酢酸脱炭酸酵素
を酵素反応液中に存在させる方法。 オキサロ酢酸脱炭酸酵素、ピルビン酸オキシダーゼと
ペルオキシダーゼ標識抗GOTを担体表面上に固定化す
る方法。 過酸化水素拡散防止のためのカタラーゼをペルオキシ
ダーゼ標識抗GOTを担体表面上に固定化し、オキサロ
酢酸脱炭酸酵素とピルビン酸オキシダーゼを酵素反応液
中に存在させる方法。
として、共役酵素である発色酵素にペルオキシダーゼを
用いた測定方法を具体例として上述したが、ペルオキシ
ダーゼ以外にも最終酵素反応産物が発色等により検出で
きるものであれば良く、例えば、アルカリフォスファタ
ーゼ、β−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。
の色素は、沈着性を有することが好ましい。沈着性の程
度は、抗酵素抗体が酵素を捕捉した位置(測定対象の酵
素活性が発現する位置)に、最終酵素反応産物を沈着さ
せるが、最終の酵素反応をいかに定量的に検出用の生成
物に変換することができるかによって、定量性の精度が
決まる。従って、生成物は、溶解性がほとんど無く、生
成すると同時に直ちに全量沈着することが望ましい。し
かし、ある程度の溶解性は避けられないため最終酵素反
応における最終酵素反応産物の50%以上、好ましくは
90%以上が不溶物として検出可能になることが望まし
い。
溶化した場合、抗酵素抗体により局地的に酵素を捕捉す
ることが活かされないことになる。1項目のみの測定で
ある場合は、最終酵素反応産物が反応容器等の担体全体
に広がっても、全体を計測すれば良いため問題はない
が、2項目以上を同時測定する場合は、他の項目を測定
する位置にまで影響しない範囲が広がって良い上限であ
り、この範囲以上に拡散しない内に、不溶化することが
好ましい。
慮すると、1項目当たりの抗体固体化領域は通常1〜5
mmである。また、ペルオキシダーゼの基質となる発色
試薬として4-クロロナフトールを上記に例示したが、こ
れ以外にも生成する色素が沈着性を有するものならば良
く、例えば、免疫試薬において、イムノブロッティング
法、免疫組織染色法などに使用される不溶性色素を生成
する基質が挙げられる。
光度で検出可能な色素を生成する発色試薬のうち、ペル
オキシダーゼに対して使用できるものとして、3,3-Diam
inobenzidine(シグマ社)、3-Amino-9-Ethylcarbazole
(シグマ社)、4-Chloro-1-Naphthol(シグマ社)、Vec
tor VIP(Vector社)、Vector SG(Vector社);アルカ
リホスファターゼに対して使用できるものとして、5-Br
omo-4-Chloro-3-Indolyl Phosphate/Nitoro Blue Tetra
zolium(シグマ社)、Fast Red/Naphthol AS-TR Phosph
ate(シグマ社)、Vector Red(Vector社)、Vector Bl
ack(Vector社);等が挙げられる。
る色素を生成する発色試薬のうち、アルカリホスファタ
ーゼ用に対して使用できるものとして、ELF-97(Molecu
larProbes社)等が挙げられる。
いて検出する、不溶性ではないが酵素の存在位置で発光
する化学発光性の色素を生成する発色試薬のうち、ペル
オキシダーゼに対して使用できるものとして、LumiGLO
(Kirkegaard & Perry Laboratories社);アルカリホ
スファターゼに対して使用できるものとして、LuciGLO
(Kirkegaad & Perry Laboratories社);等が挙げられ
る。
中のアルカリホスファターゼ自体の濃度を測定する場合
は、共役酵素を必要とせずに1ステップで測定可能の酵
素反応産物が生成される。即ち、アルカリホスファター
ゼの基質として用いられる上述の発色試薬を含む酵素反
応液を使用することにより色素が生成されるため、測定
が簡単である。
素濃度測定方法において、上記以外の発色試薬を用いて
も良い。最終検出時の発色試薬を変えることにより、蛍
光検出、発光検出が利用できる。
共鳴や、エバネッセント波の計測により測定することが
できる。これらの検出系は、最終酵素反応産物が色素で
なくとも検出できるので有効である。
酵素に対し検量線を作製し、これにより測定サンプルの
濃度を定量する。具体的には例えば、以下の工程で測定
可能である。 (1)既知濃度の酵素の標準サンプルを抗体に捕捉させ
た後、基質を添加し、一定時間反応させ、生成する色素
を吸光度により測定する。 (2)各標準サンプルの中の酵素濃度と、その吸光度の
測定結果とで、検量線を作製する。 (3)測定サンプルを、標準サンプルと同一条件で測定
し、先の検量線を用いて標準サンプル中の酵素濃度を計
算する。
て、抗酵素抗体の固定化位置に電極を配し、最終酵素反
応産物を電極上に接触させ、接触した物質による誘導率
の変化を測定したり、電極に一定電圧を付与した電極に
流れる電流値の変化を測定する方法で測定対象の酵素濃
度を測定しても良い。例えば、最終酵素反応産物が過酸
化水素である場合にこの方法で測定できる。この方法で
は一項目につき1つの電極を使用する。
2種以上の測定対象の酵素濃度を測定するための試験片
であって、担体と、該担体の特定部位に担持された各々
の測定対象の酵素に対する抗酵素抗体と含む、上記の酵
素濃度の測定方法に用いられる試験片である。本発明の
試験片に用いられる抗体および抗酵素抗体は、上述のも
のが用いられる。複数の酵素を測定対象とする場合、各
々の酵素に対する抗酵素抗体は、上述したように互いに
分離して担体に担持されている。具体的には、図3
(a)に示すものである。
素反応産物を測定することにより測定試料液中の目的酵
素を検出する酵素反応装置であって、測定試料液を試験
片に供給する測定試料液供給手段と、前記酵素に対応す
る基質を少なくとも含む酵素反応液を試験片に供給する
酵素反応液供給手段とを備えた酵素反応装置である。
反応液供給手段で用いられる酵素反応液は、少なくとも
発色試薬と必要により共役酵素を含む。その場合の酵素
反応装置の一例として、図4に示されるものが挙げられ
るが、本発明はこれに限定されない。具体的には、測定
試料液手段は測定試料液押し出し用空気槽23と測定試
料液供給槽26から構成され、酵素反応液供給手段は酵
素発色試薬押し出し用空気槽22と酵素発色試薬供給槽
25から構成される。
て、抗酵素抗体が担持された担体を含む試験片27に測
定試料液供給槽26から測定試料液が供給され、試験片
27の該抗酵素抗体に酵素が捕捉される。次いで、酵素
発色試薬押し出し用空気槽22によって、酵素発色試薬
供給槽25中の酵素発色試薬が、試験片27上に添加さ
れ、試験片27の該抗酵素抗体に捕捉された酵素に接触
させる。余分な測定試料液および酵素発色試薬は廃液槽
24に運ばれる。
が色素である場合には、試験片に酵素反応産物を生成さ
せ、目視で発色強度を分析することもできるが、最終酵
素反応産物が目視で確認できない場合や分析の精度を向
上させたい場合は、試験片(図3)または酵素反応装置
(図4)を酵素濃度の測定装置(図5の29)に挿入
し、試験片に生成された最終酵素反応産物の濃度を分析
することにより、目的とする酵素濃度を測定することが
好ましい。
ら、試験片(図3(h))または酵素反応装置(図4)
を酵素濃度の測定装置(図5の29)に挿入して酵素濃
度を測定しても良いが、酵素反応産物を生成させていな
い試験片(図3(a))または酵素反応装置(図4)を
酵素濃度の測定装置に挿入し、酵素濃度の測定装置内で
試験片に測定試料液と酵素反応液を自動で供給すること
により、酵素反応産物を生成させ酵素濃度を測定する方
が、酵素反応の反応時間、反応温度が一定となることか
ら精度が向上し、より好ましい。
手段を有する。前記酵素反応産物測定手段は、挿入され
る試験片の担体上に担持された2種以上の抗酵素抗体に
対応して設けられていることが好ましい。例えば、最終
酵素反応産物が色素である場合は、色素の発色強度を測
定する吸光度検出器等の光学装置を酵素反応産物測定手
段とする。
物測定手段の他に、該酵素反応産物測定手段により測定
された測定値をデータ処理するデータ処理手段と、該デ
ータ処理手段による処理結果を表示する表示手段とを備
えている。これらの各手段は、各々が装置として独立し
それらが連結する形態でも良いが、好ましくは3つの手
段が1つの装置に備えられている形態(図5の29)で
ある方が、装置自体がコンパクトとなることから良い。
(図3(a))を酵素濃度の測定装置(図5の29)に
挿入し測定装置内で酵素反応産物を生成させる場合に
は、本発明の酵素濃度の測定装置は、酵素反応装置が有
するのと同様の測定試料液供給手段と酵素反応液供給手
段を有する。
いない酵素反応装置(図4)を酵素濃度の測定装置に挿
入し測定装置内で酵素反応産物を生成させる場合には、
本発明の酵素濃度の測定装置は、酵素反応装置の測定液
供給手段と酵素反応液供給手段を適当に作動させる手段
を有する。該手段により、例えば、図4の測定試料液押
し出し用空気槽23と発色試薬押し出し用空気槽22を
順次圧縮して、試験片27に測定試料液と発色試薬を順
次供給させることができる。
を図5により説明する。図3(a)の試験片に予め酵素
反応産物を生成させてから酵素濃度の測定装置(図5の
29)に挿入して測定する場合は、先ず、試験片に測定
試料液と酵素反応液を順に添加して、最終酵素反応産物
(例えば色素)を生成させる。次いで、該試験片28を
酵素反応産物測定手段である吸光度検出器に挿入する。
本発明の酵素濃度の測定装置は、上記酵素反応産物測定
手段以外に、その内部にデータ処理手段、および該デー
タ処理手段による処理結果を表示する表示手段とを有し
ており、吸光度検出器等の酵素反応産物測定手段で酵素
反応産物の濃度を測定した後、その測定値をデータ処理
手段により目的の酵素濃度に換算し、得られたデータ処
理結果である酵素濃度は、表示手段である結果表示画面
30に表示される。
法を、本発明と組み合わせて使用することも可能であ
る。即ち、抗酵素抗体と抗(抗原)抗体を別々の位置に
固定化し、抗酵素抗体の位置では本発明による酵素濃度
の測定を行い、抗(抗原)抗体の位置では、例えば、ア
ルカリホスファターゼ標識した第2抗体によりサンドイ
ッチアッセイを行い、抗原の捕捉によるアルカリホスフ
ァターゼ濃度を同様の発色法により測定し、酵素濃度と
抗原濃度を同時に計測できる試験片とすることができ
る。なお、第2抗体の標識材として、既に多くのものが
知られており、色素、蛍光色素、着色粒子などが使用可
能である。
本発明はこれらに限定されない。
×10mm)に、ペルオキシダーゼ標識抗グルコースオ
キシダーゼ抗体(ヤギIgG、ロックランド社)0.3mg/
mLを2μL滴下し、固定化したものを8枚用意した。乾
燥後、5%スキムミルク、0.05%Tween20を含有するトリス
緩衝液(20mMトリス、0.5M NaCl、pH7.5)により、ブロ
ッキングした。
1, 10, 100, 1000 10000, 100000ng/mLの濃度のグルコ
ースオキシダーゼ(シグマ社)を1mL添加し、37℃、
1時間反応させた。反応後、反応液を吸引除去し、洗浄
液(0.05% Tween20含有トリス緩衝液)で洗浄し、未反
応のグルコースオキシダーゼを除いた。
−クロロナフトール30mgをメタノール10mLに溶解し、ト
リス緩衝液40mLを添加したもの)0.5mLと、5%グルコー
ス含有トリス緩衝液0.5mLを添加した。メンブレン上
に、グルコースオキシダーゼ濃度に従って濃くなる濃紺
色の着色を確認した。抗酵素抗体により捕捉した酵素の
活性を、メンブレン上に沈着する色素で観察することが
できた。
×10mm)に、ペルオキシダーゼ標識抗ヒツジIgG
抗体(ウサギIgG、ロックランド社)1mg/mLを4μL滴
下し、固定化したものを3枚用意した。乾燥後、5%スキ
ムミルク、0.05% Tween20を含有するトリス緩衝液(20m
Mトリス、0.5M NaCl、pH7.5)により、ブロッキングし
た。
液アミラーゼ抗体(ヒツジIgG、BioPur社)0.01mg/m
Lを1mLずつ添加し、37℃、2時間反応させる。反応
後、反応液を吸引除去し、洗浄液(0.05% Tween20含有
トリス緩衝液)で洗浄し、未反応の抗アミラーゼ抗体を
除く。
U/mLの濃度のα−アミラーゼ(ヒト唾液由来、Lee Scie
ntific社)を1mL添加し、37℃、1時間反応させた。
反応後、反応液を吸引除去し、洗浄液(0.05% Tween20
含有トリス緩衝液)で洗浄し、未反応のα−アミラーゼ
を除く。
タオース1mLを添加し、37℃、10分間反応させる。
反応後、60U/mLのα−グルコシダーゼ(和光純薬社)0.
1mLを添加して、37℃、10分間反応させる。
と、0.5mg/mLのグルコースオキシダーゼ含有トリス緩衝
液0.1mLを各々に添加し、37℃、1時間反応させた。
メンブレン上に、α−アミラーゼ濃度に従って濃くなる
濃紺色の着色を確認した。抗酵素抗体により捕捉した酵
素の活性を、共役酵素系を介して、メンブレン上に沈着
する色素で観察することができた。
×10mm)に、ペルオキシダーゼ標識抗ヒツジIgG
抗体(ウサギIgG、ロックランド社)1mg/mLを4μL滴
下し、固定化したものを9枚用意した。乾燥後、5%ス
キムミルク、0.05% Tween20を含有するトリス緩衝液(2
0mMトリス、0.5M NaCl、pH7.5)により、ブロッキング
する。
抗体(ヒツジIgG、Biogenesis社)0.01mg/mL 1mLず
つを添加し、4℃、一夜反応させる。反応後、反応液を
吸引除去し、洗浄液(0.05% Tween20含有トリス緩衝
液)で洗浄し、未反応の抗GOT抗体を除く。
20, 50, 100, 200mU/mLの濃度のGOT(ブタ心臓由
来、Biogenesis社)を1mL添加し、37℃、2時間反応
させる。反応後、反応液を吸引除去し、洗浄液(0.05%
Tween20含有トリス緩衝液)で洗浄し、未反応のGOT
を除く。
0)0.4mL、35mMα−ケトグルタル酸0.2mL、GOT用酵
素剤(トランスアミナーゼCIIテストワコー、和光純薬
社)(成分:ピルビン酸オキシダーゼ5.4U/mL、オキザ
ロ酢酸脱炭酸酵素14U/mL、4−アミノアンチピリン1m
M、アスコルビン酸オキシダーゼ0.90U/mL、カタラーゼ2
70U/mL)0.2mL、3.4mMの4−クロロナフトール発色液0.
4mLを添加し、37℃、1時間反応させた。メンブレン
上に、GOT濃度に従って濃くなる赤色の着色を確認し
た。抗酵素抗体により捕捉した酵素の活性を、共役酵素
系を介して、メンブレン上に沈着する色素で観察するこ
とができた。
ンを設けた担体(約10mm×10mm、ワットマン
社)に、ペルオキシダーゼ標識抗ヒツジIgG抗体(ウ
サギIgG、ロックランド社)2mg/mLとグルコースオ
キシダーゼ(Sigma社)2mg/mLの混合液を2μL滴下し、
固定化したものを2枚用意した。乾燥後、カタラーゼ
(Sigma社)1000U/mLの溶液で各々の担体をブロッキン
グし、さらに5%スキムミルク、0.05% Tween20を含有
するトリス緩衝液(20mMトリス、0.5M NaCl、pH7.5)に
より、ブロッキングする。
液アミラーゼ抗体(ヒツジIgG、BioPur社)0.01mg/m
L 1mLずつ添加し、室温、1時間反応させる。反応後、
反応液を吸引除去し、洗浄液(0.05% Tween20含有トリ
ス緩衝液)で洗浄し、未反応の抗アミラーゼ抗体を除
く。
度のα−アミラーゼ(ヒト唾液由来、Lee Scientific
社)を1mL添加し、37℃、1時間反応させる。反応
後、反応液を吸引除去し、洗浄液(0.05% Tween20含有
トリス緩衝液)で洗浄し、未反応のα−アミラーゼを除
く。
ス、20U/mLのα−グルコシダーゼ(和光純薬社)と3.4m
Mの4−クロロナフトール発色液の混合液(2:1:2)0.5m
Lずつを添加し、室温、1時間反応させた。メンブレン
上に、α−アミラーゼ濃度に従って濃くなる濃紺色の着
色を確認した。抗酵素抗体により捕捉した酵素の活性
を、共役酵素系を介して、メンブレン上に沈着する色素
で観察することができた。
ンを設けた担体(約10mm×10mm、ワットマン
社)に、ペルオキシダーゼ標識抗ヤギIgG抗体(ウサ
ギIgG、ICN社)と、α−グルコシダーゼ(Sigma
社)200U/mLの混合液を2μL滴下し、固定化したものを
2枚用意した。5%スキムミルク、0.05% Tween20を含有
するトリス緩衝液(20mMトリス、0.5M NaCl、pH7.5)に
より、ブロッキングする。
シダーゼ標識抗マウスIgG抗体(ヤギIgG、ICN
社)1mg/mL 0.3mLを室温、30分間反応させる。洗浄
後、抗ヒトアミラーゼモノクローナル抗体(マウスIg
G、International Reagent社)0.1mg/mL 1mL添加し、
室温、30分間反応させる。反応後、反応液を吸引除去
し、洗浄液(0.05% Tween20含有トリス緩衝液)で洗浄
し、未反応の抗アミラーゼ抗体を除く。
α−アミラーゼ(ヒト唾液由来、Lee Scientific社)を
0.3mL添加し、室温、30分間反応させる。反応後、反
応液を吸引除去し、洗浄液(0.05% Tween20含有トリス
緩衝液)で洗浄し、未反応のα−アミラーゼを除く。
スと3.4mM4−クロロナフトール発色液の混合液0.3mL
(混合比1:1)を添加し、室温、1時間反応させた。メ
ンブレン上に、α−アミラーゼ濃度に従って濃くなる濃
紺色の着色を確認した。抗酵素抗体により捕捉した酵素
の活性を、すべてメンブレン上に固定化した酵素による
共役酵素反応を介して、メンブレン上に沈着する色素で
観察することができた。
ンを設けた担体(約5mm×30mm、ワットマン社)
に、抗GOT抗体(ヒツジIgG、ロックランド社)1m
g/mLとピルビン酸オキシダーゼ(旭化成社)200U/mL、
西洋ワサビペルオキシダーゼ(東洋紡)30U/mLの混合液
を2μL滴下し、固定化する。さらに、メンブレン上の別
の位置に、抗アミラーゼ抗体(カルビオケム社)1mg/mL
とグルコースオキシダーゼ(Sigma社)1mg/mL、西洋ワ
サビペルオキシダーゼ(東洋紡)30U/mLの混合液を2μL
滴下し、固定化したものを4枚用意した。37℃で2時
間乾燥後、カタラーゼ(Sigma社)300U/mLの溶液で担体
をブロッキングし、さらに5%スキムミルクを含有する
リン酸緩衝液(20mMリン酸、pH7.4)により、ブロッキ
ングする。
臓由来、Biogenesis社)とα−アミラーゼ(ヒト唾液由
来、Lee Scientific社)の濃度がそれぞれ、(0U/mL,0U
/mL),(10U/mL,0U/mL),(0U/mL,10U/mL),(10U/mL,1
0U/mL)の混合液を0.3mLずつ各々のメンブレンに添加
し、4℃、1夜反応させる。反応後、反応液を吸引除去
し、洗浄液(0.05% Tween20含有トリス緩衝液)で洗浄
し、未反応のGOT、α−アミラーゼを除く。
発色法を行った。 (1)GOT反応液(リン酸緩衝液pH6.7、0.02mM FA
D、0.38mMチアミンピロリン酸、0.19mM MnCl2、2.4U/mL
オキサロ酢酸脱炭酸酵素(旭化成社)、6mMα−ケトグ
ルタル酸、0.12Mアスパラギン酸、3.6U/mLカタラーゼ+
0.64mM4−クロロナフトール発色液)を0.3mL加えて室
温、2時間反応後、洗浄し、アミラーゼ反応液(2.1mM
マルトペンタオース、5U/mLα−グルコシダーゼ(和光
純薬社)、30U/mLカタラーゼ、0.85mM4−クロロナフト
ール発色液) 0.3mLを添加し、室温、2時間反応させ
た。GOT、アミラーゼを添加したメンブレンでは、所
定の位置に酵素による濃紺色の着色を確認した。 (2)上記アミラーゼ反応液0.3mLを添加し、室温、2
時間反応後、洗浄し、上記GOT反応液0.3mLを加え、
室温、2時間反応させた。GOT、アミラーゼを添加し
たメンブレンでは、所定の位置に酵素による濃紺色の着
色を確認した。 (3)上記GOT反応液と上記アミラーゼ反応液を0.15
mLづつ等量混合し、室温、2時間反応させた。GOT、
アミラーゼを添加したメンブレンでは、所定の位置に酵
素による濃紺色の着色を確認した。
る発色が確認され、2項目の酵素の同時測定ができた。
発色の強度を定性的に判定した結果を表1に示した。
ンを設けた担体(約5mm×30mm、ワットマン社)
に、抗GOT抗体(ヒツジIgG、ロックランド社)1m
g/mLとピルビン酸オキシダーゼ(旭化成社)200U/mL、
西洋ワサビペルオキシダーゼ(東洋紡)30U/mLの混合液
を2μL滴下し、固定化する。さらに、メンブレン上の別
の位置に、抗アルカリホスファターゼ抗体(ロックラン
ド社)1mg/mLを2μL滴下し、固定化したものを4枚用意
した。4℃で一夜乾燥後、カタラーゼ(Sigma社)300U/
mLの溶液で担体をブロッキングし、さらに5%スキムミル
クを含有するリン酸緩衝液(20mMリン酸、pH7.4)によ
り、ブロッキングする。
臓由来、Biogenesis社)とアルカリホスファターゼ(AL
P)(ウシ腸由来、シグマ社)の濃度がそれぞれ、(0U/m
L,0U/mL),(10U/mL,0U/mL),(0U/mL,2U/mL),(10U/mL,2U/
mL)の混合液を約1mL添加し、4℃、1夜反応させる。反
応後、反応液を吸引除去し、洗浄液(0.05% Tween20含
有トリス緩衝液)で洗浄し、未反応のGOT、アルカリ
ホスファターゼを除く。洗浄液を除去した後、2通りの
酵素活性の発色法を行った。 (1)GOT反応液(リン酸緩衝液 pH6.7、0.02mM FA
D、0.38mMチアミンピロリン酸、0.19mM MnCl2、2.4U/mL
オキサロ酢酸脱炭酸酵素(旭化成社)、6mMα−ケトグ
ルタル酸、0.12Mアスパラギン酸、30U/mLカタラーゼ+
0.64mM4−クロロナフトール発色液)0.3mLを加えて室
温、2時間反応後、洗浄し、アルカリホスファターゼ発
色液(1mM MgCl2を含有した0.1M炭酸緩衝液(pH9.8)10mL
に対して、30mg/mL-70%DMFのNBT(p-Nitro Blue Tetr
azolium Chloride、バイオラッド社)100μLと15mg/mL-D
MFのBCIP(5-Bromo-4-chloro-3-indoyl phosphate p
-toluidine salt、バイオラッド社)100μLを加えたも
の)0.3mLを添加し、室温、15分間反応させた。GO
T、アルカリホスファターゼを添加したメンブレンで
は、所定の位置に酵素による濃紺色の着色を確認した。 (2)前記アルカリホスファターゼ発色液0.3mLを添加
し、室温、15分間反応後、洗浄し、前記GOT反応液
0.3mLを加え、室温、2時間反応させた。GOT、アル
カリホスファターゼを添加したメンブレンでは、所定の
位置に酵素による濃紺色の着色を確認した。
る発色が確認され、2項目の酵素の同時測定ができた。
発色の強度を定性的に判定した結果を表2に示した。
ンを設けた担体(約5mm×30mm、ワットマン社)
に、抗アミラーゼ抗体(カルビオケム社)1mg/mLとグル
コースオキシダーゼ(Sigma社)1mg/mL、西洋ワサビペ
ルオキシダーゼ(東洋紡)30U/mLの混合液を2μL滴下
し、固定化する。さらに、メンブレン上の別の位置に、
抗アルカリホスファターゼ抗体(ロックランド社)1mg/
mLを2μL滴下し、固定化したものを4枚用意した。4℃
で一夜乾燥後、カタラーゼ(Sigma社)300U/mLの溶液で
担体をブロッキングし、さらに5%スキムミルクを含有す
るリン酸緩衝液(20mMリン酸,pH7.4)により、ブロッキ
ングする。
(ヒト唾液由来、Lee Scientific社)とアルカリホスフ
ァターゼ(ALP)(ウシ腸由来、シグマ社)の濃度がそれ
ぞれ、(0U/mL,0U/mL),(20U/mL,0U/mL),(0U/mL,2U/m
L),(20U/mL,2U/mL)の混合液を約1mL添加し、4℃、1夜
反応させる。反応後、反応液を吸引除去し、洗浄液(0.
05% Tween20含有トリス緩衝液)で洗浄し、未反応のア
ミラーゼ、アルカリホスファターゼを除く。
発色法を行った。 (1)アミラーゼ反応液(2.1Mマルトペンタオース、5U
/mLα−グルコシダーゼ(和光純薬社)、30U/mLカタラ
ーゼ、0.85mM4−クロロナフトール)を加えて室温、2
時間反応後、洗浄し、アルカリホスファターゼ発色液
(1mM MgCl2を含有した0.1M炭酸緩衝液(pH9.8)10mLに対
して、30mg/mL-70%DMFのNBT(p-Nitro Blue Tetrazol
ium Chloride,バイオラッド社)100μLと15mg/mL-DMFの
BCIP(5-Bromo-4-chloro-3-indoyl phosphate p-tol
uidine salt、バイオラッド社)100μLを加えたもの)0.
3mLを添加し、室温、15分間反応させた。アミラー
ゼ、アルカリホスファターゼを添加したメンブレンで
は、所定の位置に酵素による濃紺色の着色を確認した。 (2)前記アルカリホスファターゼ発色液0.3mLを添加
し、室温、15分間反応後、洗浄し、前記アミラーゼ反
応液0.3mLを加え、室温、2時間反応させた。アミラー
ゼ、アルカリホスファターゼを添加したメンブレンで
は、所定の位置に酵素による濃紺色の着色を確認した。
る発色が確認され、2項目の酵素の同時測定ができた。
発色の強度を定性的に判定した結果を表3に示した。
的とするが、1種の酵素活性の測定にも使用できる。
度を測定することにより、病気の診断に利用できる。
現させることができるため、1種の酵素濃度の測定の場
合、正確な濃度測定を行うことが出来る。
に発現させることができるため、同一容器内で複数の酵
素の濃度を同時に測定することができる。それにより、
検体量、測定時間の削減を図ることが出来る。
図を示す。
の導入方法を説明する図を示す。
展開層を有する場合の工程を説明する図を示す。
Claims (13)
- 【請求項1】 測定試料液の1または2種以上の測定対
象の酵素濃度を測定する方法であって、各酵素に対する
抗酵素抗体を担体の特定部位に担持させ、担持された該
抗体に測定試料液を接触させ、各抗酵素抗体に対応する
測定試料液中の酵素を各々捕捉させ、次いで各酵素に対
応する基質を少なくとも含む酵素反応液を、抗酵素抗体
に捕捉された酵素に接触させ、各々の酵素反応産物を生
成させ、該酵素反応産物を分析することにより各酵素の
濃度を測定することを特徴とする酵素濃度の測定方法。 - 【請求項2】 前記測定試料液の測定対象の酵素は、2
種またはそれ以上であることを特徴とする請求項1に記
載の酵素濃度の測定方法。 - 【請求項3】 前記酵素反応液を酵素に接触させる際
に、測定対象の酵素の共役酵素を反応系中に存在させ、
前記酵素反応産物は、共役酵素による反応を経て生成す
ることを特徴とする請求項1または2に記載の酵素濃度
の測定方法。 - 【請求項4】 前記酵素反応産物は色素であることを特
徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項5】 前記酵素反応産物の分析は、前記色素の
量を吸光度で測定することを特徴とする請求項4記載の
方法。 - 【請求項6】 前記酵素反応産物の分析は、抗酵素抗体
の固定化位置に電極を配し、該酵素反応産物を電極上に
接触させ、電極に一定電圧を付与した電極に流れる電流
値の変化を測定することを特徴とする請求項1〜4のい
ずれか一項に記載の酵素濃度の測定方法。 - 【請求項7】 前記担体は、水溶液を吸収、拡散する材
質からなる展開層を有し、担体の前記抗酵素抗体を担持
させた部位とは異なる部位に測定試料液をスポットし、
測定試料液を展開層を通して抗酵素抗体を担持させた部
位方向に展開させて測定試料液中の酵素を抗酵素抗体に
捕捉させ、次いで、酵素反応液を該担持部位と異なる部
位にスポットし、展開層中で酵素反応液を展開させるこ
とを特徴とする請求項4に記載の酵素活性の測定方法。 - 【請求項8】 測定試料液中の1または2種以上の測定
対象の酵素濃度を測定するための試験片であって、担体
と、該担体の特定部位に担持された各々の測定対象の酵
素に対する抗酵素抗体と含み、 前記抗体に測定試料液を接触させ、各抗酵素抗体に対応
する測定試料液中の酵素を各々捕捉させ、次いで各酵素
に対応する基質を少なくとも含む酵素反応液を、抗酵素
抗体に捕捉された酵素に接触させ、各々の酵素反応産物
を生成させ、該酵素反応産物を分析することにより各酵
素の濃度を測定する試験片。 - 【請求項9】 水溶液を吸収、拡散する材質からなる展
開層が設けられ、担体の前記抗酵素抗体を担持させた部
位とは異なる部位に測定試料液をスポットしたときに、
測定試料液が展開層を通して抗酵素抗体を担持させた部
位方向に展開することを特徴とする請求項8記載の試験
片。 - 【請求項10】 各々の抗酵素抗体が、互いに分離して
担体に担持された請求項9記載の試験片。 - 【請求項11】 請求項8〜10のいずれか一項に記載
の試験片を用いて酵素反応産物を測定することにより測
定試料液中の酵素濃度を測定する酵素反応装置であっ
て、 測定試料液を試験片に供給する測定試料液供給手段と、 前記酵素に対応する基質を少なくとも含む酵素反応液を
試験片に供給する酵素反応液供給手段とを備えた酵素反
応装置。 - 【請求項12】 請求項8〜10のいずれか一項に記載
の試験片を用いて、酵素反応産物を測定することによる
酵素濃度の測定装置であって、 酵素反応産物の濃度を測定する酵素反応産物測定手段
と、該酵素反応産物測定手段により測定された測定値を
データ処理するデータ処理手段と、該データ処理手段に
よる処理結果を表示する表示手段とを備えた酵素濃度の
測定装置。 - 【請求項13】 前記試験片を請求項11の酵素反応装
置と共に装着可能とした請求項12に記載の酵素濃度の
測定装置。
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---|---|---|---|
JP2000120681A JP4904611B2 (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | 酵素濃度の測定方法および酵素濃度の測定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2010106997A1 (ja) * | 2009-03-19 | 2012-09-20 | 株式会社カネカ | 核酸の検出方法及びキット、デバイス |
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- 2000-04-21 JP JP2000120681A patent/JP4904611B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US10073040B2 (en) | 2009-03-19 | 2018-09-11 | Kaneka Corporation | Method for detecting nucleic acid, and device or kit |
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