JP2001501302A - 生物学的サンプルにおける物質の定位と定量分析の方法 - Google Patents

生物学的サンプルにおける物質の定位と定量分析の方法

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Abstract

(57)【要約】 生物学的サンプルにおける標的物質の定位と定量分析の方法を明らかにする。この方法は標的物質に結合する酵素結合したプローブを利用し、定位を可能にする沈殿した光輝性物質と、サンプルを含む媒質中において定量を可能にする溶解性光輝性物質が生成する。

Description

【発明の詳細な説明】 生物学的サンプルにおける物質の定位と定量分析の方法発明の背景 (1)発明の分野 本発明は生物学的サンプルにおける物質の検出の分野に関し、さらに特に生物 学的サンプルにおける物質の定位(localization)と定量分析に関するものであ る。 (2)従来技術の記述 細胞や組織内における標的物質を局在化(localize)させるために、長い間診 断研究所では抗体、レクチン、ヌクレオチドプローブなどの方法を用いてきた。 そのようなプローブの標的物質への結合は、特徴的には蛍光体、複合酵素、金粒 子などの方法による直接的な標識プローブを利用することにより、あるいは“プ ライマリー”プローブを認識する複合“セカンダリー”プローブによりミクロ的 に検出できる。この基本的なプロトコール(protocol)は多くの臨床試験や研究 所において使用され続けている。検出システムにおける最近の進展によりプロー ブ定位の感度と解像度は改善され、銀強化を用いた免疫金(immunogold)、ペル オキシダーゼ−アンチペルオキシダーゼ、アビジン−ビオチン複合体、チラミド (tyramido)シグナル増幅のような方法がある。これらの方法は抗原分布の空間 的な解像度の分析には優れているが、標的物質の直接的な定量情報は得られない 。そのような定量情報を得ることができる1つの方法として、画像分析があるが 、この手法には多大な時間と費用が必要である。 細胞や組織中の物質の定量分析には、ウエスタン、サザン、ノーザンブロット 法、放射免疫検定法、酵素標識免疫吸着測定法やドットブロット法などの多くの 技法が存在する。これらの技法により確 かに有益な定量情報が得られるが、細胞あるいは組織内での標的物質の定位に関 しては特徴的な情報は何も得られない。さらにこれらの方法はしばしば組織の抽 出やあるいは分裂を引き起こし、標的物質の定位に悪影響を及ぼす。しかしなが ら、組織内に存在する物質の定量分析だけでなく細胞または組織内での物質分布 の両方の情報を得るための臨床試験においては、これらの方法はしばしば重要で ある。 組織化学的な定位または存在する物質の定量分析に加え、情報を得るための試 みについては、いくつかの手法が報告されているが、生物学的サンプルにおける 物質の定位と定量分析の両方が実行できる画像解析より優れた手法に関する報告 はほとんど公表されていない。ある研究において、細胞懸濁中に存在する物質の 定量分析はポジティブセルつまりセルカウント(例えばMaklerら、Transfusion2 1:303-312,1981参照)の数の決定と関連している。しかしながらそのような研究 は細胞懸濁内での標的物質の定位に関する情報は全く得られない。 別の報告では、初期の抗原定位に用いられた免疫組織化学的技法を利用して定 量的検出が行われていた(Leuvenら、J.Immunol Meth23:109-116,1978)。しか しながらこの研究で報告されている方法は、抗原の定量分析を実施する前に細胞 が分裂してしまう。このようにLeuvenらとMaklerらの両方法において、定量分析 と定位の双方を実施するには、2回サンプル調整する必要があった。 別のグループは同じサンプルで定量分析と定位の双方を実行できる方法に関す る報告をしている(米国特許第4,487,830号)。この方法は標的物質の位置を確 認するために蛍光性抗体を、標的物質を定量するために酵素複合抗体、あるいは その代わりに蛍光性酵素複合抗体を利用した。しかしながら、蛍光性抗体はわず かなシグナル増幅しか示さず、臨床試験において通常検出できないシグナルの可 視化のために、外部の蛍光観測用の顕微鏡が必要である。 他の物質と反応して光を放つ化学発光または生物発光する化合物で標識された プローブを利用する他の報告がある(米国特許第4,478,817号)。定位は目視検 査により、定量分析は、例えばフォトマルチプライヤーチューブを通して、サン プルから発生した全光から行うことができる。そのような定量分析は実施するこ とが難しく、時間をかなり必要とし、通常の臨床試験では利用されないような装 置が必要となる。さらに、以上引用した文献にはマルチプローブ検出に対する手 順が記述されていない。だから組織あるいは細胞量が変化すると、単一のサンプ ルでこれらの技法を用いて定位と定量分析を行うことはできない。 したがって、実質的に臨床試験で使用可能であり蛍光分析用顕微鏡や画像解析 装置を必要とせずに、細胞あるいは組織内の物質の定位と定量分析の双方を検出 する、簡便でありコストのあまりかからない方法が望まれている。発明の簡単な説明 よって、発明者らはここに生物学的サンプルを含む溶媒体(bathing medium) 中における標的物質の定位と定量分析を実施する新規な方法を発明することがで きた。この方法はサンプルとプローブが接触することから成り、プローブは標的 物質と結合し、さらに結合したプローブは酵素とも結合している。第1の基質か ら、酵素は標的物質のある位置に実質的に反応した第1の反応生成物が生成する 。酵素はまた第2の基質から溶液中に溶解する第2の生成物を形成し、その溶液 を光照射することにより第2の生成物が検出できる。第2の生成物はサンプル中 の標的物質の量に定量的に比例した量が溶液中に存在する。よって溶液中の生成 物の量を測定することにより、サンプル中の標的物質の量を決定することができ る。 この方法では抗体、アビジン化合物、レクチン、受容体リガンドやヌクレオチ ドプローブを含む種類の異なったプローブを利用することができる。さらにプロ ーブは、アルカリ性のホスファターゼ、 西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーセ、グルコースオキシダーゼ 、α−アミラーゼ、β−グルクロニダーゼ、ネオマイシンホスホトランスフェラ ーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼとβ−ラクタマーゼを 含む多くの酵素と結合することができる。その上、酵素は数多くの基質と作用し 局在を決定づける位置に反応した生成物を、あるいは定量分析用に溶液中に溶解 する生成物を形成する。 またこの方法はそれぞれの標的物質に対して、酵素に結合したプローブが個別 の位置で基質と反応して反応物を生成し、そして溶液中でそれぞれの標的物質に 対応した生成物を生成することを用いることにより、少なくとも2つの標的物質 の定位と定量分析に利用することができる。 別の具体例において、生物学的サンプルを含む溶液中における標的物質の定位 と定量分析を行うキットを提示する。このキットは標的物質と結合するまたは標 的物質に関連するバインダーと結合するプローブ、あるいは標的物質に結合した プローブへ結合するプローブから成る。プローブは酵素に結合しており、その酵 素は第1の基質から標的物質のある位置に実質的に結合した第1の生成物を生成 する。第1の生成物はサンプルを光照射することにより検出できる。また酵素は サンプル中の標的物質の量に依存した量を含む溶液を光照射することにより検出 できる第2の生成物を形成する。抗体、アビジン化合物、レクチン、受容体リガ ンドとヌクレオチドプローブを含む種類の異なったプローブを使用することがで きる。さらに、アルカリ性のホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β −ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、β−グルクロ ニダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、ネオマイシンホ スホトランスフェラーゼとβ−ラクタマーゼを含む多くの酵素を使用することが できる。その上、種類の異なった基質を使用でき、多くの沈殿生成物と溶液中で の生成物が 生成する。 キットはまたそれぞれの標的物質に対して、酵素に結合したプローブが個別の 位置で適当な基質と反応して反応物を生成し、そして溶液中でそれぞれの標的物 質に対応した生成物を生成することを用いることにより、少なくとも2つの標的 基質の定位と定量分析に使用することができる。 よって本発明により達成されるいくつかの有利な点の中で、生物学的サンプル における標的物質の定位と定量分析の両方を検出でき、費用のかからない準備で 迅速かつ簡単に実施可能な方法は注目すべきである。標的物質の定位と定量分析 を行う方法の設備は多くの臨床試験で通常使用されており、複雑で高価な器具を 必要としない。キットを装備することにより標的物質の定位と定量分析の両方が 実施可能となる。図面の簡単な説明 図1は溶液中で検出される色素原の量とサンプル内に存在する標的物質の量と の直接的な関係を示す。 図2は溶液中で検出される色素原の量とサンプルと接触させた時間との関係を 示す。 図3は胸腺組織のアポプト−ティック分析(apoptotic assay)を示す。(a )ジゴキシゲニン−dUTPで標識され、アンチ−ジゴキシゲニン抗体に結合した西 洋ワサビペルオキシダーゼをプローブとした細胞の断面図(b)標識せずに、ア ンチ−ジゴキシゲニン抗体に結合した西洋ワサビペルオキシダーゼをプローブと した細胞の断面図である。 図4は患者組織のアルツハイマー分析を示し、(a)はTSAで増幅された、BCI P/NBTと反応させたストレプトアビジンに結合したアルカリ性のホスファターゼ により結合されたマウスアンチ−PHF/tau抗体をプローブとして、水中で煮沸さ せて青色に発色させた組織断面図(40倍)、(b)はBCIP/NBTと反応したヤギア ンチ−ラビッ ト抗体に結合したアルカリ性ホスファターゼにより結合されたラビットアンチ− Gfap抗体をプローブとし、茶紫色に沈殿した組織断面図(40倍)、(c)はTSA で増幅された、BCIP/NBTと反応させたストレプトアビジンに結合したアルカリ性 のホスファターゼにより結合されたマウスアンチ−PHF/tau抗体をプローブとし て、水中で煮沸させて青色に沈殿させ、引き続きBCIP/NBTと反応したヤギアンチ −ラビット抗体に結合したアルカリ性ホスファターゼにより結合されたラビット アンチ−Gfap抗体をプローブとし、茶色に沈殿させた組織断面図(10倍)、(d )はTSAで増幅された、BCIP/NBTと反応させたストレプトアビジンに結合したア ルカリ性のホスファターゼにより結合されたマウスアンチ−PHF/tau抗体をプロ ーブとして、水中で煮沸させて青色に沈殿させ、引き続きBCIP/NBTと反応したヤ ギアンチ−ラビット抗体に結合したアルカリ性ホスファターゼにより結合された ラビットアンチ−Gfap抗体をプローブとし、茶色に沈殿させた組織断面図(40倍 )である。 図5は血清サンプルと反応させたHEp-2細胞試料のスライド上に観測された免 疫組織化学的な染色パターンを示し、(a)は拡散パターン、(b)は斑点状パ ターン、(c)はリム(rim)パターン、(d)は染色が観測されない。 図6は溶液中と固体色素原が生ずる基質を用いて、マウス脳組織サンプルに結 合するプローブの定量分析と定位を同時に実施した結果を示し、酵素基質は(a )o-フェニレンジアミンジヒドロクロライド(OPD)、あるいは(b)p−フェ ニレンジアミンジヒドロクロライド/ピロカテコール混合物(pPD/PC)である。発明の詳細な説明 本発明によって、単一の生物学的サンプルにおける物質の定量分析と定位を、 放射性同位元素、蛍光あるいは化学発光的検出系、または画像解析装置を用いる ことなしに迅速に求めることができるようになった。この方法は標的物質と結合 するプローブを用いる。そ してこのプローブは、サンプルのある媒質中において存在する基質から検出可能 な光輝性物質を生ずることができる酵素に結合している。酵素は標的物質のある 位置に固着して1つの光輝性物質と、定量分析法により検出可能な溶液中に溶解 する第2の光輝性物質を生じる。 サンプルは細胞培養、組織試料、自己免疫性または免疫性抗体等を含む疑いの ある血清サンプルのような多くの種類の生物学的サンプルから成る。サンプルは 人間と動物を含む両方の患者から得ることができるし、培養細胞系や組織からも 得ることができる。サンプル調製は顕微鏡スライド、マイクロタイターディッシ ュウエル(microtiter dish well)、膜、ペトリプレートなどの支持体の表面に 、通常用いられている多くの固定化により行うことができる。それによって標的 物質は支持体に固定される。数多くある方法のどんな方法でも、サンプルを支持 体へ固定するのに使用できる。準備されたサンプルのタイプにもよるが、パラフ ィンに浸漬した組織、凍結した組織、組織培養中の細胞、あるいは細胞が支持体 に固定されている、または結合されているような細胞サンプルがある。 生物学的サンプルおける標的物質は、例えばDNA、RNA、抗原、抗体、受容体、 ホルモン、または他の受容体リガンド、脂質、リン脂質、糖脂質、糖タンパク質 、炭水化物等のような多くの細胞内あるいは細胞外の化合物である。標的物質は 、固体の支持体に固定される限りにおいて、サンプル調製前には溶液中に存在す る。前述したサンプル調整後、標的物質は定位と定量分析を行うことができる。 定位とは、標的物質の位置がサンプルの組織、細胞あるいは亜細胞成分に関して 明確にされていることを意味している。そのような明確化は細胞内あるいは細胞 に関して、標的物質が細胞内あるいは細胞外にあるのか、のように参照される。 つまりその明確化は組織または特定の物質を生じる細胞の位置が判明している組 織内で参照される。 プローブは標的物質に結合することができ、標的物質の検出を可能にする多く の物質ならどんなものでもよい。例えば、プローブはモノクローナルあるいはポ リクローナル抗体のいずれかであれば、この場合の標的物質は抗原である。プロ ーブがストレプトアビジンのようなアビジンの場合、標的物質はビオチンあるい はビオチニレイテッドタンパク質であり、プローブがレクチンの場合、標的物質 は炭水化物である。その他のプローブとしては、DNAやRNA標的物質と混成可能な センスあるいはアンチセンスヌクレオチド、受容体と結合可能なタンパク質ある いはペプチドミメティック リガンド、検出可能な標識基物質と結合可能な物質 などを挙げることができる。 標識物質に結合したプローブは、さらに別のプローブと結合可能でもある。第 2プローブの第一プローブへの結合により、第1あるいは後続のプローブが酵素 に結合し、結合した酵素によりプローブの定位と定量分析を可能にする。よって 、標的物質の定位と定量分析を実施することができる。 したがってプローブが酵素と結合あるいは接合し、そのようなつながりは、プ ローブが酵素に結合した抗体として直接的である、あるいは酵素が抗体と結合し 、さらにその抗体が標的物質と反応した別の抗体に結合している間接的なもので ある。間接的な例として、酵素はプローブに結合するであろう、つまりプローブ に関連している実質的な物質であるバインダーに結合している。ここでプローブ がポリヌクレオチドとしたら、このプローブはジゴキシゲニン、ビオチン、他の 物質により複合酵素へ結合された他の分子と結合することが可能である。よって 、2つあるいはそれ以上に結合する物質はお互いに接合あるいは結合でき、その 連結のうち1つは共有結合で酵素と結ばれている必要があり、もう1つは標的物 質と結合するプローブとして働く。 本発明において有用な酵素は用意に入手可能であり、室温において安定であり 、検出系において使用される1つあるいはそれ以上の 光輝性物質と反応させても酵素活性は安定的に維持されている。本発明の使用に 供される酵素としては、仔ウシ腸アルカリ性のホスファターゼ、西洋ワサビペル オキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、α−アミラー ゼ、β−グルクロニダーゼ、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、クロラム フェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β−ラクタマーゼ等がある。 酵素あるいは酵素類が生物学的サンプルを含む媒質中において基質に作用して 溶解物と、媒質中において不溶化することにより特徴的な沈殿生成物が生成する 。溶解生成物と沈殿生成物両方とも検出可能な光輝性物質の形で安定に存在する ことが好ましい。その結果定位と定量分析が時間に対して明確にできる。これは 本発明の組織化学的な定位の観点において特に好ましく、標的物質の定位の再調 査や、例えば病気進行中における変化の経路をモニターする点において、サンプ ルの比較参考に利用するのに好ましい。 基質から生成する溶解性と不溶性反応生成物は異なる。特定の酵素に対応させ るために特定の基質と生成物を選択できる。したがって、例えば酵素がアルカリ 性ホスファターゼ(AP)の場合、沈殿生成物は5−ブロモ−4−クロロ−3−イ ンドイルフォスフェイト/ニトロブルーテトラゾリン(BCIP/NBT)、ニューフチ シン(New Fuchsin)、ファストブルー/ナフトール、またはファストレッド/ナ フトールのような基質から生成し、溶解生成物はファストレッド/ナフトールま たはp−ニトロフェニルフォスフェイト(pNPP)のような物質から生成する。酵 素が西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の場合、沈殿生成物はo−フェニレン ジアミンジヒドロクロライド(OPD)、p−フェニレンジアミンジヒドロクロラ イド/ピロカテコール混合物(pPD/PC)、アミノエチルカルバゾール、クロロナ フトール、またはジアミノベンジジンテトラクロライド/塩化コバルトと塩化ニ ッケル混合物(DAB/金属)のような物質から生成し、溶解性反応物はOPD、pPD/P C、またはテトラメチルベン ジジンジヒドロクロイライド(TMB)のような物質から生成する。 概して、溶解性反応生成物は酵素活性を実質的に低下させることなしに生成す る。不溶性反応生成物はしばしば酵素活性を低下させる。よって、酵素活性を実 質的に低下させない不溶性反応生成物を選択することが望ましい。好ましくは溶 解性あるいは不溶性生成物のいずれの生成物によっても酵素活性は多くて90%ま で低下し、より好ましくは多くて50%まで低下し、さらにより好ましくは多くて2 0%まで低下し、最も好ましくは多くて10%あるいはそれ以下まで低下する。好ま しい例として、標的物質の定量分析用の溶解生成物がまず生成し、続いてより特 徴的には酵素活性の低下を引き起こす不溶性の沈殿生成物が生成する反応タイプ が好ましい。 ある例においては、2つ以上の生成物が同じ基質から酵素により生成し、また 別の例では生成物が不完全な溶解性であったり部分的な不溶性になる場合がある 。このような状況下では、標的物質の定位と定量分析の双方を検出するために単 一物質を使用する。 酵素によって生成した生成物は光輝性物質であると考えることができる。ここ で使用している、“光輝性物質”という語は光照射により検出可能な電磁場放射 を発する物質を意味している。ここで言及している光輝性物質は色素原つまり発 色団またはフルオロゲン(fluorogen)つまり蛍光体を含む。不溶性金属塩の沈 殿により標的物質は限られた位置に局在化される。溶液中において溶解生成物ま たは光輝性物質は検出される。溶解生成物はどのような光輝性物質であるかにも よるが、好ましい波長の光を吸収する。本発明の属する技術分野における通常の 知識を有する者は、特定の光輝性物質に対する好ましい波長は容易に確認できる 。 溶解した光輝性物質を含む溶液中の光吸収の測定は、例えば多波長分光光度計 を用いたのような多くの方法で可能である。 沈殿した光輝性物質は、プローブが結合した場所あるいは近く、つまり標的物 質のある特定の位置で固体状態で濃縮されている。沈 殿した固体の光輝性物質は、顕微鏡下において固体試料に光照射すると局部的に 色を有しており、それによってサンプル内での標的物質の位置を特定できる。 このようにして、プローブの結合部位が標的物質のある位置に実質的に固定さ れた不溶性光輝性物質の発生により、標的物質の定位を行うことが可能となる。 標的物質の定位に要求される標的物質へ接近した距離は特定の分析法の条件に依 存する。細胞上または細胞内における標的物質の定位には、約2ミクロン以内に 沈殿物が実質的に標的物質に付着していることが好ましく、より好ましくは約0. 5ミクロン以内に、最も好ましくは約0.1ミクロン以内に標的基質の位置に付着し ていることが望ましい。組織内における標識物質の定位には、好ましくは付着位 置が約5ミクロン以内に、さらに好ましくは約2ミクロン以内に、最も好ましく は標的基質の位置から約0.5ミクロン以内が望ましい。 サンプルは、固定されたサンプルに接触した溶液を含む液に浸漬しておく。浸 漬液は、サンプルと標的物質だけでなくプローブと酵素とも相溶性のある多くの 塩を含む緩衝液であることが望ましい。加えて、ある場合には浸漬液は不溶性の プローブ酵素複合体の分散を容易にするために界面活性剤を含んでもよい。プロ ーブ酵素複合体と基質は検出系の溶液状態を調整する浸漬液内で、溶液、懸濁液 または分散液内で維持されている。もしサンプルがガラススライドのような非密 閉系の表面に置かれていたならば、防水性材料で組織周辺に壁を設け、溶液は定 量分析のために別の容器に移動可能にする。 プローブによる検出感度の増大を、標的物質に結合したプローブ位置の近傍に あるシグナル分子の数を増加させるという標準的な増幅手順を組み入れることに より行うことも可能である。例えば、標的物質に結合したモノクローナル抗体へ 酵素複合ポリクローナル抗体の2次結合により、モノクローナルプローブが結合 した位置近傍 に存在する酵素分子の数が増加し、結果として生成する光輝性物質の数は増大す る。 シグナル増幅に関する1つの特に有用な方法が米国特許第5,196,306号に記載 されており、ビオチンチラミド(biotin tyramide)シグナル増幅(TSAニューイ ングランド ニュクリアー ライフサイエンス プロダクツ、ボストン、マサチ ューセッツ)法として知られている商業用キットがある。この方法は標的物質に 結合した酵素結合抗体を利用する。酵素は溶液中において追加した第1の基質と 反応し、標的物質の近傍のサンプルに沈殿した反応性のビオチン結合生成物が生 成する。別の酵素複合のビオチニレイテッド生成物に結合したストレプトアビジ ンを含む溶液を加え、初期の抗体酵素複合体により特定される位置において酵素 活性の増大が観測される。この方法はプローブへ結合した酵素活性の増大させる 他の方法、例えば蛍光性のストレプトアビジンや金で標識され、銀強化されたス トレプトアビジンによる間接的な検出方法のような他の方法と合わせて、本発明 において利用できる。 本発明の定量的側面は、基質または生成物あるいは他の代替物により決定され る終点へ進行する酵素反応生成物の、溶液中での発生に依存し、反応は酵素から の溶液の除去、あるいは酸、塩基、還元剤、カオトロピック剤などを、酵素から 最初に除去された溶液のサンプルに添加することにより終結する。それによって 光輝性物質が生成し、分光学的に検出できる。もしいくつかの反応終結試薬の1 つを使用したら、反応終結試薬で処理した後,酵素活性が低下してもいい場合に は、まず定位を実施することが望ましい。 基質と酵素のどちらかあるいは両方とも存在しない条件で基質と酵素が反応し ないサンプルにおいて、定量分析のための適切なコントロール実験を行っておく ことが望ましい。プローブが存在しない場合、あるいはサンプル調整する前に過 剰の標的物質が存在する場合のプローブの吸収スペクトルも、前もって測定する 。さらに濃度 既知の酵素と基質から酵素濃度に対する検量線を作成し、酵素結合プローブを添 加することより濃度朱知のサンプルを比較できる。 検出を妨害するであろう内因性酵素活性を取り除くあるいは破壊するために、 サンプルはプローブと酵素を添加する前に以下の処理をされる。例えば、多くの 細胞や組織試料は通常基質にも作用する内因性ホスファターゼやペルオキシダー ゼ酵素を含んでいる。処理方法としては化学処理や短時間煮沸などがある。さら に標的物質と関係しない表面がプローブとランダムに結合することもある。この ような現象を少なくするために、サンプルはそのような結合部位をマスクあるい はブロックする試薬を含む溶液で処理される。そのようなマスクあるいはブロッ クする試薬としては、ゼラチン、ウシ血清アルブミン、粉末ミルクや合成洗剤な どがある。 本発明の好ましい実施例を以下に記述する。本発明の請求範囲内の他の具体例 は、明細書やここに開示する本発明の実施例を考慮すれば、本発明の属する技術 分野における通常の知識を有する者にとっては明らかである。実施例に従う特許 請求範囲によって示される発明の範囲と意図をもって、実施例とともに明細書は 模範と考えることを意図している。 例1 本例は光学密度により測定された溶液中で検出された色素原の量とサンプル中 に存在する標的物質の量との間の関係を示す。 すべての試薬はミズーリー州セントルイスにあるシグマケミカルから購入し、 サンプル調製は特に明記しない限りすべて室温で実施した。マウス脳組織はパラ フィンに浸漬させ、組織への結合はレクチンプローブと結合した小麦生殖凝集素 −アルカリホスファターゼ(WGA-AP、イーワイラボラトリーズ)に対して決定し た。小麦生殖凝集素は、多くの哺乳類細胞タイプの表面に豊富に存在するN-アセ チルグルコサミン糖残基へ結合する。 それぞれのテスト分析において、組織の量を変化させた。例えば、 組織のサンプルを1つの顕微鏡スライドに固定し、組織のおおよそ2倍量を別の スライドへ、組織のおおよそ4倍量をさらに別のスライドへ固定した。各試料は 2回テストを行った。 試料を固定した後、パラフィンを取り除き内因性アルカリホスファターゼをマ イクロ波オーブン内で5分間水中で煮沸させることにより破壊した。試料を水中 において順次洗浄した後、PBS(0.1Mリン酸塩緩衝生理的塩溶液、pH7.2)とPBS- BB(1%ウシ血清アルブミン、0.2%粉末ミルクと0.3%トリトンX-100を含むPBS )、WGA−AP酵素プローブ複合体(PBS-BB中で1μg/mlのWGA-APの200倍希釈し た溶液の200μl、を各サンプルに加え、4℃で一晩定温放置した。各組織量に 対するWGA-AAを添加しなかったコントロールサンプルもPBS-BBで処理し、4℃で 一晩放置した。各試料は1回にトリス(Tris、20mM、pH7.5)で5分間を、3回 洗浄し、pNPP(0.2M トリス pH9.9、1mg/ml pNPP)を含む溶液の200μlを添 加した。pNPPを添加する前に、組織を分離させるためにグリースペンあるいは指 の爪をみがくものを用いて、防水性材料を施すことにより顕微鏡スライドの組織 の周辺に、“バリヤー”を形成させた。pNPP反応を10分間させるようにしておき 、さらなるホスファターゼ活性を終結させるために25μl 3N水酸化ナトリウム を含むマイクロタイタープレート中の容器に100μl移動させた。各サンプルに 存在する酵素の量は、マイクロタイタープレート分光光度計を用いて、移動させ られ水酸化ナトリウムで終結させられた各サンプルの405nmの吸光度を測定する ことにより求めた。吸光度の値はそれぞれの試料に対して記録され、ペアの試料 の値は平均化され、組織の量に対してプロットした。 それから各試料はトリス緩衝液で3回洗浄し、BCIP/NPT(0.1Mトリス pH9.4 、0.15mg/ml BCIP,00.3mg/mlNBT、0.005M 塩化マグネシウム(pH>7.5))を 含む200μlの溶液で10分間処理された。BCIP/NBT溶液は各試料からトリスで洗 浄させ、2分間水中にて煮沸 された。煮沸することにより沈殿したBCIP/NBT反応生成物の色が茶紫色から青色 へ変化した。各サンプルにおける細胞の青色部分の存在と強度を光顕微鏡の下で 調査した。 マイクロ波煮沸後のそれぞれのコントロール試料に存在する残存する内因性ホ スファターゼ活性は無視できることがわかり、サンプル量が1Xから2X、4Xへ増加 しているが、ホスファターゼ活性の増加は観測されなかった。析出したBCIP/NBT の定位は、WGA-AP処理された脳試料のすべてにおいて同じであり、神経網のすべ てに亙っていた。WGA-APが存在しない場合は、染色は確認されていない(データ は示していない)。WGA−APサンプルの光学密度はコントロール実験での吸光度 より補正させ、プローブ複合体のサンプルへの結合の数は、サンプル中に存在す る組織の量に直接比例して、徐々に増加している結果を示す(表1)。 図1はサンプル中に存在する組織の量と生成物の量の直接的な関係を示す。よ って、サンプルにおける標的物質へ結合するプローブの量とそのサンプル内にお ける組織の量あるいは細胞の濃度との間に比例関係がある。 例2 本例は反応時間と光学密度により測定され、検出された色素原の量との関係を 示す。 マウス脳の試料から例1で調製したように、2回測定できるように試料を調製 した。ただし各サンプルペアは異なった時間基質と反応させ、光学密度を測定し た。このことは生成した色素原の量と反応時間との関係を求めることを可能にす る。WGA-APを使用しないで、2回のコントロール実験をPBS-BB存在下で行った。 それぞれの反応時間において、一定のサンプルから100μlの溶液を取り除き 、酵素反応を終結させる25μl 3N水酸化ナトリウムを含むマイクロタイターの 容器へ入れた。それから405nmの吸収度を測定した。 次に各試料を洗浄し、例1で記載したようにBCIP/NBTと反応させ、着色沈殿物 の存在と強度を、顕微鏡を用いて観測した。 各サンプル溶液の吸光度は反応時間の増加とともに増加した(表2)。PBS-BB を用いたコントロール実験では無視できる吸光度が観測された。BCIP/NBTとの反 応10分後に、各サンプルには予想された通り、顕微鏡下にWGA-APサンプル内では 同一の青色の沈殿物が観測された。なぜなら沈殿物生成の反応時間は同じである からである。PBS-BBのコントロール実験においては染色は観測されなかった。 図2は検出された色素原の量と反応時間の長さとの間に直接かつほとんど比例 な関係を示している表2のデータを示す。 例3 本例は媒質中における基質を有するサンプルへ結合した酵素の連続反応におけ る酵素活性の損失パーセントを例示する。 パラフォルムアルデヒドを固定させたマウス脳のサンプルを2つ調製し、PBS −BBを100倍希釈したWGA-APプローブで処理し、pNP P基質と反応させて、例1と同様に405nmの吸光度を測定した。それから各サンプ ルはトリス緩衝液で3回洗浄し、pNPP基質の新液とさらに反応させ、405nmの吸 光度を測定した。各pNPP反応で得られた405nmの吸光度の値を平均化した。 次にサンプルはトリス緩衝液で3回洗浄し、標準のBCIP/NBT溶液で10分間反応 させ、続いて水で洗浄し、短時間煮沸の後、光顕微鏡下で各試料を観測した。 第2反応において測定された色素原の量は、両サンプルとも第2反応で測定さ れたものと比較して平均15%±2%減少した。固体の色素原の顕微鏡観測より、 例1と2のサンプルで観測されたのと同じように強い青色が存在することがわか り、このことは色素原の定位は前もって繰り返し行った溶液反応により影響を受 けないことを示唆する。 例4 本例はTUNEL分析法(TdTを媒介としたdUTP ニック エンドラベリング分析法 )を利用したアポプト−ティック細胞の一連の断面図と定量分析の結果を示す。 適度な細胞アポプト−シスを有する青年期のマウス胸腺の組織を例1のように調 製した。アポプト−シスが進行している細胞はジゴキシゲニン−dUTP(dig-dUTP )を有する末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(両化合物ともボー リンガーマンハイムバイオケミカルズ(BMB)、インディアナポリス、インデ ィアナ州)を用いて標識された。アポプトーシス細胞は損傷したDNAを含み、よ って核内にフリーな末端ヌクレオチジル残基がむき出しになっている。結果とし て、正常な細胞内ではなくこれらの細胞内でDNA末端上に、TdTはdig-dUTPを取り 込むことができる。試料はパラフィン浸漬から取り出され、水中で洗浄し、さら にPBS緩衝液で洗浄した。それからサンプルは30mMトリズマ(Trazma)塩基、pH7 .2、140mMジメチルアルシン酸ナトリウム、1.0mM塩化コバルトとdig-dUTPの0.25 nmol/100μlの0.25μl中で TdT(25U/100μl酵素の0.5μl)と37℃で60分間反応させた。反応を300mMの塩 化ナトリウムと30mMのクエン酸ナトリウムで洗浄して停止させた。それから試料 を水で洗浄し、30分間PBS-BBでブロックさせた。アンチ−ジゴキシゲニンモノク ローナル抗体(ボーリンガーマンハイムバイオケミカルズ)で標識された西洋ワ サビペルオキシダーゼを含むPBS-BB溶液を組織試料とともに4℃で一晩放置した 。さらに試料をトリス緩衝液に3回各5分間浸漬し、製造業者のプロトコールに 従い、TSA技法を行った。HRP−ストレプトアビジンを沈殿したビオチントリアミ ドへ結合させるために使用し、各5分間づつ3回トリス緩衝液で洗浄し、試料を 200μlTMB(ソディウムパーボレイトpH5.0を有するホスフェイトシトレイト緩 衝液に0.1mg/mlのTMB)で5分間放置した。 溶液の100μlのサンプルを各試料から取り2M硫酸の25μlを含むマイクロタ イタープレート容器に移し、各組織からの反応生成物の量を定量するために405n mで分析した。各試料はトリス緩衝液で3回各5分間洗浄し、標準DAB/金属溶液 (パース)の200μlに5分間浸漬され、再度洗浄され、暗褐色のアポプト−シ ス細胞の存在とその定位のために光顕微鏡下において視覚的に調べた。試料は写 真撮影された。コントロール実験として、TdTと反応させていない試料も1つ用 意した。 TdT、アンチ−dig抗体とHRP結合ストレプトアビジンと反応させたサンプルは 、サンプル中にアポプト−シス細胞の特徴を示す暗褐色に染色された核を有する 細胞が存在することがわかる(図3a)。対照的に、TdTで処理していないサンプ ルには暗褐色に染まった核は観測されなかった(図3b)。処理していないサン プルの405nmでの光学密度が0.312であるのに対して、TdTで処理したサンプルの 定量分析からは0.625という光学密度の値が得られた。よって、アポプト−シス 体の溶液中での検出は試料中におけるアポプト−シス体の量を測定している。例5 本例では、単一試料中におけるPHF/tauとグリアフィブリラリーアシディック プロテイン(glial fibrillary acidic protein,Gfap)の連続的な定量分析と 定位を例示する。 アルツハイマー病を患っている患者の脳内ではPHF/tau沈殿物の量が増加して いる。彼らは神経細胞に損害を被っており、アンチ−Gfap抗体で標識される反応 性星状細胞の数が多く存在する。対照的に、他の神経系に関する病気を患ってい る患者はGfapの量は増加しているが、PHF/tau反応性は増大していない。 5人の患者からの人間脳の一部分を、うち2人はアルツハイマー病であり、3 人はそうではない、実施例1のようにサンプル調整した。各サンプルは神経病理 学的な調査方法により証明された星状細胞増加の反応性の程度が異なっている。 試料は内因性ペルオキシダーゼ活性を低下あるいは無くすために、メタノール中 において30分間0.3%過酸化水素で処理した。各5つの人間の脳から3つの別々 のサンプルを各プローブのために用意した。2つは単一のプローブ用に、もう一 つは2つのプローブの連続処理用に用意した。 各患者の脳からのすべての3つの組織試料は、15分間PBS-BBにおいてブロック された。二つの試料はPBS-BB中においてマウスアンチ−PHF/tau抗体(イノゲネ ティックス)の5000倍希釈の100μlに1時間浸漬し、残りの1つはPBS-BBとだ け処理をした。PBS中において各5分間計3回十分に洗浄した後、各サンプルは 、PBS-BB中においてロバアンチ−マウス抗体(ジャクソンイムノリサーチラボラ トリーズ)に1時間結合させたビオチンの1000倍希釈中に浸漬し、引き続きその うちの1つをPBSで、2つを前記したようにトリスで洗浄した。TNB(TSAキット で供給される0.5%デュポンブロッキング試薬を含むトリス緩衝液)中でストレ プトアビジンに結合した西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP-Strep)の500希釈液 を各3つのサンプルに30分間浸漬し、それからトリス緩衝液で3回洗浄した。 1X増幅緩衝液(TSAキットから供給される)中のビオチントリアミド(NENライフ サイエンス、デュポン)の100倍希釈をこれらの各サンプルと反応させると、HRP により触媒作用が及ぼされる基質は、試料の表面の分子上に沈殿あるいは結合す る反応性の生成物が生成し、後続のストレプトアビジン−酵素複合体へ結合する ビオチンに結合した基質の局所的な濃度を増加させる。さらにサンプルはトリス 中において洗浄させ、TNB中で1000倍希釈されたアルカリ性ホスファターゼに結 合したストレプトアビジン(AP-Strep)(ジャクソンイムノリサーチラボラトリ ーズ)に各サンプルは30分間浸漬される。トリス緩衝液にて3回洗浄することに より、AP-Strepは取り除かれ、6分間pNPP溶液の300μlを添加した。各サンプ ルから100μlを取りだし、酵素反応を終結させるために3N水酸化ナトリウムの2 5μlを含むマイクロタイターディッシュウエルヘ移動させ、各サンプルは分光 学的に405nmにおいて分析した。 それからサンプルはトリス緩衝液にて3回洗浄を行い、10分間BCIP/NBT溶液に 浸漬され、水にて十分に洗浄した。各サンプルはマイクロ波オーブン内にて2分 間水中で煮沸され、沈殿した茶紫色のBCIP/NBT色素原物質が青色に変化し、PHF/ tauプローブ結合の検出に常用される西洋ワサビペルオキシダーゼとアルカリ性 ホスファターゼ酵素活性は破壊される。1つのサンプルはPHF/tau結合の高濃度 領域へのプローブ結合の位置を特定するために光顕微鏡の下で分析された。他の サンプルはさらにアンチ−Gfap抗体を用いて分析された。 ブロッキング緩衝液処理段階までのすべての条件を行う追加的な人間脳サンプ ルを、以下のように処理した。2つのサンプルはまずラビットアンチ−Gfap抗体 (ダンコ)の2000倍希釈がPBS-BBに希釈された溶液で処理された。このことによ り各サンプルが4℃で一晩反応するようになる。過剰のプローブを洗浄で取り除 いた後、各サンプルは1時間PBS-BB中において50倍に希釈されたアルカリ性ホス ファターゼに結合したヤギアンチーラビットポリクローナル抗体(ジャクソンイ ムノリサーチラボラトリーズ)に浸漬された。過剰のセカンダリー抗体は取り除 かれ、標準pNPP溶液の300μlで10分間反応させ、100μlのサンプルを実施例1 のように取り出して、405nmで定量を実施した。過剰のpNPP溶液は洗浄で洗い流 し、BCIP/NBTの標準溶液で10分間各試料と反応されるようにした。過剰の溶液は 洗い流され、各サンプルはGfapタンパク質の位置を特定するために光顕微鏡で分 析された。 アルツハイマー病患者からの図4a−4dに観測されたように、抗原検出系のいず れもが抗原を視覚的に検出可能であり、抗原は同一サンプル上において容易に識 別可能である。個々の反応が別々に行われていれば、青色のPHF/tau陽性神経細 胞はパネルAで観測され、茶色のGfap陽性星状細胞はパネルBで観測される。パ ネルCとDに見られるように、これら2つの反応が連続的に行われたなら、2つ の反応性は容易に区別できる。2つのプローブを用いた系での定量分析も比較で きる。アルツハイマー病ではないサンプル、PHF/tau反応性の違いからアルツハ イマー病のサンプルとは定量的に容易に区別することができる(表3)。Gfap反 応性において、前もってPHF/tau定量することはあまり効果がない。PHF/tauとWG Aプローブを用いた同様な研究において、PHF/tauとWGAの反応性の割合はアルツ ハイマー病の2人の患者に対しては1.48であり、アルツハイマー病ではない4人 の患者では0.04以下であった。プローブとしてWGAを利用することにより、これ は炭水化物の細胞表面に結合することができるが、組織量に直接比例し(例1で 観測されたように)、サイズの異なるサンプル間でのPHF/tauプローブ結合の比 較を可能にする。 例6 本例は患者から得られた血清からの抗核性自己抗体(ANA)の定量分析と定位 を例示する。 患者の血清中においてANAにより生産される核標識のパターンは、均一(拡散 )、斑点、リム、動原体、あるいは核小体として表現され、そのパターンは臨床 的には特定の病気と関連している。2つのANA陽性患者からの血清を連続的に希 釈し、陽性陰性コントロール実験を抗体結合の異なったパターンを観測するため に、また同一サンプルにおけるANAの定量を測定するためにテストした。 HEp-2人間癌腫細胞(カレステッドラボラトリーズ)はANAテストの基質として 働いた。細胞サンプルはPBS-BB中でブロックされ、PBS-BB中で希釈された患者の 血清サンプルと1時間反応させた。細 胞サンプルはPBSで3回洗浄され、PBS-BB中で希釈されたポリクローナル西洋ワ サビペルオキシダーゼと結合したアンチヒューマンIgG(ジャクソンイムノリサ ーチラボラトリーズ)と1時間放置し、それから再びPBSで3回洗浄した。60μ lの標準OPD溶液(0.05MフォスフェイトシトレイトpH5.0中に0.4mg/mlと0.4 mg/mlのウレアヒドロジェンパーオキサイド(urea hydrogen peroxide)) を各細胞に加え、15分間反応させた。OPD溶液は取り除かれ、15μlの3N塩酸と 混合させて酵素−基質反応を停止させた。取り出した各溶液サンプルを492nmで の吸光度を測定することにより定量した。細胞サンプルはPBSで3回洗浄し、過 剰の基質溶液を取り除き、標準DAB/金属溶液を5分間添加した。DAB/金属溶液は PBS中で3回すすぎ、PBS:グリコール(1:1)でカバーガラスをかぶせ各細胞 サンプルを光顕微鏡で観測した。 個別の血清サンプルより得られた免疫組織化学的染色パターンは明確に異なっ ている。陽性コントロール実験では拡散核染色パターンを示し、自己抗体がDNA 、ヒストン、あるいはデオキシリボヌクレオタンパク質であることを示唆してい る(図5a)。小さな斑点状のパターンが血清サンプル1と反応させた細胞の核内 で観測され、核リボヌクレオタンパク質である自己抗体の存在を示唆している( 図5b)。血清サンプル2と反応した細胞に沈殿した色素原は各細胞核のリム、周 辺、境界に主に存在し、二本鎖DNAにさからう自己抗体と一致するパターンであ る(図5c)。陰性コントロール実験では、色素原になりうる沈殿物は全く観測さ れなかった。 細胞の定量分析において、拡散色素原パターンを示した陽性コントロール実験 での細胞試料で、最も多くの溶液中での色素原が生成した(表4)。リムパター ンを示した血清サンプル2の細胞試料は、かすかに拡散パターンを示し、陽性コ ントロール実験で得られたのと同等の溶液中での色素原が生成した。 1. 図5aに示した組織 2. 図5dに示した組織 3. 図5cに示した組織 しかしながら、血清サンプル1の細胞試料は溶液層の色素原の生成量は少なく、 古典的な抗核抗体蛍光検出法で求められた本患者の血清中に存在するとして知ら れている抗核抗体の低い力価(titer)と一致する。したがって、ANAの定量だけ でなく細胞内でのANA分布のパターンの両方とも核サンプルで決定できる。 例7 本例では標的物質へ結合するプローブの定量と定位を同時に求め る3つの異なる色素原物質の能力を比較する。 HRP緩衝液(0.1Mトリス pH7.5 0.03%過酸化水素)に異なる色素原が溶解して ある3つの溶液を、単一サンプルにて定量分析用の溶液生成物と標的物質の定位 用の固体沈殿物を同時に生成させる能力を調査するためにテストした。テストに 用いた3つの色素原物質はo−フェニレンジアミンジヒドロクロライド(OPD;0.4 mg/ml)、(これは通常よく利用されるHRP物質が生成する溶液色素原生成物であ る)、p-フェニレンジアミンジヒドロクロライド/ピロカテコール結晶(pPD/PC; 0.4mg/mlpPD,8mg/ml PC;フルカ)(前記した色素原物質であり、固体の色素原 生成物が生成する(ハンカーら、Histochem.J.9:789-792,1977))とpPD(0. 8mg/ml)(OPDと化学的には同様であり、pPD/PC混合物の成分)がある。 パラフィン浸漬マウス脳組織サンプルを実施例1のように調製し、内因性ペル オキシダーゼ活性を破壊するために30分間0.3%過酸化水素中に放置した。サンプ ルをPBS-BB中でブロックし、PBS-BB中の小麦生殖凝集素に結合した西洋ワサビペ ルオキシダーゼ(WGA−HRP、イーワイラボラトリーズ、1mg/mlストック溶液)の 100倍希釈の100μlと1時間放置した。サンプルをPBS中で1回洗浄し、トリス 緩衝液で各5分間づつ3回洗浄し、それぞれ異なる色素原物質の溶液の300μl と5分間反応させた。100μlのサンプルを取りだし、すぐに各組織試料からの 生成する反応生成物の量を定量するために450nm(pPDあるいはOPD)あるいは405nm (pPD/PC)で分析した。各組織試料は水中で十分に洗浄され、光顕微鏡で分析した 。 OPDと反応したサンプルは主に溶液の生成物が生成した。吸収極大で測定され たOPD溶液生成物の450nmでの吸光度は0.854と求められた。固体のOPD生成物はか なり検出するのが難しかった(図6a)。pPDからは溶液生成物が生成し、450nm での吸光度は0.540であり固体生成物はOPDからのそれよりも容易に観察すること ができた(データは示してないが)。pPD/PCからは最適な溶液生成物と 固体生成物が同時に生成した。pPD/PCからは405nmでの吸光度が0.675である溶液 生成物と容易に暗褐色とわかる固体生成物がプローブ結合した位置に認識できる (図6b)。WGAプローブで予期できたように、神経柔組織の黒っぽい拡散パター ンが観測された。したがって、標的物質に結合したプローブは単一の色素原ある いは色素原混合物を用いることにより定量分析と定位を同時に求めることができ る。 以上のことを考慮して、本発明の多くの利点は達成可能であり、他の有利な結 果が得られたことが理解できる。 以上の手法においてさまざまな変化や成分変更は本発明の限界に沿って行うこ とができ、以上に記述中に含まれさらに添付図に示されるすべての事柄は実例と して解釈され、限定した意味で解釈されべきではない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年4月2日(1998.4.2) 【補正内容】 してこのプローブは、サンプルのある媒質中において存在する基質から検出可能 なクロモゲニック(chromogenic)あるいはフルオロゲニック(fluorogenic)物 質を生ずることができる酵素に結合している。酵素は標的物質のある位置に固着 して1つのクロモゲニックあるいはフルオロゲニック物質と、定量分析法により 検出可能な溶液中に溶解する第2のクロモゲニックあるいはフルオロゲニック物 質を生じる。 サンプルは細胞培養、組織試料、自己免疫性または免疫性抗体等を含む疑いの ある血清サンプルのような多くの種類の生物学的サンプルから成る。サンプルは 人間と動物を含む両方の患者から得ることができるし、培養細胞系や組織からも 得ることができる。サンプル調整は顕微鏡スライド、マイクロタイターディッシ ュウエル(microtiter dish well)、膜、ペトリプレートなどの支持体の表面に 、通常用いられている多くの固定化により行うことができる。それによって標的 物質は支持体に固定される。数多くある方法のどんな方法でも、サンプルを支持 体へ固定するのに使用できる。準備されたサンプルのタイプにもよるが、パラフ ィンに浸漬した組織、凍結した組織、組織培養中の細胞、あるいは細胞が支持体 に固定されている、または結合されているような細胞サンプルがある。 生物学的サンプルおける標的物質は、例えばDNA、RNA、抗原、抗体、受容体、 ホルモン、または他の受容体リガンド、脂質、リン脂質、糖脂質、糖タンパク質 、炭水化物等のような多くの細胞内あるいは細胞外の化合物である。標的物質は 、固体の支持体に固定される限りにおいて、サンプル調製前には溶液中に存在す る。前述したサンプル調製後、標的物質は定位と定量分析を行うことができる。 定位とは、標的物質の位置がサンプルの組織、細胞あるいは亜細胞成分に関して 明確にされていることを意味している。そのような明確化は細胞内あるいは細胞 に関して、標的物質が細胞内あるいは細胞外にあるのか、のように参照される。 つまりその明確化は組織ま たは特定の物質を生じる細胞の位置が判明している組織内で参照される。 クロモゲニックあるいはフルオロゲニック物質と反応させても酵素活性は安定的 に維持されている。本発明の使用に供される酵素としては、仔ウシ腸アルカリ性 のホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β―ガラクトシダーゼ、グル コースオキシダーゼ、α―アミラーゼ、β―グルクロニダーゼ、ネオマイシンホ スホトランスフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、 β―ラクタマーゼ等がある。 酵素あるいは酵素類が生物学的サンプルを含む媒質中において基質に作用して 溶解物と、媒質中において不溶化することにより特徴的な沈殿生成物が生成する 。溶解生成物と沈殿生成物両方とも検出可能なクロモゲニックあるいはフルオロ ゲニック物質の形で安定に存在することが好ましい。その結果定位と定量分析が 時間に対して明確にできる。これは本発明の組織化学的な定位の観点において特 に好ましく、標的物質の定位の再調査や、例えば病気進行中における変化の経路 をモニターする点において、サンプルの比較参考に利用するのに好ましい。 基質から生成する溶解性と不溶性反応生成物は異なる。特定の酵素に対応させ るために特定の基質と生成物を選択できる。したがって、例えば酵素がアルカリ 性ホスファターゼ(AP)の場合、沈殿生成物は5−ブロモ−4−クロロ−3−イ ンドイルフォスフェイト/ニトロブルーテトラゾリン(BCIP/NBT)、ニューフチ シン(New Fuchsin)、ファストブルー/ナフトール、またはファストレッド/ナ フトールのような基質から生成し、溶解生成物はファストレッド/ナフトールま たはp−ニトロフェニルフォスフェイト(pNPP)のような物質から生成する。酵 素が西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の場合、沈殿生成物はo―フェニレン ジアミンジヒドロクロライド(OPD)、p−フェニレンジアミンジヒドロクロラ イド/ピロカテコール混合物(pPD/PC)、アミノエチルカルバゾール、クロロナ フトール、またはジアミノベンジジンテトラクロライド/ 塩化コバルトと塩化ニッケル混合物(DAB/金属)のような物質から生成し、溶解 性反応物はOPD、pPD/PC、またはテトラメチルベンジジンジヒドロクロイライド (TMB)のような物質から生成する。 概して、溶解性反応生成物は酵素活性を実質的に低下させることなしに生成す る。不溶性反応生成物はしばしば酵素活性を低下させる。よって、酵素活性を実 質的に低下させない不溶性反応生成物を選択することが望ましい。好ましくは溶 解性あるいは不溶性生成物のいずれの生成物によっても酵素活性は多くて90%ま で低下し、より好ましくは多くて50%まで低下し、さらにより好ましくは多くて2 0%まで低下し、最も好ましくは多くて10%あるいはそれ以下まで低下する。好ま しい例として、標的物質の定量分析用の溶解生成物がまず生成し、続いてより特 徴的には酵素活性の低下を引き起こす不溶性の沈殿生成物が生成する反応タイプ が好ましい。 ある例においては、2つ以上の生成物が同じ基質から酵素により生成し、また 別の例では生成物が不完全な溶解性であったり部分的な不溶性になる場合がある 。このような状況下では、標的物質の定位と定量分析の双方を検出するために単 一物質を使用する。 酵素によって生成した生成物はクロモゲニックあるいはフルオロゲニック物質 であると考えることができる。ここで使用している、“クロモゲニックあるいは フルオロゲニック物質”という語は光照射により検出可能な電磁場放射を発する 物質を意味している。ここで言及しているクロモゲニックあるいはフルオロゲニ ック物質は色素原つまり発色団またはフルオロゲン(fluorogen)つまり蛍光体 を含む。不溶性金属塩の沈殿により標的物質は限られた位置に局在化される。溶 液中において溶解生成物またはクロモゲニックあるいはフルオロゲニック物質は 検出される。溶解生成物はどのようなクロモゲニックあるいはフルオロゲニック 物質であるかにもよるが、好ましい波長の光を吸収する。本発明の属する技術分 野における通常の知識を有する者は、特定のクロモゲニックあるいはフルオロゲ ニック物質に対する好ましい波長は容易に確認できる。 溶解したクロモゲニックあるいはフルオロゲニック物質を含む溶液中の光吸収 の測定は、例えば多波長分光光度計を用いたのような多くの方法で可能である。 沈殿したクロモゲニックあるいはフルオロゲニック物質は、プローブが結合し た場所あるいは近く、つまり標的物質のある特定の位置で固体状態で濃縮されて いる。沈殿した固体のクロモゲニックあるいはフルオロゲニック物質は、顕微鏡 下において固体試料に光照射すると局部的に色を有しており、それによってサン プル内での標的物質の位置を特定できる。 このようにして、プローブの結合部位が標的物質のある位置に実質的に固定さ れた不溶性クロモゲニックあるいはフルオロゲニック物質の発生により、標的物 質の定位を行うことが可能となる。標的物質の定位に要求される標的物質へ接近 した距離は特定の分析法の条件に依存する。細胞上または細胞内における標的物 質の定位には、約2ミクロン以内に沈殿物がしっかりと標的物質に付着している ことが好ましく、より好ましくは約0.5ミクロン以内に、最も好ましくは約0.1ミ クロン以内に標的基質の位置に付着していることが望ましい。組織内における標 識物質の定位には、好ましくは付着位置が約5ミクロン以内に、さらに好ましく は約2ミクロン以内に、最も好ましくは標的基質の位置から約0.5ミクロン以内 が望ましい。 サンプルは、固定されたサンプルに接触した溶液を含む液に浸漬しておく。浸 漬液は、サンプルと標的物質だけでなくプローブと酵素とも相溶性のある多くの 塩を含む緩衝液であることが望ましい。加えて、ある場合には浸漬液は不溶性の プローブ酵素複合体の分散を容易にするために界面活性剤を含んでもよい。プロ ーブ酵素複合体と基質は検出系の溶液状態を調整する浸漬液内で、溶液、懸濁液 または分散液内で維持されている。もしサンプルがガラススライドのような非密 閉系の表面に置かれていたならば、防水性材料で組織 周辺に壁を設け、溶液は定量分析のために別の容器に移動可能にする。 プローブによる検出感度の増大を、標的物質に結合したプローブ位置の近傍に あるシグナル分子の数を増加させるという標準的な増幅手順を組み入れることに より行うことも可能である。例えば、標的物質に結合したモノクローナル抗体へ 酵素複合ポリクローナル抗体の2次結合により、モノクローナルプローブが結合 した位置近傍に存在する酵素分子の数が増加し、結果として生成するクロモゲニ ックあるいはフルオロゲニック物質の数は増大する。 シグナル増幅に関する1つの特に有用な方法が米国特許第5,196,306号に記載 されており、ビオチンチラミド(biotin tyramide)シグナル増幅(TSAニューイ ングランド ニュクリアー ライフサイエンス プロダクツ、ボストン、マサチ ューセッツ)法として知られている商業用キットがある。この方法は標的物質に 結合した酵素結合抗体を利用する。酵素は溶液中において追加した第1の基質と 反応し、標的物質の近傍のサンプルに沈殿した反応性のビオチン結合生成物が生 成する。別の酵素複合のビオチニレイテッド生成物に結合したストレプトアビジ ンを含む溶液を加え、初期の抗体酵素複合体により特定される位置において酵素 活性の増大が観測される。この方法はプローブへ結合した酵素活性の増大させる 他の方法、例えば蛍光性のストレプトアビジンや金で標識され、銀強化されたス トレプトアビジンによる間接的な検出方法のような他の方法と合わせて、本発明 において利用できる。 本発明の定量的側面は、基質または生成物あるいは他の代替物により決定され る終点へ進行する酵素反応生成物の、溶液中での発生に依存し、反応は酵素から の溶液の除去、あるいは酸、塩基、還元剤、カオトロピック剤などを、酵素から 最初に除去された溶液のサンプルに添加することにより終結する。それによって クロモゲニックあるいはフルオロゲニック物質が生成し、分光学的に検出できる 。 もしいくつかの反応終結試薬の1つを使用したら、反応終結試薬で処理した後、 酵素活性が低下してもいい場合には、まず定位を実施することが望ましい。 基質と酵素のどちらかあるいは両方とも存在しない条件で基質と酵素が反応し ないサンプルにおいて、定量分析のための適切なコントロール実験を行っておく ことが望ましい。プローブが存在しない場合、あるいはサンプル調整する前に過 剰の標的物質が存在する場合のプローブの吸収スペクトルも、前もって測定する 。さらに濃度 組織のサンプルを1つの顕微鏡スライドに固定し、組織のおおよそ2倍量を別の スライドへ、組織のおおよそ4倍量をさらに別のスライドへ固定した。各試料は 2回テストを行った。 試料を固定した後、パラフィンを取り除き内因性アルカリホスファターゼをマ イクロ波オーブン内で5分間水中で煮沸させることにより破壊した。試料を水中 において順次洗浄した後、PBS(0.1Mリン酸塩緩衝生理的塩溶液、pH7.2)とPB S-BB(1%ウシ血清アルブミン、0.2%粉末ミルクと0.3%トリトンX-100界面活 性剤を含むPBS)、WGA−AP酵素プローブ複合体(PBS-BB中で1μg/mlのWGA-AP の200倍希釈した溶液の200μl)を各サンプルに加え、4℃で一晩定温放置した 。各組織量に対するWGA-AAを添加しなかったコントロールサンプルもPBS-BBで処 理し、4℃で一晩放置した。各試料は1回にトリス(Tris、20mM、pH7.5)で5 分間を、3回洗浄し、pNPP(0.2M トリス pH9.9、1mg/ml pNPP)を含む溶液の 200μlを添加した。pNPPを添加する前に、組織を分離させるためにグリースペ ンあるいは指の爪をみがくものを用いて、防水性材料を施すことにより顕微鏡ス ライドの組織の周辺に、“バリヤー”を形成させた。pNPP反応を10分間させるよ うにしておき、さらなるホスファターゼ活性を終結させるために25μl 3N水酸 化ナトリウムを含むマイクロタイタープレート中の容器に100μl移動させた。 各サンプルに存在する酵素の量は、マイクロタイタープレート分光光度計を用い て、移動させられ水酸化ナトリウムで終結させられた各サンプルの405nmの吸光 度を測定することにより求めた。吸光度の値はそれぞれの試料に対して記録され 、ペアの試料の値は平均化され、組織の量に対してプロットした。 それから各試料はトリス緩衝液で3回洗浄し、BCIP/NPT(0.1Mトリス pH9.4 、0.15mg/ml BCIP,00.3mg/mlNBT、0.005M 塩化マグネシウム(pH>7.5))を 含む200μlの溶液で10分間処理された。BCIP/NBT溶液は各試料からトリスで洗 浄させ、2分間水中にて煮沸 【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年10月2日(1998.10.2) 【補正内容】 請求の範囲 1.標的物質に結合するプローブをサンプルと接触させ、この結合したプローブ は酵素と結合され、 (1)標的物質の位置に実質的に堆積し、サンプルを光照射したときに検出されう る不溶性生成物と、(2)溶媒体を光照射したときにサンプル中の標的物質の量 に依存した量で検出されうる溶解性生成物とを、同時に生成するよう溶媒体中に ある基質または基質類と酵素を反応させ、 サンプル中の不溶性生成物と溶媒質中の溶解性生成物を検出すること、から成る 生物学的サンプルを含む媒質中の、ある一定の位置と量を有する標的物質の定位 と定量分析を同時に行う方法。 2.プローブは抗体、アビジン化合物、レクチン、受容体リガンドとヌクレオチ ドプローブから成る群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。 3.プローブが抗体であることを特徴とする請求項2記載の方法。 4.アビジン化合物がストレプトアビジンであることを特徴とする請求項2記載 の方法。 5.酵素がアルカリ性ホスファターゼあるいは西洋ワサビペルオキシダーゼであ ることを特徴とする請求項1記載の方法。 6.酵素がアルカリ性ホスファターゼであり、不溶性生成物が5−ブロモ−4− クロロ−3−インドイルフォスファターゼ/ニトロブルーテトラゾリウム(BCIP/ NBT)、ニューフチシン、ファストブルー/ナフトールあるいはファストレッド/ ナフトールから生成し、溶解生成物がファストレッド/ナフトールあるいはp-ニ トロフェニルフフォスファイト(pNPP)から生成することを特徴とする請求項5 記載の方法。 7.酵素が西洋ワサビペルオキシダーゼであり、不溶性生成物がフェニレンジア ミンジヒドロクロライド(OPD)、p-フェニレンジ アミンジヒドロクロライド/ピロカテコール混合物(pPD/PC)、アミノエチルカル バゾール、クロロナフトール、ジアミノベンジジンテトラクロライド、あるいは ジアミノベンジジンテトラクロライド/塩化コバルトと塩化ニッケル(DAB/金属 )混合物から生成し、溶解生成物はOPD、pPD/PCあるいはテトラメチルベンジジ ンジヒドロクロライド(TMB)から生成することを特徴とする請求項5記載の方 法。 8.不溶性と溶解性生成物がpPD/PCから生成することを特徴とする請求項7記載 の方法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.標的物質に結合する酵素と結合したプローブとサンプルが接触することによ り、サンプルを光照射することにより検出可能な標的物質のある位置に実質的に 沈殿した第1生成物が生成し、溶液に光照射することに検出可能なサンプル中の 標的物質の量に依存した量の第2生成物が生成することから成る、生物学的サン プルを含む媒質中のある一定の位置と量を有する標的物質の定位と定量分析する 方法。 2.プローブが抗体、アビジン化合物、レクチン、受容体リガンドとヌクレオチ ドプローブから成る群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。 3.プローブが抗体であることを特徴とする請求項2記載の方法。 4.アビジン化合物がストレプトアビジンであることを特徴とする請求項2記載 の方法。 5.酵素がアルカリ性ホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラ クトシダーゼ、グルコースオキシターゼ、α−アミラーゼ、β−グルクロニダー ゼ、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルト ランスフェラーゼとβ−ラクタマーゼから成る群から選ばれることを特徴とする 請求項1記載の方法。 6.酵素がアルカリ性ホスファターゼであることを特徴とする請求項5記載の方 法。 7.酵素が西洋ワサビペルオキシダーゼであることを特徴とする請求項5記載の 方法。 8.第1生成物と第2生成物が同じ物質であることを特徴とする請求項1記載の 方法。 9.酵素がアルカリ性ホスファターゼであり、第1生成物がBCIP/NBT、ニューフ チシン、ファストブルー/ナフトールとファストレッ ド/ナフトールから成る群から選ばれる基質1から生成し、第2生成物がファス トレッド/ナフトールとpNPPから成る群から選ばれる基質2から生成することを 特徴とする請求項1記載の方法。 10.酵素が西洋ワサビペルオキシダーゼであり、第1生成物がOPD、p-フェニ レンジアミンジヒドロクロライド/ピロカテコール混合物(pPD/PC)、アミノエ チルカルバゾール、クロロナフトール、ジアミノベンジジンテトラクロライド、 ジアミノベンジジンテトラクロライド/塩化コバルトと塩化ニッケル(DAB/金属 )混合物から成る群から選ばれる基質1から生成し、第2生成物がOPD、pPD/PC と TMBから成る群から選ばれる基質2から生成することを特徴とする請求項1記載 の方法。 11.基質1と基質2の両方がpPD/PCであることを特徴とする請求項10記載の 方法。 12.サンプルと以下の(a)と(b)に接触されることから成り、生物学的サン プルを含む媒質中においてある一定の位置と量を有する少なくとも2つの標的物 質の定位と定量分析を行うことを特徴とする方法。 (a)プローブ1は標的物質1と結合し、結合したプローブ1は、標的物質1の ある位置に強固に沈殿した生成物1を生成する酵素1と結合し、その酵素1から の沈殿生成物1はサンプルを光照射することにより検出可能であり、さらに酵素 1は溶液を光照射することによりサンプル中の標的物質1の量に依存した量を検 出できる生成物2を生じる。(b)酵素2と結合しているプローブ2は標的物質 2と結合し、標的物質2のある位置に実質的に沈殿した生成物3が生成し、その 沈殿生成物3はサンプルを光照射ことにより検出可能であり、さらに酵素2は溶 液を光照射することにより容器内にパッケージされたサンプル中の標的物質2の 量に依存した量を検出できる生成物4を生じる。 13.生物学的サンプルを有する媒質中おいてある一定の位置と量を有する標的 物質の定位と定量分析を行うことを特徴とするキット。キットは標的物質に結合 可能なプローブへあるいは標的物質へ結合したプローブに関連するバインダーに 結合した酵素からなり、その酵素は標的物質のある位置に実質的に沈殿した、サ ンプルの光照射により検出可能な第1生成物を生成し、さらに溶液を光照射する ことにより容器内にパッケージされたサンプル中の標的物質の量に依存した量を 検出できる第2生成物を生成する、ことから成る。 14.プローブが抗体、アビジン化合物、レクチン、受容体リガンドとヌクレオ チドプローブから成る群から選ばれることを特徴とする請求項13記載のキット 。 15.プローブが抗体であることを特徴とする請求項14記載のキット。 16.アビジン化合物がストレプトアビジンであることを特徴とする請求項14 記載のキット。 17.酵素がアルカリ性ホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガ ラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、β−グルクロニダ ーゼ、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチル トランスフェラーゼとβ−ラクタマーゼから成る群より選ばれることを特徴とす る請求項14記載のキット。 18.酵素がアルカリ性ホスファターゼであり、第1生成物がBCIP/NBT、ニュー フチシン、ファストブルー/ナフトールとファストレッド/ナフトールから成る群 から選ばれる基質1から生成し、第2生成物がファストレッド/ナフトールとpNP Pから成る群から選ばれる基質2から生成することを特徴とする請求項17記載 のキット。 19.酵素が西洋ワサビペルオキシダーゼであり、第1生成物がOPD、p-フェニ レンジアミンジヒドロクロライド/ピロカテコール混合物(pPD/PC)、アミノエ チルカルバゾール、クロロナフトール、 ジアミノベンジジンテトラクロライド、ジアミノベンジジンテトラクロライド/ 塩化コバルトと塩化ニッケル(DAM/金属)混合物から成る群から選ばれる基質1 から生成し、第2生成物がOPD、pPD/PCと TMBから成る群から選ばれる基質2から生成することを特徴とする請求項17 記載のキット。 20.生物学的サンプルを含む媒質中においてある一定の位置と量有する少なく とも2つの標的物質の定位と定量分析を行うキットにおいて、キットは(a)と (b)から成ることを特徴とする。 (a)標的物質1へ結合可能なプローブ1へ結合したあるいは標的物質1へ結合 したプローブ1に関連したバインダー1に結合した酵素1は、サンプルを光照射 することにより検出可能な標的物質1のある位置に強固に沈殿した生成物1を生 成し、さらに溶液を光照射することにより容器内にパッケージされたサンプル中 の標的物質1の量に依存した量を検出できる生成物2を生じる。 (b)標的物質2へ結合可能なプローブ2へ結合したあるいは標的物質2へ結合 したプローブ2に関連するバインダー2へ結合した酵素2は、サンプルを光照射 することにより検出可能な標的物質2のある位置に実質的に沈殿した生成物3を 生成し、さらに溶液を光照射することにより容器内にパッケージされたサンプル 中の標的物質2の量に依存した量を検出できる生成物4を生じる。
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