WO2005052583A1 - 分析対象物質の検出方法 - Google Patents

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Hiroko Sakamoto
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    • G01N33/581Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances with enzyme label (including co-enzymes, co-factors, enzyme inhibitors or substrates)

Definitions

  • the present invention relates to a method for easily and quickly detecting a substance to be analyzed such as a nucleic acid with high sensitivity.
  • the label chemically bonded to the carrier is detected, even if a washing step of washing the carrier is introduced before the step of measuring the signal intensity, the label is not easily peeled off. Unreacted substances can be easily removed. Therefore, it is possible to remove the substance causing the noise without impairing the carrier emitting the signal-emitting substance. Thus, the signal-to-noise ratio increases.
  • the washing liquid is used in an amount exceeding the volume of the solution used in the previous steps, and the washing liquid is used in a carrier. The unreacted substances can be more quickly and cleanly washed from the carrier by reciprocating the carrier.
  • the intensity of a signal derived from a labeled analyte is measured over time during the increase in the intensity of the signal, and the intensity of the signal is expressed as a function of time.
  • Quantitative value of the signal strength when the slope of the approximate straight line in the measured signal strength is within 0.5 to 1.5 times the slope of the approximate straight line in the signal strength measured before that It is characterized by using.
  • 'Two or more probes for one type of analyte are immobilized on separate spots for each type, or
  • 375 ⁇ l of the aRNA sample aqueous solution was heated at 99 ° C for 5 minutes, and then denatured by cooling in ice for 5 minutes.
  • 75 ⁇ l of the 20X SSPE stock solution is added to the denatured sample aqueous solution to give a concentration of 450 ⁇ l of the 3X SSPE, and the entire amount is placed on the array surface after the work in step 4 above.
  • 501 of 1% aqueous SDS solution was added.
  • Fragmentation was carried out in a 1X fragmentation buffer by calorific heat at 70 ° C for 15 minutes using a fragmentation kit. This aRNAS / zg was used for hybridization. Performed above, step f, column 4, steps 2.-1 8., 1000 to 5000 millimeters small.
  • FIG. 5 shows the results of Example 4 and Comparative Example.
  • the exposure time was shortened from 5000 ms to 100 ms because the signal intensity was enhanced in the method of the present invention.
  • the background value of the image was 700-1000 in the comparative example, but was reduced to 300-400 or less in the method of the present invention, which was less than half.
  • the number of spots that can be analyzed also increased about twice by the method of the present invention, and the analysis of low-expressing genes became possible.

Abstract

 本発明は、迅速かつ簡便で高感度な分析対象物質の検出方法を提供することを目的とし、取り扱うサンプル量が微量の場合であっても、解析結果に定量性が担保される方法を提供することを目的とする。  本発明は、分析対象物質の検出方法において、標識された分析対象物質に由来する信号の強度測定を、当該信号の強度の増加中に経時的に行い、当該信号の強度を時間の関数で表し、当該測定した信号の強度における近似直線の傾きが、それ以前に測定した信号の強度における近似直線の傾きの0.5倍~1.5倍の範囲内にあるときの信号の強度の定量値を利用する、分析対象物質の検出方法である。  

Description

明 細 書
分析対象物質の検出方法
技術分野
[0001] 本発明は、核酸等の分析対象物質を高感度で、簡易'迅速に検出する方法に関す る。
背景技術
[0002] 生体中の微量物質を測定することで、病気の診断をする技術の開発が進んでいる 。例えば、生体組織中の複数の遺伝子の mRNAの発現量変化や遺伝子の突然変異 について解析するために、 cDNAやオリゴ断片をプローブとしたマイクロアレイを用い て測定を行うことを特徴とする核酸のハイブリダィゼーシヨン技術がある。また、生体 組織や血清中のタンパク性分子の量を抗体やペプチドをプローブとしたプロテインァ レイを用いて測定する技術が開発されている。
[0003] 上記方法を病気の診断をするための技術として確立するには、得られた微量のサ ンプルを使って、簡便、迅速、且つ正確な診断ができることが要求される。例えば、針 生検で取得した数 mgの組織、体液中の微量の細胞や、マイクロダイセクションで得ら れた数個の細胞からの微量 mRNAやタンパクが、実際に簡便に測定できることが理想 である。し力し、現状では、微量 mRNAを T7_aRNA増幅法に数回かける方法によって 微量の試料を増幅させ、これを核酸ハイブリダィゼーシヨンによって検出することがな されている。この増幅工程用に、ハイブリダィゼーシヨンに用いる RNAサンプルを調製 する必要がある力 その調製には 2— 4日間の煩雑な作業が必要であり、また高価な 試薬を必要とする。また、微量サンプルを扱う実験系においては、微量サンプル自体 を定量的に扱うことの困難性がある。即ち、微量サンプルを取り扱う場合には、サンプ ル量に対するその誤差の割合は、より多量のサンプルを取り扱う場合よりも顕著に大 きいという事実があり、測定結果の定量性が、取り扱うサンプル量の多さ、少なさに大 きく影響を受けてしまうという問題が内在している。更に、蛍光物質等の測定によりサ ンプルの定量を行う場合には、サンプル間でのサンプル量の差異 (誤差等)に起因し た発光度の差異が存在することがあるため、予め定めておいた蛍光物質の測定条件 1S そのサンプル量のサンプルの測定に適切ではな 、条件となってしまうおそれがあ る。このような条件下においては、測定限界レベル未満、又は飽和レベル以上の発 光度を測定することとなるサンプルが存在するおそれがあり、結果的に定量性をもつ て測定を行うことができないサンプルが生じてしまう。これは、一度に複数の試料を測 定にかけることができるアレイシステムの利点を低減するものである。この問題は、間 接標識により増感する方法や、酵素を用いて増感する方法では、増感反応の反応速 度への影響が大きいことから、より顕著になる。
[0004] ところで、核酸ハイブリダィゼーシヨンにおいては、一般的に 1本鎖の核酸プローブ 力 標識済サンプルにハイブリダィズされ、その結果得られた核酸二本鎖が検出され る。タンパク質の検出には抗体やペプチドがプローブとして利用されている。従来、こ うした核酸やタンパク質の検出には放射性標識および非放射性標識が使用されてき た。サンプルの放射性標識は、感度は良好であるが、使用できる施設が限られており 、また危険を伴うため現在主流ではない。非放射性標識としては、例えば蛍光物質 での標識が一般的である。
[0005] 核酸の標識方法自体には、大きく分けて直接標識と間接標識がある。直接標識法 としては、標識された核酸をサンプルの増幅時に取り込ませる方法が多く用いられて いる。非放射性標識のうち、たとえば、蛍光物質の直接標識は感度が十分でなぐ更 にバックグラウンドのノイズが相対的に高 、ため、弱 、シグナルを発するスポットの解 祈が影響されることが多力つた。このため低発現の遺伝子については解析するのが 難しぐよって一回にハイブリダィゼーシヨンに用いるサンプル量が大量に必要となる ため、多量の TotalRNA力 合成した cDNAを用いる力 複数日かけて増幅させた T7-aRNAをサンプルとして 、るのが実情である。これを解決するために間接標識が 開発されている。
[0006] 開発された間接標識を用いる方法にぉ 、ては、サンプルにコンジュゲートした物質 に特異的に結合する物質 (例えば、ピオチン-アビジン系)や、当該コンジュゲートし た物質に対する抗体に蛍光物質をつけて検出感度を増幅させている。またこれら特 異的に結合する物質や抗体に酵素をつけて、酵素の基質を活性化すること (例えば 、 HRP酵素と発光基質 ECLなど)によって検出感度を増幅する方法もとられている。 [0007] 間接標識法の例として、特許文献 1 (特許第 2948904号公報)に記載された方法 は、検出系を高感度化するために開発された方法であるが、この方法においては被 検出物質の標識と特異的に結合するように修飾された酵素が用いられている。検出 可能に修飾された基質を、当該酵素が活性ィ匕することによって、その活性化された 基質に対するレセプターが固定ィ匕されているところではどこでも当該活性ィ匕された基 質が沈着するため、沈着した基質の修飾物質の検出シグナルが増幅されることにな り、よって検体中の被分析物質の検出または定量性が向上する。この方法を応用し た例として、スライドガラスに cDNAプローブを用いたマイクロアレイの検出に、パーキ ンエルマ一社より市販されているチラミドシグナル増幅キットを用いた方法が報告され ている(非特許文献 1)。チラミドィ匕合物は、過酸ィ匕水素の存在下において、ホースラ ディッシュペルォキシターゼの触媒作用によりラジカルィ匕され、その近傍にある芳香 族アミノ酸に共有結合で結びつく。チラミドシグナル増幅キットはこの性質を利用し、 チラミド化合物に検出可能な修飾物質 (例えば、蛍光物質)をつけることで、高感度 な検出を行うことを目的としている。
[0008] し力しながら、スライドガラスアレイを用いて前記の方法により核酸のハイブリダィゼ ーシヨン検出を行う場合は、ハイブリダィゼーシヨン後の洗浄、ブロッキング、酵素接 合体の付加反応、洗浄、基質の沈着反応のすべての工程を別々の容器に入れて行 わねばならず、更には一つの反応あたり数時間を要する。従ってハイブリダィゼーシ ヨン力も検出までに 2— 3日力かるという、煩雑で手間のかかる作業となる。また、スラ イドガラスアレイ上にはレポーター (標識)に対するレセプターとしての芳香族アミノ酸 が存在していないため、レセプターを予めアレイ表面に付加させる工程も必要になる 。この表面付カ卩工程は、一般的にタンパク性物質 (BSA、ゼラチンなど)によるコート によって行われる。また、平面であるスライドガラスアレイでは表面積が小さいため付 加できるレセプター数が少なぐ高発現の遺伝子と低発現の遺伝子を同時に測定し た場合、比較的高発現の測定対象範囲でチラミド化合物が結合するレセプターが不 足するという問題もある。
[0009] 核酸ハイブリダィゼーシヨンのための、 1本鎖プローブを固定する担体には、中空糸 ;中空糸 +ゲル;アルミニウム酸化膜;シリコンウェハーのエッチング物;ガラスファイバ 一などを素材とした、液体を保持でき表面積の大きな基材、若しくは、ナイロン、ニトロ セルロース、または榭脂を材料としたフィルター、又は、ゲルマトリックス、特許文献 2 ( 特許第 3208390号公報)に記載の金属酸ィ匕膜などを利用した三次元多孔質担体 がある。これらは、担体中で液体を保持できる上、内部で液体を駆動することができ、 表面積が大きいことが特徴である。従って多孔質担体は通常プローブの固相化に用 いられるスライドグラスに比べて、プローブの固相化量が多くなり、結果として検出感 度および検出可能範囲が増すことが知られている。
[0010] し力しながら、上記の種々の多孔質担体、例えば金属酸ィ匕膜を、プローブを固相化 する担体として用いた場合の核酸ハイブリダィゼーシヨン実験では、サンプル溶液内 外のゴミが担体の孔に引つ力かりやすいという問題もある。
特許文献 1:特許第 2948904号公報
特許文献 2:特許第 3208390号公報
非特許文献 1 :カーステンら(Karsten et. al.,)、ヌクレイック 'ァシッズ'リサーチ( Nucleic Acids Research)、(英国)、 2002年、第 30卷、第 2号 E4
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] そこで、本発明は、迅速かつ簡便で高感度な分析対象物質の検出方法を提供する ことを目的とし、更には取り扱うサンプル量が微量の場合であっても、解析結果に定 量性が担保される方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0012] 本発明者らは、分析対象物質の検出方法であって、分析対象物質と直接的又は間 接的に結びついた酵素により活性化された基質を担体に沈着させる方法において、 前記基質に対する外来受容基付加の前処理の工程を省略することにより、迅速、簡 便で、かつ高感度に、ハイブリダィズされた核酸等の分析対象物質を検出できること を見出すことに成功し、本発明を完成するに至った。また、試料中に含まれる標準物 質 (遺伝子、タンパク質等)の量を定量し、その結果に基づいて各サンプルの測定時 間等の測定条件や反応条件を適切に調節することにより、微量サンプル間に存在す る試料の量における差異に基づくシグナル測定結果の差異を効果的に補正できるこ とを見出し、本発明を完成するに至った。
[0013] すなわち本発明の第 1の発明は、分析対象物質の検出方法において、
(1)標識された分析対象物質に由来する信号の強度の測定を、当該信号の強度が 増加している間に経時的に行う工程;(2)特定の信号の強度を、予め定めておいた 値と比較する工程; (3)当該特定の信号の強度が、当該予め定めておいた値に達し た時に、当該値を有する当該信号の強度を用いて分析対象物質の定量を行う工程; を含む分析対象物質の検出方法である。ここで、分析対象物質の標識は、直接的に 標識したもの、又は間接的に標識したものとすることができる。
[0014] 本発明の第 2の発明は、分析対象物質の検出方法において、標識された分析対象 物質に由来する信号の強度測定を、当該信号の強度の増加中に経時的に行い、当 該信号の強度を時間の関数で表し、当該測定した信号の強度における近似直線の 傾き力 それ以前に測定した信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5倍一 1. 5 倍の範囲内にあるときの信号の強度の定量値を利用する、分析対象物質の検出方 法である。
[0015] 本発明の第 3の発明は、前記の信号の強度測定の前に、下記工程:(A)標識され た分析対象物質を含む試料溶液を、当該分析対象物質に対するプローブが固相化 された担体へ供給する工程;及び (B)当該担体上に固相化されたプローブと、当該 標識された分析対象物質とを結合させる工程;を含む、第 2の発明に記載の分析対 象の検出方法である。
[0016] 本発明の第 4の発明は、前記の信号の強度測定の前に、下記工程: a)結合対の一 方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含む試料溶液を、当該分析対象物 質に対するプローブが固相化された担体へ供給する工程; b)前記結合対の一方の 物質と特異的に結合する物質及び酵素を含む接合体 Bを、前記工程 a)において担 体上に固相化されたプローブと結合した接合体 Aと反応させて、当該接合体 A及び 当該接合体 Bからなる接合体 Cを形成させる工程;及び c)前記接合体 B中の酵素に 対する基質及び検出可能な標識物質を含む接合体 Dを前記接合体 Cに反応させ、 当該接合体 D中の基質を活性ィ匕し、この活性化された基質を有する活性ィ匕接合体 D を当該基質に対する外来受容基付加の前処理を行わずに、前記担体と結合させる 工程;を行う、第 2の発明に記載の分析対象物質の検出方法である。
[0017] 本発明の第 5の発明は、 a' )結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合 体 Aを含む試料溶液を、当該分析対象物質に対するプローブが固相化された多孔 質担体へ供給する工程; b' )前記結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及 び酵素を含む接合体 Bを、前記工程 a)において担体上に固相化されたプローブと結 合した接合体 Aと反応させて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合体 Cを 形成させる工程; c ' )前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識物質 を含む接合体 Dを前記接合体 Cに反応させ、当該接合体 D中の基質を活性ィ匕し、こ の活性化された基質を有する活性化接合体 Dを当該基質に対する外来受容基付加 の前処理を行わずに、前記多孔質担体と結合させる工程; d' )前記多孔質担体上の 前記活性化接合体 Dの標識物質を定量する工程;を含む分析対象物質の検出方法 である。
[0018] 本発明の第 6の発明は、 e' )結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合 体 Aを含む試料溶液を、当該分析対象物質に対するプローブが固相化された多孔 質の担体へ供給した後、当該試料溶液を、この多孔質担体の内外に駆動する工程; f )前記結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素からなる接合体 Bを 含む溶液を前記多孔質担体へ供給した後、当該溶液を、当該多孔質担体の内外に 駆動し、前記工程 e' )において担体上に固相化されたプローブと結合した前記接合 体 Aと前記接合体 Bを反応させて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合体 Cを形成させる工程; g' )前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識 物質からなる接合体 Dを含む溶液を前記多孔質担体へ供給した後、当該溶液を前 記多孔質担体へ浸透させて、当該接合体 Dを前記接合体 Cに反応させ、当該接合 体 Dの基質を活性化し、活性化した当該接合体 Dを前記多孔質担体と結合させるェ 程; )前記多孔質担体の上の前記接合体 Dの標識物質を定量する工程;を含む分 析対象物質の検出方法である。
[0019] なお、この第 6の発明にお 、ては、前記基質に対する外来受容基付加の前処理を 行うことにより、活性化した基質を外来受容基と結合させてもよいし、この外来受容基 付加の前処理を行わずに、当該活性ィ匕した基質を担体に直接結合させてもよ!ヽ。 [0020] 本発明の第 7の発明は、前記工程(1)から(3); (A)から(B); a)から c); a' )から c ' );又は e,)から g,)の工程を、 20°Cから 70°Cの範囲内で行うことを特徴とする第 1乃 至第 6の発明の何れか一つに記載の分析対象物質の検出方法である。
[0021] 本発明の第 8の発明は、前記工程(1)から(3); (A)から(B); a)から c); a,)から c, );又は e' )から g' )の工程を、 20°Cから 70°Cの範囲内で、かつ略同一温度で行うこと を特徴とする第 1乃至 6の発明の何れか一つに記載の分析対象物質の検出方法で ある。
[0022] 本発明の第 9の発明は、前記工程 (B)の後、且つ信号の強度測定の前;前記工程 c)の後、且つ信号の強度測定の前;又は前記工程 c ' )の後、且つ前記工程 d' )前; 又は前記工程 g' )の後、且つ前記工程 )の前において、前記担体の洗浄工程を 含むことを特徴とする第 3乃至第 6の発明の何れか一つに記載の分析対象物質の検 出方法である。
[0023] 本発明の第 10の発明は、前記工程 d' )を前記工程 c' )の後に、任意の時間間隔で 複数回行うことを特徴とする請求項 5記載の分析対象物質の検出方法である。
[0024] 本発明の第 11の発明は、前記工程 )を前記工程 g' )の後に、任意の時間間隔で 複数回行うことを特徴とする第 6の発明に記載の分析対象物質の検出方法である。
[0025] 本発明の第 12の発明は、前記工程 d' )又は )において、測定した信号の強度を 時間の関数で表し、当該測定した信号の強度における近似直線の傾きが、それ以前 に測定した信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5倍一 1. 5倍の範囲内にある ときの信号の強度を用いて定量を行う、第 10又は第 11の発明に記載の分析対象物 質の検出方法である。
[0026] 本発明の第 13の発明は、下記工程 a' )— c')、又は下記工程 e' )— g' ): a' )結合対 の一方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含む試料溶液を、当該分析対象 物質に対するプローブが固相化された多孔質担体へ供給する工程; b' )前記結合対 の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素を含む接合体 Bを、前記工程 a' )に お!、て担体上に固相化されたプローブと結合した接合体 Aと反応させて、当該接合 体 A及び当該接合体 Bからなる接合体 Cを形成させる工程; c' )前記接合体 B中の酵 素に対する基質及び検出可能な標識物質を含む接合体 Dを前記接合体 Cに反応さ せ、当該接合体 D中の基質を活性ィ匕し、この活性化された基質を有する活性ィ匕接合 体 Dを当該基質に対する外来受容基付加の前処理を行わずに、前記多孔質担体と 結合させる工程; e' )結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含 む試料溶液を、当該分析対象物質に対するプローブが固相化された多孔質の担体 へ供給した後、当該試料溶液を、この多孔質担体の内外に駆動する工程; f' )前記 結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素力 なる接合体 Bを含む溶 液を前記多孔質担体へ供給した後、当該溶液を、当該多孔質担体の内外に駆動し 、前記工程 e' )において担体上に固相化されたプローブと結合した前記接合体 Aと 前記接合体 Bを反応させて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合体 Cを形 成させる工程; g' )前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識物質か らなる接合体 Dを含む溶液を前記多孔質担体へ供給した後、当該溶液を前記多孔 質担体へ浸透させて、当該接合体 Dを前記接合体 Cに反応させ、当該接合体 Dの基 質を活性化し、活性化した当該接合体 Dを前記多孔質担体と結合させる工程;を含 み;更に、上記工程 c' )又は g' )の後に、下記の工程: x-1)前記多孔質担体上の特 定スポット中の活性ィ匕接合体 D力 の信号の強度のみを測定し、当該特定スポットか らの信号の強度が、予め定めておいた信号の強度に到達したかを経時的に確認す る工程; x-2)前記工程 x-1)において、当該予め定めておいた信号の強度に到達し たことが確認された直後に、前記多孔質担体上のその他のスポット中の反応を停止 して、当該その他のスポットからの信号の強度の測定を開始し、当該信号の強度を時 間の関数で表し、当該測定した信号の強度における近似直線の傾きが、それ以前に 測定した信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5倍一 1. 5倍の範囲内にあるとき の信号の強度を用いて定量する工程;を含む、分析対象物質の検出方法である。
[0027] 本発明の第 14の発明は、前記工程 X— 1)における前記特定スポットは、標準物質 に対するプローブが固相化されたスポットである、第 13の発明に記載の分析対象物 質の検出方法である。
[0028] 本発明の第 15の発明は、前記特定スポットが複数個力 なり、一定比率の希釈系 列で固相化量を調整したプローブがそれぞれのスポットに固相化されている、第 14 の発明に記載の分析対象物質の検出方法である。 [0029] 本発明の第 16の発明は、前記洗浄工程で用いる洗浄液の量が、前記工程 (B)、 c )、 c,)、又は g,)で用いる溶液の量より多い、第 9の発明に記載の分析対象物質の 検出方法である。
[0030] 本発明の第 17の発明は、前記分析対象物質が、核酸、糖、タンパク質、ペプチド、 又はこれらの物質が修飾を受けた物質である、第 1、第 2、第 5、第 6、又は第 13の発 明の何れか 1つに記載の分析対象物質の検出方法である。
[0031] 本発明の第 18の発明は、前記分析対象物質が核酸の場合に、当該分析対象物質 の量が 0. Olng— 1. O /z gの範囲にある、第 17の発明に記載の分析対象物質の検 出方法である。
[0032] 本発明の第 19の発明は、前記酵素が、酸化還元酵素、加水分解酵素、リアーゼ、 転移酵素、異性化酵素、リガーゼ力 なる群より選択される少なくとも 1種の酵素であ る、第 4、第 5、第 6、又は第 13の発明の何れか 1つに記載の分析対象物質の検出方 法である。
[0033] 本発明の第 20の発明は、前記酵素の量が 0. 8pmol/mlから 6pmol/mlの範囲にあ る、第 19の発明に記載の分析対象物質の検出方法である。
[0034] 本発明の第 21の発明は、前記結合対が、ピオチン アビジン、ピオチン ストレプト アビジン、抗原 抗体、リガンドーレセプター力 なる群より選択される第 4、第 5、第 6
、又は第 13の発明の何れか 1つに記載の分析対象物質の検出方法である。
[0035] 本発明の第 22の発明は、前記基質が置換フエノール又はホスホリルイ匕置換フエノ ールである、第 4、第 5、第 6、又は第 13の発明何れか 1つに記載の分析対象物質の 検出方法である。
[0036] 本発明の第 23の発明は、前記酵素がペルォキシダーゼであり、濃度が 0. 00008 一 0. 0003%の過酸ィ匕水素存在下で前記工程 c)、 c' )、又は g' )を行う、第 4、第 5、 第 6、又は第 13の発明の何れか 1つに記載の分析対象物質の検出方法である。
[0037] 本発明の第 24の発明は、前記試料溶液が界面活性剤を含む、第 1、第 2、第 5、第 6、又は第 13の発明の何れか 1つに記載の分析対象物質の検出方法である。
[0038] 本発明の第 25の発明は、前記洗浄工程において使用する洗浄溶液が界面活性 剤を含む、第 9に記載の分析対象物質の検出方法である。 [0039] 本発明の第 26の発明は、前記多孔質担体の材質が金属酸化膜である第 5、第 6、 又は第 13の何れ力 1つに記載の分析対象物質の検出方法である。
[0040] 本発明の第 27の発明は、前記多孔質担体が、少なくともその一部に芳香族ァミノ 酸を含む化合物で、前処理されている、第 5、第 6、又は第 13の発明の何れか 1つに 記載の分析対象物質の検出方法である。
[0041] 本発明の第 28の発明は、前記分析対象物質が 1又は 2以上の種類からなり、各分 析対象物質に対する 1又は 2以上の種類のプローブが、単一の反応容器内にある多 孔質担体上のそれぞれ別個のスポットにおいて固相化されている、第 1、第 2、第 5、 第 6、又は第 13の発明の何れか 1つに記載の分析対象物質の検出方法である。
[0042] 本発明の第 29の発明は、前記分析対象が 2以上であり、前記標識物質からの信号 の強度が所定の値の時の信号の強度を用いて、当該 2以上の分析対象物質の定量 値の比較を行う工程を更に含む、第 10又は第 11の発明に記載の分析対象物質の 検出方法である。
[0043] 本発明の第 30の発明は、前記スポットにおけるプローブ固相化可能領域が 2次元 である場合には当該スポットの直径又は対角線の長さ力 又は前記スポットにおける プローブ固相化可能領域が 3次元である場合には、担体のベース部と平行な、当該 スポットの断面の直径又は対角線の長さ力 50乃至 500 mの範囲にあり;単一の 担体上の前記スポットの数が、 20個以上である第 1、第 2、第 5、第 6、又は第 13の発 明の何れか 1つに記載の分析対象物質の検出方法である。
[0044] 本発明の第 31の発明は、 BSA、ゼラチン、スキムミルクカゝらなる群より選択される少 なくとも 1種と、 1価又は 2価の陽イオンを含む緩衝液とを含むブロッキング剤;酸化還 元酵素、加水分解酵素、リアーゼ、転移酵素、異性化酵素、リガーゼからなる群より 選択される少なくとも 1種の酵素と、 1価又は 2価の陽イオンを含む緩衝液とを含む酵 素製剤;前記酵素製剤中の酵素に対する基質と、検出可能な標識物質とを含む接 合体 Dを含む基質含有剤;並びに非イオン系界面活性剤と、 1価又は 2価の陽イオン を含む緩衝液とを含む洗浄剤;がそれぞれ別個の容器に含まれた、分析対象物質 検出用試薬キットである。
[0045] 本発明の第 32の発明は、 0. 1%— 10%の、 BSA、ゼラチン、及びスキムミルクから なる群より選択される少なくとも 1種と、 0. 1Mから 1Mの NaClと、 3mMから 60mMの リン酸ナトリウムとを含むブロッキング剤; 0. 8pmol/ml— 6pmol/mlのペルォキシダ ーゼと、 1価又は 2価の陽イオンを含む緩衝液とを含む酵素製剤;前記酵素製剤中の 酵素に対する基質と、検出可能な標識物質とを含む接合体 Dを含む基質含有剤; 0 . 00008%— 0. 0003%の過酸化水素を含む基質溶解用溶液;並びに 0. 1%—1 %の非イオン系界面活性剤と、 0. 1M— 1Mの NaClと、 3mM— 60mMのリン酸ナト リウムとを含む洗浄液;がそれぞれ別個の容器に含まれた、分析対象物質検出用試 薬キットである。
発明の効果
[0046] 本発明の方法を用いることにより、検出スポットの信号の強度が大幅に向上し、従 来法では検出できなカゝつた低発現の遺伝子群等の分析対象物質も検出できるように なる。更に、低発現の生体関連物質から、高発現の生体関連物質まで、発現レベル の高低に関わらず高精度に、定量的に検出できるようになる。
[0047] また、検出感度が向上することにより、ハイブリダィゼーシヨンに用いる核酸等の試 料の量が少ない場合でも信号の正確な検出が可能になる。更に、得られるサンプル 量が極少量である場合、例えば臨床検体よりマイクロダイセクションで採取した微量 の細胞、または生体よりバイオプシーにより採取された組織、特に、ファイン-一ドル ァスピレーシヨンバイオプシーにより採取された組織からの微量の核酸やタンパク質 などの分析対象物質 (例えば RNAや DNA等の核酸の場合は、 0. lng—)を取り扱 う場合であっても、定量性を担保した検出が可能になり、マイクロアレイの応用範囲が 臨床研究力 診断へと広くなることが期待できる。
[0048] 従来法ではアレイ表面のゴミや、アレイ表面のむらなどが解析画像に写る場合があ り、シグナルの解析時に画像上のゴミの除去補正やバックグラウンド値の補正が必要 であったが、本発明の方法、特に試料溶液を多孔質担体へ供給した後に当該溶液 を担体の内外に駆動する方法を用いることにより、検出までの露光時間が大幅に短 縮できるため、アレイ表面のゴミ、むらが画像に影響しなくなり、画像解析に要する手 間が短縮できる。
[0049] さらにバックグラウンド値がほぼ均一なため、シグナルスポットの解析データの信頼 性が増す。そのため、サンプル調製時にゴミの排除のためにフィルター処理を行うこ とや、チップにのせる各溶液をフィルター処理する必要がなくなる。また、これまでは アレイ生産中に一定以上のゴミゃむらのあるアレイを排除していた力 これらのものが 本発明により解析に使えるようになるため、アレイ生産の歩止まりがよくなり生産効率 が向上するという付加的効果が得られる。
[0050] 本発明の方法を用いることにより、従来法のガラスアレイでは長時間の煩雑な作業 が必要であったものが、すべての工程を同一チャンバ一内で行うことが可能な、簡便 な作業ですむこととなり、し力も、溶液を担体内外に駆動する場合には、更に反応が 短時間で進むため、全工程を更に短時間で処理できるようになる。
[0051] 本発明の方法においては、各工程を温度管理された同一チャンバ一内で行うこと により、温度による反応強度を実験毎に管理することができ、再現性のよいデータを 得ることが可能になる。また、同一チャンバ一内で行うことにより、工程から工程に移 る間に起こる温度変化の影響を最小限にし、また、別チャンバ一に移すといった煩雑 な作業が必要なぐ簡便で迅速な実験ができるようになる。
[0052] 本発明の方法において、多孔質担体上の特定スポットの信号強度をモニターし、そ の信号強度が所定の値に達したときに他のスポット上での反応を停止して信号強度 を測定する場合、当該他のスポットにおける接合体 Cと接合体 Dとの反応時間、及び 接合体 D中の基質が活性化されたものと多孔質担体との反応時間が、間接的に制 御されることとなる。そのため、検出にかける分析対象物質の量が正確に測定できな い場合であっても、当該他のスポットのより多くにおいて、検出限界レベル以上、飽和 レベル未満の範囲内での測定を可能にすることができる。即ち、(内部標準物質に対 するプローブ等が固相化された)特定スポットの信号強度がどの程度であれば、当該 他のスポットのより多くにおいて当該検出範囲内での測定が可能であるかは、分析対 象物質と内部標準物質との量比等を考慮し、どの程度のサンプル量、反応時間とす ればよ 、かを予備実験で設定することが可能である。
[0053] 従って、この方法によれば、検出にかけるサンプルの量が正確でなくても、特定スポ ットにおける信号強度をモニターし、所定の値に当該信号強度が達したときにその他 のスポットの反応を停止し、信号強度変化率が一定範囲内にあるときに当該その他 のスポットにおける信号強度を測定すれば、各スポット間における測定結果に定量性 を確保することが可能になる。
[0054] 本発明の分析対象物質検出用試薬キットを用いることにより、高感度な検出を簡便 に行うことが可能になる。
[0055] 1.本発明の分析対象物質の検出方法においては、標識された分析対象物質からの 信号の強度の測定を経時的に行い、尚且つ (0、特定の信号の強度を予め定めてお いた値と比較して、当該値に達したときの値を有する信号の強度を用いる力、又は (ii )当該信号の強度を時間の関数で表し、その測定した信号の強度における近似直線 の傾きが、それ以前に測定した信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5倍一 1. 5倍の範囲内にあるときの信号の強度の定量値を利用している。そのため、信号の強 度が定量性をもって測定するのに適切な値にあるか、又は測定時間と測定信号の強 度とが比例する関係にあるの力 (即ち信号の強度が略線形に増大しているの力 )を確 認することが可能であり、最適の測定条件下での測定値を定量に使用することが可 能である。従って、信号の強度が極度に小さい場合や、信号強度が測定系において 飽和しつつある場合のデータを用いることなく定量をより正確に行うことが可能となる
[0056] 2.本発明では、検出可能に標識された基質が、分析対象物質、及び結合対を含ん だ接合体 (接合体 C)中の酵素によって活性化され、分析対象物質を捕獲 (分析対象 物質が核酸の場合にはハイブリダィズ)して 、るプローブ近傍の担体表面と反応する 。検出可能に標識された基質は、特に、担体表面に付加された受容基 (外来受容基 )、又は基板表面の OH基と反応して化学的な結合が生成する (沈着反応)。従って、 基質と結合して!/ヽる検出可能な標識を測定することで、捕獲された分析対象物質の 量を測定することができる。このように、担体と化学的に結合した標識を検出している ので、信号の強度の測定を行う工程の前に担体を洗浄する洗浄工程を導入しても、 標識は容易に剥がれることはなぐ反応していない物質は容易に除去できる。従って 、信号を発する物質を担体力 損なうことなくノイズの原因物質の除去を行うことがで きる。従ってシグナル-ノイズ比が上昇する。また、当該洗浄工程において、洗浄液を その前の各工程で使用した溶液の容量を越える量で使用し、尚且つ、洗浄液を担体 に往復に通過させることで、未反応物質が担体からより迅速にかっきれいに洗浄され やすくなる。更には、各種反応を行う各スポットの側面についた反応液面よりもさらに 高い位置に洗浄液面がくるため、バックグラウンド値の影響の出やすいスポット側面 の洗い残しがなくなり、よりバックグラウンド値の低いデータを得ることができるものとな つている。前記の基質の化学的結合を沈着とよぶが、沈着による増感方法を用いるこ とにより、担体に捕獲された分析対象物質あたりの検出可能な標識物質の量が、分 析対象物質に直接検出可能な標識をする場合にくらべて大幅に増加するため、ハイ ブリダィズする量の少な ヽ低発現の遺伝子でも、その分析対象物質あたりの検出可 能な標識物質の量が増えることから検出可能になる。
[0057] 3.本発明ではプローブを固相化する担体に実質的に液体を保持できる担体として 三次元多孔質担体を用いることができる。例えば、アルミニウムの陽極酸ィ匕膜を担体 に用いると、平面であるガラスアレイと比較して 500倍程度表面積が大きくなつて 、る 。従って、プローブのみならず検出系に用いる沈着物質がより多く付着することがで きるため、従来のガラスアレイを用いる場合と比較して、シグナルの増強の割合が大 きい。また、三次元多孔質担体は奥行きがあり、上部力も検出を行った場合、縦方向 のシグナル強度が重なるためその効果もシグナル増強に働 、て 、る。
[0058] 4.本発明では、プローブを固相化する担体を多孔質とした場合、液体が通過可能 である。このため、固相化されたプローブと結合した接合体 Aに接合体 Bを結合させ、 接合体 Cを形成する反応は、結合対の一方の物質と特異的に結合する物質 (結合対 のもう一方の物質)および酵素からなる接合体 Bを含む溶液を往復に通過させながら 反応を行うことが可能である。そのため、反応液量が少なくてよぐまた、プローブと分 析対象物質、固相化されたプローブに結合した接合体 Aと接合体 Bが接触する回数 が増えるため、前記反応を簡便且つ迅速に行うことが可能である。
[0059] 5.本発明では、実質的に液体を保持できる担体に基質を浸透させたのちこれを静 置し、接合体 Aと接合体 Bとの反応、接合体 Cと接合体 Dとの反応、そして酵素により 活性化された基質と担体表面との反応を行うと、担体上には核酸プローブが数多く 固相化され、これに数多くの分析対象物質がハイブリダィズし、従って接合体 D中の 酵素と基質との接触頻度が高くなる。従って、担体に対する基質の沈着反応を、分析 対象物質が結合した核酸プローブ周辺で集中的に生じさせることができ、よって本発 明の方法の検出感度が増大する。
[0060] 6.本発明では、 CCDカメラで検出を行う場合、露光時間が短くても十分にシグナル を得ることが可能なため、サンプル中のゴミ、担体中のゴミゃむらのノイズを非常に小 さくすることができる。したがってサンプル調製の際に、サンプルや試薬のゴミを除く 作業を行う必要がなくなり、また、むらやゴミのある担体も使用可能となる。
[0061] 7.本発明では、標識物質を測定する工程において、多孔質担体上の特定スポット 中の活性ィ匕接合体 D力 の信号の強度が、予め定めておいた信号の強度に到達し たかを経時的に確認して、一定の信号の強度に到達したことを確認した直後にその 他のスポット中の活性ィ匕接合体 Dからの信号の強度を定量する。この場合、当該特 定スポットに標準物質に対するプローブを固相化しておけば、その標準物質と一定 の比率で存在する分析対象物質については、検出限界以上、飽和レベル未満の範 囲内で測定できることが期待される。
発明を実施するための最良の形態
[0062] 本発明の分析対象物質の検出方法は、
(1)標識された分析対象物質に由来する信号の強度の測定を、当該信号の強度が 増加して!/ヽる間に経時的に行う工程;
(2)特定の信号の強度を、予め定めておいた値と比較する工程;
(3)当該特定の信号の強度が、当該予め定めておいた値に達した時に、当該値を有 する当該信号の強度を用いて分析対象物質の定量を行う工程;
を含むことを特徴として 、る。
[0063] ここで、測定 (定量)を行う「信号」とは、分光学的性質を有するものであり、具体的 には蛍光、吸光、発色の何れとすることができる。
また「信号の強度が増カロしている間」とは、検出可能に標識された分析対象物質と
、分析対象物質に特異的に結合するプローブとの間の反応を進行させている場合( 分析対象物質を直接標識した場合)を含む。
[0064] 更には、分析対象物質と、分析対象物質に結合させた物質に対して特異的に結合 し、且つ酵素を含んだ接合体 (下記の接合体 B)との結合の後に、当該酵素が触媒 する基質の変換反応により当該変換された基質に由来する信号の強度が増加する 場合 (分析対象物質を間接的に標識した場合)を含んで!/ヽる。
[0065] このように信号の強度が増加している間に、特定信号の強度を、予め定めておいた 値と比較し、当該値に達した時に当該信号の強度を用いて定量を行う。ここで「予め 定めておいた値」とは、検出限界以上の値であって、信号強度が使用する検出系に おいて略飽和していると考えられる値未満の範囲である。好ましくは、信号の強度の 時間変化についての関数において、測定した時点における近似直線の傾きが略一 定の時の値 (信号の強度)である。より好ましくは、測定した信号の強度における近似 直線の傾きが、それ以前に測定した信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5倍 一 1. 5倍の範囲内にあるときの信号の強度の値である。
[0066] 従って本発明の分析対象物質の検出方法は、
分析対象物質の検出方法において、標識された分析対象物質に由来する信号の強 度測定を、当該信号の強度の増加中に経時的に行い、当該信号の強度を時間の関 数で表し、当該測定した信号の強度における近似直線の傾きが、それ以前に測定し た信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5倍一 1. 5倍の範囲内にあるときの信 号の強度の定量値を利用することを特徴としている。
[0067] 本発明の分析対象物質の検出方法は、また、前記の信号の強度測定の前に、下 記工程:
(A)標識された分析対象物質を含む試料溶液を、当該分析対象物質に対するプロ ーブが固相化された担体へ供給する工程;及び
(B)当該担体上に固相化されたプローブと、当該標識された分析対象物質とを結合 させる工程;
を含むことを特徴として 、る。
[0068] 本発明の分析対象物質検出方法は更には、前記の測定した信号の強度における 近似直線の傾きが、それ以前に測定した信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5倍一 1. 5倍の範囲内にあるときの信号の強度の定量値を利用する分析対象物質 の検出方法において、
a)結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含む試料溶液を、当 該分析対象物質に対するプローブが固相化された多孔質担体へ供給する工程; b)前記結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素を含む接合体 Bを 、前記工程 a)において担体上に固相化されたプローブと結合した接合体 Aと反応さ せて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合体 Cを形成させる工程; c)前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識物質を含む接合体 D を前記接合体 Cに反応させ、当該接合体 Dの基質を活性ィ匕し、この活性化接合体 D を前記基質に対する外来受容基付加の前処理を行わずに、前記多孔質担体と結合 させる工程;
d)前記多孔質担体上の前記活性化接合体 Dの標識物質を定量する工程; を含むことを特徴として 、る。
[0069] 上記工程 a)— c)を経ることにより、まず、分析対象物質を含む接合体 Aと、当該接 合体 A中に含まれる結合対の一方の物質を介して結合し、且つ酵素を含む接合体 B とが反応する。これにより大きな接合体 Cが、担体上にプローブを介して形成される。 次にこの接合体 Cに対して、当該酵素の基質を標識したものを反応させる。酵素-基 質反応を起こさせることにより活性化された基質を、担体表面と結合させる。このよう な酵素反応により、分析対象物質の量に比例して増幅された標識を担体表面に形 成させ、これを次の定量 (測定)工程により定量 (測定)することにより、より増感した検 出方法を提供することが可能になる。
[0070] これら本発明の分析対象物質の検出方法の実施に先立ち、担体にはプローブを 固相化しておく。固相化の方法は、プローブと担体との組合せについて当該技術分 野で既知のものであれば特に限定する必要はない。しかし、工程 a)におけるプロ一 ブと分析対象物質との間の反応が阻害されないような形態でプローブが担体に固相 ィ匕させる方法を採用することが望ましい。使用するプローブとしては、分析対象物質 を特異的に捕獲することができるものを利用する。分析対象物質が核酸の場合には 、少なくともその一部に対して相補的な配列を有する核酸分子をプローブとする。分 析対象物質がタンパク質やペプチドの場合には、それらを特異的に認識して結合す ることが可能な抗体、当該タンパク質やペプチドが触媒する酵素反応の基質、当該タ ンパク質やペプチドと特異的に結合する細胞、あるいは当該タンパク質やペプチドに 対する抗体を外殻に発現して ヽるファージなどをプローブとする。分析対象物質が既 知のリガンド-レセプターの関係にある物質の組合せの何れかである場合には、レセ プター又はリガンドをプローブとすることができる。このようにプローブとの間に特異的 な結合関係を構築できる分析対象物質としては、核酸、糖、タンパク質、ペプチド、及 びこれらの物資が種々の修飾を受けた物質 (リン酸化されたタンパク質)等を挙げるこ とがでさる。
[0071] 分析対象物質の量としては、担体に固相化されたプローブの量を考慮して当業者 らの通常有する知識に基づき決定することもできるし、一方、分析対象物質の量が極 少量である場合には、その量に見合った量のプローブを固相化することもできる。分 析対象物質が核酸である場合には、例えば 0. 01から 1. O /z gの範囲であれば好ま しいが、本発明の方法においては、検出感度が従来のものと比較して顕著に向上し ているため、 0. Olng以上であればよい。
[0072] 本発明において利用する担体は、上記した沈着反応に適し、且つ表面積が大きけ ればどのような材料のものでも使用することが可能である。好ま U、担体の例としては 、実質的に液体を保持でき、担体中で液体を動かすことができるもの、多孔質のもの を挙げることができる。例えば、中空糸、中空糸 +ゲル、アルミニウム酸ィ匕膜、シリコン ウェハーのエッチング物、ガラスファイバー、複数のガラスゃ榭脂のビーズを容器に 保持したものなどがある。三次元多孔質担体としては、ナイロン、ニトロセルロース、若 しくは榭脂を材料としたフィルター、又は、ゲルマトリックス、金属酸化膜がある。本発 明での三次元多孔質担体としては、好ましくは、特許文献 2 (特許第 3208390号)に 記載の、電気化学的に製造される金属酸化膜を用いる。これらの好ましい条件を満 たす担体の利用方法としては、マイクロアレイを用いることができる。
[0073] 例えばこのマイクロアレイを分析対象物質の検出に用いる場合、上記工程 (A)及 び (B)を含むハイブリダィゼーシヨン工程によってアレイ基板上の任意のプローブス ポットに結合した、検出可能に(直接的に)標識されている核酸等の試料からの信号 の強度を経時的に測定することができる。そして、当該測定した信号の強度における 近似直線の傾きが、それ以前に測定した信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5-1. 5倍の範囲内にあるときの信号の強度を用いる。この範囲内ではハイブリダィ ゼーシヨン反応が飽和していないと考えられる。従って、各プローブスポットでの測定 を当該範囲内で行うことにより、各スポットの定量性が向上する。また、アレイ基板上 の任意のプローブスポットに結合して 、る核酸等の試料を、結合対を介して酵素と結 合させた後、当該酵素による基質の変換反応力もの信号の強度を経時的に測定す る。そして、当該測定した信号の強度における近似直線の傾きが、それ以前に測定 した信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5-1. 5倍の範囲内にあるときの信号 強度を用いて、各プローブスポットでの酵素反応が飽和しな 、場合の反応直線の傾 きを算出する。このような範囲内で測定を行うことにより、分析対象物質を間接的に標 識する場合の定量性が向上する。
[0074] 本発明において使用することができる多孔質担体は、 1又は 2以上の分析対象物 質の検出を可能にするため、各分析対象物質に対する 1又は 2以上の種類のプロ一 ブが、単一の反応容器内にある多孔質担体上のそれぞれ別個のスポットにおいて固 相化されている。本発明の検出方法において使用される担体は一般に、複数の試料 について同時に測定できるよう、複数のプローブ固相ィ匕スポットを有していて、それぞ れのスポットには、別個の分析対象物質を捕獲するためのプローブが固相化されて いる。し力しながら、本発明の検出方法において使用する担体は、
'一種類の分析対象物質に対する一種類のプローブのみが一箇所のスポットに固相 ィ匕されたものとすること、
• 一種類の分析対象物質に対する一種類のプローブが複数のスポットに固相化さ れたものとすること、
'一種類の分析対象物質に対する二種類以上のプローブをそれぞれの種類ごと〖こ 別個のスポットに固相化されたものとすることや、或いは
• 一種類の分析対象物質に対する二種類以上のプローブをそれぞれの種類ごとに 複数個のスポットに固相化されたものとすること
も可能である。このような形態の担体は、特定目的のための専用担体として供するこ とが可能である。
[0075] 本発明の検出方法において使用する多孔質担体が、プローブを固相化する各スポ ットにおいて、 2次元のプローブ固相化可能領域を有する場合には、当該スポットの 径(直径又は対角線の長さ)は、 50乃至 500 mの範囲にあり、又は当該プローブ 固相化可能領域が 3次元である場合には、担体のベース部と平行な、当該スポットの 断面の径(直径又は対角線の長さ)は、 50乃至 500 mの範囲にあることが好ましい 。多孔質担体は更には、 1つの担体あたりスポットの数が 20個以上とすることができる
[0076] このように上記スポット(2次元の場合)の直径又は対角線の長さ力 又はその断面( 3次元の場合)の直径又は対角線の長さが 50乃至 500 mの範囲にあると、担体上 において直径又は対角線の長さが 4mm程度の領域に、約 20乃至 400種類ものプロ 一ブを固相化することができる。更に、各スポットに供給すべき試料の体積は極少量 で済む。従って、分析対象物質が極少量しカゝ入手できない場合であっても、異なるプ ローブを利用した検出を同時且つ効率的に行うことが可能である。
[0077] 本発明の分析対象物質の検出方法は、また
a' )結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含む試料溶液を、 当該分析対象物質に対するプローブが固相化された多孔質担体へ供給する工程; b' )前記結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素を含む接合体 B を、前記工程 a)において担体上に固相化されたプローブと結合した接合体 Aと反応 させて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合体 Cを形成させる工程; c' )前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識物質を含む接合体 Dを前記接合体 Cに反応させ、当該接合体 D中の基質を活性ィ匕し、この活性化され た基質を有する活性化接合体 Dを当該基質に対する外来受容基付加の前処理を行 わずに、前記多孔質担体と結合させる工程;
d' )前記多孔質担体上の前記活性化接合体 Dの標識物質を定量する工程; を含むことを特徴とする。
[0078] 本発明の分析対象物質の検出方法においては、担体に多孔質のものを利用する ことが可能であるため、その場合には各工程において担体の内外に溶液を駆動する ことも可能である。即ち、本発明の分析対象物質の検出方法は、
e' )結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含む試料溶液を、 当該分析対象物質に対するプローブが固相化された多孔質の担体へ供給した後、 当該試料溶液を、この多孔質担体の内外に駆動する工程;
f ' )前記結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素からなる接合体 B を含む溶液を前記多孔質担体へ供給した後、当該溶液を、当該多孔質担体の内外 に駆動し、前記工程 e' )において担体上に固相化されたプローブと結合した前記接 合体 Aと前記接合体 Bを反応させて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合 体 Cを形成させる工程;
g' )前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識物質からなる接合体 Dを含む溶液を前記多孔質担体へ供給した後、当該溶液を前記多孔質担体へ浸透 させて、当該接合体 Dを前記接合体 Cに反応させ、当該接合体 Dの基質を活性化し 、活性化した当該接合体 Dを前記多孔質担体と結合させる工程;
h' )前記多孔質担体の上の前記接合体 Dの標識物質を定量する工程; を含むことを特徴とする。
[0079] このように、担体に多孔質のものを利用し、適宜溶液を担体の内外に駆動すること には次のような利点がある。即ち一般に、多数の分析対象物質の検出を同一担体上 で行おうとする場合、各分析対象物質の検出の最適条件に差が存在するため、全て の分析対象物質についての検出を最適条件下で行うことは困難である。しかし本発 明の方法において多孔質担体を利用し、更に適宜試料溶液の駆動を行い、また測 定可能な標識を有する基質を酵素により活性化したものを、分析対象物質が捕獲さ れた領域周辺に沈着させ、その標識力もの信号の検出を行っている。また、測定した 信号の強度ににおける近似直線の傾き力 それ以前に測定した信号強度における 近似直線の傾きの 0. 5倍一 1. 5倍の範囲内にあるときの信号の強度を定量に利用 することにより、定量性を保持しつつ、高感度に測定を行うことが可能となる。また、複 数の分析対象物質の同時検出を好適に行うことも可能である。よって、本発明におい て使用する担体には、プローブを固相化するスポットの数力 例えば 20個以上とする ことにより、複数試料の同時検出を高感度、高精度且つ効率的に行うことが可能とな る。
[0080] ここで、分析対象物質には、予め結合対の一方の物質を、(必要な場合には適宜リ ンカーを介して)結合して、接合体 (接合体 A)を形成しておく。ここで「結合対」とは、 例えばピオチン アビジン、ピオチン ストレプトアビジン、抗原 抗体、リガンドーレセ プタ一等のように、生物学的に互いに特異的に結合しあう物質同士の組合せであり、
「結合対の一方の物質」とは、これらの組合せのうちの一方の物質を意味する。分析 対象物質と結合対の一方の物質との間の結合方法は、当該技術分野で既知の方法 •条件等により行うことができ、結合対の一方の物質が、後の工程における結合対の もう一方の物質との間で形成する接合体形成反応を阻害しない形態であれば特に限 定されることはない。
[0081] 上記工程 a' )にお ヽては、接合体 Aを含む試料溶液を、プローブが固相化された 担体へ供給することにより、当該プローブと当該接合体 A中の分析対象物質との間 に特異的な結合を形成させている。また、使用する担体が多孔質であるため、適宜、 液体駆動手段を備えた流路系と連結している場合には、担体へ供給した試料溶液を 、多孔質担体の内外に駆動する工程 e')とすることも可能である。駆動の方法としては 、反応溶液のボンピングゃピペッティングが挙げられる。
[0082] 上記工程 a')及び e')における特異的な結合の形成は、分析対象物質とプローブと の組合せに最適と考えられる条件にぉ ヽて行う。例えば分析対象物質とプローブと が互いに相補的な配列を有する核酸である場合には、分析対象物質とプローブとの 間に形成される相補的二本鎖の Tm値を考慮するなどして、反応温度、反応溶液の 組成、反応時間などを決定する。この反応の後、未反応の分析対象物質やプローブ に捕獲されない物質を反応系から除去するための工程を適宜行うことができる。除去 工程としては、通常、当該工程において形成された反応生成物が解離しない溶液組 成による洗浄工程が好ましぐ洗浄溶液の量は、洗浄前の工程で使用した溶液の量 よりも多 ヽことが好まし 、。
[0083] 次の工程 b' )においては、前記の接合体 Aに対して、接合体 Bを反応させる。接合 体 Bは、前記の結合対の一方の物質に特異的に結合する物質、即ち「当該結合対の もう一方の物質」に、(必要な場合には適宜リンカ一を介して)酵素を予め結合してお いたものである。酵素の結合は、酵素活性が阻害されない限り、当該技術分野で知 られる方法により行えばよぐ特に限定されることはない。この工程においては、上記 工程 e')と同様にして、多孔質担体の内外に溶液を駆動することも可能であり、この場 合は工程 f' )となる。駆動の方法としては、反応溶液のボンピングゃピペッティングが 挙げられる。
[0084] この工程 )又は工程 f ' )の反応後、担体には接合体 Cが形成される。この接合体 Cは、(分析対象物質-結合対の一方の物質)を含む接合体 Aと、(結合対のもう一方 の物質-酵素)を含む接合体 Bが、両者間で当該結合対を形成することにより、全体と してより大きな複合体である接合体 Cを形成したものである。そしてこの接合体 Cは、 その中の分析対象物質を介して、担体に固相化されたプローブに結合している。
[0085] 工程 b' )又は工程 f' )の反応後、接合体 Cに取り込まれなかった未反応物質等を除 去する工程を適宜行うことができる。除去工程としては、通常、反応生成物を解離し ない溶液組成による洗浄工程が好ましぐ洗浄溶液の量は、洗浄前の工程で使用し た溶液の量よりも多 ヽことが好ま U、。
[0086] 次の工程 c' )又は g' )においては、工程 b' )又は f' )までで形成されている前記接 合体 Cに対して接合体 Dを反応させる。接合体 Dは、前記酵素に対する基質を標識 物質と接合したものである。ここで酵素-基質の組合せは、酵素反応によって基質が 活性化されて、活性化された基質を含む接合体 Dが、担体表面に結合できるもので あれば、特に限定されることはなく、当業者が実験系に応じて、適宜選択できるもの である。具体的には、酸化還元酵素、加水分解酵素、リアーゼ、転移酵素、異性ィ匕 酵素、リガーゼ等の酵素と、これらの基質との組合せ等である。使用する酵素は、好 ましくはホースラディッシュペルォキシターゼ(HRP)またはアルカリフォスファターゼ である。
[0087] 使用する酵素 (即ち結合対のもう一方の物質-酵素からなる接合体 B)の濃度として は、酵素の活性等を考慮して当業者らが適宜決定できるものである。この濃度は、使 用する酵素の種類'活性度合に応じて変動するものであるが、一般的には、 0. 8-6 pmol/mlの範囲にある。本発明においては、活性ィ匕された基質は、例えば金属酸ィ匕 膜からなる担体の表面や、少なくともその一部に芳香族アミノ酸を含む化合物で前処 理を行ってぉ 、た担体の表面に結合する。
[0088] 前記酵素の基質としては、置換フエノールたとえばチラミン、ホスホリルイ匕置換フエノ ール例えばチロシンホスフェートを用いることができる。これらの基質は、検出可能に 標識して用いる。基質の検出可能な標識物質としては、当該技術分野において知ら れる蛍光物質 (フルォレセイン、アレクサ、シァニンなど)、化学発光物質、コロイド粒 子 (金や銀等の金属、ラテックス等の榭脂、ガラス、セラミックス)や蛍光ガラス粒子等 を用いることができ、その選択は、当業者らが実験条件等を考慮することにより適宜 行うことができるものである。
[0089] HRPを酵素に用いる場合には、過酸ィ匕水素の存在下で反応を行うことが必要であ る。この場合、過酸ィ匕水素の濃度としては、 0. 00008— 0. 0003%の範囲内にある こと力 S好まし ヽ。更に好ましくは 0. 0001— 0. 0002%である。
[0090] 検出酵素を用いて基質を活性化させ、これを担体に沈着させる反応は、使用する 検出酵素の作用温度で行い、沈着反応の速度を温度で制御することができる。また 、最初に分析対象物質に直接的に、例えば別の標識 (基質に結合している標識物質 とは識別可能なもの)で蛍光標識し、プローブと結合させた後に、当該別の標識によ り、プローブに捕獲された分析対象物質の定量を行うことも可能である。このように分 析対象物質に直接的に標識を行っている場合には、定量を行った結果、解析スポッ トのシグナル強度が弱ぐ解析が難しいスポットがあった場合、分析対象物質と結合 している結合対の一方の物質に対して特異的に結合する物質 (結合対のもう一方の 物質)に酵素が結合した接合体 (接合体 B)を更に反応させて、接合体 Cを形成させる ことができる。この場合、次に酵素の基質、例えばチラミドと標識物質が結合した接合 体 (接合体 D)に前記酵素を反応させて当該基質を活性化させることにより、当該活 性化された基質を介して標識物質を担体に沈着させて検出することで、シグナルを 増感し、直接標識法で検出できな力つたシグナルが検出できるようになる。この方法 により、量の多い分析対象物質は直接標識、量の少ない物質は増感法で検出するこ とが可能となる。量の多い分析対象物質のみを分析する場合は、より簡便で高速に 検出できる。また、量の少ない物質も更に処理を行うことにより、従来では検出不可 能であったものもデータを取得することができる。
[0091] 本発明においては、上記工程(1)から(3); (A)から (B); a)から c); a' )から c' );又 は e' )から g' )の工程は、 20°Cから 70°Cの範囲内で行うことが望ましい。分析対象物 質を直接標識している場合 (工程(1)一(3)、工程 (A)—(B) )には、 30— 55°Cの範 囲内であり、分析対象物質を間接的に標識している場合 (工程 a)— c)、工程 a' )— c' ) ,工程 e,)一 g,))には、 34— 40°Cの範囲内(37± 3°C)であることが望ましい。また 、これらの範囲内で略同一温度で行うことが望ましい。例えば分析対象物質が核酸 である場合は通常、プローブの長さが 20— 80ベースである場合、プローブとのハイ ブリダィゼーシヨンは 50— 65°C程度で行うことが好ましぐ酵素反応は 20— 45°Cで 行うことが好ましい。しかし、本発明においては、用いる緩衝液の塩濃度を下げること により、ハイブリダィゼーシヨンの温度と酵素反応の温度を、ほぼ同じ温度で行うことも 可能である。例えば、緩衝液に 5 X SSPEを用いたときのハイブリダィゼーシヨンの最 適な温度は 50°Cであったが、 1 X SSPEを用いたときには、ハイブリダィゼーシヨンの 最適な温度は 42°Cであり、酵素反応が有効に起こる温度範囲内とすることも可能で ある。このように、ハイブリダィゼーシヨンの温度と酵素反応をほぼ同じ温度でに行うこ とができるので、前記工程(1)から(3); (A)から(B); a)から c); a' )から c' );又は e' ) 力も g' )の工程を略同一の温度で行えるようになる。これは、温度変更の必要がなく なるので温調制御が向上し、測定時間の短縮にもつながる。また、反応装置の自動 ィ匕も容易になることから、特に好ましい。従って、より好ましくは、前記工程(1)から(3 ); (A)から (B); a)から c); a' )から c' );又は e' )から g' )の工程を略同一の温度で行 そして次の工程 d' )又は工程 )においては、上記工程によって担体上に結合した 接合体 D中の標識物質力 のシグナルを選択的に定量することにより、間接的に分 析対象物質の定量を行う。また、前記工程 (B)の後、且つ信号の強度測定の前;前 記工程 c)の後、且つ信号の強度測定の前;又は前記工程 c' )の後、且つ前記工程 d ' )前;又は前記工程 g' )の後、且つ前記工程 )の前においては、反応を停止する 工程、及び/又は未反応物質等を除去する工程を適宜行うことができる。これらのェ 程としては通常、担体へ結合した反応生成物を解離させな!/ヽ溶液組成による洗浄ェ 程が好ましぐ洗浄溶液の量は、洗浄前の工程 (工程 (B)、工程 c)、工程 c' )、工程 g ' ) )で使用した溶液の量よりも多 、ことが好ま U、。そして反応を停止するまで又は洗 浄を開始するまでの時間は、分析対象物質の存在量等を考慮して、予め行っておい た予備実験結果に基づ 、て、所定の値に設定することが好ま 、。 [0093] 上記工程 d' )又は工程 h' )は、上記工程 c' )又は工程 g' )の後に、任意の時間間 隔で複数回行うことができる。これにより、低頻度で存在する分析対象物質について も、より高感度で検出することが可能になる。
[0094] プローブ/分析対象物質の組合せとしては、 DNA/DNA、 DNA/RNAもしくは
RNA/RNAである核酸について説明を行っている力 抗体/タンパク質、ペプチド/タ ンパク質、タンパク質 (リガンド) /タンパク質 (レセプター)や、糖/タンパク質、低分子 化合物/タンパク質、細胞/ペプチド、細胞/タンパク質等の組合せも含まれる。上記 組合せのうち!/、ずれがプローブであっても分析対象物質であってもよ!/、。
[0095] 分析対象物質と結合した結合対の一方の物質と、前記結合対の一方の物質に特 異的に結合する物質 (結合対のもう一方の物質)の組合せとしては、ハプテン/抗体、 ピオチン/アビジンまたはストレプトアビジン等が含まれる。
[0096] 上記工程 c')及び g')における酵素による基質の付加反応は、ボンビング、またはピ ペッティングにより、当該担体に、基質を含む接合体 (接合体 D)を浸透させたのち静 置して行うことができる。基質に結合した検出可能な標識 (酵素により活性ィ匕済)の沈 着の程度を CCDカメラにてモニターし、反応の程度を確認したのち、定量を行うこと ができる。従って各スポットの反応の進行度を確認することも可能である。従って各ス ポットの沈着反応が直線域にある力飽和して 、るかを確認しつつ、最適な状況下で データ測定を行うことができる。また、各スポット間のデータを定量的に比較するため には、比較対象となるいずれのスポットにおける輝度力 検出限界以上であって、尚 且つ輝度が飽和していないことが望ましい。そのため、上記工程 d' )又は )を行う 際には、測定した信号の強度の変化率を測定し、測定した信号の強度に対する近似 直線の傾きが、それ以前に取得した信号強度における近似直線の傾きの 0. 5倍一 1 . 5倍の範囲内にあるときのデータを使用して分析対象物質の定量を行うことが望ま しい。この範囲内にある場合には、測定時間と信号強度との間には、実質的な線形 性が存在するとみなすことが可能であるためである。最も好ましくは当該近似直線の 傾きが略一定である場合、即ち直線の場合である。
[0097] 本発明において使用する試料溶液、及び/又は上記の各工程後に適宜行う洗浄ェ 程において使用する洗浄溶液には、界面活性剤を含めることができる。この場合、界 面活性剤の濃度は、 0. 1一 1%の範囲内にあることが好ましい。更に好ましくは、 0. 3-0. 7%である。界面活性剤の種類としては、起泡性や、標準物質の試料溶液へ の溶解度などを考慮して選択するが、試料溶液が種々の緩衝液を含むことから、陽 イオン系界面活性剤又は非イオン系界面活性剤力 選択することが好まし、。試料 溶液や洗浄溶液等に含まれるアルカリ金属やアルカリ土類金属の沈殿が生じたり、 界面活性効果に悪影響を与えないものから選択することができる。具体的には、例え ば脂肪酸系である、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシェ チレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アル力ノールアミド、高級アルコール系の ポリオキシエチレンアルキルフエ-ルエーテルなどの界面活性剤である。特に好まし いものは、脂肪酸アル力ノールアミドであり、この中でもラウリルサルコシン [(CH (CH )
3 2
CON(CH )(CH COOH))]が最も好ましい。また、アルキル基の長さが異なっていたり
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、置換基を有するような、類似の構造を有する化合物も好ましい。
[0098] 本発明の分析対象物質の検出方法においては、上記工程 a')— c' )又は e')— g' ) を含み;
更に、上記工程 c' )又は g' )の後に、下記の工程:
x-1)前記多孔質担体上の特定スポット中の活性ィ匕接合体 Dからの信号の強度の みを測定し、当該特定スポットからの信号の強度力 予め定めておいた信号の強度 に到達したかを経時的に確認する工程;
x-2)前記工程 x-1)において、当該予め定めておいた信号の強度に到達したこと が確認された直後に、前記多孔質担体上のその他のスポット中の反応を停止して、 当該そのほかのスポットからの信号の強度の測定を開始し、当該測定した信号の強 度ににおける近似直線の傾きが、それ以前に測定した信号の強度における近似直 線の傾きの 0. 5倍一 1. 5倍の範囲内にあるときの信号強度を用いて定量する工程; を含むものとすることができる。
[0099] この検出方法においては、工程 x-1)における前記特定スポットを、標準物質に対 するプローブが固相化されたスポットとすることができる。ここで標準物質としては、細 胞内で常に一定比率で発現しているハウスキーピング遺伝子( j8ァクチン遺伝子、 GAPDH遺伝子等)や、これらの転写 ·翻訳産物などを挙げることができる(内部標準 物質)。
[0100] 標準物質が捕獲されたスポットからの信号がどの程度になるまで、その他のスポット の反応 ·測定を行うかは、予備実験により決定することが可能である。担体上にスポッ トしたプローブが捕獲する分析対象物質のより多くについて、信号強度が飽和する前 に測定を開始 '終了することが可能な、試料溶液量、反応時間等を、当該予備実験 により決定することができる。従って予備実験結果とあわせて、このような工程 x-1)及 び x-2)を行うことで、数多くのスポットについて、信号強度が飽和しない条件下でデ ータ取得を行うことが可能になる。
[0101] 前記特定スポットが複数個からなる場合には、一定比率の希釈系列で固相化量を 調整したプローブを当該複数個力 なる特定スポットのそれぞれに固相化することが できる。併せて、特定スポットを含む全スポット、又は特定スポット以外のスポットの一 部について同様に一定比率の希釈系列でプローブをそれぞれのスポットに固相化 することも可能である。このような構成をとることにより、一のスポットにおける定量結果 が検出限界未満や飽和レベルの信号強度となってしまった場合でも、同一希釈系列 内のその他のスポットにおける定量結果を利用することが可能であるため、特定の分 析対象物質の検出漏れを防ぐことができる。また、適切な予備実験を行っておけば、 同一希釈系列内にはプローブ濃度とスポットの信号強度との間に線形性が担保され るスポットが少なくとも 1つは存在すると期待できる。従って、希釈系列としては、ある 1 つの濃度の前後、少なくとも各 1点ずつの合計 3点の濃度とすることが好ましい。希釈 の割合としては、使用する試料の量、分析対象物質の存在比率等を適宜当業者が 考慮して決定できるものであり、例えば、 2倍(1/2倍)系列、 10倍(1/10倍)系列等と することができる。
[0102] 本発明の方法においては、上記特定スポットに外部標準物質に対するプローブの 希釈系列をスポットしておき、分析対象物質を含む試料溶液中に、当該外部標準物 質のプローブに対応する外部標準物質であって標識済みのものを任意の濃度で混 せておき、当該外部標準物質力 の信号強度を測定することもできる。この場合、外 部標準物質に対するプローブの希釈系列のスポットは、分析対象物質の量が想定と 大きくずれた場合に有効に利用できる。即ち、分析対象物質の量が想定よりも非常 に多い場合は、活性ィ匕基質と担体との間の反応時間が短時間になるため、希釈系列 中のプローブ固相化量が多いスポットで定量的な検出が可能であり、反対に分析対 象物質が想定より少ない場合はチ活性化基質と担体との間の反応時間が長時間と なるため、固相化量の少ないスポットで定量的な検出が可能になる。
[0103] 分析対象物質の量を測定し、添加する試料の量を一致させて検出にかける場合に は、検出にかけた試料に対して、常に同一濃度の外部標準物質 (例えばオリゴ DNA 等)を入れておき、外部標準物質が所定の信号強度になるように、活性化基質と担体 との間の反応を停止してデータを測定することで、各スポット間での反応のばらつきを おさえることができる。これは内部標準物質を決定する前の予備実験等で有効である
[0104] 分析対象物質の量を一致させずに検出する場合には、検出にかける試料に対して 、同一濃度の外部標準物質 (オリゴ DNA等)を入れておき、内部標準物質が所定の 信号強度になる反応時間でデータを測定する。添加する試料の量を変えて外部標 準物質の信号強度と外部標準物質の濃度のデータをあらかじめ取得しておくことで、 実際に分析対象物質の量を測定せずに実験した場合でも、外部標準物質の信号強 度と外部標準物質の濃度のデータ力 分析対象物質の添加量を予測することができ る。
[0105] 工程 d' )及び )において、担体に沈着した基質を定量するには、好ましくは CCD カメラを用いて、基質の標識 (好ましくは蛍光物質)からの信号 (好ましくは蛍光強度) を測定する。
[0106] 一つの実施形態において、ノ、イブリダィゼーシヨン力 検出までのすべての工程は 、ォリンパス社製の FD10装置を用いて行うことができる。
[0107] 本発明は、種々の生体関連物質にも適用することが可能である。例えば、核酸、糖 、タンパク質、ペプチド、及びこれらの物質が種々の修飾を受けた物質の検出を行う ことができる。これらの物質が受ける種々の修飾とは、リン酸化、メチル化ァセチルイ匕 、脱ァセチルイ匕が挙げられる。例えば、プロテインキナーゼの活性を測定することがこ の一つである。このプロテインキナーゼの活性は、ペプチド中の特定のアミノ酸がリン 酸ィ匕された力どうかを測定することにより行うことが可能である。この場合、プローブに プロテインキナーゼの基質となるペプチドを用いることにより検出を行う。
[0108] 本発明の一実施例においては、プロテインキナーゼの基質となるタンパク質のリン 酸ィ匕部位を含んだペプチド配列をプローブとして多孔質担体の基板に固定し、人工 的に γ -リン酸基に硫黄原子を導入した ATP (ATP- γ S)を用いてリン酸化反応を行 つている。キナーゼによりプローブペプチドのリン酸ィ匕部位へ導入されたチォリン酸 基の硫黄原子に対し、これと結合可能な官能基を有するピオチン (例えばョードアセ チルビオチン)を反応させ、その後これに対し、ピオチンに結合可能なアビジンに酵 素を結合させた接合体分子を反応させ、更にこの反応生成物に対し、当該酵素の基 質に蛍光物質が結合した別の接合体を反応させている。当該酵素により活性化され た基質カ^ン酸化されたプローブペプチド及び基板におけるその周辺部に固定化さ れて、その固定化された基質-蛍光物質力もの蛍光シグナルを測定することにより、 プローブペプチドに導入されたリン酸基の量を推定することが可能である。この推定 値により、分析に供したキナーゼ (分析対象物質)の活性を測定することが可能にな る。従って本発明の方法においては、放射性物質を用いることなぐ簡便にキナーゼ などの酵素活性を測定することが可能なものとなっており、将来的には臨床診断分野 での応用も期待できるものとなっている。
[0109] 本発明の分析対象物質の検出方法は、上記のように固相での反応とする以外にも 、液相での反応とすることもできる。例えば、ガラスセル中において、分析対象物質で ある酵素の量を、基質の変換量に依存する吸光度の変化に基づいて測定する方法 とすることも可能である。また、メンブレン上に固定された分析対象物質である特定の タンパク質に、ピオチン標識した検出対象物質特異的抗体を結合させ、当該ピオチ ン特異的に結合するストレプトアビジンを結合させた酵素を作用させて、当該酵素に よる基質の変換の度合を測定する方法も可能である。
[0110] 本発明は更に、
BSA、ゼラチン、スキムミルク力 なる群より選択される少なくとも 1種と、 1価又は 2 価の陽イオンを含む緩衝液とを含むブロッキング剤;
酸化還元酵素、加水分解酵素、リアーゼ、転移酵素、異性化酵素、リガーゼからな る群より選択される少なくとも 1種の酵素と、 1価又は 2価の陽イオンを含む緩衝液とを 含む酵素製剤;
前記酵素製剤中の酵素に対する基質と、検出可能な標識物質とを含む接合体 Dを 含む基質含有剤;並びに
非イオン系界面活性剤と、 1価又は 2価の陽イオンを含む緩衝液とを含む洗浄剤; がそれぞれ別個の容器に含まれた、分析対象物質検出用試薬キットを提供する。
[0111] 本発明の分析対象物質検出用試薬キットにおいて使用するブロッキング剤には、 B SA (ゥシ血清アルブミン)、ゼラチン、スキムミルクの少なくとも 1種が含まれる力 BS A、ゼラチン、スキムミルクは全体で 0. 1— 10%の範囲内にあることが望ましい。、ま たこのブロッキング剤には、 0. 1M— 1Mの NaClと、 3mM— 60mMのリン酸ナトリウ ムとを含めることができる。また、所望の濃度の SSPE等を含めることもできる。
[0112] 本発明の分析対象検出用試薬キットにおいて用いる酵素製剤には、使用する実験 系において望ましい濃度の酵素を含めることができる力 例えば酵素がペルォキシダ ーゼの場合には、 0. 8— 6pmol/mlとすることが好ましい。これ以外の酵素の場合も 、その活性等を考慮して、同等の範囲内の量を添加することができる。更に必要に応 じて BSA、 SSPE, PBSを適切な濃度で含めることができる。
[0113] 本発明の分析対象物質検出用試薬キット中の基質含有剤には、
,上記酵素製剤中の酵素に対する、適切な濃度の基質と検出可能な標識物質を含 む接合体 Dを含めることができる。また、前記酵素がペルォキシダーゼの場合には、 0. 0008から 0. 0003%の範囲内の過酸化水素を含む気質溶解用溶液を調製して 禾 IJ用することがでさる。
[0114] 本発明の分析対象物質用試薬キット中の洗浄剤には、上述の通り、 0. 1— 1%の 範囲内で界面活性剤が含まれる。界面活性剤以外には、適宜、 SSPEや、 PBSなど の種々の緩衝成分を含めることができる。
[0115] 上記したキット中の製剤等の成分濃度は、それぞれ、使用時の濃度で記載したもの であるが、キットとしては、最終濃度の数倍の濃度のストック溶液とすることも可能であ る。また、使用時に実験者が調製するよう、粉末形態とすることも可能である。
実施例 1
[0116] (実施例 1) 1.核酸のハイブリダィゼーシヨンの検出を、サンプルと結合している結合対の一方の 物質にピオチン、前記結合対の一方の物質に特異的に結合する物質にストレブトァ ビジン、酵素にホースラディッシュペルォキシターゼ、酵素の基質にチラミン、酵素の 検出可能な標識に Alexa488を使用して行った。
2.本実施例においては以下の材料を使用した(すべて RN ase-Free水を用いて調 整した)。
20 X SSPEストック緩衝液(Invitrogen社製) pH6.65に調整
1%SDS溶液 (Ambion社製)
PBS/0.01%tween溶液(Invtrogen社製)
0.0015.過酸化水素溶液(Molecular probe社製)
ストレプトアビジン- HRP溶液(Molecular probes社)
Tyramide— Alexa488溶液 (Molecular probes社)
(アツセィプロトコール)
1.フラグメント化された aRNAサンプルを以下のように調製した。ラット (wister、ォス) の肝臓より NIPPON GENE社 ISOGEN (登録商標)を用いて抽出した totalRNA2 μ gを 铸型として用いた。これと Ambion社製 messageAmp-kitとを用いて、ピオチン化 UTPの 存在下で aRNAを合成した。これを Ambion社製 RNA fragmentation-kitを用いて 70°C
、 15分間の加熱により I Xフラグメンテーション緩衝液中でフラグメント化した。ハイブ リダィゼーシヨンにはこの aRNA5 μ gを用いた。
2.プローブが固相化されたマイクロアレイとしては、 PamChip (登録商標)を使用した 。このアレイ上のプローブとしては、塩基数 60のものを 127個用いた(配列番号 1一 1 27) oこれらの配列のうちコントロール配列は内部標準遺伝子 GAPDH (配列番号 1 26)、及び外部標準遺伝子 LAMD (配列番号 127)であり、配列表に示した。
3. アレイのハイブリダィゼーシヨンおよびシグナル検出機器としてはォリンパス社製 FD10を使用した。
4.以下の工程はすべてアレイを 42°Cにして行った。
5. FD10装置にアレイをセットし、 50 1の PBS- tweenをアレイ表面にのせたのち、 3回 溶液のボンビングを行って、アレイ表面の前洗浄を行った。この場合ボンビングとは、 アレイ上面力 50 /z l溶液をアレイ下面に通過させて、吸引し、再びアレイ上面に同 様に戻す作業のことを言う。
6. 37.5 1の aRNAサンプル水溶液を 99°Cで 5分加熱し、ついで氷中 5分冷却して変 性したのち、 20 X SSPEストック溶液を 7.5 μ 1加えて、 45 μ 1の 3 X SSPE濃度としたのち、 前洗浄の終わったアレイ表面に全量のせ、ついで、 5 1の 1%SDSをのせた。
7.プローブとサンプルのハイブリダィゼーシヨンは 42°C、 150回のポンビングで行った
8.ハイブリダィゼーシヨンの後、溶液をろ紙で取り去り、 3 X SSPE溶液 70 1をのせ、 3 回ポンビングした。これをさらに 2回行った。
9. 1%の BSAを含有した 20 X SSPEを PBSで希釈して 3 X SSPEとしたブロッキング溶 液を 50 μ 1アレイ表面にのせ、 5回ポンビングを行った。
10.ブロッキング溶液をろ紙で取り去り、前記ブロッキング溶液で 100倍に希釈したス トレプトアビジン一ホースラディッシュペルォキシターゼ融合体溶液をアレイ表面にの せ、 20回ポンビングした。
11.前記溶液をろ紙でとりさり、 70 1の 3 X SSPEをのせて 3回ポンビングさせた。これ を 3回繰り返した。
12. 100 μ 1の過酸化水素水で 1 μ 1 Tyramide- Alexa488-を希釈した溶液 50 μ 1をァレ ィ表面に供給した。ついでアレイ下面に溶液を 25 1吸引し、 CCDカメラでオリンノ ス 社製 GFPHQフィルターを用いて 50ミリ秒の露光時間でアレイ表面のスポットの明るさ を目視でモニターした。 10分後一番明る 、シグナルスポットの明るさが飽和したことを 確認したのち、溶液をアレイ上面に押し上げた。
13.溶液をろ紙でとりさり、 3 X SSPE 70 μ 1で 3回ポンビングした。
14.溶液をろ紙でとりさり、 30 1の 3 X SSPEをのせてアレイ下面に全量吸引し、 CCD カメラで GFPHQフィルターを用いて 50、 100、 200、 300ミリ秒の露光時間でアレイ画像 を撮影した。結果を図 1に示す。
(比較例 1)
比較例として、蛍光物質の直接標識されたフラグメント化 aRNAサンプルを以下のよ うに調製した。 Rat (wisterォス)の肝臓より NIPPON GENE社 ISOGENを用いて抽出し た totalRNA2 μ gを铸型として用いた。これと Ambion社製 messageAmp-kitとを用いて、 FITC- 12- UTPの存在下で aRNAを合成した。これを Ambion社製 RNA
fragmentation-kitを用いて 70°C、 15分間の加熱により 1 Xフラグメンテーション緩衝液 中でフラグメント化した。ハイブリダィゼーシヨンにはこの aRNA5 gを用いた。上記の 2.— 8.までの反応工程を行ったのち、 1000— 5000ミリ秒の露光時間で GFPHQフィル ターで撮影した。結果を図 1に示す。
[0119] (結果)
本発明の増感法の場合を FITCによる直接標識の場合と比較すると、本発明の場合 においてはシグナル強度が増強されたため、露光時間が 5000ミリ秒から 100ミリ秒へと 短縮された。このため、従来画像解析時に問題となっていたアレイ表面のゴミのシグ ナルが見えなくなり、画像解析が迅速かつ正確にできるようになった。(図 1参照)また 、多孔質アレイ特有の問題である「むら」による影響も少なくなつた。画像のノ ックグラ ゥンド値は 700— 1000から 300— 400へと半分以下に低下した。解析可能なスポット数 も約 2倍に増加し、低発現の遺伝子も解析可能になった。(図 2参照)
アツセィに用した時間はハイブリダィゼーシヨン力 検出まで約 2時間半であり、従 来のグラスアレイを用いて、酵素による基質の沈着法により検出する場合の 2— 3日に 比べて大幅に検出までに要する時間を短縮できた。
実施例 2
[0120] (実施例 2)
ノ、イブリダィゼーシヨンを行 ヽた 、サンプルが微量し力得られな 、場合に、ハイブリ ダイゼーシヨンシグナルが検出できる力確認するため、以下の実験を行った。
1.フラグメント化された aRNAサンプルを以下のように調製した。ラット (wister、ォス) の肝臓より NIPPON GENE社 ISOGEN (登録商標)を用いて抽出した totalRNAlOngを 铸型として用いた。これと Ambion社製 messageAmp-kitとを用いて、ピオチン化 UTPの 存在下で aRNAを合成した。この全量を Ambion社製 RNA fragmentation- kitを用いて 70°C、 15分間の加熱により I Xフラグメンテーション緩衝液中でフラグメント化した。ハ イブリダィゼーシヨンにはこの aRNAの全量を用いた。
2.上記実施例 1の 2.から 14.の反応工程を行い、データを得た。結果を図 3に示す。 [0121] (比較例 2)
1.比較例として、蛍光物質の直接標識されたフラグメント化 aRNAサンプルを以下の ように調製した。ラッ Hwisterォス)の肝臓より NIPPON GENE社 ISOGENを用いて抽 出した totalRNAlOngを铸型として用いた。これと Ambion社製 messageAmp-kitとを用 いて、 FITC-12-UTPの存在下で aRNAを合成した。この全量を Ambion社製 RNA fragmentation-kitを用いて 70°C、 15分間の加熱により 1 Xフラグメンテーション緩衝液 中でフラグメント化した。ハイブリダィゼーシヨンにはこの aRNAの全量を用いた。上記 実施例 1の 2.— 8.までの反応工程を行ったのち、 1000— 5000ミリ秒の露光時間で GFPHQフィルターで撮影した。結果を図 3に示す。
[0122] (結果)
ごく微量の totalRNAから得たサンプル aRNAでのハイブリダィゼーシヨンの結果、本 発明の方法を用いた場合は、アレイ中の約半分のスポットを検出することが可能であ つた。一方、従来法である蛍光物質の直接標識では、発現量の多い遺伝子のみしか 検出できな力つた。本発明を用いることで、臨床検体より得られる微量サンプルでも 解析が可能である。
また、従来法では全工程に 4一 5日力かっていたもの力 本実施例では 2日ででき、 検出までに要する時間を大幅に短縮できた。
実施例 3
[0123] アレイ表面にチラミド基質の付加するための外来受容基 (芳香族アミノ酸レセプター )の付加反応が必要かどうか確認するため、実施例 1について、工程 9.を省略し、ェ 程 10.の項目について前記ブロッキング溶液を、 20 X SSPEを PBSで希釈して 3 X SSPEとした溶液に置き換えて行った。結果を図 4に示す。
[0124] (結果)
基質に対する外来受容基付加反応 (ブロッキング)を行わず、アレイ表面に基質の 外来受容基を付加しない場合は、画像のノ ックグラウンド値は 300— 400で、解析でき るスポット数は、外来受容基付加反応 (ブロッキング)を行う場合と同一であった。この ため、本実験では三次元多孔質担体に基質の外来受容基 (芳香族アミノ酸)を付カロ する工程が必要がないことがわ力つた。(図 4参照) 実施例 4
1. フラグメント化された aRNAサンプルを以下のようにして調製した。ラッ HWister、 ォス)の肝臓より NIPPON GENE社製の ISOGENを用いて抽出した totalRNA2 μ gを铸型として用いた。これと Ambion社製 messageAmp-kitとを用いて、ピオチン化 U TPの存在下で、 aRNAを合成した。これを Ambion社製 RNAfragmentation-kitを用 いて 70°C、 15分間の加熱により 1 Xフラグメンテーション緩衝液中でフラグメント化し た。ハイブリダィゼーシヨンには、この aRNA5 μ gを用いた。
2. プローブ核酸が固相化されたマイクロアレイとしては、ステンレス製のキヤビラリ 一チューブ(外径が 0. 5mm)にアクリルアミドゲルを充填したものを縦 12本、横 12本 、合計 144本並べて接着し、 5mmの厚さに切断したものを使用した。各キヤビラリ一 チューブには、異なるプローブ DNAをアクリルアミドゲルに混ぜて充填した。このァレ ィ上のプローブ核酸の配列は、配列表の配列番号 1一 127に記載したものである。
3. 以下の工程は全て、アレイを 42°Cに設定して行った。
4. アレイを小タツパに入れ、 PBS-tweenに浸し、 10分間置いた後、 PBS-tween溶液 を廃棄した。
5. 375 μ 1の aRNAサンプル水溶液を、 99°Cで 5分間加熱し、次!、で氷中で 5分間 冷却して変性させた。次に、 20 X SSPEストック溶液を変性後の当該サンプル水溶液 に 75 μ 1加え、 450 μ 1の 3 X SSPE濃度とした後、この全量を、上記 4.の作業が終わつ たアレイ表面にのせ、次に 50 1の 1 %SDS水溶液を加えた。
6. 小タツパのフタを閉め、軽く揺らしながらー晚、ハイブリダィゼーシヨン反応を行 つた。ハイブリダィゼーシヨン後、アレイを別のタツパに移し、 3 X SSPE溶液を 5mlカロえ 、軽く揺らして行う 1時間の洗浄を 3回行った。
7. 1 %の BSAを含有した 20 X SSPEを PBSで希釈して 3 X SSPEとしたブロッキング溶 液 lmlをアレイ表面にのせて、 1時間軽く揺らして、ブロッキング反応を行わせた。
8. BSAブロッキング溶液を廃棄し、前記ブロッキング溶液で 100倍に希釈したストレ ブトアビジン-ホースラディッシュペルォキダーゼ接合体含有溶液をアレイ表面にの せ、そのまま 2時間静置して反応させた。
9. 反応後、当該接合体含有溶液を廃棄し、 3 X SSPE溶液を加えて軽く揺らしなが ら 1時間の洗净を 3回行った。
10. 1mlの 0. 0015%過酸化水素水で 10 1の Tyramide- Alexa488を希釈した溶 液をアレイ表面にのせ、 10分間静置した。
11. Tyramide-Alexa488を含む上記溶液を廃棄し、 3 X SSPE溶液で 5分間、アレイ を洗浄した。
12. アレイを CCDカメラのついた蛍光顕微鏡(ォリンパス社製)にのせ、 GFPHQフィ ルター(ォリンパス社製)を用いて、 50、 100、 200、 300ミリ秒の露光時間でアレイ画 像を撮影した。
[0126] (比較例)
比較対照試料として、蛍光物質が直接標識されたフラグメント化 aRNAサンプルを次 のようにして調製した。
1.ラッ HWister;ォス)の肝臓より、 NIPPON GENE社製 ISOGEN (登録商標)を用い て抽出した totalRNA2 μ gを铸型として用いた。これと Ambion社製 messageAmp-kitと を用いて FITC-12-UTPの存在下で aRNAを合成した。これを Ambion社製
fragmentation- kitを用いて 70°C、 15分間のカロ熱により、 1 Xフラグメンテーション緩衝 液中でフラグメントィ匕した。ハイブリダィゼーシヨンには、この aRNAS /z gを用いた。上 記実施 f列 4の工程 2.一 8.を行 ヽ、 1000一 5000ミリ禾少【こ露光時 で GFPHQフィノレ ターで撮影した。
[0127] (結果)
実施例 4及び比較例の結果を図 5に示す。本願発明の方法 (増感法)と、比較例の 方法 (直接標識)とを比較した場合、シグナル強度が本願発明の方法では増強され たため、露光時間が 5000ミリ秒から 100ミリ秒へと短縮された。画像のバックグラウン ド値は、比較例では 700— 1000であったのに対し、本願発明の方法では、 300— 4 00へと、半分以下に低減した。解析可能なスポット数も、本願発明の方法では約 2倍 に増加し、尚且つ、低発現の遺伝子の解析も可能になった。
実施例 5
[0128] 2種類のサンプルを用いて、分析対象遺伝子の発現量の比較を行った。
A. まず、酵素による多孔質担体へのチラミドの沈着反応時間のタイムコースを確認す るために、以下の工程よりなる実験を行った。
1. フラグメント化された aRNAサンプルを次のように調製した。ラット(Wister、ォス) の肝臓より NIPPON GENE社製 ISOGEN (登録商標)を用いて抽出した totalRNA2 μ gを铸型として用いた。これと Ambion社製 messageAmp-kitとを用いて、ピオチンィ匕 UTPの存在下で、 aRNAを合成した。このうちの 2 μ gを Ambion社製 RNA
fragmentation- kitを用いて 70°C、 15分間のカロ熱により、 1 Xのフラグメンテーション緩 衝液中でフラグメント化した。ハイブリダィゼーシヨンには、この aRNAの全量を用い た。次に、上記実施例 1中の工程 2.— 11.の反応を行った。
12. 100 μ 1の過酸化水素水で 1 μ 1の Tyramide- Alexa488を希釈した溶液を 50 μ 1 を、多孔質アレイ表面に載せた。次にアレイの下面に溶液を 25 1吸引して、 3、 5、 8 、又は 10分間、チラミドを担体に沈着させ、その後それぞれの溶液をアレイ上面に押 し上げ、すぐさま以下の工程 13.を行った。
13. 担体より押し上げられた溶液をろ紙で取り去り、 3 X SSPE溶液 70 μ 1を載せて、 3回ポンビングした。
14. ポンビングに使用した溶液をろ紙で取り去り、 30 μ 1の 3 X SSPEを載せて、ァレ ィ下面に全量を吸引し、 CCDカメラで GFPHQフィルターを用いて、 50、 100、 200、 又は 300ミリ秒の露光時間でアレイ画像を撮影した。
(結果)
アレイの撮影結果を分析したものを図 6に示す。
チラミドを担体に沈着させる時間を変化させると、本発明の方法の場合には、アレイ 中のシグナルスポット輝度は、 8分以降、増加が見られず、チラミド沈着反応は、約 8 分間で飽和することがわ力つた。この図より、スポットシグナル輝度が低い遺伝子も、 高い遺伝子も、シグナル輝度が飽和するまでの間、その存在比率をほぼ保持しなが ら推移していることも更にわかる。しかし、分析対象の一つの遺伝子からのシグナル がー且飽和してしまうと、それ以降は他の遺伝子に対する相対比率が大きく異なって しまうことになる。従って、同一アレイ上で比較を行う全ての遺伝子においては、シグ ナル強度が飽和する前、即ち取得した信号強度の変化率が正であるときの信号強度 を用いて分析対象物質の検出を行うことが好ましい。
試料溶液中の分析対象物質により、飽和するタイミングが異なる場合がある。このよ うな場合には、例えば分析対象物質の全てのシグナルが飽和する前のデータを用い て、試料溶液中の分析対象物質の相対量を算定しておき、次に信号の輝度を稼ぐた めに更にデータ取得を継続し、飽和までの時間が力かる分析対象物質の信号強度 が十分な値になったときに(但し、飽和する前まで)、この値を用いて素早く飽和する 分析対象物質と、より遅く飽和する分析対象物質の相対的な補正を行い、全ての分 析対象物質を検出することも可能である。
[0130] B.
次に、サンプル中の分析対象遺伝子の aRNA量を反映したスポットシグナル輝度を 示すためのサンプル量がどの程度であるかを算定するために、上記実施例 5 A.に おける工程 1.で得られた aRNA量を、 0. 065、 0. 125、 0. 25、 0. 5、 1、 用い て上記実施例 5 A.の工程 2.— 14.の方法で実験を行った。チラミドの沈着時間は 5 分間とした。
[0131] (結果)
結果を図 7に示した。この図からは、 aRNAの量が 1. 0 g以上であってもシグナル 強度は高くならず、サンプルの量とシグナル強度が対応しなくなるので、適切な aRNA の量は、 0. 01-1. 0 gの範囲であることがわかる。ある程度のシグナル強度があつ たほうが、信頼のおけるデータとなるので、好ましくは 0. 05-0. であり、更に 好ましくは 0. 1-0. である。本実施例では、 aRNAをサンプルとして使用したが 、 cDNAを aRNAの場合と同量使用することにより、最適な条件で検出を行うことが可 能である。
[0132] C.
次に、チラミドの沈着反応を生じさせる、ホースラディッシュペルォキシァダーゼ (H RP) -ストレプトアビジンの濃度の最適量を検討するため、前記物質の希釈濃度を 1/ 100 (47. 2pmol/ml)、 1/1000 (4. 72pmol/ml)、 1/4000 (1. 18pmol/ml)、 1/80 00 (0. 59pmol/ml)の 4点とし、チラミド沈着時間を 5分間、サンプル aRNA量を 0. 2 μ gとして、上記実施例 5 A.の条件下で実験を行った。 [0133] (結果)
アレイ表面のバックグラウンド値は、酵素濃度が低くなるにつれて低下する傾向を 示した力 スポットのシグナル輝度は、 1/4000の希釈度の場合にもっとも明るぐ 1/ 100及び 1/8000の希釈度の場合には、分析可能なシグナルスポットの数、及びス ポット輝度が、 1/4000の希釈度の場合の値のそれぞれ半分以下であった。これは、 酵素とチラミドの反応産物が酵素の反応を阻害するために、酵素濃度と基質濃度と の間のバランスには至適な比率があることを示唆している。このため、酵素 HRP-スト レプトアビジンの濃度は、 0. 8— 6pmol/mlが適切であることがわかる。ある程度のシ グナル強度があったほうが信頼のおけるデータとなるので、好ましくはこの濃度は 0. 9から 4pmol/mlであり、更に好ましくは、 1一 2pmol/mlである。
[0134] D. 上記 A— Cの実験結果を受けて、 2種類のサンプルでの分析対象遺伝子の発現 量の差を検出する以下の実験を行った。
フラグメントィ匕された 2種類の aRNAサンプルを次のように調製した。ラット (Wister、 ォス、フエノバルビタール投与群及び非投与群)の肝臓より、 NIPPON GENE社製の ISOGENを用いて抽出した totalRNA2 μ gを铸型として用いた。これと Ambion社製 messageAmp-kitとを用いて、ビォチン化 UTPの存在下で aRNAを合成した。このうち、 それぞれ 0. 2 ;z gを Ambiion社製 RNAfragmentation- kitを用いて 70°C、 15分間のカロ 熱により、 I Xフラグメンテーション緩衝液中でフラグメント化した。ハイブリダィゼーシ ヨンには、この aRNAの全量を用いた。上記実施例 5 C.において酵素量を 1/4000 とし、工程 2.— 14.の反応を行い、データを取得した。
[0135] (比較例)
比較対照として、蛍光物質が直接標識されたフラグメント化 aRNAサンプルを次のよ うに調製いした。ラット (Wister、ォス、フエノバルビタール投与群及び非投与群)の肝 臓より、 NIPPON GENE社製の ISOGENを用いて抽出した totalRNA2 μ gを铸型として 用いた。これと Ambion社製 messageAmp-kitとを用いて、 FITC-12-UTPの存在下で aRNAを合成した。このうち、それぞれ 2 gを Ambiion社製 RNAfragmentation-kitを用 いて 70°C、 15分間の加熱により、 I Xフラグメンテーション緩衝液中でフラグメントィ匕 した。ハイブリダィゼーシヨンには、この aRNAの全量を用いた。工程 2— 8の反応を行 つた後、 1000— 5000ミリ秒の露光時間で、 GFPHQフィルターで撮影した。
[0136] (結果)
発現比については、本願発明の方法 (増感法)と比較例の FITC直接標識法との間 で比較すると、同等であった。し力しながら本願発明の方法で使用されているサンプ ル量は、 0. 2 gと微量であるにも関わらず、解析可能なスポット数力 対照(サンプ ル量が 10倍の 2 μ g使用)の結果と同等であり、しかも発現比が正確に保たれていた (図 8)。
チラミド法は一般的に FISHや CGHなど、微量なものの発現を高感度に検出する 必要がある場合に用いられてはいたが、定量的な実験を行う場合には微量でもシグ ナルが飽和してしまうため、定量実験にはあまり用いられてはいな力つた。本願発明 においては、チラミドを利用した発現比検出法でも、チラミド沈着時間、サンプル濃度 、酵素量の至適範囲で実験を行えば、定量的な実験を行うことが可能であり、またそ れに必要なサンプル量は、従来法の直接標識と比較してた 、へん微量でよ!、ことが わかった。このことより、チラミド法は、解析に必要なサンプル量が微量でよぐし力も 定量性のあるデータが得られるため、マイクロダイセクションのサンプルや、サンプル 量の限られる医療現場での診断等にお 、ても発現解析のデータ取得を行うのに非 常に有益な方法であると ヽえる。
実施例 6
[0137] A.
本願発明のチラミド法を用いてキナーゼリン酸ィ匕反応の検出を行うため、次の実験 を行った力 リコンビナント cdc2キナーゼ酵素活性は、 cdc2キナーゼの基質ぺプチ ドを用いて測定し、測定機器としてはォリンパス社製 FD10を使用した。
1. 3次元多孔質基板としては、上記実施例 1-5で用いた PamChipを用い、 cdc2キ ナーゼ基質(ヒストン HI)の一部であるペプチド配列、 Pro-Lys-Thr-Pro-Lys-Lys -Ala- Lys-Leu (プロメガ社製)の希釈系列 8点(0、 1、 2、 4、 6、 8、 10、及び 15 μ Μ )をスポッターでスポットし、共有結合により基板表面に固定した。
2. PBS- Tween中 1%の BSA溶液 50 1をアレイ表面に加え、 5回、溶液を基板の 内外に駆動した。 3. リコンビナント human cdc2キナーゼ(プロメガ社製)を、溶液(25mMの MOPs、 10mMの MgCl、 2mMの EDTA、 ImMの DTT、 40mMの β -グリセ口ホスフェート
2
、 20mMの ρ- -トロフエ-ルホスフェート、 0. ImMのバナジン酸ナトリウム、 100 μ Μの ΑΤΡ γ - S)で希釈して 30 /z lとし、アレイ表面に加えた。反応温度は、 37°Cとし 、試料溶液は、 1分間に 1回のペースでアレイ基板の上下に駆動させ、 30分間継続 した。
4. 反応液をアレイ上部に押し上げた後、これをろ紙で除去し、 PBS-tween溶液を 7 0 1入れて、 3回駆動させ、未反応の ATP及び酵素をアレイより除去した。
5. 150mMの Tris— HCl (pH9.2)、 5mMの EDTAを 20 μ 1加え、更に 30mMョード ァセチルビオチン(Pierce社製)溶液(50mMのリン酸緩衝液、 pH6.0)を 20 μ 1カロえ た後、 20回、溶液をアレイの内外に上下駆動させて反応を行った。その後、 2% β - ΜΕ20 μ 1を加えて反応を停止した。
6. 反応液をろ紙で除去し、 PBS-tween溶液を 70 μ 1入れて、 3回駆動させ、未反 応のョ一ドアセチルビオチンを洗 、流した。
7. アビジン-ホースラディッシュペルォキシダーゼ(Vetter社製)を PBS-tweenで 40 00倍に希釈した溶液 50 1を上記 4の溶液と置換して、 20回、上下に駆動した。
8. 反応液をアレイ上部に押し上げた後、これをろ紙で除去し、 PBS-tween溶液を 7 0 1入れて、 3回駆動させ、未反応の酵素を洗い流した。
9. 0. 0015%の H 0溶液で 100倍に希釈した Tyramide-Alexa488溶液(Molecular
2 2
Probe社製) 50 μ 1をアレイ表面にのせ、 25 μ 1したに引いたまま 5分間静置した後、 溶液をアレイ表面に押し上げて、これをろ紙で取り去り、 70 1の PBS-tween溶液を入 れて 1回、上下に駆動させた。
10. PBS- tween溶液を、 30 μ 1の PBS- tween溶液に置換した後、 GFPHQフィルター を用いて 50— 800ミリ秒の撮影時間で撮影を行った。
[0138] (結果)
アレイにスポットした基質ペプチドの濃度勾配に比例して、スポットのシグナル輝度 は増加した。
[0139] B. 次に、上記 Aのリン酸ィ匕反応が特異的なものかを評価するために、 cdc2キナーゼ の特異的阻害剤である Olomoucine (プロメガ社製)を用いて cdc2キナーゼの阻害 実験を行った。
上記実施例 5 A.における工程 3の反応溶液に、 Olomoucineを、 0、 25、 50、又 は 100 M入れて、実施例 5 A.と同一の実験を行った。
[0140] (結果)
結果を図 9に示した。 Olomousineの濃度に依存して、ペプチドスポットのシグナル 輝度は減少し、 cdc2キナーゼのリン酸ィ匕反応が阻害されていることがわ力つた。この ことより、この反応は特異的な反応であることがわ力つた。更に、上記 A及び Bの実験 により、多孔質基板表面にキナーゼ基質ペプチドを固定し、チラミド法によりキナーゼ 活性測定を行うことが可能なことがわかった。
実施例 7
[0141] 1. Rat (wisterォス;フエノバルビタール投与群、非投与群)の肝臓より針生検をおこ ない、得られた組織の全量(5mg程度)から、 NIPPON GENE社 ISOGENにて totalRNA を抽出したのち、得られた全量を Ambion社 MessageAmp kitを用いてビォチン化 UTP の存在下で aRNA合成を行った。
2.次に、 1.で合成した aRNAの全量を用いて、ハイブリダィゼーシヨンを行った。ハイブ リダィゼーシヨンに用いたアレイは実施例 1で用いた遺伝子群のプローブ以外に、外 部標準遺伝子 LAMDのプローブ (配列番号 127)の希釈系列が、スポット時のオリゴ 濃度として 100、 10、 1、 0.1、 0.01、 OmM濃度でスポットしてあるものを用いた。また、ハ イブリダィゼーシヨン時のサンプルにはこの配列と相補的な配列をもつオリゴ DNAを、 同濃度(10pM)混ぜた。
3.実施例 1の 1-12.の工程を、実施例 5で得られた最適条件、さらに過酸化水素濃度 0.00015%で行った後、チラミド溶液をアレイ表面にのせたのち半量をアレイ表面に吸 引し、 50msecの露光時間で継続的にアレイ表面の撮影を行った。
4.内部標準遺伝子 GAPDHのスポットシグナル強度をモニターし 2500になった際に、 それぞれのサンプルを乗せたアレイでチラミド溶液をアレイ表面に全量押し上げて、 洗浄液と交換したのち、洗浄を行い、 100、 500、 1000、 2000msecの露光時間で最終 撮影を行った。
5.対照実験として、前記 4.の工程をいずれのサンプルも 5分に固定して実験を行った
6.前記 1-4の内部標準遺伝子 GADPHのスポットシグナル強度によりチラミド反応時間 を調整した実験では (表 1)、最終撮影で撮影された画像の内部標準遺伝子のシグ ナル強度が投与群、非投与群のサンプルともに同一であり、実施例 5の添加サンプ ル量を定量して同量添加した場合の実験とほぼ同一の発現比の結果を得ることがで きた (表 2)。一方、対照群では、同一のチラミド反応時間で、非投与群で、多くのスポ ットがチラミド反応が飽和しており、内部標準遺伝子のシグナル強度を用いて補正し た場合でも、発現比は実施例 5とは大きく異なっていた (表 3)。
[表 1] 実施例 7の結果
対照 phenoba I
aRNA 100ng 400ng
沈着時間 7m i n 2m i n
遗伝子 生データ 生データ 比率 (phenoba I /対照)
a 380 680 1 . 8
b 270 750 2. 8
c 500 250 0. 5
d 1500 2800 1 . 9
e 3000 500 0. 2
f 50 60 1. 2
GAPDH 2500 2500 1. 0 [表 2]
実施例 7の結果
対照 phenoba I
aRNA 200ng 200ng
沈着時間 5m in 5m in
遺伝子 生データ 生データ 比率 (phenoba I /対照)
a 370 650 1.8
b 290 745 2.6
c 510 255 0.5
d 1350 2900 2.1
e 3000 550 0.2
f 60 65 1.1
GAPDH 2500 2500 1.0 表 3] 実施例 7の中の対照実験
対照 phenoba I
aRNA 100ng 400ng
沈着時間 5m in 5m in
遗伝子 生データ 生データ 比率 (phenoba 1/対照)
a 270 1700 2.6
b 190 1875 4.1
c 350 625 0.7
d 1100 4095 1.6
e 2150 1250 0.2
f 40 150 1.6
GAPDH 1700 4095 1.0
7.次に、外部標準遺伝子の希釈系列のシグナルは、投与群で lOuM濃度で飽和して おり、非投与群では lOOuM濃度でも飽和が見られな力 た。予備実験で、外部標準 遺伝子である LAMD遺伝子のオリゴ DNAを一定とし、サンプル濃度の希釈系列を作 成してハイブリダィゼーシヨンさせた結果がある。この結果と比較すると、ハイブリダィ ゼーシヨンに用いたサンプル濃度は投与群では aRNA100ng、非投与群では aRNA400ng程度であったことを見積もることができた。対照実験では、チラミド反応時 間および撮影時の露光時間が同じであったため、 LAMDのシグナル強度は両サンプ ルで同一であった。 8.本実験により本方法により、サンプル量のわ力 ない場合のハイブリダィゼーシヨン であってもチラミド反応時での内部標準遺伝子のスポットシグナル強度が同一のとこ ろで反応を止めてシグナルを取得することで、正確な発現比のデータを取得すること が可能であり、かつ外部標準遺伝子を一定量入れておくことで最初に投入したサン プル量を正確に見積もる事が可能である。
9.また、本方法ではチラミド反応液添加後すぐに、内部標準遺伝子 GAPDHのシグナ ル強度が飽和した場合、投入するサンプル核酸量が定量性のある限界以上(1 μ g 以上)であると見積もれるため、サンプルを希釈して再度実験するように促すことが可 能である。
10.本方法では、投入するサンプル量が 1 μ g以下の場合に特に有効であり、ファイン ニードルバイオプシ-などの微量しかサンプルが得られな 、場合に、増感によって検 出が可能であり、かつ正確な測定を行うことができる。
実施例 8
[0146] (過酸化水素水の濃度の効果)
チラミド反応時に基質となる過酸ィ匕水素の濃度によってシグナル強度が影響される か実験をおこなった。
1. 実施例 4の方法で 1-14までの工程を行ったのち、チラミド -Alexa488を溶解する過 酸化水素水濃度を、 0.000015力 0.0015(%)の範囲で実験を行った。
2. その結果、過酸化水素水 0.00015%を用いた場合に、 0.000015%、または、 0.0015%の場合と比較し、アレイのシグナル強度は約 1.5倍明るぐノ ックグラウンド値 も低かった。
3. シグナル強度とバックグラウンド強度の比較結果より、チラミド反応時の過酸化水 素濃度は、 0.00008— 0.0003%が好ましぐより好ましくは、 0.0001%— 0.0002%であつ た。
実施例 9
[0147] (界面活性剤の添加の効果)
ノヽイブリダィゼーシヨン時および、洗浄時に界面活性剤を入れた場合、シグナル強 度に影響がでるか検討を行った。 1.実施例 4の方法で 1-14までの工程でハイブリダィゼーシヨンバッファーおよび洗浄 液を、 0.001%力 5%の範囲でラウリルサルコシンを含有した 3 X SSPEに置き換えて実 験を行った。
2. 0.5%ラウリルサルコシンを含有した 3 X SSPEを用いた場合、含有してない場合と比 較してシグナル強度は 2倍増加し、ノ ックグラウンド値も約半分に減少した。
3.シグナル強度とバックグラウンド強度の比較結果より、チラミド反応時のラウリルサル コシンの濃度は、 0.1— 1%が好ましぐより好ましくは、 0.3%— 0.7%であった。
実施例 10
[0148] 1.ラット (wister、ォス;フエノバルビタール投与群、及び非投与群)の肝臓より針生検 を行い、得られた組織の全量(約 5mg)から、 NIPPON GENE社 ISOGEN (登録商標) を用いて totalRNAを抽出したのち、 0.5 μ gを、 QIAGEN社 Labeト starを用いてビォチ ン化 dUTPの存在下で cDNAの合成を行った。
2.次に、上記 1.で合成した cDNAのうち、 0. lngを用いてハイブリダィゼーシヨンを 行った。
3.上記実施例 1の工程 1.-12.を、上記実施例 5で得られた最適条件下、更に過酸 化水素濃度を 0. 00015%として行った後、チラミド溶液を、アレイ表面に載せ、その 半量をアレイ表面から内部へ吸引し、 50msecの露光時間で、継続的にアレイ表面 の撮影を行い、 GAPDHが 2500の値になった際に反応を停止させ、データを取得 した。
4ノ、イブリダィゼーシヨンの結果は、実施例 5と同等のものであった (結果示さず)。 c DNAを用いた場合には、 cDNAの断片長が aRNAと比較して長いことから、 aRNAよ りも少ない量でシグナルを検出することが可能であると考えられる。このことから、分析 対象物質が核酸の場合には、適切な量は、 O.Olng— 1 gである。
実施例 11
[0149] (実施例 11)
1.ラット (wister、ォス;フエノバルビタール投与群、及び非投与群)の肝臓より針生 検を行い、得られた組織の全量(約 5mg)から、 NIPPON GENE社 ISOGEN (登録商標 )を用いて totalRNAを抽出したのち、得られた全量を、 Ambion社 Message Amp Kitを 用いて FITC-12-UTPの存在下で aRNAの合成を行った。
2.次に、上記 1で合成した aRNAの全量を持ちして、ハイブリダィゼーシヨンを行った 。マイクロアレイの基板としてはスライドグラスを用い、このアレイ上のプローブとしては 、塩基数 60のものを 127個用いた(配列番号 1一 127)。これらの配列のうちコント口 ール配列は、内部標準遺伝子 GAPDH (配列番号 126)及び外部標準遺伝子 LAM D (配列番号 127)であり、配列表に示した。
3. 375 1の aRNA試料水溶液を、 99°Cで 5分間加熱し、次いで氷中で 5分間冷却し て変性させた。次に 20 X SSPEストック溶液を、前記変性後の試料溶液に 75 1加え
、 450 1の 3 X SSPE濃度とした後、この全量を、上記 2のスライドガラスアレイ表面に 載せた。
4.スライドガラスアレイを軽く揺らしながら、ハイブリダィゼーシヨン反応を行った。 1時 間ごとに CCDカメラでアレイ表面の画像を撮影し、内部標準遺伝子 GAPDHのスポッ トからの信号の強度力 2500になった際に、それぞれのアレイを別個のタツパに移し 、 3 X SSPE溶液を 5ml加えて、軽く揺らしながら 1時間の洗浄を 3回行った。
5.アレイを風乾させた後、蛍光強度を CCDカメラで測定した。
[0150] (比較例)
ノ、イブリダィゼーシヨン反応の進行を、 CCDカメラによる 1時間ごとに撮影してモニタ 一して、内部標準遺伝子に由来する信号の強度が予め一定になった際に反応を停 止する代わりに、内部標準遺伝子に由来する信号の強度の定量を行わずにハイプリ ダイゼーシヨンを一晩かけてアレイの画像撮影を行う以外は、上記実施例 11と同様 の構成で実験を行い、信号の強度測定を行った。
[0151] (結果)
上記実施例 11では、経時的な撮影の最後に撮影された画像においては、内部標 準遺伝子に由来する信号の強度が、フ ノバルビタール投与群及び非投与群の試 料間でともに同一レベルであり、上記実施例 5 (添加する試料の量を定量して、同一 量添加した場合)の実験とほぼ同一の発現比の結果を得ることができた。一方の比 較例では、同一のノ、イブリダィゼーシヨン反応時間においては、非投与群で多くのス ポットが飽和しており、内部標準遺伝子由来の信号強度を用いて補正した場合でも、 発現比は、試料の量を調整して行った実験とは大きく異なっていた。
実施例 12
[0152] 上記実施例 11のスライドガラスアレイを用いる代わりに多孔質のアルミニウム陽極 酸ィ匕膜を有する担体を用い、更に試料溶液をポンプによって担体内外に移動させな 力 Sら信号の強度の測定を行う以外は、上記実施例 11と同様の構成で実験を行った。
[0153] (結果)
上記実施例 11の時と比較して、約 20分の 1程度の時間で、実施例 11と同様の結 果を得ることができた。
産業上の利用可能性
[0154] 本発明の分析対象物質の検出方法は、病気を診断するための検査方法として、検 查業界や医療業界などにおいて利用することができる。
図面の簡単な説明
[0155] [図 1]本発明における解析画像中のゴミの数を示す図である。
[図 2]本発明における解析可能なスポットの数を示した図である。
[図 3]本発明にお 、て、微小量のサンプルを用いたときの解析可能なスポットの数を 示した図である。
[図 4]本発明における、外来受容基の有無による解析可能なスポットの数を示した図 である。
[図 5]本発明による方法と従来の方法との間で、解析可能なスポット数の違いを示す 図である。
[図 6]本発明の方法において、活性化された基質が担体に沈着する時間を変化させ たときに、低発現量遺伝子及び高発現量遺伝子の検出量がどのように変化するかを 示す図である。
[図 7]本発明の方法において、使用する分析対象物質の濃度と、得られるシグナル 強度との関係を示す図である。
[図 8]従来の直接標識法による発現量比と、本発明の増感法による発現量比との間 の相関関係を示す図である。
[図 9]本発明の方法を使用して、 Olomoudneによる cdc2キナーゼの活性阻害を調べ た結果を示す図である。
[図 10]本発明の方法を使用して、分析対象物質の量を一致させずに測定した時の発 現量の比と、分析対象物質の量を一致させて測定した時の発現量の比の相関関係 を示した図である。
[図 11]本発明の方法を使用して、分析対象物質の量を一致させずに測定した時の発 現量の比と、従来法を使用して、分析対象物質の量を一致させずに測定した時の発 現量の比の相関関係を示した図である。

Claims

請求の範囲 [1] 分析対象物質の検出方法において、
(1)標識された分析対象物質に由来する信号の強度の測定を、当該信号の強度が 増加して!/ヽる間に経時的に行う工程;
(2)特定の信号の強度を、予め定めておいた値と比較する工程;
(3)当該特定の信号の強度が、当該予め定めておいた値に達した時に、当該値を有 する当該信号の強度を用いて分析対象物質の定量を行う工程;
を含む分析対象物質の検出方法。
[2] 分析対象物質の検出方法において、標識された分析対象物質に由来する信号の 強度測定を、当該信号の強度の増加中に経時的に行い、当該信号の強度を時間の 関数で表し、当該測定した信号の強度における近似直線の傾きが、それ以前に測定 した信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5倍一 1. 5倍の範囲内にあるときの信 号の強度の定量値を利用する、分析対象物質の検出方法。
[3] 前記の信号の強度測定の前に、下記工程:
(A)標識された分析対象物質を含む試料溶液を、当該分析対象物質に対するプロ ーブが固相化された担体へ供給する工程;及び
(B)当該担体上に固相化されたプローブと、当該標識された分析対象物質とを結合 させる工程;
を含む、請求項 2に記載の分析対象の検出方法。
[4] 前記の信号の強度測定の前に、下記工程:
a)結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含む試料溶液を、当 該分析対象物質に対するプローブが固相化された担体へ供給する工程;
b)前記結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素を含む接合体 Bを 、前記工程 a)において担体上に固相化されたプローブと結合した接合体 Aと反応さ せて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合体 Cを形成させる工程;及び c)前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識物質を含む接合体 D を前記接合体 Cに反応させ、当該接合体 D中の基質を活性ィ匕し、この活性化された 基質を有する活性化接合体 Dを当該基質に対する外来受容基付加の前処理を行わ ずに、前記担体と結合させる工程;
を行う、請求項 2に記載の分析対象物質の検出方法。
[5] a' )結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含む試料溶液を、 当該分析対象物質に対するプローブが固相化された多孔質担体へ供給する工程; b' )前記結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素を含む接合体 B を、前記工程 a)において担体上に固相化されたプローブと結合した接合体 Aと反応 させて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合体 Cを形成させる工程; c' )前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識物質を含む接合体 Dを前記接合体 Cに反応させ、当該接合体 D中の基質を活性ィ匕し、この活性化され た基質を有する活性化接合体 Dを当該基質に対する外来受容基付加の前処理を行 わずに、前記多孔質担体と結合させる工程;
d' )前記多孔質担体上の前記活性化接合体 Dの標識物質を定量する工程; を含む分析対象物質の検出方法。
[6] e' )結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含む試料溶液を、 当該分析対象物質に対するプローブが固相化された多孔質の担体へ供給した後、 当該試料溶液を、この多孔質担体の内外に駆動する工程;
f ' )前記結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素からなる接合体 B を含む溶液を前記多孔質担体へ供給した後、当該溶液を、当該多孔質担体の内外 に駆動し、前記工程 e' )において担体上に固相化されたプローブと結合した前記接 合体 Aと前記接合体 Bを反応させて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合 体 Cを形成させる工程;
g' )前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識物質からなる接合体 Dを含む溶液を前記多孔質担体へ供給した後、当該溶液を前記多孔質担体へ浸透 させて、当該接合体 Dを前記接合体 Cに反応させ、当該接合体 Dの基質を活性化し 、活性化した当該接合体 Dを前記多孔質担体と結合させる工程;
h' )前記多孔質担体の上の前記接合体 Dの標識物質を定量する工程; を含む分析対象物質の検出方法。
[7] 前記工程(1)から(3); (A)から (B); a)から c); a' )から c' );又は e,)から g,)のェ 程を、 20°Cから 70°Cの範囲内で行うことを特徴とする請求項 1乃至 6の何れか一項 に記載の分析対象物質の検出方法。
[8] 前記工程(1)から(3); (A)から (B); a)から c); a' )から c' );又は e,)から g,)のェ 程を、 20°Cから 70°Cの範囲内で、かつ略同一温度で行うことを特徴とする請求項 1 乃至 6の何れか一項に記載の分析対象物質の検出方法。
[9] 前記工程 (B)の後、且つ信号の強度測定の前;前記工程 c)の後、且つ信号の強 度測定の前;又は前記工程 c ' )の後、且つ前記工程 d' )前;又は前記工程 g ' )の後、 且つ前記工程 )の前において、前記担体の洗浄工程を含むことを特徴とする請求 項 3乃至 6の何れか一項に記載の分析対象物質の検出方法。
[10] 前記工程 d' )を前記工程 c' )の後に、任意の時間間隔で複数回行うことを特徴とす る請求項 5記載の分析対象物質の検出方法。
[11] 前記工程 h' )を前記工程 g' )の後に、任意の時間間隔で複数回行うことを特徴とす る請求項 6記載の分析対象物質の検出方法。
[12] 前記工程 d' )又は h' )において、測定した信号の強度を時間の関数で表し、当該 測定した信号の強度における近似直線の傾きが、それ以前に測定した信号の強度 における近似直線の傾きの 0. 5倍一 1. 5倍の範囲内にあるときの信号の強度を用い て定量を行う、請求項 10又は 11に記載の分析対象物質の検出方法。
[13] 下記工程 a')— )、又は下記工程 e')— g' ):
a' )結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含む試料溶液を、 当該分析対象物質に対するプローブが固相化された多孔質担体へ供給する工程; b' )前記結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素を含む接合体 B を、前記工程 a' )において担体上に固相化されたプローブと結合した接合体 Aと反 応させて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合体 Cを形成させる工程; c' )前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識物質を含む接合体
Dを前記接合体 Cに反応させ、当該接合体 D中の基質を活性ィ匕し、この活性化され た基質を有する活性化接合体 Dを当該基質に対する外来受容基付加の前処理を行 わずに、前記多孔質担体と結合させる工程;
e' )結合対の一方の物質及び分析対象物質を含む接合体 Aを含む試料溶液を、 当該分析対象物質に対するプローブが固相化された多孔質の担体へ供給した後、 当該試料溶液を、この多孔質担体の内外に駆動する工程;
f ' )前記結合対の一方の物質と特異的に結合する物質及び酵素からなる接合体 B を含む溶液を前記多孔質担体へ供給した後、当該溶液を、当該多孔質担体の内外 に駆動し、前記工程 e' )において担体上に固相化されたプローブと結合した前記接 合体 Aと前記接合体 Bを反応させて、当該接合体 A及び当該接合体 Bからなる接合 体 Cを形成させる工程;
g' )前記接合体 B中の酵素に対する基質及び検出可能な標識物質からなる接合体 Dを含む溶液を前記多孔質担体へ供給した後、当該溶液を前記多孔質担体へ浸透 させて、当該接合体 Dを前記接合体 Cに反応させ、当該接合体 Dの基質を活性化し 、活性化した当該接合体 Dを前記多孔質担体と結合させる工程;
を含み;
更に、上記工程 c' )又は g' )の後に、下記の工程:
x-1)前記多孔質担体上の特定スポット中の活性ィ匕接合体 Dからの信号の強度の みを測定し、当該特定スポットからの信号の強度力 予め定めておいた信号の強度 に到達したかを経時的に確認する工程;
x-2)前記工程 x-1)において、当該予め定めておいた信号の強度に到達したこと が確認された直後に、前記多孔質担体上のその他のスポット中の反応を停止して、 当該その他のスポットからの信号の強度の測定を開始し、当該信号の強度を時間の 関数で表し、当該測定した信号の強度における近似直線の傾きが、それ以前に測定 した信号の強度における近似直線の傾きの 0. 5倍一 1. 5倍の範囲内にあるときの信 号の強度を用 、て定量する工程;
を含む、分析対象物質の検出方法。
[14] 前記工程 X— 1)における前記特定スポットは、標準物質に対するプローブが固相化 されたスポットである、請求項 13に記載の分析対象物質の検出方法。
[15] 前記特定スポットが複数個からなり、一定比率の希釈系列で固相化量を調整した プローブがそれぞれのスポットに固相化されている、請求項 14に記載の分析対象物 質の検出方法。
[16] 前記洗浄工程で用いる洗浄液の量力 前記工程 (B)、 c;)、 c ' )、又は g ' )で用いる 溶液の量より多い、請求項 9記載の分析対象物質の検出方法。
[17] 前記分析対象物質が、核酸、糖、タンパク質、ペプチド、又はこれらの物質が修飾 を受けた物質である、請求項 1、 2、 5、 6、又は 13の何れ力 1項に記載の分析対象物 質の検出方法。
[18] 前記分析対象物質が核酸の場合に、当該分析対象物質の量が 0. Olng— 1. Ο μ gの範囲にある、請求項 17に記載の分析対象物質の検出方法。
[19] 前記酵素が、酸化還元酵素、加水分解酵素、リアーゼ、転移酵素、異性化酵素、リ ガーゼ力 なる群より選択される少なくとも 1種の酵素である、請求項 4、 5、 6、又は 1
3の何れか 1項に記載の分析対象物質の検出方法。
[20] 前記酵素の量が 0. 8pmol/mlから 6pmol/mlの範囲にある、請求項 19に記載の分 析対象物質の検出方法。
[21] 前記結合対が、ピオチン アビジン、ピオチン ストレプトアビジン、抗原 抗体、リガ ンドーレセプター力もなる群より選択される請求項 4、 5、 6、又は 13の何れか 1項に記 載の分析対象物質の検出方法。
[22] 前記基質が置換フエノール又はホスホリルイ匕置換フエノールである、請求項 4、 5、 6
、又は 13の何れか 1項に記載の分析対象物質の検出方法。
[23] 前記酵素がペルォキシダーゼであり、濃度が 0. 00008—0. 0003%の過酸化水 素存在下で前記工程 c)、 c ' )、又は g ' )を行う、請求項 4、 5、 6、又は 13の何れか 1 項に記載の分析対象物質の検出方法。
[24] 前記試料溶液が界面活性剤を含む、請求項 1、 2、 5、 6、又は 13の何れか 1項に記 載の分析対象物質の検出方法。
[25] 前記洗浄工程において使用する洗浄溶液が界面活性剤を含む、請求項 9に記載 の分析対象物質の検出方法。
[26] 前記多孔質担体の材質が金属酸ィ匕膜である請求項 5、 6、又は 13の何れか 1項に 記載の分析対象物質の検出方法。
[27] 前記多孔質担体が、少なくともその一部に芳香族アミノ酸を含む化合物で、前処理 されている、請求項 5、 6、又は 13の何れか 1項に記載の分析対象物質の検出方法。
[28] 前記分析対象物質が 1又は 2以上の種類からなり、各分析対象物質に対する 1又 は 2以上の種類のプローブ力 単一の反応容器内にある多孔質担体上のそれぞれ 別個のスポットにおいて固相化されている、請求項 1、 2、 5、 6、又は 13の何れ力 1項 に記載の分析対象物質の検出方法。
[29] 前記分析対象が 2以上であり、
前記標識物質力 の信号の強度が所定の値の時の信号の強度を用いて、当該 2 以上の分析対象物質の定量値の比較を行う工程を更に含む、請求項 10又は 11に 記載の分析対象物質の検出方法。
[30] 前記スポットにおけるプローブ固相化可能領域が 2次元である場合には当該スポッ トの直径又は対角線の長さが、又は前記スポットにおけるプローブ固相化可能領域 力 S3次元である場合には、担体のベース部と平行な、当該スポットの断面の直径又は 対角線の長さが、 50乃至 500 μ mの範囲にあり;
単一の担体上の前記スポットの数力 20個以上である、
請求項 1、 2、 5、 6、又は 13の何れか 1項に記載の分析対象物質の検出方法。
[31] BSA、ゼラチン、スキムミルク力 なる群より選択される少なくとも 1種と、 1価又は 2 価の陽イオンを含む緩衝液とを含むブロッキング剤;
酸化還元酵素、加水分解酵素、リアーゼ、転移酵素、異性化酵素、リガーゼからな る群より選択される少なくとも 1種の酵素と、 1価又は 2価の陽イオンを含む緩衝液とを 含む酵素製剤;
前記酵素製剤中の酵素に対する基質と、検出可能な標識物質とを含む接合体 Dを 含む基質含有剤;並びに
非イオン系界面活性剤と、 1価又は 2価の陽イオンを含む緩衝液とを含む洗浄剤; がそれぞれ別個の容器に含まれた、分析対象物質検出用試薬キット。
[32] 0. 1%— 10%の、 BSA、ゼラチン、及びスキムミルク力もなる群より選択される少な くとも 1種と、 0. 1Mから 1Mの NaClと、 3mMから 60mMのリン酸ナトリウムとを含む ブロッキング剤;
0. 8pmol/ml— 6pmol/mlのペルォキシダーゼと、 1価又は 2価の陽イオンを含む 緩衝液とを含む酵素製剤; 前記酵素製剤中の酵素に対する基質と、検出可能な標識物質とを含む接合体 Dを 含む基質含有剤;
0. 00008%— 0. 0003%の過酸ィ匕水素を含む基質溶解用溶液;並びに
0. 1%— 1%の非イオン系界面活性剤と、 0. 1M— 1Mの NaClと、 3mM— 60m Mのリン酸ナトリウムとを含む洗浄液;
がそれぞれ別個の容器に含まれた、分析対象物質検出用試薬キット。
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