JP2003028874A - 2段階酵素反応を用いた測定対象物質の測定法 - Google Patents
2段階酵素反応を用いた測定対象物質の測定法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 分離操作が不要であり、工程が単純であっ
て、かつ、特殊な機器を必要とせずに短時間で測定対象
物質の測定が可能な方法を提供する。 【解決手段】(a)測定対象物質に特異的に結合する第
1の物質に結合した第1の酵素、(b)第1の酵素の基
質、(c)第1の酵素により第1の基質から生成する第
1の生成物と第2の基質から、第2の生成物を生成する
反応を触媒する酵素であって、測定対象物質に特異的に
結合する第2の物質に結合した第2の酵素、(d)第2
の基質、(e)第1の酵素により第1の基質から生成す
る第1の生成物を、第2の酵素と奪い合う第3の酵素、
及び、(e)測定対象物質を含む可能性のある検体を、
溶液中に均一状態で存在させ、そして、第2の酵素によ
り触媒される反応を検出することにより、検体中の測定
対象物質の濃度を測定する。
て、かつ、特殊な機器を必要とせずに短時間で測定対象
物質の測定が可能な方法を提供する。 【解決手段】(a)測定対象物質に特異的に結合する第
1の物質に結合した第1の酵素、(b)第1の酵素の基
質、(c)第1の酵素により第1の基質から生成する第
1の生成物と第2の基質から、第2の生成物を生成する
反応を触媒する酵素であって、測定対象物質に特異的に
結合する第2の物質に結合した第2の酵素、(d)第2
の基質、(e)第1の酵素により第1の基質から生成す
る第1の生成物を、第2の酵素と奪い合う第3の酵素、
及び、(e)測定対象物質を含む可能性のある検体を、
溶液中に均一状態で存在させ、そして、第2の酵素によ
り触媒される反応を検出することにより、検体中の測定
対象物質の濃度を測定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酵素などの触媒を
介した逐次反応を利用して、分離操作を行うことなしに
測定対象物の測定を行う技術に属する。詳しくは、測定
対象物に特異的に結合する物質と、酵素などの触媒とを
結合させた複合体を利用した逐次反応を用いて測定対象
物の濃度を分離操作なしに測定する方法に関する。
介した逐次反応を利用して、分離操作を行うことなしに
測定対象物の測定を行う技術に属する。詳しくは、測定
対象物に特異的に結合する物質と、酵素などの触媒とを
結合させた複合体を利用した逐次反応を用いて測定対象
物の濃度を分離操作なしに測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抗原−抗体反応を利用した免疫測
定のように、検体中の測定対象物を測定するための技術
が知られている。
定のように、検体中の測定対象物を測定するための技術
が知られている。
【0003】このような技術としては、例えば、酵素免
疫測定(エンザイムイムノアッセイ、EIA)が知られてい
る。 しかし、この方法は、固相と液相の分離が必要な
ため、試薬の添加と反応容器の洗浄を順次行う必要があ
り、手動で行う場合には操作が煩雑であることはもとよ
り、機械による全自動化に際しては、反応工程が多いこ
とによる分析時間の増大や洗浄の際の液残りなど、数多
くの問題点を含んでいる。
疫測定(エンザイムイムノアッセイ、EIA)が知られてい
る。 しかし、この方法は、固相と液相の分離が必要な
ため、試薬の添加と反応容器の洗浄を順次行う必要があ
り、手動で行う場合には操作が煩雑であることはもとよ
り、機械による全自動化に際しては、反応工程が多いこ
とによる分析時間の増大や洗浄の際の液残りなど、数多
くの問題点を含んでいる。
【0004】これに対し、洗浄や分離操作を必要としな
い免疫測定法が知られている。例えば、ハンセンら(特
開昭60-233555号公報)は、蛍光エネルギー転移を利用し
た方法を提案している。蛍光エネルギー転移とは、特定
の関係にある2つの蛍光物質間で生じる現象であり、一
方の蛍光物質が励起されて放出される蛍光が他方の蛍光
物質を励起してより長波長の蛍光を生じさせる。この現
象は、2つの蛍光物質の距離が10nm以内であるときに
起こる現象であるとされている[Hermanら、inFluoresce
nce Microscopy of Living Cells in Culture- Part B,
Academic Press, New York, pp 220-245 (1989)]。こ
の現象を用い、測定対象物に特異的に結合する第1の結
合パートナーを、蛍光エネルギー転移を誘起しうる一対
の蛍光物質のうちのいずれかで標識し、該結合パートナ
ーに対して親和性を有する第2の結合パートナーをもう
ひとつの蛍光物質で標識して、第1の結合パートナーと
第2の結合パートナーとの抗原抗体反応を、測定対象物
で競合させ、蛍光エネルギー転移量の変化を指標にして
測定対象物を測定した。
い免疫測定法が知られている。例えば、ハンセンら(特
開昭60-233555号公報)は、蛍光エネルギー転移を利用し
た方法を提案している。蛍光エネルギー転移とは、特定
の関係にある2つの蛍光物質間で生じる現象であり、一
方の蛍光物質が励起されて放出される蛍光が他方の蛍光
物質を励起してより長波長の蛍光を生じさせる。この現
象は、2つの蛍光物質の距離が10nm以内であるときに
起こる現象であるとされている[Hermanら、inFluoresce
nce Microscopy of Living Cells in Culture- Part B,
Academic Press, New York, pp 220-245 (1989)]。こ
の現象を用い、測定対象物に特異的に結合する第1の結
合パートナーを、蛍光エネルギー転移を誘起しうる一対
の蛍光物質のうちのいずれかで標識し、該結合パートナ
ーに対して親和性を有する第2の結合パートナーをもう
ひとつの蛍光物質で標識して、第1の結合パートナーと
第2の結合パートナーとの抗原抗体反応を、測定対象物
で競合させ、蛍光エネルギー転移量の変化を指標にして
測定対象物を測定した。
【0005】また、特開平6−94710では、補体を
用いた方法が報告されている。補体とは、抗原と抗体の
複合体が形成された複合体に結合したときに活性を有す
るものである。この物質を用い、まず抗体溶液に測定対
象物としての抗原を含む検体を加える。次に補体を加
え、先の段階で形成された抗原と抗体との複合体の量、
すなわち測定対象物の量を、結合した補体の酵素活性で
測定した。
用いた方法が報告されている。補体とは、抗原と抗体の
複合体が形成された複合体に結合したときに活性を有す
るものである。この物質を用い、まず抗体溶液に測定対
象物としての抗原を含む検体を加える。次に補体を加
え、先の段階で形成された抗原と抗体との複合体の量、
すなわち測定対象物の量を、結合した補体の酵素活性で
測定した。
【0006】さらに、酵素標識抗体を用いた方法とし
て、Enzyme Multiplied ImmunoassayTechnique(EMIT)と
呼ばれる技術が報告されている。これは、抗原を酵素で
標識しておき、この標識体に抗体が結合すると、立体障
害により酵素の活性が低下することから、分析対象とし
て抗原を含む検体溶液を加えた場合、酵素標識抗原と検
体溶液中の抗原とが競合的に抗体と反応し、残存酵素活
性から検体中の抗原濃度を測定する方法である。
て、Enzyme Multiplied ImmunoassayTechnique(EMIT)と
呼ばれる技術が報告されている。これは、抗原を酵素で
標識しておき、この標識体に抗体が結合すると、立体障
害により酵素の活性が低下することから、分析対象とし
て抗原を含む検体溶液を加えた場合、酵素標識抗原と検
体溶液中の抗原とが競合的に抗体と反応し、残存酵素活
性から検体中の抗原濃度を測定する方法である。
【0007】また、EMITとは別の、分離工程を必要とし
ない酵素標識抗体を用いた方法として、酵素チャネリン
グイムノアッセイ法がLitmanら(D. J. Litmanら(1980)
Analytical Biochemistry 106, 223-229)によって報
告されている。これは、2種類の酵素を用い、抗原を介
して2種類の酵素がゲル中で近接したときに発色を呈す
るような反応系を構築し、分析を行うというものであ
る。具体的には、第1の酵素の生成物(第1の生成物)
が第2の酵素の基質となり、第2の酵素の生成物が色素
を生じて分析を行うというものであって、第1の酵素と
第2の酵素が近接しているときにのみ色素が生じるよう
な反応系を成立させる。そのために、第1の生成物が非
特異的に第2の酵素と反応するのを抑制するように、反
応場をゲル中と溶液中に実質的に分離し、ゲル中に第2
の酵素を固定化し、溶液側には第1の生成物の転換酵素
を存在させている。
ない酵素標識抗体を用いた方法として、酵素チャネリン
グイムノアッセイ法がLitmanら(D. J. Litmanら(1980)
Analytical Biochemistry 106, 223-229)によって報
告されている。これは、2種類の酵素を用い、抗原を介
して2種類の酵素がゲル中で近接したときに発色を呈す
るような反応系を構築し、分析を行うというものであ
る。具体的には、第1の酵素の生成物(第1の生成物)
が第2の酵素の基質となり、第2の酵素の生成物が色素
を生じて分析を行うというものであって、第1の酵素と
第2の酵素が近接しているときにのみ色素が生じるよう
な反応系を成立させる。そのために、第1の生成物が非
特異的に第2の酵素と反応するのを抑制するように、反
応場をゲル中と溶液中に実質的に分離し、ゲル中に第2
の酵素を固定化し、溶液側には第1の生成物の転換酵素
を存在させている。
【0008】またLitmanらは、酵素チャネリングイムノ
アッセイ法において、2種類の酵素がゲル中で近接しな
い場合に生じる発色反応を抑えるために、スカベンジャ
ー酵素と呼ばれる反応中間物を分解する酵素の使用を報
告している。
アッセイ法において、2種類の酵素がゲル中で近接しな
い場合に生じる発色反応を抑えるために、スカベンジャ
ー酵素と呼ばれる反応中間物を分解する酵素の使用を報
告している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、洗浄や
分離操作を必要としない免疫測定法がいくつか提案され
ている。しかし、ハンセンらの方法は、蛍光を用いるた
めに、蛍光消光物質を含む系では用いることができない
こと、信号増幅に限界があること、また分析装置として
特殊で高価な機器を必要とするために、汎用的な方法と
して用いるには制限があることなどの問題が残されてい
る。
分離操作を必要としない免疫測定法がいくつか提案され
ている。しかし、ハンセンらの方法は、蛍光を用いるた
めに、蛍光消光物質を含む系では用いることができない
こと、信号増幅に限界があること、また分析装置として
特殊で高価な機器を必要とするために、汎用的な方法と
して用いるには制限があることなどの問題が残されてい
る。
【0010】また、補体を用いる方法では、補体と結合
し補体を活性化できる抗体構造である限りにおいては有
用な方法であるが、抗体の派生物あるいはリガンド・レ
セプター反応などの系に幅広く用いることは不可能であ
り、その有用性は限定されていると言わざるを得ない。
し補体を活性化できる抗体構造である限りにおいては有
用な方法であるが、抗体の派生物あるいはリガンド・レ
セプター反応などの系に幅広く用いることは不可能であ
り、その有用性は限定されていると言わざるを得ない。
【0011】また、EMITは、競合的アッセイに限定され
るということ、および抗体等の物質が抗原と結合した酵
素の活性を押さえるような立体配置で結合するような系
を構築しない限り効果が得られないことなど、検出され
る物質の種類や反応系が狭く限定されるという問題を有
する。
るということ、および抗体等の物質が抗原と結合した酵
素の活性を押さえるような立体配置で結合するような系
を構築しない限り効果が得られないことなど、検出され
る物質の種類や反応系が狭く限定されるという問題を有
する。
【0012】さらに、酵素チャネリングイムノアッセイ
法では、ゲル中に第2の酵素を固定化させるため、第1
の酵素と複合体を形成した抗体が、ゲル中に固定化され
た抗原と反応するのに長時間を有するという欠点を有し
ている。この分析時間の問題は、非競合的な系におい
て、すなわち抗原と第1の酵素と複合体を形成した抗体
とが同時あるいは順次にゲル中の第2の抗体と反応する
必要がある系において、より顕著になると考えられる。
また、系内にゲルと溶液を含むことから、分析系におい
て散乱等のノイズが入る可能性が高いこと、自動化に際
してはサンプリングが均一でなくなること、通常のノズ
ルでは吸引圧の制御が困難であることなど、実質的に多
くの問題点を有している。
法では、ゲル中に第2の酵素を固定化させるため、第1
の酵素と複合体を形成した抗体が、ゲル中に固定化され
た抗原と反応するのに長時間を有するという欠点を有し
ている。この分析時間の問題は、非競合的な系におい
て、すなわち抗原と第1の酵素と複合体を形成した抗体
とが同時あるいは順次にゲル中の第2の抗体と反応する
必要がある系において、より顕著になると考えられる。
また、系内にゲルと溶液を含むことから、分析系におい
て散乱等のノイズが入る可能性が高いこと、自動化に際
してはサンプリングが均一でなくなること、通常のノズ
ルでは吸引圧の制御が困難であることなど、実質的に多
くの問題点を有している。
【0013】本発明は、上記のような従来技術が持つ問
題点を解決し、分離操作が不要であり、工程が単純であ
って、かつ、特殊な機器を必要とせずに短時間で測定対
象物質の測定が可能な方法を提供することを課題とす
る。
題点を解決し、分離操作が不要であり、工程が単純であ
って、かつ、特殊な機器を必要とせずに短時間で測定対
象物質の測定が可能な方法を提供することを課題とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、驚くべきことに、酵素チ
ャネリングを溶液系で行い、第1の生成物の拡散を抑制
することなく、かつ、第1の生成物を第2の酵素と競合
的に奪い合うスカベンジャー酵素を適切量加えること
で、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成
するに至った。すなわち本発明は、以下のとおりであ
る。
解決すべく鋭意検討した結果、驚くべきことに、酵素チ
ャネリングを溶液系で行い、第1の生成物の拡散を抑制
することなく、かつ、第1の生成物を第2の酵素と競合
的に奪い合うスカベンジャー酵素を適切量加えること
で、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成
するに至った。すなわち本発明は、以下のとおりであ
る。
【0015】(1)(a)測定対象物質に特異的に結合
する第1の物質に結合した第1の酵素、(b)第1の酵
素の基質、(c)第1の酵素により第1の基質から生成
する第1の生成物と第2の基質から、第2の生成物を生
成する反応を触媒する酵素であって、測定対象物質に特
異的に結合する第2の物質に結合した第2の酵素、
(d)第2の基質、(e)第1の酵素により第1の基質
から生成する第1の生成物を、第2の酵素と奪い合う第
3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含む可能性のあ
る検体を、溶液中に均一状態で存在させ、そして、第2
の酵素により触媒される反応を検出する、検体中の測定
対象物質の濃度を測定する方法。
する第1の物質に結合した第1の酵素、(b)第1の酵
素の基質、(c)第1の酵素により第1の基質から生成
する第1の生成物と第2の基質から、第2の生成物を生
成する反応を触媒する酵素であって、測定対象物質に特
異的に結合する第2の物質に結合した第2の酵素、
(d)第2の基質、(e)第1の酵素により第1の基質
から生成する第1の生成物を、第2の酵素と奪い合う第
3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含む可能性のあ
る検体を、溶液中に均一状態で存在させ、そして、第2
の酵素により触媒される反応を検出する、検体中の測定
対象物質の濃度を測定する方法。
【0016】(2)(a)測定対象物質に特異的に結合
する第1の物質に結合した第1の酵素、(b)第1の酵
素の基質、(c)第1の酵素により第1の基質から生成
する第1の生成物と第2の基質から、第2の生成物を生
成する反応を触媒する酵素であって、測定対象物質に特
異的に結合する第2の物質に結合した第2の酵素、
(d)第2の基質、(e)第1の基質を第1の酵素と奪
い合う第3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含む可
能性のある検体を、溶液中に均一状態で存在させ、そし
て、第2の酵素により触媒される反応を検出する、検体
中の測定対象物質の濃度を測定する方法。
する第1の物質に結合した第1の酵素、(b)第1の酵
素の基質、(c)第1の酵素により第1の基質から生成
する第1の生成物と第2の基質から、第2の生成物を生
成する反応を触媒する酵素であって、測定対象物質に特
異的に結合する第2の物質に結合した第2の酵素、
(d)第2の基質、(e)第1の基質を第1の酵素と奪
い合う第3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含む可
能性のある検体を、溶液中に均一状態で存在させ、そし
て、第2の酵素により触媒される反応を検出する、検体
中の測定対象物質の濃度を測定する方法。
【0017】(3)(a)第1の物質に結合した第1の
酵素、(b)第1の酵素の基質、(c)第1の酵素によ
り第1の基質から生成する第1の生成物と第2の基質か
ら、第2の生成物を生成する反応を触媒する第2の酵
素、(d)第2の基質、(d)第1の酵素により第1の
基質から生成する第1の生成物を、第2の酵素と奪い合
う第3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含む可能性
のある検体を、溶液中に均一状態で存在させ、そして、
第2の酵素により触媒される反応を検出する、検体中の
測定対象物質の濃度を測定する方法であって、第1の酵
素又は第2の酵素は、互いに特異的に結合し得る第1の
物質及び第2の物質が各々結合しており、第1の物質及
び第2の物質の結合は、測定対象物質によって阻害され
るものである、検体中の測定対象物質の濃度を測定する
方法。
酵素、(b)第1の酵素の基質、(c)第1の酵素によ
り第1の基質から生成する第1の生成物と第2の基質か
ら、第2の生成物を生成する反応を触媒する第2の酵
素、(d)第2の基質、(d)第1の酵素により第1の
基質から生成する第1の生成物を、第2の酵素と奪い合
う第3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含む可能性
のある検体を、溶液中に均一状態で存在させ、そして、
第2の酵素により触媒される反応を検出する、検体中の
測定対象物質の濃度を測定する方法であって、第1の酵
素又は第2の酵素は、互いに特異的に結合し得る第1の
物質及び第2の物質が各々結合しており、第1の物質及
び第2の物質の結合は、測定対象物質によって阻害され
るものである、検体中の測定対象物質の濃度を測定する
方法。
【0018】(4)(a)第1の物質に結合した第1の
酵素、(b)第1の酵素の基質、(c)第1の酵素によ
り第1の基質から生成する第1の生成物と第2の基質か
ら、第2の生成物を生成する反応を触媒する第2の酵
素、(d)第2の基質、(d)第1の基質を第2の酵素
と奪い合う第3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含
む可能性のある検体を、溶液中に均一状態で存在させ、
そして、第2の酵素により触媒される反応を検出する、
検体中の測定対象物質の濃度を測定する方法であって、
第1の酵素又は第2の酵素は、互いに特異的に結合し得
る第1の物質及び第2の物質が各々結合しており、第1
の物質及び第2の物質の結合は、測定対象物質によって
阻害されるものである、検体中の測定対象物質の濃度を
測定する方法。
酵素、(b)第1の酵素の基質、(c)第1の酵素によ
り第1の基質から生成する第1の生成物と第2の基質か
ら、第2の生成物を生成する反応を触媒する第2の酵
素、(d)第2の基質、(d)第1の基質を第2の酵素
と奪い合う第3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含
む可能性のある検体を、溶液中に均一状態で存在させ、
そして、第2の酵素により触媒される反応を検出する、
検体中の測定対象物質の濃度を測定する方法であって、
第1の酵素又は第2の酵素は、互いに特異的に結合し得
る第1の物質及び第2の物質が各々結合しており、第1
の物質及び第2の物質の結合は、測定対象物質によって
阻害されるものである、検体中の測定対象物質の濃度を
測定する方法。
【0019】(5)第1の物質及び第2の物質の一方
は、測定対象物質とも特異的に結合し得るものであるこ
とを特徴とする、 (3)又は(4)に記載の方法。
は、測定対象物質とも特異的に結合し得るものであるこ
とを特徴とする、 (3)又は(4)に記載の方法。
【0020】(6)第1の物質及び第2の物質が抗体又
は抗原であり、測定対象物質がそれらに特異的に結合す
る抗原又は抗体である、(1)又は(2)に記載の方法。
は抗原であり、測定対象物質がそれらに特異的に結合す
る抗原又は抗体である、(1)又は(2)に記載の方法。
【0021】(7)第1の物質が抗体又は抗原であり、
第2の物質がそれに特異的に結合する抗原又は抗体であ
る、(3)〜(5)のいずれかに記載の方法。
第2の物質がそれに特異的に結合する抗原又は抗体であ
る、(3)〜(5)のいずれかに記載の方法。
【0022】(8)さらに、測定対象物質に特異的に結
合する第3の物質を溶液中に存在させ、第1の物質又は
第2の物質の一方は、第3の物質を介して測定対象物質
に結合する、(1)又は(2)に記載の方法。
合する第3の物質を溶液中に存在させ、第1の物質又は
第2の物質の一方は、第3の物質を介して測定対象物質
に結合する、(1)又は(2)に記載の方法。
【0023】(9)第1の酵素、第2の酵素及び第3の
酵素が、それぞれグルコースオキシダーゼ、ペルオキシ
ダーゼ、及びカタラーゼであり、第1の基質がグルコー
ス、第2の基質がオルトフェニレンジアミン又はルミノ
ールである(1)又は(3)に記載の方法。
酵素が、それぞれグルコースオキシダーゼ、ペルオキシ
ダーゼ、及びカタラーゼであり、第1の基質がグルコー
ス、第2の基質がオルトフェニレンジアミン又はルミノ
ールである(1)又は(3)に記載の方法。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、(a)第1の物
質に結合した第1の酵素、(b)第1の酵素の基質、
(c)第1の酵素により第1の基質から生成する第1の
生成物と第2の基質から、第2の生成物を生成する反応
を触媒する酵素であって、第2の物質に結合した第2の
酵素、(d)第2の基質、(e)第1の酵素により第1
の基質から生成する第1の生成物を、第2の酵素と奪い
合う第3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含む可能
性のある検体を、溶液中に均一状態で存在させ、そし
て、第2の酵素により触媒される反応を検出する。
質に結合した第1の酵素、(b)第1の酵素の基質、
(c)第1の酵素により第1の基質から生成する第1の
生成物と第2の基質から、第2の生成物を生成する反応
を触媒する酵素であって、第2の物質に結合した第2の
酵素、(d)第2の基質、(e)第1の酵素により第1
の基質から生成する第1の生成物を、第2の酵素と奪い
合う第3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含む可能
性のある検体を、溶液中に均一状態で存在させ、そし
て、第2の酵素により触媒される反応を検出する。
【0025】上記本発明の方法は、大きく分けて、以下
の2つの態様に分類される。すなわち、第一の態様は、
非競合法又はサンドイッチ法と呼ばれるものであり、第
1の物質及び第2の物質は、測定対象物質に特異的に結
合するものが用いられる。
の2つの態様に分類される。すなわち、第一の態様は、
非競合法又はサンドイッチ法と呼ばれるものであり、第
1の物質及び第2の物質は、測定対象物質に特異的に結
合するものが用いられる。
【0026】また、第二の態様は、競合法又は阻害法と
呼ばれるものであり、第1の物質及び第2の物質は互い
に特異的に結合することができるものであり、その結合
は、測定対象物質によって阻害されるものである。
呼ばれるものであり、第1の物質及び第2の物質は互い
に特異的に結合することができるものであり、その結合
は、測定対象物質によって阻害されるものである。
【0027】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
方法に用いる第1の酵素は、第1の基質から第1の生成
物を生成する反応を触媒する酵素であり、第2の酵素
は、第1の酵素により第1の基質から生成する第1の生
成物と第2の基質から、第2の生成物を生成する反応を
触媒する酵素であり、この反応が進行したか否か、又は
反応がどの程度進行したかを検出することができるもの
であれば、特に制限されない。本発明において、「第2
の酵素により触媒される反応を検出する」とは、このよ
うに、第2の酵素により触媒される反応が進行したか否
か、又は反応がどの程度進行したかを、直接的にもしく
は間接的に検出することをいう。
方法に用いる第1の酵素は、第1の基質から第1の生成
物を生成する反応を触媒する酵素であり、第2の酵素
は、第1の酵素により第1の基質から生成する第1の生
成物と第2の基質から、第2の生成物を生成する反応を
触媒する酵素であり、この反応が進行したか否か、又は
反応がどの程度進行したかを検出することができるもの
であれば、特に制限されない。本発明において、「第2
の酵素により触媒される反応を検出する」とは、このよ
うに、第2の酵素により触媒される反応が進行したか否
か、又は反応がどの程度進行したかを、直接的にもしく
は間接的に検出することをいう。
【0028】例えば、第1の酵素がグルコースオキシダ
ーゼ、第1の基質がグルコース、第2の酵素がペルオシ
キダーゼ、及び、第2の基質がオルトフェニレンジアミ
ンである場合、グルコースオキシダーゼによる反応で、
過酸化水素とグルコン酸が生じる。そして、この反応に
より生成する第1の生成物である過酸化水素とペルオキ
シダーゼの反応によって、第2の基質であるオルトフェ
ニレンジアミンが酸化され、光学的に検出可能な色素が
生成する。第2の基質として、ルミノールを用いてもよ
い。各酵素と基質の組み合わせは、従来の逐次反応を利
用した2段階法と同様のものを用いることができる。
ーゼ、第1の基質がグルコース、第2の酵素がペルオシ
キダーゼ、及び、第2の基質がオルトフェニレンジアミ
ンである場合、グルコースオキシダーゼによる反応で、
過酸化水素とグルコン酸が生じる。そして、この反応に
より生成する第1の生成物である過酸化水素とペルオキ
シダーゼの反応によって、第2の基質であるオルトフェ
ニレンジアミンが酸化され、光学的に検出可能な色素が
生成する。第2の基質として、ルミノールを用いてもよ
い。各酵素と基質の組み合わせは、従来の逐次反応を利
用した2段階法と同様のものを用いることができる。
【0029】他の例として、第1の酵素として乳酸デヒ
ドロゲナーゼ、第1の基質としてオキザロ酢酸、第2の
酵素として乳酸オキシダーゼ、第2の基質として酸素が
挙げられる。
ドロゲナーゼ、第1の基質としてオキザロ酢酸、第2の
酵素として乳酸オキシダーゼ、第2の基質として酸素が
挙げられる。
【0030】また、第2の酵素により触媒される反応
は、第2の生成物を基質とする他の酵素を用いて、第3
の生成物に変換し、第3の生成物を検出することによっ
て、間接的に検出してもよい。例えば、オキザロ酢酸デ
カルボキシラーゼ、乳酸オキシダーゼを用いる系におい
て、第1の基質としてオキザロ酢酸を用い(第2の基質
である酸素は溶液中に通常溶解しているために加える必
要はない)、第2の生成物である過酸化水素を検出する
ために、系中にペルオキシダーゼとオルトフェニレンジ
アミンを加え、第2の酵素により触媒される反応を検出
してもよい。
は、第2の生成物を基質とする他の酵素を用いて、第3
の生成物に変換し、第3の生成物を検出することによっ
て、間接的に検出してもよい。例えば、オキザロ酢酸デ
カルボキシラーゼ、乳酸オキシダーゼを用いる系におい
て、第1の基質としてオキザロ酢酸を用い(第2の基質
である酸素は溶液中に通常溶解しているために加える必
要はない)、第2の生成物である過酸化水素を検出する
ために、系中にペルオキシダーゼとオルトフェニレンジ
アミンを加え、第2の酵素により触媒される反応を検出
してもよい。
【0031】また、第2の酵素により触媒される反応の
検出は、第2の生成物又は第3の生成物自体を直接検出
することによって行ってもよいし、各反応で生じる光等
の信号を検出することによって行ってもよい。
検出は、第2の生成物又は第3の生成物自体を直接検出
することによって行ってもよいし、各反応で生じる光等
の信号を検出することによって行ってもよい。
【0032】さらに、第2の酵素により触媒される反応
の検出は、第2の基質の減少を追跡することよって、間
接的に行うこともできる。また、第1の酵素の生成物が
第2の酵素の基質となるばかりでなく、第2の酵素の生
成物が再び第1の酵素の基質となる、いわゆるリサイク
ル反応を利用してもよい。
の検出は、第2の基質の減少を追跡することよって、間
接的に行うこともできる。また、第1の酵素の生成物が
第2の酵素の基質となるばかりでなく、第2の酵素の生
成物が再び第1の酵素の基質となる、いわゆるリサイク
ル反応を利用してもよい。
【0033】さらに、第1の基質は直接溶液に加えても
よいが、第1の基質を生成する反応系によって、溶液中
に供給させてもよい。例えば、基質としてピルビン酸を
反応系に加えるために、オキザロ酢酸デカルボキシラー
ゼとオキザロ酢酸を加え、ピルビン酸を生成させてもよ
い。
よいが、第1の基質を生成する反応系によって、溶液中
に供給させてもよい。例えば、基質としてピルビン酸を
反応系に加えるために、オキザロ酢酸デカルボキシラー
ゼとオキザロ酢酸を加え、ピルビン酸を生成させてもよ
い。
【0034】第2の酵素により触媒される反応の検出
は、その反応の進行が反映されるものであれば特に制限
されず、例えば吸光度や蛍光、発光などにより反応を検
出する方法が挙げられる。
は、その反応の進行が反映されるものであれば特に制限
されず、例えば吸光度や蛍光、発光などにより反応を検
出する方法が挙げられる。
【0035】以下、上記の第1の酵素及び第2の酵素に
よる反応を、酵素チャネリングと呼ぶことがある。上記
の酵素チャネリング反応を、第1の酵素及び第2の酵素
が溶液中で近接したときのみに進行させるために、第1
の酵素により第1の基質から生成する第1の生成物を、
第2の酵素と奪い合う第3の酵素を溶液に存在させる。
この第3の酵素は、スカベンジャー酵素とも呼ばれる。
例えば、第1の酵素がグルコースオキシダーゼ、第1の
基質がグルコース、第2の酵素がペルオシキダーゼの場
合は、スカベンジャー酵素は、第1の酵素の反応により
生成する過酸化水素を分解するカタラーゼが用いられ
る。また、第1の酵素がオキザロ酢酸デカルボキシラー
ゼ、第1の酵素がオキザロ酢酸、第2の基質が酸素、第
2の酵素が乳酸オキシダーゼの場合には、スカベンジャ
ー酵素としてはピルビン酸デヒドロゲナーゼが用いられ
る。
よる反応を、酵素チャネリングと呼ぶことがある。上記
の酵素チャネリング反応を、第1の酵素及び第2の酵素
が溶液中で近接したときのみに進行させるために、第1
の酵素により第1の基質から生成する第1の生成物を、
第2の酵素と奪い合う第3の酵素を溶液に存在させる。
この第3の酵素は、スカベンジャー酵素とも呼ばれる。
例えば、第1の酵素がグルコースオキシダーゼ、第1の
基質がグルコース、第2の酵素がペルオシキダーゼの場
合は、スカベンジャー酵素は、第1の酵素の反応により
生成する過酸化水素を分解するカタラーゼが用いられ
る。また、第1の酵素がオキザロ酢酸デカルボキシラー
ゼ、第1の酵素がオキザロ酢酸、第2の基質が酸素、第
2の酵素が乳酸オキシダーゼの場合には、スカベンジャ
ー酵素としてはピルビン酸デヒドロゲナーゼが用いられ
る。
【0036】スカベンジャー酵素が溶液中に存在してい
ると、第1の酵素と第2の酵素が近接している場合は、
第1の酵素により生成した第1の生成物を第2の酵素が
利用することができるが、第1の酵素と第2の酵素が近
接していないと、第2の酵素が利用する前に、第1の生
成物がスカベンジャー酵素によって除去されているた
め、第2の生成物の生成が妨げられる。したがって、第
2の生成物の量を測定することにより、第1の酵素と第
2の酵素の局在を知ることができる。
ると、第1の酵素と第2の酵素が近接している場合は、
第1の酵素により生成した第1の生成物を第2の酵素が
利用することができるが、第1の酵素と第2の酵素が近
接していないと、第2の酵素が利用する前に、第1の生
成物がスカベンジャー酵素によって除去されているた
め、第2の生成物の生成が妨げられる。したがって、第
2の生成物の量を測定することにより、第1の酵素と第
2の酵素の局在を知ることができる。
【0037】酵素チャネリング反応をリサイクル反応に
よって行う場合、スカベンジャー酵素は、必ずしも第1
の生成物を基質とする必要はなく、第1の基質を基質と
してもよい。なぜなら、スカベンジャー酵素が第1の基
質を分解する場合でも、第1の基質は第2の酵素の生成
物として再生されるため、間接的に第1の生成物を第2
の酵素とスカベンジャー酵素が奪い合うかたちになるか
らである。このようなリサイクル反応を利用した酵素チ
ャネリングに用いる酵素及び基質としては、例えば、第
1の酵素として乳酸デヒドロゲナーゼ、第1の基質とし
てピルビン酸、第2の酵素として乳酸オキシダーゼ、第
2の基質として酸素、スカベンジャー酵素としてピルビ
ン酸デヒドロゲナーゼが挙げられる。
よって行う場合、スカベンジャー酵素は、必ずしも第1
の生成物を基質とする必要はなく、第1の基質を基質と
してもよい。なぜなら、スカベンジャー酵素が第1の基
質を分解する場合でも、第1の基質は第2の酵素の生成
物として再生されるため、間接的に第1の生成物を第2
の酵素とスカベンジャー酵素が奪い合うかたちになるか
らである。このようなリサイクル反応を利用した酵素チ
ャネリングに用いる酵素及び基質としては、例えば、第
1の酵素として乳酸デヒドロゲナーゼ、第1の基質とし
てピルビン酸、第2の酵素として乳酸オキシダーゼ、第
2の基質として酸素、スカベンジャー酵素としてピルビ
ン酸デヒドロゲナーゼが挙げられる。
【0038】本発明の方法に用いる第1の物質、及び第
2の物質は、サンドイッチ法においては、それぞれ、測
定対象物質に特異的に結合する物質が用いられる。例え
ば、測定対象物質が抗原又は抗体である場合は、第1の
物質及び第2の物質は、それに特異的に結合する抗体又
は抗原が挙げられる。第1の物質及び第2の物質が抗体
の場合は、それぞれ測定対象物質に対するエピトープが
異なるモノクローナル抗体か、又はポリクローナル抗体
を用いる。抗原と抗体のように、ある物質と、それに特
異的に結合する1つ又は2以上の物質の組み合わせを、
本明細書において特異的結合ペアということがある。他
の特異的結合ペアとしては、例えば、リガンドとレセプ
ター、酵素と基質、互いに相補的な配列を有する核酸同
士、補酵素とアポ酵素などであるが、この範囲に限られ
るものではない。例えばイムノグロブリンやその派生物
であるF(ab')2、Fab'、Fab、レセプターや酵素とその派
生物、核酸、天然あるいは人工のペプチド、人工ポリ
マ、糖質、脂質、無機物質あるいは有機配位子、ウィル
ス、薬物等である。測定対象物質としては、特異的結合
ペアの1つである限り、その種類を問わない。具体的に
は、前記抗原又は抗体に加えて、低分子有機化合物、タ
ンパク質、高分子有機物質、脂質、糖、ペプチド、ホル
モン、核酸、ウィルス等が挙げられる。
2の物質は、サンドイッチ法においては、それぞれ、測
定対象物質に特異的に結合する物質が用いられる。例え
ば、測定対象物質が抗原又は抗体である場合は、第1の
物質及び第2の物質は、それに特異的に結合する抗体又
は抗原が挙げられる。第1の物質及び第2の物質が抗体
の場合は、それぞれ測定対象物質に対するエピトープが
異なるモノクローナル抗体か、又はポリクローナル抗体
を用いる。抗原と抗体のように、ある物質と、それに特
異的に結合する1つ又は2以上の物質の組み合わせを、
本明細書において特異的結合ペアということがある。他
の特異的結合ペアとしては、例えば、リガンドとレセプ
ター、酵素と基質、互いに相補的な配列を有する核酸同
士、補酵素とアポ酵素などであるが、この範囲に限られ
るものではない。例えばイムノグロブリンやその派生物
であるF(ab')2、Fab'、Fab、レセプターや酵素とその派
生物、核酸、天然あるいは人工のペプチド、人工ポリ
マ、糖質、脂質、無機物質あるいは有機配位子、ウィル
ス、薬物等である。測定対象物質としては、特異的結合
ペアの1つである限り、その種類を問わない。具体的に
は、前記抗原又は抗体に加えて、低分子有機化合物、タ
ンパク質、高分子有機物質、脂質、糖、ペプチド、ホル
モン、核酸、ウィルス等が挙げられる。
【0039】また、本発明の方法に用いる第1の物質、
及び第2の物質は、競合法又は阻害法においては、互い
に特異的に結合し得る特異的結合ペアを形成する物質で
あり、その結合は、測定対象物質によって阻害されるも
のである。ある態様では、測定対象物質は、第1の物質
又は第2の物質と同じか又は類似の物質であり、第1の
物質又は第2の物質に競合的に結合するものである。こ
の場合、競合法と呼ばれる。また、別の態様では、測定
対象物質は、第1の物質及び第2の物質と類似しない物
質であって、第1の物質と第2の物質の結合を阻害する
ものである。この場合、阻害法と呼ばれる。測定対象物
質として具体的には、抗原、抗体、低分子有機化合物、
タンパク質、高分子有機物質、脂質、糖、ペプチド、ホ
ルモン、核酸、ウィルス等が挙げられる。
及び第2の物質は、競合法又は阻害法においては、互い
に特異的に結合し得る特異的結合ペアを形成する物質で
あり、その結合は、測定対象物質によって阻害されるも
のである。ある態様では、測定対象物質は、第1の物質
又は第2の物質と同じか又は類似の物質であり、第1の
物質又は第2の物質に競合的に結合するものである。こ
の場合、競合法と呼ばれる。また、別の態様では、測定
対象物質は、第1の物質及び第2の物質と類似しない物
質であって、第1の物質と第2の物質の結合を阻害する
ものである。この場合、阻害法と呼ばれる。測定対象物
質として具体的には、抗原、抗体、低分子有機化合物、
タンパク質、高分子有機物質、脂質、糖、ペプチド、ホ
ルモン、核酸、ウィルス等が挙げられる。
【0040】第1の物質及び第2の物質(以下、「結合
物質」ともいう)は、それぞれ第1の酵素及び第2の酵
素と結合して複合体を形成する。各結合物質と酵素との
結合は、酵素活性および結合物質又は測定対象物質やそ
の派生物との特異的結合能を失わない限りにおいて、そ
の様式、方法を問わないが、高速な反応を実現するため
には、拡散速度や反応速度を阻害しない形が望ましい。
例えば抗体と酵素を結合する場合、酵素にマレイミド基
を導入し、Fab'化した抗体とチオール基を介して結合さ
せる方法などである。
物質」ともいう)は、それぞれ第1の酵素及び第2の酵
素と結合して複合体を形成する。各結合物質と酵素との
結合は、酵素活性および結合物質又は測定対象物質やそ
の派生物との特異的結合能を失わない限りにおいて、そ
の様式、方法を問わないが、高速な反応を実現するため
には、拡散速度や反応速度を阻害しない形が望ましい。
例えば抗体と酵素を結合する場合、酵素にマレイミド基
を導入し、Fab'化した抗体とチオール基を介して結合さ
せる方法などである。
【0041】次に、本発明の具体的態様を、図面に基づ
いて説明する。図1は、非競合法(サンドイッチ法)の
例を示す。図1Aは測定対象物がある場合を、図1Bは
測定対象物質が存在しない場合を示す。測定対象物質が
反応系に存在すると、第1の物質と第2の物質は、それ
ぞれ測定対象物質に結合し、第1の物質、第2の物質及
び測定対象物質と複合体を形成する。そして、第1酵素
は第2の酵素に分子レベルで近接した状態となる。その
結果、第1の酵素により第1の基質から生成する第1の
生成物は、スカベンジャー酵素によって分解される前
に、第2の酵素が利用することができる。そして、第2
の基質と第1の生成物から、第2の生成物が生成する。
第2の生成物の生成は、測定対象物質の量を反映する。
いて説明する。図1は、非競合法(サンドイッチ法)の
例を示す。図1Aは測定対象物がある場合を、図1Bは
測定対象物質が存在しない場合を示す。測定対象物質が
反応系に存在すると、第1の物質と第2の物質は、それ
ぞれ測定対象物質に結合し、第1の物質、第2の物質及
び測定対象物質と複合体を形成する。そして、第1酵素
は第2の酵素に分子レベルで近接した状態となる。その
結果、第1の酵素により第1の基質から生成する第1の
生成物は、スカベンジャー酵素によって分解される前
に、第2の酵素が利用することができる。そして、第2
の基質と第1の生成物から、第2の生成物が生成する。
第2の生成物の生成は、測定対象物質の量を反映する。
【0042】図2は、競合法の例を示す。図2Aは測定
対象物がある場合を、図2Bは測定対象物質が存在しな
い場合を示す。この例では、第1の酵素に結合した第1
の物質は、測定対象物質と同じか類似の物質である。測
定対象物質が反応系に存在しないと、第1の物質と第2
の物質は結合して複合体を形成し、酵素チャネリング反
応が進行する。一方、測定対象物質が存在すると、測定
対象物質は第1の物質と競合して第2の物質に結合す
る。その結果、第1の物質と第2の物質が結合した複合
体の形成が減少し、酵素チャネリング反応の進行が妨げ
られる。第2の生成物の生成の抑制は、測定対象物質の
量を反映する。第1の物質と第2の物質は逆であっても
よい。
対象物がある場合を、図2Bは測定対象物質が存在しな
い場合を示す。この例では、第1の酵素に結合した第1
の物質は、測定対象物質と同じか類似の物質である。測
定対象物質が反応系に存在しないと、第1の物質と第2
の物質は結合して複合体を形成し、酵素チャネリング反
応が進行する。一方、測定対象物質が存在すると、測定
対象物質は第1の物質と競合して第2の物質に結合す
る。その結果、第1の物質と第2の物質が結合した複合
体の形成が減少し、酵素チャネリング反応の進行が妨げ
られる。第2の生成物の生成の抑制は、測定対象物質の
量を反映する。第1の物質と第2の物質は逆であっても
よい。
【0043】図3は、第1の物質と第2の物質と測定対
象物質との結合による複合体を、間接的に形成させる例
を示す。この例では、第1の物質と、測定対象物質と、
測定対象物質及び第2の物質と特異的ペアを形成し得る
第3の物質を結合させ、さらに、第2の物質を第3の物
質に結合させることにより、第2の物質を測定対象物質
に間接的に結合させる。第3の物質としては測定対象物
質に結合する抗体が、第2の物質としては当該抗体に結
合し得る抗体が挙げられる。
象物質との結合による複合体を、間接的に形成させる例
を示す。この例では、第1の物質と、測定対象物質と、
測定対象物質及び第2の物質と特異的ペアを形成し得る
第3の物質を結合させ、さらに、第2の物質を第3の物
質に結合させることにより、第2の物質を測定対象物質
に間接的に結合させる。第3の物質としては測定対象物
質に結合する抗体が、第2の物質としては当該抗体に結
合し得る抗体が挙げられる。
【0044】本発明の方法は、上記のような第1の物質
に結合した第1の酵素(以下、「第1の酵素複合体」と
もいう)、第1の酵素の基質、第1の酵素により第1の
基質から生成する第1の生成物と第2の基質から、第2
の生成物を生成する反応を触媒する酵素であって、第2
の物質に結合した第2の酵素(以下、「第2の酵素複合
体」)、第2の基質、スカベンジャー酵素、及び検体
を、溶液中に均一状態で存在させる。その際、各要素
は、同時に溶液中に存在させてもよいし、酵素チャネリ
ング反応とその後の分析が可能である限り、任意の順に
逐次溶液に加えてもよい。また、第2の酵素複合体は、
第1の生成物がスカベンジャー酵素によって分解されな
い程度であれば、第1の酵素複合体と第1の基質を反応
させた後に、反応系に加えてもよい。
に結合した第1の酵素(以下、「第1の酵素複合体」と
もいう)、第1の酵素の基質、第1の酵素により第1の
基質から生成する第1の生成物と第2の基質から、第2
の生成物を生成する反応を触媒する酵素であって、第2
の物質に結合した第2の酵素(以下、「第2の酵素複合
体」)、第2の基質、スカベンジャー酵素、及び検体
を、溶液中に均一状態で存在させる。その際、各要素
は、同時に溶液中に存在させてもよいし、酵素チャネリ
ング反応とその後の分析が可能である限り、任意の順に
逐次溶液に加えてもよい。また、第2の酵素複合体は、
第1の生成物がスカベンジャー酵素によって分解されな
い程度であれば、第1の酵素複合体と第1の基質を反応
させた後に、反応系に加えてもよい。
【0045】尚、「溶液中に均一状態で存在させる」と
は、各要素の一部をゲル中に存在させ、一部を溶液中に
存在させる等のように各要素を不均一状態に分離して存
在させることを排除する意味であり、具体的には、各要
素を溶液中に溶解又は懸濁させることをいう。測定対象
物質と第1の物質及び第2の物質との結合によって生じ
る複合体と、未結合の物質のように、溶液中の反応によ
ってもたらされる分子レベルでの不均一性は、本発明に
いう均一状態に反するものではないことは、当業者に容
易に理解されることである。
は、各要素の一部をゲル中に存在させ、一部を溶液中に
存在させる等のように各要素を不均一状態に分離して存
在させることを排除する意味であり、具体的には、各要
素を溶液中に溶解又は懸濁させることをいう。測定対象
物質と第1の物質及び第2の物質との結合によって生じ
る複合体と、未結合の物質のように、溶液中の反応によ
ってもたらされる分子レベルでの不均一性は、本発明に
いう均一状態に反するものではないことは、当業者に容
易に理解されることである。
【0046】上記要素を適当な数の容器に入れたものを
作成することにより、本発明の方法を実施するためのキ
ットを構成することができる。そのようなキットとして
は、例えば、第1の酵素複合体、第2の酵素複合体、及
びスカベンジャー酵素を、それぞれ単独又は組み合わせ
て入れた容器、各基質を単独又は混合して入れた容器、
標準試料等を含むキットが挙げられる。
作成することにより、本発明の方法を実施するためのキ
ットを構成することができる。そのようなキットとして
は、例えば、第1の酵素複合体、第2の酵素複合体、及
びスカベンジャー酵素を、それぞれ単独又は組み合わせ
て入れた容器、各基質を単独又は混合して入れた容器、
標準試料等を含むキットが挙げられる。
【0047】次に、酵素チャネリング反応によって生成
する第2の生成物を検出する。この検出は、反応が終了
した後に一回行ってもよいし、反応中に経時的に行って
もよい。
する第2の生成物を検出する。この検出は、反応が終了
した後に一回行ってもよいし、反応中に経時的に行って
もよい。
【0048】また、特異的結合ペアの結合そのものを測
定することと、特異的結合ペア形成にともなう第2の酵
素活性の測定とを組み合わせることで、測定結果の信頼
性向上や測定範囲の増大などの副次的、多次元的な情報
を得てもよい。例えば特異的結合ペアの形成数が第2の
酵素活性の測定にとって多すぎ、いわゆる検量範囲を越
えている場合に、特異的結合ペアの形成数を比濁法で測
定することにより、感度の高い本発明の方法と、感度の
低い比濁法との組み合わせで広い定量範囲を得ることが
できる。以下に、本発明の方法を実施する具体的な手順
を例示する。
定することと、特異的結合ペア形成にともなう第2の酵
素活性の測定とを組み合わせることで、測定結果の信頼
性向上や測定範囲の増大などの副次的、多次元的な情報
を得てもよい。例えば特異的結合ペアの形成数が第2の
酵素活性の測定にとって多すぎ、いわゆる検量範囲を越
えている場合に、特異的結合ペアの形成数を比濁法で測
定することにより、感度の高い本発明の方法と、感度の
低い比濁法との組み合わせで広い定量範囲を得ることが
できる。以下に、本発明の方法を実施する具体的な手順
を例示する。
【0049】(1)特異的結合ペア:抗原抗体系、反応
様式:サンドイッチ型、第1の酵素/第2の酵素/スカ
ベンジャー酵素:グルコースオキシダーゼ/ペルオキシ
ダーゼ/カタラーゼ、第1/第2の基質:グルコース/
オルトフェニレンジアミン、検出対象:第2の酵素の生
成物の吸光度 (i) 測定対象物質である抗原と同時に結合可能な第1
の抗体および第2の抗体を用いる。 (ii)グルコースオキシダーゼと第1の抗体からなる第1
の酵素複合体と、ペルオキシダーゼと第2の抗体からな
る第2の酵素複合体を、反応容器に分注する。 (iii)測定対象物質としての抗原を含む検体溶液を容器
に分注する。 (iv)抗原抗体反応形成のための反応時間をとる。 (v)カタラーゼ、グルコース、オルトフェニレンジアミ
ンの混合溶液を加える。 (vi)一定時間後の吸光度を測定する。
様式:サンドイッチ型、第1の酵素/第2の酵素/スカ
ベンジャー酵素:グルコースオキシダーゼ/ペルオキシ
ダーゼ/カタラーゼ、第1/第2の基質:グルコース/
オルトフェニレンジアミン、検出対象:第2の酵素の生
成物の吸光度 (i) 測定対象物質である抗原と同時に結合可能な第1
の抗体および第2の抗体を用いる。 (ii)グルコースオキシダーゼと第1の抗体からなる第1
の酵素複合体と、ペルオキシダーゼと第2の抗体からな
る第2の酵素複合体を、反応容器に分注する。 (iii)測定対象物質としての抗原を含む検体溶液を容器
に分注する。 (iv)抗原抗体反応形成のための反応時間をとる。 (v)カタラーゼ、グルコース、オルトフェニレンジアミ
ンの混合溶液を加える。 (vi)一定時間後の吸光度を測定する。
【0050】(2)特異的結合ペア:抗原抗体系、反応
様式:3次抗体サンドイッチ型、第1/第2/スカベン
ジャー酵素:グルコースオキシダーゼ/ペルオキシダー
ゼ/カタラーゼ、第1/第2の基質:グルコース/オル
トフェニレンジアミン、検出対象:第2の酵素の生成物
の吸光度 (i)測定対象物質である抗原と同時に結合可能な第1の
抗体および第2の抗体、および第2の抗体に特異的に結
合可能な第3の抗体を用いる。 (ii)グルコースオキシダーゼと第1の抗体からなる第1
の酵素複合体と、第2の抗体を、反応容器に分注する。 (iii)測定対象物質としての抗原を含む検体溶液を容器
に分注する。 (iv)抗原抗体反応形成のための反応時間をとる。 (v)ペルオキシダーゼと第3の抗体からなる第2の酵素
複合体を反応容器に分注する。 (vi)抗原抗体反応形成のための反応時間をとる。 (vii)カタラーゼ、グルコース、オルトフェニレンジア
ミンの混合溶液を加える。 (viii)一定時間後の吸光度を測定する。
様式:3次抗体サンドイッチ型、第1/第2/スカベン
ジャー酵素:グルコースオキシダーゼ/ペルオキシダー
ゼ/カタラーゼ、第1/第2の基質:グルコース/オル
トフェニレンジアミン、検出対象:第2の酵素の生成物
の吸光度 (i)測定対象物質である抗原と同時に結合可能な第1の
抗体および第2の抗体、および第2の抗体に特異的に結
合可能な第3の抗体を用いる。 (ii)グルコースオキシダーゼと第1の抗体からなる第1
の酵素複合体と、第2の抗体を、反応容器に分注する。 (iii)測定対象物質としての抗原を含む検体溶液を容器
に分注する。 (iv)抗原抗体反応形成のための反応時間をとる。 (v)ペルオキシダーゼと第3の抗体からなる第2の酵素
複合体を反応容器に分注する。 (vi)抗原抗体反応形成のための反応時間をとる。 (vii)カタラーゼ、グルコース、オルトフェニレンジア
ミンの混合溶液を加える。 (viii)一定時間後の吸光度を測定する。
【0051】(3)特異的結合ペア:レセプター−リガ
ンド系、反応様式:阻害型、第1/第2/スカベンジャ
ー酵素:グルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ/
カタラーゼ、第1/第2の基質:グルコース/ルミノー
ル、検出対象:第2の酵素の生成物の化学発光強度 (i)グルコースオキシダーゼと可溶化レセプターからな
る第1の酵素複合体と、測定対象物質としての有機化合
物溶液と、ペルオキシダーゼとリガンドからなる第2の
酵素複合体を、逐次反応容器に分注する。 (ii)レセプター−リガンド結合、又は有機化合物−レセ
プター結合反応形成のための反応時間をとる。 (iii)カタラーゼ、グルコース、ルミノールの混合溶液
を加える。 (iv)発光強度を測定する。
ンド系、反応様式:阻害型、第1/第2/スカベンジャ
ー酵素:グルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ/
カタラーゼ、第1/第2の基質:グルコース/ルミノー
ル、検出対象:第2の酵素の生成物の化学発光強度 (i)グルコースオキシダーゼと可溶化レセプターからな
る第1の酵素複合体と、測定対象物質としての有機化合
物溶液と、ペルオキシダーゼとリガンドからなる第2の
酵素複合体を、逐次反応容器に分注する。 (ii)レセプター−リガンド結合、又は有機化合物−レセ
プター結合反応形成のための反応時間をとる。 (iii)カタラーゼ、グルコース、ルミノールの混合溶液
を加える。 (iv)発光強度を測定する。
【0052】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。
に説明する。
【0053】
【実施例1】第1の酵素複合体としてグルコースオキシ
ダーゼ標識抗ウサギIgG(H&L)抗体(Goat anti-Rabbit I
gG(H&L)-Glu. Oxidase,American Qualex社)、第2の
酵素複合体としてペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG(Wh
ole)抗体(Peroxidase conjugated Goat anti-Rabbit I
gG(Whole molecule),Cappel社)、及び、スカベンジャ
ー酵素としてカタラーゼ(Catalase from Bovine Live
r,Sigma社)を用意した。また、第1の基質としてグル
コース(ナカライテスク)、第2の基質としてオルトフ
ェニレンジアミン(Sigma)を用意した。
ダーゼ標識抗ウサギIgG(H&L)抗体(Goat anti-Rabbit I
gG(H&L)-Glu. Oxidase,American Qualex社)、第2の
酵素複合体としてペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG(Wh
ole)抗体(Peroxidase conjugated Goat anti-Rabbit I
gG(Whole molecule),Cappel社)、及び、スカベンジャ
ー酵素としてカタラーゼ(Catalase from Bovine Live
r,Sigma社)を用意した。また、第1の基質としてグル
コース(ナカライテスク)、第2の基質としてオルトフ
ェニレンジアミン(Sigma)を用意した。
【0054】ポリスチレン製96ウェルマルチタイタープ
レート(Costar社)の各ウェルに、0.3%に調整したウシ
血清アルブミン(BSA)(Sigma社)を注ぎ、常温1時間の
ブロッキングを行った。このプレートの各ウェルに、第
1の酵素複合体0.77μg/mL、第2の酵素複合体0.77μg/
mL、及びスカベンジャー酵素0.77mg/mLとなるように調
製したクエン酸−リン酸バッファ(1.7 mM クエン酸、4
mM リン酸水素2ナトリウム、pH 5.0)を130μL加え
た。続いて、表1に示す各濃度のウサギイムノグロブリ
ン(Rabbit Gamma Globulin Fr II,Culver Bio-Produc
ts社)を10μL加えて10分間反応させた。さらに、クエ
ン酸−リン酸バッファ中にオルトフェニレンジアミン0.
4mg/mL、グルコース2.5%となるように調製した基質溶液
100μLを加え、15分後に490nmの吸光度を測定した。測
定はイムノリーダーEmax(MolecularDevices社)で行っ
た。結果を表1に示す。
レート(Costar社)の各ウェルに、0.3%に調整したウシ
血清アルブミン(BSA)(Sigma社)を注ぎ、常温1時間の
ブロッキングを行った。このプレートの各ウェルに、第
1の酵素複合体0.77μg/mL、第2の酵素複合体0.77μg/
mL、及びスカベンジャー酵素0.77mg/mLとなるように調
製したクエン酸−リン酸バッファ(1.7 mM クエン酸、4
mM リン酸水素2ナトリウム、pH 5.0)を130μL加え
た。続いて、表1に示す各濃度のウサギイムノグロブリ
ン(Rabbit Gamma Globulin Fr II,Culver Bio-Produc
ts社)を10μL加えて10分間反応させた。さらに、クエ
ン酸−リン酸バッファ中にオルトフェニレンジアミン0.
4mg/mL、グルコース2.5%となるように調製した基質溶液
100μLを加え、15分後に490nmの吸光度を測定した。測
定はイムノリーダーEmax(MolecularDevices社)で行っ
た。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【実施例2】第1の酵素複合体としてグルコースオキシ
ダーゼ標識抗ウサギIgG(H&L)抗体(Goat anti-Rabbit I
gG(H&L)-Glu. Oxidase,American Qualex社)、第2の
酵素複合体としてペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG(Wh
ole)抗体(Peroxidase conjugated Goat anti-Rabbit I
gG(Whole molecule),Cappel社)、及び、スカベンジャ
ー酵素としてカタラーゼ(Catalase from Bovine Live
r,Sigma社)を用意した。また、第1の基質としてグル
コース(ナカライテスク)、第2の基質としてオルトフ
ェニレンジアミン(Sigma)を用意した。
ダーゼ標識抗ウサギIgG(H&L)抗体(Goat anti-Rabbit I
gG(H&L)-Glu. Oxidase,American Qualex社)、第2の
酵素複合体としてペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG(Wh
ole)抗体(Peroxidase conjugated Goat anti-Rabbit I
gG(Whole molecule),Cappel社)、及び、スカベンジャ
ー酵素としてカタラーゼ(Catalase from Bovine Live
r,Sigma社)を用意した。また、第1の基質としてグル
コース(ナカライテスク)、第2の基質としてオルトフ
ェニレンジアミン(Sigma)を用意した。
【0057】ポリスチレン製96ウェルマルチタイタープ
レート(Costar社)の各ウェルに、0.3%に調整したウシ
血清アルブミン(BSA)(Sigma社)を注ぎ、常温1時間の
ブロッキングを行った。このプレートの各ウェルに、第
1の酵素複合体1.25μg/mL、第2の酵素複合体1.25μg/
mL、及びスカベンジャー酵素1.25mg/mLとなるように調
製したクエン酸−リン酸バッファ(2.8 mM クエン酸、
6.4 mM リン酸水素2ナトリウム、pH 5.0)を80μL加え
た。続いて、表2に示す各濃度のウサギイムノグロブリ
ン(Rabbit Gamma Globulin Fr II,Culver Bio-Produc
ts社)を10μL加えて10分間反応させた。さらに、0.1M
のグリシンバッファ(pH 11.0)を100μLと10 mg/mLの
ルミノール(和光純薬)を加えた後に、化学発光測定器
(Lumino Analyzer ETY-700,東洋測器)で5%のグルコ
ースを50μL分注し、分注直後の発光強度を測定した。
積算は各20秒間行った。結果を表2に示す。
レート(Costar社)の各ウェルに、0.3%に調整したウシ
血清アルブミン(BSA)(Sigma社)を注ぎ、常温1時間の
ブロッキングを行った。このプレートの各ウェルに、第
1の酵素複合体1.25μg/mL、第2の酵素複合体1.25μg/
mL、及びスカベンジャー酵素1.25mg/mLとなるように調
製したクエン酸−リン酸バッファ(2.8 mM クエン酸、
6.4 mM リン酸水素2ナトリウム、pH 5.0)を80μL加え
た。続いて、表2に示す各濃度のウサギイムノグロブリ
ン(Rabbit Gamma Globulin Fr II,Culver Bio-Produc
ts社)を10μL加えて10分間反応させた。さらに、0.1M
のグリシンバッファ(pH 11.0)を100μLと10 mg/mLの
ルミノール(和光純薬)を加えた後に、化学発光測定器
(Lumino Analyzer ETY-700,東洋測器)で5%のグルコ
ースを50μL分注し、分注直後の発光強度を測定した。
積算は各20秒間行った。結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明の方法は、分離操作が不要である
ために、手動の分析では煩雑さが減少し、また全自動化
に際しても工程が単純化するという長所を有する。ま
た、従来用いられてきた酵素免疫測定法の装置をそのま
ま利用でき、特殊な機器を必要としないこと、酵素反応
の特徴と豊富な知見をそのまま利用することが可能であ
り、信頼性が高い信号検出方法であると同時に、酵素と
基質を選択することにより、例えば化学発光などの高感
度な分析系も容易に使用できることも長所である。
ために、手動の分析では煩雑さが減少し、また全自動化
に際しても工程が単純化するという長所を有する。ま
た、従来用いられてきた酵素免疫測定法の装置をそのま
ま利用でき、特殊な機器を必要としないこと、酵素反応
の特徴と豊富な知見をそのまま利用することが可能であ
り、信頼性が高い信号検出方法であると同時に、酵素と
基質を選択することにより、例えば化学発光などの高感
度な分析系も容易に使用できることも長所である。
【0060】さらに、以前に報告されている酵素チャネ
リングと比較して、特異的結合ペアの結合反応速度が大
幅に上昇することは、すなわち分析時間の大幅な短縮を
意味するため、全自動化のひとつの目的であるハイ・ス
ループット化にとって大きな長所である。
リングと比較して、特異的結合ペアの結合反応速度が大
幅に上昇することは、すなわち分析時間の大幅な短縮を
意味するため、全自動化のひとつの目的であるハイ・ス
ループット化にとって大きな長所である。
【0061】また、溶液が均一系であることは、手動・
自動を問わず溶液の扱いの再現性を向上させるために、
分析の信頼性を向上させ、また検出時の溶液に散乱等の
ノイズ発生要因を回避できるため、結果の再現性を向上
させると同時に検出のための光学配置を単純化できると
いう長所を有する。
自動を問わず溶液の扱いの再現性を向上させるために、
分析の信頼性を向上させ、また検出時の溶液に散乱等の
ノイズ発生要因を回避できるため、結果の再現性を向上
させると同時に検出のための光学配置を単純化できると
いう長所を有する。
【図1】 本発明の方法の一実施形態を示す概念図。図
中の記号の説明は、図2、3においても同様である。
中の記号の説明は、図2、3においても同様である。
【図2】 本発明の方法の他の実施形態を示す概念図。
【図3】 本発明の方法の別の実施形態を示す概念図。
Claims (9)
- 【請求項1】 (a)測定対象物質に特異的に結合する
第1の物質に結合した第1の酵素、(b)第1の酵素の
基質、(c)第1の酵素により第1の基質から生成する
第1の生成物と第2の基質から、第2の生成物を生成す
る反応を触媒する酵素であって、測定対象物質に特異的
に結合する第2の物質に結合した第2の酵素、(d)第
2の基質、(e)第1の酵素により第1の基質から生成
する第1の生成物を、第2の酵素と奪い合う第3の酵
素、及び、(e)測定対象物質を含む可能性のある検体
を、溶液中に均一状態で存在させ、そして、 第2の酵素により触媒される反応を検出する、検体中の
測定対象物質の濃度を測定する方法。 - 【請求項2】 (a)測定対象物質に特異的に結合する
第1の物質に結合した第1の酵素、(b)第1の酵素の
基質、(c)第1の酵素により第1の基質から生成する
第1の生成物と第2の基質から、第2の生成物を生成す
る反応を触媒する酵素であって、測定対象物質に特異的
に結合する第2の物質に結合した第2の酵素、(d)第
2の基質、(e)第1の基質を第1の酵素と奪い合う第
3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含む可能性のあ
る検体を、溶液中に均一状態で存在させ、そして、 第2の酵素により触媒される反応を検出する、検体中の
測定対象物質の濃度を測定する方法。 - 【請求項3】 (a)第1の物質に結合した第1の酵
素、(b)第1の酵素の基質、(c)第1の酵素により
第1の基質から生成する第1の生成物と第2の基質か
ら、第2の生成物を生成する反応を触媒する第2の酵
素、(d)第2の基質、(d)第1の酵素により第1の
基質から生成する第1の生成物を、第2の酵素と奪い合
う第3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含む可能性
のある検体を、溶液中に均一状態で存在させ、そして、
第2の酵素により触媒される反応を検出する、検体中の
測定対象物質の濃度を測定する方法であって、 第1の酵素又は第2の酵素は、互いに特異的に結合し得
る第1の物質及び第2の物質が各々結合しており、第1
の物質及び第2の物質の結合は、測定対象物質によって
阻害されるものである、検体中の測定対象物質の濃度を
測定する方法。 - 【請求項4】 (a)第1の物質に結合した第1の酵
素、(b)第1の酵素の基質、(c)第1の酵素により
第1の基質から生成する第1の生成物と第2の基質か
ら、第2の生成物を生成する反応を触媒する第2の酵
素、(d)第2の基質、(d)第1の基質を第2の酵素
と奪い合う第3の酵素、及び、(e)測定対象物質を含
む可能性のある検体を、溶液中に均一状態で存在させ、
そして、第2の酵素により触媒される反応を検出する、
検体中の測定対象物質の濃度を測定する方法であって、 第1の酵素又は第2の酵素は、互いに特異的に結合し得
る第1の物質及び第2の物質が各々結合しており、第1
の物質及び第2の物質の結合は、測定対象物質によって
阻害されるものである、検体中の測定対象物質の濃度を
測定する方法。 - 【請求項5】 第1の物質及び第2の物質の一方は、測
定対象物質とも特異的に結合し得るものであることを特
徴とする、請求項3又は4に記載の方法。 - 【請求項6】 第1の物質及び第2の物質が抗体又は抗
原であり、測定対象物質がそれらに特異的に結合する抗
原又は抗体である、請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項7】 第1の物質が抗体又は抗原であり、第2
の物質がそれに特異的に結合する抗原又は抗体である、
請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項8】 さらに、測定対象物質に特異的に結合す
る第3の物質を溶液中に存在させ、第1の物質又は第2
の物質の一方は、第3の物質を介して測定対象物質に結
合する、請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項9】 第1の酵素、第2の酵素及び第3の酵素
が、それぞれグルコースオキシダーゼ、ペルオキシダー
ゼ、及びカタラーゼであり、第1の基質がグルコース、
第2の基質がオルトフェニレンジアミン又はルミノール
である請求項1又は3に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001211894A JP2003028874A (ja) | 2001-07-12 | 2001-07-12 | 2段階酵素反応を用いた測定対象物質の測定法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001211894A JP2003028874A (ja) | 2001-07-12 | 2001-07-12 | 2段階酵素反応を用いた測定対象物質の測定法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003028874A true JP2003028874A (ja) | 2003-01-29 |
Family
ID=19047140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001211894A Pending JP2003028874A (ja) | 2001-07-12 | 2001-07-12 | 2段階酵素反応を用いた測定対象物質の測定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003028874A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011514522A (ja) * | 2008-02-25 | 2011-05-06 | プロメテウス ラボラトリーズ インコーポレイテッド | 抗体に基づくアレイを用いた乳癌療法のための薬物選択 |
WO2023191079A1 (ja) * | 2022-04-01 | 2023-10-05 | 国立大学法人東京農工大学 | 標的物質の検出試薬及び検出方法 |
WO2024048599A1 (ja) * | 2022-08-31 | 2024-03-07 | 国立大学法人東京農工大学 | タンパク質-核酸複合体、これを用いた物質の検出キット及び検出方法 |
WO2024150786A1 (ja) * | 2023-01-13 | 2024-07-18 | キッコーマン株式会社 | 標的物質の検出試薬及び検出方法 |
-
2001
- 2001-07-12 JP JP2001211894A patent/JP2003028874A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011514522A (ja) * | 2008-02-25 | 2011-05-06 | プロメテウス ラボラトリーズ インコーポレイテッド | 抗体に基づくアレイを用いた乳癌療法のための薬物選択 |
WO2023191079A1 (ja) * | 2022-04-01 | 2023-10-05 | 国立大学法人東京農工大学 | 標的物質の検出試薬及び検出方法 |
WO2024048599A1 (ja) * | 2022-08-31 | 2024-03-07 | 国立大学法人東京農工大学 | タンパク質-核酸複合体、これを用いた物質の検出キット及び検出方法 |
WO2024150786A1 (ja) * | 2023-01-13 | 2024-07-18 | キッコーマン株式会社 | 標的物質の検出試薬及び検出方法 |
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