JP2001299085A - キノコ栽培用栄養源及び該栄養源を用いたキノコ栽培方法 - Google Patents

キノコ栽培用栄養源及び該栄養源を用いたキノコ栽培方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定して良質のキノコを高収量で得られるキ
ノコの栽培が可能となる、コスト面で有利な栄養源を提
供すること。 【解決手段】 小麦ふすま、及び少なくとも1種類の他
の農産物に由来する栄養素材との配合物からなるもので
あって、該配合物中の澱粉と蛋白質の割合(澱粉/粗蛋
白含有比率)が0.5〜2.0であることを特徴とする
キノコ栽培用栄養源。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キノコ栽培用栄養
源及び該栄養源を用いたキノコ栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、培地基材と栄養源を混合した培地
によるキノコ菌床栽培において、培地に添加される栄養
源は、栽培者が自家調製することが多く、入手できる材
料の違いによってその収量や品質にばらつきを生じ、安
定した収穫量が得られないという問題があった。
【0003】キノコの菌床栽培において、高い収穫量を
得るためには、栽培に使用する培地に含まれる炭素
(C)と窒素(N)の比率(C/N比)、或いは可溶性
無窒素物(NFE)と粗蛋白質の比率(NFE/粗蛋白
比)が重要な要因の一つであると考えられている。
【0004】前者の培地に含まれるC/N比を規定した
ものとしては、炭素源に無機窒素化合物を培地のC/N
比を20以上になるように配合し、微生物の関与を受け
ない状態で加熱殺菌処理を行うもの(特開昭63−23372
4)、また、豆腐粕を、培養基全体の乾物重量中、10
〜40重量%含むとともに、C/N比を20〜50に調
製するもの(特開平1−91716)等が挙げられる。
【0005】また、後者のNFE/粗蛋白比を規定した
ものとしては、ブナオガコ培地の場合、栄養源のNFE
/粗蛋白比は2.8〜3.0が理想であるが、ナラオガ
コ等使用した場合には、ブナオガコ使用時よりも高い
3.6〜4.0となるようにするのがよいとするもの
(96年版「きのこ年鑑」155頁)や、広葉樹のおが屑と
廃ほだ屑からなる培地であって、粗蛋白質5.0〜6.
5重量%、NFE40〜60 重量%となるように調製
した培地を用いるもの(特開平9−23744)等が挙げられ
る。
【0006】しかし、これらの技術では、何れも、C/
N比やNFE/粗蛋白比だけを調節した培地が使用され
ており、この場合、必ずしも良質のキノコが常に安定し
て高い収量で得られるわけではない。
【0007】これは、炭素源となる成分には、澱粉、水
溶性ヘミセルロース、難溶性ヘミセルロース、セルロー
スといった種々の糖質が含まれるが、糖質の種類により
キノコ菌糸の利用し易さが異なり、その成長に影響を及
ぼすためである。しがって、培地のC/N比やNFE/
粗蛋白比を調整しただけでは、栄養源に含まれる炭素源
の種類によって収量や品質にバラツキを生じ易いと推察
される。
【0008】また、栄養源として、白ふすまを全量又は
一部使用するもの(特開平10−33055)がある。
【0009】白ふすまとは、一般の小麦ふすまが、殆ど
小麦の外皮であるに対して、小麦の外皮部分と胚乳部分
を一定割合で製粉混合したものであると記載されてい
る。
【0010】このような栄養源は、その成分が調節され
ていないため、キノコの成長にバラつきが生じやすく、
安定した収穫が期待できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安定して良
質のキノコを高収量で得られるキノコの栽培が可能とな
る、コスト面で有利な栄養源を提供することを目的とす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、栄養源と
して、特定の農産物に由来する安価な栄養素材を組合わ
せて用い、而も栄養源に含まれる粗蛋白質に対する澱粉
の比(澱粉/粗蛋白含有比率)を特定の値にしたものを
用いると、優れた品質のキノコを高収量で安定的に得ら
れることを見出し、更に研究を重ねた結果、本発明を完
成した。
【0013】即ち、本発明は、以下のような構成からな
るものである。
【0014】1.小麦ふすま、及び少なくとも1種類の
他の農産物に由来する栄養素材との配合物からなるもの
であって、該配合物中の澱粉と粗蛋白質の割合(澱粉/
粗蛋白含有比率)が0.5〜2.0であることを特徴と
するキノコ栽培用栄養源。
【0015】2.小麦ふすまが20%以上含有されるも
のである上記1記載のキノコ栽培用栄養源。
【0016】3.他の農産物に由来する栄養素材が、大
豆、トウモロコシ、菜種又は米の加工産物である上記1
又は2記載のキノコ栽培用栄養源。
【0017】4.大豆の加工産物が、大豆皮又はオカラ
である請求項3記載のキノコ栽培用栄養源。
【0018】5.培地基材と請求項1、2、3又は4記
載のキノコ栽培用栄養源を混合した培地を菌床として用
いることを特徴とするキノコ栽培方法。
【0019】本発明の栄養源は、小麦ふすまと少なく
とも1種類の他の農産物に由来する栄養素材とを組合わ
せて使用し、該混合物中の澱粉と粗蛋白質の割合(澱
粉/粗蛋白含有比率)を0.5〜2.0としたものであ
って、この栄養源の使用により、安定して良質のキノコ
を高収量で得ることの出来る栽培を可能としたものであ
る。
【0020】特に、上記条件に関して、キノコ栽培に
おいて、栄養源の澱粉/粗蛋白含有比率が重要な指標で
あることは、本発明者らによって、初めて見出された新
発見である。
【0021】いずれにしても、本発明の目的を達成する
ためには、上記のとの条件を同時に満足する必要が
ある、即ち、上記の条件を欠いた場合、即ち、単一の
農産物由来の栄養素材だけを栄養源とした場合、上記
の条件(澱粉/粗蛋白含有比率が0.5〜2.0の範囲)を満
足しても、キノコの収穫量(発生量又は平均個重)は低
くなり、本発明の目的を達成することは出来ない。
【0022】このことは、多分、単一の農産物由来の栄
養素材だけを使用した栄養源では、本発明で指標の一つ
とした粗蛋白質のアミノ酸組成に偏りを生じるが、これ
に他の農産物由来の栄養素材を配合することにより、ア
ミノ酸組成の偏りが解消されることに起因するものと推
察される。
【0023】また、もう一つの重要な指標が澱粉であ
る。菌床培地中の澱粉は菌糸が栄養源として利用し易
く、菌糸の培養初期における効果的な栄養源となってい
る。このことは、菌床培地中の澱粉量が培養の初期段階
で急速に減少する現象からも確認することができる。し
たがって、澱粉量が少なすぎると菌糸が効果的に培養さ
れず、一方、澱粉量が多すぎると過剰栄養となり、発生
量や平均個重に悪影響を及ぼすと考えられる。
【0024】以上、本発明は、上記、の二つの条件
を同時に選択することにより、その相乗効果によって、
安定して良質のキノコを高収量で得ることが出来るとい
う格別の効果を達成した点で、価値が高いものである。
【0025】このような予期し得ない優れた効果は、従
来の技術(C/N比やNFE/粗蛋白比の規定)等によ
っては、到底達成することが出来ないものである。
【0026】また、本発明の栄養源に用いる栄養素材と
して、一般的に農産物の加工時に発生する小麦ふすまや
大豆皮等を使用できるものであるが、これらの素材は副
産物であって安価であるので、コスト面からみて有利で
あるばかりでなく、資源の有効利用の面からみても、価
値がある。
【0027】以上のような点からみても、本発明は、従
来の技術からは、予想することが出来ない発明であるこ
とは明白であろう。
【0028】以下、更に、本発明について詳述する。
【0029】(A) キノコ栽培用栄養源 前述したように、本発明のキノコ栽培用栄養源は、小
麦ふすまと少なくとも1種類の他の農産物に由来する栄
養素材との配合物からなるものであって、該配合物中
の澱粉と粗蛋白質の割合(澱粉/粗蛋白含有比率)が
0.5〜2.0であることを特徴とするものであり、こ
の条件とを同時に満足しないと、本発明の目的を達
成することが出来ない。
【0030】そこで、先ず、本発明の栄養源の必須の構
成要件である、上記の条件とについて、以下説明す
る。
【0031】(1) 条件(栄養素材)について (イ)小麦ふすま、及び小麦に由来する栄養素材 小麦ふすまの使用量は、栄養源に含まれる小麦ふすま量
として20%以上、好ましくは40%以上にするのがよ
い。
【0032】小麦ふすまの外、小麦に由来する栄養素
材、例えば、小麦粉、全粒粉、小麦澱粉、小麦胚芽(生
胚芽、焙煎胚芽)又は小麦胚芽油等を併用してもよい。
【0033】(ロ)小麦以外の農産物に由来する栄養素
材 上記の小麦以外の他の農産物に由来する栄養素材の農産
物としては、大豆、トウモロコシ、菜種、米、大麦、ラ
イ麦、オーツ麦、小豆、エンドウ豆、ヒマワリ種、綿
実、ジャガイモ、サツマイモ、サトウキビ、ビート、ト
マト、ミカン等々が挙げられる。
【0034】これらの農産物に由来する栄養素材となる
加工産物としては、例えば、大豆粕、大豆皮、大豆蛋
白、大豆胚軸、大豆粉、オカラ、大豆油、大豆油滓(抽
出油滓、ソーダ油滓)、コーン皮(コーンファイバ
ー)、コーンブラン、コーンジャーム、コーンジャーム
粕、コーングルテンフィード、コーングルテンミール、
コーンスターチ、コーン油、コーン油滓(抽出油滓、ソ
ーダ油滓)、菜種粕、菜種油、菜種油滓(抽出油滓、ソ
ーダ油滓)、米粉、米糠、米油、ビール粕、ウイスキー
粕、水飴、異性化糖、オリゴ糖、葡萄糖、ジャガイモ
皮、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ビート粕、ミカン皮、
ミカン搾粕、酒粕等々が挙げられるが、これらのものを
二種以上用いてもよい。
【0035】上記の栄養素材の中で、特に大豆の加工産
物である大豆皮を使用すると、収穫量(発生量や平均個
重)の点で更に有利なキノコ栽培を実現できる。
【0036】大豆皮には、水溶性ヘミセルロースが多く
含まれるが、この水溶性ヘミセルロースは、キノコ菌糸
の培養時に比較的利用され易い炭素源になり得ると考え
られる。また、大豆皮を配合することで、比較的利用さ
れにくい難溶性ヘミセルロースを水溶性ヘミセルロース
に置き換えられるので、キノコ栽培に有利に働くと推察
される。更に、大豆皮は、小麦ふすまや米糠に比して保
水性に優れている。この優れた保水性も、キノコ栽培を
良化させる一つの要因であると考えられる。
【0037】また、同様に大豆の加工産物である乾燥オ
カラは、大豆皮と同様に、水溶性ヘミセルロースが多く
保水性に優れているので、このものも、大豆皮と同様の
効果が期待できる。
【0038】このように、本発明の特徴の一つは、栄養
素材として、上記の栄養素材(イ)と栄養素材(ロ)と
を併用することにある。
【0039】(2) 条件(澱粉/粗蛋白含有比率=
0.5〜2.0)について 本発明者らは、従来の栄養源の指標である、NFE/粗
蛋白比が同程度の値であっても、澱粉/粗蛋白含有比率
の違いによってキノコの収穫量(発生量や平均個重)に
差を生じることを発見し、栄養源の良否を決める指標と
して優れていることを知った。
【0040】そこで、この点について探求したところ、
良質なキノコを高収量で得るためには、澱粉/粗蛋白含
有比率が0.5〜2.0、好ましくは0.5〜1.5に
調整する必要があることが分かった。
【0041】このように、本発明の特徴の二つ目は、栄
養源の栄養成分である澱粉と粗蛋白質の割合(澱粉/粗
蛋白含有比率)を特定の値(0.5〜2.0)にした点にあ
る。
【0042】以上のように、本発明では、栄養源とし
て、上記の条件及びを満足するものを調製すれば、
キノコ栽培に最適なものを得ることが出来る。
【0043】(3) その他 栄養源の澱粉/粗蛋白含有比率を特定の値とする際に、
澱粉量を調節する素材としては、全粒粉、小麦粉、小麦
澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、サゴ澱粉、及び各
種加工澱粉が有効である。
【0044】また、本発明の栄養源には、澱粉/粗蛋白
含有比率が0.5〜2.0の範囲であれば、農産物に由
来する栄養素材以外の素材を混ぜて使用することができ
る。このような素材としては、水畜産物・畜産加工品の
製造で発生する産物がある。具体的には、畜肉、畜乳、
畜乳加工品、畜肉加工残渣(骨破砕物、骨粉など)、鶏
卵、卵殻、魚肉、魚油、魚粉等々が挙げられる。
【0045】(B) キノコの栽培方法 キノコの栽培方法としては、通常の方法を使用すればよ
い。例えば、培地基材と本発明の栄養源、必要により、
その他の添加剤等を混ぜた培地を菌床として用いる方法
が挙げられる。
【0046】培地基材として、通常のものが使用可能で
あり、特に限定されない。例えば、オガ屑(オガ粉、オ
ガチップ)、コーンコブミール(破砕したコーンコ
ブ)、籾殻などが使用できる。勿論、これらの内の2種
以上を混ぜて使用することも可能である。更に、培地の
骨格を形成できるものであれば、ガラスビーズ等の化成
品を使用することもできる。
【0047】具体的な培養法としては、例えば、培地基
材、栄養源、水を混合して得た培地を、容器に充填して
(水分:60%前後)、高温高圧殺菌し、殺菌処理された
菌床に種菌を接種し、その後、常法に従って、所定の温
度(5〜28℃)と湿度(60〜100%)を維持しながら培養
する方法等が挙げられる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0049】なお、以下の実施例等において、「%」と
あるのは、特に断りのない限り、「重量%」を意味す
る。
【0050】
【実施例】(栄養源の調製)各種の農産物由来の栄養素
材を配合して、以下の表1〜3に示す組成を有する栄養
源1〜14を調製した。尚、澱粉量を調節するため、小
麦粉には澱粉含量の異なる下級粉と上級粉を適当な割合
で使用した。
【0051】(1)表1は、栄養源1〜4の組成を示す
ものであって、比較例1〜5に使用した。
【0052】
【表1】 (2)表2は、栄養源5〜8の組成を示すものであっ
て、実施例1〜4(シイタケ栽培)に使用した。
【0053】
【表2】 (3)表3は、栄養源9〜14の組成を示すものであっ
て、実施例5〜10(ナメコ栽培)に使用した。
【0054】
【表3】
【実施例1〜4】及び
【比較例1〜2】(シイタケ栽培)栄養源として、実施
例1〜4は栄養源5〜8を、比較例1〜2は栄養源1〜
2を、それぞれ使用して、以下のような栽培法によって
シイタケ栽培を行った。
【0055】オガ屑 0.9 m3、オガチップ(散水放置
によって水分吸収させたオガチップ) 0.9 m3、栄養
源 100 kg、水 165 kgを混合し、約3 kgの混合
物をガゼット型ポリ袋に詰めた。そして、加熱殺菌(培
地温度120 ℃で約2時間)を施した後、北研600号
((株)北研)を接種した。培養は18〜20℃で123
日間行った。培養終了後、10〜13℃にて約30日間
発生させた。収穫後、収穫量(発生量)を測定し、ま
た、発生個数から平均個重を求めた。
【0056】得られたシイタケ栽培の結果は、表4に示
す。
【0057】
【表4】 NFE(可溶性無窒素物)%=100-{水分(%)+灰分
(%)+蛋白(%)+脂肪(%)+繊維(%)} なお、表中の蛋白とは、粗蛋白質のことである。
【0058】
【実施例5〜10】及び
【比較例3〜5】(ナメコ栽培)栄養源として、実施例
5〜10は栄養源9〜14を、比較例3、4、5は栄養
源1、3、4を、それぞれ使用して、以下のような栽培
法によってナメコ栽培を行った。
【0059】オガ屑 2.3 kg、栄養源0.6 kg、水
3.1 kgを混合し、800 ccのポリ瓶に約450 gの
混合物を充填した。そして、加熱殺菌(121℃、90分
間)を施した後、日本調温(株)が保有する種菌KN2
45−津南(KN245と津南から分離した菌の交配種)を
接種した。培養は18〜20℃で65日間行った。培養
終了後、13〜16℃にて30日間発生させた。収穫
後、収穫量(発生量)を測定し、また、発生個数から平
均個重を求めた。
【0060】得られたナメコ栽培の結果は、表5に示
す。
【0061】
【表5】 NFE(可溶性無窒素物)%=100-{水分(%)+灰分
(%)+蛋白(%)+脂肪(%)+繊維(%)} なお、表中の蛋白とは、粗蛋白質のことである。
【0062】ところで、上記の表4及び表5の栄養体の
成分分析は、以下の方法により行った。
【0063】1)可溶性無窒素物(NFE)は、水分
(乾燥減量法)、灰分(灰化法)、粗蛋白質(ケルダー
ル法)、脂肪(酸分解抽出法)、繊維(静置法)の測定
値の総和を100から減じることで求めた。
【0064】2)粗蛋白質はケルダール法によって測定
した。窒素換算係数は6.25を用いた。
【0065】3)澱粉はTOTAL STARCH ASSAY KIT(日本
バイオコン(株))を用いて測定した。
【0066】まず、アミラーゼ及びグルコシダーゼによ
って試料中に含まれる澱粉をグルコースに分解する。次
に、得られたグルコースをグルコースオキシダーゼ法で
定量する。そして、グルコース量に0.9を乗じた値を
澱粉量とした。
【0067】以上の表4及び表5の結果から、以下のこ
とが分かった。
【0068】(1)2種以上の農産物由来の栄養素材、
即ち、小麦に由来する栄養素材と少なくとも1種類の他
の農産物に由来する栄養素材との配合物からなるものを
使用して、栄養源の澱粉/粗蛋白含有比率を0.5〜
2.0、好ましくは0.5〜1.5に調整することで、
キノコ菌床栽培において高い発生量と高い平均個重が得
られた。
【0069】(2)澱粉/粗蛋白含有比率が0.5〜
2.0の範囲にあっても、単一の農産物由来の栄養素材
(小麦ふすまのみ)を栄養源とした場合には、キノコの
発生量は低かった。
【0070】(3)NFE/粗蛋白含有比率の値に関わ
らず、澱粉/粗蛋白含有比率が0.5〜2.0の範囲に
ない栄養源を使用した場合には、キノコの発生量または
平均個重は低く、逆に、澱粉/粗蛋白含有比率が0.5
〜2.0の範囲にある栄養源を使用すれば、キノコの発
生量または平均個重は高かった。
【0071】(4)澱粉/粗蛋白含有比率が0.5〜
2.0の範囲にあって、小麦ふすま含量が20%以上で
ある栄養源は平均個重の点で有利であった。また、小麦
ふすま含量が40%以上である栄養源は発生量と平均個
重の点で更に優れていた。
【0072】以上のことから、小麦ふすま、及び少な
くとも1種類の他の農産物に由来する栄養素材との混合
物からなるもの、該混合物中の澱粉と粗蛋白質の割合
(澱粉/粗蛋白含有比率)が0.5〜2.0であるとい
う、条件及び条件を同時に満足すれば、その相乗効
果により、優れた特性を有するキノコ栽培用栄養源が得
られることが分かる。
【0073】
【発明の効果】本発明は、栄養素材それ自体としては、
通常の農産物に由来する加工産物を使用したにもかかわ
らず、その組み合わせと澱粉/粗蛋白含有比率の調整に
より、安定して良質のキノコを高収量で得ることが出来
るという意外な効果を奏する点で、極めて価値が高いも
のである。
【0074】また、本発明は、栄養源の栄養素材とし
て、農産物の加工副産物を利用できるものであるが、こ
れらの素材は安価であるので、コスト面からみて有利で
あるばかりでなく、資源の有効利用の面からも、価値が
高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 朋子 千葉県船橋市日の出2丁目20番2号 昭和 産業株式会社総合研究所内 (72)発明者 木村 宏樹 東京都千代田区内神田2−2−1 昭和産 業株式会社内 Fターム(参考) 2B011 BA06 BA07 BA13 GA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦ふすま、及び少なくとも1種類の他
    の農産物に由来する栄養素材との配合物からなるもので
    あって、該配合物中の澱粉と粗蛋白質の割合(澱粉/粗
    蛋白含有比率)が0.5〜2.0であることを特徴とす
    るキノコ栽培用栄養源。
  2. 【請求項2】 小麦ふすまが20%以上含有されるもの
    である請求項1記載のキノコ栽培用栄養源。
  3. 【請求項3】 他の農産物に由来する栄養素材が、大
    豆、トウモロコシ、菜種又は米の加工産物である請求項
    1又は2記載のキノコ栽培用栄養源。
  4. 【請求項4】 大豆の加工産物が、大豆皮又はオカラで
    ある請求項3記載のキノコ栽培用栄養源。
  5. 【請求項5】 培地基材と請求項1、2、3又は4記載
    のキノコ栽培用栄養源を混合した培地を菌床として用い
    ることを特徴とするキノコ栽培方法。
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