JP2001296961A - 入力装置 - Google Patents

入力装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力装置がシートから離れてもその位置を計
測可能な入力装置を提供することである。 【解決手段】 格子模様パターン103を有するパッド
101と、パッド上を移動されるペン型入力装置104
と、ペン型入力装置の位置を検出する検出装置105,
106とよりなり、検出装置は、シートから得られる光
学情報から格子模様パターンを読み取ることによってペ
ン型入力装置の位置を検出する格子模様読取装置105
と、ペン型入力装置の加速度及び角速度を検出すること
によってペン型入力装置の位置を検出するペン先位置計
測装置106とよりなる構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置情報の入力装
置に係り、特に、マウスなどのコンピュータ用の座標入
力装置、電子文具装置等のコンピュータへ位置情報の入
力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの高度化、ネットワ
ークの高速化に伴いさまざまな書類の電子化が進み、そ
の分量も増加している、電子化された情報の表示は基本
的にCRTやLCDなどのディスプレー装置で行われ
る。しかしながら、未だにディスプレー装置の解像度は
紙等の印刷物には及ばず、またディスプレー装置では、
複数ページにわたる書類全体を一覧することは、複数の
ディスプレー装置を使わない限り不可能である。すなわ
ち、一覧性が劣る。
【0003】これらの理由から、ペーパーレス化への要
求にしたがって利用されている電子化された書類も、い
ったん紙に印刷されているのが現状であり、紙の使用量
の増加の原因となっている。一方、書類を電子化するた
めにコンピュータへ入力することを考えると、紙とペン
を利用した記入インタフェースは、長く人間が慣れ親し
んだものであるため、コンピュータ化が進んだ今日で
も、キーボードやマウスによる入力に対して依然として
大きな利点をもちつづけている。
【0004】上記のように容易な一覧性、慣れ親しんだ
記入のしやすさなどの、表示、入力に関する紙が持つ長
所によって、書類処理の電子化が進んだ今日においても
なお、紙を用いた業務は減少せず、紙の使用量はむしろ
増加し、紙による印刷物の書類と電子化された書類とを
結びつける機器の重要性はますます増加している。
【0005】こうした要求に応えるためには紙とペンに
よるインターフェースを用いて、電子情報を扱える装置
が必要である。そうした装置には、紙と同等の表示品質
を持つ表示装置と、ペンを用いた筆記動作を記録する座
標検出装置が必須であり、それらを紙、ペンと同程度の
薄さ、軽さにすることが必要である。
【0006】こうした要求に対し、従来、いわゆるペン
ベースコンピュータと呼ばれるものが存在する、これは
紙を使用せず、コンピュータの表示部であるLCDの上
に座標入力装置である透明パッドを重ねあわせたもので
あり、パッドから得られた座標に従い、入力点をLCD
の画面に直接表示するものである。この方法は特に表示
装置のコストが高価なものとなり、またLCDはガラス
板などを用いるものが多いために、重く、また非常に壊
れ易いものである。
【0007】またLCDによる表示には電力を必要とす
るが、携帯型の情報機器として電池によって駆動するこ
とを考えると、電力の消費を押さえる目的で、常時表示
は行わないことが一般的である。そのため簡単な書類を
閲覧する場合にも、いちいちシステムを立ち上げる必要
があり、少なくとも数十秒程度の起動時間が余分に必要
とされる。
【0008】また前述したようにLCDの解像度、一覧
性は未だ印刷物に比べて著しく劣るものであり、ペンベ
ースコンピュータの表示解像度、一覧性は印刷物に比べ
て劣る。また、LCD,透明パッドをもつペンベースコ
ンピュータは、紙と同様の1mm以下の厚さに形成する
事は不可能である。
【0009】紙とペンを用いた業務のコンピュータ化へ
の別の試みとして、紙にパターンを印刷し、ペン先に設
置した光学装置を用いてパターンを計測し、ペンの動き
を読み取る光学式座標入力装置が提案されている(例え
ば特開平5−274082号公報および特開平6−10
2991号公報)。
【0010】この従来例は、ペンに設置された光学セン
サがパッドに印刷された等間隔の直線からなる格子模様
を構成する直線を通過する回数をカウントしパッド上の
ペンの動きを検出するものであり、パッドとペンが接触
している間のぺンの動きを検出することが出来る。
【0011】また、ほかの従来例として、パッドに、パ
ッドの絶対座標に応じたインク濃度でパターンを印刷
し、パッド面上の反射率をペンに備えられた受光素子に
よって計測し、インク濃度を検出することで絶対座標を
検出する光学式座標入力装置が提案されている(例えば
特開平8−36452号公報)。
【0012】また、他の従来例として、ペン型の筆記装
置自体にペン先の座標を検出する位置センサを設置し、
ペン先の移動軌跡を計測することで筆記にかかわる絶対
座標を検出する位置センサ式座標入力装置が考案されて
いる(例えば特開平9−230997号公報)。位置セ
ンサとしてはそれぞれ3方向の加速度センサ、角速度セ
ンサをもちい、それぞれの出力を積分することで3次元
空間内のペン先の動きを計測するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記紙にパターンを印
刷しペン先に設置した光学装置を用いてパターンを計測
しペンの動きを読み取る光学式座標入力装置では、筆記
中にペンがパッド上を離れた場合にはペンの移動を検出
出来ないため、いったんペンがパッドを離れた後に、再
びパッドに接触した場合、新しい点の位置がどこにある
のかを判定することが不可能であり、パッド上の任意の
位置を入力することが出来ないという問題点があった。
【0014】こうした欠点を解決するためには、ペンが
パッド上のどの位置にあるのかを検出する必要があり、
パッド上の絶対座標を検出する必要がある。絶対座標を
検出することによってペンが空中を移動したときにも、
新たに筆記をはじめる点の座標を取得することによって
ペンが空中移動する前に筆記した点との関係を正しく取
得することが出来ることになる。
【0015】上記の、パッドに、パッドの絶対座標に応
じたインク濃度でパターンを印刷し、パッド面上の反射
率をペンに備えられた受光素子によって計測し、インク
濃度を検出することで絶対座標を検出する光学式座標入
力装置では、インク濃度を正確に検出する必要がある。
しかし、パッド表面の状態は利用状態によって著しく変
動し、また周囲の照明条件も大きく変動するため、イン
ク濃度の正確な計測は困難であった。
【0016】また、上記の、ペン型の筆記装置自体にペ
ン先の座標を検出する位置センサを設置し、ペン先の移
動軌跡を計測することで筆記にかかわる絶対座標を検出
する位置センサ式座標入力装置では、上述の如く、位置
センサとして、それぞれ3方向の加速度センサ、角速度
センサをもちい、それぞれの出力を積分することで3次
元空間内のペン先の動きを計測する構成である。しかし
ながら、現在入手しうる同種のセンサーは、人間の筆記
動作などの小さな動きを検出するために十分な精度をも
たず、また信号処理に積分操作を必要とするため、小さ
な計測誤差が大きな座標誤差を生じてしまうため、正確
な筆記軌跡を計測することは困難であった。
【0017】上記既存技術の欠点をまとめると以下の通
りである。
【0018】光学式の座標入力装置では、軌跡を正確に
入力出来るが相対座標のみ入力可能であり、ペンの空中
移動の際の座標入力は出来ない。
【0019】他方、位置センサーを用いた座標入力装置
では、ペンの空中移動の際の座標を入力することは出来
るが、現在の技術では誤差が大きい。
【0020】本発明は、以上に述べた従来技術の座標入
力装置の欠点を補い、ペンと紙によるインターフェース
の態様を保持しながら、確実なコンピュータへの座標入
力を行うことが出来る入力装置を提供することを目的と
する。
【0021】また、筆記装置に備えられた位置センサか
らの出力の補正を適宜おこなうことで、紙とペンによる
自然なインターフェースの形態を保持しながらコンピュ
ータへの情報の入力を行って電子化された書類を作成
し、コンピュータを利用した書類処理を可能にする装置
を提供することを目的とする。
【0022】更に具体的には、光学式マウスと同様の座
標入力装置において、マウスをパッド表面から離した場
合にも座標を入力することを可能にした入力装置を提供
することを目的とする。
【0023】また、上記入力装置において、より精度の
高い座標入力を可能にした入力装置を提供することを目
的とする。
【0024】また、上記入力装置において、絶対座標に
基づいた筆記軌跡を検出することを可能にした入力装置
を提供することを目的とする。
【0025】また、上記入力装置において、入力したシ
ート上の書類番号などを識別することを可能にし、これ
により筆記した軌跡と共に、どの書類に対して筆記した
かを識別することを可能にした入力装置を提供すること
を目的とする。
【0026】また、上記入力装置において、安定して書
類番号を識別することを可能とし、また、筆記した軌跡
と共に、どの書類に対して筆記したかを識別することを
可能にした入力装置を提供することを目的とする。
【0027】また、上記入力装置において、シートへの
自由な筆記を可能にした入力装置を提供することを目的
とする。
【0028】また、上記入力装置において、ペンと紙の
使い勝手を維持しながらコンピュータへ容易に入力する
ことを可能にした入力装置を提供することを目的とす
る。
【0029】また、上記入力装置において、入力装置を
コンピュータとは別に単独で用いることを可能とし、さ
まざまな場所で使うことを可能にした入力装置を提供す
ることを目的とする。
【0030】また、上記入力装置において、入力用シー
トを繰り返し利用可能にすることで、より安価な座標入
力装置を提供することを目的とする。
【0031】また、上記入力装置において、入力用シー
トを多色表示可能とすることで使い勝手を良くした入力
装置を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載に本発明
は位置情報を入力するための装置であって、互いに交差
する二方向に夫々平行且つ等間隔に並んだ直線よりなる
格子模様パターンを有するシートと、シート上を移動さ
れる移動装置と、移動装置の位置を測定する検出装置と
よりなり、検出装置は、シートから得られる光学情報か
ら格子模様パターンを読み取ることによって移動装置の
位置を測定する第1の検出手段と、移動装置の加速度及
び角速度を検出することによって移動装置の位置を測定
する第2の検出手段とよりなる入力装置である。
【0033】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の入力装置において、検出装置は更に、第1及び第2
の検出手段の出力の差を算出し、その差情報に基づいて
第2の検出手段の出力を補正する補正手段よりなる。
【0034】請求項3に記載の本発明は、請求項1また
は2に記載の入力装置において、シートは更に基準点を
有し、検出装置は基準点からの座標を計測する構成であ
る。
【0035】請求項4に記載の本発明は、請求項3に記
載の入力装置において、基準点が書類を識別する記号よ
りなる構成である。
【0036】請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至
4のうちのいずれか一項に記載の入力装置において、格
子模様パターンが不可視な構成である。
【0037】請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至
5のうちのいずれか一項に記載の入力装置において、シ
ートが、熱エネルギーによって可逆的にその光学特性が
変化し、可視情報の記録及び消去が可能な可逆性記録層
を有する構成である。
【0038】
【発明の実施の形態】以下図面を使用しながら本発明の
一実施例について説明する。
【0039】図1は本発明の一実施例のペン型入力装置
の概略を示す図であり、図2はそのブロック図である。
【0040】101は薄いプラスチックのシートや紙に
よって構成されたパッド(またはシート)である。この
パッド101上には、ワードプロセッサによる文章や図
や手書き文字など102が目視可能な可視インクによっ
て適宜印刷または手書きされる。
【0041】またパッド101には、互いに直交し等間
隔に平行して配置された直線からなる格子模様103
が、人間には不可視の所定の光学的波長における光学的
特性が下地とな異なるインク(不可視インク)によって
印刷されている。
【0042】117は座標計測の基準点を表す記号であ
り、かつ書類を識別するためのバーコードである。11
8は座標計測の基準点を表す記号である。
【0043】104は一般的なペンと同様の外観を持
ち、その先端に、パッド101上の格子模様103を光
学的に読み取る格子模様読取装置105と、ペン先11
4の位置を検出することの可能なペン先位置計測装置1
06とを備え、一般的なペンと同様にパッド101に対
して実際に筆記することが可能なペン型入力装置であ
る。このようにペンと同様の外観を持たせるようにした
ことによって、紙とペンの使い勝手を維持しながら、自
然にコンピュータヘ情報を入力出来る装置を提供するこ
とが出来る。
【0044】格子模様読取装置105は、公知の光学式
マウスと同様の原理によって、ペン型入力装置104の
ペン先114がパッド101上にある場合はその移動軌
跡を正確に計測することが出来るが、そのペン先114
がパッド101から離れた場合はその移動を計測するこ
とは出来ない。
【0045】一方、ペン先位置計測装置106は加速度
センサと角速度センサを用いて3次元空間の移動を計測
する装置であり、ペン型入力装置104のペン先114
がパッド101上にない場合にもその位置を計測するこ
とが出来るが、一般的にその位置計測精度は上記格子模
様読取装置105に比べると劣る。
【0046】107はペンダウン検出装置であり、ペン
型入力装置104のペン先114がパッド101に接触
しているかどうかを検出する。108はペン先位置計測
装置補正装置であり、109は補正係数記憶装置であ
る。110は計測された筆記軌跡データを記憶するデー
タ記憶装置である。111は記憶されたデータをホスト
コンピュータ116に転送するデータ転送装置(データ
通信装置)である。112はこれらの装置を駆動制御す
るデータ処理装置である。
【0047】これらは図示されていない電源から電力を
供給されることによって動作する。114は、ペン型入
力装置104によってボールペンや鉛筆などと同様に筆
記が可能なように構成されたペン先である。
【0048】上記のペン型入力装置104の各構成要素
は、一般的なペンと同様の外観をもつ筒型の筐体115
に収められている。
【0049】また、格子模様読取装置105は、書類識
別記号117がバーコードである場合、同時にバーコー
ド読取装置としても機能する。機能の切り替えはデータ
処理装置112によって、ユーザーが意識することな
く、適宜、自動的に行われる。118は117同様に座
標計測の基準点として用いられる基準座標記号であり、
格子模様読取装置105によって読み取ることが出来る
模様である。ユーザーは筆記記録を開始する際に基準座
標記号117あるいは118を格子模様読取装置105
によって検出させる。
【0050】なお、図1では、パッド101上の格子模
様103は、パッド101上になされた目視可能な印刷
または筆記文字等102が見易いようにその一部のみを
示しているが、実際にはパッド101の全面に亘って印
刷されており、ワードプロセッサによる文章など102
がその上に重畳している。
【0051】また、格子模様103は実際には目視不可
能な不可視インクによってパッド101上に印刷されて
いるが、図1ではわかりやすいようにあたかも目視可能
なように示している。
【0052】図3は格子模様読取装置105によって計
測された数字「4」の筆記軌跡(図中実線)とペン先位
置計測装置106によって計測された筆記軌跡(図中破
線)の概略を示す図である。
【0053】ペンダウン(ペン先114がパッド101
に接触している状態、以下同様)時のペン先114の軌
跡は格子模様読取装置105によって計測し、ペンアッ
プ(ペン先114がパッド101から離間している状
態、以下同様)時の軌跡はペン先位置計測装置106に
よって計測する。ただし、その誤差を補正するためにペ
ンダウン時にもペン先位置計測装置106は計測を行
う。
【0054】ペンダウン時の軌跡(図中太線)は、格子
模様読取装置105とペン先位置計測装置106との両
方を用いてペン先114の座標を計測した結果得られた
ものである。
【0055】このとき、ペン先位置計測装置106によ
って計測された軌跡はその誤差が大きいため、格子模様
読取装置105を用いて計測された軌跡によってその誤
差(図中丸で囲んだ部分)を補正する。
【0056】ペンアップ時のペン先114の移動軌跡は
ペン先位置計測装置106を用いて計測し(図中細
線)、もって再びペンダウンしたとき筆記の開始位置を
特定する。
【0057】2画目の筆記軌跡も同様に格子模様読取装
置105とペン先位置計測装置106との両方を用いて
計測される。このとき、1画目の筆記においてペン先位
置計測装置106の誤差を補正しているため、2画目の
誤差は小さくなる。
【0058】図4は上述のペン型入力装置104の動作
を示すフローチャートである。
【0059】この動作は、データ処理装置112によっ
て各構成要素が動作制御されることによって実行され
る。
【0060】ユーザーがスイッチを入れるとペン型入力
装置104はペン先114の移動軌跡の測定を開始する
(ステップ01〜11)。
【0061】初期化を除く測定サイクル(ステップ02
〜11)は所定の間隔で周期的に実行される。
【0062】まず、ステップ01では、ペンダウン検出
装置107によってペン先114がパッド101に触れ
たかどうかが検出される。
【0063】次にステップ02では、ペンダウンが検出
された場合、格子模様読取装置105が動作され、これ
によってペンダウンした位置に基準点記号が書きこまれ
ているかどうかが判断される。
【0064】この基準点記号の判断は、基準点記号がバ
ーコード(117)である場合、格子模様読取装置10
5によって読み取られたパターンがバーコードであるか
否かによって判断される。
【0065】つまり、バーコードはそれを構成する線の
太さを異ならせることによって記号をコード化している
が、他方格子模様103を構成する線はいずれも同じ太
さであるため、格子模様読取装置105によって読み取
られた直線の太さが異なる場合、それらが基準点記号の
ものであると判断される。
【0066】ステップ03では、ペンダウンした位置に
基準点記号が書き込まれていた場合その位置を基準点と
し、それ以降に計測される筆記軌跡の開始の座標を原点
とする。
【0067】なお、この基準点記号がバーコード(11
7)である場合、バーコードの読み取り終了座標を基準
点とし、そのバーコードが表す書類番号を記憶、保存す
る。このように、筆記の際にバーコードを読み取るよう
にすることによって、現在筆記しようとしている書類
を、このような筆記動作によって入力された筆記情報が
対応するものとして後程確実に識別することが可能とな
る。
【0068】ステップ11では、読み取られたパターン
が基準点記号ではなかった場合、すでに計測された軌跡
の終端点の座標を、以降に計測される筆記軌跡の開始点
の座標とする。
【0069】ステップ04では、筆記軌跡の開始点の座
標が定められた後、格子模様読取装置105とペン先位
置計測装置106とによって同時に筆記軌跡の座標が計
測される。
【0070】格子模様読取装置105による計測は、公
知の光学式マウスと同様の処理によって行われる。
【0071】格子模様読取装置105はパッド101上
の格子模様103を構成する直線を横切るとき、その表
面の反射光の強度変化を検出することによって、移動に
よって横切った、格子模様103を構成する直線の数を
カウントすることが出来る。このとき、格子模様103
を構成する直線の間隔はあらかじめ一定に印刷されてい
るため、カウントされた格子模様を構成する直線の数と
格子模様を構成する直線間の間隔とを掛け合わせること
で、その筆記動作による移動距離を計測することが出来
る。この原理は、光学式マウスの軌跡計測方法として公
知のもので良い。
【0072】このときペン先位置計測装置106によっ
てもペン先114の筆記動作が検出される。
【0073】この場合の検出方法は、加速度センサ、角
速度センサを用い3次元空間内の並行移動、回転移動を
計測する方法であり、この方法としては、例えばカーナ
ビゲーションシステムや航空機の航法システムに用いら
れている方法等の公知の方法を使用することが出来る。
【0074】ステップ05では、上述の筆記軌跡の測定
サイクルが終了すると、軌跡の終端点が記憶され、次の
測定サイクルのステップ11において次の測定サイクル
の軌跡の開始点として利用される。
【0075】次にステップ06では、ペン先位置測定装
置106の測定誤差が測定され補正される。このときペ
ン先位置計測装置106によって計測された軌跡と格子
模様読取装置105によって計測された軌跡とが互いに
比較され、もってペン先位置計測装置106の測定誤差
が測定され、その補正が行われる。
【0076】ペン先位置計測装置106によって計測さ
れた値は、格子模様読取装置105によって計測された
値を真値としてペン先位置計測装置補正装置107によ
って補正され、同時に算出された補正係数は補正係数記
憶装置108に記憶される。またパッド101を離れた
ペン先114(ペンアップ時)の動作はペン先位置計測
装置106によって検出される。
【0077】検出されたペンアップ時の移動軌跡はデー
タ記憶装置110に記憶される。
【0078】次に位置計測装置補正装置108によっ
て、ペン先114がパッド101上を移動したときに算
出・記憶された補正係数が補正係数記憶装置109から
読み出され、これによってペンアップ時に検出された位
置情報が補正される。補正された軌跡は、データ記憶装
置110に記憶される。
【0079】上述の測定サイクルが終了すると次の測定
サイクルが開始されるが、ステップ07では、測定サイ
クルの最初にペンアップか否かが測定される。
【0080】ペンダウンの場合は再びステップ02に戻
り測定サイクルが実行される。
【0081】ペンアップの場合、ペン先114は空中に
あり、ステップ08ではペン先位置測定装置106によ
ってペン先114の空中移動の軌跡が測定される。この
ときの測定方法は上記ステップ04におけるものと同様
である。ここで得られたペンアップ時の位置情報は上述
の如くに補正される。
【0082】ステップ09では、ペンアップの場合も測
定サイクルが終了すると軌跡の終端点が記憶され、ステ
ップ11において次の測定サイクルの軌跡の開始点とし
利用される。
【0083】上述の測定サイクルが終了すると次の測定
サイクルが開始されるが、ステップ10では、最初にペ
ンダウンか否かが測定される。
【0084】以上のステップ02〜11までの測定サイ
クルは周期的に行われるが、その周期は、人間の筆記速
度に十分追随する程度に短いものであり、通常1KHz
程度の測定頻度で実行されることが望ましい。
【0085】また測定サイクルを通じてデータ記憶装置
110に記憶された筆記動作・軌跡は適宜データ転送装
置110によってホストコンピュータ116に転送さ
れ、利用される。
【0086】書類番号が記憶されているとき、それは同
時にホストコンピュータ116に送られ、書類番号に応
じた電子化された書類がホストコンピュータ116内で
読み出され、その電子化された書類に、対応する筆記軌
跡が記入される。
【0087】また、読み取られた基準点記号がバーコー
ド(117)であった場合、その読み取り座標点を基準
点とするが、バーコードは、ある一定の幅と高さを持つ
ため、読み取り基準点が位置誤差を含む(図15)。こ
のような誤差を低減するために、バーコード117とは
別に基準点記号118を設け、バーコード117を読ま
せると同時に基準点記号118を読ませるようにするこ
とで座標計測の基準点の位置誤差を低減することが出来
る(図16)。
【0088】このようにして、ユーザーが紙と同様に薄
いパッド101上に実際に筆記することによってペン型
入力装置104に入力され蓄えられた筆記軌跡が、コン
ピュータ116に転送され、その情報が電子化される。
こうした一連の動作はユーザーによって意識されること
なく実行されるため、紙とペンによるインターフェース
の形態を保ったまま、筆記などによるの情報入力を行う
ことが出来る。
【0089】次に、本発明の一実施例のそれぞれの構成
要素について詳しく説明する。
【0090】構成要素は大略3つあり、第一の構成要素
は、筆記動作を行う対象であるパッド、あるいは紙状の
シート101である。第2の構成要素はパッドあるいは
シート101に対する筆記動作を測定、記憶するペン型
入力装置104である。第3の構成要素はペン型入力装
置104に記憶された筆記軌跡を処理、利用するにあた
って用いられる付属装置である。
【0091】まず、第1の構成要素であるパッドあるい
は紙状のシート101について説明する。
【0092】このパッドまたはシート101上に印刷さ
れる格子模様103は、上述の如く、互いに直交し、等
間隔で平行に並んだ直線からなる。
【0093】この格子模様103は、予め工場などから
の出荷時にパッドまたはシート101上に印刷されてい
ても良いし、あるいはユーザーが利用するにあたってプ
リンタなどを用いて印刷することも可能である。
【0094】また、格子模様103とは別に、ワードプ
ロセッサによる文書や描画ソフトによる図などが予め目
視可能なインクで印刷されていても良い。
【0095】また、格子模様103は、互いに交差する
2方向に平行に直線が配置,印刷されていればよく,そ
の方向は必ずしも互いに直角である必要はなく、またパ
ッドまたはシート101の辺と平行である必要もない。
【0096】但し、格子模様103を構成する直線間の
間隔は等間隔である必要がある。
【0097】パッドまたはシート101の表面には、上
記の如くの格子模様103が、紙やプラスチック製のパ
ッドまたはシート101の下地と明らかに異なる光学的
特性を持つインクで印刷される。
【0098】ここでインクの光学的特性とは、反射率や
吸収率、蛍光特性である。ここで赤外線や紫外線などの
不可視領域の波長に対して高い反射率や吸収率を有し、
可視波長に対して透明なインクを用いることによって、
可視インクによる筆記や印刷を妨げることなく格子模様
103を印刷することが出来る。
【0099】このような構成とすることによって、ユー
ザーは格子模様103に妨げられることなく、通常のイ
ンクで筆記した場合と同様に自分が筆記した軌跡を読み
取ることが出来、もって本発明の利便性をより高めるこ
とが出来る。
【0100】こうした不可視インクの材料としては、紫
外波長の場合、例えばRhodamine(ローダミン)などを
使用することが出来る。
【0101】ローダミンは近紫外線に対して蛍光特性を
持っ物質であり、これによって、紫外線を照射すると赤
や青の蛍光色を発するが、可視光に対しては透明や白色
を示すインクを構成することが出来る。
【0102】また、赤外波長の場合、例えば日立マクセ
ル製のステルスインクを用いることが出来る。
【0103】この物質は赤外波長に対する蛍光特性を有
するため、赤外線が照射されることにより、赤外線を蛍
光として発生する。
【0104】以下の例の説明においては格子模様103
を印刷するために用いるインクは赤外線蛍光特性を持つ
ものとして記述するが、インクの特性としては前記のよ
うに下地とインクの光学特性が、検出可能な程度異なっ
ていればよく、ステルスインクに限らず他のインクを用
いることも可能である。
【0105】パッドまたはシート101は、例えばプラ
スチック製のシートや普通紙などのベースにインクで格
子模様103を印刷することによって得られる。
【0106】これらのベースとして用いられる材料は紙
と同様に筆記動作が容易な、軽量で薄型のものであれば
良い。
【0107】また、ペン型入力装置104が筆記可能な
ペン先114を持つ場合、それに応じた表面の特性をも
つ。
【0108】その下地は紙と同様白色であることが望ま
しいが,必ずしも白色でなくてもよい。
【0109】また、前記の格子模様103は必ずしも表
面にある必要はなく、表面に透明な保護層をもち、パッ
ドまたはシート101の中間層に格子模様103が印刷
されていても良い。
【0110】ここで、パッドまたはシート101の材料
として書き換え可能な材料を用いることによって、繰り
返し利用することによって一回あたりのコストを低減
し、また使い捨てによる環境に対する悪影響も軽減する
ことが出来る。
【0111】こうした書き換え可能な材料としては、熱
によって書き換え可能なCTC(ColorThermo Chromic)な
どが考えられる。CTCはPETを材料とする支持体の上に、
熱によって変色する可逆発色層、保護層などを形成した
ものであり、サーマルプリンタなどの熱によって書き込
みを行い,そのようにして書き込まれた文字等を消去す
ることが可能な媒体である。
【0112】図5はCTCをベースに用いてパッドまたは
シート101を構成した例の断面図である。
【0113】ここで、CTCの発色に用いられるロイコ染
料は赤外波長の光を吸収しないため、赤外蛍光インクを
用いた格子模様103の検出を妨げず,図5に示すよう
な層横成を持たせることが出来る。
【0114】図中501は表面保護層、502はロイコ
染料を含有し温度によって発色、消色する可逆性記録
層、503は格子模様103が印刷された座標情報層、
504は白PETからなる支持体である。
【0115】なお、ここではCTCを用いた可逆性記録層
をもつ可逆性記録材料(シート)の例について言及した
が,以下にCTC及び他の材料を用いた可逆性記録層の構
成の例を示す。
【0116】これらの例は可逆性記録層を構成する物質
が異なるものであるが、ベース材に層状に物質が形成さ
れた構造はいずれにおいても同様である。
【0117】まず、可逆性記録層の構成の第1の例につ
いて説明する。
【0118】本発明による位置情報を有する可逆性記録
媒体における、情報の可視的表示を可逆的に行い表示出
来る可逆性記録層としては、感熱方式、磁気記録方式、
フォトクロミック記録方式、エレクトロクロミック方式
等によるものが利用出来る。特に、本発明においては、
感熱記録方式、すなわち、熱エネルギーにより可逆的に
光学特性が変化し、可視情報の記録および消去が可能な
記録層が好ましい。この熱エネルギーにより可逆記録が
行える可逆性記録層としては、少なくともロイコ染料と
顕色剤を含む記録層、有機低分子化合物の粒子を含有す
る樹脂層、または低分子または高分子液晶化合物を含む
記録層を使用することが好ましい。可逆性記録層が少な
くともロイコ染料と顕色剤を含むものとしては、樹脂バ
インダー中にロイコ染料および顕色剤を分散させること
により形成されるものがある。
【0119】この可逆性記録層に用いられるロイコ染料
としては、例えばフタリド系化合物、アザフタリド系化
合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、
ロイコオーラミン系化合物など公知の染料前駆体が使用
出来る。具体的には、特開平05−124360号公報
記載の公知のロイコ染料が使用出来る。
【0120】この可逆性記録層に用いられる顕色剤は、
分子内にロイコ染料を発色させる顕色機能を有する構
造、例えばフェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸
基等と、分子間の凝集力を制御する構造、例えば長鎖炭
化水素基が連結した構造をもつ化合物である。連結部分
にはヘテロ原子を含む2価の基を介していても良く、ま
た長鎖炭化水素基中にもヘテロ原子を含む2価の基また
は芳香族炭化水素基が含まれていても良い。具体的に
は、特開平05−124360号公報等に記載されてい
る公知の顕色剤が使用出来る。
【0121】この可逆性記録層は、少なくともロイコ染
料と顕色剤を含む樹脂層からなり、記録層を形成する樹
脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルプチラール、ポリカーボネート、ポリア
リレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
フェニレンオキシド、フッソ樹脂、ポリイミド、ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリべンズイミダゾール、ポ
リスチレン、スチレン系共重合体、フエノキシ樹脂、ポ
リエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリ
アクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体、マレイン酸系共重
合体、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、メチルセル
ロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ゼラチ
ン、カゼイン類等を使用することが出来る。
【0122】また記録層皮膜の強度を上げることを目的
に、各種硬化剤、架橋剤を添加することも出来る。
【0123】このような硬化剤、架橋剤として、例えば
イソシアネート基をもつ化合物、ポリアミドエピクロロ
ヒドリン樹脂、エポキシ基をもつ化合物、グリオキザー
ル、ジルコニウム化合物等を使用することが出来る。
【0124】さらに電子線硬化性あるいは紫外線硬化性
バインダーを用いて記録層を構成することも出来る。
【0125】かかるバインダーとしてはエチレン性不蝕
和結合を有する化合物を使用することが出来る。
【0126】これらの具体例としては、1.脂肪族、脂
環族、芳香族の多価アルコール及びポリアルキレングリ
コールのポリ(メタ)アクリレート、2.脂肪族、脂環
族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコールにポリアルキ
レンオキサイドを付加させた多価アルコールのポリ(メ
タ)アクリレート、3.ポリエステルポリ(メタ)アク
リレート、4.ポリウレタンポリ(メタ)アクリレー
ト、5.エポキシポリ(メタ)アクリレート、6.ポリ
アミドポリ(メタ)アクリレート、7.ポリ(メタ)ア
クリロイルオキシアルキルリン酸エステル、8.(メ
タ)アクリロイル基を側鎖、または末端に有するビニル
系またはジエン系化合物、9.単官能(メタ)アクリレ
ート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイル化合
物、10.エチレン性不蝕和結合を有するシアノ化合
物、11.エチレン性不飽和結合を有するモノあるいは
ポリカルボン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、アン
モニウム塩、アミン塩等、12.エチレン性不蝕和(メ
タ)アクリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリ
ルアミドおよびその多量体、13.ビニルラクタムおよ
びポリビニルラクタム化合物、14.エチレン性不飽和
結合を有するモノあるいはポリエーテルおよびそのエス
テル、15.エチレン性不飽和結合を有するアルコール
のエステル、16.エチレン性不飽和結合を有するポリ
アルコールおよびそのエステル、17.スチレン、ジビ
ニルベンゼン等1個以上のエチレン性不飽和結合を有す
る芳香族化合物、18.(メタ)アクリロイルオキシ基
を側鎖、または末端に有するポリオルガノシロキサン系
化合物、19.エチレン性不飽和結合を有するシリコー
ン化合物、20.上記1〜19記載の化合物の多量体あ
るいはオリゴエステル(メタ)アクリレート変成物等が
挙げられる。
【0127】紫外線硬化性バインダーを用いて記録層を
形成する場合には、光重合開始剤を混合して用いる。
【0128】光重合開始剤としては、ジあるいはトリク
ロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインアルキル
エーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチ
ウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合
物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォ
ニウム塩、ビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物
等を使用することが出来る。
【0129】これらのロイコ染料および顕色剤を用いた
可逆性記録層は図12に示すプロセスで発色・消色す
る。
【0130】初期の消色状態(A)のものを加熱すると
温度T以上でロイコ染料と顕色剤が溶融混合して発色
し(B)、この状態のものを急冷すると発色状態のまま
固定される(C)。発色状態(C)のものを加熱していく
と、発色温度Tより低い温度Tで消色し(D)、冷
却すれば初期と同様の消色状態となる。
【0131】次に、可逆性記録層の構成の第2の例につ
いて説明する。
【0132】可逆性記録層を有機低分子化合物の粒子を
含有する樹脂層とした場合、温度に依存してその透明度
が可逆的に変化する記録層として使用可能であり、この
記録層の光散乱性が温度に依存して可逆的に変化する性
質を利用して可逆性記録層を得ることが出来る。
【0133】この可逆性記録層に用いられる樹脂は、有
機低分子物質を均一に分散保持した層を形成すると共
に、最大透明時の透明度に影響を与える材料である。
【0134】このため樹脂母材としては、透明性が良
く、機械的に安定で、且つ成膜性の良い樹脂が好まし
い。
【0135】このような樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレ
ート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニ
リデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビ
ニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデ
ン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリ
レートまたはポリメタクリレート或いはアクリレート−
メタクリレート共重合体;シリコン樹脂等を使用するこ
とが出来る。これらは単独で或いは2種以上混合して使
用される。この可逆性記録媒体に用いられる有機低分子
化合物としては、一般に融点30〜200℃好ましくは
50〜150℃程度のものが使用される。このような有
機低分子化合物としては、アルカノール;アルカンジオ
ール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカンジ
オール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;アルキ
ン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロゲンア
ルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シクロアル
キン;蝕和または不蝕和モノまたはジカルボン酸または
これらのエステル、アミドまたはアンモニウム塩;飽和
または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエステル、
アミドまたはアンモニウム塩;アリルカルボン酸または
それらのエステル、アミドまたはアンモニウム塩;ハロ
ゲンアリルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド
またはアンモニウム塩;チオアルコール;チオカルボン
酸またはそれらのエステル、アミンまたはアンモニウム
塩;チオアルコールのカルボン酸エステル等を使用する
ことが出来る。これらは単独でまたは2種以上混合して
使用される。
【0136】これらの化合物の炭素数は10〜60、好
ましくは10〜38、特に10〜30が好ましい。
【0137】エステル中のアルコール基部分は飽和して
いても飽和していなくてもよく、またはロゲン置換され
ていてもよい。いずれにしても有機低分子化合物は分子
中に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの少くとも1種、例
えば−OH、−COOH、−CONH−、−COOR、
−NH−、−NH2、−S−、−S−S−、−O−、ハ
ロゲン等を含む化合物であることが好ましい。
【0138】さらに、透明化出来る温度の巾を広げるに
は、上記の有機低分子化合物を適宜組合せるか、また
は、そうした有機低分子化合物と融点の異なる他の材料
とを組合せればよい。
【0139】これらは例えば特開昭63−39378
号、特開昭63−130380号などの公報や、特願昭
63−14754号、特願平1−140109号などの
明細書で明らかにされているが、これらに限定されるも
のではない。
【0140】これらの有機低分子化合物と樹脂とからな
る可逆性記録層は図13に示すプロセスで透明・白濁す
る。
【0141】図13(熱による透明度の変化を表わして
いる)において、樹脂及びこの樹脂中に分散された有機
低分子化合物を主成分とする可逆記録層は、例えばT
以下の常温では白濁不透明状態にある。
【0142】これを温度Tに加熱すると透明になり、
この状態で再びT以下の常温に戻しても透明のままで
ある。
【0143】更にT以上の温度に加熱すると、最大透
明状態と最大不透明状態との中間の半透明状態になる。
【0144】次に、この温度を下げて行くと、再び透明
状態をとることなく最初の白濁不透明状態に戻る。
【0145】なお、この不透明状態のものをT〜T
間の温度に加熱した後、常温即ちT 以下の温度に冷却
することによって、透明と不透明との中間の状態をとる
ようにすることが出来る。
【0146】また、前記常温で透明になったものも再び
以上の温度に加熱した後常温に戻せば再び白濁不透
明状態に戻る。
【0147】次に可逆性記録層の構成の第3の例につい
て説明する。
【0148】可逆性記録層として、低分子または高分子
液晶を含む記録層を用いることが可能である。このこと
によって、シートに多色表示することが可能となり、使
い勝手を良くすることが可能である。
【0149】この高分子液晶としては、主鎖または側鎖
にメソゲン(液晶性を示す分子)が結合された主鎖型お
よび側鎖型分子液晶等が用いられる。この高分子液晶
は、通常、重合可能なメソゲン化合物(メソゲンモノマ
ーと呼ぶ)を重合させるか、あるいは水素化ポリシリコ
ーン等の反応性ポリマーに付加反応可能なメソゲン化合
物を付加させて製造することが出来る。
【0150】このような技術はMakromol.Chem., 17
9,p273(1978),Eur,Poly.J.,18,p
651(1982)及びMol.Cryst.Liq.Cryst., 16
9,p167(1989)等に開示されている。
【0151】本発明に使用され得る高分子液晶も同様な
方法で製造することが出来る。
【0152】メソゲンモノマーおよび付加反応可能なメ
ソゲン化合物としては、ビフェニル系、フェニルベンゾ
エート系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼ
ン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、フェニルピリミ
ジン系、ジフェニルアセチレン系、ビフェニルベンゾエ
ート系、シクロヘキシルビフェニル系、ターフェニル系
等の剛直な分子(メソゲン)に、好ましくは所定の長さ
のアルキルスペーサーを介して、アクリル酸エステル
基、メタクリル酸エステル基またはビニル基が結合した
種々の化合物等が代表的なものとして挙げられる。
【0153】次に本発明の一実施例の第2の構成要素で
あるペン型入力装置104について説明する。
【0154】ペン型入力装置104の構成についてはす
でに述べたが、以下にペン先114の移動軌跡を計測す
る格子模様読取装置105とペン先位置計測装置106
について、より詳しく説明する。
【0155】図6は格子模様読取装置105の概略構成
を示す図である。
【0156】格子模様読取装置105は主に発光素子6
01と受光素子602によって構成され、パッド101
に印刷された格子模様103とパッドの地肌との光学的
特性の違いを検出することによって格子模様を検出す
る。
【0157】ユーザーがパッド101上でペン型入力装
置104を動かすと、パターンの有無に応じて蛍光の強
度が変動し、これを検出することによってペン先114
がパターンをいくつ(格子模様103を構成する直線を
何本)横断したかをカウントすることが出来る。
【0158】格子模様103を構成する直線はあらかじ
め規定された一定の間隔(d)で配置(印刷)されてい
るとすると、筆記動作によってn本の格子模様を構成す
る直線がカウントされた場合、ペン先114が筆記時に
移動した距離(l)はl=d×nで表される。
【0159】図7は格子模様読取装置105をペン先1
14方向から見た内部構成図である。
【0160】図6,7において、説明の便宜上格子模様
103は一方向に延びた直線のみ示されているが、実際
には前述の如く、互いに直交する二方向に夫々延びた直
線によって構成されていることは言うまでもない。
【0161】115は筐体、114はペン先、701、
702、703、704はそれぞれ受光素子、あるいは
受光素子に接続されたファイバーであり、705、70
6、707、708はそれぞれ発光素子、あるいは発光
素子に接続されたファイバーである。
【0162】ペン型入力装置104の先端に備えられた
格子模様読取装置105の受光素子701、704、及
び702、703は互いに直交した方向に4組配置され
ている。
【0163】ここで、発光素子、受光素子は必ずしもペ
ン先114に配置される必要はなく、ペン型入力装置1
04の本体に配置されて、例えば光ファイバーによって
ペン先114に導かれるものでもかまわない。
【0164】図8は格子模様読取装置105の、図7の
A−A’線に沿った断面を示す図である。
【0165】光学系は、受光素子(フォト・ダイオード
など)701と、発光素子(LED,レーザダイオード
など)705と、レンズ801と、光ファイバー80
2,803と、集光レンズ804、805とによって構
成される。
【0166】発光素子705からの光は、光ファイバー
802によって導かれ、集光レンズ804によってパッ
ド101上の一点を照らす。
【0167】この輝点に格子模様103を構成する直線
が印刷されている場合、そのインクによって光が反射、
散乱し、あるいは蛍光が発せられる。
【0168】パッド101からの蛍光は受光素子側の集
光レンズ805、光ファイバー803により受光素子7
01に集められる。
【0169】受光素子701は集光された光の強度に応
じて電流を生じるため、格子模様103を構成する直線
が印刷されている部分とパッド101の下地が露出して
いる部分との間でその出力電流が異なる。
【0170】また、発光素子70〜708は、パッド1
01の表面を照射し、その蛍光によって受光素子701
〜704が十分に照され得るものであれば良く、一組で
もかまわない。
【0171】また、蛍光灯などの外光によって十分に安
定した蛍光が得られる場合、発光素子は無くてもかまわ
ない。
【0172】また、発光素子は一般に電力消費が大きい
ため、電源の容量が十分に確保されない場合には間欠的
に駆動されるようにすることも出来る。
【0173】また、格子模様103のパターンの印刷が
赤外光や紫外光などの不可視波長に感度があるインクで
なされている場合、それらの波長を通過させる光学フィ
ルター806が光学系に備えられる。
【0174】このようにすることによって外乱光による
検出の妨害が生じにくくなり安定した検出が可能とな
る。
【0175】また、横方向の移動と縦方向の移動を波長
の異なるインクによって検出する場合、光学フィルター
806はそれぞれに応じた波長を選択出来るフィルター
を用いる。
【0176】次に格子模様読取装置105による格子模
様・移動方向の検出について説明する。
【0177】パッド101に印刷された格子模様103
はパッド101の表面の状態や、室内の蛍光灯などの外
光によって安定した光学特性を示すとは限らないため、
格子模様103の検出には出力電圧の微分回路を用いて
受光素子の出力変化を捉えて格子模様103を検出する
方法を採用することによって、格子模様103が安定し
て検出出来る。その回路の例を図9に示す。
【0178】発光素子705によってパッド101上の
格子模様103を構成するインクに生じた蛍光が受光素
子705で検出される。
【0179】受光素子701の出力は電流−電圧変換素
子901によって電圧に変換され、ダイオード902,
903とコンデンサ904によって構成された△V電圧
発生回路によって発生された電圧と比較器905によっ
て比較され、△Vが検出される。
【0180】図14にその出力の例を示す。なお、図
中、上段が出力波形、下段が変換後の波形である。
【0181】ペン型入力装置104の移動方向は複数設
けられた受光素子間の計測時間の遅れによって検出され
る。
【0182】図7に示される如くパッド101に対して
右方向にペン型入力装置104が移動したとき、互いに
直交して配置された受光素子701〜704の出力波形
は図10に示す様になり、ペン型入力装置104の進行
方向の先頭の受光素子703に対し進行方向後方の受光
素子702の出力は位相が遅れる。
【0183】また、左方向にペン型入力装置104が移
動した場合は、図11示すように出力され、この場合も
先頭である受光素子702の出力に対しほかの素子は位
相が送れて出力される。
【0184】したがってこうした受光素子の出力の位相
のずれによってペン型入力装置104の移動方向が検出
される。
【0185】格子模様103を構成する直線はパッド1
01上に等間隔に配置されているため、受光素子の出力
から格子模様を構成する直線が検出され、移動方向が検
出され、もってペン型入力装置104が検出された移動
方向に格子模様を構成する直線間の間隔ひとつ分移動し
たことが検出される。
【0186】次にX座標とY座標の識別について説明す
る。
【0187】上記の格子模様103の検出・ペン型入力
装置104の移動方向の検出・格子幅の識別について
は、説明を簡略化するために横方向のペン型入力装置1
04の移動についてのみ記述したが、もう一方の縦方向
の移動に関しても同様の構成・動作によって実施可能で
ある。
【0188】ここで格子模様103の縦の模様(縦方向
に延びた複数の直線よりなる)と横の模様(横方向に延
びた複数の直線よりなる)との識別は、縦の模様と横の
模様とでその印刷インクの波長を異ならせることで実施
され得る。
【0189】そしてペン型入力装置104は、それぞれ
に応じた波長の光を透過するフィルタを備える。
【0190】このように、ペン型入力装置104の横と
縦の移動をそれぞれ検出することが可能であり、この組
み合わせによって斜めの移動などの任意の移動を検出す
ることが出来る。こうして検出された格子模様を構成す
る直線のカウントによって検出されたペン型入力装置1
04の相対位置情報は一旦データ記憶装置110に記憶
され、基準点記号117、118の読み取りによって得
られた基準点位置情報と組み合わされることによって絶
対位置情報が求められる。
【0191】次にペン先位置計測装置106について説
明する。
【0192】ペン先位置計測装置106は、ペン先11
4の位置座標を検出するセンサと位置データ処理装置に
よって構成される。
【0193】筆記動作中のペン先114のように移動す
る物体の3次元空間における座標は、3方向の位置と、
3軸の回転によって表される。
【0194】このうち、3方向の位置は、3方向に互い
に直交して配置された加速度センサの検出値を2回積分
することによって算出される。
【0195】また3軸の回転は、3方向に互いに直交し
て配置された角速度センサ(ジャイロセンサ)の検出値
を1回積分することによって得られる。
【0196】位置データ処理装置は上述の加速度センサ
の計測値の2回積分処理、及び角速度センサの計測値の
1回積分処理を行う。
【0197】前記の如く、ペン先位置計測装置106は
ペンアップ時にもペン先114の移動軌跡を計測し、そ
の移動軌跡はデータ記憶装置110に保存される。
【0198】次にペン先位置計測装置補正装置108に
ついて説明する。
【0199】前記のように位置センサとして加速度セン
サ、及びジャイロセンサが用いられるが、これらの位置
センサは人間の筆記動作のような細かな動作を検出する
のに十分な精度を持たないため、その測定値を補正する
必要がある。
【0200】ペン先位置計測装置補正装置108は、ペ
ンダウン時に格子模様測定装置105によって得られた
筆記距離とペンダウン時にペン先位置計測装置106に
よって得られた筆記距離とを用いてペン先位置計測装置
106の補正係数を求め、得られた補正係数を用いてペ
ン先位置計測装置106によってペンアップ時に得られ
た移動距離を補正し、もって精度の良いペンアップ時の
移動距離を求める。
【0201】このようにして求められたペンアップ時の
移動距離と前記格子模様読取装置105によって求めら
れたペンダウン時の移動距離とを組み合わせることによ
って、現在ペン先114がある位置を精度良く求めるこ
とが可能となる。
【0202】次にペンダウン検出装置107について説
明する。
【0203】ペンダウン検出装置107はペン先114
に加わる筆圧やペン先114のストロークを計測するこ
とによりペン先114とパッド110との接触を検出す
る。ペンダウン検出装置107はペン先114とパッド
101との接触を検出すれば良く、例えばペン先114
がペン軸に沿った方向にわずかなストローク(移動可能
距離)を有し、その終端(パッド101と接触する側の
逆側の端)にマイクロスイッチを備えることで実現され
得る。
【0204】あるいは、格子模様読取装置105の受光
素子への入力光の強度を計測することによってペン先1
14とパッド101の表面との距離を測ることによって
ペンダウン(ペン先114とパッド101との接触)を
検出することも可能である。例えばペン先114が空中
にあるときは受光素子への入力は弱く、パッド101に
近づくと強くなるため、これを測定することによってペ
ン先114とパッド101との距離を計測することが出
来、ペンダウン検出装置107として用いることが可能
となる。
【0205】この場合、改めてペンダウン検出装置10
7を設ける必要はなく、格子模様読取装置105によっ
て検出された信号をデータ処理装置112で適宜処理す
ることによってペンダウンを検出することが出来る。
【0206】次にデータ処理装置112について説明す
る。
【0207】上記の処理によってペンダウン時に格子模
様読取装置105によって得られた筆記軌跡情報、ペン
ダウン時にペン先位置計測装置105によって得られた
筆記軌跡情報、ペンアップ時にペン先位置計測装置10
5によって得られた移動軌跡情報がデータ処理装置11
2によって適宜処理されることによって精度の良い筆記
軌跡情報が得られる。
【0208】上記の処理により得られたデータはいった
んデータ記憶装置110に蓄えられた後、データ転送装
置111によってホストコンピュータ116に送られ、
適宜利用される。
【0209】取得されたデータの記憶はユーザーの筆記
動作中に自動的に行われ、データの送信はデータ入力が
ある程度区切りがついた時点で、ユーザーによってスイ
ッチの操作などによって明示的に指示されることによっ
て実行される。
【0210】データの送信は無線で行われることが望ま
しく、その場合、周知の電磁波によるもの、IrDAと
呼ばれる赤外光による通信手段などが用いられる。
【0211】このように構成することによって、紙とペ
ンの使い勝手を維持しながら、どこでも自由な場所で自
然にコンピュータへ情報を入力出来る装置を提供するこ
とが出来る。
【0212】しかしRS232Cなどに代表される有線
シリアル接続による通信による送信も可能であることは
言うまでもない。
【0213】上記の回路・装置は電源により駆動され
る。電源に用いられる電池は2次電池を用い、充電・再
利用可能であることが望ましいが、必ずしも2次電池で
ある必要はない。
【0214】また、電池で駆動せず、一般の家庭用電源
を電線で接続し有線で用いることも可能である。この場
合、装置の携帯性が損なわれるが、紙状のパッド101
とペン状のペン型入力装置104を用いた簡便なインタ
ーフエースは有用である。
【0215】次に、筆記可能なペン先114について説
明する。
【0216】ペン先114としては、フェルトペンやボ
ールペンなどの実際に筆記出来る装置が使用されること
が望ましい。このとき、筆記に用いられるインクは目視
可能でパッド101に印刷されている格子模様103の
検出を妨げないものである。格子模様103が不可視赤
外線蛍光インクで印刷されている場合、筆記用インクは
赤外光を透過するインクであり、カーボンブラックなど
を含まないものである必要がある。
【0217】同様に格子模様103が紫外蛍光インクで
印刷されている場合、ペン先114に使用されるインク
は紫外線を透過させるインクである必要があるが、紫外
線は光の強度が大きく、一般に使用されるインクであり
紫外線を透過させるものは多く知られており、それらを
使用することが可能である。
【0218】また、図1においてペン型入力装置の筐体
115を円筒形として図示したが,その場合、ユーザー
の持ち方によってパッド(シート)101に対する格子
模様読取装置105の向きが一定にならない。
【0219】そこで、このことを防ぐため、ペン型入力
装置の筐体115を三角柱型や直方体などの回転非対称
型に形成し、ユーザーが一定の持ち方しか出来ないよう
にしてもよい。
【0220】次に本発明の一実施例の第3の構成要素で
あるデータ転送装置などの付属装置について説明する。
【0221】ペン型入力装置104のデータ処理装置1
12によって処理されたデータはデータ転送装置111
によってホストコンピュータ116に送られ適当な処理
が行われる。
【0222】ホストコンピュータ116では、予めイン
ストールされたソフトウェアプログラムがCPUによっ
て実行されることによって、ペン型入力装置104から
のデータの受信・保存、筆跡の再現、筆順を含む筆跡か
らの文字認識、パッド101に印刷されたデータの元デ
ータと筆跡情報からの加筆情報との連携処理等が行われ
る。
【0223】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、光学
式マウスの機能を維持しながら、マウス(移動装置)が
パッド(シート)表面を離れた場合にも座標(位置情報)
を入力することが出来る。
【0224】請求項2に記載の本発明によれば、請求項
1に記載の入力装置において、より正確な座標を入力す
ることが出来る。
【0225】請求項3に記載の本発明によれば、請求項
1または2に記載の入力装置において、基準点を設ける
ことにより、シート上の絶対座標を測定し、より正確な
座標を入力することが出来る。
【0226】請求項4に記載の本発明によれば、請求項
3に記載の入力装置において、筆記した書類を識別する
ことが可能となり、筆記軌跡とその対象書類とを測定、
識別し、任意の書類に対して筆記軌跡を入力することが
出来、後程そのように入力された筆記情報がどの書類
(電子化された書類)に対応するものかが識別可能であ
る。
【0227】請求項5に記載の本発明によれば、請求項
1、2、3または4に記載の入力装置において、より多
彩な入力パッド(シート)を用いて座標を入力すること
が出来る。格子模様パターンを不可視とすることによっ
て、シートに筆記する際に格子模様パターンが気になら
ず、普通の白紙に筆記するように筆記可能となる。
【0228】請求項6に記載の本発明によれば、請求項
1、2、3、4または5に記載の入力装置において、紙
とペンの使い勝手を維持した位置情報入力装置を安価に
提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の入力装置を説明するための
図である。
【図2】図1に示されているペン型入力装置のブロック
構成を示す図である。
【図3】図1に示されているペン型入力装置によって検
出された筆記軌跡を示す図である。
【図4】図1に示されているペン型入力装置の動作を示
すフローチャートである。
【図5】図1に示されているパッドの構成を示す図であ
る。
【図6】図1に示されているペン型入力装置に含まれる
格子模様読取装置の概略を説明するための図である。
【図7】格子模様読取装置の構成を示すための、ペン型
入力装置をペン先方向から見た内部構成を示す図であ
る。
【図8】格子模様読取装置の構成を示すための、図7の
A−A’線に沿った断面を示す図である。
【図9】格子模様読取装置に含まれる回路の回路図であ
る。
【図10】格子模様読取装置の受光素子の出力から図9
の回路を介して得られた信号の波形を示す図(その1)
である。
【図11】格子模様読取装置の受光素子の出力から図9
の回路を介して得られた信号の波形を示す図(その2)
である。
【図12】本発明の一実施例のシート(パッド)が有す
る可逆性記録層の一例の発色・消色プロセスを説明する
ためのグラフである。
【図13】本発明の一実施例のシート(パッド)が有す
る可逆性記録層の他例の透明化・白濁化プロセスを説明
するためのグラフである。
【図14】図9に示される回路の入力波形、出力波形を
示す波形図である。
【図15】本発明の一実施例のシート(パッド)に印刷
されたバーコードの読み取り軌跡を示す図(その1)で
ある。
【図16】本発明の一実施例のシート(パッド)に印刷
されたバーコードの読み取り軌跡を示す図(その2)で
ある。
【符号の説明】
101 パッド(シート) 103 格子模様 104 ペン型入力装置 105 格子模様読取装置 106 ペン先位置計測装置 107 ペンダウン検出装置 108 ペン先位置計測装置補正装置 109 補正係数記憶装置 110 データ記憶装置 111 データ転送装置 112 データ処理装置 114 ペン先 115 筐体 116 ホストコンピュータ 117 書類識別記号 118 基準座標記号 601 発光素子 602 受光素子 701〜704 受光素子 705〜708 発光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 俊之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5B068 BC07 BD02 BD09 CC17 DD04 5B087 AA09 BB08 BB18 BC03 BC12 BC32 DJ03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置情報を入力するための装置であっ
    て、 互いに交差する二方向に夫々平行且つ等間隔に並んだ直
    線よりなる格子模様パターンを有するシートと、 シート上を移動される移動装置と、 移動装置の位置を測定する検出装置とよりなり、 検出装置は、シートから得られる光学情報から格子模様
    パターンを読み取ることによって移動装置の位置を測定
    する第1の検出手段と、移動装置の加速度及び角速度を
    測定することによって移動装置の位置を測定する第2の
    検出手段とよりなる構成の入力装置。
  2. 【請求項2】 検出装置は更に、第1及び第2の検出手
    段の出力の差を算出し、その差情報に基づいて第2の検
    出手段の出力を補正する補正手段よりなる請求項1に記
    載の入力装置。
  3. 【請求項3】 シートは更に基準点を有し、 検出装置は基準点からの座標を計測する構成の請求項1
    または2に記載の入力装置。
  4. 【請求項4】 基準点が書類を識別する記号よりなる構
    成の請求項3に記載の入力装置。
  5. 【請求項5】 格子模様パターンが不可視である構成の
    請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の入力装
    置。
  6. 【請求項6】 シートが、熱エネルギーによって可逆的
    にその光学特性が変化し、可視情報の記録及び消去が可
    能な可逆性記録層を有する構成の請求項1乃至5のうち
    のいずれか一項に記載の入力装置。
  7. 【請求項7】 検出装置が移動装置に含まれる構成の請
    求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の入力装置。
  8. 【請求項8】 位置情報を入力するための装置であっ
    て、 互いに交差する二方向に夫々平行且つ等間隔に並んだ直
    線よりなる格子模様パターンを有するシート上を移動さ
    れる移動装置と、 移動装置の位置を測定する検出装置とよりなり、 検出装置は、シートから得られる光学情報から格子模様
    パターンを読み取ることによって移動装置の位置を測定
    する第1の検出手段と、移動装置の加速度及び角速度を
    測定することによって移動装置の位置を測定する第2の
    検出手段とよりなる構成の入力装置。
  9. 【請求項9】 位置情報をコンピュータに入力するシス
    テムであって、 互いに交差する二方向に夫々平行且つ等間隔に並んだ直
    線よりなる格子模様パターンを有するシートと、 シート上を移動される移動装置と、 移動装置の位置を測定する検出装置と、 ホストコンピュータとよりなり、 検出装置は、シートから得られる光学情報から格子模様
    パターンを読み取ることによって移動装置の位置を測定
    する第1の検出手段と、移動装置の加速度及び角速度を
    測定することによって移動装置の位置を測定する第2の
    検出手段とよりなり、 検出装置で得られた位置情報はホストコンピュータに転
    送され、ホストコンピュータで所定の処理が施される構
    成のコンピュータ入力システム。
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