JP2001296412A - 半透過反射シート - Google Patents

半透過反射シート

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JP2001296412A JP2000112198A JP2000112198A JP2001296412A JP 2001296412 A JP2001296412 A JP 2001296412A JP 2000112198 A JP2000112198 A JP 2000112198A JP 2000112198 A JP2000112198 A JP 2000112198A JP 2001296412 A JP2001296412 A JP 2001296412A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バックライト併用型の反射型液晶表示装置に
用いた際に、従来よりも明るいペーパーホワイトタイプ
で、しかも、高耐久性をもつ半透過反射シートを提供す
る。 【解決手段】 高分子フィルムに、その重量がある特定
の重量範囲になるように微細粒子及びバインダーを塗布
することにより形成された凹凸層の上に、透明酸化物
層、金属層、透明酸化物層の3層を順に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバックライト併用型
の反射型液晶表示装置に用いられる反射シートに関す
る。さらに詳しくは本発明は、液晶パネルの背面にバッ
クライトとして、冷陰極管、EL(Electro L
uminescence)発光素子、発光ダイオードな
どの光源を備えたバックライト併用型の反射型液晶表示
装置に用いられる反射体に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置はこれまでのCRTディス
プレイに比べ、薄型であり省スペース化できる、また、
低電圧で作動する、消費電力が少なく省エネルギー化で
きる、などの特徴から、中小型機器のディスプレイを中
心に広く用いられている。なかでも暗闇においては、バ
ックライトを用いるバックライト併用型の反射型液晶
は、常にバックライトを用いる透過型液晶表示装置に比
べ低消費電力であることから、携帯電話、PHS、電子
手帳、携帯情報端末、電子計算機、各種操作パネルなど
に使用されている。現在、主として用いられているバッ
クライト併用型の反射型液晶表示装置は、人側より、偏
光板、液晶表示パネル、偏光板、半透過反射シート、バ
ックライトで構成されている。明るい室内では、半透過
反射体によって反射された外光(太陽光、照明など)を
利用して、また、暗闇ではバックライトを点灯し、半透
過反射体を通過した光を利用してそれぞれ表示を行って
いる。
【0003】理想的な液晶表示とは、明るく、そしてど
こから見ても同様な表示品質が得られるものであり、私
たちが普段使用している本などの印刷物の様な物である
といわれている。よって、反射型液晶表示装置に用いら
れる反射シートも紙のように四方八方に均一に光を拡散
する反射シート(ペーパーホワイトタイプ)が好ましい
と考えられる。しかしながら、液晶表示装置では、一般
に先述した構成であるため、入射光は偏光板―液晶表示
パネル−偏光板を通過し、半透過反射シートに到達した
後、半透過反射シートにより反射された光は再度、偏光
板―液晶表示パネル−偏光板を通過し外部へ到達するた
め、入射光に対して、反射光の光量は光損失を考慮する
と3分の1以下に落ち暗くなってしまうという問題点が
あった。また、半透過反射シートの場合、その性質上、
透過光線をある程度とおす必要があるため、反射光は実
際にはさらに70〜90%程度の明るさとなっている。
よって、均一に光を拡散する半透過型反射シートを液晶
表示装置に用いると、実際は暗くなり、使用できない。
【0004】そこで現状では、金属光沢をもつ正反射成
分の大きい反射シートを用い、ある範囲に光を集中する
ことによって明るい表示を実現している。しかしなが
ら、このような正反射成分の大きな反射体では、光の入
射角と見る角度(受光角)が一致する場合は非常に明る
いものの、見る角度(受光角)がずれると一気に暗くな
ってしまう、つまり視野角が狭いという欠点がある。視
野角を広げるには拡散成分を増やす必要があるが、拡散
成分を増やすことはせっかく集中させた光を広げること
になり全体的に暗くなってしまうという問題がある。こ
の視野角を広げるためには反射体の反射特性(光の集中
と分散)を制御することが必要であり、これまで多くの
検討がなされてきた。反射体の反射特性を制御する方法
としては、反射面(金属薄膜層)を形成する基材(高分
子フィルム)を凹凸化する方法が一般的である。
【0005】凹凸化方法としては、(1)高分子フィル
ム表面にエンボス加工を施し凹凸構造を形成した後、表
面を溶剤で処理して滑らかにする方法、(2)高分子フ
ィルム表面にSiO2 などの粒子を高圧空気とともに吹
き付けるサンドブラスト方法、(3)エッチング法など
の化学的方法、などが挙げられる。
【0006】しかしながら、(1)、(2)の方式では
機械的物理的方法によりフィルム表面に凹凸形状を形成
する方式のためフィルムの材質の選択の幅が狭く、ま
た、厚みもある程度厚くしなければならないという欠点
がある。また、(2)の方法では硬いサンド(Si
2 )の形状が不均一なことから、得られる凹凸形状も
激しく、かつ、不均一に粗れており、アルカリ溶液処理
などで表面の一部を溶解しても、この粗れを十分に均一
化することができず、得られる凹凸構造が非常に不均一
になるという欠点がある。さらにまた、(3)のような
化学的方法においても、フィルムの材質の選択がシビア
であり、また、処理後の洗浄乾燥が大変であるという欠
点がある。現状では、これらの方法では、凹凸層の成形
方法自体に欠点があり、また、出来た凹凸層においても
依然として狭い視野角の範囲に光が集中するため、明る
さ(輝度)が等しい理想的な反射特性は得られていな
い。よって、より高拡散で理想的な反射特性を得るため
には、これまでよりもさらに制御された凹凸表面を用い
る必要があった。
【0007】一方、反射層に用いられる金属によって
も、その反射率は大きく左右される。例えば、一般的に
用いられる金属層として、銀及びアルミニウムを例にと
り比較すれば、同等の透過率を有する半透過型反射シー
トを作製した場合、銀を使用した方が、アルミニウムを
用いた場合より、5〜10%程度、反射率が高いものが
得られている。しかしながら、近年の液晶表示装置の普
及に伴い、その用途も多様化し、より過酷な使用条件で
の要求も高まっており、長時間の耐久性が要求されてい
る。一般的な実装信頼性に関しては、中耐久条件とし
て、60℃×90%RH×500hrでの耐久性が求め
られているが、反射層に銀のみを用いた場合、上記の中
耐久条件において、表面に多数の凝集点が発生し、見た
目が悪くなると共に、反射率の低下を招くという欠点が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するためになされたものであり、バックライト併
用型の反射型液晶表示装置に用いた際に、従来よりも明
るいペーパーホワイトタイプで、高耐久性をもつ半透過
反射シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、凹凸構造及び反射層の構成につい
て鋭意検討した結果、驚くべきことに、高分子フィルム
に、その重量がある特定の重量範囲になるように微細粒
子及びバインダーを塗布することにより形成された凹凸
層の上に、透明酸化物層、金属層、透明酸化物層の3層
を順に構成することにより、上記の課題を解決出来るこ
とを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0010】すなわち、本発明は、高分子フィルム
(A)、主として粒子層からなる凹凸層(B)、透明酸
化物からなる層(C)、銀単体または銀を主体とする合
金からなる金属層(D)、および、透明酸化物からなる
層(E)を、ABCDEの構成順に有する半透過反射シ
ートであって、波長550nmにおける該半透過反射シ
ートの(E)層側からの光線透過率が、1%以上、50
%以下であることを特徴とする半透過反射シート、 主として粒子層からなる凹凸層(B)が、平均粒径1
μm以上、15μm以下である微細粒子、および、バイ
ンダーにより形成され、かつ、該微細粒子が凹凸層の体
積に対し5〜52体積%の割合になるように配合され、
該凹凸層の乾燥重量(g/cm2 )が下記式(1)の条
件を満足するものであることを特徴とする前記に記載
の半透過反射シート、に関するものである。 式(1):0.75×2r×102 /(p/a+(10
0−p)/b)≦乾燥重量(g/cm2 )≦2.5×2
r×102 /(p/a+(100−p)/b) 〔但し、p=100/(1+(100/v―1)×b/
a)であり、rは使用した微細粒子の半径の平均値(c
m)、pは凹凸層中の微細粒子の割合(重量%)、vは
凹凸層中の微細粒子の割合(体積%)、aは用いた微細
粒子の密度(g/cm3 )、bは用いたバインダーの密
度(g/cm3 )を表す。〕さらに、本発明は、微細
粒子が、アクリル系粒子であることを特徴とする前記
に記載の半透過反射シート、 バインダーが、アクリル系樹脂であることを特徴とす
る前記またはに記載の半透過反射シート、 透明酸化物からなる層(C)が、酸化アルミニウムが
0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛、或いは、インジウ
ムとスズの酸化物(ITO)からなる層であり、該膜厚
が1〜20nmであることを特徴とする前記〜のい
ずれかに記載の半透過反射シート、 金属層(D)が、銀単体、または、銀に対し銅とパラ
ジウムを合わせて0.001〜2重量%含有している銀
を主体とする合金からなる層であり、該金属層の膜厚が
10〜65nmであることを特徴とする前記〜のい
ずれかに記載の半透過反射シート、 透明酸化物からなる層(E)が、膜厚1〜50nmの
珪素酸化物からなる層、または、膜厚1〜20nmの酸
化アルミニウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛ま
たはインジウムとスズの酸化物(ITO)からなる層で
あることを特徴とする前記〜のいずれかに記載の半
透過反射シート、に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の半透過反射シートは、高分子フィルム(A)上
に、主として、特定の平均粒径により構成される微細粒
子(以下、フィラーとも言う)を特定の重量割合でバイ
ンダーに配合し、乾燥重量がある特定の重量になるよう
に塗布して凹凸構造を有する層(B)を形成した後、該
凹凸層上に、透明酸化物からなる層(C)、銀単体また
は銀を主体とする合金からなる金属層(D)、および、
透明酸化物からなる層(E)を順に形成した半透過反射
シートである。
【0012】本発明の半透過反射シートにおいて、基材
として使用される高分子フィルムとしては、例えば、ポ
リエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナ
フタレートなどのポリエステル類、ビスフェノールA系
ポリカーボネートなどのポリカーボネート類、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セルロ
ーストリアセテートなどのセルロース誘導体類、ポリ塩
化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリ
アミド類、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン系樹
脂、ポリアリレート系樹脂、フッ素系樹脂などの各種プ
ラスチックからなるフィルムが挙げられるが、必ずしも
これらに限定されるものではなく、透明性があり、ある
程度ガラス転移点が高く、平滑な表面をもつものであれ
ば使用できる。なかでもポリエチレンテレフタラートが
好ましい。使用される高分子フィルムの厚みは、特に限
定されるものではないが、通常は10〜400μm程
度、好ましくは10〜200μm程度が、さらに好まし
くは25〜100μm程度である。
【0013】本発明において、高分子フィルム上に形成
される凹凸層(B)は、主として、フィラーとなる微細
粒子及びバインダーにより形成される。フィラーとなる
微細粒子としては、微細粒子を分散させたバインダーの
硬化被膜中で透明性を示すものであればよく、例えば、
アクリル、ポリスチレン、ビニルベンゼン等の有機粒子
をはじめ、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアな
どからなる無機微粒子や、酸化錫、酸化インジウム、酸
化カドミウム酸化アンチモンなどの導電性透明微粒子な
どを用いることができるが、必ずしもこれらに限定され
るものではない。なかでも、アクリル樹脂が好ましい。
【0014】高分子からなる微細粒子の調整方法として
は、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などが挙げら
れる。なかでも乳化重合法が最も一般的であるが、近
年、分散重合も盛んに行われている。どの重合法におい
ても、生成する高分子は分散媒に難溶であり、分散媒と
高分子間の表面張力により粒子化する。高分子粒子は、
粒子表面に結合又は吸着している保護コロイドによって
安定化され、さらに粒子内架橋によっても安定化され
る。これらの方法の中でも特に、分散重合法を用いた場
合、サブミクロンから数十ミクロンまでの広い範囲の粒
子が得られる特徴がある。
【0015】高分子フィルムの表面に所望の粗さを得る
ためのフィラーとなる微細粒子の平均粒子径は、1〜1
5μmであり、好ましくは2〜10μmであり、さらに
好ましくは3〜8μmである。平均粒子径が1μm未満
では、粒子の埋没で凹凸構造の表面が形成しにくくな
り、また、15μmを越えると凹凸構造の起伏が大きく
なり、きめの粗い反射シートとなる。なお、微細粒子の
粒径分布は小さい方が好ましい。粒径の標準偏差の平均
粒径に対する割合は50%以下が好ましく、より好まし
くは30%以下で、さらに好ましくは20%以下であ
る。粒径分布が上記の割合を大きく超えると、制御され
た凹凸構造を得ることが難しくなる。
【0016】本発明において、バインダーとして用いる
ものは、硬化時に透明性を有していればよく、例えば、
ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリアク
リロニトリル樹脂、ポリメタアクリルニトリル樹脂、エ
チルシリケートより得られる重合体などの珪素樹脂、フ
ッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、
アセテート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂や、これらの混合物などが
挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。なかでも、アクリル系樹脂が好ましい。
【0017】また、本発明において凹凸層の形成方法と
しては、フィラーである微細粒子及びバインダーを、高
分子フィルム上に塗布することで形成する。塗布する
際、フィラーである微細粒子をバインダー中に分散させ
るための溶媒としては、トルエン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル、イソプロピルアルコールなどが好まし
く用いられる。これらは塗布作業時に一般的に用いられ
る溶媒であり、これら以外でも基材高分子フィルムやフ
ィラー微細粒子に影響を与えない溶媒であれば、問題な
く使用できる。また、塗布溶液には、必要に応じてぬれ
剤や増粘剤、分散剤、消泡剤などの添加剤も加えられる
こともある。
【0018】フィラーとなる微細粒子の配合割合として
は、塗工溶液における固形分(フィラー+バインダー)
中のフィラーの体積%で表され、通常固形分100体積
%に対し5体積%以上、52体積%以下が好ましく、よ
り好ましくは10体積%以上、45体積%以下、さらに
好ましくは20体積%以上、40体積%以下である。フ
ィラーの使用量が5体積%以下の場合、十分な光拡散性
を得ることが出来ず、52体積%を越えると複屈折によ
り十分な反射光が得られなくなる。
【0019】本発明の半透過反射シートの製造に際し
て、高分子からなる微細粒子を、バインダー中に溶剤を
用いて分散させた溶液を塗工する際は、分散溶液を調合
後、4時間、好ましくは12時間、さらに好ましくは2
4時間おいた後に塗工することが好ましい。高分子から
なる微細粒子は溶剤の影響を受け、数時間の間、経時で
膨潤するため、分散溶液調合後、すぐに塗工を行うと、
微細粒子の粒径が経時で変化するため、凹凸構造が不均
一になると共に、分散溶液の粘度も経時で変化するた
め、塗工条件の調整が困難になることがある。
【0020】本発明の半透過反射シートは、高分子フィ
ルム上に、前記の主としてバインダーと微細粒子からな
る組成物を特定重量塗布して得られる形成される凹凸層
を有することを特徴とする。高分子フィルム上に形成さ
れる凹凸層の重量は、乾燥重量(g/cm2 )が下記式
(1)の条件を満たすものである。 式(1):0.75×2r×102 /(p/a+(100−p)/b)≦乾燥重 量(g/cm2 )≦2.5×2r×102 /(p/a+(100−p)/b) 好ましくは、下記式(2)の条件 式(2):0.75×2r×102 /(p/a+(10
0−p)/b)≦乾燥重量(g/cm2 )≦2.0×2
r×102 /(p/a+(100−p)/b) であり、より好ましくは、下記式(3)の条件である。 式(3):0.75×2r×102 /(p/a+(10
0−p)/b)≦乾燥重量(g/cm2 )≦1.5×2
r×102 /(p/a+(100−p)/b) 凹凸層の重量が、前記式(1)の左辺の値より少なくな
ると、粒子の数が少なすぎて高分子フィルム上に所望の
凹凸構造を得ることが出来ない。また、凹凸層の重量が
前記式(1)の右辺の値より大きくなると、粒子の数が
多くなりすぎて制御された凹凸構造を作ることが難しく
なる。
【0021】本発明でいう重量とは、乾燥後(ドライ)
重量を表す。乾燥前(ウェット)での重量(塗布量)
は、コーティングに用いるグラビヤ版やメイヤーバーの
番手を選ぶ上で有用であるが、実測が困難であることが
多い。そこで、実際には乾燥後の膜厚や、乾燥後の塗布
重量を測定し評価することが多い。しかしながら、粒子
層は凹凸層になっているため、必ずしも塗布量と膜厚が
一致しない。よって、乾燥後(ドライ)の重量で評価を
行うことが好ましいと考えられる。ドライ重量の測定方
法としては、例えば、凹凸層表面の微細粒子及びバイン
ダーを溶解する溶剤により丁寧にふき取り、剥がれた凹
凸層及び溶剤を乾燥させ、溶剤を蒸発させることにより
容易に計量することができる。
【0022】本発明では、基材高分子フィルム上に微細
粒子による凹凸層を形成する方法としては、種々の溶液
塗工法が思考されるが、その際の塗布量はウェット重量
で制御される。塗工液中の固形分の重量%をNで示した
場合、ウェット重量とドライ重量の間には実質的に、 ウェット重量(g/cm2 )=ドライ重量(g/c
2 )/N×100 の関係がある。よって、前記式(1)は下記式(4)と
表すことができる。 ・式(4):0.75×2r/N×104 /(p/a+
(100−p)/b)≦塗布量≦2.5×2r/N×1
4 /(p/a+(100−p)/b) 但し、ウェット重量は前述したとおり、塗布方法や、乾
燥条件により、最終的な乾燥重量と整合性がとれない場
合が多々あるため、あくまでも塗工中の目安の値とし、
評価はドライ重量で行う。
【0023】以下に本発明における凹凸層を形成する方
法について説明する。はじめに、ロールコータについて
説明する。ロールコータとは、メタリングロールとアプ
リケータロールとバックアップロールの3本で構成さ
れ、メタリングロールの配置される位置により、正回転
ロールコータとリバースロールコータに分けられる。メ
タリングロールの役目はアプリケータロール上に、塗工
剤を正確に一定量保持させることであり、アプリケータ
ロール上に存在する塗工剤の量は、アプリケータロール
とメタリングロールとのニップ幅及び、相対的表面速度
で調整される。実際の操作では、アプリケータロールと
メタリングロールはそれぞれ独立に速度をコントロール
する。このことは広範囲の塗工剤を取り扱う場合に特に
重要であり、大部分の塗工剤では、メタリングニップに
おける相対速度の関係を正しく調整することによって、
極めて平滑な外観の塗膜を得ることが出来る。正回転ロ
ールコータにおいては、メタリングロールとアプリケー
タロールの周速を等速にするとロール間ニップの出口で
塗液が分裂する際に、液が上下に引っ張られ、分裂模様
を生じるため、アプリケータロールの方をより速く回転
させる。一般的には、メタリングロールとアプリケータ
ロールの間隔は少し離して計量の一部を受け持たせてい
る。この間隙が離れすぎるとリング状のパターンを生じ
るという欠点がある。
【0024】ロールコータにおいてアプリケータロール
が逆回転しながら塗工するのがリバースロールコータで
ある。リバースロールコータにおいて、塗膜厚さは互い
に接するロール間の間隙の大きさ、各ロールの周速比、
塗工液の粘度、固形分濃度などにより決定される。この
コータの長所は、(1)広い粘度範囲にわたって塗布が
可能である、(2)走行中に塗膜厚さを調整できる、
(3)塗膜厚さを大幅に変えることが出来る、(4)支
持体の表面に沿った塗膜表面が形成され、ミクロにみて
塗膜厚さが均一である、(5)ピックアップロールを共
有するため溶剤の損失が少ないこと、などが挙げられ
る。
【0025】しかしながら一方で、(1)メタリングロ
ールの速度が速すぎると、アプリケータロール上に計量
された塗工剤に粗い波状模様ができ、この模様はフィル
ム表面に移動したとき同じ模様として現れてしまう、
(2)メタリングロールを理想的速度より遅くすると、
アプリケータロール上に計量された塗工剤に同心円の隆
起が生じる、(3)塗工剤槽内でのかき混ぜ効果が強く
泡が発生しやすい、(4)アプリケーションロールによ
るホンピング作用が強くなり、オーバーフローを防ぐた
め塗工剤溜めを深くする必要がある、(5)エッジドク
タの取り付けが困難であり、バックアップロールに段を
付ける必要がある、(6)ポンピング作用による塗工剤
の飛散問題から、塗工速度に制限がある、などの欠点も
ある。
【0026】グラビアコータ法は、グラビアロール、バ
ックアップロール、アジャストロールで構成され、液槽
の中に浸かっているグラビアロールは、表面に凹凸の彫
刻加工が施されており、その凸部に付着した塗工液をド
クタブレードでかき落とし、凹部で塗工液を計量して支
持体に転移させる方法であり、塗工量の調整はグラビア
セルの形状、深さ、メッシュ、塗工液の固形分濃度など
により行う。グラビアセルから被塗物への塗工剤の転移
に影響を与える因子は、粘度と表面張力である。セルの
形状には、ピラミット型、格子型、斜線型であり、ピラ
ミット型<格子型<斜線型の順に塗工量が大きくなる。
この方法の長所は、運転技術を要さずに、幅広でも塗工
厚さが均一で、薄膜コーティング出来ることにある。一
方で(1)塗工剤の転移率は浅いセルでは極めて少なく
約50%が最大である。(2)塗工剤の転移機構より深
いセルでは塗工剤のメニスカスはセルの中心が凹み、セ
ルの壁に沿って塗工剤が付着した形をしているため、被
塗物に塗工した後の塗膜には中心が抜けてドーナツ状の
環として現れる、などの短所も挙げられる。
【0027】ロッドコータ法は、正回転のアプリケータ
ロールで支持体に塗工液を転移してから、外径6〜10
mmくらいのロッドの周りに0.1〜0.8mmぐらい
の太さのピアノ線またはステンレス線を密に巻いたもの
で、過剰の塗液を削り落として計量する方式であり、こ
の方式では、ロッド上の支持体の張力を一定に保つこと
が安定した塗工量を得るために重要である。したがっ
て、支持体の幅方向に張力の差があると左右の塗工量に
差ができる。ロッド前後の押さえローラー間は距離的に
出来るだけ近づけ、この部分での支持体のシワやたるみ
を発生させないようにしないと、走行方向に筋が生じる
という欠点がある。
【0028】ブレードコータ法は、パンにバターを塗る
ときの様に、ブレードによって塗工剤を計量し、平坦化
する方法である。塗工量に影響を与える因子としては、
ブレードの厚さ、ブレードの圧力、ブレードの切線との
角度、ブレードの圧着部の長さ、ブレードの斜角、塗工
剤の粘弾性、塗工速度などである。また、バックアップ
ロールの上部に垂直にナイフを設置し、ロールによって
搬送される支持体とナイフエッジとの間隙により塗工厚
さを計量するナイフコータでは、塗工量の決定要因とし
ては、支持体とナイフエッジの間隙、塗工速度、塗工剤
粘度、塗工液溜めの支持体への圧力、ナイフエッジの形
状などが挙げられる。
【0029】ダイコート(押し出し)法とは、ホッパー
などに溜められた溶液を、ポンプ圧力によりダイから押
し出しフィルム表面に塗布する方法である。ダイコート
法では通常供給された塗布液のすべてが再循環すること
なくフィルム上に塗布される。よって、塗布量はポンプ
送出量とラインスピードによって決定される。また、非
常に低い粘度の塗布液を用いる場合は、幅方向で十分な
ダイ内部圧が得られず、塗工量が不均一になる場合があ
るが、その際にはフィード部分のオリフィスギャップを
狭くすることによりダイ内部圧を均一とすることで対応
する。また、ダイの先端部分は計量ブレードとして用い
られ、幅方向の塗布量の均一性を高めている。例えば先
端部分を唇状に丸めたダイコート法は、リップコート法
とも呼ばれているが、塗布量の均一性のみならず良好な
塗布面を得るにはこのようにダイの先端部分に工夫を凝
らしたものが好ましく用いられる。ダイコート(押し出
し)法の長所としては、高速塗工、高生産性、塗工厚さ
の均一性、広範囲に塗装が出来る、などが挙げられ、短
所としては、生産量が少ないときには、スタート時や幅
変更時のロスがやや多くなることなどがある。上記の他
にも種々の塗布方法が考えられるが、本発明の要求を満
たす塗工法としては、塗工時のゲル化によるブツの発生
も考慮すると、ダイコート法が、中でもリップコート法
の使用が好ましい。
【0030】本発明の半透過反射シートにおいて、反射
層は凹凸層上に形成される3層からなる。凹凸層側から
の第1層は透明酸化物からなる層(C)、第2層は銀単
体または銀を主体とする合金からなる金属層(D)、第
3層は透明酸化物からなる層(E)である。第1層の透
明酸化物層(C)に用いられる透明酸化物としては、酸
化アルミニウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛、
または、インジウムとスズの酸化物(ITO)が好まし
く用いられる。第2層の金属層(D)に用いられる銀を
主体とする合金としては、銀に対し銅及びパラジウムが
合わせて2重量%以下の範囲で含有されている合金が好
ましく用いられる。第3層の透明酸化物層(E)に用い
られる透明酸化物としては、珪素酸化物、酸化アルミニ
ウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛、または、イ
ンジウムとスズの酸化物(ITO)が好ましく用いられ
る。
【0031】金属薄膜層の形成法は、湿式法及び乾式法
がある。湿式法とはメッキ法の総称であり、溶液から金
属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげる
とすれば、銀鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真
空成膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵
抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イ
オンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着
法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続
的に成膜するロール・ツー・ロール方式が可能な真空成
膜法が好ましく用いられる。
【0032】真空蒸着法では、金属の原材料を電子ビー
ム、抵抗加熱、誘導加熱などで溶融させ、蒸気圧を上昇
させ、好ましくは13.3mPa(0.1mTorr)
以下で基材表面に蒸発させる。この際に、アルゴンなど
のガスを13.3mPa以上導入させ、高周波もしくは
直流のグロー放電を起こしても良い。スパッタ法には、
DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッ
タ法、イオンビームスパッタ法、ECRスパッタ法、コ
ンベンショナルRFスパッタ法、コンベンショナルDC
スパッタ法などを使用しうる。スパッタ法においては、
原材料は金属の板状のターゲットを用いればよく、スパ
ッタガスにはヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプト
ン、キセノンなどを使用しうるが、好ましくはアルゴン
が用いられる。ガスの純度は99%以上が好ましいが、
より好ましくは99.5%以上である。
【0033】また、透明酸化膜の形成には、真空成膜法
が好ましく用いられる。主として、スパッタ法が使用さ
れ、スパッタガスにはヘリウム、ネオン、アルゴン、ク
リプトン、キセノン等を使用し、場合によっては酸素ガ
スを用いることもある。基材高分子フィルム上に形成す
る薄膜の厚さは、半透過反射シートとした際に光線透過
率が1%以上、50%以下になるように考慮して決めら
れる。
【0034】第1層である透明酸化物層(C)の厚み
は、1〜20nmが好ましく、さらに好ましくは、5〜
10nmである。かかる層の厚みが1nmより薄い場合
は、所望のバリヤー効果が得られず、第2層の銀を主体
とする層(D)に凝集を発生させる。また、20nmよ
り厚くしてもその効果に変化が無いばかりか、資源を有
効に利用するという観点からも好ましくない。
【0035】第2層である銀単体或いは銀を主体とする
合金からなる金属層(D)の厚みは、10〜65nmが
好ましい。かかる層の厚みが10nmより薄い場合は、
透過光が多すぎて半透過反射シートからバックライトが
透けて見えてしまうため好ましくない。また、65nm
よりも厚くした場合、十分な透過光が得られなくなり、
バックライト使用時に暗い表示となってしまい好ましく
ない。
【0036】第3層である透明酸化物層(E)において
は、珪素酸化物を用いる場合の層の厚みは1〜10nm
が好ましく、より好ましくは1〜7nm、さらに好まし
くは1〜5nmである。かかる層の厚みが1nmより薄
い場合は、所望のバリヤー効果が得られず、第2層の銀
を主体とする層に凝集を発生させる。また、10nmよ
り厚くしてもその効果に変化が無いばかりか、資源を有
効に利用するという観点からも好ましくない。また、酸
化アルミニウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛
層、または、インジウムとスズの酸化物(ITO)を用
いる場合の層の厚みは1〜20nmが好ましく、さらに
好ましくは、5〜10nmである。かかる層の厚みが1
nmより薄い場合は、所望のバリヤー効果が得られず、
第2層の銀を主体とする層に凝集を発生させる。また、
20nmより厚くしてもその効果に変化が無いばかり
か、資源を有効に利用するという観点からも好ましくな
い。
【0037】前記各層の膜厚の測定方法としては、触針
粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバランス、水晶
振動子法などを用いる方法があり、特に水晶振動子法で
は成膜中に膜厚が測定可能であるため所望の膜厚を得る
のに適している。また、前もって成膜の条件を定めてお
き、試料基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚の関係を
調べた上で、成膜時間により膜厚を制御する方法もあ
る。
【0038】半透過反射シートは、用途に応じて透過率
を調整し使用されるため、必要に応じて、第2層である
銀単体または銀を主体とする合金からなる金属層(D)
の膜厚を調整する。また、金属薄膜層の酸化及び硫化等
の腐食防止のためや、取り扱い性の向上のために、第3
層の上にさらに保護シートを設けることは、本発明の半
透過反射シートの信頼性を向上させる意味から好まし
い。
【0039】保護層としては、ポリエステル系樹脂、ア
クリル系樹脂及びウレタン系樹脂などの透明樹脂が、ま
た、酸化珪素、フッ化マグネシウム、窒化珪素などの透
明無機薄膜が用いられる。保護層は粘着剤により、金属
薄膜層上にラミネートされる。粘着剤としては、アクリ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂など透明性
を有しているものであれば問題なく使用される。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれによりなんら制限されるものではな
い。
【0041】実施例1 平均粒子が5μmであるアクリル系樹脂〔根上工業
(株)製、品名:アートパール〕と、バインダーとして
アクリル系樹脂〔三井化学(株)製、品名:アルマテッ
クスE269〕(共に密度1.2g/cm3 )を、トル
エンとエチルメチルケトンからなる溶剤を用いて、固形
分比35%、固形分中の粒子の割合を37.0体積%と
した溶液を調合した。粘度は約40cpであった。これ
らの物性値を前記式(1)に代入することにより、塗布
重量範囲を計算したところ4.5(g/m2 )≦乾燥重
量(g/m2 )≦10.8(g/m2 )となったため、
ドライ塗布量が8.5g/m2 となるようにポンプ圧力
とラインスピードを調整し、厚さ50μmのポリエチレ
ンテレフタラート(PET)フィルムの上に、リップコ
ート法にて塗布を行った。この際、ブツによる筋は観察
されず、良好な塗布面が得られた。得られたシートに、
第1層(C)として、DCマグネトロンスパッタ法で、
2%のAl2 3 がドープされた酸化亜鉛(純度99.
9%)をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンを
スパッタガスとして、酸化亜鉛を膜厚5nmになるよう
に形成した。このシートをスパッタ装置から取り出すこ
となく、第2層(D)として、同様にDCマグネトロン
スパッタ法で、純度99.9%の銀をターゲットとし、
純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして銀を膜
厚33nmになるように成形した。次いで、このシート
をスパッタ装置からと取り出すことなく、第2層(E)
として、RFマグネトロンスパッタ法にて純度99.9
%のSiO2 をターゲットとし、純度99.5%のアル
ゴンをスパッタガスとして、SiO2 を膜厚5nmにな
るように成形した。得られたシートに、保護層をラミネ
ートした後、日立自記分光光度計(型式U―3400)
に150φの積分球を設置し、550nmにおける全反
射率、拡散反射率、全光線透過率測定を行ったところ、
反射率80.0%、拡散反射率69.1%、全光線透過
率14.9%を得た。測定後の半透過反射シートを、恒
温恒湿槽に入れ、60℃、90%RHの湿熱条件で50
0時間放置した。500時間経過後、シートを取り出し
て表面を観察したところ、金属の凝集は見られなかっ
た。また、再度分光光度計により、全反射率、拡散反射
率を測定した結果、反射率が80.1%、拡散反射率が
69.3%、全光線透過率が14.7%と湿熱前とほと
んどかわらす、光学特性の劣化も見られなかった。結果
を(表1)に示した。
【0042】実施例2 実施例1において、第1層として、2%のAl2 3
ドープされた酸化亜鉛の代わりに、ITO(純度99.
9%)を厚さ5nmになるようにスパッタしたこと以外
は、実施例1に準じて半透過反射シートを作製した。得
られたシートに、保護層をラミネートした後、日立自記
分光光度計(型式U―3400)に150φの積分球を
設置し、550nmにおける全反射率、拡散反射率、全
光線透過率測定を行ったところ、反射率80.1%、拡
散反射率70.0%、全光線透過率14.8%を得た。
測定後の半透過反射シートを、恒温恒湿槽に入れ、60
℃、90%RHの湿熱条件で500時間放置した。50
0時間経過後、シートを取り出して表面を観察したとこ
ろ、金属の凝集は見られなかった。また、再度分光光度
計により、全反射率、拡散反射率を測定した結果、反射
率が79.9%、拡散反射率が69.7%、全光線透過
率が15.0%と湿熱前とほとんどかわらず、光学特性
の劣化も見られなかった。結果を(表1)に示した。
【0043】実施例3 実施例1において、第2層として、銀の代わりに銅及び
パラジウムを合わせて1重量%含有する銀の合金(純度
99.9%)を厚さ35nmになるようにスパッタし、
第3層として、SiO2 の代わりに2%のAl2 3
ドープされた酸化亜鉛を厚さ5nmになるようにスパッ
タしたこと以外は、実施例1に準じて半透過反射シート
を作製した。得られたシートに、保護層をラミネートし
た後、日立自記分光光度計(型式U―3400)に15
0φの積分球を設置し、550nmにおける全反射率、
拡散反射率、全光線透過率測定を行ったところ、反射率
78.2%、拡散反射率68.1%、全光線透過率1
5.1%を得た。測定後の半透過反射シートを、恒温恒
湿槽に入れ、60℃、90%RHの湿熱条件で500時
間放置した。500時間経過後、シートを取り出して表
面を観察したところ、金属の凝集は見られなかった。ま
た、再度分光光度計により、全反射率、拡散反射率を測
定した結果、反射率が78.3%、拡散反射率が68.
2%、全光線透過率が15.0%と湿熱前とほとんどか
わらず、光学特性の劣化も見られなかった。結果を(表
1)に示した。
【0044】実施例4 実施例3において、第1層として、2%のAl2 3
ドープされた酸化亜鉛の代わりに、ITO(純度99.
9%)を厚さ5nmになるようにスパッタしたこと以外
は、実施例3に準じて半透過反射シートを作製した。得
られたシートに、保護層をラミネートした後、日立自記
分光光度計(型式U―3400)に150φの積分球を
設置し、550nmにおける全反射率、拡散反射率、全
光線透過率測定を行ったところ、反射率78.6%、拡
散反射率67.7%、全光線透過率15.6%を得た。
測定後の半透過反射シートを、恒温恒湿槽に入れ、60
℃、90%RHの湿熱条件で500時間放置した。50
0時間経過後、シートを取り出して表面を観察したとこ
ろ、金属の凝集は見られなかった。また、再度分光光度
計により、全反射率、拡散反射率を測定した結果、反射
率が78.4%、拡散反射率が68.1%、全光線透過
率が15.7%と湿熱前とほとんどかわらず、光学特性
の劣化も見られなかった。結果を(表1)に示した。
【0045】実施例5 実施例1において、第1層の2%のAl2 3 がドープ
された酸化亜鉛の膜厚を20nm、第2層の銀の膜厚を
43nm、第3層のSiO2 の膜厚10nmとしたこと
以外は、実施例1に準じて、半透過反射シートを作製し
た。得られたシートに、保護層をラミネートした後、日
立自記分光光度計(型式U―3400)に150φの積
分球を設置し、550nmにおける全反射率、拡散反射
率、全光線透過率測定を行ったところ、反射率86.4
%、拡散反射率75.5%、全光線透過率5.2%を得
た。測定後の半透過反射シートを、恒温恒湿槽に入れ、
60℃、90%RHの湿熱条件で500時間放置した。
500時間経過後、シートを取り出して表面を観察した
ところ、金属の凝集は見られず、色も白いままだった。
また、再度分光光度計により、全反射率、拡散反射率、
全光線透過率を測定した結果、反射率が86.2%、拡
散反射率が75.1%、全光線透過率5.4%と湿熱前
とほとんどかわらす、光学特性の劣化も見られなかっ
た。
【0046】実施例6 実施例1において、第1層の2%のAl2 3 がドープ
された酸化亜鉛の膜厚を3nm、第2層の銀の膜厚を1
3nm、第3層のSiO2 の膜厚3nmとしたこと以外
は、実施例1に準じて、半透過反射シートを作製した。
得られたシートに、保護層をラミネートした後、日立自
記分光光度計(型式U―3400)に150φの積分球
を設置し、550nmにおける全反射率、拡散反射率、
全光線透過率測定を行ったところ、反射率49.1%、
拡散反射率38.9%、全光線透過率45.2%を得
た。測定後の半透過反射シートを、恒温恒湿槽に入れ、
60℃、90%RHの湿熱条件で500時間放置した。
500時間経過後、シートを取り出して表面を観察した
ところ、金属の凝集は見られず、色も白いままだった。
また、再度分光光度計により、全反射率、拡散反射率、
全光線透過率を測定した結果、反射率が49.2%、拡
散反射率が38.8%、全光線透過率45.1%と湿熱
前とほとんどかわらす、光学特性の劣化も見られなかっ
た。
【0047】比較例1 実施例1において、第2層としてAl(純度99.9
%)をスパッタしたこと以外は、実施例1に準じて、半
透過反射シートを作製した。得られたシートに保護層を
ラミネートした後、日立自記分光光度計(型式U―34
00)に150φの積分球を設置し、550nmにおけ
る全反射率、拡散反射率、全光線透過率測定を行った。
測定後のサンプルを、恒温恒湿槽に入れ、60℃、90
%RHの湿熱条件で500時間放置した。500時間経
過後、シートを取り出して、表面観察、反射率、拡散反
射率及び全光線透過率の測定を行った。結果を(表1)
に示した。
【0048】比較例2 実施例1において、第1層として2%のAl2 3 がド
ープされた酸化亜鉛(純度99.9%)をスパッタしな
いこと以外は、実施例1に準じて、半透過反射シートを
作製した。得られたシートに保護層をラミネートした
後、日立自記分光光度計(型式U―3400)に150
φの積分球を設置し、550nmにおける全反射率、拡
散反射率、全光線透過率測定を行った。測定後のサンプ
ルを、恒温恒湿槽に入れ、60℃、90%RHの湿熱条
件で500時間放置した。500時間経過後、シートを
取り出して、表面観察、反射率、拡散反射率及び全光線
透過率の測定を行った。結果を(表1)に示した。
【0049】比較例3 実施例1において、第3層としてSiO2 をスパッタし
ないこと以外は、実施例1に準じて、半透過反射シート
を作製した。得られたシートに保護層をラミネートした
後、日立自記分光光度計(型式U―3400)に150
φの積分球を設置し、550nmにおける全反射率、拡
散反射率、全光線透過率測定を行った。測定後のサンプ
ルを、恒温恒湿槽に入れ、60℃、90%RHの湿熱条
件で500時間放置した。500時間経過後、シートを
取り出して、表面観察、反射率、拡散反射率及び全光線
透過率の測定を行った。結果を(表1)に示した。
【0050】比較例4 実施例1において、PETフィルム上に塗布する量を3
g/m2 とすること以外は、実施例1に準じて、半透過
反射シートを形成した。得られたシートに保護層をラミ
ネートした後、日立自記分光光度計(型式U―340
0)に150φの積分球を設置し、550nmにおける
全反射率、拡散反射率、全光線透過率測定を行った。測
定後のサンプルを、恒温恒湿槽に入れ、60℃、90%
RHの湿熱条件で500時間放置した。500時間経過
後、シートを取り出して、表面観察、反射率、拡散反射
率及び全光線透過率の測定を行った。結果を(表1)に
示した。
【0051】比較例5 実施例1において、PETフィルム上に塗布する量を1
5g/m2 とすること以外は、実施例1に準じて、半透
過反射シートを形成した。得られたシートに保護層をラ
ミネートした後、日立自記分光光度計(型式U―340
0)に150φの積分球を設置し、550nmにおける
全反射率、拡散反射率、全光線透過率測定を行った。測
定後のサンプルを、恒温恒湿槽に入れ、60℃、90%
RHの湿熱条件で500時間放置した。500時間経過
後、シートを取り出して、表面観察、反射率、拡散反射
率及び全光線透過率の測定を行った。結果を(表1)に
示した。
【0052】比較例6 実施例1において、塗布溶液調合時に固形分中の粒子の
割合を2体積%とした溶液を調合したこと以外は、実施
例1に準じて半透過反射シートを作製した。得られたシ
ートに保護層をラミネートした後、日立自記分光光度計
(型式U―3400)に150φの積分球を設置し、5
50nmにおける全反射率、拡散反射率、全光線透過率
測定を行った。測定後のサンプルを、恒温恒湿槽に入
れ、60℃、90%RHの湿熱条件で500時間放置し
た。500時間経過後、シートを取り出して、表面観
察、反射率、拡散反射率及び全光線透過率の測定を行っ
た。結果を(表1)に示した。
【0053】比較例7 実施例1において、塗布溶液調合時に固形分中の粒子の
割合を70体積%とした溶液を調合したこと以外は、実
施例1に準じて半透過反射シートを作製した。得られた
シートに保護層をラミネートした後、日立自記分光光度
計(型式U―3400)に150φの積分球を設置し、
550nmにおける全反射率、拡散反射率、全光線透過
率測定を行った。測定後のサンプルを、恒温恒湿槽に入
れ、60℃、90%RHの湿熱条件で500時間放置し
た。500時間経過後、シートを取り出して、表面観
察、反射率、拡散反射率及び全光線透過率の測定を行っ
た。結果を(表1)に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の半透過反射シートは、半透過型
液晶表示装置に用いた場合、非常に優れた耐久性を示
し、湿熱条件下においても反射率の低下が見られず、ま
た、従来の半透過反射シートより高反射率であり、半透
過型液晶表示能力を向上させることを可能にするもので
あり、本発明の工業的意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA02 BA15 BA20 DA04 DA11 DA15 DA17 DA18 DA21 DB01 DB06 DB11 DC01 DC02 DC07 DE00 2H091 FA08X FA08Z FA15Z FA16Z FA42Z FA44Z FA45Z FB02 FB12 FB13 FC12 LA17 LA18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルム(A)、主として粒子層
    からなる凹凸層(B)、透明酸化物からなる層(C)、
    銀単体または銀を主体とする合金からなる金属層
    (D)、および、透明酸化物からなる層(E)を、AB
    CDEの構成順に有する半透過反射シートであって、波
    長550nmにおける該半透過反射シートの(E)層側
    からの光線透過率が、1%以上、50%以下であること
    を特徴とする半透過反射シート。
  2. 【請求項2】 主として粒子層からなる凹凸層(B)
    が、平均粒径1μm以上、15μm以下である微細粒
    子、および、バインダーにより形成され、かつ、該微細
    粒子が凹凸層の体積に対し5〜52体積%の割合になる
    ように配合され、該凹凸層の乾燥重量(g/cm2 )が
    下記式(1)の条件を満足するものであることを特徴と
    する請求項1記載の半透過反射シート。 式(1):0.75×2r×102 /(p/a+(10
    0−p)/b)≦乾燥重量(g/cm2 )≦2.5×2
    r×102 /(p/a+(100−p)/b) 〔但し、p=100/(1+(100/v―1)×b/
    a)であり、rは使用した微細粒子の半径の平均値(c
    m)、pは凹凸層中の微細粒子の割合(重量%)、vは
    凹凸層中の微細粒子の割合(体積%)、aは用いた微細
    粒子の密度(g/cm3 )、bは用いたバインダーの密
    度(g/cm3 )を表す。〕
  3. 【請求項3】 微細粒子が、アクリル系粒子であること
    を特徴とする請求項2に記載の半透過反射シート。
  4. 【請求項4】 バインダーが、アクリル系樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項2または3に記載の半透過反射シ
    ート。
  5. 【請求項5】 透明酸化物からなる層(C)が、酸化ア
    ルミニウムが0〜5重量%ドープされた酸化亜鉛、或い
    は、インジウムとスズの酸化物(ITO)からなる層で
    あり、該膜厚が1〜20nmであることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の半透過反射シート。
  6. 【請求項6】 金属層(D)が、銀単体、または、銀に
    対し銅とパラジウムを合わせて0.001〜2重量%含
    有している銀を主体とする合金からなる層であり、該金
    属層の膜厚が10〜65nmであることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の半透過反射シート。
  7. 【請求項7】 透明酸化物からなる層(E)が、膜厚1
    〜50nmの珪素酸化物からなる層、または、膜厚1〜
    20nmの酸化アルミニウムが0〜5重量%ドープされ
    た酸化亜鉛またはインジウムとスズの酸化物(ITO)
    からなる層であることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の半透過反射シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003009018A1 (en) * 2001-07-16 2003-01-30 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Substrate with semi-transmitting mirror and semi-transmitting liquid crystal display unit
JP2006098856A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Ulvac Japan Ltd Ag系反射膜およびその作製方法

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