JPH112709A - 半透過反射体 - Google Patents

半透過反射体

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JPH112709A
JPH112709A JP10067271A JP6727198A JPH112709A JP H112709 A JPH112709 A JP H112709A JP 10067271 A JP10067271 A JP 10067271A JP 6727198 A JP6727198 A JP 6727198A JP H112709 A JPH112709 A JP H112709A
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JP
Japan
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particles
layer
particle
polymer film
reflector
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Pending
Application number
JP10067271A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kawamoto
悟志 川本
Masami Gotou
優実 後藤
Shin Fukuda
福田  伸
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バックライト併用型の反射型液晶表示装置に半
透過反射体を用いることにより、これまでよりも広い範
囲(視野角)において明るい表示を可能にする。 【解決手段】透明高分子フィルム70上に、密に詰まっ
た、実質的に一層である、粒子層からなる、凹凸層60
を形成し、更に銀またはアルミニウムを用いて金属薄膜
層50を形成する。金属薄膜層の厚さは、半透過反射体
とした際の反射率と光線透過率を考慮して決定される
が、完全な反射体と比べて薄くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバックライト併用型
の反射型液晶表示装置に用いられる反射体に関する。更
に詳しくは本発明は、液晶パネルの背面にバックライト
として、冷陰極管、EL(Electro Luminescence)発光
素子、発光ダイオード等の光源を備えたバックライト併
用型の反射型液晶表示装置に用いられる反射体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】暗闇においてバックライトを用いるバッ
クライト併用型の反射型液晶は、常時バックライトを用
いる透過型液晶表示装置に比べ低消費電力であることか
ら携帯電話、PHS、ホケベル等の携帯情報端末に使用
されている。バックライト併用型の反射型液晶表示装置
の一例を図1に示す。人側より、偏光板10、液晶表示
パネル20、偏光板10、半透過反射体30、バックラ
イト40である。明るい室内では半透過反射体30によ
り反射された外光(太陽光、照明等)を利用して、また
暗闇ではバックライト40を点灯し、半透過反射体30
を通過した光を利用してそれぞれ表示を行っている。
【0003】理想的な液晶表示とは、明るく、そしてど
こからみても同様な表示品質が得られるものであり、私
たちが普段使用している本などの印刷物のようなもので
あると言われている。よって反射型液晶表示装置に用い
られる反射体も紙のように四方八方に均一に光を拡散す
る反射体(ペーパーホワイトタイプ)が好ましいと考え
られている。しかしながら、液晶表示装置では偏光板、
液晶パネル等により入射光の半分以上が吸収される。よ
って四方八方に均一に光を拡散する反射体を液晶表示装
置に用いると、実際には暗くなり使用できない。そこ
で、金属光沢を持つ正反射成分の大きい反射体を用い、
ある範囲に光を集中することによって明るい表示を実現
している。現在用いられている反射体の反射特性の一例
を図2に示す。しかしながら、このような正反射成分の
大きな反射体では、光の入射角と見る角度(受光角)が
一致する場合には非常に明るいものの、見る角度(受光
角)がずれると一気に暗くなってしまう、つまり視野角
が狭いという欠点がある。視野角を広げるには拡散成分
を増やす必要があるが、拡散成分を増やすことはせっか
く集中させた光を広げることになり全体的に暗くなって
しまう。よって現在では正反射角からプラスマイナス1
5°程度の非常に狭い視野角しか得られていない。
【0004】この視野角を広げるためには反射体の反射
特性(光の集中と分散)を制御することが必要であり、
これまでに多くの検討がなされてきた。反射体の反射特
性を制御する方法としては、反射面(金属薄膜層)を形
成する基材(高分子フィルム)を凹凸化する方法が一般
的である。凹凸化方法としては、(1)高分子フィルム
表面を金属ブラシでこすったり(ヘヤーライン)、Si
2 等の粒子を高圧空気とともに吹き付けることにより
凹凸化する方法(サンドブラスト法)、(2)高分子フ
ィルムの原料である樹脂中に白色顔料等の粒子(フィラ
ー)を混入し成膜することで凹凸化する方法、(3)高
分子フィルム上に粒子を含む樹脂を塗布することにより
凹凸化する方法がある。
【0005】しかしながら、これらの方法ではこれまで
のところ図2と同様な反射特性しか得られておらず、図
3に示すような視野角がマイナス25°からプラス25
°の範囲に光が集中し、明るさ(輝度)が等しい理想的
な反射特性は得られていない。よって図3に示すような
理想的な反射特性を得るためには、これまでよりも更に
制御された凹凸表面を用いる必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたものであり、バックライト併用
型の反射型液晶表示装置に用いた際に、従来よりも広い
視野角を与える反射体(半透過反射体)を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題を解
決するために、より制御された凹凸表面について鋭意研
究した結果、驚くべきことに、透明高分子フィルム上
に、密に詰まった、実質的に一層からなる、粒子層を形
成した図4に示すような凹凸面を持つ反射体が、図5に
示すような三つのピークからなる反射特性を持つことを
見いだした。更に、密に詰まった、実質的に一層からな
る、粒子層を形成した後に、樹脂を塗布し、粒子と粒子
の谷間の形状を制御することで、視野角がマイナス25
°からプラス25°の範囲にこれまで以上に光が集中
し、明るさ(輝度)が等しい反射体が得られることも見
いだした。本発明はかかる知見によりなされるに至った
ものである。
【0008】すなわち、本発明の要旨は次のとおりであ
る。第一は、透明高分子フィルムと、該透明高分子フィ
ルム上に形成される粒子層からなる凹凸層と及び、該凹
凸層上に形成される金属薄膜層とから構成される半透過
反射体であって、波長550nmにおける該半透過反射
体の光線透過率が1%以上、50%以下であることを特
徴とする半透過反射体、である。
【0009】第二は、該凹凸層が、密に詰まった、実質
的に一層である、粒子層からなることを特徴とする第一
に記載の半透過反射体、である。第三は、バインダーと
粒子からなる塗布液を式(1)に示す塗布量の範囲で透
明高分子フィルム上に塗布したことにより該粒子層を形
成したことを特徴とする第二に記載の半透過反射体、で
ある。
【0010】式(1):(2×30.5 /9)×π×10
4 ×r×(dp/(N×P))×0.3≦塗布量(g/
cm2 )≦(2×30.5 /9)×π×104 ×r×(d
p/(N×P))×1.3 π :円周率 r :用いた粒子の半径の平均値(cm) dp:用いた粒子の密度(g/cm3 ) N :塗布液の固形分(重量%) P :固形分中の粒子の割合(重量%) 第四は、該塗布液の固形分中の粒子の割合(P)が30
〜90重量%であることを特徴とする第三に記載の半透
過反射体、である。
【0011】第五は、該粒子の平均粒径(2r)が1〜
15μmであることを特徴とする第三に記載の半透過反
射体、である。第六は、該粒子が有機物であることを特
徴とする第三に記載の半透過反射体、である。
【0012】第七は、該金属薄膜層が銀もしくはアルミ
ニウムを主成分とする金属からなることを特徴とする第
一に記載の半透過反射体、である。第八は、視野角マイ
ナス25゜からプラス25゜における輝度の最小値の最
大値に対する比が0.1〜0.8であり、視野角マイナ
ス25゜からプラス25゜における輝度の最大値が黒色
ガラスのそれの10〜95%であることを特徴とする第
一に記載の半透過反射体、である。
【0013】第九は、バインダーと粒子からなる塗布液
を、透明高分子フィルム上にリバースコート法により連
続的に塗布することにより凹凸層を形成することを特徴
とする第一又は八に記載の半透過反射体の製造方法、で
ある。第十は、バインダーと粒子からなる塗布液を、透
明高分子フィルム上にリバースコート法により連続的に
塗布することで粒子層を形成し、更にリバースコート法
にて連続的に該粒子層上に樹脂を塗布することで凹凸層
を形成することを特徴とする第一又は八に記載の半透過
反射体の製造方法、である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の半透過反射体の最も基本
的な一例を図6に示す。透明高分子フィルム70上に、
密に詰まった、実質的に一層である、粒子層からなる、
凹凸層60、さらにその上に金属薄膜層50が形成され
ており、波長550nmにおける光線透過率は1%以
上、50%以下である。
【0015】本発明における透明高分子フィルムには、
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ
スチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(P
C)、ポリイミド(PI)、三酢酸セルロース系樹脂、
ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、フッ素系
樹脂等が使用できるが、必ずしもこれらに限定されるわ
けではなく、透明であり、ある程度ガラス転移温度が高
いものであれば使用できる。
【0016】透明高分子フィルムの厚みには限定的な値
はないが、通常は10〜400μm程度であり、好まし
くは10〜200μm程度であり、更により好ましくは
25〜100μm程度である。使用する透明高分子フィ
ルムの光学特性は一般的には波長300〜800nmの
可視光領域において透明であることが好ましいが、光源
として使用するバックライト(冷陰極管、EL素子等)
の発光スペクトルにより300nm〜800nmの一部
で不透明であっても構わない。また、故意に赤、青、緑
等の着色フィルムを用いることにより、バックライト
(冷陰極管、EL素子等)の光源を用いた際に色鮮やか
な表示とすることができる。
【0017】本発明の半透過反射体を得るには、凹凸層
として、密に詰まった、実質的に一層である、粒子層を
用いること、また、好ましくは、散乱光が少なくなるよ
うに、粒子と粒子の谷間の形状を制御することが重要で
ある。散乱光とは、粒子と粒子の谷間で一方の粒子で反
射した光が、更にもう一方の粒子で反射することにより
生じるものである。散乱光を少なくするには、なだらか
な凹凸面となるように粒子と粒子の谷間の形状を形成す
ることで達成できる。
【0018】密に詰まった、実質的に一層である、粒子
層とは、一例を示すと図4に示すような、透明高分子フ
ィルム上に、重なることなく隙間なく並んだ粒子からな
る層を言う。更に詳細に説明すると、本発明の、密に詰
まった、実質的に一層である粒子層の示す範囲は、充填
率が30%以上及び重複率が30%以下である粒子層で
あり、好ましくは充填率が50%以上及び重複率が20
%以下である粒子層であり、より好ましくは充填率が7
0%以上及び重複率が10%以下である粒子層である。
粒子の充填率とは、用いた粒子の平均粒径と等しい粒子
が平面内で(2次元で)最密充填したときの単位面積あ
たりの粒子数に対する、実際の単位面積あたりの粒子数
(透明高分子フィルム上の1層目の粒子のみを計数し、
2層目以上の粒子を除くこととする)の割合で表す。例
えば粒径6μm(半径r=3μm)の粒子が最密充填し
たとすると、1cm2 の正方形中には、 (π×30.5 /6)×1/(π×(3×10-42 )=
3.21×106 個 の粒子が入る。よって充填率30%とは1cm2 の正方
形上に9.63×105個の粒子が存在する状態を示
し、同様にして充填率50%とは1.61×106個の
粒子が存在する状態を、充填率70%とは2.25×1
6 個の粒子が存在する状態を言う。また、重複率とは
透明高分子フィルム上の1層目の粒子数に対する、2層
目以上の粒子数の割合で示す。
【0019】密に詰まった、実質的に一層である、粒子
層からなる、凹凸層は、例えば、透明高分子フィルム上
に粒子とバインダーからなる液(粒子分散液)を塗布す
ることにより形成することができる。また、粒子分散液
を塗布し粒子層を形成した後に、更に該粒子層上に樹脂
を塗布することによっても形成できる。樹脂を粒子層上
に塗布するのはなだらかな凹凸面とすることで散乱光を
減少させるためである。コストの面からは前者が好まし
いが、本発明の目的である視野角マイナス25°からプ
ラス25°の範囲に光が集中し明るさ(輝度)が等しい
理想的な反射特性を得るには、目的とするなだらかな凹
凸形状が比較的得られやすい後者の方法が好ましく用い
られる。その他、密に詰まった、実質的に一層である、
粒子層からなる、凹凸層はスクリーン印刷等によっても
形成できる。しかしながら必ずしもこれらの方法に限定
されるわけではなく、密に詰まった、実質的に一層であ
る、粒子層を形成できる方法であれば形成方法は問わな
い。粒子とバインダーからなる液(粒子分散液)を塗布
することにより、密に詰まった、実質的に一層である、
粒子層を透明高分子フィルム上に形成するには、該粒子
分散液の塗布量を式(1)に示す範囲とすることが好ま
しい。
【0020】式(1):(2×30.5 /9)×π×10
4 ×r×(dp/(N×P))×0.3≦塗布量(g/
cm2 )≦(2×30.5 /9)×π×104 ×r×(d
p/(N×P))×1.3 π :円周率 r :用いた粒子の半径の平均値(cm) dp:用いた粒子の密度(g/cm3) N :塗布液の固形分(重量%) P :固形分中の粒子の割合(重量%) より好ましくは式(2)に示す範囲である。
【0021】式(2):(2×30.5 /9)×π×10
4 ×r×(dp/(N×P))×0.5≦塗布量(g/
cm2 )≦(2×30.5 /9)×π×104 ×r×(d
p/(N×P))×1.2 ここでいう塗布量とはウェット(乾燥前)での値であ
る。ウエットでの塗布量はコーティングに用いるグラビ
ヤ版、メイヤーバーの番手を選ぶ上で有用であるが、一
方で実測が困難である。そこで実際には乾燥後の膜厚
や、乾燥後の塗布重量が測定されることが多い。粒子層
は凹凸層であるので必ずしも塗布量と膜厚が一致しな
い。そこで乾燥後の塗布重量で評価することが好ましい
と考えられる。乾燥後の塗布重量と塗布量の間には、実
質的に、 乾燥後の塗布重量(g/cm2 )=塗布量(g/c
2 )×N/100 の関係がある。よって式(1)は式(3)と表すことが
できる。
【0022】式(3):(2×30.5 /9)×π×10
2 ×r×(dp/P)×0.3≦塗布重量(g/c
2 )≦(2×30.5 /9)×π×102 ×r×(dp
/P)×1.3 同様にして、式(2)は式(4)と表すことができる。
【0023】式(4):(2×30.5 /9)×π×10
2 ×r×(dp/P)×0.5≦塗布重量(g/c
2 )≦(2×30.5 /9)×π×102 ×r×(dp
/P)×1.2 塗布重量が測定できない場合には、実際の塗布面を光学
顕微鏡で観察し塗布量を調節することで、密に詰まっ
た、実質的に一層である、粒子層を得ることができる。
塗布面を写真に撮り一定範囲内の粒子数を計数するのが
一般的である。
【0024】粒子分散液を塗布し粒子層を形成した後
に、更に該粒子層上に樹脂を塗布することによって凹凸
層を得る際の樹脂層の塗布量は、下地層である粒子層の
充填率などにより大きく変わってくるので一概に塗布量
で表すことはできない。しかしながら粒子層で得られた
凹凸形状を生かす範囲であることを考えればその塗布量
は自ずと限られてくる。塗布量を塗布厚みに換算すれば
樹脂層の塗布厚みは粒子層の塗布厚みと同等かそれ以下
であり、粒子層の3倍以上の塗布厚みになることはな
い。
【0025】従来より、粒子を含む樹脂を塗布すること
により凹凸化する方法が行われているが、従来の方法で
は、膜厚が厚く実質的に一層ではないため、または、膜
厚が薄いとしても粒子が密に詰まっていないため、本発
明の効果が得られないのである。
【0026】バインダーとしては、ポリアミド系、ポリ
エステル系、ポリウレタン系、アクリル系等の熱可塑性
樹脂、及び尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の
熱硬化性樹脂が用いられる。これらは、透明高分子フィ
ルム及び粒子及び樹脂との密着性を考慮して選択され
る。
【0027】樹脂としては、ポリアミド系、ポリエステ
ル系、ポリウレタン系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、
及び尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂が用いられる。これらは、粒子層及び金属薄膜層
との密着性を考慮して選択される。
【0028】粒子としては、ポリスチレン、ポリメタク
リル酸メチル、スチレンメタクリレート、スチレンアク
リレート、スチレンブタジエン等の高分子(有機物)か
らなる粒子が、また、アルミナ、チタニア(チタン
白)、酸化鉛(鉛白)、酸化亜鉛(亜鉛華)、炭酸カル
シウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウ
ム、珪酸ソーダ等のいわゆる白色顔料系の粒子や、酸化
珪素等の無機系の粒子が用いられる。粒子の材質につい
ては特に限定されないが、粒子とバインダーからなる液
(粒子分散液)の分散安定性を考慮した際には、比重の
小さい高分子(有機物)からなる粒子が好ましく用いら
れる。
【0029】高分子からなる粒子の調整方法としては、
乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法が挙げられる。乳
化重合法が最も一般的であるが、近年、分散重合も盛ん
に行われている。どの重合法においても生成する高分子
は分散媒に難溶であり、分散媒と高分子間の表面張力に
より粒子化する。高分子粒子は、粒子表面に結合または
吸着している保護層によって安定化され、さらに粒子内
架橋によっても安定化される。これら3方法の中でも特
に分散重合法を用いた粒子作製では、サブミクロンから
数十ミクロンまでの広い範囲の粒子が得られる特徴があ
る。
【0030】分散重合法では、分散媒として非水溶媒が
用いられ、分散剤としては両親媒性高分子が用いられ
る。モノマーが分散媒中に溶けることが必要であり、モ
ノマーが溶解した分散媒中に開始剤を加えることにより
に重合が開始する。重合は溶液中で進行し、粒子析出後
は粒子内でも進行する。スチレンの分散重合においては
溶媒として用いるアルコールの炭素数により生成する粒
子の直径がかなり広い範囲で変化することが知られてい
る(A.J.Paine, J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,38,2485
(1990))。また、得られる粒子直径のばらつきも非常に
小さいことから有用な重合方法である。
【0031】粒子の直径(粒径)の平均値は1μm以
上、15μm以下であることが好ましい。より好ましく
は2μm以上、12μm以下であり、更に好ましくは3
μm以上、10μm以下である。粒径があまりに小さい
と実質的に一層からなる粒子層を形成するのが難しい。
また、粒径があまりに大きいと塗布厚みが厚くなり工業
上好ましくないばかりでなく、きめの粗い反射体とな
る。
【0032】用いる粒子の粒径分布は小さい方が好まし
い。粒径の標準偏差の平均粒径に対する割合は、通常は
50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは2
0%以下である。あまりに粒径分布が大きいと、密に詰
まった、実質的に一層である、粒子層を得ることが難し
くなり、制御された凹凸層が得られず、よって本発明の
反射体の性能が得られない。
【0033】粒径分布は、少量の粒子を分散させた溶液
の動的光散乱法により測定することができる。またSE
M写真より、無作意に選んだ100個の粒子の直径より
求めることができる。粒子の直径はSEM写真以外に光
学顕微鏡写真より読みとることができる。また、得られ
た写真または像を画像処理することで粒径分布を求める
ことができる。
【0034】粒子分散液の固形分中の粒子の重量%は通
常30%以上、90%以下である。好ましくは40%以
上、80%以下であり、より好ましくは50%以上、7
0%以下である。粒子の重量%があまりに小さいと粒子
を密に一層塗布することが難しい。また、粒子の重量%
があまりに大きいとバインダーに対して粒子が多すぎる
ために粒子の密着性が悪く、よって粒子の脱落、剥がれ
等が起こる。
【0035】粒子分散液を透明高分子フィルムに塗布す
る方法としては、前計量系ではロールコート法、グラビ
ヤコート法等が、後計量系ではバー(ロッド)コート
法、ブレードコート法、エアナイフコート法などがあげ
られる。本願の粒子層を得るためには、基材である透明
高分子フィルムの進行方向とコートロール又は計量に用
いられるバーの回転方向とが逆であるリバースコート法
が好ましく用いられる。さらに好ましくはコートロール
にグラビヤロールを用いたグラビヤリバースコート法が
用いられる。リバースコート法が好ましく用いられるの
はスムージング効果により畝模様等のない均質な表面が
得られることに加え、粒子の重なりが押えられ充填率が
上がるからである。
【0036】金属薄膜層に用いられる金属としては特に
限定されないが、可視光領域において高い反射率を持つ
金属が好ましく用いられる。好ましくは、銀、アルミニ
ウム及びこれらの合金が用いられる。
【0037】金属薄膜層の形成法は、湿式法および乾式
法がある。湿式法とはメッキ法の総称であり、溶液から
金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例を挙げ
るとすれば、銀鏡反応等がある。一方、乾式法とは、真
空成膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵
抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イ
オンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着
法、スパッタ法等がある。とりわけ、本発明には連続的
に成膜するロール・ツ・ロール方式が可能な真空成膜法
が好ましく用いられる。
【0038】真空蒸着法では金属の原材料を電子ビー
ム、抵抗加熱、誘導加熱等で溶融させ、蒸気圧を上昇さ
せ、好ましくは13.3mPa(0.1mTorr)以
下で基材表面に蒸着させる。この際に、アルゴン等のガ
スを13.3mPa(0.1mTorr)以上導入さ
せ、高周波もしくは直流のグロー放電を起こしてもよ
い。
【0039】スパッタ法には、DCマグネトロンスパッ
タ法、RFマグネトロンスパッタ法、イオンビームスパ
ッタ法、ECRスパッタ法、コンベンショナルRFスパ
ッタ法、コンベンショナルDCスパッタ法等を使用し得
る。スパッタ法においては、原材料は金属の板状のター
ゲットを用いればよく、スパッタガスには、ヘリウム、
ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等を使用し得
るが、好ましくはアルゴンが用いられる。ガスの純度
は、99%以上が好ましいが、より好ましくは99.5
%以上である。
【0040】金属薄膜層の厚さは、半透過反射体とした
際の反射率と光線透過率を考慮して決められる。金属薄
膜層が厚いと反射率が高く光線透過率が低くなり、薄い
と反射率が低く光線透過率が高くなる。一例を上げると
金属に銀を用いた場合には、銀の膜厚が約15nmで反
射率50%程度、光線透過率45%程度になる。また、
銀の膜厚が65nmの際には反射率85%程度で、光線
透過率が10%程度になる。金属にアルミニウムを用い
た場合には、アルミニウムの膜厚が約5nmで反射率5
0%程度、光線透過率40%程度に、アルミニウムの膜
厚が20nmで反射率80%程度、光線透過率10%程
度になる。
【0041】金属薄膜層に銀を用いた場合には、理論計
算によると膜厚15nmで光線透過率56.6%、膜厚
20nmで光線透過率41.6%が、膜厚70nmで光
線透過率1.2%、膜厚75nmで光線透過率0.8%
が得られることがわかる。実際には成膜法にもよるが理
論計算で用いた膜厚よりも厚くしないと同様な値が得ら
れないことが多い。これは一般に薄膜はバルクに比べ密
度が低いことによると思われる。
【0042】金属薄膜層にアルミニウムを用いた場合に
は、理論計算によると膜厚4nmで光線透過率53.9
%、膜厚5nmで光線透過率45.0%が、膜厚29n
mで光線透過率1.1%、膜厚30nmで光線透過率
0.9%が得られることがわかる。銀の場合と同様に実
際には理論計算で用いた膜厚よりも厚くしないと同様な
値が得られないことが多い。
【0043】半透過反射体に求められる光線透過率は用
いるバックライトの発光輝度により異なる。好ましくは
1%以上、50%以下であり、より好ましくは3%以
上、40%以下であり、更に好ましくは5%以上、30
%以下である。前記金属薄膜層の膜厚の測定方法として
は、触針粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバラン
ス、水晶振動子法等を用いる方法があり、特に水晶振動
子法では成膜中に膜厚が測定可能なので所望の膜厚を得
るのに適している。また、前もって成膜の条件を定めて
おき、試料基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚の関係
を調べた上で、成膜時間により膜厚を制御する方法もあ
る。
【0044】金属薄膜層の酸化及び硫化等の腐食防止の
ために、金属薄膜上に保護層を設けることは、本発明の
反射シートの信頼性を向上させる意味から好ましい。保
護層としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、
シリコーン系樹脂及びウレタン系樹脂等の透明樹脂が、
また、酸化珪素、フッ化マグネシウム、窒化珪素等の透
明な無機薄膜が用いられる。
【0045】半透過反射体の反射特性としては、視野角
マイナス25°からプラス25°における輝度の最小値
の最大値に対する比が0.1〜0.8であり、視野角マ
イナス25°からプラス25°における輝度の最大値が
黒色ガラスのそれの10〜95%であることが好まし
い。より好ましくは、視野角マイナス25°からプラス
25°における輝度の最小値の最大値に対する比が0.
15〜0.8であり、視野角マイナス25°からプラス
25°における輝度の最大値が黒色ガラスのそれの20
〜95%であり、更により好ましくは、視野角マイナス
25°からプラス25°における輝度の最小値の最大値
に対する比が0.2〜0.8であり、視野角マイナス2
5°からプラス25°における輝度の最大値が黒色ガラ
スのそれの30〜95%である。これらにより図3の理
想的な反射特性に更に近づく。
【0046】
【実施例】以下実施例を用いて本発明について説明す
る。反射体の輝度は入射光の強度、入射光の広がり、入
射光の位置、入射光の数等により変化することから、輝
度の絶対値を測定し比較することは現状では非常に困難
である。そこでここでは便宜的に光沢度測定をもって輝
度測定に代える。反射体の光沢度はスガ試験機(株)デ
ジタル変角光沢度計(型式UGV−4D)を用いて測定
した。光源の入射角を試料面の法線に対して45°で固
定し、受光角を入射光と同一平面内で変化させた。この
とき光源と受光器は法線を挟んで対峙している。また比
較用の黒色ガラスには一次標準面として用いられている
黒色ガラスを用いた。光源側には10mm×15mmの
スリットを、受光側には3mm×6mmのスリットを用
いた。ここで視野角0°における輝度とは、法線に対し
て受光角45°における輝度(光沢度)を、また視野角
マイナス25°における輝度とは受光角20°における
輝度(光沢度)を、視野角プラス25゜における輝度と
は受光角70゜における輝度(光沢度)をそれぞれ示
す。
【0047】光線透過率測定は日立自記分光光度計(型
式U−3400)に150φの積分球を設置し行った。
測定波長は550nmである。
【0048】実施例1 粒子とバインダー及び蒸留水を用いて表1のAに示す粒
子分散液を調製した。粒子には粒径の平均値が3μm、
粒径分布の標準偏差が0.3μm(10%)のポリスチ
レン(PS)粒子を、またバインダーにはメチルメタク
リレートを主成分とするアクリルエマルジョン(ガラス
転移温度25℃)を用いた。マイクログラビヤ法にて、
粒子分散液を、厚み100μmのポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム上に塗布し乾燥した。乾燥後
の塗布面を光学顕微鏡により観察し塗布条件を調整する
ことで、密に詰まった、実質的に一層である、粒子層を
得た。このようにして形成した凹凸層上に金属薄膜層と
してDCマグネトロンスパッタ法で、純度99.9%の
銀をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンをスパ
ッタガスとして、銀を膜厚65nmになるように形成し
た。
【0049】実施例2 粒子とバインダー及び蒸留水を用いて表1のAに示す粒
子分散液を調製した。粒子には粒径の平均値が6.5μ
m、粒径分布の標準偏差が3.0μm(46%)のアク
リル粒子を、またバインダーにはメチルメタクリレート
を主成分とするアクリルエマルジョン(ガラス転移温度
11℃)を用いた。マイクログラビヤ法にて、粒子分散
液を、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に塗布し乾燥した。乾燥後の塗布
面を光学顕微鏡により観察し塗布条件を調整すること
で、密に詰まった、実質的に一層である、粒子層を得
た。更にこの粒子層上に固形分が30%のアクリル系エ
マルジョンを塗布し乾燥した。乾燥後の塗布面の散乱光
を光学顕微鏡の暗視野像により観察し塗布条件を調整す
ることで、粒子間の谷間の形状を調整した。このように
して形成した凹凸層上に金属薄膜層としてDCマグネト
ロンスパッタ法で、純度99.9%の銀をターゲットと
し、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして、
銀を膜厚65nmになるように形成した。
【0050】実施例3 実施例2において、表1のBに示す粒子分散液を用いた
以外は実施例2と同様に行った。
【0051】実施例4 実施例2において、表1のCに示す粒子分散液を用いた
以外は実施例2と同様に行った。
【0052】実施例5 実施例4において、粒子として分散重合にて作製した粒
径の平均値が5μm、粒径分布の標準偏差が0.4μm
(8%)のポリスチレン(PS)粒子を、またバインダ
ーとしてスチレンを主成分とするスチレン−アクリル系
エマルジョン(ガラス転移温度20℃)を、更に粒子層
上に固形分が30%のポリエステル系樹脂を塗布する以
外は実施例4と同様に行った。
【0053】実施例6 実施例4において、金属薄膜層として、抵抗加熱式真空
蒸着法で、純度99.99%のアルミニウムを膜厚20
nmになるように形成した以外は実施例4と同様に行っ
た。
【0054】比較例1 粒子とバインダー及び蒸留水を用いて表1のDに示す粒
子分散液を調製した。粒子には、分散重合にて作製した
粒径の平均値が5μm、粒径分布の標準偏差が0.4μ
m(8%)のポリスチレン(PS)粒子を、またバイン
ダーにはスチレンを主成分とするスチレン−アクリル系
エマルジョン(ガラス転移温度20℃)を用いた。マイ
クログラビヤ法にて、粒子分散液を、厚み100μmの
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗
布し乾燥した。乾燥後の塗布厚みは10μmである。こ
の凹凸層上に金属薄膜層として、抵抗加熱式蒸着法で、
純度99.99%のアルミニウムを膜厚20nmになる
ように形成した。
【0055】比較例2 比較例2において、表1のEに示す粒子分散液を用いた
以外は比較例1と同様に行った。 比較例3 粒子とバインダー及び蒸留水を用いて表1のAに示す粒
子分散液を調製した。粒子には粒径の平均値が6.5μ
m、粒径分布の標準偏差が3.0μm(46%)のアク
リル粒子を、またバインダーにはメチルメタクリレート
を主成分とするアクリルエマルジョン(ガラス転移温度
11℃)を用いた。マイクログラビヤ法にて、粒子分散
液を、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に塗布し乾燥した。乾燥後の塗布
厚みは10μmである。この凹凸層上に金属薄膜層とし
てDCマグネトロンスパッタ法で、純度99.9%の銀
をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンをスパッ
タガスとして、銀を膜厚65nmになるように形成し
た。
【0056】
【表1】
【0057】実施例及び比較例にて得られた半透過反射
体の光線透過率及び反射特性を表2に示す。また、実施
例1及び比較例1において得られた半透過反射体を調べ
たところ、それぞれ図5及び図2に示す反射特性を得
た。さらに、実施例及び比較例で得られた半透過反射体
を、バックライト併用型の反射型液晶表示装置に用い
た。実施例1〜6の半透過反射体を用いたものは、これ
までよりも明るく見やすい表示であった。しかし、比較
例1、2の半透過反射体では、見る角度によって明るさ
が大きく変化し、非常に見にくい表示であった。また、
比較例3の半透過反射体では、見る角度による明るさの
変化は少なかったが、非常に暗い表示であった。
【0058】
【表2】 以下の実施例で、本発明の密に詰まった、実質的に一層
である、粒子層について説明する。
【0059】尚、実施例7〜9及び比較例4〜6では、
粒子分散液の塗布量を変えるためにコーターの塗布条件
を変更しているが、グラビヤリバース比については20
0に比べ100の方が塗布量が多くなっている。また、
ドクターの突き出し量については、突き出しが大きくな
るほどグラビヤロールに対するドクターの接触角が小さ
くなるが、その結果塗布量は増している。
【0060】実施例7 粒子とバインダー及び蒸留水を用いて表1のFに示す粒
子分散液を調製した。粒子には粒径の平均値が6.5μ
m(半径r=3.25μm)、粒径分布の標準偏差が
3.0μm(46%)のアクリル粒子を、またバインダ
ーにはメチルメタクリレートを主成分とするアクリルエ
マルジョン(ガラス転移温度11℃)を用いた。塗布に
は、1200mm幅のグラビヤコーターを用いた。グラ
ビヤリバース法にて、上記粒子分散液を、厚み50μm
のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に
連続的に塗布し、ライン上の乾燥炉にて120℃で約3
分間乾燥し巻き取った。この際、グラビヤ版には線数が
1インチ当たり120線、深度が65μmで45°の斜
線版を用いた。また、グラビヤリバース比はダイヤル値
で200とした(ダイヤル値が大きいほどグラビヤロー
ルの回転数が増すが実際の回転速度は不明)。更にドク
ターの突き出しを4cmとした。
【0061】実施例8 ドクターの突き出しを6cmとする以外は実施例7と同
様に行った。 実施例9 ドクターの突き出しを8cmとする以外は実施例7と同
様に行った。
【0062】比較例4 グラビヤリバース比をダイヤル値で100とする以外は
実施例9と同様に行った。 比較例5 グラビヤ版を線数が1インチ当たり180線、深度35
μmで45°の斜線版とする以外は実施例7と同様に行
った。 比較例6 グラビヤ版を線数が1インチ当たり85線、深度150
μmで45°の斜線版とする以外は実施例7と同様に行
った。
【0063】実施例7〜9、比較例4〜6で得られたサ
ンプルの塗布重量(g/cm2 )及び充填率、重複率を
表3に示す。各測定方法は以下の通りである。 <塗布重量> 10cm角の試料を切りとり以下の手順
で測定を行い初期重量(W0)及び粒子層拭き取り後重
量(W)を求めた。尚、重量測定前にはイオン化エアー
ガン用いて、サンプルに付着したダストを除電しながら
除去した。 1.乾燥(120℃×5分) 2.重量測定(W0) 3.粒子層拭き取り(エタノール使用) 4.乾燥(120℃×5分) 5.重量測定(W) 得られたW0及びWを以下の式に代入して塗布重量(g
/cm2 )を求めた。
【0064】 塗布重量(g/cm2 )=(W0−W)/(W/a) a :1cm2 当たりの透明高分子フィルムの重量(こ
こでは膜厚50μmのPETフィルムであることから7
×10-3gとした)。 <充填率> 一辺の長さ(b)(cm)の正方形中に含
まれる粒子の数(n)を光学顕微鏡を用いて計測した。
ここでbは用いた粒子の粒径(粒子の直径)の10倍程
度とした。また境界線上に位置する粒子に関しては該粒
子の頂点の位置が計測範囲に含まれるものを計測した。
求めたnを以下の式に代入して充填率を求めた。
【0065】充填率(%)=(2×30.5 ×n×r2
2 )×100 ここで r :用いた粒子の半径の平均値(cm) 尚、実施例7〜9及び比較例4、5で用いた粒子の半径
の平均値は3.25μmであり、また測定には一辺が6
5μmの正方形を用いた。測定はランダムに2点行い、
平均値を求めた。
【0066】ただし、粒子の重なりのために計測が不可
能の場合は「重なりのため計測不可能」とした。 <重複率> 充填率と同様にして一辺の長さ(b)の正
方形中に含まれる一層目(最下層)の粒子の数(n1
と二層目以降の粒子の数(n2 )の計測を行った。この
際、顕微鏡の倍率によっては十分な焦点深度が得られず
一層目とそれ以降の層に同時に焦点を合わせることがで
きないことがある。この際には、倍率を下げていったん
写真に取り、該写真を更にルーペで拡大して計測した。
得られたn 1 とn2 を以下の式に代入し重複率を求め
た。
【0067】重複率(%)=n2 /n1 ×100 ただし、上記方法にて可能な計測は二層目(一部三層
目)までの計測であり、粒子の重なりが三層以上の場合
には計測不可能である。これらの場合は「粒子の重なり
三層以上」とした。尚、測定には充填率と同様に一辺が
65μmの正方形を用いた。また測定はランダムに2点
行い、平均値を求めた。
【0068】ここで式(3)が表す範囲は、r=3.2
5×10-4cm、dp=1.19g/cm3 、P=50
%より、 2.805×10-4≦塗布重量(g/cm2 )≦1.2
159×10-3 である。表3より塗布重量が式(3)の範囲内である実
施例7〜9において充填率が30%以上で重複率が30
%以下の粒子層が得られていることがわかる。一方、式
(3)の範囲外である比較例4〜6においては充填率が
30%に満たないか、もしくは重複率が30%を越えて
いることが分かる。
【0069】
【表3】 *1:重なりのため計測不可能 *2:粒子の重なり三層以上
【0070】
【発明の効果】本発明の半透過反射体をバックライト併
用型の反射型液晶表示装置に用いることにより、視野角
がマイナス25゜からプラス25゜の範囲にこれまで以
上に光が集中し、明るさ(輝度)が等しい反射体が得ら
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】バックライト併用型反射型液晶表示装置の一例
を示す断面図である。
【図2】現在用いられている反射体の反射特性の一例を
示すグラフである。
【図3】理想的な反射特性を示すグラフである。
【図4】密に詰まった、実質的に一層である、粒子層か
らなる、凹凸層を有する反射体の表面凹凸の一例を示す
光学顕微鏡写真を示す図面である。
【図5】密に詰まった、実質的に一層である、粒子層か
らなる、凹凸層を有する反射体の反射特性の一例を示す
グラフである。
【図6】本発明の反射体の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 偏光板 20 液晶表示パネル 30 半透過反射体 40 バックライト 50 金属薄膜層 60 密に詰まった、実質的に一層である、粒子層から
なる、凹凸層 70 透明高分子フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/1335 520 G02F 1/1335 520 530 530

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明高分子フィルムと、該透明高分子フ
    ィルム上に形成される粒子層からなる凹凸層と及び、該
    凹凸層上に形成される金属薄膜層とから構成される半透
    過反射体であって、波長550nmにおける該半透過反
    射体の光線透過率が1%以上、50%以下であることを
    特徴とする半透過反射体。
  2. 【請求項2】 該凹凸層が、密に詰まった、実質的に一
    層である、粒子層からなることを特徴とする請求項1に
    記載の半透過反射体。
  3. 【請求項3】 バインダーと粒子からなる塗布液を式
    (1)に示す塗布量の範囲で透明高分子フィルム上に塗
    布したことにより該粒子層を形成したことを特徴とする
    請求項2に記載の半透過反射体。 式(1):(2×30.5 /9)×π×104 ×r×(d
    p/(N×P))×0.3≦塗布量(g/cm2 )≦
    (2×30.5 /9)×π×104 ×r×(dp/(N×
    P))×1.3 π :円周率 r :用いた粒子の半径の平均値(cm) dp:用いた粒子の密度(g/cm3 ) N :塗布液の固形分(重量%) P :固形分中の粒子の割合(重量%)
  4. 【請求項4】 該塗布液の固形分中の粒子の割合(P)
    が30〜90重量%であることを特徴とする請求項3に
    記載の半透過反射体。
  5. 【請求項5】 該粒子の平均粒径(2r)が1〜15μ
    mであることを特徴とする請求項3に記載の半透過反射
    体。
  6. 【請求項6】 該粒子が有機物であることを特徴とする
    請求項3に記載の半透過反射体。
  7. 【請求項7】 該金属薄膜層が銀もしくはアルミニウム
    を主成分とする金属からなることを特徴とする請求項1
    に記載の半透過反射体。
  8. 【請求項8】 視野角マイナス25゜からプラス25゜
    における輝度の最小値の最大値に対する比が0.1〜
    0.8であり、視野角マイナス25゜からプラス25゜
    における輝度の最大値が黒色ガラスのそれの10〜95
    %であることを特徴とする請求項1に記載の半透過反射
    体。
  9. 【請求項9】 バインダーと粒子からなる塗布液を、透
    明高分子フィルム上にリバースコート法により連続的に
    塗布することにより凹凸層を形成することを特徴とする
    請求項1又は8に記載の半透過反射体の製造方法。
  10. 【請求項10】 バインダーと粒子からなる塗布液を、
    透明高分子フィルム上にリバースコート法により連続的
    に塗布することで粒子層を形成し、更にリバースコート
    法にて連続的に該粒子層上に樹脂を塗布することで凹凸
    層を形成することを特徴とする請求項1又は8に記載の
    半透過反射体の製造方法。
JP10067271A 1997-04-15 1998-03-17 半透過反射体 Pending JPH112709A (ja)

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JP10067271A JPH112709A (ja) 1997-04-15 1998-03-17 半透過反射体

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JP9-97696 1997-04-15
JP9769697 1997-04-15
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JP (1) JPH112709A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6778241B1 (en) 1999-11-17 2004-08-17 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Substrate for liquid crystal display elements
KR20140007350A (ko) * 2010-12-31 2014-01-17 지이 라이팅 솔루션스, 엘엘씨 Led 램프

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6778241B1 (en) 1999-11-17 2004-08-17 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Substrate for liquid crystal display elements
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