JP2001296123A - 傾斜センサ - Google Patents

傾斜センサ

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JP2001296123A JP2000111542A JP2000111542A JP2001296123A JP 2001296123 A JP2001296123 A JP 2001296123A JP 2000111542 A JP2000111542 A JP 2000111542A JP 2000111542 A JP2000111542 A JP 2000111542A JP 2001296123 A JP2001296123 A JP 2001296123A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造上および特性上優れた静電容量式の傾斜
センサを提供する。 【解決手段】 傾斜測定の基準面に対して垂直方向に配
置されるプリント基板1の一面側に、他面側の配線パタ
ーンに電気的にそれぞれ接続された1対の差動電極2
s,2bを、互いに電気的に独立に形成する。共通電極
板3から導出される複数個の爪部3f〜3iを、オイル
ケース5の嵌合凹溝5f〜5iに嵌合して、共通電極板
3をオイルケース5に取り付ける。オイルケース5をプ
リント基板1に取り付けることにより、差動電極に対し
て所定の空隙を隔てて対向する共通電極板3を含む密閉
空間を形成する。共通電極板3から導出する1個の端子
片3eにより、プリント基板の他面側の配線パターンと
電気的に接続する。密閉空間内に誘電性液体7を封入す
る。プリント基板1の他面側の、少なくとも1対の差動
電極が形成されている部分に対応する部分を裏蓋31に
より覆う。以上の構成の傾斜検出素子をシール剤により
シールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば重力方向
に垂直な面に対する傾斜角度を検出し、検出された傾斜
角度が所定値を超えたときに、警報を発したり、所定の
制御を行わせるために用いて好適な静電容量式の傾斜セ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の静電容量式の傾斜センサとし
て、例えば図9、図10に示すような構造の傾斜検出素
子を使用するものが知られている(例えば実公平4−5
3528号公報、実公平5−14168号公報など参
照)。
【0003】図9は、この例の傾斜センサの傾斜検出素
子の分解斜視図である。また、図10は、この傾斜検出
素子を、その正面に垂直な面で切断した場合の断面図を
示すものである。
【0004】これらの図において、1はプリント基板
で、例えばガラス布基材エポキシ樹脂積層板等の耐熱性
部材からなる。このプリント基板1は、傾斜センサが傾
斜検出対象物に取り付けられる時に、傾斜測定の基準面
に対して垂直に配置される。図9では、この基準面は、
二点鎖線で示す仮想線L0を含む面として示した。この
基準面が、被測定面となる。この場合、傾斜角が0度と
は、基準面が重力方向に垂直な線を含む状態である。
【0005】このプリント基板1には、1対の差動電極
2a,2bが、銅泊パターンによって、基準面およびプ
リント基板1面の両方に垂直な面と、プリント基板1と
の交差線(図9で二点鎖線で示す仮想線L1)により左
右に分割される領域に、互いに電気的に独立に形成され
る。
【0006】プリント基板1の差動電極2a,2bが形
成される面(以下、この面をプリント基板の表面とい
う)とは反対側の面(以下、この面をプリント基板の裏
面という)には、後述する傾斜センサの信号処理回路部
が、プリント配線パターンと必要な電子部品とによって
構成されて設けられる。差動電極2a,2bのそれぞれ
は、図9の電極点2c,2dからスルーホールを介して
プリント基板1の信号処理回路部が形成される面の銅泊
パターン(配線パターン)に、半田付けされて接続され
るようにされている。電極点2c,2dのスルーホール
は、半田付けにより孔埋めされて、封止される。
【0007】そして、1対の差動電極2a,2bは、前
記仮想線L1を対称軸として互いに線対称となる形状の
電極パターンとして設けられる。また、この1対の差動
電極2a,2bのそれぞれは、仮想線L1に垂直な仮想
線L2を対称軸とした線対称な電極パターン形状ともさ
れる。図9の例の場合には、差動電極2a,2bの形状
は横向きの扇形に構成されている。
【0008】図9の例の場合、差動電極2aおよび2b
の円弧状周縁は、仮想線L1と仮想線L2との交点を中
心とした円の一部の円弧とされている。この例の場合、
その円の直径は、30mmとされている。
【0009】3は共通電極板で、適当な剛性を持つ導電
性部材で形成されている。この共通電極板3は、この板
3と一体で、この板3から直角に折り曲げられて形成さ
れた複数個の端子片3a,3b,3c,3dが、プリン
ト基板1に設けられている端子孔4a,4b,4c,4
dに挿入され、プリント基板1の信号処理回路部が形成
される裏面において半田付け固定されることにより、図
10に示すように、差動電極2a,2bに対して一定の
間隔を持って平行に保持される状態でプリント基板1に
取り付けられる。
【0010】5はオイルケースで、適当な柔軟性を有す
るプラスチックからなる。このケース5は、図10に示
すように、断面がコ字状を有し、その端面がプリント基
板1に、例えば両面テープ5Bなどの接着手段により接
着されることにより、プリント基板1と共に密閉空間を
形成する。
【0011】この場合、差動電極2a,2bの周端縁
と、共通電極板3の周端縁と、ケース5の端面の内周縁
は同心円状に形成され、また、差動電極2a,2bと共
通電極板3とケース5の対向面はそれぞれ平行に形成さ
れている。
【0012】ケース5とプリント基板1とで形成される
密閉空間内には、プリント基板1に設けられた貫通孔6
からシリコン・オイル等の誘電性液体7が、密閉空間内
の有効容積のほぼ1/2のレベル、すなわち図9の仮想
線L2のレベルまで充填される。
【0013】8及び9は、外部ノイズなどの影響を遮断
するための静電シールド板で、静電シールド板8は、ケ
ース5およびその周辺を覆うようにプリント基板1の表
面側に取り付けられ、静電シールド板9は、後述する信
号処理回路部分を覆うようにプリント基板1の裏面側に
取り付けられる。
【0014】次に、この傾斜センサの製造方法について
説明する。まず、前述したようにして、表面側に、裏面
側の銅泊パターンと電極点2c,2dを通じて電気的に
接続された差動電極2a,2bが形成されているととも
に、端子孔4a,4b,4c,4dおよび貫通孔6が設
けられたプリント基板1が用意される。
【0015】このプリント基板1に、共通電極板3が、
差動電極2a,2bに対して所定の間隔を持って平行に
保持される状態でプリント基板1に取り付けられる。こ
のとき、共通電極板3とプリント基板1の差動電極2
a,2bとの距離が、予め定めた所定のものとなるよう
にするため、厚さゲージを共通電極板3とプリント基板
1との間に挟んで、共通電極板3の複数個の端子片3
a,3b,3c,3dを、プリント基板1の端子孔4
a,4b,4c,4dに挿入する。
【0016】そして、厚さゲージにより、共通電極板3
とプリント基板1の差動電極2a,2bとの距離を所定
のものに保持した状態で、端子片3a,3b,3c,3
dの先端部を、プリント基板1の裏面側の配線パターン
に半田付けするようにする。なお、端子孔4a,4b,
4c,4dは、この半田付けにより、孔埋めされて、封
止される。プリント基板1に対して共通電極板3の取り
付けを終了したら、厚さゲージは取り除く。
【0017】次に、オイルケース5の端面に両面テープ
5Bを貼付し、あるいは、プリント基板1の差動電極2
a,2bの周囲のオイルケース5の端面に対する部位に
予め両面テープ5Bを貼付しておき、オイルケース5
を、この両面テープ5Bを用いてプリント基板1に接着
して固定する。これにより、プリント基板1とオイルケ
ース5との間には、共通電極板3を保持した状態で密閉
空間が形成される。
【0018】次に、プリント基板1の貫通孔6から、シ
リコン・オイル等の誘電性液体7を、密閉空間内の有効
容積のほぼ1/2のレベル、すなわち図9の仮想線L2
のレベルまで充填する。その後、プリント基板1の貫通
孔6を半田により、封止する。
【0019】そして、静電シールド板8にて、プリント
基板1の表面側のオイルケース5をも含んで覆うと共
に、静電シールド板9にて、プリント基板1の裏面側を
覆う。その後、図11に示すように、以上のようにして
構成した傾斜検出素子および信号処理回路部分を、直方
体形状で一面が開口とされた筐体10内に収納する。そ
して、樹脂のシール剤11を筐体10内に充填する。
【0020】このとき、シール剤11がシールド板9の
内側のプリント基板1内に入り込むことにより、傾斜検
出素子の特性が変化してしまうため、筐体10内に一杯
にシール剤11を充填する前に、プリント基板1に取り
付けられた特性調整用トリマー12によって、特性を所
期のものに調整した後、さらにシール剤11を筐体10
内に充填して、傾斜センサを完成させるようにする。
【0021】図12は、この例の傾斜センサの信号処理
回路部分の構成を示すものである。図12において、2
1は発振器であり、その発振信号の出力端子が、前述し
た図9および図10で説明した構成の傾斜検出素子20
の共通電極板3に接続される。また、傾斜検出素子20
の1対の差動電極2a,2bのそれぞれは、容量−電圧
変換回路22a,22bの入力端子に接続される。
【0022】これら容量−電圧変換回路22aおよび2
2bの出力端子は、それぞれ差動増幅回路23の一方お
よび他方の入力端子に接続される。この差動増幅回路2
3からは傾斜センサの出力端子24が導出される。な
お、信号処理回路部には電源安定化回路25が含まれて
おり、この電源安定化回路25を通じた安定化電圧が発
振器21や差動増幅回路23に、その電源電圧として供
給される。
【0023】信号処理回路部は、上述のように構成され
ているので、発振器21からの一定周波数の発振出力信
号は、差動電極2aと共通電極板3とで構成される第1
のコンデンサを通じて容量−電圧変換回路22aに供給
されると共に、差動電極2bと共通電極板3とで構成さ
れる第2のコンデンサを通じて容量−電圧変換回路22
bに供給される。このとき、容量−電圧変換回路22a
および22bのそれぞれには、第1のコンデンサの容量
値および第2のコンデンサの容量値のそれぞれに応じた
波高値の信号が、それぞれ入力される。
【0024】容量−電圧変換回路22aおよび22b
は、それぞれの入力信号を整流し、平滑した電圧を出力
する。したがって、容量−電圧変換回路22aおよび2
2bの出力電圧は、それぞれの入力信号の波高値、すな
わち、第1のコンデンサの容量値および第2のコンデン
サの容量値のそれぞれに応じた大きさとなる。
【0025】したがって、差動増幅回路23からは、容
量−電圧変換回路22aの出力電圧と、容量−電圧変換
回路22bの出力電圧との差の電圧が得られ、それが傾
斜センサの出力として、出力端子24に導出される。す
なわち、差動増幅回路23からは、第1のコンデンサと
第2のコンデンサの容量値の差に応じた出力電圧が得ら
れる。
【0026】以上のような構成の傾斜検出素子20およ
び信号処理回路部を備える傾斜センサを、前述したよう
に被測定物の傾斜測定の基準面となる面(以下、この面
を被測定面という)上に設置する。このとき、傾斜検出
素子20のプリント基板1面が、被測定面の被測定傾斜
方向を含む面となるように設置する。
【0027】なお、この明細書において、被測定面の被
測定傾斜方向とは、測定しようとする傾斜の方向に被測
定面が傾斜するときの被測定面の法線の移動方向であ
り、被測定面が測定しようとする傾斜の方向に順次傾斜
するときに、各傾斜位置にある被測定面の法線の全てを
含む面に沿う方向をいう。
【0028】被測定面が、前記被測定傾斜方向に傾斜し
ていなければ(すなわち、重力方向に垂直な線を含む面
となっているとき)、誘電性液体7は、差動電極2aと
2bとのそれぞれほぼ半分を等しく浸漬する状態とな
る。したがって、差動電極2aと共通電極板3とで構成
される第1のコンデンサの容量値と、差動電極2bと共
通電極板3とで構成される第2のコンデンサの容量値と
は等しくなり、容量−電圧変換回路22a,22bの出
力電圧の差は零となる。このとき、差動増幅回路23の
出力電圧は、それに応じた電圧Voとなる。
【0029】そして、被測定面が、前記被測定傾斜方向
に傾斜したとき、誘電性液体7の液面位置は、差動電極
2a,2bの一方は、その傾斜角だけ誘電性液体7内に
余分に浸漬し、他方は、その傾斜角だけ電極が液面から
露呈するようになる状態になり、その傾斜角に応じた容
量差が第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に生
じる。
【0030】このとき、図9において、傾斜角が0度の
位置から被測定面が+θ方向(例えば反時計方向)に傾
斜した場合には、第1のコンデンサの容量値が小さくな
り、第2のコンデンサの容量値が大きくなるため、容量
−電圧変換回路22aの出力電圧が、容量−電圧変換回
路22bの出力電圧よりも大きくなる。したがって、差
動増幅回路23の出力電圧は、電圧Voよりも+θ方向
の傾斜角に応じた分だけ、大きくなるように変化する。
【0031】一方、図9において、傾斜角が0度の位置
から被測定面が−θ方向(例えば時計方向)に傾斜した
場合には、第2のコンデンサの容量値が小さくなり、第
1のコンデンサの容量値が大きくなるため、容量−電圧
変換回路22aの出力電圧が、容量−電圧変換回路22
bの出力電圧よりも小さくなる。したがって、差動増幅
回路23の出力電圧は、電圧Voよりも−θ方向の傾斜
角に応じた分だけ、小さくなるように変化する。
【0032】したがって、差動増幅回路23からは、容
量−電圧変換回路22a,22bの出力電圧の差分、つ
まり、2個のコンデンサの容量値の差分、に応じた電圧
が出力電圧として得られる。この差動増幅回路23の出
力電圧は、図9のように、傾斜角=0の面位置からの傾
斜方向も含めて、傾斜角=0の面位置からの被測定面の
傾斜角に比例して直線状に変化する直流電圧となる。
【0033】なお、この場合、差動電極2a,2b及び
共通電極板3の前記扇形形状は、この差動増幅回路23
の出力電圧の変化が、図9に示すように、傾斜角の変化
にリニアに対応するように定めたものである。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の傾斜セ
ンサは、小型かつ高精度で、被測定面の傾斜角を測定す
ることが可能であるが、製造上、また、特性上、以下の
ような問題があった。
【0035】第1に、上述の従来の傾斜センサでは、前
述もしたように、筐体10内にシール剤11を充填した
ときに、誘電体であるシール剤が、シールド板9で覆わ
れたプリント基板1の部分の、その反対面側の差動電極
2a,2bが形成されている部分に対応する部分にも入
り込み、このため、傾斜検出素子の特性が変化してしま
う問題がある。
【0036】この問題点を解決するために、前述したよ
うに、従来の傾斜センサでは、シール工程を2段階にし
て、第1段階のシール工程により、ほぼ傾斜検出素子の
部分までのシール剤の充填を行ない、その後、シール剤
の充填により変わってしまった特性を、特性調整用トリ
マー12によって、所期のものに調整した後、第2のシ
ール工程を行って、シール剤の充填を完了するようにし
なければならず、シール工程が複雑になってしまう問題
があった。
【0037】また、第2に、従来の傾斜検出素子の共通
電極板3と差動電極2a,2bとの間の空隙は、所定の
ものとする必要があるが、従来は、上述のように、共通
電極板3は複数個の端子片3a,3b,3c,3dによ
り、プリント基板1の孔4a,4b,4c,4dに挿入
され、半田付けされて取り付けられる構造になっている
ため、共通電極板3と差動電極2a,2bとの間の空隙
に厚さゲージを挿入して、共通電極板3をプリント基板
に取り付けることにより、共通電極板3と差動電極2
a,2bとの間の空隙を所定のものに設定する必要があ
り、手数がかかる問題がある。
【0038】また、第3に、共通電極板3が複数個の端
子片3a,3b,3c,3dによりプリント基板1に取
り付けられており、少なくとも端子部が上下の2か所あ
ることにより、被測定面の傾斜角度を90度近くまで傾
けて水平に戻したとき、傾き角が大きくなる方向のとき
と、傾き角が小さくなる方向のときとで、図13に示す
ように、特性が異なってしまうヒステリシスが発生する
問題がある。
【0039】すなわち、被測定面の傾斜角度が徐々に大
きくなって、90度近傍になると、それまで、誘電性液
体7に浸っていなかった上側の端子片が誘電性液体7に
浸る状態になる。
【0040】逆に、90度近傍の傾斜角度から被測定面
の傾斜が徐々に小さくなる場合には、誘電性液体7に浸
っていた上側の端子片が誘電性液体7に浸らなくなる
が、このとき、端子片には、誘電性液体7が若干付着し
たままの状態になる。このため、図13のようなヒステ
リシスが生じることとなる。
【0041】この発明は、以上の問題点を解決する傾斜
センサを提供することを目的とするものである。
【0042】
【課題を解決するための手段】上記第1の問題点を解決
するため、請求項1の発明による傾斜センサは、傾斜測
定の基準面に対して垂直方向に配置されるプリント基板
と、前記プリント基板の一面側において、互いに電気的
に独立に設けられ、かつ、前記プリント基板の他面側に
設けられる配線パターンに電気的に接続される1対の差
動電極と、前記1対の差動電極に対して所定の空隙を隔
てて対向する共通電極板と、前記1対の差動電極と前記
共通電極板とを、前記プリント基板との間で形成する密
閉空間内に収納するようにするケース部材と、前記密閉
空間内に、液面が前記基準面の傾斜に応じて変化するよ
うな状態で封入された誘電性液体と、前記プリント基板
の他面側の、少なくとも前記1対の差動電極が形成され
ている部分に対応する部分を覆う裏蓋と、を備えること
を特徴とする。
【0043】また、第2の問題点を解決するために、請
求項3の発明の傾斜センサは、傾斜測定の基準面に対し
て垂直方向に配置されるプリント基板と、前記プリント
基板の一面側において、互いに電気的に独立に設けら
れ、かつ、前記プリント基板の他面側に設けられる配線
パターンに電気的に接続される1対の差動電極と、前記
1対の差動電極に対して所定の空隙を隔てて対向する共
通電極板を備え、この共通電極板から導出される端子片
により、前記プリント基板の前記他面側の共通電極用導
電リードパターンと電気的に接続される共通電極と、前
記1対の差動電極と前記共通電極板とを、前記プリント
基板との間で形成する密閉空間内に収納するようにする
ケース部材と、前記密閉空間内に、液面が前記基準面の
傾斜に応じて変化するような状態で封入された誘電性液
体と、を備え、前記共通電極は、前記共通電極板から前
記端子片が導出される方向とは反対方向側に導出される
複数個の爪部を有するとともに、前記ケース部材は、前
記共通電極の前記複数個の爪部が嵌合する凹部を具備
し、前記複数個の爪部が、前記凹部に嵌合されることに
より、前記共通電極が前記ケース部材に固定されること
を特徴とする。
【0044】また、第3の問題点を解決するために、請
求項5の発明の傾斜センサは、傾斜測定の基準面に対し
て垂直方向に配置されるプリント基板と、前記プリント
基板の一面側において、互いに電気的に独立に設けら
れ、かつ、前記プリント基板の他面側に設けられる配線
パターンに電気的に接続される1対の差動電極と、前記
1対の差動電極に対して所定の空隙を隔てて対向する共
通電極板を備え、この共通電極板から導出される1個の
端子片により、前記プリント基板の前記他面側の配線パ
ターンと電気的に接続される共通電極と、前記1対の差
動電極と前記共通電極板とを、前記プリント基板との間
で形成する密閉空間内に収納するようにするケース部材
と、前記密閉空間内に、液面が前記基準面の傾斜に応じ
て変化するような状態で封入された誘電性液体と、を備
え、前記共通電極板から導出される1個の端子片は、前
記1対の差動電極から等距離であり、かつ、前記誘電性
液体に浸漬される下側に設けられることを特徴とする。
【0045】
【作用】上述の構成の請求項1の発明による傾斜センサ
によれば、プリント基板の他面側の、少なくとも1対の
差動電極が形成されている部分に対応する部分は裏蓋に
より覆われている。そして、その裏蓋部分をも覆うよう
に、シールド板により遮蔽されるようにされる。したが
って、シール工程において、シール剤が充填されたとき
に、裏蓋によって、シール剤が、プリント基板の1対の
差動電極が形成されている部分に対応する部分に入り込
むことはなくなり、傾斜センサの特性が変化することが
防止される。
【0046】このため、従来のような特性調整用トリマ
ーによる、変化してしまった特性の調整は不要となっ
て、シール工程は1工程でよくなり、簡略化できる。
【0047】また、上述の構成の請求項3の発明による
傾斜センサによれば、共通電極板は、この共通電極板か
らプリント基板側とは反対方向側に導出される複数個の
爪部が、ケース部材の凹部に嵌合されることにより、ケ
ース部材に固定される。この嵌合により、共通電極板
は、ケース部材に対して予め定められた深さ位置に固定
される。
【0048】そして、この請求項2の発明の場合には、
ケース部材をプリント基板の所定位置に取り付けること
により、共通電極板は、対の差動電極との間に、予め定
められた所定の空隙を保って、取り付けられる。したが
って、請求項2の発明によれば、共通電極板と差動電極
との間に挿入する従来のような厚さゲージが不要とな
り、共通電極板の取り付け作業が簡単になる。
【0049】さらに、上述の構成の請求項4の発明によ
れば、共通電極板はプリント基板に対して、傾斜角が小
さいときは、誘電性液体内に浸漬される位置に設けられ
る1個の端子片により電気的に接続されるので、傾斜−
検出出力特性に、従来のようなヒステリシスは生じな
い。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、この発明による傾斜センサ
の実施の形態を、図を参照しながら説明する。
【0051】[第1の実施の形態](図1〜図3) 図1は、第1の実施の形態の傾斜センサの傾斜検出素子
30の分解斜視図である。また、図2は、この第1の実
施の形態の傾斜センサの傾斜検出素子30を、その正面
に垂直な面で切断した場合の断面図を示すものである。
図3は、シール剤を充填した状態の、この第1の実施の
形態の傾斜センサの断面図を示すものである。
【0052】図1および図2に示す傾斜検出素子30の
構成は、プリント基板1の差動電極2a,2bが設けら
れる表面側とは反対側の裏面側に設けられる裏蓋31を
除くと、図8および図9に示した従来例と全く同一であ
る。また、信号処理回路部分は、図11に示したものと
全く同様に構成される。そこで、前述した従来例と同じ
部分については説明を省略することとする。
【0053】裏蓋31は、オイルケース5と同様の材質
の、適当な柔軟性を有するプラスチックからなるもの
で、図2に示すように、プリント基板1の裏面とシール
ド板9との間において、プリント基板1の表面側の1対
の差動電極2a,2bの部分に対応する部分を少なくと
も覆うように構成されている。この例では、図2に示す
ように、裏蓋31は、プリント基板1の表面側でオイル
ケース5が覆う部分に対応する裏面側の部分を覆うよう
に構成されている。
【0054】そして、差動電極2a,2bと、スルーホ
ールを介してのプリント基板1の裏面側の配線パターン
との接続部(半田接合部)や共通電極板から導出される
端子片3a,3b,3c,3dとプリント基板1の裏側
の配線パターンとの接続部(半田接合部)などの凸部を
逃げるための凹部32が、裏蓋31には設けられてい
る。
【0055】この裏蓋31も、オイルケース5と同様
に、例えば両面テープ33などの接着手段により接着さ
れることにより、プリント基板1の裏面側に密着して取
り付けられる。
【0056】そして、この例では、裏蓋31のプリント
基板1からの高さは、丁度、シールド板9のプリント基
板1に対向する面と、プリント基板1との間の距離に等
しく設定され、図2に示すように、裏蓋31がシールド
板9に密着するようにされている。これにより、シール
工程において、シール剤が、シールド板9のプリント基
板1との対向面と裏蓋31との間に入り込むことがなく
なり、シール工程の前後での傾斜センサの特性の変化
を、さらに強力に防止することができる。
【0057】なお、図2に示すように、この第1の実施
の形態では、オイルケース5の外平面には、導電性板3
4が取り付けられる。この導電性板34は、導電性の取
り付けピン35により、オイルケース5を貫通してプリ
ント基板1に固定されて取り付けられる。そして、導電
性の取り付けピン35の先端は、プリント基板1の接地
導体に接続されることにより、導電性板34が電気的に
接地されている。
【0058】また、この例では、オイルケース5の端面
が当接するプリント基板1の両面テープ5Bが張り付け
られる部分は、表面を平坦にするために、オイルケース
5の端面に対応する形状に銅泊パターンが形成されてい
る。この銅泊パターンは、プリント基板5の裏面側のア
ースパターンに、ピン35が挿入される孔を介して接続
されて、接地されている。
【0059】この実施の形態では、この接地される導電
性板34の存在により、オイルケース5側のプリント基
板1と平行な上面と、シールド板8との間に隙間に、シ
ール工程でシール剤が侵入しても、そのシール剤により
傾斜センサの特性が変化することが、より確実に防止さ
れる。
【0060】以上説明したようにして、この第1の実施
の形態では、裏蓋31がプリント基板1に対して取り付
けられて、傾斜検出素子が形成される。そして、シール
ド板9は、その裏蓋31をも覆う状態で取り付けられ
る。
【0061】そして、図3に示すように、プリント基板
1の裏面側に裏蓋31が取り付けられた傾斜検出素子3
0および信号処理回路部とが筐体10内に挿入され、特
性調整用トリマー12により、特性が調整された後、シ
ール剤が筐体10内に充填されて、傾斜センサが形成さ
れる。
【0062】この第1の実施の形態では、裏蓋31によ
り、プリント基板1の裏面側の、表面側の差動電極2
a,2bに対応する部分が覆われているので、シール剤
11は、裏蓋31内に入り込むことがない。しかも、裏
蓋31とシールド板9のプリント基板1の裏面との対向
面との間に隙間がないので、この部分には、シール剤1
1が入り込むことがない。このため、シール剤11を充
填したときに、従来のように傾斜検出素子30の特性が
変化してしまうようなことがない。したがって、シール
工程は、1工程で済む。
【0063】なお、上述の説明では、従来と同様に、特
性調整トリマー12により、傾斜検出素子の特性を調整
するようにしたが、裏蓋31の存在により、シール剤1
1の充填前と後とで、傾斜検出素子30の特性は変わら
ないので、この調整は、従来と異なり、シール剤11に
より、筐体10内を充填する前に行うだけでよい。な
お、この第1の実施の形態においては、特性調整用トリ
マー12は、必ずしも必要ではない。
【0064】この第1の実施の形態の傾斜センサの特性
は、前述した従来例の傾斜センサとほぼ同様のものとな
る。
【0065】また、上述の実施の形態の例では、共通電
極板3と、オイルケース5とは、別個のものとしたが、
オイルケースを導電体で構成して、オイルケースを共通
電極板3と兼用するような構造であってもよい。さら
に、オイルケース全体を導電体とするのではなく、オイ
ルケースのプリント基板との対向面に、共通電極板を接
着したり、あるいは共通電極板部分を印刷や蒸着して設
けることにより、オイルケースと一体的に構成するよう
な構造とすることもできる。
【0066】[第2の実施の形態](図4〜図8) この第2の実施の形態の傾斜検出素子40は、差動電極
2a,2bが形成されるプリント基板1と、共通電極板
3と、オイルケース5と、裏蓋31と、誘電性液体7と
で構成されるのは、第1の実施の形態と同様であるが、
この第2の実施の形態の場合の傾斜検出素子40は、共
通電極板3の固定の仕方および共通電極板3とプリント
基板1の配線パターンとの接続の仕方に特徴がある。
【0067】また、信号処理回路部分は、図11に示し
たものと全く同様に構成される。そこで、この第2の実
施の形態の説明においても、前述した従来例と同じ部分
については、その詳細な説明を省略することとする。
【0068】図4は、この第2の実施の形態の傾斜セン
サの傾斜検出素子40の分解斜視図である。また、図5
は、この第2の実施の形態の場合の傾斜検出素子40の
オイルケース5と、共通電極板3との関係を説明するた
めの図である。また、図6は、この第2の実施の形態の
場合の傾斜検出素子40を、その正面に垂直な面で切断
した場合の断面図を示すものである。図7は、シール剤
を充填した状態の、この第2の実施の形態の傾斜センサ
の断面図を示すものである。さらに図8は、この第2の
実施の形態の傾斜センサの特性を示す図である。
【0069】図4に示すように、この第2の実施の形態
の傾斜検出素子40のプリント基板1には、従来例およ
び第1の実施の形態の場合と同様に、1対の差動電極2
a,2bが、銅泊パターンによって、基準面およびプリ
ント基板1面の両方に垂直な面と、プリント基板1との
交差線(図4で二点鎖線で示す仮想線L1)により左右
に分割される領域に、互いに電気的に独立に形成されて
いる。
【0070】しかし、プリント基板1に設けられる、共
通電極板3の端子片が貫通する貫通孔は、前述の例とは
異なり、貫通孔4eの1個とされている。このため、プ
リント基板1の裏面側の配線パターンも簡略化されてい
る。なお、差動電極2a,2bの間の上方に誘電性液体
の封入用貫通孔6が設けられている点、その他は、前述
の例と同様である。
【0071】そして、図4、図5、図6および図7に示
すように、この第2の実施の形態においては、共通電極
板3をプリント基板1の裏面側の配線パターンに接続す
るために共通電極板3から導出される端子片は、単一の
端子片3eとされる。
【0072】共通電極板3が固定された状態では、端子
片3eは貫通孔4eを通じてプリント基板1の裏面側に
導かれ、その端子片3eの先端は、プリント基板1の裏
面側において配線パターンと半田付けされる。貫通孔4
eは、半田付けにより孔埋めされて封止される。
【0073】この端子片3eの位置および貫通孔4eの
位置は、図5に示すように、差動電極2a,2bから等
しい位置である対称軸(2点鎖線L1の位置に対応)上
に設けられ、かつ、図6、図7に示すように、誘電性液
体7が封入されたときに、誘電性液体7により常に浸漬
される下側の位置とされる。この第2の実施の形態で
は、共通電極板3は、図4に示すように、中央部が若干
くびれた、いわゆる瓢箪型の形状を有しており、この瓢
箪を横においたような状態で差動電極2a,2bと対向
するように配置される。端子片3eは、共通電極板3の
前記くびれの部分に形成される。
【0074】この構成によれば、一つの端子片3eが、
ほぼ常に、誘電性液体7に浸っているために、この実施
の形態の傾斜センサにより、徐々に90度まで大きくな
る方向の傾斜を測定したときと、90度から徐々に小さ
くなる方向の傾斜を測定したときとで、傾斜センサの特
性が異なることがなく、この第2の実施の形態の傾斜セ
ンサの特性は、図8に示すような特性となる。
【0075】次に、この第2の実施の形態では、共通電
極板3は、プリント基板1に対して固定するのではな
く、オイルケース5に固定することにより、プリント基
板1と共通電極板3とを所定の空隙を隔てて、平行に保
つように構成する。
【0076】すなわち、共通電極板3からは、端子片3
eの導出方向とは逆側のオイルケース5側に向かって、
複数個の、この例では4個の圧入脚部3f,3g,3
h,3iが導出されている。これらの圧入脚部3f,3
g,3h,3iは、共通電極板3と一体の折り曲げ片と
して構成されている。
【0077】一方、図5に示すように、これらの圧入脚
部3f,3g,3h,3iに対応して、オイルケース5
の、誘電性液体7を封入する部分となる、共通電極板3
の形状に応じた凹部51には、共通電極板3のオイルケ
ース5側の面の周縁部が衝合する段部52が設けられて
いる。この段部52は、オイルケース5のプリント基板
1と衝合する端面5tからの深さが、(共通電極板3と
差動電極2a,2bとの距離)+(共通電極板3の厚
さ)となる位置に設けられている。
【0078】そして、共通電極板3の圧入脚部3f,3
g,3h,3iの位置に対応する、オイルケース5の段
部52の部分には、圧入脚部3f,3g,3h,3iの
それぞれが圧入嵌合される溝穴52f,52g,52
h,52iが形成されている。この場合、溝穴52f,
52g,52h,52iの深さは、圧入脚部3f,3
g,3h,3iの長さよりもわずかに短く形成されてい
る。
【0079】この第2の実施の形態の傾斜センサの製造
方法について説明する。まず、前述したようにして、裏
面側の銅泊パターンと電極点2c,2dを通じて電気的
に接続された差動電極2a,2bが、その表面側に形成
されるとともに、端子孔4eおよび貫通孔6が設けられ
たプリント基板1が用意される。
【0080】次に、オイルケース5の凹部51内に、共
通電極板3を、圧入脚部3f,3g,3h,3iを、オ
イルケース5の溝穴52f,52g,52h,52iの
それぞれに圧入嵌合することにより、装着固定する。こ
の状態では、図6にも示すように、共通電極板3のプリ
ント基板1側を向く面と、オイルケース5のプリント基
板1と衝合する端面5tとの距離が、共通電極板3と、
差動電極2a,2bとの間の空隙の大きさに、丁度、一
致するものとなる。なお、図6に示すように、共通電極
板3のオイルケース5側の面と、オイルケース5の底部
との間には、段部52の高さ分の空隙53が生じてい
る。
【0081】次に、上述のように共通電極板3を装着固
定したオイルケース5の端面5tに両面テープ5Bを貼
付し、あるいは、プリント基板1の差動電極2a,2b
の周囲の端面5tが衝合する部位に予め両面テープ5B
を貼付しておき、オイルケース5を、この両面テープ5
Bを用いてプリント基板1に接着して固定する。これに
より、プリント基板1とオイルケース5との間には、共
通電極板3を保持した状態で密閉空間が形成される。
【0082】このオイルケース5のプリント基板1に対
する取り付けの際に、共通電極板3からプリント基板1
側に向かって導出されている端子片3eがプリント基板
1の貫通孔4eを通じて裏面側に導出される。そして、
端子片3eの先端部は、プリント基板1の裏面側の配線
パターンと半田付けされて、電気的に接続される。この
半田付けにより、貫通孔4eは孔埋めされて封止され
る。
【0083】オイルケース5が、プリント基板1に対し
て両面テープ5Bにより取り付けられると、共通電極板
3と差動電極2a,2bとは、上述したことから明らか
なように、予め定められた所定長の空隙を隔てて、平行
に配置される状態になる。
【0084】次に、プリント基板1に設けられた貫通孔
6からシリコン・オイル等の誘電性液体7が、ケース5
とプリント基板1とで形成される密閉空間内に、その有
効容積のほぼ1/2のレベル、すなわち図4の仮想線L
2のレベルまで充填される。なお、この場合に、図6に
示すように、ケース5とプリント基板1とで形成される
密閉空間内に封入された誘電性液体7は、共通電極板3
とプリント基板1との間の空隙だけでなく、共通電極板
3とオイルケース5の底部との空隙53にも入り込む。
【0085】次に、前述の第1の実施の形態と同様にし
て、プリント基板1の裏面側の、表面側の差動電極2
a,2bに対応する部分を覆うように、裏蓋31が、例
えば両面テープ33などの接着剤により、プリント基板
1に取り付けられる。
【0086】そして、静電シールド板8にて、プリント
基板1の表面側のオイルケース5をも含んで覆うと共
に、静電シールド板9にて、プリント基板1の裏面側を
覆う。そして、図6に示すように、この第2の実施の形
態では、第1の実施の形態の場合と同様にして、オイル
ケース5の外平面には、導電性板34が取り付けられ
る。この導電性板34は、導電性の取り付けピン35に
より、オイルケース5を貫通してプリント基板1に固定
されて取り付けられる。そして、導電性の取り付けピン
35の先端は、プリント基板1の接地導体に接続される
ことにより、導電性板34が電気的に接地されている。
【0087】また、この例では、オイルケース5の端面
が当接するプリント基板1の両面テープ5Bが張り付け
られる部分は、表面を平坦にするために、オイルケース
5の端面に対応する形状に銅泊パターンが形成されてい
る。この銅泊パターンは、プリント基板5の裏面側のア
ースパターンに、ピン35が挿入される孔を介して接続
されて、接地されている。
【0088】次に、以上のようにして構成した傾斜検出
素子40および信号処理回路部分を、図7に示すよう
に、直方体形状で一面が開口とされた筐体10内に収納
する。そして、特性調整用トリマー12により、特性を
調整した後、樹脂などのシール剤11を筐体10内に充
填する。
【0089】以上のように、この第2の実施の形態の傾
斜センサによれば、共通電極板3はオイルケース5に固
定されるものであり、この共通電極板3が固定されたオ
イルケース5がプリント基板1に取り付けられることに
より、共通電極板3と差動電極2a,2bとが所定の空
隙を隔てて配置される。したがって、従来のように、厚
さゲージを、共通電極板3とプリント基板1との間に挿
入して、両者間の空隙を設定する必要がなく、共通電極
板3の取り付けが容易になると共に、厚さゲージなどの
治具が不要となる。
【0090】また、上述した第2の実施の形態の傾斜セ
ンサによれば、共通電極板3とプリント基板1の配線パ
ターンとを電気的に接続する部位は、単一の端子片3e
であるので、図8に示すような特性となり、従来のよう
なヒステリシスがなくなり、被測定面の傾斜が大きくな
る方向でも、小さくなる方向でも、同一の傾斜検出出力
が得られるようになる。
【0091】また、この第2の実施の形態においても、
裏蓋31を設けたことにより、シール剤11の充填前と
後とで、傾斜検出素子40の特性は変わらない。したが
って、特性調整用トリマー12による調整は、従来と異
なり、シール剤11により、筐体10内を充填する前に
行うだけでよい。また、この第2の実施の形態において
も、特性調整用トリマー12は、必ずしも必要ではな
い。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の傾斜セ
ンサによれば、プリント基板の他面側の、少なくとも1
対の差動電極が形成されている部分に対応する部分は裏
蓋により覆われた後、シールド板により遮蔽されるよう
にされるので、裏蓋の存在により、シール剤は、プリン
ト基板の1対の差動電極が形成されている部分に対応す
る部分には入り込まず、傾斜センサの特性が変化するこ
とが防止される。
【0093】このため、従来のような特性調整用トリマ
ーは不要となって、シール工程は1工程でよくなり、簡
略化できる。
【0094】また、この発明による傾斜センサによれ
ば、共通電極板は、ケース部材に対して、予め定められ
た深さ位置に固定されるので、ケース部材をプリント基
板に取り付けるだけで、対の差動電極との間に、予め定
められた所定の空隙を保った位置に配置される。したが
って、共通電極板と差動電極との間に挿入する従来のよ
うな厚さゲージが不要となり、共通電極板の取り付け作
業が簡単になる。
【0095】また、この発明による傾斜センサによれ
ば、共通電極板はプリント基板に対して、通常は、誘電
性液体内に浸漬される位置に設けられる1個の端子片に
より電気的に接続されるので、傾斜−検出出力特性に、
従来のようなヒステリシスは生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による第1の実施の形態の傾斜センサ
の分解図である。
【図2】第1の実施の形態の傾斜センサの断面図であ
る。
【図3】第1の実施の形態の傾斜センサのシールされた
状態の断面図である。
【図4】この発明による第2の実施の形態の傾斜センサ
の分解図である。
【図5】第2の実施の形態の要部を説明するための図で
ある。
【図6】第2の実施の形態の傾斜センサの断面図であ
る。
【図7】第2の実施の形態の傾斜センサのシールされた
状態の断面図である。
【図8】実施の形態の傾斜センサの出力電圧特性を示す
図である。
【図9】従来の傾斜センサの一例の分解図である。
【図10】従来の傾斜センサの一例の断面図である。
【図11】従来の傾斜センサの一例のシールされた状態
の断面図である。
【図12】従来の傾斜センサの信号処理回路部の構成を
示す図である。
【図13】従来の傾斜センサの出力電圧特性を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 プリント基板 2a,2b 差動電極 3 共通電極板 3a,3b,3c,3d,3e 端子片 3f,3g,3h,3i 嵌合脚部 4a,4b,4c,4d,4e 貫通孔 5 オイルケース 5f,5g,5h,5i 嵌合凹溝 5t オイルケース5の端面 6 誘電性液体の注入用貫通孔 7 誘電性液体 8、9 シールド板 10 筐体 11 シール剤 12 特性調整用トリマー 31 裏蓋

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】傾斜測定の基準面に対して垂直方向に配置
    されるプリント基板と、 前記プリント基板の一面側において、互いに電気的に独
    立に設けられ、かつ、前記プリント基板の他面側に設け
    られる配線パターンに電気的に接続される1対の差動電
    極と、 前記1対の差動電極に対して所定の空隙を隔てて対向す
    る共通電極板と、 前記1対の差動電極と前記共通電極板とを、前記プリン
    ト基板との間で形成する密閉空間内に収納するようにす
    るケース部材と、 前記密閉空間内に、液面が前記基準面の傾斜に応じて変
    化するような状態で封入された誘電性液体と、 前記プリント基板の他面側の、少なくとも前記1対の差
    動電極が形成されている部分に対応する部分を覆う裏蓋
    と、 を備えることを特徴とする傾斜センサ。
  2. 【請求項2】前記ケース部材は、前記共通電極板を兼用
    することを特徴とする請求項1に記載の傾斜センサ。
  3. 【請求項3】傾斜測定の基準面に対して垂直方向に配置
    されるプリント基板と、 前記プリント基板の一面側において、互いに電気的に独
    立に設けられ、かつ、前記プリント基板の他面側に設け
    られる配線パターンに電気的に接続される1対の差動電
    極と、 前記1対の差動電極に対して所定の空隙を隔てて対向す
    る共通電極板を備え、この共通電極板から導出される端
    子片により、前記プリント基板の前記他面側の配線パタ
    ーンと電気的に接続される共通電極と、 前記1対の差動電極と前記共通電極板とを、前記プリン
    ト基板との間で形成する密閉空間内に収納するようにす
    るケース部材と、 前記密閉空間内に、液面が前記基準面の傾斜に応じて変
    化するような状態で封入された誘電性液体と、 を備え、 前記共通電極は、前記共通電極板から前記端子片が導出
    される方向とは反対方向側に導出される複数個の爪部を
    有するとともに、前記ケース部材は、前記共通電極の前
    記複数個の爪部が嵌合する凹部を具備し、前記複数個の
    爪部が、前記凹部に嵌合されることにより、前記共通電
    極が前記ケース部材に固定されることを特徴とする傾斜
    センサ。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の傾斜センサにおいて、 前記プリント基板の他面側の、少なくとも前記1対の差
    動電極が形成されている部分に対応する部分を覆う裏蓋
    を備えることを特徴とする傾斜センサ。
  5. 【請求項5】傾斜測定の基準面に対して垂直方向に配置
    されるプリント基板と、 前記プリント基板の一面側において、互いに電気的に独
    立に設けられ、かつ、前記プリント基板の他面側に設け
    られる配線パターンに電気的に接続される1対の差動電
    極と、 前記1対の差動電極に対して所定の空隙を隔てて対向す
    る共通電極板を備え、この共通電極板から導出される1
    個の端子片により、前記プリント基板の前記他面側の配
    線パターンと電気的に接続される共通電極と、 前記1対の差動電極と前記共通電極板とを、前記プリン
    ト基板との間で形成する密閉空間内に収納するようにす
    るケース部材と、 前記密閉空間内に、液面が前記基準面の傾斜に応じて変
    化するような状態で封入された誘電性液体と、 を備え、 前記共通電極板から導出される1個の端子片は、前記1
    対の差動電極から等距離であり、かつ、前記誘電性液体
    に浸漬される下側に設けられることを特徴とする傾斜セ
    ンサ。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の傾斜センサにおいて、 前記共通電極は、前記共通電極板から前記端子片が導出
    される方向とは反対方向側に導出される複数個の爪部を
    有するとともに、前記ケース部材は、前記共通電極の前
    記複数個の爪部が嵌合する凹部を具備し、前記複数個の
    爪部が、前記凹部に嵌合されることにより、前記共通電
    極が前記ケース部材に固定されることを特徴とする傾斜
    センサ。
  7. 【請求項7】請求項5または請求項6に記載の傾斜セン
    サにおいて、 前記プリント基板の他面側の、少なくとも前記1対の差
    動電極が形成されている部分に対応する部分を覆う裏蓋
    を備えることを特徴とする傾斜センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7024947B2 (en) 2002-03-07 2006-04-11 Alps Electric Co., Ltd. Detection device including circuit component
JP2009264909A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Nanocreate Co Ltd 静電デバイスの製造方法及び静電デバイス
CN102564398A (zh) * 2011-12-29 2012-07-11 东南大学 一种微机械电容式顷角传感器

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