JP2001291529A - 高分子固体電解質および二次電池 - Google Patents

高分子固体電解質および二次電池

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JP2001291529A
JP2001291529A JP2000191793A JP2000191793A JP2001291529A JP 2001291529 A JP2001291529 A JP 2001291529A JP 2000191793 A JP2000191793 A JP 2000191793A JP 2000191793 A JP2000191793 A JP 2000191793A JP 2001291529 A JP2001291529 A JP 2001291529A
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polymer
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Takeshi Ishitoku
石徳  武
Shinobu Aoki
忍 青木
Hitoshi Onishi
仁志 大西
Yoshinobu Nogi
栄信 野木
Masahiro Toriida
昌弘 鳥井田
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いイオン伝導度を有し、かつ電
気化学的安定性を保持した高分子固体電解質、およびそ
れを用いた二次電池を提供すること。 【解決手段】 (メタ)アクリル基を分子中に2
個以上有する化合物(A)と、イミノ基を分子中に2個
以上有する化合物(B)とのマイケル付加反応によって
形成されたポリマー中に、周期律表第Ia族の金属塩を
含有させてなる高分子固体電解質である。化合物(A)
としてはポリカーボネートポリオールの(メタ)アクリ
レートが好ましく、化合物(B)としては2級ジアミン
が好ましい。ゲル状にしたこの高分子固体電解質は二次
電池に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一次電池、二次電
池、コンデンサーなどに用いられる高分子固体電解質、
およびそれを用いた二次電池に関するものである。より
詳細には、マイケル付加反応によって合成されたポリマ
ーを利用した高分子固体電解質、およびそれを用いた二
次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一次電池、二次電池、コンデンサ
ーなどの電気化学素子には液体の電解質が用いられてき
た。しかしながら液体の電解質を使用すると、製品容器
からの漏液が懸念されることから、電気化学素子を利用
する上で、長期間の信頼性を高めるための改良が求めら
れていた。
【0003】その一つの改良方法として、液体の電解質
に代わって固体電解質を用いる方法が検討されている。
固体の電解質を用いれば、漏液の心配はなくなることか
ら、信頼性の高い素子を提供できるとともに、素子自体
の小型・軽量化が同時に図れるメリットもある。
【0004】一般に固体電解質は、液体電解質に比べて
イオン伝導度が低いことから、充放電特性に優れた電池
の製造は難しかった。従って、固体電解質を用いて充放
電特性に優れた一次電池、二次電池を実現するために
は、イオン伝導度が高く、しかも電気化学的安定性にも
優れ、かつ低コストの高分子固体電解質の出現が望まれ
ている。
【0005】近年、固体電解質の中でも高分子固体電解
質が注目され、研究されている。高分子固体電解質は、
可撓性を有するために、電極−電解質間のイオン電子交
換反応過程で生じる体積変化にも柔軟に対応できると推
測されることから、実用化への期待が高まっている。
【0006】そのような高分子固体電解質の一例とし
て、ポリエーテル構造を有するポリエチレンオキサイド
とリチウム塩などのアルカリ金属塩との複合体が知られ
ている。また特開平5−25353号公報には、ポリオ
キシアルキレンのジエステル化合物、ポリメトキシオキ
シアルキレンのエステル化合物、および二重結合を持っ
たオキシ化合物との共重合体からなる架橋樹脂と無機塩
とを主たる構成成分とする高分子固体電解質が記載され
ている。さらに特開平6−223842号公報には、カ
ーボネート基を官能基として有する有機高分子物質と金
属塩とからなる高分子固体電解質が記載されている。
【0007】一方、特開平1−241764号公報に
は、ポリカーボネートポリオールのメタクリル酸エステ
ルを重合させることにより得られるポリカーボネートメ
タクリレート樹脂は、高分子固体電解質材料として優れ
た特性を有することが記載されている。このようなメタ
クリル酸エステルの重合方法は、通常、電子線照射また
は紫外線照射によって行うか、あるいは重合開始剤の存
在下で加熱する方法がとられている。
【0008】しかしながら、電子線あるいは紫外線照射
する方法では、設備投資が大きくなり、結果として電池
のコストアップにつながる。重合開始剤を用いる方法で
は、特別な設備投資は必要としないが、残存する重合開
始剤による電池性能への影響が懸念され、また、加熱時
に気泡の発生や電解液の蒸散によるロスが生じる。さら
に、メタクリレート化合物を電解液に溶解させた状態で
重合させると、生成したゲルの保液性が十分ではないた
めに、電解液が分離することもあった。
【0009】ところで、アミノ基などの求核性置換基が
α,β−不飽和カルボニルのような電子吸引性置換基が
結合したオレフィンへ付加反応する、いわゆるマイケル
付加反応は有機化学の分野では有名な反応の一つであ
る。この反応は単なる付加反応であるから、反応に伴う
副生成物がない上に、新たに生じた結合(架橋結合)は
化学的に安定であるため、米国特許第4,408,01
8号公報に記載されているように、塗料用樹脂の架橋硬
化メカニズムの研究に古くから利用されてきた。しかし
ながら、この反応を電解質の製造へと応用することはこ
れまでに考えられていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、高い
イオン伝導度を有し、また同時に電気化学的安定性を保
持した高分子固体電解質の提供を目的にする。また、本
発明は、低コストで、ゲル加速度が大きく、かつ電極と
の反応性が低い高分子固体電解質の提供を目的にする。
さらに、本発明は、そのような高分子固体電解質を用い
た二次電池の提供を目的にする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、(メ
タ)アクリル基を分子中に2個以上有する化合物(A)
と、その基にマイケル付加し得るイミノ基を分子中に2
個以上有する化合物(B)とのマイケル付加反応によっ
て形成されたポリマー中に、周期律表第Ia族の金属塩
が含有されてなる高分子固体電解質に関する。本発明
は、また、前記の高分子固体電解質を用いた二次電池に
関する。
【0012】前記の化合物(A)は、その分子量をMw
およびその分子中の(メタ)アクリル基の個数をnで表
した時に、Mw/nの値が300〜50,000である
ことが望ましく、また、それらの中でもポリカーボネー
トポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステル
カーボネートポリオールおよびポリエーテルポリオール
からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール化
合物の(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0013】また、前記の化合物(B)として鎖状また
は環状の2級ジアミンが使用でき、さらにそれら2級ジ
アミンとジオールまたはポリオールの(メタ)アクリレ
ートとの反応生成物も好ましく使用することができる。
【0014】
【発明の具体的説明】次に、本発明を構成する化合物
(A)および化合物(B)、それらからのポリマーの製
造方法、そして本発明に係わる高分子固体電解質および
二次電池について、詳細に説明する。
【0015】化 合 物 (A) 本発明に使用される化合物(A)は、(メタ)アクリル
基を1分子中に2個以上有する化合物である。ここで、
アクリル基およびメタクリル基を併せて、(メタ)アク
リル基と記す。化合物(A)は、その分子量をMwと
し、(メタ)アクリル基の個数をnで表した場合、Mw
/nの値が、300〜50,000、好ましくは400
〜10,000であることが望ましく、その範囲内にあ
ると架橋点間距離が適度になることから、保液性に優
れ、また強度の高いゲル電解質を得ることができる。
【0016】そのような化合物(A)の例として、高分
子量ポリオール化合物のアクリル酸またはメタクリル酸
エステルを挙げることができる。すなわち、重量平均分
子量が900〜100,000、好ましくは1,000
〜20,000のポリオール化合物、例えば、ポリカー
ボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエ
ステルカーボネートポリオールあるいはポリエーテルポ
リオールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルを挙
げることができる。以降、そのアクリル酸またはメタク
リル酸エステルを(メタ)アクリレートと記す。これら
の化合物(A)は、それ単独で使用してもよいし、ある
いはそれらを組み合わせて使用してもよい。
【0017】(1)ポリカーボネートポリオール化合物
の(メタ)アクリレート ポリカーボネートポリオール化合物は、2価以上の多価
アルコールと、炭酸ジエステルまたはホスゲンとの重縮
合によって合成することができる。得られたポリオール
化合物からのエステル化反応は、通常の方法と条件で行
うことができる。例えば、ポリオール化合物とアクリル
酸ハライドまたはメタクリル酸ハライドとを塩基存在下
に縮合させる方法、ポリエステルポリオールとアクリル
酸またはメタアクリル酸とを酸触媒存在下に縮合させる
方法などがある。
【0018】使用可能な多価アルコールの具体例を次に
示す。それは単独で用いても、あるいは2種以上を混合
して用いてもよい。 (a)ジオール類:エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8
−オクタンジオール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエト
キシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、2−メチル
−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール。
【0019】(b)ポリオール類:トリメチロールプロ
パン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、
ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、
グリセリン、ソルビトール。 (c)これらのポリオール類の水酸基に対して1〜5当
量のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、あるいは
その他のアルキレンオキシドを付加させた水酸基を有す
るアルコール類。
【0020】炭酸ジエステルとしては、炭酸ジメチル、
炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピル、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート等を挙げることができ、
これらはそれ単独で用いても、あるいは2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0021】(2)ポリエステルポリオールの(メタ)
アクリレート ポリエステルポリオールは、ヒドロキシカルボン酸また
はラクトンの重縮合によって、あるいは多価アルコール
と多価カルボン酸との重縮合によって合成することがで
きる。
【0022】ここで、ヒドロキシカルボン酸またはラク
トンとしては、ヒドロキシ酢酸、乳酸、β−プロピオラ
クトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ
−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラ
クトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−
デカノラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ
−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−オクタラ
クトン、δ−デカノラクトン、δ−ノナラクトン、ε−
カプロラクトン等が挙げられる。なお、これらヒドロキ
シカルボン酸またはラクトンの重縮合の際に、2〜6価
のポリヒドロキシ化合物を重合開始剤として添加する
と、末端官能基を水酸基にすることができる。
【0023】多価アルコールとしては、前記したと同じ
(a)ジオール類および(b)ポリオール類を用いるこ
とができる。多価カルボン酸としては、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン
酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘ
キサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,
4−ジカルボン酸、cis−テトラヒドロフタル酸、フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることが
できる。また、ジカルボン酸の代わりに対応する酸無水
物あるいはジカルボン酸ジアルキルエステルを用いても
よい。
【0024】(3)ポリエステルカーボネートポリオー
ルの(メタ)アクリレート ポリエステルカーボネートポリオールは、前述したポリ
エステルポリオールと炭酸ジエステルまたはホスゲンと
から合成することができる。炭酸ジエステルを用いる場
合には、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロ
ピル、炭酸ジフェニル、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート等を例示することができ、これらは単
独で用いても、あるいは2種以上を組み合わせて用いて
もよい。ポリエステルカーボネートポリオールのアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルへの変換は、
ポリカーボネートポリオールのエステル化と同様に行う
ことができる。
【0025】(4)ポリエーテルポリオールの(メタ)
アクリレート ポリエーテルポリオールは、アルキレンオキシドを重合
して、あるいは多価アルコールにアルキレンオキシドを
付加させることによって得ることができる。アルキレン
オキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、オキセタン、テトラヒドロフラン等を挙げること
ができ、それらを単独で用いても、あるいは2種以上を
組み合わせて用いてもよい。多価アルコールとしては、
前述したと同様の(a)グリコール類や(b)ポリオー
ル類を使用することができる。そして、ポリエーテルポ
リオールのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テルへの変換は、ポリカーボネートポリオールのエステ
ル化と同様に行うことができる。
【0026】これまでに詳述した高分子量ポリオールの
(メタ)アクリレートを化合物(A)として用いると、
合成されるポリマーの架橋点間距離が適度に長くなるた
めにイオン伝導性が高くなり、その上ゲル電解質にする
とゲルの保液性が優れるために好ましい電解質が得られ
る。
【0027】化 合 物 (B) 化合物(B)は、化合物(A)の持つ(メタ)アクリル
基にマイケル付加し得るイミノ基(2級アミノ基:>N
−H)をその分子中に2個以上有する化合物、すなわち
2級アミン化合物である。次に化合物(B)の具体例を
示すが、それらは単独で使用しても、あるいはそれらを
組み合わせて使用してもよい。
【0028】使用可能な2級アミン化合物として次の例
を挙げることができる。 (a)鎖状ジアミン類:N,N’−ジメチルエチレンジ
アミン、 N,N’−ジメチル−1,2−プロパンジア
ミン、 N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミ
ン、 N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン
【0029】(b)環状ジアミン:ピペラジン、N,
N’−ジメチル−イソホロンジアミン、1,3−ジ(4
−ピペラジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピペラジ
ル)エタン、1,3−ジ(4−ピペラジル)プロパン。 (c)マイケル付加系アミン 前記2級アミンと化合物(A)とをあらかじめ反応させ
た、置換基として2個以上のイミノ基を有する化合物、
例えば、ピペラジンとエチレングリコールジアクリレー
トとを2:1のモル比で反応させて得られる次式で示し
た化合物も使用することができる。
【0030】
【化1】
【0031】この式に示した化合物において、エチレン
グリコールジアクリレートの代わりに化合物(A)とし
て挙げた化合物を使用することもできるし、また、前記
したジオール類やポリオール類の(メタ)アクリレート
を使用することもできる。この方法で合成した化合物
(B)は、通常、蒸気圧が低下し、かつ、電解液などの
溶媒に対する溶解性が向上するため、取扱い上、好都合
である。
【0032】上記した化合物(B)の具体例のうち、特
に好ましいものとしてN,N’−ジメチルエチレンジア
ミン、 N,N’−ジメチル−1,2−プロパンジアミ
ン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、
ピペラジンなどを挙げることができる。
【0033】ポリマーの製造方法 化合物(A)と化合物(B)とのマイケル付加反応によ
って製造されるポリマーは、重量平均分子量が10,0
00以上であることが好ましい。特に、ゲル電解質とす
る場合には、電解液中の溶媒に対する溶解性が低い高分
子量架橋ポリマーにすることが重要である。製造方法
は、通常のマイケル付加反応とほぼ同様の方法と条件で
行うことができる。
【0034】化合物(A)と化合物(B)との反応は、
溶媒中あるいは無溶媒で両者を混合し、−20〜150
℃、好ましくは0〜100℃の温度下で行う。この際の
化合物(A)と化合物(B)との仕込み比は、化合物
(A)の(メタ)アクリル基と化合物(B)のイミノ基
との比が1:5〜5:1、好ましくは1:3〜3:1
(モル比)の範囲が望ましい。
【0035】溶媒を用いる場合、その例として次の化合
物を挙げることができる。溶媒使用量は、化合物(A)
と化合物(B)との総重量に対して、0.5〜20、好
ましくは1〜10重量倍である。
【0036】(a)アルコール類:メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール (b)ハロゲン化炭化水素類:ジクロロメタン、クロロ
ホルム、ジクロロエタン (c)芳香族炭化水素類:ベンゼン、トルエン、キシレ
ン (d)飽和炭化水素類:ヘキサン、ヘプタン、デカン、
シクロヘキサン (e)エーテル類:ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン (f)カーボネート類:エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカ
ーボネート (g)エステル類:酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブ
チル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−
カプロラクトン
【0037】マイケル付加反応後の生成ポリマーは、粉
末状、フィルム状、ゲル状等の形状で得られ、固体電解
質として利用することができる。溶媒の存在下で反応を
進めると、生成物は通常ゲルを形成するが、そのゲル状
物をそのまま高分子電解質の材料として用いることも可
能であるし、また必要に応じて、乾燥し、溶媒を除去し
たフィルム状ないし粉末状のポリマーとして用いること
も可能である。
【0038】また、十分な強度を有する高分子固体電解
質材料にするには、ポリマー中に架橋点を形成させるこ
とが好ましい。そのためには、化合物(A)および化合
物(B)の一部またはすべてを、化合物(A)として
(メタ)アクリル基を分子中に3個以上有する成分を使
用するか、あるいは化合物(B)としてイミノ基を1分
子中に3個以上有する成分を使用することが望ましい。
【0039】高分子固体電解質 本発明に係わる高分子固体電解質は、前記した化合物
(A)と化合物(B)とのマイケル付加反応によって製
造したポリマー中に、周期律表第Ia族の金属塩が含有
されている。
【0040】周期律表第Ia族の金属塩としては、リチ
ウム、ナトリウム、カリウム等の化合物であって、特に
LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiN(CF3
2SO22、LiCF3SO3、LiN(CF3
22、LiC(CF3SO23からなる群から選ばれ
る一種以上のリチウム塩が好ましい。固体電解質中の金
属塩濃度は、0.1〜10(mol/l)であることが
望ましい。
【0041】本発明において、ポリマー中に、周期律表
第Ia族の金属塩が含有されているとは、該金属塩があ
らゆる可能な配合の方法によって、該ポリマー中に存在
していることを意味する。例を挙げれば、予め化合物
(A)と化合物(B)とからマイケル付加反応により製
造したポリマーと周期律表第Ia族の金属塩とを均一混
合する方法、あるいは化合物(A)、化合物(B)およ
び周期律表第Ia族の金属塩とを均一に混合してからマ
イケル付加反応を進める方法等によって行うことができ
る。特に後者による方法を採用すると、化合物(A)と
化合物(B)とから製造したポリマー中に金属塩が均一
分散した固体電解質が容易に得られるので好ましい。
【0042】例えば、化合物(A)、化合物(B)、周
期律表第Ia族の金属塩、必要に応じて溶媒を加え、そ
の均一混合液を平坦な基板上に塗布し、その後、必要に
応じて加熱することにより反応およびゲル化が進行す
る。このようにして、厚さが0.1〜1000μmの固
体電解質薄膜を得ることができる。加熱する場合には、
電解質塩が分解しない温度範囲、例えば30〜100
℃、好ましくは40〜90℃で行われる。なお、マイケ
ル付加反応は、原料になる化合物(A)および(B)の
化学構造によっては室温でも速やかに進行するため、そ
のような化合物を選択すれば必ずしも加熱する必要はな
い。
【0043】また、本発明に係る高分子固体電解質は、
化合物(A)と化合物(B)とから製造したポリマーと
周期律表第Ia族の金属塩の他に、炭酸エステルなどの
非水溶媒を化合物(A)と化合物(B)とから製造した
ポリマー100重量部に対して0〜5,000重量部、
好ましくは100〜2,000重量部含有させてもよ
い。ポリマー中に非水溶媒を含有させるには、高分子固
体電解質を製造する際、非水溶媒を共存させた状態でマ
イケル付加反応を行ってもよいし、また重合後に非水溶
媒を含浸させる方法等をとってもよい。
【0044】非水溶媒としては、炭酸エステルあるいは
ラクトンが好適に使用できる。炭酸エステルの例として
は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート、ジプロピルカーボネートなどの鎖
状ないし環状カーボネートが、またラクトンの例として
は、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カ
プロラクトンなどが挙げられる。
【0045】本発明に係る高分子固体電解質は、非水溶
媒を含有する状態において保液性に優れ、また、イオン
伝導性が高い。そのような高分子固体電解質は、例えば
一次電池、二次電池、キャパシタ、エレクトロクロミッ
ク表示素子などの電気化学素子、医療用アクチュエータ
などに用いることができる。とくに、この高分子固体電
解質は、リチウムイオン二次電池の有機電解液の代替と
しての用途に適している。さらに、粉末状電極材を集電
体上に分散し固定するために用いる結着材としても利用
することができる。
【0046】二 次 電 池 本発明に係わる二次電池は、負極活物質を含む負極と、
正極活物質を含む正極と、その間に配置される前述した
高分子固体電解質とから構成されている。
【0047】負極活物質としては、金属リチウム、リチ
ウム含有合金、またはリチウムイオンのドープおよび脱
ドープが可能な材料等を用いることができる。そのよう
なリチウムイオンをドープおよび脱ドープすることが可
能な材料としては、炭素材料、酸化スズ、シリコン、酸
化チタン、あるいは遷移金属窒素化物等の中から適宜選
択することができる。これらの中でもリチウムイオンを
ドープおよび脱ドープすることが可能な炭素材料が好ま
しく、それはグラファイトであっても非晶質炭素であっ
てもよい。具体的には、活性炭、炭素繊維、カーボンブ
ラック、メソカーボンマイクロビーズ、天然黒鉛を例示
することができる。
【0048】正極活物質としては、MoS2、TiS2
MnO2、V25などの遷移金属酸化物または遷移金属
硫化物、LiCoO2、LiMnO2、LiMn24、L
iNiO2、LiNiXCo(1-X)2などのリチウムと遷
移金属とからなる複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオ
フェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアセン、
ジメルカプトチアジアゾール/ポリアニリン複合体など
の導電性高分子化合物、ジスルフィド化合物等が挙げら
れる。これらの中でも、特にリチウムと遷移金属とから
なる複合酸化物が好ましい。
【0049】このような高分子固体電解質を二次電池に
使用する場合、高分子固体電解質をあらかじめフィルム
状に成形し、正極と負極との間に挟み込むことによって
電池を製造することができる。フィルム状に代えてあら
かじめゲル状に形成した高分子固体電解質を配置するこ
ともできる。
【0050】また、正極、セパレーター、負極の3層構
造体を形成した後、電解液をそこへ含浸する工程を有す
る電池製造プロセスでは、電解液の代わりに化合物
(A)、化合物(B)、周期律表第Ia族の金属塩、お
よび非水溶媒とからなる溶液を用い、それを含浸させ、
その後ゲル化させる方法をとることも可能である。いず
れの場合にも、前述した本発明に係わる高分子固体電解
質を使用すれば、従来の電池製造プロセスの改造を最小
限に抑えて、二次電池を製造することができる。
【0051】電池の形状としては、フィルム型、コイン
型、円筒型、あるいは角型など任意の形状をとることが
できる。
【0052】
【実施例】次に、本発明を実施例を通して説明するが、
本発明はそれら実施例によって何ら限定されるものでは
ない。まず、高分子固体電解質の製造原料として用いた
ポリカーボネートポリアクリレート、ポリエステルトリ
アクリレート、およびピペラジン付加体の合成方法から
説明する。
【0053】(合成例1) ポリカーボネートポリアク
リレートの合成 攪拌機、温度計および精留塔等を装備したガラス製反応
容器に、トリメチロールプロパン−EO付加体(トリメ
チロールプロパン1モルに酸化エチレン3モルを付加さ
せた化合物、日本乳化剤株式会社製品)32.0g、ジ
エチレングリコール 114.6g、炭酸ジメチル12
4.3gおよび触媒として28%ナトリウムメトキシド
メタノール溶液0.23gを混合した。この混合液を常
圧下95℃で2時間保持し、その後5時間かけて150
℃まで昇温し、さらに150℃で4時間加熱することに
よって反応で生成したメタノールを留去した。次いで、
5mmHgの減圧下で150〜155℃に保ち、重合反
応に伴って生成するジエチレングリコール10.3gを
留去した。その後室温まで冷却してからクロロホルム1
00mlと活性白土2.3gとを添加し、55℃で1時
間攪拌した。再び室温まで冷却後、活性白土をろ過し、
ろ液を濃縮することによりポリカーボネートポリオール
145gを粘稠オイル状物として得た。この生成物の重
量平均分子量は、GPC分析の結果、4,200である
ことがわかった。
【0054】次いで攪拌機、温度計および滴下ロート等
を装備したガラス製反応容器に、前記のポリカーボネー
トポリオール30.1g、トリエチルアミン8.7g、
およびジクロロメタン100mlを混合してから5℃に
冷却した。滴下ロートよりアクリロイルクロリド7.8
gを20分間かけて滴下し、さらに5℃で1時間攪拌を
続けた。徐々に室温まで昇温し、室温でさらに2時間攪
拌した。反応液をろ過し、ろ液を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥してから濃縮することによ
って、目的とするポリカーボネートポリアクリレート2
9.1gを淡黄色粘稠オイル状物として得た。
【0055】(合成例2) ポリエステルトリアクリレ
ートの合成 攪拌機、温度計およびディーンスタークを装備したガラ
ス反応容器に、アジピン酸、3−メチル−1,5−ペン
タンジオールおよびトリメチロールプロパンから合成さ
れたポリエステルトリオール(OH価:84、クラレ株
式会社製品)40.0g、アクリル酸4.32g、p−
トルエンスルホン酸一水和物0.80g、4−メトキシ
フェノール0.08g、およびトルエン40mlを仕込
み、5時間加熱還流させながら生成してくる水を反応系
外に除去した。温度を50℃まで下げた後、無水酢酸
1.23gを添加し、さらにこの温度で1時間攪拌を続
けた。次いで、酸化マグネシウム4.0gを加え、50
℃で1時間攪拌した。再び室温まで冷却した後、不溶物
をろ過し、ろ液を減圧下に濃縮することによって目的と
するポリエステルトリアクリレートを無色オイル状物と
して得た。収量は40.8gであった。
【0056】(合成例3) ピペラジン付加体 攪拌機および温度計を装備したガラス反応容器に、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート11.2g、メ
タノール8.61g、およびピペラジン8.87gを加
え、室温で1時間、さらに80℃で3時間攪拌した。減
圧下に、メタノールおよび未反応ピペラジンを留去し
た。その後、ジエチルカーボネート20.0gを加えて
均一に溶解させた後、減圧下に濃縮することによって未
反応のピペラジンを完全に除去した。生成物として無色
粘調オイル状物を得た。収量は17.5gであった。
【0057】得られた無色粘調オイル状物をNMR分析
およびIR分析した結果、次のデータから生成物がトリ
メチロールプロパントリメタクリレート−ピペラジン付
加体(以降、TMP−Piと記す)であることがわかっ
た。 (1)1H−NMR分析結果:(δ ppm、CDCl
3) 0.91(3H)、 1.10〜1.17(9H)、 1.45〜1.58(2H)、 1.76(3H)、 2.2〜2.9(33H)、 4.06(6H) (2)IR分析結果:(cm-1、ポリエチレンフィル
ム) 3272、 1739、 1461、 1376、 1
246、1173 得られたTMP−Piに同重量のジエチルカーボネート
を加えて混合することによって、TMP−Piの50%
ジエチルカーボネート溶液を得た。
【0058】(実施例1)合成例1で製造したポリカー
ボネートポリアクリレート1.48gと、エチレンカー
ボネートとプロピレンカーボネートとを重量比1:1で
混合した溶媒にLiPF6を1(mol/l)の濃度で
溶解した電解液7.54gとを混合した後、この溶液に
合成例3で製造したTMP−Piの50%ジエチルカー
ボネート溶液1.03gを加えてマグネチックスターラ
ーを用いて室温で攪拌した。約30分経過後にゲル状に
なり、流動性はなくなった。このゲルを室温で24時間
放置しても液の分離は観察されず、保液性が良好である
ことがわかった。
【0059】ガラス基板上に内径20mmのシリコンゴ
ム製型枠を貼付し、型枠内に先に調製したゲル化前の溶
液150μlを滴下した。この基板を窒素ボックス内に
設置したホットプレート上に載置し、室温で12時間放
置することによって硬化させ、高分子電解質薄膜を形成
させた。
【0060】得られた薄膜は厚み370μmであった。
この薄膜を10mm径に打ち抜き、SUS製電極で挟
み、ソーラトロン1255Bを用いて複素インピーダン
スを測定し、解析的にイオン伝導度を求めたところ、
2.039mS/cmであった。
【0061】(実施例2)実施例1において、合成例1
で製造したポリカーボネートポリアクリレートの代わり
に、合成例2で製造したポリエステルトリアクリレート
1.72gを用いた以外は実施例1と同様に操作した結
果、約1時間で硬化した。このゲルを室温で24時間放
置しても液の分離は観察されず、保液性が良好であるこ
とがわかった。また、実施例1と同様にして厚み370
μmの高分子電解質薄膜を作製した。得られた高分子電
解質のイオン伝導度を求めたところ、1.3mS/cm
であった。
【0062】(実施例3)実施例1において、合成例1
で製造したポリカーボネートポリアクリレートの代わり
に、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリ
アクリレート(新中村化学株式会社製品、Mw=160
0)1.39gを用いた以外は実施例1と同様に操作し
たところ、約1時間で硬化した。このゲルを室温で24
時間放置しても液の分離は観察されず、保液性が良好で
あることがわかった。また、実施例1と同様にして厚み
370μmの高分子電解質薄膜を作製した。得られた高
分子電解質のイオン伝導度を求めたところ、3.0mS
/cmであった。
【0063】(比較例1)30mlのサンプル瓶に、エ
チレンカーボネートとプロピレンカーボネートを重量比
1:1で混合した溶媒にLiPF6を1(mol/l)
の濃度で溶解した電解液7.54gと、トリメチロール
プロパントリアクリレート0.66gとをサンプル瓶中
で混合した。その後、この溶液に合成例3で製造したT
MP−Piの50%ジエチルカーボネート溶液2.67
gを加えて、マグネチックスターラーを用いて室温で攪
拌した。約10分経過後に、ゲル状となり流動性は無く
なった。このゲルを室温で24時間放置したところ、液
の分離が観察された。
【0064】(実施例4) <均一電解液の調製>合成例2で製造したポリエステル
ポリアクリレート1.48gと、エチレンカーボネート
とジエチルカーボネートとを体積比で1:1の割合で混
合した溶媒にLiPF6を1.0(mol/l)の濃度
で溶解した非水電解液7.54gとを混合し、その後こ
の溶液に合成例3で製造したトリメチロールプロパント
リメタクリレート−ピペラジン付加体(TMP−Pi)
の50%ジエチルカーボネート溶液1.03gを加え、
室温で10分間攪拌して均一溶液を調製した。
【0065】<負極の作製>大阪ガス(株)製のメソカ
ーボンマイクロビーズ(商品名;MCMB6−28、d
002=0.337nm、密度2.17g/cm3)の
炭素粉末90重量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニ
リデン10重量部とを混合し、溶剤のN−メチルピロリ
ドンに分散させ、ペースト状の負極合剤スラリーを調製
した。次に、この負極合剤スラリーを厚さ20μmの帯
状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥させて帯状の炭素
負極を得た。乾燥後の負極合剤の厚さは25μmであっ
た。さらに、この帯状電極を直径15mmの円盤状に打
ち抜き、その後圧縮成形して負極電極とした。
【0066】<正極の作製>本庄ケミカル(株)製のL
iCoO2(製品名:HLC−21、平均粒径8μm)
微粒子91重量部、導電材としてのグラファイト6重量
部、および結着剤としてのポリフッ化ビニリデン3重量
部とを混合して正極合剤を調製し、N−メチルピロリド
ンに分散させて正極合剤スラリーを得た。このスラリー
を厚さ20μmの帯状アルミニウム箔製正極集電体に塗
布し、乾燥させ、圧縮成形によって帯状正極を得た。乾
燥後の正極合剤の厚さは40μmであった。その後、こ
の帯状電極を直径15mmの円盤状に打ち抜くことによ
って正極電極とした。
【0067】<電池の作製>このようにして得られた円
盤状負極および円盤状正極、さらに厚さ200μmのポ
リエステル製不織布からできたセパレータを用意した。
ステンレス製の2032サイズの電池缶内に、負極、セ
パレータ、正極の順序で各々を積層した後、そこに前記
の均一電解液を注入した。その後、電池缶内にステンレ
ス製の板(厚さ2.4mm、直径15.4mm)を収納
し、さらにポリプロピレン製のガスケットを介して、電
池缶蓋をかしめた。次に、その電池を室温(25℃)で
12時間静置し、先に注入した電解液中の成分を硬化さ
せた。その結果、電池内の気密性が保持され、直径20
mm、高さ3.2mmのコイン型電池を得ることができ
た。
【0068】<電池の性能試験>作製したボタン型二次
電池を用い、室温で1mAの充放電を2.7V−4.2
V間で20サイクル繰り返した。その結果、初回放電容
量はLiCoO21g当たり140(mAh/g)で、
20サイクルの容量保持率は97%であった。
【0069】(比較例2)実施例4において、使用した
均一電解液の代わりに、エチレンカーボネートとジエチ
ルカーボネートとを体積比で1:1の割合で混合した溶
媒にLiPF6を1.0(mol/l)の濃度で溶解し
た非水電解液を用いた以外は、実施例4と同様にしてコ
イン型電池の製作を行った。その後、同様の電池性能試
験を実施したところ、初回放電容量はLiCoO21g
当たり142(mAh/g)で、20サイクルの容量保
持率は97%であった。
【0070】
【発明の効果】本発明に係わる高分子固体電解質は、高
いイオン伝導度を有し、同時に電気化学的安定性を保持
している。そのフィルム状物は可撓性があり、ゲル状物
は優れた保液性を有している。
【0071】この高分子固体電解質の基体となるポリマ
ーの製造時には、化合物(A)と化合物(B)とを特殊
な装置を使用することなく、また製造時に特別の高温を
必要とすることなしに、容易にかつ迅速に反応を進める
ことができる。さらにこの高分子固体電解質は、電解質
の性能に影響を与えるような副生成物が発生することは
ない。
【0072】従って、この高分子固体電解質は、一次電
池、二次電池、キャパシタ、エレクトロクロミック表示
素子などの電気化学素子、医療用アクチュエータなどに
好適に用いることができる。
【0073】特にこの高分子固体電解質を含む二次電池
は、充放電特性等の電池性能に優れている上に、電池か
らの漏液の懸念がほとんどなくなり、信頼性が向上して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/06 H01B 1/06 A H01G 9/025 H01M 6/18 E 9/028 H01G 9/00 301G H01M 6/18 9/02 331Z (72)発明者 大西 仁志 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 (72)発明者 野木 栄信 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 (72)発明者 鳥井田 昌弘 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CM011 DE196 EV216 EV246 FD116 GQ02 HA08 4J043 PA04 QC03 RA11 RA41 SA21 SA32 UB122 UB132 UB152 UB241 WA03 WA04 XA35 ZA44 ZB49 5G301 CA16 CA30 CD01 5H024 AA01 AA02 AA07 AA09 AA12 FF21 FF36 5H029 AJ02 AJ15 AK03 AK05 AK16 AL01 AL02 AL06 AL07 AL08 AL12 AM00 AM07 AM16 DJ09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリル基を分子中に2個以上有
    する化合物(A)と、その基にマイケル付加し得るイミ
    ノ基を分子中に2個以上有する化合物(B)とのマイケ
    ル付加反応によって形成されたポリマー中に、周期律表
    第Ia族の金属塩が含有されてなることを特徴とする高
    分子固体電解質。
  2. 【請求項2】前記の化合物(A)は、その分子量をMw
    およびその分子中の(メタ)アクリル基の個数をnで表
    した時に、Mw/nの値が300〜50,000である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高分子固体電解質。
  3. 【請求項3】前記の化合物(A)が、ポリカーボネート
    ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルカ
    ーボネートポリオール、およびポリエーテルポリオール
    からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール化
    合物の(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴と
    する請求項1または2に記載の高分子固体電解質。
  4. 【請求項4】前記のポリオール化合物は、その重量平均
    分子量が900〜100,000であることを特徴とす
    る請求項3に記載の高分子固体電解質。
  5. 【請求項5】前記の化合物(B)が、鎖状または環状の
    2級ジアミンであることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の高分子固体電解質。
  6. 【請求項6】前記の化合物(B)が、N,N’−ジメチ
    ルエチレンジアミン、 N,N’−ジメチル−1,2−
    プロパンジアミン、 N,N’−ジメチル−1,6−ヘ
    キサンジアミンおよびピペラジンからなる群から選ばれ
    るいずれかの化合物であることを特徴とする請求項1に
    記載の高分子固体電解質。
  7. 【請求項7】前記の化合物(B)が、2級ジアミンとジ
    オールまたはポリオールの(メタ)アクリレートとの反
    応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の高分
    子固体電解質。
  8. 【請求項8】前記のポリマーは、化合物(A)の(メ
    タ)アクリル基と化合物(B)のイミノ基とが1:5〜
    5:1の範囲(モル比)でマイケル付加反応して形成さ
    れた重合体であることを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載の高分子固体電解質。
  9. 【請求項9】前記の周期律表Ia族の金属塩が、LiC
    lO4、LiBF4、LiPF6、LiN(CF3CH2
    22、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、L
    iC(CF3SO23からなる群から選ばれる少なくと
    も一種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜
    8のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  10. 【請求項10】前記ポリマーが、非水溶媒を保持したゲ
    ル状物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    に記載の高分子固体電解質。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の高分
    子固体電解質を含有することを特徴とする二次電池。
  12. 【請求項12】請求項1〜10のいずれかに記載の高分
    子固体電解質と、負極活物質として金属リチウム、リチ
    ウム含有合金、リチウムイオンのドープおよび脱ドープ
    が可能な炭素材料、リチウムイオンのドープおよび脱ド
    ープが可能な酸化スズ、リチウムイオンのドープおよび
    脱ドープが可能なシリコン、およびリチウムイオンのド
    ープおよび脱ドープが可能な酸化チタンからなる群から
    選ばれる少なくとも1種を含む負極、正極活物質として
    リチウムと遷移金属との複合酸化物を含む正極とからな
    ることを特徴とする二次電池。
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