JP2001288716A - 大スパン落石防護工法および支柱装置 - Google Patents

大スパン落石防護工法および支柱装置

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JP2001288716A JP2000105461A JP2000105461A JP2001288716A JP 2001288716 A JP2001288716 A JP 2001288716A JP 2000105461 A JP2000105461 A JP 2000105461A JP 2000105461 A JP2000105461 A JP 2000105461A JP 2001288716 A JP2001288716 A JP 2001288716A
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博文 柳屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スパンの大きな広い傾斜面に比較的簡単に強度
面、機能面、施工面で有利な落石防護を施すことができ
る大スパン落石防護工法および支柱装置を提供する。 【解決手段】カーテンネット2として全スパンに相当す
る面積の金網20に多数の縦・横補強ロープ3,4と最
上段横ロープ6a,6b、複数の縦ロープ5および横ロ
ープ7を組み込み補強し、しかも最上段横ロープ6a,
6bをスパン対応長さごとの複数のものとする一方、横
ロープ7および横補強ロープ4を各スパンで切ることな
く全スパンに連続させて構成したものを使用し、全スパ
ンの両側端に端部支柱1a,1bを斜面上下方向で傾動
可能に建込むとともに、全スパンの中間領域1c,1d
には、2本でひと組の中間支柱1c,1dを斜面上下方
向で傾動可能に建込み、前記2本でひと組の中間支柱1
c,1dの上部間とそれより下方間をそれぞれ連結部材
16,16により連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大スパン落石防護工
法および支柱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】傾斜面においては落石が発生しやすく、
落石が発生すると人体、家屋、交通機関、道路などに大
きな被害をもたらす。この対策として従来より落石防護
工法や施設が用いられており、その代表的なものとし
て、ポケット式ロックネット工法が知られている。
【0003】この工法は、落石を受け入れる口を設ける
ために支柱を短間隔たとえば3m間隔で設置していたの
で、落石を受け入れるときに前記支柱や吊りロープに落
石が衝突し、根こそぎ破損したり途中から折れ曲がった
りする確率が高く、それによりロックネット全体が破壊
することがあった。また、落石が金網のみに衝突し、金
網を突き破る現象が起るときもあり、いまだ確実性と信
頼性が十分とはいえなかった。
【0004】この対策として、本発明者らにより特許第
2916633号で落石防護ネット工法が提案されてい
る。この工法はカーテンネットの採用を特徴としてお
り、すなわち、落石を受け入れる斜面上に支柱および吊
りロープを設置せず、落石の少ない安定した両サイドに
堅牢な支柱を設置して吊りロープおよび控えロープで保
持し、金網に縦横にロープを配したものである。これに
よれば、落石が支柱や吊りロープに直接衝突せず、弾性
体であるカーテン部分のみで落石エネルギーを吸収する
ことができ、縦横ロープに落石が当たる確率が高いこと
によって伝達機能を高めるとともにカーテン部の死荷重
が増し、衝突前後のエネルギー差を大きくすることがで
きる特性が得られる。
【0005】しかし先行技術においては、支柱を施工域
の左右に設置し、それら両サイドの支柱間に縦横ロープ
付き金網からなるカーテン部を張設したものであったの
で、12〜30mスパンの比較的小規模の沢状斜面に対
してはそれなりの効果があるものの、前記スパンを大き
く越えるような場合には、最上段横ロープの張力が過度
に大きくなり、また中央の垂下量(サグ)を大きくしな
ければならないので、その最上段横ロープから吊られる
カーテン部の高さ(ポケット口)が低くなり、その結
果、落石がカーテン部に入らずに飛び越えてゆく危険が
あった。また、最上段横ロープの張力が大きくなるので
施工もやりにくくなり、ロープ径、アンカーが大きくな
るので不経済にもなり、強度面、機能面、施工面および
経済性で問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題点を解消するために創案されたもので、その目的と
するところは、スパンの大きな広い傾斜面に比較的簡単
に強度面、機能面、施工面で有利な落石防護を施すこと
ができる大スパン落石防護工法および支柱装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、連続多連スパンの落石防護工を得るにあた
り、カーテンネットとして全スパンに相当する面積の金
網に多数の縦・横補強ロープと最上段横ロープ、複数の
縦ロープおよび横ロープを組み込み補強し、しかも最上
段横ロープをスパン対応長さごとの複数のものとする一
方、横ロープおよび横補強ロープを各スパンで切ること
なく全スパンに連続させて構成したものを使用し、全ス
パンの両側端に端部支柱を斜面上下方向で傾動可能に建
込むとともに、全スパンの中間領域には、2本でひと組
の中間支柱を斜面上下方向で傾動可能に建込み、前記2
本でひと組の中間支柱の上部間とそれより下方間をそれ
ぞれ連結部材により連結し、両傾斜面にアンカーした吊
りロープおよびサイドロープの端部を前記各支柱の上部
に連結して保持し、最上段横ロープを各スパンの両斜面
に両端部をアンカーするとともに各支柱の上部でスライ
ド可能に支持させ、また、カーテンネットの両側から伸
びた横ロープを傾斜面に両端部をアンカーしていること
を特徴としている。
【0008】本発明は、2本で組をなす中間支柱の対向
する上部間とそれより下方間を連結部材でそれぞれ連結
するとともに、中間支柱の上部とそれより下方にそれぞ
れサイド控えロープの端部を連結し、各段のサイド控え
ロープを傾斜面にアンカーしたものを含んでいる。
【0009】本発明は、前記工法に用いる中間支柱にお
いて、該中間支柱が、下部にヒンジ形成用部を有し、頂
部には最上段横ロープをスライド可能にガイドするガイ
ド金物と、吊りロープおよびサイド控えロープの端部を
連結するための頂部連結用ブラケットと、隣接する中間
支柱を連結部材で結ぶための頂部連結用ブラケットを有
し、かつ頂部連結用ブラケットよりも下方には隣接する
中間支柱を連結部材で結ぶための下位連結用ブラケット
を有していることを特徴としている。
【0010】また、支柱は下位連結用ブラケットに対応
する位置に下段のサイド控えロープの端部を連結するた
めの下位連結用ブラケットを有しているものを含んでい
る。前記支柱は横梁部材を一定間隔ごとに有している。
本発明の落石防護工は、道路などに接近した沢状の斜
面、内カーブの斜面あるいは一般の斜面で落石が集中す
る危険のある区域、不安定な岩盤や土質の不安定な転
石、崖すい区域の落石防護に好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を添付図面を
参照して説明する。図1ないし図6は本発明による大規
模型落石防護工法の第1実施例を示している。Aは第1
スパン、Bは第2スパンであり、それぞれが30m以上
の長さ(幅)を有した傾斜地である。この実施例におい
て、「全スパン」は、第1スパンAと第2スパンBの合
計したスパンを意味する。第1スパンAと第2スパンB
の長さは同等の場合もあるし異なる場合もある。1aは
第1スパンAの左端に設置された端末支柱、1bは第2
スパンBの右端に設置された端末支柱であり、それぞれ
斜面上位の安定した地質部位に設置されている。1cは
第1スパンAの右端部位置に設置された中間支柱、1d
は第2スパンBの左端に設置された中間支柱であり、そ
れら中間支柱1c,1dは隣接して組をなしている。
【0012】2は全スパンすなわち第1スパンAと第2
スパンBに途切れることなく連続的に展張しうる面積を
持ったカーテンネットであり、前記面積の金網20に多
数の縦補強ロープ3,横補強ロープ4と、縦ロープ5、
最上段横ロープ6a,6bおよび複数の横ロープ7を組
み込み補強して構成されている。8は前記各4支柱1a
〜1dに一端が連結され、他端が第1スパンAと第2ス
パンBの上位の安定した岩盤に強固に固定したアンカー
金物80にそれぞれ連結された吊りロープ、9は各支柱
1a〜1dの側方に連結され他端が支柱の側方の安定し
た地質部位にアンカーボルト(アンカー金物でもよい)
90により連結されたサイド控ロープである。
【0013】前記各支柱1a,1b,1c,1dはそれ
ぞれH形鋼からなり、山側と谷側のいずれかまたは双方
に面するフランジ間には、図3と図5のように、棒鋼の
両端が所定間隔ごとに固定されることによりタラップを
兼ねた横梁部材10が設けられている。また、各支柱1
a,1b,1c,1dのそれぞれの上端には、最上段横
ロープを挿通するためのシャックルで代表されるガイド
金物11が軸支されており、これの近傍の山側面には、
前記吊りロープ8に対するロープ連結用ブラケット12
が、谷側面には端部の縦ロープ5に対するロープ連結用
ブラケット(図示せず)がそれぞれ固定されている。
【0014】さらに、スパン幅方向面すなわち前記山谷
側面と90度変位した両フランジ面には、頂部連結用ブ
ラケット13,13’がそれぞれ固定されるとともに、
少なくとも第2支柱1bと第3支柱1cの高さ方向の所
要位置には、前記スパン幅方向面に下位連結用ブラケッ
ト14が固定されている。下位連結用ブラケット14は
少なくとも支柱全長で1か所、好ましくは複数箇所に設
けられる。第1実施例では、図5(a)のように下位連
結用ブラケット14は中間支柱1c,1dの対向する面
にのみ設けられている。しかし図5(b)のように反対
側にも設けられてもよい。前記各ブラケットは中央部に
軸通し孔を有したヨーク形状をなしている。
【0015】各支柱1a,1b,1c,1dの下端には
図5のようにヒンジ用部材15が固着されており、かか
る支柱1a,1b,1c,1dの設置場所には、ぞれぞ
れ上部にヨーク状のヒンジ用ブラケットを有する台板1
6がセメントアンカーボルト17によって固設されてい
る。台板16とセメントアンカーボルト17がアンカー
を構成しており、前記各支柱1a,1b,1c,1dの
ヒンジ用部材15はそれぞれブラケットにはめられ、支
軸が貫挿されることにより山谷側方向で傾動可能に連結
される。
【0016】そして、図4と図6のように、隣接してい
る2本でひと組の中間支柱1c,1cの頂部連結用ブラ
ケット13,13は連結部材10によって連結され、下
位連結用ブラケット14,14も、それぞれ連結部材1
6によって連結されている。連結部材16はワイヤロー
プや棒鋼類でもよいし、長さ調整可能なものたとえばタ
ーンバックルも好適であり、この場合には、ブラケット
13,13、14,14に両端が位置され、軸通し孔に
挿通したピンボルト130,140により連結される。
【0017】前記各支柱1a,1b,1c,1dの各ロ
ープ連結用ブラケット12には吊りロープ8のリング状
端末がピンボルトによって連結されており、吊りロープ
8の他端末にはターンバックル81が連結されている。
一方、第1と第2のスパンA,Bの上位レベルには、各
支柱1a,1b,1c,1dの延長線上位置に、図9と
図10に示すようにアンカー金物80が固定されてい
る。アンカー金物80はユーク状のブラケット801を
有する台板800とアンカーボルト802を有し、台板
800には、さきに打たれたアンカーボルト802の間
隔に誤差があっても上端部を貫通させ、ナット805で
締結できるようにすべく4つの曲長孔806が設けられ
ている。前記吊りロープ8のターンバックル81はアン
カー金物80のブラケット801にピンボルト807に
よって連結される。
【0018】また端末支柱1a,1bの両サイドの頂部
連結用ブラケット13,13’には左右のサイド控ロー
プ9,9の端末がそれぞれ連結され、サイド控ロープ
9,9の他端末はスパン幅方向に導かれ、アンカー90
たとえばセメントジョーアンカーボルトによって地盤に
連結されている。中間支柱1c,1dのスパン幅方向外
面に面する頂部連結用ブラケット13’サイド控ロープ
9の端末がそれぞれ連結され、前記と同様にスパン幅方
向に導かれ、アンカー90たとえばセメントジョーアン
カーボルトによって地盤に連結されている。
【0019】カーテン部2の金網20の上端縁は折り返
されて最上段横ロープ6a,6bに固定されている。最
上段横ロープ6a,6bには図2のように緻密な間隔で
吊り金具65が取り付けられており、この吊り金具65
に各縦ロープ5と各縦補強ロープ3の端末が連結されて
いる。縦ロープ5は縦補強ロープ3よりも太く、たとえ
ば3mごとに金網20に配され、縦補強ロープ3は縦ロ
ープ5間に複数本配され、それぞれの下端末が最下段の
横ロープ7にクロスクリップ500などによって金網と
もども連結されている。
【0020】横ロープ7は横補強ロープ4よりも太く、
たとえば6mごとに金網20に配され、横補強ロープ4
は横ロープ7間に複数本配されている。横補強ロープ4
は金網20の幅方向全長すなわち第1,第2スパンA,
Bの全幅に渡っている。横ロープ7も金網20の幅方向
全長すなわち第1,第2スパンA,Bの全幅に渡ってい
るが、さらに両端部が金網20の両端から突出してい
る。ここで「第1,第2スパンA,Bの全幅に渡って」
とは、1本のロープが連続している場合のほか、一定長
さたとえば100mのロープが接続されている場合を含
むものである。前記横ロープ7と横補強ロープ4の縦ロ
ープ5および縦補強ロープ3に対する交差部分は、それ
ぞれクロスクリップ700によって金網ともども結合さ
れている。
【0021】前記カーテンネット2の第1スパンAの最
上段横ロープ6aの一端は、図1のように端末支柱1a
のガイド金物11を通って斜め上方に導かれ、端末に取
り付けたターンバックル61が前記吊りロープ8の場合
と同じ構造のアンカー金物60に連結されている。最上
段横ロープ6aの他端側は、中間支柱1cのガイド金物
11を通って斜め上方に導かれ、図2のように、同様に
端末に取り付けたターンバックル61が前記吊りロープ
8の場合と同じ構造のアンカー金物60に連結されてい
る。第2スパンBの最上段横ロープ6bの一端は、中間
支柱1dのガイド金物11を通って前記第1スパンAの
最上段横ロープ6aと交差状に斜め上方に導かれ、同様
に端末に取り付けたターンバックル61をもってアンカ
ー金物60に連結されている。最上段横ロープ6bの他
端は、端末支柱1bのガイド金物11を通って斜め上方
に導かれ、図1のように端末に取り付けたターンバック
ル61をもってアンカー金物60に連結されている。前
記アンカー金物60とこれに対する連結形態の詳細につ
いては、吊りロープ8の説明を援用する。図4におい
て、符号600は台板、602はアンカーボルトであ
る。
【0022】金網20の両端から突出した各横ロープ
7,7は第1スパンAと第2スパンBの側方に導かれ、
端末がアンカー70たとえばセメントジョーアンカーボ
ルトによって地盤に連結されている。前記各支柱1a,
1b,1c,1dは、図3に示すように第1スパンAと
第2スパンBの傾斜面に対してほぼ直角の角度をなすよ
うに設置され、したがって、カーテンネット2は略垂直
状に張られ、下半部分2aが前記傾斜面に敷設されるよ
うに張られている。図3では下半部分2aが省略されて
いるため短くなっているが、実際は落石を受け入れるに
十分な寸法を有している。
【0023】図7と図8は本発明の第2実施例を示して
いる。この実施例においては、図5(b)に示す支柱が
用いられ、中間支柱1c,1dの対向する面に下位連結
用ブラケット14,14が設けられるとともに、下位連
結用ブラケット14,14と反対側の側面にも下位連結
用ブラケット14’,14’が設けられている。そし
て、それら下位連結用ブラケット14’,14’にはサ
イド控ロープ9’,9’の端末がそれぞれ連結され、前
記支柱頭部のサイド控ロープ9,9と同様にスパン幅方
向に導かれ、アンカーたとえばセメントジョーアンカー
ボルト90,90によって地盤に連結されている。
【0024】図11は本発明による大規模型落石防護工
法を3スパンに適用した実施例を示している。この場合
には、第1スパンAと第2スパンBおよび第3スパンC
の長さが全スパンであり、左端と右端には端末支柱1
a,1bが設置されており、第1スパンAと第2スパン
Bの境界部分には2本でひと組をなす第1の中間支柱1
c,1dが、第2スパンBと第3スパンCの境界部分に
は2本でひと組をなす第2の中間支柱1e,1fが設置
されている。そして、2本でひと組の第1の中間支柱1
c,1dと第2の中間支柱1e,1fの対向面には、図
5(a)または(b)で示したような上位連結ブラケッ
ト13,13’と、少なくとも1段の下位連結用ブラケ
ット14(14’)がそれぞれ設けられており、それら
の連結ブラケットにそれぞれ連結部材16の両端が連結
されている。それらの詳細については第1実施例、第2
実施例の説明を援用する。
【0025】カーテン部2は第1スパンAと第2スパン
Bおよび第3スパンCをカバーするするように一連のも
のとして構成されており、各横ロープ7,7と横補強ロ
ープ4,4は第1スパンAないし第3スパンCでひとつ
ながりになっている。カーテンネット2の構成、吊りロ
ープ8、最上段横ロープ6a,6b,6c、横ロープ
7,7のそれぞれのアンカー形態等は第1実施例と同じ
であるから、これの説明を援用することにする。
【0026】
【実施例の作用】本発明による多スパン落石防護工法の
作用を説明する。本発明は単スパンでなく、それぞれが
少なくとも30mを越える複数のスパンA,Bからなる
全スパンを一枚のカーテンネットでまかない、そのカー
テンネットを補強する横ロープ7および横補強ロープ4
が、各々のスパンで切れることなく連続して張設され、
横ロープ7の両端部が地盤にアンカー金具70,70よ
って連結されている。したがって、部材を効率良く使用
して経済的に施工することができるとともに、どのスパ
ン部分で落石を受けても、広い金網面積と横ロープ7お
よび横補強ロープ4の連続伸びにより、落石エネルギー
の吸収効率を高くすることができ、安定した緩衝効果を
達成することができる。
【0027】本発明はカーテンネット2を縦・横ロープ
5,7と縦・横補強ロープ3,4で補強しているので耐
力が高いものとなり、支柱の間隔を各スパンの両端に設
けるだけですむ。しかも、そうした各支柱1a,1b,
1c,1d・・に対して最上段横ロープ6a,6b,6
c・・を支柱頂部のガイド金物11を通して導くことに
よりスライド可能としているので、支柱にかかる落石な
どによる衝撃を著しく減少し、支柱のねじれ横傾動を防
止することができる。
【0028】しかも、全スパンを2本の端末支柱でまか
なってこれに最上段横ロープを渡してカーテンネット2
を支えるのではなく、中間スパン部分には2本1組の中
間支柱1c,1d(さらには1e,1f)を隣接して設
置し、それら中間支柱1c,1d(さらには1e,1
f)をそれぞれ上部からの吊りロープ8と両側からのサ
イド控えロープ9,9で支えるようにしている。このた
め、全スパンの大きなカーテンネット2を使用している
が、各スパンA,B,Cごとに分かれた最上段横ロープ
6a,6b,6c・・で分担して安定して支えることが
でき、張力が大きくならず、サグも小さくてすむ。ま
た、ロープ径やアンカー金物を単スパンの場合と同程度
にすることができので経済的である。
【0029】しかも、落石時に大きな荷重が作用する2
本ひと組の中間支柱1c,1d(さらには1e,1f)
について、頂部間を連結部材16で連結するだけでな
く、それより下方の部分も連結部材16で相互に連結し
ているので、前記吊りロープ8とサイド控えロープ9,
9とあいまって2本ひと組の中間支柱1c,1d(さら
には1e,1f)を常に一体として挙動させることがで
き、これにより全スパンの大きなカーテンネット2を安
定して支持し、落石エネルギーを吸収することができ
る。なお、各支柱1a,1b,1c,1d・・は一定間
隔で棒鋼などからなる横梁部材10が設けられているの
で、タラップとして昇降の安全に役立つほか、支柱自体
の強度が高くなって、落石が支柱を直撃した場合やカー
テンネツト2に落石が掛かった場合でも曲げ、ねじれの
発生を防止することができる。
【0030】第2実施例によれば、2本で1組の中間支
柱1c,1d(さらには1e,1f)が高さ方向で数段
が連結部材16,16により相互に連結されるうえに、
高さ方向で数段のサイド控えロープ9,9’によって側
方から支えられるので、それらの相乗作用によりねじれ
や横傾動を確実に防止することができ、安定したカーテ
ンネット支持効果を発揮することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によると
きには、複数のスパンA,B・・を一枚の大きなカーテ
ンネット2でまかない、そのカーテンネット2を補強す
る横ロープ7および横補強ロープ4が、各々のスパンで
切れることなく連続して張設され、各横ロープ7の両端
部が地盤にアンカー金具70によって連結され、どのス
パン部分で落石を受けても、広い金網面積と横ロープ7
および横補強ロープ4の連続伸びにより、落石エネルギ
ーの吸収効率を高くすることができること、中間スパン
部分には2本1組の中間支柱1c,1d(さらには1
e,1f)を隣接して設置し、それら中間支柱1c,1
d,(さらには1e,1f)をそれぞれ上部からの吊り
ロープ8と両側からのサイド控えロープ9で支えるの
で、全スパンにわたる大きなカーテンネット2を使用し
ているにもかわらず、各スパンA,B,Cごとに分かれ
た最上段横ロープ6a,6b,6c・・で分担して安定
して支えることができ、張力が大きくならず、サグも小
さくてすむこと、落石時に大きな荷重が作用する中間の
2本ひと組の中間支柱1c,1d,(さらには1e,1
f)を、頂部間を連結部材16で連結するだけでなく、
それ以降の部分も連結部材16で連結しているので、前
記吊りロープ8とサイド控えロープ9とあいまって2本
ひと組の中間支柱1c,1d,(さらには1e,1f)
を常に一体として機能させることができ、これによりス
パン全幅の大きなカーテンネット2を安定して支持し、
落石エネルギーを吸収することができることなどによ
り、100mを越える広い傾斜面に比較的簡単に強度
面、機能面、施工面で有利な落石防護を施すことができ
るというすぐれた効果が得られる。
【0032】請求項2と4によれば、中間支柱1c,1
d,(さらには1e,1f)の上部とそれより下方にそ
れぞれサイド控えロープ9,9’の端部を連結し、各段
のサイド控えロープ9,9’を傾斜面にアンカーするの
で、ねじれや横傾動を確実に防止することができ、安定
したカーテンネット支持効果を発揮することができる。
請求項3によれば、中間支柱1c,1d,(さらには
1e,1f)が、下部にヒンジ形成用部を有し、頂部に
は最上段横ロープ6a,6b,6cをスライド可能にガ
イドするガイド金物11と、吊りロープ8およびサイド
控えロープ9の端部を連結するための頂部連結用ブラケ
ット12,13’と、隣接する中間支柱を連結部材16
で結ぶための頂部連結用ブラケット13を有し、かつ頂
部連結用ブラケット13よりも下方には隣接する中間支
柱を連結部材16で結ぶための下位連結用ブラケット1
4を有しているので、大スパンの中間部分の耐力を非常
に高くし、大きな面積のカーテンネット2を安定して支
え、大きな落石エネルギーに対処することができるとい
うすぐれた効果が得られる。請求項5によれば、支柱1
a,1b,1c,1d・・は一定間隔で棒鋼などからな
る横梁部材10が設けられているので、タラップとして
昇降の安全に役立つほか、支柱自体の強度が高くなっ
て、落石が支柱を直撃した場合やカーテンネツト2に落
石が掛かった場合でも曲げ、ねじれの発生を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による大スパン落石防護工法の第1実施
例を示す部分省略正面図である。
【図2】図1の部分的拡大図である。
【図3】図1の側面図である。
【図4】第1実施例の中間支柱部分の取り合いを示す説
明図である。
【図5】(a)は本発明における支柱の中間省略背面
図、(b)は支柱の別の例を示す中間省略背面図であ
る。
【図6】第1実施例の部分省略背面図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す部分的正面図であ
る。
【図8】図6の中間支柱部分の取り合いを示す説明図で
ある。
【図9】本発明におけるアンカー金物の平面図である。
【図10】図8のアンカー金物を使用状態で示す側面図
である。
【図11】本発明の他の実施例を示す部分省略正面図で
ある。
【符号の説明】
1a,1b 端末支柱 1c,1d,1e,1f 中間支柱 2 カーテンネット 3 縦補強ロープ 4 横補強ロープ 5 縦ロープ 6a,6b,6c 最上段横ロープ 7 横ロープ 8 吊りロープ 10 横梁部材 9 サイド控えロープ 20 金網
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡山 隆宏 大阪府大阪市中央区南本町2−5−9 東 京製綱株式会社内 Fターム(参考) 2D001 PA06 PB04 PC03 PD10 PD11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続多連スパンの落石防護工を得るにあた
    り、カーテンネット2として全スパンに相当する面積の
    金網20に多数の縦・横補強ロープ3,4と最上段横ロ
    ープ6a,6b、複数の縦ロープ5および横ロープ7を
    組み込み補強し、しかも最上段横ロープ6a,6bをス
    パン対応長さごとの複数のものとする一方、横ロープ7
    および横補強ロープ4を各スパンで切ることなく全スパ
    ンに連続させて構成したものを使用し、 全スパンの両側端に端部支柱1a,1bを斜面上下方向
    で傾動可能に建込むとともに、全スパンの中間領域1
    c,1dには、2本でひと組の中間支柱1c,1dを斜
    面上下方向で傾動可能に建込み、 前記2本でひと組の中間支柱1c,1dの上部間とそれ
    より下方間をそれぞれ連結部材16,16により連結
    し、 両傾斜面にアンカーした吊りロープ8およびサイドロー
    プ9の端部を前記各支柱の上部に連結して保持し、最上
    段横ロープ6a,6bを各スパンの両斜面に両端部をア
    ンカーするとともに各支柱の上部でスライド可能に支持
    させ、また、カーテンネット2の両側から伸びた横ロー
    プ7を傾斜面に両端部をアンカーしていることを特徴と
    する大スパン落石防護工法。
  2. 【請求項2】2本で組をなす中間支柱1c,1dの対向
    する上部間とそれより下方間をそれぞれ連結部材16,
    16で連結するとともに、中間支柱1c,1dの上部と
    それより下方にそれぞれサイド控えロープ9の端部を連
    結し、各段のサイド控えロープ9を傾斜面にアンカーす
    ることを含む請求項1に記載の大スパン落石防護工法。
  3. 【請求項3】前記工法に用いる中間支柱1c,1dにお
    いて、該中間支柱1c,1dが、下部にヒンジ形成用部
    を有し、頂部には最上段横ロープ6a,6bをスライド
    可能にガイドするガイド金物11と、吊りロープ8およ
    びサイド控えロープ9の端部を連結するための頂部連結
    用ブラケット13’、12と、隣接する中間支柱1c,
    1dを連結部材16で結ぶための頂部連結用ブラケット
    13を有し、かつ頂部連結用ブラケット13よりも下方
    には隣接する中間支柱1c,1dを連結部材16で結ぶ
    ための下位連結用ブラケット14を有していることを特
    徴とする大スパン落石防護工法用の支柱。
  4. 【請求項4】下位連結用ブラケット14に対応する位置
    に下段のサイド控えロープ9’の端部を連結するための
    下位連結用ブラケット14’を有しているものを含む請
    求項3に記載の大スパン落石防護工法用の支柱。
  5. 【請求項5】支柱1a,1b,1c,1dが横梁部材1
    0を一定間隔ごとに有している請求項3または4に記載
    の大スパン落石防護工法用の支柱。
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