JP2001288663A - 光触媒機能を有する吸音用繊維構造体 - Google Patents

光触媒機能を有する吸音用繊維構造体

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JP2001288663A
JP2001288663A JP2000097985A JP2000097985A JP2001288663A JP 2001288663 A JP2001288663 A JP 2001288663A JP 2000097985 A JP2000097985 A JP 2000097985A JP 2000097985 A JP2000097985 A JP 2000097985A JP 2001288663 A JP2001288663 A JP 2001288663A
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heat
fiber structure
fiber
fibrous structure
sound
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JP2000097985A
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Kenji Inagaki
健治 稲垣
Yoshie Inagaki
由江 稲垣
Makoto Yoshida
吉田  誠
Yasuyuki Yamazaki
康行 山崎
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種悪臭に対する消臭耐久性の優れ、更にN
Ox、SOxといった排気ガスをも分解・消臭が可能で
ある上、光触媒の機能の一つである防汚機能をも有する
吸音用繊維構造体を提供すること。 【解決手段】 捲縮短繊維と、該捲縮短繊維を構成する
ポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが
熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊
維とが、重量比率で90/10〜50/50となるよう
に混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態
で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と該捲
縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散
在してなる繊維構造体であって、該繊維構造体の平均密
度が0.02〜0.20g/cm3の範囲にあり、且つ
該繊維構造体を構成する短繊維には、被膜形成剤で被覆
された光触媒が固着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸音・防音特性に優
れた繊維構造体において、耐久性に優れた消臭機能を有
する消臭吸音構造体であり、詳しくは、道路や建材など
屋外に使用する吸音用繊維構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来各種吸音用繊維構造体に関しては、
ガラスウールやウレタンフォームを使用したものが多く
提案されてきた。更に最近では、リサイクル性や成型性
での点から高融点熱可塑性繊維と低融点熱可塑性繊維と
から構成され、低融点熱可塑性繊維の一部を熱融着させ
たもの(特開平7−3599など)が提案されており、
最近では、各種環境への配慮から吸音用繊維構造体の使
用も増えてきている。
【0003】この中で、他の機能を付与することが切望
されており、そのひとつが消臭機能である。その要求に
答えるべく、高融点繊維あるいはその一部に消臭機能を
付与した短繊維を使用したものや、出来上がった繊維構
造体の少なくとも一面に少なくとも3種(無機系多孔質
物質、金属化合物、合成樹脂)からなる消臭剤を付着含
有させたもの(特開平11−152677)などが提案
されてきた。
【0004】しかしながら、これらの消臭はいずれも中
和、あるいは吸着作用によるものであり、限られた悪臭
物質に対してしかその効力を現さない。またこれらの消
臭素材は、消臭剤自体が飽和に達すると、もはや消臭効
果を示すことができないという問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の有する問題点を解消し、各種悪臭に対する消臭耐
久性の優れ、更にNOx、SOxといった排気ガスをも
分解・消臭が可能である上、光触媒の機能の一つである
防汚機能をも有する吸音用繊維構造体を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために、本発明者らは検討を重ね光触媒酸化チタンが構
成繊維に固着された繊維構造体において、該光触媒酸化
チタンと構成繊維とを皮膜を介して接触させることによ
って繊維構造体自身を劣化することなく、悪臭物質を分
解可能な消臭耐久性に優れた消臭吸音構造材が得られる
ことを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、捲縮短繊維と、該捲
縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点
を有するポリマーが熱融着成分としてその表面に配され
た熱接着性複合短繊維とが、重量比率で90/10〜5
0/50となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維
同士が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着
性複合短繊維と該捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着
された固着点とが散在してなる繊維構造体であって、該
繊維構造体の平均密度が0.02〜0.20g/cm3
の範囲にあり、且つ該繊維構造体を構成する短繊維に
は、被膜形成剤で被覆された光触媒が担持されているこ
とを特徴とする光触媒機能を有する吸音用繊維構造であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用する捲縮短繊維とし
ては、合成繊維をあげる事が出来る。例えば、ナイロン
やポリエステル、アクリル、オレフィン、アラミド、カ
ーボンやなど汎用的に使用されている合成繊維であれば
何ら制限を受けない。またこれらの共重合体からなる短
繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー
成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げる
ことができる。これらの短繊維は単独で用いることはも
とより、複数混ぜて用いても何ら問題はない。またこれ
ら短繊維のうち繊維形成性等の観点から、ポリエチレン
テレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートから
なる短繊維が特に好ましい。
【0009】この場合の、捲縮付与方法としては、熱
収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合
わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、異
方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、押し込み捲縮
法によるジグザグ状捲縮を付与、するなど種々の方法を
用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から異方冷
却によりスパイラル状捲縮を付与するのが最適である。
【0010】本発明で使用する熱接着性複合繊維の複合
形態としては、サイドバイサイド型、芯鞘型のいずれで
あってもよいが好ましいのは後者である。この芯鞘型に
おいては非弾性ポリエステルが芯部となるが、該芯部は
同心円状あるいは偏心状であっても良い。特に偏心状の
ものにあっては、スパイラル捲縮が発現するので、より
好ましい。
【0011】ここで、融着成分として配されるポリマー
としては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル
系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びそ
の共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合
物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を挙げることが
でき、ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が
500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒ
ドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジ
ヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステ
ルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネー
ト、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キ
シリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメ
チルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等
と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールア
ミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得ら
れるポリマーである。このポリマーのうち、特に好まし
いのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコー
ル、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチ
レンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合
の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロ
キシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールを
挙げることができる。
【0012】共重合ポリエステル系ポリマーとしては、
アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの
芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレ
フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカ
ルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコ
ールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有
し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ
酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、
例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイ
ソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重
合させたポリエステルが好ましい。
【0013】また、ポリオレフィンポリマーとしては、
例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン等を挙げることができる。
【0014】また、ポリエステル系エラストマーとして
は熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ
(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメント
として共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、
より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−
2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環
式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セ
バシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカル
ボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選
ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタ
ンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコー
ル、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるい
は1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール
等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘
導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、
および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチ
レングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプ
ロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレン
オキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレン
オキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒド
ロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイ
ド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三
元共重合体を挙げることができる。
【0015】特に、接着性や温度特性、強度の面からす
ればポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、
ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとす
るブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。こ
の場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分
は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分
がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタ
レートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モ
ル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸
成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の
一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分
以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソ
フトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレン
グリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテ
ルであってよい。
【0016】しかしながら、上記の融着成分のうち、融
着時の相手方の短繊維がポリエステル系ポリマーが主体
になることが好ましいことから、該融着成分として配さ
れるポリマーは、特に、共重合ポリエステル系ポリマー
や熱可塑性ポリエステル系エラストマ−が好ましく、吸
音性能、製造コストの観点から共重合ポリエステル系ポ
リマーを用いることが特に好ましい。
【0017】尚、上述のポリマー中には、各種安定剤、
紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他
各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
【0018】本発明において、上記の捲縮短繊維と上記
の熱接着型複合短繊維を混綿させ加熱処理することによ
り、該熱接着型複合短繊維同士が交差した状態で熱融着
された固着点及び該熱接着型複合短繊維と該捲縮短繊維
とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してな
る繊維構造体が形成される。
【0019】この際、捲縮短繊維と熱接着型複合短繊維
との重量比率は90/10〜50/50であることが必
要である。熱接着複合短繊維がこの比率より少ない場
合、熱固着点が極端に少なくなり、繊維構造体の腰がな
く成型性が不良となる。一方、熱接着繊維がこの比率よ
り多い場合、熱固着点が多くなり過ぎ熱処理工程での取
り扱いや成型性の低下などが生じる。
【0020】本発明の繊維構造体を構成する繊維の平均
繊度は0.56〜11.1dtexの範囲にあることが
好ましい。0.56dtex未満では繊維構造体製造時
の工程通貨性が著しく悪化するとともに剛性が出にくく
好ましくない。11.1dtexを越えると、構造体の
剛性は十分有しているが、本来の目的である吸音特性が
悪化し好ましくない。
【0021】このような繊維構造体を製造する方法とし
ては特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すれ
ば良いが、例えば捲縮短繊維と熱接着型複合短繊維とを
混綿し、ローラーカードにより均一なウェッブとして紡
出した後、熱風サクション式熱処理機を用いて加熱熱処
理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ま
しく例示される。
【0022】本発明で用いる光触媒としては、アナター
ゼ型、ルチル型、アモルファス型等の酸化チタンが例示
され、光触媒活性の高さからアナターゼ型酸化チタンが
好ましい。この際、用いる光触媒の粒径は光触媒活性を
損なわない粒径であれば特に制限はしないが、好ましく
は、0.005μm〜1μm程度である。本発明で用いる
光触媒酸化チタンの比表面積は、悪臭物質の吸着速度の
関係から、大きい方がよく、10〜350g/m2が好
ましい。特に好ましくは、100〜300g/m2であ
る。
【0023】本発明で用いる光触媒の量は、短繊維重量
に対して、0.5〜30重量%が好ましく、1重量%〜
10重量%がさらに好ましい。0.5重量%未満である
と、光触媒の機能が充分に発現しない場合がある。ま
た、30重量%を越えると、繊維構造物の劣化が促進さ
れる場合がある。
【0024】本発明において、光触媒酸化チタンを構成
繊維に固着させる方法としては、繊維自身に練り込む
方法、繊維構造体の表面に付与する方法、布帛、不
織布、フィルムなどに付与し繊維構造体と積層する方
法、繊維構造体の繊維と繊維の空隙に充填させる方法
などを用いる事が出来る。
【0025】の繊維への練り込みについては、用いる
光触媒酸化チタンの粒径は小さいもの(1μm以下)が
好ましく、更には光触媒酸化チタンの粒子表面を被膜形
成させたものがポリマーの劣化抑制もするため好まし
い。の繊維構造体表面に付与する方法としては、浸漬
法、パッドドライ法、スプレ−法、コ−ティング法、ラ
ミネ−ト法など試料の形態により適宜選択し使用する事
が出来る。の布帛などに光触媒酸化チタンを付与しそ
れを繊維構造体に積層する方法としては、付与方法は
同様に浸漬法やスプレーなどの方法を用いればよく、こ
の布帛などと繊維構造体との積層方法としては、各種バ
インダー樹脂を用いたり、低融点の繊維からなるシート
を接着層として使用しても良い。また、布帛状物として
不織布を用いた場合はこの構成繊維の中に低融点繊維を
混合する事で、繊維構造体と不織布各々の熱接着性複合
短繊維により接着するなどが考えられる。の繊維構造
体を構成する繊維間の空隙に充填させる方法について
は、構造体製造時のウェッブ成形工程で上部から散布し
繊維と繊維の間に充填する事が出来る。しかしながらこ
の場合、散布した光触媒が通り抜けたりするのを防止す
るため、散布する面と反対側に不織布などの布帛状物を
積層すると良い。これら光触媒の担持方法の中では、加
工の容易さ、少量での対応などの面から、、が特に
好ましい。
【0026】ここで、使用するバインダー樹脂には特に
制限がなく、アクリル酸エステル樹脂、ウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、フッ素樹脂あるいはそのプレポリマ
ーなどすべての樹脂が使用できるが、光触媒の固定安定
性、風合い面から、アクリル酸エステル樹脂、及びその
プレポリマーが特に好ましい。
【0027】本発明で用いるアクリル酸エステル樹脂
は、アクリル酸エステルおよび/又はメタクリル酸エス
テルを主たる構成モノマー単位とする重合体樹脂であれ
ば、特に制限がなく、なかでも特にメタクリル酸エステ
ル樹脂が好ましい。かかるアクリル酸エステル樹脂を構
成するモノマーの具体例としてはメタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸タ
ーシャリーブチル、メタクリル酸2−エチル、メタクリ
ル酸オクチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステ
アリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベ
ンジルなどに代表される非官能性モノマータイプ、及
び、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ターシャリーブチ
ルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル
酸テトラヒドロフルフリルなどに代表される一官能性モ
ノマータイプ、及び、ジメタクリル酸エチレン、ジメタ
クリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエ
チレングリコール、メタクリル酸アリル、ジメタクリル
酸フタル酸ジエチレングリコールに代表される多官能モ
ノマータイプ等を挙げることができる。これらの非官能
性モノマーを一官能性モノマー又は多官能性モノマーと
共重合することは、接着性や反応性に優れたポリマーを
得ることができるのでより好ましい。
【0028】また、洗濯耐久性を要求される分野に応用
する際には、耐久性の強化のためにメラミン樹脂を併用
することが好ましい。
【0029】本発明で用いるメラミン化合物としてはメ
ラミン樹脂の原料となるメラミン化合物であれば特に制
限する必要はなく、例えば、下記一般式(I)で表され
る化合物を挙げることができる。
【0030】
【化1】
【0031】式中Rは水素原子、またはCH2OR′
(R′は水素原子またはアルキル基)である。
【0032】その使用量は、アクリル酸エステル樹脂に
対して1〜30重量%の範囲が好ましい。使用量が1重
量%未満では耐久性が不十分となる傾向があり、逆に、
30重量%を越えると風合いが硬くなる傾向が顕著にな
る。また、反応触媒としてヘキサメチレンテトラミンに
代表されるような有機アミン系触媒を少量用いることが
好ましい。
【0033】本発明におけるバインダー樹脂の使用量は
繊維構造物重量に対して、0.5重量%〜30重量%の
範囲が好ましい。0.5重量%未満であると光触媒の固
定耐久性が十分に得られなくなる傾向があり、逆に、3
0重量%を越える光触媒酸化チタンがバインダー樹脂に
完全に覆われてしまうため、光触媒能を発現できなくな
る場合がある。
【0034】これらフッ素樹脂あるいは無機ガラス質で
被覆された光触媒、バインダー樹脂は、ヘプタン、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
酢酸エチル、酢酸ブチル、ミネラルタ─ペン、イソプロ
ピルアルコ─ル等の有機溶剤に溶解して使用してもよい
し、そのまま水中に自己乳化するか、または適当な乳化
剤、例えば高級アルコ─ルの硫酸エステル塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、高級アルコ─ルポリオキシアル
キレン付加物、高級脂肪酸ポリオキシアルキレン付加
物、高級脂肪酸ソルビタンエステル等を用いて水中に乳
化して使用することができる。
【0035】加工方法については、浸漬法、パッドドラ
イ法、スプレ−法、コ−ティング法、ラミネ−ト法など
いずれの方法によっても行うことができ、繊維構造物の
形態、樹脂、溶液の種類によって適宜選択できる。
【0036】本発明において、光触媒にはその触媒活性
を高めるために、無機貴金属を担持させることも効果的
である。貴金属としては、白金、ロジウム、ルテニウム
などを用いる。
【0037】本発明において、光触媒を被覆する被膜形
成剤としては、フッ素樹脂が有効である。例えば、TF
E樹脂(テトラフルオロエチレン樹脂)、FEP樹脂
(テトラフルオロエチレン・六フッ化プロピレン共重合
樹脂)、PFA樹脂(テトラフルオロエチレン・パーフ
ルオロアルコキシエチレン樹脂)、ETFT樹脂(テト
ラフルオロエチレン・エチレン共重合樹脂)、PVDF
樹脂(ビニリデンフルオライド樹脂)、PVF樹脂(ビ
ニルフルオライド樹脂)、CTFE樹脂(クロロトリフ
ルオロエチレン樹脂)、ECTFE樹脂(エチレン・ト
リフルオロエチレン共重合樹脂)などが挙げられる。ま
た、必要に応じて上記フッ素樹脂の一部のフッ素を塩素
に置き換えても良い。
【0038】また、本発明においては、光触媒を被覆す
る被膜形成剤として、水ガラス、メチルシリケート、エ
チルシリケートなどのガラス質形成剤を用いることもで
きる。これらの剤は光触媒酸化チタン表面上で脱水縮合
し、ガラス質を形成させることが可能である。ガラス質
形成の方法としては、光触媒の分散液あるいは粉体に、
ガラス質形成剤を固着し、予備乾燥を行った後、高温で
処理する。ガラス質形成剤の光触媒への固着方法は、特
に制限しない。
【0039】上記被膜形成剤の量は、光触媒に対し、
0.1〜30重量%であり、好ましくは、0.5〜10
重量%である。0.1重量%未満であると被膜形成性が
悪く、バインダー樹脂を劣化させる、30重量%を越え
ると、悪臭物質が光触媒に接することが出来ず、効率が
悪くなる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれにより何ら限定を受けるもので
はない。なお、実施例中に記載した物性は以下の方法に
より測定した。 (1)吸音特性 各試料について、JIS A 1405に基づき、管内
法により建築材料の垂直入射吸音率を測定した。 (2)消臭性 臭気成分の初期濃度をアセトアルデヒド50ppmと設
定し、試料量2g/L、総量3Lをテドラーバック内に
封入し、20Wの紫外線ランプを照射し(あるいは未照
射暗室)、24時間後の容器の臭気成分残存濃度を検知
管にて測定した。 (3)樹脂バインダーの劣化 空気、試料量2g/L、総量3Lをテドラーバック内に
封入し、有機樹脂バインダーの光分解生成物である二酸
化炭素を定量することにより行った。
【0041】[実施例1]異方冷却により立体捲縮を付
与した単繊維繊度3dtex、繊維長51mmのポリエ
チレンテレフタレート短繊維と鞘成分に共重合ポリエス
テルを配し、芯成分にポリエチレンテレフタレートを配
した単繊維繊度2dtex、繊維長51mmの熱接着性
繊維(芯成分:鞘成分の重量比=50:50)を重量で
70:30となるように混綿し、ローラーカードにより
均一なウェッブを得た。
【0042】得られたウェッブを一定の密度となるよう
に型枠に入れ循環式熱風乾燥機で160℃×15分間の
熱処理を行い熱融着による固着点を形成させて繊維構造
体を得た。この構造体にアクリル酸エステル樹脂テイサ
ンレジンA−114(帝国化学製)1.5重量%、光触
媒酸化チタンST−01(石原産業)(光触媒の5重量
%の水ガラスで予め熱処理したもの)5重量%を含む水
溶液をスプレー処理し、130℃で3分間乾燥した後1
80℃で1分間熱処理し消臭吸音構造体を得た。
【0043】得られた吸音用繊維構造体を用いて紫外線
ランプ照射下でアセトアルデヒドの消臭性、二酸化炭素
の生成量及び吸音用繊維構造体特性の評価を行った。物
性を表1、2に示す。
【0044】[実施例2]実施例1と同様の繊維構造体
を用い、アクリル酸エステル樹脂テイサンレジンA−1
14に代えてテトラフルオロエチレン樹脂を用いた以外
は同様の処理を行い吸音用繊維構造体を得た。得られた
吸音用繊維構造体の消臭性、二酸化炭素生成量及び吸音
特性を表1、2に示す。
【0045】[比較例1]実施例1と同様の繊維構造体
を用い、光触媒酸化チタンに水ガラス処理を行わなかっ
た以外は実施例1と同様に実施し、吸音用繊維構造体を
得た。得られた吸音用繊維構造体の消臭性、二酸化炭素
生成量および吸音特性を表1、2に示す。
【0046】[比較例2]実施例1と同様の繊維構造体
を用い、消臭加工を行わない吸音用繊維構造体を得た。
得られた吸音用繊維構造体の消臭性、二酸化炭素生成量
及び吸音特性を表1、2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 誠 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 (72)発明者 山崎 康行 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 Fターム(参考) 2E001 DF04 DH21 FA30 HD11 JD02 JD04 4L047 AA27 AB02 BA08 CB03 CC09 CC10 DA00 5D061 AA06 AA22 BB21 BB37 DD03 DD11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 捲縮短繊維と、該捲縮短繊維を構成する
    ポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが
    熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊
    維とが、重量比率で90/10〜50/50となるよう
    に混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態
    で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と該捲
    縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散
    在してなる繊維構造体であって、該繊維構造体の平均密
    度が0.02〜0.20g/cm3の範囲にあり、且つ
    該繊維構造体を構成する短繊維には、被膜形成剤で被覆
    された光触媒が固着されていることを特徴とする光触媒
    機能を有する吸音用繊維構造体。
  2. 【請求項2】 光触媒が繊維重量に対して、0.5〜3
    0重量%担持されている請求項1記載の光触媒機能を有
    する吸音用繊維構造体。
  3. 【請求項3】 被膜形成剤が(Si−O)nを基本骨格
    とするガラス質形成剤及び/またはフッ素系樹脂である
    請求項1又は2記載の光触媒機能を有する吸音用繊維構
    造体。
  4. 【請求項4】 繊維構造体を構成する短繊維の平均繊度
    が0.56〜11.1dtexの範囲にある請求項1、
    2又は3記載の光触媒機能を有する吸音用繊維構造体。
  5. 【請求項5】 熱接着性複合短繊維の熱融着成分が非弾
    性ポリエステル系ポリマーである請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の光触媒機能を有する吸音用繊維構造体。
  6. 【請求項6】 非弾性ポリエステル系ポリマーが共重合
    ポリエステルである請求項5記載の吸音用繊維構造体。
  7. 【請求項7】 熱接着性複合短繊維の熱融着成分が熱可
    塑性エラストマーである請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の吸音用繊維構造体。
  8. 【請求項8】 熱可塑性エラストマーがポリエステル系
    エラストマーである請求項7記載の吸音用繊維構造体。
  9. 【請求項9】 繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配
    列されている繊維の総本数を(b)とし、繊維構造体の
    厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を
    (a)とする時、b/aが1.5以上である事を特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸音用繊維構
    造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005215021A (ja) * 2004-01-27 2005-08-11 Teijin Fibers Ltd 吸遮音多層繊維構造体および吸遮音製品

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