JP2001287522A - フロントサスペンション装置 - Google Patents

フロントサスペンション装置

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JP2001287522A
JP2001287522A JP2000103233A JP2000103233A JP2001287522A JP 2001287522 A JP2001287522 A JP 2001287522A JP 2000103233 A JP2000103233 A JP 2000103233A JP 2000103233 A JP2000103233 A JP 2000103233A JP 2001287522 A JP2001287522 A JP 2001287522A
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JP
Japan
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suspension
ball joint
sliding friction
vehicle
wheel
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JP2000103233A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Muraoka
健一郎 村岡
Hiroshi Okuzumi
宏 奥住
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少なくともナックル2の車体下方向にダブルピ
ボット式リンク機構を有するフロントサスペンション装
置であって、車両の片流れを抑制するために必要な各ボ
ールジョイントにおける摺動摩擦力を確保しつつ、シミ
ーレベルの低減効果を最大限に発揮する装置を提供す
る。 【解決手段】本発明装置は、ロアサスペンションアーム
3,4側の2つのボールジョイント11,12それぞれ
で発生する摺動摩擦力の和が、アッパーサスペンション
アーム5側のボールジョイント13で発生する摺動摩擦
力よりも小さくなるように設定することによって、サス
ペンションの前後共振周波数において、ボールジョイン
ト部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸R1
がほぼ設計段階で設定した位置に保持されるため、車両
の路面の傾き等によりステアリングが取られて車両の直
進性が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミーレ
ベルの低減効果を最大限に発揮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも操舵輪
を回転自在に支持した車輪支持部材の車体下方向に、互
いに独立した2つのサスペンションリンクがそれぞれボ
ールジョイントを介して回転自在に結合されるダブルピ
ボット式のリンク機構を有するフロントサスペンション
装置であって、特に、車両の片流れを抑制しつつ、シミ
ー発生を防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】こうした従来のフロントサスペンション
装置としては、例えば、特開平8−104250号公報
に記載のものがある。これは、フロントアクスルと車輪
支持部材であるナックルとの回転摺動部の粘性抵抗を高
周波のシミーに対して高く、低周波の操舵入力には低く
設定することでシミー現象を防止しつつ、操縦安定性に
優れた車両操舵装置を提供する技術である。また、上記
技術以外にも、ボールジョイント部の摺動摩擦を上げて
シミーレベルを低減しようとする技術が公知である。
【0003】確かに、ロアサスペンションリンクまたは
アッパーサスペンションリンクが、ナックル側部材と1
つのボールジョイントを介して結合されるシングルピボ
ット式のリンク機構を有するフロントサスペンション装
置において、ボールジョイント部の摺動摩擦を上げるこ
とは、シミー発生時のナックル回転を抑制するために有
効である。
【0004】しかしながら、少なくとも操舵輪を回転自
在に支持した車輪支持部材の車体下方向に、互いに独立
した2つのサスペンションリンクがそれぞれボールジョ
イントを介して回転自在に結合されるダブルピボット式
のリンク機構を有するフロントサスペンション装置で
は、ボールジョイント部の摺動摩擦力を増大させること
は逆に、サスペンション前後共振周波数において、設計
段階で設定された理想キングピン軸の位置を変えてしま
うため、かえってシミーレベルが悪化してしまうという
不都合が明らかとなった。
【0005】また、車両に対して安定した走行を確保
し、路面の傾き等によりステアリングが取られて車両の
直進性が乱される片流れを防止するためには、仮想キン
グピン軸周りの摺動摩擦力を一定の値以上にする必要が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決すべき課
題は、上述の事実に鑑みてなされたものであり、少なく
とも車輪支持部材の車体下方向にダブルピボット式のリ
ンク機構を有するフロントサスペンション装置におい
て、ボールジョイントの部位を考慮した摺動摩擦に関す
る設定を行うことで、車両の片流れを抑制するために必
要な仮想キングピン軸周りの摺動摩擦力を確保しつつ、
シミーレベルの低減効果を最大限に発揮することができ
るフロントサスペンション装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的のため、第1発
明による、フロントサスペンション装置は、少なくと
も、操舵輪を回転自在に支持した車輪支持部材の車体下
方向に、互いに独立した2つのサスペンションリンクが
それぞれボールジョイントを介して回転自在に結合され
るダブルピボット式のリンク機構を有するフロントサス
ペンション装置において、前記車輪支持部材の車体下方
向にあるロアサスペンションリンク側の2つのボールジ
ョイントそれぞれで発生する摺動摩擦力の和が、前記車
輪支持部材の車体上方向にあるアッパーサスペンション
リンク側のボールジョイントで発生する前記摺動摩擦力
よりも小さくなるように設定したことを特徴とするもの
である。
【0008】第2発明による、フロントサスペンション
装置は、操舵輪を回転自在に支持した車輪支持部材の車
体下方向に、互いに独立した2つのサスペンションリン
クがそれぞれボールジョイントを介して回転自在に結合
されるダブルピボット式のリンク機構を有し、また、前
記車輪支持部材の車体上方向に、サスペンションリンク
が1つのボールジョイントを介して回転自在に結合され
るシングルピボット式のリンク機構を有するフロントサ
スペンション装置において、前記車輪支持部材の車体下
方向にあるロアサスペンションリンク側の2つのボール
ジョイントそれぞれで発生する摺動摩擦力が、前記車輪
支持部材の車体上方向にあるアッパーサスペンションリ
ンク側の1つのボールジョイントで発生する前記摺動摩
擦力の和よりも小さくなるように設定したことを特徴と
するものである。
【0009】第3発明による、フロントサスペンション
装置は、操舵輪を回転自在に支持した車輪支持部材の車
体上下方向に、互いに独立した2つのサスペンションリ
ンクがそれぞれボールジョイントを介して回転自在に結
合されるダブルピボット式のリンク機構を有するフロン
トサスペンション装置において、前記車輪支持部材の車
体下方向にあるロアサスペンションリンク側の2つのボ
ールジョイントそれぞれで発生する摺動摩擦力の和が、
前記車輪支持部材の車体上方向にあるアッパーサスペン
ションリンク側の2つのボールジョイントそれぞれで発
生する前記摺動摩擦力の和よりも小さくなるように設定
したことを特徴とするものである。
【0010】第4発明による、フロントサスペンション
装置は、少なくとも、操舵輪を回転自在に支持した車輪
支持部材の車体下方向に、トランスバースリンクと、テ
ンションロッドまたはコンプレッションロッドとがそれ
ぞれ独立してボールジョイントを介して回転自在に結合
されるダブルピボット式のリンク機構を有するフロント
サスペンション装置において、前記トランスバースリン
ク側のボールジョイントで発生する摺動摩擦力が、前記
テンションロッドまたはコンプレッションロッド側のボ
ールジョイントで発生する前記摺動摩擦力よりも小さく
なるように設定したことを特徴とするものである。
【0011】第5発明による、フロントサスペンション
装置は、少なくとも、操舵輪を回転自在に支持した車輪
支持部材の車体下方向に、互いに独立した2つのサスペ
ンションリンクがそれぞれボールジョイントを介して回
転自在に結合されるダブルピボット式のリンク機構を有
するフロントサスペンション装置において、仮想キング
ピン軸がホイールセンタに対して車両外側に配置され、
前記仮想キングピン軸から前記ホイールセンタまでのオ
フセット値は、ロアサスペンションリンク側に設けた2
つのボールジョイントで発生する前記摺動摩擦力の和が
シミー発生時のアンバランス入力で割った値とほぼ一致
するように設定されることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の効果】第1発明であるフロントサスペンション
装置は、操舵輪を回転自在に支持した車輪支持部材の車
体下方向にあるロアサスペンションリンク側の2つのボ
ールジョイントそれぞれで発生する摺動摩擦力の和が、
前記車輪支持部材の車体上方向にあるアッパーサスペン
ションリンク側のボールジョイントで発生する前記摺動
摩擦力よりも小さくなるように設定することによって、
車両支持部材とボールジョイントとが相対回転するダブ
ルピボット式リンク機構側のボールジョイントの滑らか
な回転を確保する。
【0013】この場合、サスペンションの前後共振周波
数において、ボールジョイント部の摺動摩擦力による影
響で生じる仮想キングピン軸の設計位置からのズレを最
小限に抑えることができるため、車輪支持部材は、ほぼ
設計段階で設定した仮想キングピン軸周りに回転するか
ら、車輪支持部材の車両上下軸方向の回転成分は小さく
なり、ステアリングホイールの回転振動レベルを低くす
ることができる。
【0014】従って、本発明によれば、ボールジョイン
ト部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸がほ
ぼ設計段階で設定した位置に保持されるため、車両の路
面の傾き等によりステアリングが取られて車両の直進性
が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミーレベル
の低減効果を最大限に発揮することができる。
【0015】第2発明であるフロントサスペンション装
置は、操舵輪を回転自在に支持した車輪支持部材の車体
下方向にあるロアサスペンションリンク側の2つのボー
ルジョイントそれぞれで発生する摺動摩擦力の和が、前
記車輪支持部材の車体上方向にあるアッパーサスペンシ
ョンリンク側の1つのボールジョイントで発生する前記
摺動摩擦力よりも小さくなるように設定することによっ
て、仮想キングピン軸周りの摺動摩擦力を片流れが発生
しない程度に十分高く維持したまま、ロアサスペンショ
ンリンク側の2つのボールジョイントそれぞれで発生す
る摺動摩擦力を低減させる。
【0016】この場合、サスペンションの前後共振周波
数において、ボールジョイント部の摺動摩擦力による影
響で生じる仮想キングピン軸の設計位置からのズレが最
小限に抑えられるため、車輪支持部材は、ほぼ設計段階
で設定した仮想キングピン軸周りに回転するから、車輪
支持部材の車両上下軸方向の回転成分は小さくなり、ス
テアリングホイールの回転振動レベルを低くすることが
できる。
【0017】従って、本発明によれば、ボールジョイン
ト部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸がほ
ぼ設計段階で設定した位置に保持できるため、車両の路
面の傾き等によりステアリングが取られて車両の直進性
が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミーレベル
の低減効果を最大限に発揮することができる。
【0018】第3発明であるフロントサスペンション装
置は、操舵輪を回転自在に支持した車輪支持部材の車体
下方向にあるダブルピボット式リンク機構において、車
両上下軸方向の回転成分が大きいロア側の2つのボール
ジョイントそれぞれで発生する摺動摩擦力の和が、車両
左右軸方向の回転成分が比較的大きいアッパー側の2つ
のボールジョイントそれぞれで発生する摺動摩擦力より
も小さくなるように設定することによって、ロアサスペ
ンションリンク側のボールジョイントそれぞれで発生す
る摺動摩擦力を低減させる。
【0019】この場合、サスペンションの前後共振周波
数において、ボールジョイント部の摺動摩擦力による影
響で生じる仮想キングピン軸の設計位置からの変位が最
小限に抑えられるため、車輪支持部材は、ほぼ設計段階
で設定した仮想キングピン軸周りに回転するから、車輪
支持部材の車両上下軸方向の回転成分は小さくなり、ス
テアリングホイールの回転振動レベルを低くすることが
できる。
【0020】従って、本実施形態によれば、ボールジョ
イント部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸
がほぼ設計段階で設定した位置に保持できるため、車両
の路面の傾き等によりステアリングが取られて車両の直
進性が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミーレ
ベルの低減効果を最大限に発揮することができる。
【0021】第4発明であるフロントサスペンション装
置は、操舵輪を回転自在に支持した車輪支持部材の車体
下方向にあるダブルピボット式リンク機構におけるトラ
ンスバースリンク側のボールジョイントで発生する摺動
摩擦力が、テンションロッドまたはコンプレッションロ
ッド側のボールジョイントで発生する摺動摩擦力の和よ
りも小さくなるように設定することによって、テンショ
ンロッドまたはコンプレッションロッド側のボールジョ
イントで発生する摺動摩擦力を上昇させることなく、該
テンションロッドまたはコンプレッションロッド側のボ
ールジョイントに比べて車両上下軸方向の回転変位が大
きいトランスバースリンク側のボールジョイントで発生
する摺動摩擦力を低減させる。
【0022】この場合、サスペンションの前後共振周波
数において、ボールジョイント部の摺動摩擦力による影
響で生じる仮想キングピン軸の設計位置からのズレが最
小限に抑えられるため、車輪支持部材は、ほぼ設計段階
で設定した仮想キングピン軸周りに回転するから、車輪
支持部材の車両上下軸方向の回転成分は小さくなり、ス
テアリングホイールの回転振動レベルを低くすることが
できる。
【0023】従って、本実施形態によれば、ボールジョ
イント部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸
がほぼ設計段階で設定した位置に保持できるため、車両
の路面の傾き等によりステアリングが取られて車両の直
進性が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミーレ
ベルの低減効果を最大限に発揮することができる。
【0024】第5発明であるフロントサスペンション装
置は、少なくとも、操舵輪を回転自在に支持した車輪支
持部材の車体下方向に、互いに独立した2つのサスペン
ションアームがそれぞれボールジョイントを介して回転
自在に結合されるダブルピボット式のリンク機構を有す
るフロントサスペンション装置において、仮想キングピ
ン軸がホイールセンタに対して車両外側に配置され、前
記仮想キングピン軸から前記ホイールセンタまでのオフ
セット値は、ロア側の2つのボールジョイントそれぞれ
で発生する摺動摩擦力の和がシミー発生時のアンバラン
ス入力で割った値とほぼ一致するように設定することに
よって、車輪支持部材の回転中心をアンバランス入力の
入力点であるホイールセンタに近づけて、車輪支持部材
を車両上下軸方向に回転させようとするモーメントを抑
制し、車輪支持部材の車両上下軸方向の回転振動は小さ
くできる。
【0025】この場合、車輪のアンバランス入力により
励起されるサスペンションの前後共振周波数において、
ボールジョイント部の摺動摩擦力による影響で生じる仮
想キングピン軸の設計位置からの変位を最小限に抑えら
れるため、車輪支持部材は、ほぼ設計段階で設定した仮
想キングピン軸周りに回転するから、車輪支持部材の車
両上下軸方向の回転成分は小さくなり、ステアリンクホ
イールの回転振動レベルを低くすることができる。
【0026】従って、本発明によれば、ボールジョイン
ト部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸がほ
ぼ設計段階で設定した位置に保持されるため、車両の路
面の傾き等によりステアリングが取られて車両の直進性
が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミーレベル
の低減効果を最大限に発揮することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0028】図1は、本発明によるフロントサスペンシ
ョン装置の第1実施形態を示すスケルトン図である。ま
た、図2は、図1のA型アッパーサスペンションアーム
におけるサスペンション前後共振時の実振動モードを説
明するスケルトン図、図3〜図5は、図1のロアサスペ
ンションアームにおけるサスペンション前後共振時の実
振動モードを説明するスケルトン図である。
【0029】本実施形態は、図1に示す如く、操舵輪で
あるタイヤ1を回転自在に支持した車輪支持部材である
ナックル2の車体下方向に、互いに独立した2つのサス
ペンションリンクとしてのロアサスペンションアーム
3,4がそれぞれボールジョイント11,12を介して
回転自在に結合されるダブルピボット式のリンク機構を
有する。また、ナックル2の車体上方向には、サスペン
ションリンクとしてのA型アッパーサスペンションアー
ム5が1つのボールジョイント13を介して回転自在に
結合されるシングルピボット式のリンク機構を有する。
【0030】ナックル2は、2つのロアサスペンション
アーム3,4それぞれを軸方向に延長したロアリンク軸
線L3,L4の交点A1と、アッパーサスペンションアー
ム5のボールジョイント13の中心点A2とを結ぶ軸線
R1周りを転舵する。この軸線R1が設計段階で設定され
た仮想キングピン軸となる。
【0031】タイヤ1はナックル2に対して軸線R周り
を回転し、このタイヤ回転軸線Rとタイヤ1の径方向断
面fとの交点がホイールセンタBとなる。
【0032】本実施形態では、ナックル2の車体下方向
にあるロアサスペンションアーム3,4側の2つのボー
ルジョイント11,12それぞれで発生する摺動摩擦力
の和が、ナックル2の車体上方向にあるアッパーサスペ
ンションアーム5側の1つのボールジョイント13で発
生する摺動摩擦力よりも小さくなるように設定する。
【0033】ここで、本実施形態の作用を説明する。
【0034】サスペンションの前後共振モードにおける
シングルピボット式のリンク機構は一般に、図2のA型
アッパーサスペンションアーム5に示す如く、破線位置
から実線位置に変位し、ナックル2の回転方向d2と、
ボールジョイント13の回転方向d13とは同じ回転方向
となる。つまり、ボールジョイント13の摺動摩擦力
は、ナックル2の車両上下軸方向の回転成分による振動
を抑制するように作用する。
【0035】従って、シングルピボット式のリンク機構
におけるボールジョイント13の摺動摩擦力を大きく設
定すれば、タイヤ1の回転アンバランス加振力によって
サスペンション前後共振が励起される場合、ナックル2
の車両上下軸周りの回転成分による振動レベルが低くな
り、ステアリングの回転振動を低減させることができ
る。
【0036】これに対して、サスペンションの前後共振
モードにおけるダブルピボット式のリンク機構は一般
に、図1のロアサスペンションアーム3,4に示す如
く、仮想キングピン軸R1周りに転舵するため、上記シ
ングルピボット式のリンク機構と比較して、仮想キング
ピン軸R1とホイールセンタBとの距離が小さくなる。
このため、ダブルピボット式リンク機構は、図3に示す
如く、破線位置から実線位置に変位し、サスペンション
の前後共振モードにおけるナックル2の車両上下軸方向
の回転成分が小さくなるため、タイヤ1の回転アンバラ
ンス加振力により励起されるステアリングホイールの回
転振動レベルを低くできるという利点がある。
【0037】ところが、ダブルピボット式のリンク機構
にあっては、図3に示す如く、サスペンション前後共振
モードにおけるナックル2の回転方向d2と、ボールジ
ョイント12(11)の回転方向d12(d11)とは反対
向きの回転方向となる。このため、シングルピボット式
のリンク機構と同様に、ボールジョイント11,12の
摺動摩擦力が大きくなると、ボールジョイント11,1
2の滑らかな回転が阻害され、サスペンション前後共振
周波数において、図4に示すように、ナックル2は、設
定された仮想キングピン軸R1周りに回転することな
く、車両のより内側の軸周りに回転する。
【0038】従って、ダブルピボット式のリンク機構に
おけるボールジョイント11,12の摺動摩擦力を大き
く設定すると、タイヤ1の回転アンバランス加振力によ
りサスペンションの前後共振が励起される場合のナック
ル2の車両上下軸方向の回転成分による振動レベルは高
くなり、ステアリングの回転振動は増大してしまうとい
う不都合が生じる。
【0039】またフロントサスペンション装置全体とし
ては、路面の傾き等によりステアリングが取られて車両
の直進性が乱される、所謂、片流れのような現象を防止
するため、ナックル2の仮想キングピン軸R1周りの摺
動摩擦力は、或る一定値以上にする必要がある。このた
め、各ボールジョイント11,12,13の摺動摩擦力
の和も、或る一定値以上に設定しなければならない。
【0040】そこで、本実施形態は、ロアサスペンショ
ンアーム3,4側の2つのボールジョイント11,12
それぞれで発生する仮想キングピン軸R1周りの摺動摩
擦力の和が、A型アッパーサスペンションアーム5側の
1つのボールジョイント13で発生する仮想キングピン
軸R1周りの摺動摩擦力よりも小さくなるように設定す
ることによって、A型アッパーサスペンションアーム5
側の1つのボールジョイント13で発生する摺動摩擦力
を高く維持したまま、ロアサスペンションアーム3,4
側の2つのボールジョイント11,12それぞれで発生
する摺動摩擦力を低減させる。
【0041】この場合、サスペンションの前後共振周波
数において、ボールジョイント部の摺動摩擦力による影
響で生じる仮想キングピン軸R1の設計位置(図1に示
す軸線R1の位置)からの変位が最小限に抑えられるた
め、ナックル2は、図5に示す如く、ほぼ設計段階で設
定した仮想キングピン軸R1周りに回転するから、ナッ
クル2の車両上下軸方向の回転成分は小さくなり、ステ
アリングホイールの回転振動レベルを低くすることがで
きる。
【0042】従って、本実施形態によれば、ボールジョ
イント部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸
R1がほぼ設計段階で設定した位置に保持できるため、
車両の路面の傾き等によりステアリングが取られて車両
の直進性が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミ
ーレベルの低減効果を最大限に発揮することができる。
なお、本実施形態のA型のサスペンションアームは、L
型のサスペンションアームであってもよい。
【0043】図6は、本発明の第2実施形態を示すスケ
ルトン図である。なお、第1実施形態と同一部分に関し
ては同一符号をもって示し、その説明を省略する。
【0044】本実施形態は、図6に示す如く、ナックル
2の車体下方向に、2つのロアサスペンションアーム
3,4がそれぞれボールジョイント11,12を介して
回転自在に結合されるダブルピボット式のリンク機構を
有すると共に、ナックル2の車体上方向にも、サスペン
ションリンクとしての2つのアッパーサスペンションア
ーム6,7がそれぞれボールジョイント14,15を介
して回転自在に結合されるダブルピボット式のリンク機
構を有する。
【0045】ナックル2は、2つのロアサスペンション
アーム3,4それぞれを軸方向に延長したロアリンク軸
線L3,L4の交点A1と、2つのアッパーサスペンショ
ンアーム6,7それぞれを軸方向に延長したアッパーリ
ンク軸線L6,L7の交点A3とを結ぶ軸線R2周りを転舵
する。この軸線R2が設計段階で設定された仮想キング
ピン軸となる。
【0046】本実施形態では、ロアサスペンションアー
ム3,4側の2つのボールジョイント11,12それぞ
れで発生する摺動摩擦力の和が、アッパーサスペンショ
ンアーム6,7側の2つのボールジョイント14,15
それぞれで発生する摺動摩擦力の和よりも小さくなるよ
うに設定する。
【0047】ここで、本実施形態の作用を説明する。
【0048】ナックル2の車体上下方向にダブルピボッ
ト式リンク機構を有するフロントサスペンション装置に
おいて、サスペンションの前後共振における主ばねは、
フロントサスペンションにおける前後方向の力を取って
いる第2ロアサスペンションアーム4と車体とを結合す
る弾性ブッシュである(車体および弾性ブッシュは共に
図示せず)。このため、サスペンションの前後共振時に
おいて、ロアサスペンションアーム3,4をナックル2
に結合するボールジョイント11,12それぞれの回転
は、車両上下軸方向であるが、アッパーサスペンション
アーム6,7をナックル2に結合するボールジョイント
14,15それぞれの回転は、車両上下軸方向の回転と
車両左右軸方向の回転とが混ざることになる。
【0049】しかして、ナックル2の車体上方向に有す
るダブルピボット式のリンク機構に関しては、ボールジ
ョイントの車両上下軸方向の回転を妨げることなく、ボ
ールジョイントの車両左右軸方向の回転を抑制し、タイ
ヤ1の回転アンバランス加振力によってサスペンション
前後共振が励起される場合のステアリングの回転振動を
低減させることができる。但し、この場合も、片流れを
防止するため、各ボールジョイント11,12,14,
15の摺動摩擦力の和を、或る一定値以上に設定しなけ
ればならない。
【0050】そこで、本実施形態は、車両上下軸方向の
回転成分が大きいロア側の2つのボールジョイント1
1,12それぞれで発生する摺動摩擦力の和が、車両左
右軸方向の回転成分が比較的大きいアッパー側の2つの
ボールジョイント14,15それぞれで発生する摺動摩
擦力よりも小さくなるように設定することによって、ロ
アサスペンションアーム3,4側のボールジョイント1
1,12それぞれで発生する摺動摩擦力を低減させる。
【0051】この場合も、サスペンションの前後共振周
波数において、ボールジョイント部の摺動摩擦力による
影響で生じる仮想キングピン軸R2の設計位置(図6に
示す軸線R2の位置)からの変位が最小限に抑えられる
ため、ナックル2は、ほぼ設計段階で設定した仮想キン
グピン軸R2周りに回転するから、ナックル2の車両上
下軸方向の回転成分は小さくなり、ステアリングホイー
ルの回転振動レベルを低くすることができる。
【0052】従って、本実施形態によれば、ボールジョ
イント部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸
R2がほぼ設計段階で設定した位置に保持できるため、
車両の路面の傾き等によりステアリングが取られて車両
の直進性が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミ
ーレベルの低減効果を最大限に発揮することができる。
【0053】図7は、本発明の第3実施形態を示すスケ
ルトン図である。なお、本実施形態の基本構造は、第1
実施形態と同様であるため、第1実施形態と同一部分に
関しては同一符号をもって示し、その説明を省略する。
【0054】本実施形態は、図7に示す如く、ナックル
2の車体下方向に、サスペンションリンクとしての互い
に独立した第1ロアリンクであるトランスバースリンク
8および、第2ロアリンクであるテンションロッド(ま
たはコンプレッションロッド)9がそれぞれボールジョ
イント16,17を介して回転自在に結合されるダブル
ピボット式のリンク機構を有する。この場合、トランス
バースリンク8は、主に車両左右軸方向の力を分担し、
テンションロッド9は、主に車両上下軸方向の力を分担
する。
【0055】ナックル2の車体上方向には、A型アッパ
ーサスペンションアーム5が1つのボールジョイント1
3を介して回転自在に結合されるシングルピボット式の
リンク機構を有する。
【0056】ナックル2は、トランスバースリンク8を
軸方向に延長したロアリンク軸線L8およびテンション
ロッド9を軸方向に延長したロアリンク軸線L9の交点
A4と、アッパーサスペンションアーム5のボールジョ
イント13の中心点A3とを結ぶ軸線R3周りを転舵す
る。この軸線R3が設計段階で設定された仮想キングピ
ン軸となる。
【0057】本実施形態では、トランスバースリンク8
側の1つのボールジョイント16で発生する摺動摩擦力
が、テンションロッド9側のボールジョイント17で発
生する摺動摩擦力の和よりも小さくなるように設定す
る。
【0058】ここで、本実施形態の作用を説明する。
【0059】サスペンションの前後共振における主ばね
は、主に車両前後軸方向の力を分担するテンションロッ
ド9と車体とを結合する弾性ブッシュである(車体およ
び弾性ブッシュは共に図示せず)。このため、サスペン
ションの前後共振時において、トランスバースリンク8
をナックル2に結合するボールジョイント16の車両上
下軸方向の回転変位は、テンションロッド9の車両上下
軸方向の回転変位と比較して大きい。
【0060】ボールジョイントの摺動摩擦力の影響は一
般的に、回転変位が大きいものほど大きいため、トラン
スバースリンク8側のボールジョイント16の摺動摩擦
力を大きく設定すれば、タイヤ1の回転アンバランス加
振力によってサスペンション前後共振が励起される場合
のステアリングの回転振動を低減させることができる。
【0061】しかして、この場合も、片流れを防止する
ため、各ボールジョイント13,16,17の摺動摩擦
力の和を、或る一定値以上に設定しなければならない。
【0062】そこで、本実施形態は、トランスバースリ
ンク8側のボールジョイント16で発生する摺動摩擦力
が、テンションロッド9側のボールジョイント17で発
生する摺動摩擦力よりも小さくなるように設定すること
によって、テンションロッド9側のボールジョイント1
7で発生する摺動摩擦力を上昇させることなく、このボ
ールジョイント17に比べて車両上下軸方向の回転変位
が大きいトランスバースリンク8側のボールジョイント
16で発生する摺動摩擦力を低減させる。
【0063】この場合、サスペンションの前後共振周波
数において、ボールジョイント部の摺動摩擦力による影
響で生じる仮想キングピン軸R3の設計位置(図7に示
す軸線R3の位置)からの変位が最小限に抑えられるた
め、ナックル2は、ほぼ設計段階で設定した仮想キング
ピン軸R3周りに回転するから、ナックル2の車両上下
軸方向の回転成分は小さくなり、ステアリングホイール
の回転振動レベルを低くすることができる。
【0064】従って、本実施形態によれば、ボールジョ
イント部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸
R3がほぼ設計段階で設定した位置に保持できるため、
車両の路面の傾き等によりステアリングが取られて車両
の直進性が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミ
ーレベルの低減効果を最大限に発揮することができる。
【0065】図8は、本発明の第4実施形態を示すスケ
ルトン図である。なお、本実施形態のサスペンション装
置における基本構造は、第2実施形態と同様であるた
め、図6と同一部分に関しては同一符号をもって示し、
その説明を省略する。
【0066】本実施形態は、図8に示す如く、ナックル
2の車体上下方向に、ダブルピボット式のリンク機構を
有し、ナックル2は、ロアリンク軸線L3,L4の交点A
1と、アッパーリンク軸線L6,L7の交点A3とを結ぶ軸
線R4周りを転舵する。この軸線R4が設計段階で設定さ
れた仮想キングピン軸となる。
【0067】本実施形態では、仮想キングピン軸R4が
ホイールセンタBに対して車両外側に配置され、仮想キ
ングピン軸R4からホイールセンタBまでのオフセット
値、即ち、図8に示す距離Dは、ロア側の2つのボール
ジョイント11,12それぞれで発生する仮想キングピ
ン軸R4周りの摺動摩擦力の和が、シミー発生時のアン
バランス入力、即ち、本実施形態におけるタイヤ1のア
ンバランス加振力で割った値とほぼ一致するように設定
する。
【0068】ここで、本実施形態の作用を説明する。
【0069】ダブルピボット式のリンク機構にあって
は、図3の第1実施形態で説明の如く、各ボールジョイ
ントの摺動摩擦力が大きい場合には、ボールジョイント
の滑らかな回転が阻害され、サスペンション前後共振周
波数において、ナックル2は、設定された仮想キングピ
ン軸R4周りに回転することなく、車両のより内側の軸
周りに回転してしまう。
【0070】このため、タイヤ1の回転アンバランス加
振力によりサスペンションの前後共振が励起される場合
のナックル2の車両上下軸方向の回転振動レベルは高く
なり、ステアリングの回転振動は増大する。これは、ボ
ールジョイントに摺動摩擦力が存在して、ホイールセン
タBに車両前後軸方向の力が作用する場合に各リンクに
反力が発生し、ナックル2を車両上下軸方向に回転させ
ようとするモーメントが発生するため、このモーメント
によりナックル2の車両上下軸方向の回転が増大するこ
とによる。
【0071】このときのナックル2の実際の回転軸とサ
スペンションのリンクジオメトリにより設計段階で設定
された仮想キングピン軸R4のオフセット値Dは、2つ
のボールジョイント11,12の摺動摩擦力の和がシミ
ー発生時のアンバランス入力、即ち、アンバランス加振
力で割った値となる。
【0072】そこで、本実施形態において、上記オフセ
ット値Dは、ロア側の2つのボールジョイント11,1
2それぞれで発生する摺動摩擦力の和がシミー発生時の
アンバランス加振力で割った値とほぼ一致するように設
定することによって、タイヤ1のアンバランス加振力に
よりサスペンションの前後共振が励起される場合、ナッ
クル2の回転中心をアンバランス加振力の入力点である
ホイールセンタBに近づけて、ナックル2を車両上下軸
方向に回転させようとするモーメントを抑制し、ナック
ル2の仮想キングピン軸R4周りの回転振動は小さくで
きる。
【0073】この場合、タイヤ1のアンバランス加振力
により励起されるサスペンションの前後共振周波数にお
いて、ボールジョイント部の摺動摩擦力による影響で生
じる仮想キングピン軸R4の設計位置(図8に示す軸線
R4の位置)からの変位を最小限に抑えられるため、ナ
ックル2は、ほぼ設計段階で設定した仮想キングピン軸
R4周りに回転するから、ナックル2の車両上下軸方向
の回転成分は小さくなり、ステアリンクホイールの回転
振動レベルを低くすることができる。
【0074】従って、本実施形態によれば、ボールジョ
イント部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸
R4がほぼ設計段階で設定した位置に保持されるため、
車両の路面の傾き等によりステアリングが取られて車両
の直進性が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミ
ーレベルの低減効果を最大限に発揮することができる。
なお、本実施形態のアッパーサスペンションリンクは、
1つのA型またはL型のサスペンションアームを介して
ナックル2に結合されたものであってもよい。
【0075】上述のように、本発明であるフロントサス
ペンション装置は、タイヤ1を回転自在に支持したナッ
クル2の車体下方向にあるロアサスペンションリンク側
の2つのボールジョイントそれぞれで発生する摺動摩擦
力の和が、ナックル2の車体上方向にあるアッパーサス
ペンションリンク側のボールジョイントで発生する前記
摺動摩擦力よりも小さくなるように設定することによっ
て、ナックル2とボールジョイントとが相対回転するダ
ブルピボット式リンク機構側のボールジョイントの滑ら
かな回転を確保する。
【0076】この場合、サスペンションの前後共振周波
数において、ボールジョイント部の摺動摩擦力による影
響で生じる仮想キングピン軸の設計位置からの変位を最
小限に抑えることができるため、ナックル2は、ほぼ設
計段階で設定した仮想キングピン軸周りに回転するか
ら、車輪支持部材の車両上下軸方向の回転成分は小さく
なり、ステアリングホイールの回転振動レベルを低くす
ることができる。
【0077】図9は、本発明の作用効果を示す特性図で
あって、縦軸にナックル回転振動、横軸に周波数(Hz)
を示す。この図に示す如く、本発明によれば、従来技術
に比べて、ナックル回転振動が軽減されていることがわ
かる。
【0078】従って、本発明によれば、ボールジョイン
ト部の摺動摩擦力を確保しつつ、仮想キングピン軸がほ
ぼ設計段階で設定した位置に保持されるため、車両の路
面の傾き等によりステアリングが取られて車両の直進性
が乱される片流れを効率良く抑制しつつ、シミーレベル
の低減効果を最大限に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明であるフロントサスペンション装置の
第1実施形態を示すスケルトン図である。
【図2】 図1のシングルピボット式リンク機構におけ
るサスペンション前後共振時の実振動モードを説明する
スケルトン図である。
【図3】 図1のダブルピボット式リンク機構における
サスペンション前後共振時の実振動モードを説明するス
ケルトン図である。
【図4】 従来のダブルピボット式リンク機構における
サスペンション前後共振時の実振動モードを説明するス
ケルトン図である。
【図5】 図1のダブルピボット式リンク機構における
サスペンション前後共振時の実振動モードを説明するス
ケルトン図である。
【図6】 本発明の第2実施形態を示すスケルトン図で
ある。
【図7】 本発明の第3実施形態を示すスケルトン図で
ある。
【図8】 本発明の第4実施形態を示すスケルトン図で
ある。
【図9】 本発明の作用効果を示す特性図である。
【符号の説明】
1 タイヤ 2 ナックル 3 ロアサスペンションアーム 4 ロアサスペンションアーム 5 アッパーサスペンションアーム 6 アッパーサスペンションアーム 7 アッパーサスペンションアーム 8 トランスバースリンク 9 テンションロッド(コンプレッションロッド) 11,12,13,14,15,16,17 ボールジョイント A1,A2,A3 交点 B ホイールセンタ f タイヤの径方向断面 L3,L4 ロアリンク軸線 L6,L7 アッパーリンク軸線 L8,L9 ロアリンク軸線 R タイヤ回転軸線 R1,R2,R3,R4 仮想キングピン軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、操舵輪を回転自在に支持し
    た車輪支持部材の車体下方向に、互いに独立した2つの
    サスペンションリンクがそれぞれボールジョイントを介
    して回転自在に結合されるダブルピボット式のリンク機
    構を有するフロントサスペンション装置において、 前記車輪支持部材の車体下方向にあるロアサスペンショ
    ンリンク側の2つのボールジョイントそれぞれで発生す
    る摺動摩擦力の和が、前記車輪支持部材の車体上方向に
    あるアッパーサスペンションリンク側のボールジョイン
    トで発生する摺動摩擦力よりも小さくなるように設定し
    たことを特徴とする、フロントサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 操舵輪を回転自在に支持した車輪支持部
    材の車体下方向に、互いに独立した2つのサスペンショ
    ンリンクがそれぞれボールジョイントを介して回転自在
    に結合されるダブルピボット式のリンク機構を有し、ま
    た、前記車輪支持部材の車体上方向に、サスペンション
    リンクが1つのボールジョイントを介して回転自在に結
    合されるシングルピボット式のリンク機構を有するフロ
    ントサスペンション装置において、 前記車輪支持部材の車体下方向にあるロアサスペンショ
    ンリンク側の2つのボールジョイントそれぞれで発生す
    る摺動摩擦力の和が、前記車輪支持部材の車体上方向に
    あるアッパーサスペンションリンク側の1つのボールジ
    ョイントで発生する前記摺動摩擦力よりも小さくなるよ
    うに設定したことを特徴とする、フロントサスペンショ
    ン装置。
  3. 【請求項3】 操舵輪を回転自在に支持した車輪支持部
    材の車体上下方向に、互いに独立した2つのサスペンシ
    ョンリンクがそれぞれボールジョイントを介して回転自
    在に結合されるダブルピボット式のリンク機構を有する
    フロントサスペンション装置において、 前記車輪支持部材の車体下方向にあるロアサスペンショ
    ンリンク側の2つのボールジョイントそれぞれで発生す
    る摺動摩擦力の和が、前記車輪支持部材の車体上方向に
    あるアッパーサスペンションリンク側の2つのボールジ
    ョイントそれぞれで発生する前記摺動摩擦力の和よりも
    小さくなるように設定したことを特徴とする、フロント
    サスペンション装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも、操舵輪を回転自在に支持し
    た車輪支持部材の車体下方向に、トランスバースリンク
    と、テンションロッドまたはコンプレッションロッドと
    がそれぞれ独立してボールジョイントを介して回転自在
    に結合されるダブルピボット式のリンク機構を有するフ
    ロントサスペンション装置において、 前記トランスバースリンク側のボールジョイントで発生
    する摺動摩擦力が、前記テンションロッドまたはコンプ
    レッションロッド側のボールジョイントで発生する前記
    摺動摩擦力よりも小さくなるように設定したことを特徴
    とする、フロントサスペンション装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも、操舵輪を回転自在に支持し
    た車輪支持部材の車体下方向に、互いに独立した2つの
    サスペンションリンクがそれぞれボールジョイントを介
    して回転自在に結合されるダブルピボット式のリンク機
    構を有するフロントサスペンション装置において、 仮想キングピン軸がホイールセンタに対して車両外側に
    配置され、前記仮想キングピン軸から前記ホイールセン
    タまでのオフセット値は、ロアサスペンションリンク側
    に設けた2つのボールジョイントで発生する前記摺動摩
    擦力の和がシミー発生時のアンバランス入力で割った値
    とほぼ一致するように設定されることを特徴とする、フ
    ロントサスペンション装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7661688B2 (en) 2004-05-31 2010-02-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Double-joint type suspension for steerable wheel

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7661688B2 (en) 2004-05-31 2010-02-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Double-joint type suspension for steerable wheel

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