JP2001286912A - ロールプロフィール評価方法 - Google Patents

ロールプロフィール評価方法

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JP2001286912A
JP2001286912A JP2000099244A JP2000099244A JP2001286912A JP 2001286912 A JP2001286912 A JP 2001286912A JP 2000099244 A JP2000099244 A JP 2000099244A JP 2000099244 A JP2000099244 A JP 2000099244A JP 2001286912 A JP2001286912 A JP 2001286912A
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roll profile
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B38/00Methods or devices for measuring, detecting or monitoring specially adapted for metal-rolling mills, e.g. position detection, inspection of the product
    • B21B38/12Methods or devices for measuring, detecting or monitoring specially adapted for metal-rolling mills, e.g. position detection, inspection of the product for measuring roll camber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B2267/00Roll parameters
    • B21B2267/10Roughness of roll surface

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ロールプロフィールの評価方法において、変位
検出器の並進運動誤差だけでなく、ピッチング運動誤差
の発生も抑制により、高精度な評価方法を提供する。 【解決手段】変位検出器取付台をワークロールの軸線方
向に移動させワークロール表面の凹凸を全長に亘って計
測し、得られた計測値の差分によって得られる合成計測
値データ列を演算処理し、表面凹凸量を求める評価方法
において、形状既知の基準プロフィールを備えたロール
組替直後或は第1回目の板材圧延中にワークロールを変
位検出器をロールの軸方向へ移動させるロールプロフィ
ール評価方法を用いて計測し、この計測値と、基準ロー
ルプロフィールとの差分から変位検出器取付台の移動時
におけるピッチング運動誤差を近似して求め、以降の板
材圧延中における計測値に対し、ピッチング運動誤差を
補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロールプロフィー
ルの評価方法に係わり、特に熱間圧延機等の板材の圧延
機において、インラインにて計測可能なロールプロフィ
ール評価方法に関する。
【0002】
【従来技術】熱間圧延機等の板材の圧延機においては、
一般にワークロールは圧延材に接触する部分だけが局部
的に摩耗する。従って、正常な板厚分布の板材を圧延す
るには、圧延材の圧延順序を広幅から狭幅へと移行させ
ていく必要がある。しかしながら、このような板幅によ
る圧延順序規制は生産性向上を阻害する大きな要因とな
っており、この圧延順序規制を撤廃するための方策とし
て、ワークロールを圧延機スタンド内に組み込んだイン
ライン状態で、その表面を所望の形状に研削するいわゆ
るオンラインロール研削手段が提案されている。このロ
ール研削を行うにあたって最も重要なことは、ロール研
削前後あるいはロール研削中に被研削ロールのロールプ
ロフィールを計測して、常に把握することである。
【0003】また、板材の圧延時、被圧延材と接触する
ロール表面(以下、通板部と仮称する)には熱膨張によ
って凸状の変形(以下、サーマルと仮称する)が発生
し、この変形量が大きくなりすぎると、やはり正常な板
厚分布の板材を圧延することが困難となる。
【0004】上記サーマル量をモニター管理するという
観点からも、オンラインでロールプロフィールを正確に
把握することが重要となる。
【0005】このようなロールプロフィールの計測を行
うための従来のロールプロフィール計測法は、たとえば
特開平11−271048号に開示されている。図7乃至図9を
参照しながら、従来の評価方法を説明する。図7に示す
ように、圧延機のワークロール2に対向して、変位検出
器取付台1が設けられるとともに、取付台アーム部1a
及びガイドシャフト3aを介して変位検出器取付台1を
ワークロール2の軸とほぼ平行に往復運動可能に支持す
るサポートフレーム3が設置されている。変位検出器取
付台1は、駆動装置4によってワークロール2の軸とほ
ぼ平行方向に往復移動する。変位検出器支持筒5a,5
bが、変位検出器取付台1に装着され、変位検出器支持
筒5a,5bには、変位検出器11a、11b及び11
c及び11dがそれぞれ設置され、各変位検出器は、ワ
ークロール2の面に対向して略ワークロール2の軸と直
交するように配置され、ワークロール2に対向して進退
可能な構造となっている。
【0006】計測の際、各変位検出器11a乃至11d
を支持筒5a,5bによって所定距離だけワークロール
2の方向に突き出すとともに、駆動装置4によって変位
検出器取付台1を一定速度で移動させることにより、4
台の変位検出11a〜11dによって同時にワークロー
ル2の表面凹凸量を測定する。
【0007】このとき、支持筒5aと5bとの配置間隔
lと変位検出器取付台1の移動量Lとの関係がl<Lと
なるような条件で測定することにより、図8に示すよう
に変位計11a,11bで測定するワークロール2の軸
方向測定範囲と変位検出器11c,11dで測定する軸
方向測定範囲との間に所定の重複部を設けることが可能
となり、ワークロール2の全体ロールプロフィールが測
定できる。
【0008】以上の従来の評価方法によれば、以下に示
すように、測定時の変位検出器取付台1の運動誤差ez
(x) の影響を排除することができる。
【0009】図9において、LC は、変位検出器の取付
間隔、xは、ワークロール2の軸方向への変位検出器取
付台4の移動位置を示す位置座標、m(x)はワークロ
ール2のロールプロフィール、ez (x)は変位検出器
取付台4の運動誤差及びワークロール2の回転運動誤差
等によって生じる変位検出器支持筒12cとワークロー
ル2との相対的な並進運動誤差成分、ep (x)は同様
の原因で発生する相対的なピッチング運動誤差成分を示
している。
【0010】ロール軸方向位置xn での変位検出器11
a,11bでの測定値ya (xn ) 、yb (xn ) は、
(1)式のように表わすことができる。 ya (xn ) =m(x n )−ez (xn ) +k1b (xn ) =m(xn + Lc) −ez (xn ) +Lc・eP (xn ) +k2 (1) ここに、k1 ,k2 :各変位計の取付位置、電気的零点
等によって定まるオフセット量ya (xn ) とyb (xn )
との差分Yab(xn ) ≡yb (xn ) −ya (xn ) (合成測
定値と仮称する)をとることによりez (x) に関する項
が相殺される。 Ya b (xn ) =m(xn + Lc)-m(xn )+Lc・eP (xn ) + (k2-k1) (2) ez (x) の項を含まないデータ列Ya b (xn ) を用い
て、ロールプロフィールm(xn )は、以下の(3)式に
よって求まる。 m(xn )=N-1 Σ j=0 1/fj [(F j ・ cos δj - Gj ・ sin δj )・cos 2π j ×xn /L + (Fj ・ sin δj + Gj ・ cos δj )・sin 2πjxn/L ] (3) ここに、 fj =√(cos jβ-1)2+(sin jβ)2 δj = tan-1{sinjβ/(cosjβ-1) } β =2πLc/L Fj :データ列Ya b (xn ) をフーリエ変換した時のco
s 成分 Gj :データ列Ya b (xn ) をフーリエ変換した時のsi
n 成分 このように、従来の計測法によれば、(3)式に基づく
フーリエ変換を応用した演算処理によって、ez (x) の
影響を受けない高精度なロールプロフィール計測が可能
となる。
【0011】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、このような従
来の評価方法には、以下のような技術上の問題点があ
る。
【0012】第一に、計測誤差が依然として残存してお
り、高精度な計測が実現困難なことである。すなわち、
上述の演算処理によって並進運動誤差ez (x)は、除去
できるものの、ピッチング運動誤差成分eP (x) の影響
は依然として残っており、e P (x) 成分が無視できない
程度の測定条件では、高精度でのロールプロフィール計
測が困難となる。
【0013】第二に、局所的なロールプロフィールを把
握することが困難なことである。圧延の際、ワークロー
ルは、局所的には摩耗段差が生じ、全体的にはサーマル
を受けるが、これらの変形が重なった場合に、摩耗段差
がシャープな形状とならないために正確に把握すること
が困難な場合がある。この点を図5を参照しながら以下
に説明する。図5(a)は、ロールプロフィールに摩耗
段差δa が発生している状態を示す。図5(b)は、上
に凸の形態をなすサーマルが発生している状態を示す。
図5(c)は、図5(a)及び図5(b)に示す摩耗段差
とサーマルとが重畳することにより摩耗段差δcが、摩
耗段差δa に比べて小さくなっている状態を示す。
【0014】このような状態において、摩耗段差を評価
するために、従来は例えばロールプロフィールの一次微
分値が所定しきい値を越えている範囲を摩耗段差として
評価してきた。しかしながら、図5(a)と図5(c)
とを比較すれば容易にわかるように、摩耗段差自体がシ
ャープさを喪失しているため、このような方法では有効
に摩耗段差を評価することは困難である。
【0015】そこで、本発明は、従来の上記問題点を解
決するためになされたものであり、本発明の目的は、ワ
ークロールの軸方向に沿って変位検出器を移動させるこ
とによりロールプロフィールを計測する際に、変位検出
器とワークロールとの間の並進運動誤差だけでなく、ピ
ッチング運動誤差の発生をも抑制することにより、さら
に高精度なロールプロフィールの評価方法を提供するこ
とにある。
【0016】本発明の目的は、ワークロールの軸方向に
沿って変位検出器を移動させることによりロールプロフ
ィールを計測する際に、局所的なロールプロフィールを
高精度に把握することのできるロールプロフィールの評
価方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、本発明のロールプロフィール評価方法は、ワー
クロールの軸線方向に沿って往復運動可能に設けられた
変位検出器取付台と、前記ワークロールの軸線方向の表
面凹凸量を計測するための、この変位検出器取付台上に
互いに所定間隔 を介して設置された複数個1組の変位
検出器とを用いるロールプロフィール評価方法であっ
て、前記変位検出器取付台を前記ワークロールの軸線方
向に移動させて前記ワークロールの表面凹凸を全長に亘
って計測し、前記変位検出器で得られた計測値の差分に
よって得られる合成計測値データ列を演算処理して、前
記ワークロールの軸線方向の表面凹凸量を求めるロール
プロフィール評価方法において、形状既知の基準ロール
プロフィールを備えた、ロール組替直後或いは第1回目
の板材の圧延中におけるワークロールを前記ロールプロ
フィール評価方法を用いてそのロールプロフィールを計
測し、この計測ロールプロフィールと基準ロールプロフ
ィールとの差分から前記変位検出器取付台の移動時にお
けるピッチング運動誤差を近似して求め、以降の圧材の
圧延中における計測ロールプロフィールに対して、前記
ピッチング運動誤差を補正する構成としてある。
【0018】以上のような構成によれば、圧延に伴う摩
耗段差或いはサーマル変形の影響がない、或いはほとん
どないワークロール交換直後或いは第1回圧延直後のロ
ールプロフィールを利用して、計測によって選られたプ
ロフィールを計測を経ない既知基準プロフィールと比較
することにより、変位検出器取り付け台の運動誤差及び
ワークロールの回転運動誤差等によって生じる変位検出
器支持筒とワークロールとの相対的な並進運動誤差成分
を除去するとともに、このような並進運動誤差成分と同
様な原因で発生する相対的なピッチング運動誤差成分を
有効に除去することにより、より高精度なロールプロフ
ィールの評価方法を提供することができる。
【0019】本発明の目的を達成するために、本発明の
ロールプロフィール評価方法は、ワークロールの軸線方
向に沿って往復運動可能に設けられた変位検出器取付台
と、この変位検出器取付台上に、前記ワークロールの軸
線方向の表面凹凸量を複数個の区間に分割して計測する
ための間隔Lc を介して設置された2個1組の変位検出
器であって、間隔lで複数組設置された変位検出器とを
用いるロールプロフィール評価方法であって、前記変位
検出器取付台を前記ワークロールの軸線方向に移動させ
て前記ワークロールの表面凹凸量を部分的に計測し、前
記2個1組の変位検出器毎に、上述のロールプロフィー
ル評価方法を実行して複数個の部分的ロールプロフィー
ルを求め、前記部分的ロールプロフィールの計測長さを
前記複数個の2個1組変位検出器の配置間隔よりも大き
くなるようにして前記複数個の部分的ロールプロフィー
ルに重複部を生じさせ、この重複部を用いて前記複数個
の部分的ロールプロフィールを連結して前記ワークロー
ル全長のロールプロフィールを求めるロールプロフィー
ル評価方法において、形状既知の基準ロールプロフィー
ルを備えた、ロール組替直後或いは第1回目の板材の圧
延中におけるワークロールを前記ロールプロフィール評
価方法を用いてそのロールプロフィールを計測し、この
計測ロールプロフィールと基準ロールプロフィールとの
差分から前記変位検出器取付台の移動時におけるピッチ
ング運動誤差を近似して求め、以降の圧材の圧延中にお
ける計測ロールプロフィールに対して、前記ピッチング
運動誤差を補正するピッチング運動誤差補正段階と、前
記ピッチング運動誤差を補正した補正ロールプロフィー
ルのうち、圧延サイクルにおける非通板部をもとにし
て、この非通板部に最も近似する外装2次曲線をロール
プロフィール全体について求め、前記補正ロールプロフ
ィールからこの外装2次曲線を差し引くことにより、加
工ロールプロフィールを求める2次曲線補正段階と、こ
の加工ロールプロフィールに対して平滑化演算処理を行
うことにより、加工ロールプロフィールの低周波数形状
成分を求め、加工プロフィールから当該低周波数形状成
分を除去することにより、加工ロールプロフィール中の
高周波数形状成分のみを抽出する高周波数形状成分抽出
段階と、2次曲線補正段階において求めた加工ロールプ
ロフィールと、高周波数形状成分抽出段階において求め
たロールプロフィールとに対して、それぞれ摩耗段差量
の評価を行い、両者の評価結果のうち大きい方の値を摩
耗段差として採用する摩耗段差評価段階とを有する構成
としてある。
【0020】以上のような構成によれば、圧延中に、摩
耗段差及びサーマルが重畳した場合でも、全体ロールプ
ロフィールの計測データに対して摩耗段差を際立たせる
演算処理を行うことにより、ワークロールの局所的なプ
ロフィールを把握することが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のロールプロフィール評価
方法での補正、演算処理手順の概要を図1に示す。な
お、本方法を実施するのに用いるロールプロフィール計
測装置は、従来と同様であるのでその説明は省略する。
【0022】図1は、従来法によって測定されたロール
プロフィールに適正な補正、演算処理を施すことにより
全体及び局所ロールプロフィールを高精度に把握すると
いう本発明の目的に沿った補正、演算処理手順の流れを
示したものである。
【0023】図1に示すように、本実施の形態による評
価方法は、従来のeP (x) の影響分を含んだ評価方法に
よってロールプロフィールを計測する段階(1)と、e
P (x) の影響分を把握して、全体プロフィールを補正す
る段階(2)と、ロール端部近傍のロールプロフィール
を利用して、全体プロフィールについて二次曲線で近似
したうえで、補正する段階(3)と、全体プロフィール
について移動平均平滑化成分を除去する段階(4)と、
摩耗段差を評価する段階(5)とから概略構成されてい
る。
【0024】以下に、各段階について詳細に説明する。
まず、段階(1)について、従来の評価方法を用いてワ
ークロールの全体プロフィールを計測する。この場合、
計測値には並進運動誤差は除去されているが、ピッチン
グ運動誤差を含んだ状態となっている。
【0025】次に、段階(2)について、形状既知の基
準ロールプロフィールを備えたロール組替直後あるいは
第1回目の板材の圧延中におけるワークロールに対し
て、段階(1)の方法を用いて計測を行い、基準ロール
プロフィールと計測ロールプロフィールとの差分からe
P (x) に起因する誤差成分を除去して、第2回目以降の
板材の圧延中に測定したロールプロフィールに対して当
該誤差成分を補正する。
【0026】より詳細には、圧延に使用するワークロー
ルのロールプロフィールは正確に把握、管理されてお
り、ワークロール交換直後の初期ロールプロフィール
(基準ロールプロフィールと仮称する。)は、正確に評
価することができる。また第1回の板材圧延時のロール
プロフィールについても、摩耗段差、サーマルの影響は
小さいので、比較的正しく初期のロールプロフィールを
保っている。
【0027】従って、ロール交換直後あるいは第1回目
の板材の圧延時に測定したロールプロフィールと基準ロ
ールプロフィールとを比較することにより、eP (x) に
起因して発生するロールプロフィールの誤差成分が把握
できる。当該誤差成分を、例えば(4)式に示す6次多
項式で近似評価することにより、eP (x) によるロール
プロフィール評価誤差Er (x)を次式に示すように、6
次多項式の係数a6 ないし a0 として評価することが
できる。 Er (x) =(測定ロールプロフィール)−(基準ロールプロフィール) (4) ≡ a6・x6 +a5 ・ x5 +a4 ・ x4 +a3 ・ x3 +a2 ・ x2 +a1 ・ x + a0 2回目以降の板材の圧延時に測定したロールプロフィー
ルについては、係数a6〜a0 から(4)式で与えられ
るEr (x) を求めて除去することにより、eP (x) の影
響を除去したロールプロフィールを評価することができ
る。
【0028】本補正を利用した測定結果を図2に示す。
図2(a)はある凹形状をもった基準ロールプロフィー
ルをP1 〜P5 の5点で代表させて示したものであり、
Sはロールプロフィール全長、図中の数値の単位はμm
である。図2(b)は(a)の基準ロールを例えば図7
に示したロールプロフィール計測手段によって計測した
ロールプロフィールであり、変位検出器取付台1の運動
誤差eP (x) に起因する誤差によって、基準ロールプロ
フィールを正確に評価できていない。図2(c)は、上
述の手順に沿って図2(b)の測定プロフィールと図2
(a)の基準ロールプロフィールとの差から上記(4)
式中の係数a6 〜a0 を求め、図2(b)の測定プロフ
ィールを補正したものである。図において、プロフィー
ル全長を4等分し、各等分点P1 〜P5 から最小自乗法
によって2次曲線を求めている。図2(a)と図2(c)
とを比較すれば明らかなように、基準プロフィールが再
現されており、補正の有効性が確認できる。
【0029】なお、eP (x) に起因して発生するロール
プロフィールの誤差Er (x)を何次多項式で近似すべき
かについては、基準ロールプロフィール、測定ロールプ
ロフィールに含まれる高次形状成分を考慮して決定する
必要があるが、実測結果によれば6次が好ましいことが
判明している。
【0030】次に、段階(3)のロール端部プロフィー
ルを用いた2次曲線補正は、ロール端部の非通板部のロ
ールプロフィールを利用してその部分が最も確からしく
あてはまる2次曲線を求め、この2次曲線との差分とし
て全体ロールプロフィールを再評価することを示してい
る。
【0031】圧延の際、圧延作業の進行に伴う装置全体
の熱変形等によって、主として、ロールプロフィールの
2次曲線成分に変動が発生する。高温の板材と接触する
通板部にはサーマルによる凸形状の形状変化が発生する
が、通板部から外側約200mm以上ではサーマルの影響
がごくわずかであることが実験的に把握されている。し
たがって、圧延サイクルでの“最大板幅+200mm外
側”からロール端までのロールプロフィールをもとに、
この部分を最も近似する2次曲線を求め、もとのロール
プロフィールからこの2次曲線成分を差引いた値を求め
て加工ロールプロフィールとする。
【0032】図3は、最大板幅1000mm(片側で50
0mm)の板材圧延時のロールプロフィール測定結果を示
し、元のプロフィールとともに、ワークロール両端部近
傍に基づく外装2次曲線、並びに元のプロフィールから
この求めた外装2次曲線を差し引いた加工プロフィール
を示す。図3に示すように、外装2次曲線は、最大板幅
+200mm外側に該当する±700mmからロール端まで
のプロフィールをもとに求めている。
【0033】図4は、2次曲線によって補正する前後の
ロールプロフィールを3例示し、図4(a)は、補正
前、図4(b)は、補正後のロールプロフィールを示
す。図4(a)によれば、全体ロールプロフィールに2
次曲線成分の変動が発生しており、それと比較すれば容
易にわかるように、図4(b)によれば、安定した全体
ロールプロフィールが得られている。
【0034】次に、段階(4)の移動平均平滑化成分の
除去は、段階(3)で得た全体ロールプロフィールを移
動平均処理して全体ロールプロフィールの低周波形状成
分を求め、もとのプロフィールから当該低周波形状成分
を除去して全体ロールプロフィール中の高周波形状成分
のみを抽出する。図5を参照しながら、より詳細に説明
する。
【0035】図5(c)中の点線は、図5(a)の段差
摩耗と図5(b)のサーマル形状とを重畳したプロフィ
ールに対して移動平均による平滑化処理を行った後の形
状を示している。図5(d)は、この重畳したプロフィ
ール形状(図5(c)の実線で示した形状)から移動平
均平滑化形状(図5(c)の点線で示した形状)を除去
した後の形状を示しており、摩耗段差量δd は真の値δ
a までは復活していないが、δc よりは大きな値となっ
ている。(δa >δd >δc )実際に測定されるロール
プロフィール(図5(c)に相当)に対して、移動平均
による平滑化処理を行い、平滑化成分(図5(c)中の
点線で示した形状に相当)をもとの形状から除去し、新
たな形状(図5(d)に相当)を得る。
【0036】このとき、移動平均による平滑化処理とし
ては、たとえばロール軸方向に沿って相前後する数点の
計測値に基づき、相加平均するのでもよい。
【0037】なお、平滑化のための移動平均長さは、実
験結果によれば、ロールプロフィール全長の40%程度
が好ましいことが判明した。
【0038】図5に示したように、移動平均平滑化成分
除去後の摩耗段差量δd は真の段差量δa よりは小さい
ものの、みかけ上の段差量δc よりは大きく(δa >δ
d >δc )、移動平均平滑化成分の除去によってある程
度の摩耗段差量の復活が期待できる。
【0039】最後に、段階(5)の摩耗段差の評価につ
いては、段階(3)及び段階(4)で得られたロールプ
ロフィールをもとに摩耗段差量の評価を行い、両者の評
価結果のうち大きい方の値を摩耗段差として採用するこ
とを示している。
【0040】図5では、摩耗段差量に比べてサーマルが
十分大きい場合を例に示したが、逆にサーマルに対して
摩耗段差量が大きい場合には、移動平均平滑化成分を除
去することによって、かえって摩耗段差量を過小評価す
ることになる。図6は、その例を示す。図中下に示され
た元のプロフィールと、図中上に示された移動平均平滑
化を行った後のプロフィールとを比較すれば、明らかに
移動平均平滑化によってかえって摩耗段差量が過小評価
されている。
【0041】このため、測定したロールプロフィール
(あるいは測定したロールプロフィールに前述の補正、
演算処理等をほどこした後のロールプロフィール)か
ら、摩耗段差の位置及び量を把握して、オンライン研削
手段にフィードバックする必要がある。
【0042】より具体的には、図1に示すように、“ロ
ール端部プロフィールを用いた2次曲線補正を施こした
新たなロールプロフィール”と、“移動平均平滑化成分
を除去した後のロールプロフィールの高周波形状成分”
の両方について、摩耗段差の評価を行う。
【0043】すなわち、2つのケースについて得られた
摩耗段差量のうち、大きい方の段差量とそれに対応する
段差位置を正式な摩耗段差として評価する。上述の、い
ずれか大きい方の段差量を採用することによって、図6
に示した、“移動平均平滑化成分の除去によって摩耗段
差量を過小評価する”という弊害の発生を回避すること
ができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、ワークロールの軸方向
に沿って変位検出器を移動させることによりロールプロ
フィールを計測する際に、変位検出器とワークロールと
の間の並進運動誤差だけでなく、ピッチング運動誤差の
発生をも抑制することにより、さらに高精度なロールプ
ロフィールの計測を行うことができる。
【0045】本発明によれば、ワークロールの軸方向に
沿って変位検出器を移動させることによりロールプロフ
ィールを計測する際に、段差摩耗等局所的なロールプロ
フィールを高精度に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態のロールプロフィール評
価方法の手順を示すフロー図である。
【図2】図1における全体ロールプロフィールの補正に
関する図である。
【図3】図1におけるロール端部プロフィールを利用し
た二次曲線補正に関する図である。
【図4】図3と同様に、ロール端部プロフィールを利用
した二次曲線補正に関する図であり、図4(a)は、補正
前、図4(b)は、補正後の状態を示す。
【図5】図1における移動平均平滑化成分の除去を適用
したワークロールのプロフィールである。
【図6】図5と同様に、移動平均平滑化成分の除去を適
用したワークロールのプロフィールである。
【図7】従来のロールプロフィール評価方法を実行する
ためのロールプロフィール計測装置の構成図である。
【図8】図7のロールプロフィール評価方法を実行する
場合の、各変位検出器取り付け台の可動範囲を示す概略
図である。
【図9】図7のロールプロフィール評価方法を実行する
場合の、変位検出器取り付け台の運動計測誤差を示す概
略図である。
【符号の説明】 1 変位検出器取り付け台 1a取り付けアーム部 2 ワークロール 3 サポートアーム 3aガイドシャフト 5 支持筒 11変位検出器
フロントページの続き (72)発明者 林 寛治 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 Fターム(参考) 2F069 AA24 AA62 BB07 CC05 DD30 EE20 EE22 GG04 GG63 GG65 GG72 GG73 HH09 JJ06 NN03 NN17 NN18 NN26 4E002 AD01 CB09 CB10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークロールの軸線方向に沿って往復運
    動可能に設けられた変位検出器取付台と、前記ワークロ
    ールの軸線方向の表面凹凸量を計測するための、この変
    位検出器取付台上に互いに所定間隔を介して設置された
    複数個1組の変位検出器とを用いるロールプロフィール
    評価方法であって、前記変位検出器取付台を前記ワーク
    ロールの軸線方向に移動させて前記ワークロールの表面
    凹凸を全長に亘って計測し、前記変位検出器で得られた
    計測値の差分によって得られる合成計測値データ列を演
    算処理して、前記ワークロールの軸線方向の表面凹凸量
    を求めるロールプロフィール評価方法において、 形状既知の基準ロールプロフィールを備えた、ロール組
    替直後或いは第1回目の板材の圧延中におけるワークロ
    ールを前記ロールプロフィール評価方法を用いてそのロ
    ールプロフィールを計測し、この計測ロールプロフィー
    ルと基準ロールプロフィールとの差分から前記変位検出
    器取付台の移動時におけるピッチング運動誤差を近似し
    て求め、以降の圧材の圧延中における計測ロールプロフ
    ィールに対して、前記ピッチング運動誤差を補正するこ
    とを特徴とする評価方法。
  2. 【請求項2】 ワークロールの軸線方向に沿って往復運
    動可能に設けられた変位検出器取付台と、この変位検出
    器取付台上に、前記ワークロールの軸線方向の表面凹凸
    量を複数個の区間に分割して計測するための間隔Lc を
    介して設置された2個1組の変位検出器であって、間隔
    lで複数組設置された変位検出器とを用いるロールプロ
    フィール評価方法であって、前記変位検出器取付台を前
    記ワークロールの軸線方向に移動させて前記ワークロー
    ルの表面凹凸量を部分的に計測し、前記2個1組の変位
    検出器毎に、請求項1に記載されたロールプロフィール
    評価方法を実行して複数個の部分的ロールプロフィール
    を求め、前記部分的ロールプロフィールの計測長さを前
    記複数個の2個1組変位検出器の配置間隔よりも大きく
    なるようにして前記複数個の部分的ロールプロフィール
    に重複部を生じさせ、この重複部を用いて前記複数個の
    部分的ロールプロフィールを連結して前記ワークロール
    全長のロールプロフィールを求めるロールプロフィール
    評価方法において、 形状既知の基準ロールプロフィールを備えた、ロール組
    替直後或いは第1回目の板材の圧延中におけるワークロ
    ールを前記ロールプロフィール評価方法を用いてそのロ
    ールプロフィールを計測し、この計測ロールプロフィー
    ルと基準ロールプロフィールとの差分から前記変位検出
    器取付台の移動時におけるピッチング運動誤差を近似し
    て求め、以降の圧材の圧延中における計測ロールプロフ
    ィールに対して、前記ピッチング運動誤差を補正するピ
    ッチング運動誤差補正段階と、 前記ピッチング運動誤差を補正した補正ロールプロフィ
    ールのうち、圧延サイクルにおける非通板部をもとにし
    て、この非通板部に最も近似する外装2次曲線をロール
    プロフィール全体について求め、前記補正ロールプロフ
    ィールからこの外装2次曲線を差し引くことにより、加
    工ロールプロフィールを求める2次曲線補正段階と、 この加工ロールプロフィールに対して平滑化演算処理を
    行うことにより、加工ロールプロフィールの低周波数形
    状成分を求め、加工プロフィールから当該低周波数形状
    成分を除去することにより、加工ロールプロフィール中
    の高周波数形状成分のみを抽出する高周波数形状成分抽
    出段階と、 2次曲線補正段階において求めた加工ロールプロフィー
    ルと、高周波数形状成分抽出段階において求めたロール
    プロフィールとに対して、それぞれ摩耗段差量の評価を
    行い、両者の評価結果のうち大きい方の値を摩耗段差と
    して採用する摩耗段差評価段階とを有することを特徴と
    するロールプロフィール評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104923576A (zh) * 2014-03-17 2015-09-23 宝山钢铁股份有限公司 热轧生产线精轧工作辊辊面自动检测装置
CN108682620A (zh) * 2018-06-07 2018-10-19 通威太阳能(安徽)有限公司 一种改善滚轮带液刻蚀过刻的方法及其装置

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