JP3477360B2 - ロールプロフィール計測方法 - Google Patents

ロールプロフィール計測方法

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JP3477360B2
JP3477360B2 JP07262798A JP7262798A JP3477360B2 JP 3477360 B2 JP3477360 B2 JP 3477360B2 JP 07262798 A JP07262798 A JP 07262798A JP 7262798 A JP7262798 A JP 7262798A JP 3477360 B2 JP3477360 B2 JP 3477360B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ロールプロフィー
ルの計測方法に係わり、特に熱間圧延機等の板材の圧延
機においてインラインにて計測可能なロールプロフィー
ル計測方法に関する。 【0002】 【従来の技術】熱間圧延機等の板材の圧延機において
は、一般にワークロールは圧延材に接触する部分だけが
局部的に摩耗する。従って、正常な板厚分布の板材を圧
延するには、圧延材の圧延順序を広幅から狭幅へと移行
させていく必要がある。しかしながら、このような板幅
による圧延順序規制は生産性向上を阻害する大きな要因
となっており、この圧延順序規制を撤廃するための方策
として、ワークロールを圧延機スタンド内に組み込んだ
インライン状態で、その表面を所望の形状に研削するい
わゆるオンラインロール研削手段が提案されている。こ
のロール研削を行うにあたって最も重要なことは、ロー
ル研削前後あるいはロール研削中に被研削ロールのロー
ルプロフィールを計測して、常に把握することである。 【0003】このようなロールプロフィールの計測を行
うための従来のロールプロフィール計測方法が、例え
ば、特公平6−15970号公報に開示されている。以
下、図12を参照しながら、従来技術を説明する。図1
2において、1はハウジングであり、このハウジング1
内にはワークロール2が配置されている。このワークロ
ール2の下方には、複数組の変位検出器3a〜3g及び
これらの変位検出器3a〜3gを支持する変位検出器取
付台4が配置されている。この変位検出器取付台4は、
支持ビーム5に取り付けたガイドレール6に摺動自在に
係合し、ネジ軸7をモータ8で駆動することにより、ワ
ークロール2の軸線方向に移動するようになっている。
前記支持ビーム5の両端は、ハウジング1のガイド9に
それぞれ摺動自在に支持され、ワークロール2側の側面
には一対の位置決めアーム10を突設している。そして
その反対側はハウジング1または基台に取付けた一対の
シリンダ11と連結し、このシリンダ11によって位置
決めアーム10を介して支持ビーム5をワークロール2
の両端部に圧着せしめることにより、カイドレール6の
摺動面がワークロール2の軸線方向とほぼ平行に保持さ
れるようになっている。12a〜12eは変位検出器支
持筒であり、それぞれ変位検出器3a、3b、(3c、
3d、3e)、3f、3gを載置し、ワークロール2に
対向して進退可能な構造になっている。変位検出器3a
〜3gはそれぞれワークロール2の表面凹凸量を計測す
る為、ワークロール2の面に対向してほぼワークロール
2の軸と直交するように載置され、計測時には支持筒1
2a〜12eによって所定距離だけワークロール2の方
向に突き出される。 【0004】以上のように構成された従来の技術によれ
ば、支持ビーム5をシリンダ11によってワークロール
2の表面に圧着保持した状態で変位検出器取付台4をワ
ークロール2の軸線方向に移動させることにより、変位
検出器3a〜3gによってワークロール2のロールプロ
フィールを計測することができる。しかしながら、上述
の従来計測法には下記のような問題点がある。すなわ
ち、第一に、ガイドレール6は、計測に際してワークロ
ール2の軸線方向とほゞ平行に真直にする必要がある
が、ガイドレール6に変形やうねりが発生した場合、そ
の変形量やうねり量が変位検出器3a〜3gでの計測値
に重畳されてしまい、真のロール表面凹凸量が計測でき
ない。特に上記の計測方法を熱間圧延機に適用する場合
には、圧延時の熱の影響によりガイドレール6が熱変形
し、高精度なロール表面凹凸量を計測することが困難と
なる。 【0005】第二に、上記の計測方法を熱間圧延作業中
に実施する場合には(即ち、ワークロール2の回転に同
期した回転パルスに基づいて同一のロール円筒母線上で
の計測値を得るように設定されている場合には)、上述
したガイドレール6の変形やうねり誤差に加えて、ロー
ル軸受箱(図示せず)とハウジング間のガタ、ロール軸
受(図示せず)とロールジャーナル部(図示せず)のガ
タ、バックアップロールの偏心等に起因するワークロー
ル2の振れ回り誤差が発生して変位検出器3a〜3gで
の計測値に重畳されてしまい、真のロール表面凹凸量が
計測できない。つまり、変位検出器3a〜3gでの計測
値は、ワークロール2の真の表面凹凸量と変位検出器取
付台4を移動させた時の運動誤差及び計測中のワークロ
ール2の回転運動誤差が重なり合ったものとなってい
る。 【0006】このような問題点を解決すべく、特公平6
−15970号公報では、以下に詳述する演算処理を用
いて、高精度なロールプロフィールの計測方法を実現し
たものが開示されている。以下、図3を参照して、この
公報の従来技術を説明する。図3は、図12の一部(3
c、3d、3e、12c部分)を抽出して示したもので
ある。図3において、La 、Lb は変位検出器の取付間
隔、xはワークロール2の軸方向への変位検出器取付台
4の移動位置を示す位置座標、m(x)はワークロール
2のロールプロフィール、ez (x)は変位検出器取付
台4の運動誤差及びワークロール2の回転運動誤差等に
よって生じる変位検出器支持筒12cとワークロール2
との相対的な並進運動誤差成分、ep (x)は同様の原
因で発生する相対的なピッチング運動誤差成分を示して
いる。 【0007】演算処理手順の概略 (i) 計測開始位置からの移動距離xn 位置でのロー
ルプロフィール、並進運動誤差、ピッチング運動誤差を
それぞれm(xn )、ez (xn )、ep (x n )とす
ると、変位検出器3c、3d、3eでの計測値y3c(x
n )、y3d(x n )、y3e(xn )は(1)式のように
表わせる。 y3c (xn )=m (xn -L b )- e z (xn )- Lb ・ ep (x n ) y3d (xn )=m (xn )- ez (xn ) y3e (xn )=m (xn +La )- ez (xn )+ La ・ ep (xn ) ・・・・・・・・ (1) (ii) 変位検出器での計測データy3c (xn ) 、y3d
(xn ) 、y3e (xn)(n=0,1,2,・・・,N
−1)を(2)式に示すように重み付け加算し、運動誤
差ez (xn )、ep (xn )の影響を受けない(ez
(xn )、ep(xn )に関する項が相殺された)、合
成計測値Y(xn )を求める。 【0008】 Y (xn )=y3d (xn )- Lb /(L a +Lb ) ・ y3e (x n )- La /(L a +Lb ) ・y3c (xn ) = m (xn )- L b / (L a +Lb ) ・m (xn +La )-L a /(L a +Lb ) ・m (x n -L b ) ・・・・・・・・ (2) (iii) 合成計測値データ列Y(xn )(n=0,1,
2,・・・,N−1)から、フーリエ変換の手法を利用
して、(3)式によってロールプロフィールm(xn
(n=0,1,2,・・・,N−1)を求める。 (以下、(3)式にもとづくロールプロフィールm(x
n )の計測方法を『3点法』と略記する) 【0009】 【数1】 Fk : データ列 Y(xn ) をフーリエ変換した時のcos 成
分のK次の係数 Gk : データ列 Y(xn ) をフーリエ変換した時のsin 成
分のK次の係数 fk = √[(1+a ・ cos K α+b ・ cos Kβ)2+(a ・ sin K
α-b ・ sin Kβ)2] δk = tan -1{(a・ sinKα-b・ sinKβ)/(1+a・ cosKα+b
・ cosKβ) } α = 2 π La /L, β=2π Lb /L L :対象物計測長さ a = -Lb / ( L a + Lb ) , b = -La / ( L a + L
b ) (iv) (3)式及び(1)式から計測時のe
z (xn )、ep (xn )を求める (v) ez (xn )、ep (xn )から変位計3a、
3b、3d、3f、3gでの計測データを補正して、運
動誤差のない理想状態での計測値(即ち真の部分的ロー
ルプロフィール)を求め、これらを連結して全体のロー
ルプロフィールを求める。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】以上のように、特公平
6−15970号公報に開示されたロールプロフィール
計測方法は、ez (xn )、ep (xn )の影響を除去
することにより、実機圧延機における変位検出器取付台
4のように、高精度な運動精度の確保が困難な環境下で
の計測に適した方法であるが、下記のような問題点があ
る。即ち、『3点法』ではロールプロフィール計測時の
変位検出器取付台4の移動距離Lが長くなると、(3)
式において、Kが1,2等の低次の形状評価誤差が発生
しやすくなるという問題がある。以下にその概要を説明
する。(3)式に示したように、ロールプロフィールm
(xn )(のK次成分)を求める時、計測系によって定
まる定数1/fk の乗算が実施される。 【0011】一般に変位検出器3c、3d、3eでの計
測データy3c(xn )、y3d(xn)、y3e(xn )に
は計測ノイズが混入し、合成計測値データ列Y (xn
(n=0,1,2,・・・,N−1)をフーリエ変換し
て得られる係数Fk 、Gk にも、その評価誤差ΔFk
ΔGk が発生する。従ってロールプロフィールm
(x n )(のK次成分)にはΔFk 、ΔGk が1/fk
倍されて、影響を及ぼすことになる。ここで、簡単化の
為La =Lb とすると、(3)式から、低次モード(即
ち、Kが1、2等の小さな値をとる時)での1/fk
値は近似的に(4)式のように表わすことができる。 1/fk ≒2/(2πK)2 ・(L/La )2・・・・・・(4) 一例としてLa =Lb =22mm、L=1024mmの時の
k の値を表1に示す。表1からわかるように、この時
ΔG1 =1の評価誤差が発生した時、例えばm(xn
の sin1次成分には1/0.0091≒110の誤差が発
生することになる。 【0012】 【表1】【0013】そこで、本発明は、従来法の上記問題点を
解決するためになされたものであり、本発明の第1の目
的は、低次モードの形状評価誤差の発生を抑制すること
により、高精度なロールプロフィールの計測方法を提供
することにある。又、本発明の第2の目的は、低次モー
ドの形状評価誤差だけでなく、高次モードの形状評価誤
差の発生をも抑制することにより、高精度なロールプロ
フィールの計測方法を提供することにある。又、本発明
の第3の目的は、計測時の運動誤差を除去しつつ、低次
モードの形状評価誤差に関する計測ノイズの低減を可能
にすることにより、高精度なロールプロフィールの計測
方法を提供することにある。さらに、本発明の第4の目
的は、長軸ロールを高精度且つ効率的に計測可能なロー
ルプロフィールの計測方法を提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
ワークロールの軸線方向に沿って往復運動可能に設けら
れた変位検出器取付台と、この変位検出器取付台上に前
記ワークロールの軸線方向の表面凹凸量を計測するため
の間隔Lc を介して設置された2個1組の変位検出器と
を用いるロールプロフィール計測方法であって、前記変
位検出器取付台を前記ワークロールの軸線方向に移動さ
せて前記ワークロールの表面凹凸を全長に亘って計測
し、前記変位検出器で得られた計測値の差分によって得
られる合成計測値データ列を演算処理して、前記ワーク
ロールの軸線方向の表面凹凸量を求めることを特徴とす
るロールプロフィール計測方法によって達成される。本
発明の第2の目的は、ワークロールの軸線方向に沿って
往復運動可能に設けられた変位検出器取付台と、この変
位検出器取付台上に、前記ワークロールの軸線方向の表
面凹凸量を複数個の区間に分割して計測するための複数
個のプロフィール計測用の変位検出器と、前記ワークロ
ールの軸線方向に間隔La 及びLb で設置され前記変位
検出器取付台の運動誤差及びワークロールの回転運動誤
差を計測する3個1組の運動誤差計測用の変位検出器で
あって、複数組設置された変位検出器とを用いるロール
プロフィール計測方法であって、前記変位検出器取付台
を前記ワークロールの軸線方向に移動させて前記プロフ
ィール計測用の変位検出器及び前記運動誤差計測用の変
位検出器で前記ワークロールの表面凹凸を部分的に計測
し、前記運動誤差計測用の変位検出器で得られた計測値
から演算処理によって前記変位検出器取付台の移動時に
おける運動誤差及びワークロールの回転運動誤差を求
め、この求められた前記運動誤差を前記プロフィール計
測用変位検出器の計測値から差し引くことにより誤差の
補正を行い、この補正された前記プロフィール計測用変
位検出器の計測値である前記ワークロールの軸線方向の
部分的に計測された表面凹凸量を連結して前記ワークロ
ール全長の軸線方向表面凹凸量を求めるロールプロフィ
ール計測方法において、演算処理によって運動誤差を把
握する際に、前記3個1組の運動誤差計測用の変位検出
器から、間隔La +Lb及び間隔Lb となる2組の変位
検出器の組合せによるロールプロフィール計測系を2セ
ット構成し、各次数成分毎に計測ノイズの影響を受けに
くい計測系を選択することを特徴とするロールプロフィ
ール計測方法によって達成される。 【0015】本発明の第3の目的は、ワークロールの軸
線方向に沿って往復運動可能に設けられた変位検出器取
付台と、この変位検出器取付台上に前記ワークロールの
軸線方向の表面凹凸量を計測するための等間隔Ld を介
して配置された3個1組の変位検出器とを用いるロール
プロフィール計測方法であって、前記変位検出器取付台
を前記ワークロールの軸線方向に移動させて前記ワーク
ロールの表面凹凸量を前記ワークロールの全長にわたっ
て計測し、前記3個1組の変位検出器での計測値を前記
変位検出器配置間隔Ld によって定まる係数を用いて重
み付け加算してワークロールプロフィールの2次微係数
に関連した合成計測値データ列を求め、該合成計測値デ
ータ列に前記ワークロール表面凹凸量計測時のサンプリ
ングピッチによって定まる係数を乗じて1回の数値積分
を行ってワークロールプロフィールの1次微係数に関連
した新たな合成計測値データ列を求め、この新たな合成
計測値データ列から演算によってロールプロフィールを
求めることを特徴とするロールプロフィール計測方法に
よって達成される。 【0016】本発明の第4の目的は、ワークロールの軸
線方向に沿って往復運動可能に設けられた変位検出器取
付台と、この変位検出器取付台上に、前記ワークロール
の軸線方向の表面凹凸量を複数個の区間に分割して計測
するための間隔Lc を介して設置された2個1組の変位
検出器であって、間隔lで複数組設置された変位検出器
とを用いるロールプロフィール計測方法であって、前記
変位検出器取付台を前記ワークロールの軸線方向に移動
させて前記ワークロールの表面凹凸を部分的に計測し、
前記2個1組の変位検出器毎に、請求項1に記載された
ロールプロフィール計測方法を実行して複数個の部分的
ロールプロフィールを求め、前記部分的ロールプロフィ
ールの計測長さを前記複数個の2個1組変位検出器の配
置間隔よりも大きくなるようにして前記複数個の部分的
ロールプロフィールに重複部を生じさせ、この重複部を
用いて前記複数個の部分的ロールプロフィールを連結し
て前記ワークロール全長のロールプロフィールを求める
ことを特徴とするロールプロフィール計測方法によって
達成される。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、添付の図1乃至図12を参
照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。な
お、これらの図面において、従来技術と同一番号には同
一番号を付し、それらの説明は省略する。 (1) 先ず、図1を参照して本発明の第1実施形態を説明
する。図1には、計測対象物にほゞ平行に設置されたガ
イド面に沿って駆動される移動台にLc の間隔をもって
載置された2個の変位検出器による形状計測方法が示さ
れている。なお、図1は、図3において、例えば変位検
出器3h、3iのみを設置したものと同一である。図1
に示すように、図12の3a〜3gと同様の機能を有す
る変位検出器3h、3iが設けられ、さらに図12の1
2a〜12eと同様の機能を有する変位検出器支持筒1
2fが設けられている。図3と同様に、m(x)はワー
クロール2のロールプロフィール、ez (x)は変位検
出器支持筒12fとワークロール2との相対的な並進運
動誤差、ep (x)は相対的なピッチング運動誤差成分
を示している。 【0018】図3に示した駆動系での計測と同様に、2
ケの変位検出器3h、3iをワークロール2の軸線方向
に駆動しつつ、所定のデータサンプリングピッチ毎に変
位検出器3h、3iで同時にワークロール2の表面凹凸
量を計測し、下記に示す演算処理を行うことにより、ロ
ールプロフィールを求めることができる。 (1) 変位検出器3h、3iでの計測データ ワークロール2の軸方向位置xn での変位検出器3h、
3iでの計測値y3h(xn )、y3i(xn )は(5)式
のように表わせる。 y3h (xn )=m (xn )- e z (x n ) y3i (xn )=m (xn +Lc )- e z (x n )+ Lc ・ ep (xn ) ・・・・・・・・ (5) (2) 合成計測値Y3h3i(xn )の算出 y3h(xn )とy3i(xn )との差分として定義される
合成計測値Y3h3i(x n )を求める Y3h3i(xn )≡ y3i(xn )-y3h (xn ) = m (xn +Lc )-m (xn )+ Lc ・ ep (xn ) ・・・・・・・・ (6) (6)式からわかるように、合成計測値Y3h3i(xn
からはez (xn )に関する項が相殺されてなくなる。 【0019】(6)式において一般にep (xn )は小
さく、(6)式は(7)式のように近似することができ
る。 Y3h3i(xn )≒ m (xn +Lc )-m (x n ) ・・・・・・・・ (7) (7)式からわかるように、合成計測値Y3h3i(xn
は近似的に、計測したいロールプロフィールm(xn )
とLc だけ位相のずれたm(xn +Lc )とが重畳され
たものとなっている。 (3) ロールプロフィールm(xn ) の再生 合成計測値データ列Y3h3i(xn )(n=0,1,2,
・・・,N−1)から、フーリエ変換の手法を利用して
m(xn ) (n=0,1,2,・・・,N−1)を再生
することができる。 【0020】ここで、m(xn ) を(8)式のように、
フーリエ級数和の形で表わして考える。 【0021】 【数2】 ここに、Lはロールプロフィール計測長さ、Ck はm
(xn ) のK次の形状成分の振幅、ψk はK次成分の位
相ずれ量である。(8)式を(7)式に代入して整理す
ることにより(9)式が得られる。 【0022】 【数3】 ここに、 F ′k = c k ・ f k ・(cos ψk ・ cos δk - sin ψk
sin δj ) G ′k = -ck ・ f k ・(sin ψk ・ cos δk + cos ψk
sin δk ) f ′k = √[(cos K β-1)2 + (sinKβ)2] δ′k = tan -1{sinKβ/(cosKβ-1) } β′ =2πL c /L である。(8)式および(9)式から、ロールプロフィ
ールm(xn ) は(10)式のように表わせる。 【0023】 【数4】 (10)式は、前述の(3)式と同一形式の式になって
おり、2ケの変位検出器3h、3iでの計測値から得ら
れる合成計測値データ列を利用したロールプロフィール
計測が可能となる。(以下、(10)式にもとづくロー
ルプロフィールm(xn ) の計測方法を『2点法』と略
記する)。本方式においても変位検出器での計測データ
に混入するノイズの影響によって従来法と同様に低次モ
ードの形状評価誤差が発するが、f′k とL、Lc との
関係は(11)式のようになり、Lが大きくなった場合
にも1/f′k は急激には増大しない。 1/f ′k ≒1 / 2 πK・(L/L c ) ・・・・・・・・(11) 一例として、Lc =44mm、L=1024mmの時の
fk ′の値を表2に示す。表1でのfk の値に比べ、低
次モード(Kの小さい時)での値が大きくなっており、
本方式の『2点法』では、従来の『3点法』に比べ、低
次モードの形状評価誤差は発生しにくいことがわかる。 【0024】即ち、第1の実施の形態における『2点
法』による計測方法によれば、低次モードの形状評価誤
差を抑えることによって、高精度の計測方法が可能とな
る。 【0025】 【表2】【0026】(2) 次に、図3及び図12を参照して、
本発明の第2実施形態を説明する。上述した第1実施形
態において、再度表2の fk ′の値を表1のfk の値と
比べると、 fk ′の値は、K=20〜30次程度の範囲
でfk の値より逆に小さくなっている。即ち、高次モー
ドの形状評価誤差は発生しやすくなる。ここで、例えば
図1において、Lc =22mmの場合のfk ′に相当する
値fk″は、(9)式においてLc =22mmとすること
により、表3のように求まる。 【0027】 【表3】 【0028】表2及び表3からわかるようにK=1〜1
5ではfk ′>fk ″であるが、K=16〜31ではf
k ′<fk ″となっており、ロールプロフィール計測長
さLを固定した時、2ケの変位検出器の取付間隔によっ
て計測ノイズの影響度が異なってくることがわかる。以
上から、低次モードの形状評価誤差だけでなく、高次モ
ードの形状評価誤差の発生をも抑制するロールプロフィ
ール計測方法が考えられる。そのハードウェア構成は、
『3点法』による図12、図3と全く同一である。 (i) 図12において変位検出器の組合せ(3c、3
d)、(3c、3e)による『2点法』を考える。3
c、3dの組合せによる『2点法』は、図1においてL
c =Lb としたことに相当し、3c、3eの組合せによ
る『2点法』は図1においてLc =La +Lb としたこ
とに相当する。 (ii) それぞれの組合せに対応する合成計測値データ
列Y3c3d(xn )、Y3c 3e(xn )(n=0,1,2・・
・,N−1)を求め、それらのフーリエ係数Fk′、G
k ′、Fk ″、Gk ″を計算する。 【0029】(iii) それぞれの組合せに対応するfk
の値fk ′、fk ″を計算する。例えば、La =Lb
22mm、L=1024mmの時3c、3dの組合せに対応
するfk ″は表3の値となり、3c、3eの組合せに対
応するf′k は表2の値のようになる。 (iv) (10)式においてm(xn ) を求める時、各
次数K毎にfk ′、f k ″の大小比較を行い、値が大き
くなる方の計測系に対応するFk 、Gk 、fk、δk
用いて、ロールプロフィールm(xn ) を求める。例え
ば表2、表3に示した例の場合、K=1〜15について
は組合せ(3c、3e)の計測系、K=16〜31につ
いては組合せ(3c、3d)の計測系、K=32〜62
については組合せ(3c、3e)の計測系に対応する値
が採用されることになる。 (v) (iv)項で求めたm(xn ) と(1)式とか
ら、ez (xn )、ep(xn )を求める。 (vi) ez (xn )、ep (xn )から変位計3a、
3b、3d、3f、3gでの計測データを補正して運動
誤差のない理想状態での計測値(即ち真の部分ロールプ
ロフィール)を求め、これらを連結して全体ロールプロ
フィールを求める。 【0030】以上のように、本実施の形態による『選択
2点法』によれば、第1の実施の形態における『固定2
点法』に較べて、低次及び高次の形状評価誤差の発生を
抑制することにより、高精度なロールプロフィール計測
方法を提供することができる。 【0031】尚、本実施例では、Lc =22mmの場合と
c =44mmの場合で示したが、この数値に限定される
ものではなく、計測可能な適正な範囲であればよい。 (3)次に、図2を参照して、本発明の第3実施形態を
説明する。図2は、第3の実施形態のロールプロフィー
ル計測法の為のハードウェア構成を簡略化して示したも
のであり、図12及び図3と同一記号を付したものは同
様の機能を有する要素であり、説明を割愛する。31
2 、33 は3個1組の変位検出器、121 は変位検出
器支持筒である。図2において、変位検出器31
2 、33 はロール軸線方向に間隔La 、L b で配置さ
れ、変位検出器取付台4をロール軸方向にロール全長に
わたって駆動することによって、所定のサンプリングピ
ッチ毎にロール全長でのロール表面凹凸量を計測する。 【0032】この時、変位検出器の組合せ(31
2 )による『2点法』及び組合せ(3 1 、33 )によ
る『2点法』の2セットの計測系を構成し、前述の第2
の実施の形態における演算処理手順のうち(i)〜(i
v)に従って、ロールプロフィールm(xn ) を求める
ことができる。本実施の形態は、図2及び図12から容
易に理解されるように、第2の実施の形態の場合に較べ
て、変位検出器取付台の移動距離を長くする必要がある
が、『2点法』の特徴であるロールプロフィール計測長
さLが大きくなっても、低次モードの形状評価誤差が発
生しにくいという利点を有しつつ、3個の変位検出器の
みによって直接的に全体ロールプロフィールm(xn )
を求めることが可能となる。 (4)さらに、再び図2を参照して、本発明の第4実施
形態を説明する。 【0033】先ず、(2)式と(7)式との比較をして
みると、(2)式で示される運動誤差ez (x)、ep
(x)、が相殺された『3点法』での合成計測値は、L
a =Lb の時、(12)式のように表現することができ
る。 Y(xn )= m(xn )- Lb /(L a +Lb ) ・ m (xn +La )- La /(L a +Lb ) ・ m (xn -L b ) =-L b /(L a +L b )・{m (xn +La )-m (xn ) }+La /(L a +Lb )・{m (xn )-m (xn -Lb ) } =-1/2 [{m (xn +La )-m (xn ) }- {m (xn )-m (xn -Lb ) }] ・・・・・(12) (12)式の〔 〕内はロールプロフィールm
(xn )の2次微係数となっており、例えば(13)式
に示す1個の数値積分により、(7)式で表わされる、
m(xn )の1次微係数となっている『2点法』での合
成計測値データ列に相当するY* (xj )(j =0,
1,2,・・・,N−1)が得られる。 【0034】 【数5】 ここにPは、変位検出器計測データのサンプリングピッ
チである。Y* (xj )は、運動誤差ez (x)、ep
(x)の影響を含まない値でありこれを新たな合成計測
値データ列として『2点法』演算処理を行うことによ
り、ez (x)、ep (x)の影響を受けないロールプ
ロフィール評価が可能となる。本実施の形態は、以上の
事項、即ち(1)『3点法』ではロールプロフィール計
測長Lが大きくなった時、低次モードの形状、誤差が発
生し易いこと、(2)『2点法』ではLが大きくなって
も低次モードの形状評価誤差の発生が抑制できるが、運
動誤差ep (x)の影響を受けること、(3)『3点
法』での合成計測値から(13)式に示す数値積分によ
ってez (x)、ep (x)の影響を受けない『2点
法』合成計測値が得られることに基づいて、ロールプロ
フィール計測時の変位検出器取付台4の移動距離(即ち
ロールプロフィール計測長さL)が長くなった場合にお
いても、計測時の運動誤差を抑制しつつ低次モードの形
状評価誤差の発生を抑制してロールプロフィールが高精
度に計測する方法を提供することが可能になる。 【0035】本実施の形態に係るロールプロフィール計
測方法を実施するためのハードウェア構成は、図2にお
いて、La =Lb =Ld とする以外は、第3の実施の形
態の場合と全く同様であるので、説明を割愛する。計測
したデータ列に対して、下記手順での演算処理を行うこ
とにより、ロールプロフィールm(xn ) が求まる。 (i) 3ケの変位検出器31 、32 、33 での計測デ
ータ列y31(xn ) 、y 32(xn ) 、y33(xn ) (n=0,
1,・・・,N−1)から(2)式で与えられる合成計
測値データ列Y(xn ) (n=0,1,2,・・・,N
−1)を求める。(2)式においてLa =Lb =Ld
して計測データ列を重み付け加算する。) (ii) データ列Y(xn ) に対して(13)式で与え
られる1回の数値積分を行い、新たな合成計測値データ
列Y* (xn ) (n=0,1,2,・・・,N−1)を
求める。 (iii) Y* (xn ) を合成計測値データ列として(1
0)式で与えられる『2点法』演算を行い、ロールプロ
フィールm(xn ) が求める。((10)式において、
c =Ld とした演算を行う。) 上述の演算処理によれば、(i)の過程で計測時の運動
誤差ez (x)、ep(x)が相殺されており、本方式
のロールプロフィール計測法によって、『3点法』の特
徴(ez (x)、ep (x)の影響を受けない)と『2
点法』の特徴(計測ノイズによる低次モードの形状評価
誤差の発生が抑制できる)とを兼ね備えたロールプロフ
ィール計測が可能となる。 【0036】(5)さらに、図4乃至図7を参照して、
本発明の第5実施形態を説明する。図4に示すように、
第1の実施の形態における『2点法』を利用して、2ケ
の変位検出器支持筒5a、5b上に載置した変位計11
a、11b及び11c、11dの組合せによって全体の
ロールプロフィールを2ケの部分プロフィールに分割し
て計測することができる。ここで、5aと5bとの配置
間隔lと各部分プロフィールの計測長さL(ロールプロ
フィール計測時の変位検出器取付台1の移動量Lと同一
値)との間にl<Lのような関係が成立するように計測
系条件を設定しておけばその重複計測部を用いて部分プ
ロフィールを連結して全体のロールプロフィールを把握
することができる。概略を図5によって説明する。 【0037】図5において、mab(xn ) は変位計11
a、11bの組合せによって求めた長さLの部分ロール
プロフィールであり、mcd(xn ) は変位計11c、1
1dの組合せによって求めた長さLの部分ロールプロフ
ィールである。mab(xn )とmcd(xn ) にはロール
中央部に長さ(L−l)の重複部が生じる。例えば、こ
の重複部のプロフィールの一次傾斜成分が等しくなるよ
うにmab(xn ) とm cd(xn ) を連結することによ
り、長さ(L+l)の全体ロールプロフィールm * (x
n ) が求まる。一般に、機械装置においては重量物を長
いストローク駆動させることは構造上からも精度面から
も得策ではなく、上述したように全体ロールプロフィー
ルを複数個の部分プロフィールに分割して計測・連結す
ることにより、短いストロークの装置で長いロールプロ
フィールを計測することが可能となる。 【0038】以上の手順をまとめると下記(i)〜
(v)となり、短かい移動ストロークを有する装置を利
用して、長いロールプロフィールを高精度かつ効率的に
計測することが可能となる。 (i) 図4に示す計測系において、変位検出器取付台
1の移動に伴って、4ケの変位検出器11a〜11dで
同時にワークロール2の表面凹凸量を計測する。 (ii) 各変位検出器での計測データ列ya (xn ) 、
b (xn ) 、yc (xn ) 、yd (xn ) (n=0,
1,・・・,N−1)を用いて(7)式に示す合成計測
値データ列Yab(xn ) 、Ycd(xn ) (n=0,1,
2,・・・,N−1)を求める。 【0039】(iii) データ列Yab(xn ) 、Ycd(x
n ) をフーリエ変換し、そのcos 、sin の係数
(Fabj 、Gabj )、(Fcdj 、Gcdj )(j=0,
1,・・・,N−1)を求める。 (iv) (iii)項で求めた係数を用いて、(10)式に
よって部分プロフィールmab(xn ) 、mcd(xn ) を
求める。 (v) mab(xn ) とmcd(xn ) の重複部を利用し
て両者を連結し、全体ロールプロフィールm(xn ) を
求める。 図4では、2個1組の変位検出器セットを変位検出器取
付台上に2組載置した構成を示したが、変位検出器セッ
トを3組、4組と増設する構成も実施可能である。 【0040】図6は、変位検出器セットを3組載置した
例を示すものであり、図4における駆動装置8のストロ
ークが短かい場合でのロールプロフィール計測が可能と
なる。即ち、図6において変位検出器支持筒5a、5
b、5cの配置間隔をl′とし、各々の変位検出器セッ
ト(11aと11b、11cと11d、11eと11
f)での部分ロールプロフィール計測長さをL′とする
と、(L′は駆動装置8のストロールに相当する値、
L′>l′)とすると部分ロールプロフィール連結部の
全体ロールプロフィール計測長さは(L′+2l′)と
なる。図4における全体ロールプロフィール計測長さは
(L+l)であり、図6よりも小さいストローク(L′
<L)でも同じ計測長さを達成すること(即ちL+l=
L′+2l′とすること)が可能となる。 【0041】なお、図6においては2個1組の変位検出
器セットを3組載置した実施例を示したが、これを4
組、5組と増設することにより、駆動装置4のストロー
クがさらに短かくなった場合にもワークロール2の全体
ロールプロフィールの計測が可能となる。本実施の形態
による、ロールプロフィールの分割計測方法は、上述の
ように、第1の実施の形態に適用が限定されるものでは
なく、第2乃至第4の実施の形態にも適用可能である。
以下に、説明する。図7は、図2に於ける3個1組の変
位検出器を複数組(図7は、2組の場合を示している)
変位検出器取付台4上に設置する場合の一例を示してい
る。図7において、変位検出器31 ′、32 ′、33
はロール軸線方向に間隔L a ′、Lb ′で変位検出器支
持筒121 ′上に載置され、変位検出器支持筒12 1
121 ′は間隔lで配置されている。 【0042】変位検出器取付台4をロール軸方向に駆動
することによって、所定のサンプリングピッチ毎にロー
ル表面凹凸量を計測する。この時、3個1組の変位計
(31 、32 、33 )ではロール左部の表面凹凸量(左
部分ロールプロフィール略記)を計測し、(31 ′、3
2 ′、33 ′)ではロール右部の表面凹凸量(右部分ロ
ールプロフィールと略記)を計測する。ここで、変位検
出器取付台4の移動量L(即ち、3個1組の変位計(3
1 、3 2 、33 )、(31 ′、32 ′、33 ′)でのロ
ールプロフィール計測長さ)と前記支持筒121 、12
1 ′の配置間隔lの関係をl<Lとなるように設定して
おけば、左部分ロールプロフィールと右部分ロールプロ
フィールにはロール中央部で(L−l)の重複計測部が
生じることになり、例えば、この重複部の形状の一次傾
斜が等しくなるような方式によって左右の部分プロフィ
ールを連結して、全体のロールプロフィールを求めるこ
とができる。 【0043】図7に示した方法は、図2に比べ必要な変
位検出器の個数は多くなるが、比較的短かい変位検出器
取付台4の移動距離で、長いロールプロフィールを求め
ることができるという利点がある。因みに、図7におい
て、La =Lb 、La ′=Lb ′とすれば、第4の実施
の形態を分割ロールプロフィールにて実施することにな
る。 (コンピュータシミュレーション結果)図8乃至図9
は、コンピュータシミュレーションによるロールプロフ
ィール計測結果の概要を示したものであり、図2におい
て、La =Lb =22mm、L=1950mmとして真直な
ロールプロフィール(m(xn ) =0)を計測した場合
について、演算処理によって得られたロールプロフィー
ルを示している。 【0044】(i) 運動誤差の評価(図8) 図8は、変位検出器取付台4の移動時に所定量のピッチ
ング運動誤差ep (x)が正規乱数的に発生する場合に
ついて解析したものであり、図8(a)は、先行技術に
よる『3点法』での演算結果、図8(b)は、第1の実
施形態による変位検出器(31 、33 )の組合せによる
『2点法』での演算結果、図8(c)は、第4の実施形
態による演算結果を示している。図8(b)によれば、
『2点法』では、ep (x)の影響による評価誤差が発
生して真直なロールプロフィールとなっていないが、図
8(a)及び図8(c))によれば、『3点法』及び第
4の実施形態による計測方法では、ep (x)の影響を
受けることなく、真直なロールプロフィールが評価でき
ており、この点で前述の説明が裏付けられていることを
確認した。 【0045】(ii)計測ノイズの評価(図9) 図9は、変位検出器取付台4の運動誤差はないが、各変
位検出器の計測データに所定量の計測ノイズが混入した
場合の解析結果を示しており、図8と同様(a)、
(b)、(c)はそれぞれ、『3点法』、『2点法』、
本発明の方法での演算結果を示している。前述したよう
に、『3点法』では大きな低次モードの形状評価誤差が
発生しているが、『2点法』及び本発明の方法では形状
評価誤差はわずかな量となっている。形状評価誤差の大
きさが(b)<(c)となっている理由は、(b)は変
位計間隔Lc =2・Ld での『2点法』演算であるのに
対し、(c)はLc =Ldでの『2点法』演算であり、
(11)式から計測ノイズの影響度が大きくなっている
ことに起因する。 【0046】図10及び図11は、図7においてLa
b =La ′=Lb ′=22mm、l=1042mm、L=
1142mmとした時のコンピュータシミュレーションに
よるロールプロフィール計測結果である。 (iii) 計測ノイズのない場合 図10は、凹形状を有するワークロール2を計測ノイズ
のない状況下で計測した結果を示しており、図10
(a)は、先行技術による『3点法』での計測に基づく
ロールプロフィール、図10(b)は変位検出器の組合
せ(31 、33 )、(31 ′、33 ′)による『2点
法』での計測結果に基づくロールプロフィール、図10
(c)は、第3の実施の形態によるロールプロフィール
計測方法に基づくロールプロフィールである。計測誤差
のない状態のものであり、いずれの方法においても設定
した凹形状ロールプロフィールが正しく評価できてい
る。 【0047】(iv) 計測ノイズの評価 図11は、図10と同一のワークロール2を計測ノイズ
のある状況下(標準偏差σ=2μmの正規乱数)で計測
した結果を示しており、(a)は『3点法』、(b)は
変位検出器の組合せ(31 、33 )、(31 ′、
3 ′)による『2点法』、(c)は第3の実施の形態
による計測方法に基づくロールプロフィールである。前
述したように、『3点法』では低次モードの形状評価誤
差が、『2点法』では高次モードの形状評価誤差が顕著
であるのに対し、本発明の方法では低次モード、高次モ
ードとも比較的小さなロールプロフィールが得られてお
り、上述の説明が裏付けられている。 【0048】 【発明の効果】本発明によれば、低次の形状評価誤差を
抑制することにより、高精度なロールプロフィール計測
法を提供することが可能になる。又、本発明によれば、
低次の形状評価誤差だけでなく、高次の形状評価誤差を
も抑制することにより、高精度なロールプロフィール計
測法を提供することが可能になる。又、本発明によれ
ば、計測時の運動誤差を抑制しつつ、計測ノイズの発生
を抑制することができるロールプロフィール計測法を提
供することが可能になる。さらに、本発明によれば、長
軸ロールを高精度且つ効率的に計測できるロールプロフ
ィールの計測法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による第1実施形態のロールプロフィー
ル計測方法を実行するためのロールプロフィール計測装
置の構成図である。 【図2】本発明による第3及び第4実施形態のロールプ
ロフィール計測方法を実行するためのロールプロフィー
ル計測装置の構成図である。 【図3】従来のロールプロフィール計測方法を実行する
場合の、変位検出器取り付け台の運動誤差計測を示す概
略図である。 【図4】本発明による第5実施形態のロールプロフィー
ル計測方法を実行するためのロールプロフィール計測装
置の構成図である。 【図5】本発明による第5実施形態のロールプロフィー
ル計測方法を実行する場合の、各変位検出器取り付け台
の可動範囲を示す概略図である。 【図6】本発明による第5実施形態のロールプロフィー
ル計測方法を実行する場合の、ロールプロフィール計測
装置の構成図である。 【図7】本発明による第5実施形態のロールプロフィー
ル計測方法を実行する場合の、ロールプロフィール計測
装置の構成図である。 【図8】コンピュータシミュレーションによるワークロ
ールのプロフィール計算結果を示す図である。 【図9】コンピュータシミュレーションによるワークロ
ールのプロフィール計算結果を示す図である。 【図10】コンピュータシミュレーションによるワーク
ロールのプロフィール計算結果を示す図である。 【図11】コンピュータシミュレーションによるワーク
ロールのプロフィール計算結果を示す図である。 【図12】従来のロールプロフィール計測方法を実行す
るためのロールプロフィール計測装置の構成図である。 【符号の説明】 1 ハウジング 2 ワークロール 3 変位検出器 4 変位検出器取り付け台 5 支持ビーム 6 ガイドレール 7 ネジ軸 8 モータ 9 ガイド 10 位置決めアーム 11 シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹野 耕一 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島製作所内 (56)参考文献 特開 平9−210668(JP,A) 特開 平3−186712(JP,A) 特開 平10−221055(JP,A) 特開 平3−61810(JP,A) 特開 昭61−167810(JP,A) 特公 平6−15970(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 21/20 G01B 11/24 G01B 5/20 G01B 7/28 B21B 28/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ワークロールの軸線方向に沿って往復運
    動可能に設けられた変位検出器取付台と、それぞれ前記
    ワークロールの軸線方向に沿って表面凹凸を計測する3
    個の変位検出器を前記ワークロールの軸線方向に間隔を
    隔てて配置し、この変位検出器取付台に取り付けられた
    1組の変位検出器とを用いるロールプロフィールの計測
    方法であって、前記変位検出器取付台を前記ワークロー
    ルの軸線方向に移動させながら、前記3個の変位検出器
    それぞれによりワークロールの表面凹凸を計測長さLに
    亘って離散的に計測し、各計測位置における計測値に基
    づいて、フーリエ変換処理を行って、前記変位検出器取
    付台と前記ワークロールとの相対的な並進運動誤差及び
    回転運動誤差を補正するロールプロフィール計測方法に
    おいて、 前記1組の変位検出器から2個の変位検出器からなる異
    なる組み合わせを任意に2組選択することにより2つの
    ロールプロフィール計測系を構成し、 各ロールプロフィール計測系において、軸方向間隔Lc
    の選択した2個の変位検出器それぞれによる計測値の差
    分式に基づいてフーリエ変換処理を行い、 各次数Kごとに、以下の式により定義される拡大係数f
    kの大小比較を行って、拡大係数fkの大きい方のフー
    リエ変換成分を採用する、ことを特徴とするロールプロ
    フィールの計測方法。 fk=√[(cosKβ−1)2+(sinKβ)2] β=2πLc/L
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