JP3605649B2 - 表面プロフィール測定方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定物の表面プロフィールあるいは真直度を測定する技術に係わり、特に金属の圧延ロールのように、長尺物の表面プロフィールを振動や温度変化等の外乱因子の多い環境下で高精度で測定するのに好適な、表面プロフィール測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被測定物の表面プロフィールを測定する技術としては、図11に示すように、1個あるいは複数の距離計(変位検出器)10を、被測定物12とほぼ平行に配置させた距離計取付台14の被測定物12に面する側に設置し、この距離計取付台14を被測定物表面12aに沿って被測定物12と相対的に移動させながら、被測定物表面12aまでの距離を各距離計10で測り、これらの測定値から被測定物表面12aの表面プロフィールを求めるものが知られている。
【0003】
このとき、図12に示すように、距離計取付台14が移動中に被測定物12に近づいたり離れたりすることにより生ずる並進誤差Ez、移動中に距離計取付台14の移動方向に対する傾きが変化することにより生ずるピッチング誤差Epにより、プロフィール測定の精度が著しく悪化する。従って、距離計取付台14の移動中に生ずる並進誤差Ez及びピッチング誤差Epを何等かの方法で除去することがプロフィールの測定精度を上げる上で重要となる。
【0004】
これらの誤差を除去する方法として、例えば文献「昭和62年精密工学会春季大会学術講演会論文集」167頁や、特開昭64−61605号公報等に記載されている「3点法」がよく知られている。以下、この3点法について説明する。
【0005】
図13は、3点法の測定原理を示す模式図である。3点法では、3個の距離計10A、10B、10Cをそれぞれ間隔La、Lbで距離計取付台14に設置している。距離計取付台14を被測定物表面12aに沿って移動させ、被測定物表面12aまでの距離を測定する。このとき、距離計取付台14の移動方向をX軸とし、測定開始位置からの移動距離Xの位置での各距離計10A、10B、10Cの測定値yA(X)、yB(X)、yC(X)を得る。距離計取付台14の移動時のピッチング運動の回転中心を距離計10Bの位置にとり、被測定物表面12aの表面プロフィール形状をm(X)とし、移動距離Xの位置での並進誤差をEz(X)とし、移動距離Xの位置でのピッチング誤差をEp(X)とする。又、各距離計10A、10B、10Cの検出部の機械的な位置ずれ量をそれぞれkA、kB、kCとする。このとき、これらの測定値と上記誤差等との間には次の式(1)〜(3)が成り立つ。
【0006】
【0007】
ここで、a=−Lb/(La+Lb)、b=−La/(La+Lb)及びΔk=kB+a・kA+b・kCとおいて、aを(1)式にかけ、bを(3)式にかけて、(1)、(2)、(3)式を加えて並進誤差Ez(X)及びピッチング誤差Ep(X)を消去することにより、次の(4)式に示すような合成測定量Y(X)が得られる。
【0008】
【0009】
又、被測定物12の測定対象長さをLとして、表面プロフィール形状m(X)が次の(5)式に示すようなフーリエ級数の和の形で表わされるとする。
【0010】
【数1】
【0011】
この(5)式を(4)式に代入して整理すると、次の(6)〜(9)式が得られる。
【0012】
【数2】
【0013】
【0014】
(7)、(8)式のfj及びδjは被測定物表面プロフィールm(X)によらない定数であるから、測定値から求まるデータ列Y(X)をフーリエ級数展開し、その各周波数成分に対して振幅を1/fj倍し、位相を−δjだけずらした後、これらの和をとることにより、被測定物の表面プロフィールm(X)を求めることができる。このように、3点における測定値を用いて演算する方法を3点法という。
【0015】
又、表面プロフィールを求める他の方法が特公平6−15970号公報に開示されている。これは、被測定物表面に沿って等間隔で配置された複数個(n個とする)の距離計を被測定物表面に沿って測定範囲の1/nの距離だけ移動させ、得られたn個の小区間におけるプロフィールを連結して、最終的に被測定物表面のプロフィールを求める方法である。この方法は、距離計の移動距離を短くすることができるため、測定時間の短縮を図ることができるという利点がある。
【0016】
以下、図を用いて説明する。
【0017】
図14に示すように、短い間隔で配置された3個1組の(3点法)距離計10A、10B、10Cに加え、複数の距離計10D、10E、10F、10Gを距離計取付台14に搭載し、被測定物表面12aまでの距離を測定する。このとき、5つの距離計10D、10E、10B、10F、10Gは、被測定物12の測定範囲Lに対し、L/5の間隔で等間隔に配置する。そして、3個1組の距離計10A、10B、10Cで3点法により求めた並進誤差とピッチング誤差を用いて他の4個の距離計10D、10E、10F、10Gの誤差を近似的に補正し、5個の距離計10D、10E、10B、10F、10Gの誤差補正後のデータを連結することによって、最終的に表面プロフィールを求める。この方法では、距離計の移動量が測定範囲の1/5で済み、測定時間も約1/5に短縮することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記3点法には被測定物の表面プロフィールを多項式関数で表わした場合の2次成分(放物線形状)が正しく求まらないという問題がある。即ち、3点法では、表面プロフィールm(X)の2次成分が合成測定量Y(X)では定数項に表われるが、一方で(6)式のように、3個の距離計10A、10B、10Cの先端部の図13に示すような機械的不揃いΔkによる影響項も上記合成測定量Y(X)の定数項に表われる。Δkを、例えば10μmオーダーの高精度で検出することは実質的に困難であり、又、一般にΔkの値の方が表面プロフィールm(X)の2次成分項に比べて格段に大きい値となるため、表面プロフィールm(X)の2次成分を正しく求めることができない。
【0019】
又、前記特公平6−15970号公報に開示されている方法では、距離計の移動距離がL/5と短い分だけ、上記2次成分の誤差が全体の表面プロフィールに及ぼす影響が小さくなる。しかしながら、この方法では、以下に述べる問題がある。
【0020】
図14中の5個の距離計10D、10E、10B、10F、10Gについての零点は一致していない場合が多く、その場合、図15に実線で示すように、各距離計の測定データは隣り合う距離計の測定データと連続しない。そのため、図中に破線で示すように、例えば距離計10Dの測定データの右端値に距離計10Eの測定データの左端値が一致するように距離計10Eの測定データをシフトさせ、距離計10B、10F、10Gの測定データについても同様に、それぞれの左側の距離計データと連続するように順次シフトさせていく処理を行うことにより、全体のプロフィールを求めていた。しかし、例えば図16に実線で示すように、距離計10Eの測定データの左端に測定誤差があった場合、距離計10Eの測定データをシフトさせる際に、誤差分だけ間違えた量をシフトさせてしまう。そのため、距離計10B、10F、10Gの測定データのシフト量にも距離計10Eの測定データの左端の誤差が反映され、測定位置L/5からLまでの範囲では全体的に誤差が生じてしまう(図16破線)という問題がある。
【0021】
なお、上記3点法に限らず、一般に距離計を被測定物に沿って移動させながら測定した距離データから表面プロフィールを求める方法では、距離計の移動案内部の緩やかな変形(うねり)のため、あるいは被測定物表面プロフィールや周囲温度が時々刻々変化するような悪条件下での測定では、移動時間中における温度変化や被測定物表面プロフィール自体の変形のため、表面プロフィールの空間的低周波数成分(測定範囲全長にわたる緩やかなうねり形状)を精度良く測定することが困難であった。
【0022】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてさなれたものであり、正確な表面プロフィールを測定する技術を提供することを課題とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被測定物に対し、該被測定物の表面測定方向に沿ってその両端を含む3ヶ所以上の位置に固定された3個以上の固定式変位検出器によって各固定式変位検出器から前記被測定物の表面までの距離を測定し、これらの測定値をもとに該被測定物の表面プロフィールの概形P1(X)を求めると共に、前記被測定物の表面測定方向に沿って移動する1個以上の移動式変位検出器によって、前記表面全体について該移動式変位検出器から該表面までの距離を測定し、この測定値から前記被測定物の表面プロフィールの候補P2(X)を求め、該表面プロフィールの候補P2(X)の空間的低周波数成分が前記表面プロフィールの概形P1(X)に一致するように表面プロフィールの候補P2(X)を補正することにより、前記被測定物の表面プロフィールを求めるようにして、前記課題を解決したものである。
【0024】
本発明は又、被測定物に対し、該被測定物の表面測定方向に沿って、その両端を含む3ヶ所以上の位置に固定的に配置され、前記表面までの距離を測定する3個以上の固定式変位検出器と、前記被測定物の表面測定方向に沿って移動する変位検出器取付台に取り付けられ、前記表面までの距離を測定する1個以上の移動式変位検出器と、前記固定式変位検出器及び移動式変位検出器の測定値からそれぞれ表面プロフィールの概形P1(X)および表面プロフィールの候補P2(X)を求め、表面プロフィールの候補P2(X)の空間的低周波数成分が表面プロフィールの概形P1(X)に一致するように表面プロフィールの候補P2(X)を補正することにより表面プロフィールを算出する演算手段とを備えることにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0025】
本発明によれば、移動式変位検出器による測定値に加え、被測定物表面プロフィールの空間的低周波数成分を求めるため、3個以上の固定式変位検出器による測定値を用い、この固定式変位検出器による離散的な測定値を基準として、移動式変位検出器の測定値を補正するようにしたため、正確な表面プロフィールの測定が可能となった。
【0026】
又、前記固定式変位検出器をほぼ等間隔で3個以上配置し、前記変位検出器取付台上に3個の移動式変位検出器を短い間隔でほぼ等間隔に取り付けた場合には、前記3個の移動式変位検出器に例えば3点法等を適用して求めた表面プロフィールを、前記固定式変位検出器による離散的な測定値を基準として補正するようにして、正確な表面プロフィールを測定することができる。
【0027】
又、前記固定式変位検出器を被測定物の測定範囲の両端及び中央に各1個ずつ配置し、前記変位検出器取付台上両端に、それぞれ3個1組の移動式変位検出器を、各組の中央の変位検出器同士の間隔が被測定物の測定範囲の1/2となるように取り付けた場合には、前記移動式変位検出器の移動距離を短くして正確に表面プロフィールを測定することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の第1実施形態に係る表面プロフィール測定装置の概略構成図である。図1に示すように、被測定物22の表面22aに沿って距離計架台26を設置し、この距離計架台26上の、被測定物表面22aの両端部、中央部及びそれらの中間に対応する位置に5個の固定式距離計(固定式変位検出器)20D、20E、20F、20G、20Hを設置する。このとき、測定範囲をLとするとき、各固定式距離計の配置間隔は全て等間隔でL/4とする。又、この距離計架台26上に、移動式距離計取付台24を搭載し、これに3個の移動式距離計(移動式変位検出器)20A、20B、20Cを短い間隔、例えばL/100で等間隔に設置する。この移動式距離計取付台24は、距離計移動手段28により被測定物表面22aに沿って距離0から距離Lまで移動可能となっている。上記5個の固定式距離計20D、20E、20F、20G、20H及び3個の移動式距離計20A、20B、20Cの測定値は、図示しない演算手段に伝送され、演算手段ではこれらの値から表面プロフィールを算出する。
【0030】
なお、距離計の種類としては接触式の距離計あるいはレーザ、渦電流、超音波等を利用した非接触式の距離計でもよく、被測定物22及び測定環境に応じて適当なものを用いることができる。又、固定式距離計の個数は5個に限定されるものではなく、被測定物表面プロフィールの特性及び移動式距離計の個数等によって3個以上の適当な数に選定することができる。又、移動式距離計の個数や配置間隔も被測定物表面の全面を測定できる限りにおいては、適当に選択することができる。
【0031】
以下、図2〜図8に基づいて第1実施形態による表面プロフィール測定方法を説明する。以下では、被測定物表面22aに沿う座標をx(測定範囲0≦x≦L)、表面プロフィールを表わす座標をyとし、測定物表面22aに沿う各位置における表面プロフィールを2次元座標(x,y)で表わす。
【0032】
予め移動式距離計取付台24を、例えば図1の左端(x=0)に移動しておき、距離計移動手段28により、これを図1の右方向に距離Lまで移動させながら、移動式距離計20A、20B、20C及び固定式距離計20D、20E、20F、20G、20Hで被測定物表面22aまでの距離を測定する。
【0033】
図2に示すように、5個の固定式距離計20D、20E、20F、20G、20Hの測定値y1、y2、y3、y4、y5が得られたとする。これより、図3に示すように、両端部を基準(0)とした表面プロフィールの骨子となる5個の離散点Q1(0,0)、Q2(L/4,q2)、Q3(L/2,q3)、Q4(3L/4,q4)、Q5(L,0)を算出する。ここで、q2、q3、q4は次の(10)、(11)、(12)式から算出される。
【0034】
q2=y2−(y1×3+y5)/4 …(10)
q3=y3−(y1+y5)/2 …(11)
q4=y4−(y1+y5×3)/4 …(12)
【0035】
そして、5点Q1、Q2、Q3、Q4、Q5を通る図4に示すような2次曲線P1(x)を最小自乗法で求める。
【0036】
一方、移動式距離計20A、20B、20Cに3点法を適用して並進誤差及びピッチング誤差を除去し、図5に示すような表面プロフィールP2(x)(0≦x≦L)を求める。前に述べたように、この表面プロフィールP2(x)は実際の表面プロフィールの2次成分形状を正しく表わしていない。そこで、表面プロフィールP2(x)から2次関数成分を除去したP2′(x)を算出する。
【0037】
即ち、まずP2(x)の図6に示すような2次成分P* 2(x)を最小自乗法で求める。これは、表面プロフィールP2(x)に2次関数を最小自乗フィッティングしたものをP* 2(x)とすればよい。
【0038】
次に、図7に示すように、P2′(x)=P2(x)−P* 2(x)としてP2(x)から2次関数成分を除去したP2′(x)を算出する。次に、両端の点P2′(0)、P2′(L)が0になるようにP2′(x)のレベリングを行う。
【0039】
求める表面プロフィールm(x)は、m(x)=P2′(x)+P1(x)として求められる。こうして求められた表面プロフィールm(x)を図8に示す。
【0040】
なお、上の例では移動式距離計の空間的低周波数成分を2次関数と見做してデータ処理する方法を示したが、2次関数でなく、例えば4次関数であっても良いし、又測定範囲を1周期とする三角関数(例えばcos )等であっても良く、本発明の主旨と相違しなければ差支えない。又、本実施形態ではP2(x)を求めるのに3点法を用いたが、並進誤差及びピッチング誤差を除去する方法であれば3点法に限定されるものではない。又、並進誤差及びピッチング誤差が無視できるような場合には、移動式距離計の数は3個ではなく例えば1個であっても差支えない。
【0041】
次に本発明の第2実施形態について説明する。
【0042】
図9は、本発明の第2実施形態に係る表面プロフィール測定装置の概略構成図である。
【0043】
図9に示すように、第2実施形態では測定範囲をLとするとき、距離計架台36上に等間隔でL/2で3個の固定式距離計30D、30E、30Fを配置し、6個の移動式距離計30A、30B、30Cと31A、31B、31Cを3個ずつ2組に分けて、これら2組の距離計を間隔L/2で移動式距離計取付台34上に設置している。移動式距離計取付台34は、距離計移動手段38により距離L/2だけ被測定物表面32aに沿って移動可能である。
【0044】
本実施形態では、固定式距離計30D、30E、30Fにより表面プロフィールの骨子となる3個の離散点Q1、(0、0)、Q2(L/2、y2−(y1+y3)/2)、Q3(L、0)を求めると共に(y1、y2、y3はそれぞれ固定式距離計30D、30E、30Fの測定値である)、3個の距離計30A、30B、30Cの測定値に3点法等を適用して区間0≦x≦L/2における表面プロフィールP21(x)を求め、3つの距離計31A、31B、31Cの測定値に3点法等を適用して区間L/2≦x≦Lにおける表面プロフィールP22(x)をそれぞれ求める。
【0045】
その後、P21(0)がQ1に、P21(L/2)がQ2に一致するようにP21(x)を平行移動あるいは回転移動し、又P22(L/2)がQ2に、P22(L)がQ3に一致するようにP22(x)を平行移動あるいは回転移動し、これらを単純に繋ぎ合わせれば各距離計の零点(オフセット量)の相違が解消された正確な表面プロフィールを得ることができる。
【0046】
このような手順で固定式距離計によって測定された離散点を基準として、移動式距離計のデータを連結することにより、各距離計の両端部のデータの誤差に拘らず、被測定物全長に亘る表面プロフィールが正確に求められる。
【0047】
なお、距離計移動手段による移動速度が一定と見做せない場合は、移動式距離計で測定した各々のデータが被測定物表面のどの位置で測定したものかがわかるように移動距離を検出し、それを距離計測定データと対応付ける手段を設ければ良い。
【0048】
又、距離計架台が測定中に熱変形をする等の理由により剛体と見做せない場合には、ワイヤやレーザ光線等を基準として測定架台自体の変形量を別途検出し、架台の変形量を補正して表面プロフィールを算出するようにすれば良い。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の更に具体的な実施例を示す。
【0050】
本実施例では、装置構成として図1に示したものを用いる。被測定物22としては、長さ2050mm(L=2050mm)の鉄鋼の圧延工程に用いる圧延ロールであり、固定式距離計及び移動式距離計としては、いずれも水柱式超音波距離計を、又距離計移動手段としては油圧シリンダを用いた。又、3個の移動式距離計の測定値から並進誤差及びピッチング誤差を除去するために3点法を用いた。
【0051】
本実施例による測定結果を図10に示す。図10において、本実施例による測定結果は太線Aで表わされており、又真の表面プロフィール(接触式距離計及びキャリパーで測定したもの)を細線Bで示す。又、従来法(固定式距離計を使わない方法)による測定結果を破線Cで示す。図10が示すように従来法では検出不可能であった圧延ロールの中央部の膨み(ロールクラウン)は本実施例による装置及び方法によって精度良く測定できることがわかる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明によれば、従来の移動式距離計による測定値に加え、被測定物表面プロフィールの空間的低周波数成分を求めるため、3個以上の固定式距離計による測定値を用い、この固定式距離計による離散的な測定値を基準として移動式距離計の測定値を補正するようにしたため、従来法では測定誤差の大きかった空間的低周波数成分を含め、正確な表面プロフィールを測定することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表面プロフィールの測定装置の概略構成図
【図2】第1実施形態の固定式距離計の測定値を示すグラフ
【図3】同じく固定式距離計の測定値から得られた離散点を示すグラフ
【図4】図3の離散点を2次曲線で近似した線図
【図5】第1実施形態の移動式距離計の測定値を示す線図
【図6】図5に示す測定値から求めた2次成分を示す線図
【図7】図5の測定値から2次関数成分を除去した表面プロフィールを示す線図
【図8】第1実施形態によって求められた表面プロフィールを示す線図
【図9】本発明の第2実施形態に係る表面プロフィール測定装置の概略構成図
【図10】本発明の1実施形態による測定結果を示す線図
【図11】従来の表面プロフィール測定装置を示す概略構成図
【図12】表面プロフィール測定における測定誤差を示す模式図
【図13】従来の表面プロフィール測定装置による3点法の測定原理を示す模式図
【図14】従来の別の表面プロフィール測定方法の測定装置を示す模式図
【図15】従来の別の表面プロフィール測定方法における表面プロフィール測定データを示すグラフ
【図16】従来の別の表面プロフィール測定方法における表面プロフィール測定データを示すグラフ
【符号の説明】
20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20H…距離計(変位検出器)
22…被測定物
22a…被測定物表面
24…移動式距離計取付台
26…距離計架台
28…距離計移動手段
Claims (4)
- 被測定物に対し、該被測定物の表面測定方向に沿ってその両端を含む3ヶ所以上の位置に固定された3個以上の固定式変位検出器によって各固定式変位検出器から前記被測定物の表面までの距離を測定し、これらの測定値をもとに該被測定物の表面プロフィールの概形P1(X)を求めると共に、
前記被測定物の表面測定方向に沿って移動する1個以上の移動式変位検出器によって、前記表面全体について該移動式変位検出器から該表面までの距離を測定し、この測定値から前記被測定物の表面プロフィールの候補P2(X)を求め、該表面プロフィールの候補P2(X)の空間的低周波数成分が前記表面プロフィールの概形P1(X)に一致するように表面プロフィールの候補P2(X)を補正することにより、前記被測定物の表面プロフィールを求めることを特徴とする表面プロフィール測定方法。 - 被測定物に対し、該被測定物の表面測定方向に沿って、その両端を含む3ヶ所以上の位置に固定的に配置され、前記表面までの距離を測定する3個以上の固定式変位検出器と、
前記被測定物の表面測定方向に沿って移動する変位検出器取付台に取り付けられ、前記表面までの距離を測定する1個以上の移動式変位検出器と、
前記固定式変位検出器及び移動式変位検出器の測定値からそれぞれ表面プロフィールの概形P1(X)および表面プロフィールの候補P2(X)を求め、表面プロフィールの候補P2(X)の空間的低周波数成分が表面プロフィールの概形P1(X)に一致するように表面プロフィールの候補P2(X)を補正することにより表面プロフィールを算出する演算手段と、
を備えたことを特徴とする表面プロフィール測定装置。 - 請求項2において、前記固定式変位検出器をほぼ等間隔で3個以上配置し、前記変位検出器取付台上に3個の移動式変位検出器を短い間隔でほぼ等間隔に取り付けたことを特徴とする表面プロフィール測定装置。
- 請求項2において、前記固定式変位検出器を被測定物の測定範囲の両端及び中央に各1個ずつ配置し、前記変位検出器取付台上両端に、それぞれ3個1組の移動式変位検出器を、各組の中央の変位検出器同士の間隔が被測定物の測定範囲の1/2となるように取り付けたことを特徴とする表面プロフィール測定装置。
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