JP3620218B2 - 歯車検査装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定ギアのOBD,歯溝の振れ,打痕を短時間に測定し、製品の良否を判定すると共に、修正可能な被測定ギアの打痕位置にマーキングを自動的に行う歯車検査装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯車の良否を判定する判定項目としてはOBD(オーバボールダイアメータ)の値,歯溝の振れ,および打痕の有無が一般に挙げられる。これ等を測定して製品歯車の良否を決める装置としては従来より各種のものが開示され、例えば、特開平3−25335号公報や特開平6−185959号公報が挙げられる。
【0003】
特開平3−25335号公報の「ギヤの噛合試験装置」はワークギヤ(2)とマスターギヤ(1)とを噛合させ、ワークギヤ(2)のワーク支持部材(4)の支持軸部(5)とマスターギヤ支持軸(3)との軸間距離の変化を軸間変位センサ(11)で検出し、この出力に基づいてワークギヤ(2)の異常を検知するものであり、具体的にはワーク支持部材(4)の端面受部に凸部又は凹部を所定数形成する一方、軸間変位センサにより検出される検出波形と前記凸部又は凹部に基づく波形パターンとを比較し、その異同判定によってワークギヤ(2)の歯面および端面の異常を判別するものである。
【0004】
一方、特開平6−185959号公報の「ギヤ付きシャフトの矯正装置、及び、ギヤ付きシャフトの製造方法」はギヤ付きシャフトのシャフト部の歪み量やギヤ部の偏心量,オーバボールダイヤメータ(OBD)並びに打痕を測定し、その測定結果によってギヤ付きシャフトの良否を判断すると共に、シャフト部の歪を矯正し、矯正後に再度各測定を行って製品の良否を判断する一連の測定,矯正手段をコンパクトにまとめて省スペース化,設備コストの低廉化を図ることを目的としたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平3−25335号公報では、前記のように凸部又は凹部に基づく波形パターンとワークギヤ(2)の検出波形による波形パターンとを比較してワークギヤ(2)の良否を判断するもので判断回路構造が複雑なものになり、設備コストが大となる問題点がある。また、その第1図に示すように、軸間変位センサ(11)としてマスターギヤ(1)に直接接触する接触タイプのセンサが使用されている。接触タイプのセンサは接触部が摩耗するため適宜頻度で摩耗分の補正が必要になり面倒である。また、装置の振動の影響を受け易く正確な測定ができない問題点がある。更に、異種ワークの場合にはワークギヤ(2)とマスターギヤ(1)の軸間距離が変化するため接触センサの段取り調整が必要になり、装置の稼動率が低下する等の問題点がある。また、この技術では打痕の有無の判断は可能であるが、打痕位置のマーキングに関しては全く開示されていない。
【0006】
一方、特開平6−185959号公報はシャフト部の歪みや歯面の振れ,OBD,打痕についても正確に判断することができるが、装置構造が極めて複雑であり、演算するためのコンピュータのソフトも大掛かりであり、かつ測定時間もかなり長くなり測定効率が悪い問題点がある。当然に設備コストも高い。更に、被測定物はギヤ付きシャフトに限定される。また、前記公知技術と同様に、打痕の発生した位置のマーキングについては全く開示されていない。
【0007】
本発明は、以上の事情に鑑みて創案されたものであり、センサを非接触タイプとして段取り換えの容易化を図ると共に、被測定ギアのOBD,振れ,打痕を正確に、かつ短時間に測定でき、シーケンス制御も比較的簡単なものからなり、コスト低減が図れ、更に、打痕の手直しを容易にすべく打痕位置にマーキングを行うようにした歯車検査装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、被測定ギアを装置本体側に着脱可能に枢支するワーク保持機構部と、前記装置本体上に往復動可能に支持され、前記被測定ギアに噛合するマスタギアを枢支する移動ブロックと、該移動ブロックの駆動手段と、前記マスタギアを回転駆動するブレーキ付きモータと、前記被測定ギアと噛合したマスタギアの動きを検出する非接触センサと、該マスタギアの回転位置を検出する回転位置検出センサと、前記被測定ギアの打痕位置にマーキングをするマーキング手段と、前記非接触センサに係合し、その検出信号に基づく演算値から被測定ギアのOBD(オーバボールダイアメータ),振れ,打痕の良否を判断すると共に打痕位置において前記マーキング手段を動作すべく回路形成されるシーケンス回路とを有する歯車検査装置を構成するものである。更に具体的に、前記シーケンス回路が、前記非接触センサによって検出された前記マスタギアの移動量のうち波形の移動量の最大値と最小値との差から振れを求め、OBD値が既知の被測定ギアとマスタギアとの噛合時の距離と測定対象の被測定ギアとマスタギアとの噛合時の距離との差からOBDを求め、かつ前記マスタギアの移動量から前記波形の移動量を除去した残りの値から打痕を求めるように構成されると共に、これ等の演算値と基準値を比較して製品の良否を判定し、更に、打痕の発生している位置を記憶すべく回路構成され、前記打痕は、被測定ギアの2回転目の測定においても同一の場所で同様の値の振れが生じている場合にのみこれを打痕として認めることを特徴とし、前記シーケンス回路は、被測定ギアの少なくとも2回転により前記振れの測定を完了し、次の3回転目で前記打痕位置にマーキングすべくマーキング手段をコントロールすべく回路形成され、かつ打痕位置の手前で前記ブレーキ付きモータのブレーキを作動して前記打痕位置で被測定ギアを停止させるべく回路形成されることを特徴とする。
【0009】
また、被測定ギアを装置本体側に着脱可能に枢支するワーク保持機構部と、前記装置本体上に往復動可能に支持され、前記被測定ギアに噛合するマスタギアを枢支する移動ブロックと、該移動ブロックの駆動手段と、前記マスタギアを回転駆動するブレーキ付きモータと、前記被測定ギアと噛合したマスタギアの動きを検出する非接触センサと、該マスタギアの回転位置を検出する回転位置検出センサと、前記被測定ギアの打痕位置にマーキングをするマーキング手段と、前記非接触センサに係合し、その検出信号に基づく演算値から被測定ギアのOBD(オーバボールダイアメータ),振れ,打痕の良否を判断すると共に打痕位置において前記マーキング手段を動作すべく回路形成されるシーケンス回路を設けた歯車検査装置による検査方法であって、被測定ギアを前記ワーク保持機構部にセットする第1の手順と、前記移動ブロックを被測定ギア側に移動し前記マスタギアと被測定ギアを噛合させる第2の手順と、OBD値が既知の被測定ギアとマスタギアとの噛合時の距離と測定対象の被測定ギアとマスタギアとの噛合時の距離との差を前記非接触センサで検出してOBDを求め、そのOBDの良否を判定して良品を選出する第3の手順と、前記ブレー付きモータを駆動して少なくとも前記被測定ギアを2回転させ、その間におけるマスタギアの振れの動きを前記非接触センサで検出し、その振れの最大値と最小値の差から被測定ギアの振れを求め、その振れの良否を判定して良品を選出する第4の手順と、選出された良品の振れを周波数フィルタで除去し、残った振れの値を求め、この振れの値が繰り返し同一の場所で発生した場合に打痕とする第5の手順と、打痕修正の可能な前記被測定ギアを回転しながら、打痕位置で被測定ギアをその都度停止させて該被測定ギアにマーキングを行う第6の手順とを行う歯車検査方法を特徴とする。また、前記被測定ギアの歯数に対し前記マスタギアの歯数が多い場合には、少なくともマスタギアを1回転させて前記測定を行うことを特徴とするものである。
【0010】
振れ,OBDの値が良品レベルに形成され、かつ原則として打痕のないマスタギアと被測定ギアとを噛合させ、ブレーキ付きモータでマスタギアを回転させ、少なくとも被測定ギアを2回転させる。その間に、マスタギアに係合する非接触センサにより被測定ギアの精度に起因して移動するマスタギアの移動量を検出する。この検出信号がシーケンス回路に入力されると、所定の振れ,OBD,打痕に関する演算が行われる。基準値との比較が行われ、振れ,OBDについては基準値をオーバしたものは不良品となるが、打痕については修正を行って良品とする。この修正をやり易くするため打痕発生位置はマーキングされる。なお、打痕位置に正しくマーキング手段をセットするために、ブレーキ付きモータにより打痕位置前にブレーキが作動し、シーケンス回路の応答遅れを補完して正しい打痕位置にマーキング手段をセットするようにしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の歯車検査装置及び方法の実施の形態を図面を参照して詳述する。図1は本発明の歯車検査装置の概要構造を示す。歯車検査装置1は、大別して装置本体側であるベース台2と、ベース台2上に矢印A方向に沿って往復動可能に支持される移動ブロック3と、移動ブロック3に枢支され、図の上方側にマスタギア4を固定する回転軸5と、該回転軸5を駆動するブレーキ付きモータ6と、前記移動ブロック3を矢印A方向に移動させる駆動手段7と、被測定ギア13をベース台2側に枢支するワーク保持機構部8と、被測定ギア13と噛合しているマスタギア4の動きを検出する非接触センサ9と、装置全体のシーケンスコントロールを行うシーケンス回路11と、打痕位置にマーキングをするためのマーキング手段10等とからなる。
【0012】
マスタギア4はOBD,振れが基準値に形成された歯車からなり、原則として打痕が皆無のものからなる。回転軸5を介してマスタギア4を回転駆動するブレーキ付きモータ6は、マスタギア4を回転駆動すると共に所望の位置に正確に停止させるもので、モータの停止はブレーキ作動から一定時間後に行われるため、この遅れ時間だけ早い時期にブレーキ操作を行うことによりモータ停止位置を所望の停止位置に正確に位置決めさせることができる。また、マスタギア4には回転位置検出センサ12(図2)が配設される。なお、図示ではマスタギア4の1回転を検出するものが配設されているが、これに限定するものでない。
【0013】
駆動手段7はマスタギア4の回転軸5を枢支するベアリングホルダ14に一端側を連結し他端側を浮動ジョイント15に連結するシャフト16と、ベース台2側に固定されるシリンダ17と浮動ジョイント15との間に架設されるロッド18とからなる。なお、ロッド18は移動ブロック3に固定されるガイド板19に摺動可能に支持される。また、ロッド18にはストッパ部材20が固定され、浮動ジョイント15とガイド板19間にはスプリング21が介設される。なお、スプリング21はマスタギア4を被測定ギア13側に圧接する向きに付勢すべく作用する。
【0014】
非接触センサ9は、ベース台2側に固定されるセンサ本体9aと、センサ本体9aに適宜間隙を常に保持すべく移動ブロック3側に固定されるブロック板22等とからなる。また、マスタギア4の回転を検出する回転位置検出センサ12はマスタギア4に固定される固定ブロック23と、これと非接触に相対向して配置され移動ブロック3側に固定される非接触センサ部24とからなる。
【0015】
ワーク保持機構部8は、被測定ギア13を固定保持するコレット型拡張ドローバ25と、この枢支部26と、コレット型拡張ドローバ25を作動するエアシリンダ27と、エアシリンダ27にエアを送出入するためのロータリジョイント28等とからなる。
【0016】
マーキング手段10は、被測定ギア13の歯部に近接して配置されるポイントマーカ部10aと、ポイントマーカ部10aにインクを供給して捺印を行わせると共にこれを上下動させる本体10bとからなり、シーケンス回路11に連結される。
【0017】
以上の構造により、駆動手段7のシリンダ17を動作することにより、ロッド18が前進し、ストッパ部材20がガイド板19に当る。これにより、移動ブロック3が前進し、マスタギア4が被測定ギア13に噛合する。この状態で非接触センサ9のセンサ本体9aとブロック板22とは微少間隙を介して相対向して配置され、また、回転位置検出センサ12の固定ブロック23を非接触センサ部24と相対向する位置に配置させる。
【0018】
ここでブレーキ付きモータ6を回転させることによりマスタギア4が回転し、これに噛合する被測定ギア13も回転する。被測定ギア13に振れがあると被測定ギア13の回転に伴ってマスタギア4が往復動し、非接触センサ9の前記間隙の値が変化する。これにより、被測定ギア13に振れがあることが検出される。また、被測定ギア13に打痕があると、打痕の位置でマスタギア4が振れ、打痕が検出される。一方、非接触センサ部24と固定ブロック23とによりマスタギア4の1回転を確認することができる。後に説明するが、被測定ギア13の振れ,打痕の測定はこれ等の測定値を高精度に検出するため、被測定ギア13を2回転させて行う。また、マスタギア4と被測定ギア13との歯数比の如何に拘らず、打痕の測定精度を高めるためにマスタギア4は少なくとも1回転させて打痕測定を行う。
【0019】
図3及び図4はOBDを求める方法を示す模式図である。まず、OBDの既知の被測定ギア13aとマスタギア4とを噛合させて非接触センサ9で距離aを検出する。次に、固定点Oを一致させて測定対象の被測定ギア13と被測定ギア13aとを交換し、被測定ギア13とマスタギア4とを噛合させ、被接触センサ9で距離bを求める。前記aとbとの差からOBDを求めることができる。
【0020】
図5は、振れ,打痕をシーケンス回路11により演算するためのベースを簡単に説明するための線図である。図5(a)に示すように、非接触センサ9による検出波形はB曲線のような波形となる。打痕があると打痕の分だけ余分に振れるため図示のように波形の一部に突出した振れ29が生ずる。この波形において、被測定ギア13の振れは、B曲線の波形の最大値と最小値との差の図示の寸法cで求められる。一方、打痕は突出した振れ29の寸法dが図5(b)に示す設定レベルよりも大きい場合に打痕があると見做すが、図5(a)の状態のままでは突出した振れ29の寸法dを正確に求めることが難しい。そのため、波形を消去する周波数フィルタを介して図5(a)を整理する。これにより、図5(b)のように、突出した振れ29のみをクローズアップすることができ、設定レベルよりも大きい打痕の発生と、その発生場所を検出することができる。
【0021】
次に、本発明の歯車検査装置1による被測定ギア13のOBDの検査方法を図3,図4,および図6のフローチャートにより説明する。まず、OBDの測定済の被測定ギア13aを定位置に固定し(ステップ100)、これにマスタギア4を噛合させ(ステップ101)、距離aを求める(ステップ102)。OBDの不明の被測定ギア13を前記定位置に固定し(ステップ103)、マスタギア4と噛合させ(ステップ104)、距離bを求める(ステップ105)。aおよびbを比較して被測定ギア13の良否を判定する(ステップ106)。不良品は廃却され(ステップ107)、良品は振れ,打痕の測定に進む(ステップ108)。
【0022】
次に、本発明の歯車検査装置1による被測定ギア13の振れおよび打痕の検査方法を図7のフローチャートにより説明する。まず、ワーク保持機構部8により被測定ギア13をベース台2上の所定位置に固定する(ステップ200)。次に、駆動手段7によりマスタギア4を移動し(ステップ201)、被測定ギア13とマスタギア4とを噛合させる(ステップ202)。ブレーキ付きモータ6を作動し(203)、非接触センサ9によりマスタギア4の動きを検出する(ステップ204)。シーケンス回路11により検出値を基に所定の演算を行い(ステップ205)、振れを求める(ステップ206)。次に、これ等の演算値と基準値とを比較し、製品の良否の判定を行う(ステップ207)。振れが基準値をオーバしたものを不良品として廃却する(ステップ208)。振れの合格の被測定ギア13の振れ波形を周波数フィルタで除去し(ステップ209)、打痕位置を検出する(ステップ210)。2回転目の測定による打痕位置が1回転目と一致したか否かを検出し(ステップ211)、Yes(一致した場合)には打痕検出とする(ステップ212)。No(一致しない場合)は打痕でないとする(ステップ213)。打痕が基準値を越えるものを打痕不良として選出し(ステップ214)、その打痕位置にマーキングを行う(ステップ215)。次にマーキング位置にある打痕を修正する(ステップ216)。以上により、良品を選出又は手直しすることができる。
【0023】
次に、シーケンス回路11による演算および制御方法を図8のブロック図により説明する。まず、前記した方法によってOBD測定部30により被測定ギア13のOBDの合格(OK)または不合格(NG)が決められ、NGの被測定ギア13は廃却され、OKのものは振れ測定部31側に送られる。次いで、前記のように非接触センサ9により変位波形を求め、シーケンス回路11の振れ測定部31により振れの合格(OK)または不合格(NG)を決める。NGの被測定ギア13は廃却され、OKのものは打痕検出側に送られる。打痕検出側に送られてきた被測定ギア13は、振れ波形を周波数フィルタ32により除去され、前記した方法により打痕が検出され、打痕の有無が決められる。無のものはそのまま製品となり、有のものは前記した方法により打痕修正され、製品となる。
【0024】
次に、図9のフローチャートにより、打痕位置のマーキングについて説明する。予め、打痕位置をシーケンス回路11で検出し記憶する(ステップ300)。次に、マスタギア4を回転させ被測定ギア13を少なくとも1回転させ、その回転中に打痕位置を検出し(ステップ301)、打痕位置に相当する位置の手前でブレーキ付きモータ6のブレーキを作動する(ステップ302)。手前でブレーキを作動させることにより応答遅れがキャンセルされ、被測定ギア13は所定の打痕位置で停止する(ステップ303)。ここでマーキング手段を作動し、被測定ギア13の打痕のある歯面にマーキングを行う(ステップ304)。次に、被測定ギア13が1回転したか否かを確認し(ステップ305)、Yes(1回転した)の場合はマーキング作業を終了し、Noの場合はステップ302に戻り、同様のステップを行う。
【0025】
以上の説明のように、本発明の歯車検査装置1による被測定ギア13の検査は、被測定ギア13を2回転する間にその振れ,打痕を確実に検出するもので極めて測定時間が短い。また、非接触タイプのセンサを使用するため、センサの摩耗等によるエラーも少ない。また、打痕位置を記憶し、被測定ギア13の次の1回転のうちに打痕位置にマーキングを行うためマーキング作業が短時間で行われる。また、打痕位置がマーキングされるため、打痕の手直しが容易に行われる。また、マスタギア4は回転位置検出センサ12により1回転が確実に検出される。なお、マスタギア4を被測定ギア13との歯数比に限らず少なくとも1回転させるのは、マスタギア4に誤ってゴミ等が付着した場合に、これを打痕として誤認することを防ぐためである。従って、被測定ギア13の歯数がマスタギア4の歯数の1/2以下の場合には本発明による被測定ギア13の測定はマスタギア4が少なくとも1回転する必要性から被測定ギア13を2回転以上回転して測定を行うことが望ましい。一方、図1に示した歯車検査装置1においてスプリング21を使用しているのは被測定ギア13とマスタギア4との間に所定の押圧力を付加して両者の噛合をより確実にするためである。また、図1に示した装置構造は、前記したようにその概要構造を示すもので、細部の構造については公知技術が適用され、図示の構造に限定するものではない。
【0026】
【発明の効果】
1)本発明の請求項1に記載の歯車検査装置によれば、被測定ギアの振れ,OBD,打痕の検出を非接触センサを用いて行うため、センサ摩耗によるエラーの発生がなく、高精度の検出ができると共に、被測定ギアの種類が変っても段取り換えが容易にでき、装置の稼動率の向上が図れる。また、振れやOBDが基準値外のものが除去され、製品の選別が確実に行われる。また、打痕が設定レベル以上のものについてはその位置がマーキングされるため、打痕修正は極めて容易に行われる。
2)本発明の請求項2に記載の歯車検査装置によれば、被測定ギアを2回転させる間に振れ,打痕の検出が行われるようにシーケンス回路が構成されているため短時間で測定が行われる。これにより、測定効率の向上が図れる。また、シーケンス回路の構成も比較的簡便なものでよく、安価に実施できる。
3)本発明の請求項3に記載の歯車検査装置によれば、打痕位置が予め検出記憶され、被測定ギアの2回転による測定終了後の次の3回転目に打痕位置ごとに被測定ギアは位置決め停止されてマーキングされるように構成されるため、打痕検出が短時間に行われ、かつ打痕位置が明確化される。これにより、打痕修正が容易に行われる。
4)本発明の請求項4に記載の歯車検査方法によれば、被測定ギアのOBD,振れ,打痕の測定がシーケンス回路の構成に従って順次正確に、かつ短時間で行われ、良否の判定も確実に行われ、打痕不良の被測定ギアの選出とその打痕位置のマーキングが確実に行われる。以上により、測定時間の短縮と、打痕修正時間の短縮化が図れる。
5)本発明の請求項5に記載の歯車検査方法によれば、マスタギアと被測定ギアの歯数比に無関係に少なくともマスタギアを1回転させて被測定ギアの測定を行うため、マスタギアに付着したゴミ等の原因に基づく打痕検出の誤認が防止され、正確な打痕検出が行われる。
【図略の簡単な説明】
【図1】本発明の歯車検査装置の概要構造を示す側断面図。
【図2】図1の上面図。
【図3】本発明の歯車検査装置によるOBDの測定方法を説明するための模式図。
【図4】本発明の歯車検査装置によるOBDの測定方法を説明するための模式図。
【図5】本発明における振れ,打痕を演算するためのベースを説明するための線図。
【図6】本発明の歯車検査装置による被測定ギアのOBDの測定方法を説明するためのフローチャート。
【図7】本発明の歯車検査装置による被測定ギアの振れ,打痕の測定方法を説明するためのフローチャート。
【図8】本発明の歯車検査装置のシーケンス回路の構成を説明するためのブロック図。
【図9】本発明の歯車検査装置のマーキング方法を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1 歯車検査装置
2 ベース台
3 移動ブロック
4 マスタギア
5 回転軸
6 ブレーキ付きモータ
7 駆動手段
8 ワーク保持機構部
9 非接触センサ
9a センサ本体
10 マーキング手段
10a ポイントマーカ部
10b 本体
11 シーケンス回路
12 回転位置検出センサ
13 被測定ギア
13a 被測定ギア(OBD既知のもの)
14 ベアリングホルダ
15 浮動ジョイント
16 シャフト
17 シリンダ
18 ロッド
19 ガイド板
20 ストッパ部材
21 スプリング
22 ブロック板
23 固定ブロック
24 非接触センサ部
25 コレット型拡張ドローバ
26 枢支部
27 エアシリンダ
28 ロータリジョイント
29 突出した振れ
30 OBD測定部
31 振れ測定部
32 周波数フィルタ

Claims (5)

  1. 被測定ギアを装置本体側に着脱可能に枢支するワーク保持機構部と、前記装置本体上に往復動可能に支持され、前記被測定ギアに噛合するマスタギアを枢支する移動ブロックと、該移動ブロックの駆動手段と、前記マスタギアを回転駆動するブレーキ付きモータと、前記被測定ギアと噛合したマスタギアの動きを検出する非接触センサと、該マスタギアの回転位置を検出する回転位置検出センサと、前記被測定ギアの打痕位置にマーキングをするマーキング手段と、前記非接触センサに係合し、その検出信号に基づく演算値から被測定ギアのOBD(オーバボールダイアメータ),振れ,打痕の良否を判断すると共に打痕位置において前記マーキング手段を動作すべく回路形成されるシーケンス回路とを有することを特徴とする歯車検査装置。
  2. 前記シーケンス回路が、前記非接触センサによって検出された前記マスタギアの移動量のうち波形の移動量の最大値と最小値との差から振れを求め、OBD値が既知の被測定ギアとマスタギアとの噛合時の距離と測定対象の被測定ギアとマスタギアとの噛合時の距離との差からOBDを求め、かつ前記マスタギアの移動量から前記波形の移動量を除去した残りの値から打痕を求めるように構成されると共に、これ等の演算値と基準値を比較して製品の良否を判定し、更に、打痕の発生している位置を記憶すべく回路構成され、前記打痕は、被測定ギアの2回転目の測定においても同一の場所で同様の値の振れが生じている場合にのみこれを打痕として認めることを特徴とする請求項1に記載の歯車検査装置。
  3. 前記シーケンス回路は、被測定ギアの少なくとも2回転により前記振れの測定を完了し、次の3回転目で前記打痕位置にマーキングすべくマーキング手段をコントロールすべく回路形成され、かつ打痕位置の手前で前記ブレーキ付きモータのブレーキを作動して前記打痕位置で被測定ギアを停止させるべく回路形成されることを特徴とする請求項2に記載の歯車検査装置。
  4. 被測定ギアを装置本体側に着脱可能に枢支するワーク保持機構部と、前記装置本体上に往復動可能に支持され、前記被測定ギアに噛合するマスタギアを枢支する移動ブロックと、該移動ブロックの駆動手段と、前記マスタギアを回転駆動するブレーキ付きモータと、前記被測定ギアと噛合したマスタギアの動きを検出する非接触センサと、該マスタギアの回転位置を検出する回転位置検出センサと、前記被測定ギアの打痕位置にマーキングをするマーキング手段と、前記非接触センサに係合し、その検出信号に基づく演算値から被測定ギアのOBD(オーバボールダイアメータ),振れ,打痕の良否を判断すると共に打痕位置において前記マーキング手段を動作すべく回路形成されるシーケンス回路を設けた歯車検査装置による検査方法であって、被測定ギアを前記ワーク保持機構部にセットする第1の手順と、前記移動ブロックを被測定ギア側に移動し前記マスタギアと被測定ギアを噛合させる第2の手順と、OBD値が既知の被測定ギアとマスタギアとの噛合時の距離と測定対象の被測定ギアとマスタギアとの噛合時の距離との差を前記非接触センサで検出してOBDを求め、そのOBDの良否を判定して良品を選出する第3の手順と、前記ブレー付きモータを駆動して少なくとも前記被測定ギアを2回転させ、その間におけるマスタギアの振れの動きを前記非接触センサで検出し、その振れの最大値と最小値の差から被測定ギアの振れを求め、その振れの良否を判定して良品を選出する第4の手順と、選出された良品の振れを周波数フィルタで除去し、残った振れの値を求め、この振れの値が繰り返し同一の場所で発生した場合に打痕とする第5の手順と、打痕修正の可能な前記被測定ギアを回転しながら、打痕位置で被測定ギアをその都度停止させて該被測定ギアにマーキングを行う第6の手順とを行うことを特徴とする歯車検査方法。
  5. 前記被測定ギアの歯数に対し前記マスタギアの歯数が多い場合には、少なくともマスタギアを1回転させて前記測定を行うものである請求項4に記載の歯車検査方法。
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