JP3807829B2 - クランクシャフトの自動測定装置及びその測定方法 - Google Patents

クランクシャフトの自動測定装置及びその測定方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械加工されたクランクシャフトの輪郭や長手方向寸法等の複数の測定項目を短時間で測定可能なクランクシャフトの自動測定装置及びその測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関に用いられるクランクシャフトは、機械加工された後に各寸法が許容範囲以内に入っているかをチェックするために、必要な測定項目を各項目毎の専用測定装置により測定している。このような各項目毎の専用測定装置に関しては、従来から様々な技術が提案されている。
【0003】
例えば、実開平6−53913号公報では、回転するワーク(例えば、クランクシャフト等)の所定の測定位置における加工された軸の外周面に電気マイクロメータの測定子を当接させてこの軸の直径方向の変位量をワークが1°回転する毎に測定し、測定したデータに基づいて半円法によって軸の真円度を算出し、ワークの良否を検査する自動真円度検査装置が開示されている。
【0004】
また、実公平8−9604号公報では、測定治具板にクランク軸(本願では、クランクシャフトと言う)を第1の回転姿勢に位置決め固定した状態でクランク軸の複数のクランクピン間の位相を測定し、また同測定治具板にクランジ軸を第2及び第3の回転姿勢に位置決め固定した状態で前記複数のクランクピンの軸間距離を測定するようにした寸法測定治具であって、前記測定治具板上にスライド自在に載置される治具本体と、この治具本体に上下動自在に支持されて前記クランク軸のクランクピンに横方向より当接可能なVブロックと、前記治具本体に揺動可能に軸支され、前記第1の回転姿勢に在るクランク軸のクランクピンに当接し得る高さに前記Vブロックが在る時にそのVブロックに係合して該Vブロックの上下動をいったん部の横変位に変換し得る第1アームと、同じく治具本体に揺動可能に軸支され、前記第2又は第3の回転姿勢に在るクランク軸のクランクピンに当接し得る高さに前記Vブロックが在る時にそのVブロックに係合して該Vブロックの上下動を一端部の横変位に変換し得る第2アームと、前記第1アーム一端部の横変位を測定し得るよう前記治具本体に略水平な姿勢で装着されて上向きの表示面を有する第1ダイヤルゲージと、前記第2アーム一端部の横変位を測定し得るよう前記治具本体に略水平な姿勢で装着されて上向きの表示面を有する第2ダイヤルゲージと、前記治具本体に位置調節可能に固定されて前記Vブロックを弾性体を介してフローティング支持するストッパとを備えたクランク軸の寸法測定治具が開示されている。これにより、クランクピン間の位相及び軸間距離(本願では、ピン1/2 ストロークと言う)を精密に測定可能としている。
【0005】
さらに、特開昭59−184814号公報には、クランクシャフトの長手方向(すなわち、軸方向)位置を固定して載置する架台と、その受光素子配列方向を前記クランクシャフトの長手方向と直行する方向として前記架台の一側方に配設された1次元イメージセンサと、前記架台の他側方に前記イメージセンサと相対して配設された光源と、前記架台と前記イメージセンサとの相対位置を前記架台に載置されたクランクシャフトの長手方向に沿って変更させる手段と、この相対移動量を検出する手段と、該検出手段及び前記イメージセンサによる検出結果を基にクランクシャフトの所定部分の長手方向寸法を算出する演算回路とを具備するクランクシャフト用測長装置が開示されている。これによって、人間の目視検査による官能検査で行っていた長手方向寸法測定を、正確に測定できるようにしている。
【0006】
また、実開昭55−6825号公報には、測定すべきクランクシャフトの両端を回転自在に支持する支持台と、これら支持台の少なくとも一方に設けられ、上記クランクシャフトの回転角度を測定するエンコーダと、上記クランクシャフトの長手方向及び接離方向に移動でき、かつ移動量をマグネスケールなどの測定手段により測定可能な測定台と、この測定台上に設けられ、クランクシャフトの測定部に当接自在な基準円板と、上記測定部の上方及び基準円板の反対側において測定部へ当接し、測定部の寸法を測定する複数個の測定具とを具備してなるクランクシャフト測定装置が開示されている。この測定装置によって、クランクシャフトの曲がり(ここでは、ジャーナル部の振れ)、ジャーナル部とピン部との各軸間距離のピン半ストローク(本願のピン1/2 ストロークに相当)、各ピン部の基準ピンに対するピン位相、各ピン部及び各ジャーナル部の径、及びその真円度を測定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の各測定装置では、クランクシャフトの加工精度が要求される項目の内の一部しか測定することができず、全項目を精度良く測定するには、複数の測定装置を用いて測定しなければならない。このために、測定装置を替える度にワークの取外し、取付け、及び測定の準備作業等を行う必要があり、段取換え時間が多くかかっている。この結果、1つのワークに対する全項目の測定時間が非常に多くかかって作業能率が良くないという問題が生じている。また、ワークの種類、形状及び大きさ等が異なると、その度に測定装置の治具等をワークに応じて変更しなければならない場合もあるので、多品種生産に対応できないという問題も生じている。
【0008】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、複数の異なる種類のワークに対応して複数の測定項目を1回の段取換えで短時間に、かつ確実に測定可能なクランクシャフトの自動測定装置及びその測定方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、請求項に記載の発明は、クランクシャフトAのワークの両端面に設けられたセンタ穴にセンタ12a,13aを挿入して回転自在に支持する支持ユニット10と、支持ユニット10に支持されたワークをセンタ12a,13aの軸心を中心に回転させる回転駆動手段14と、このワークの回転角度を検出する回転角度センサ15と、ワークの回転の軸心方向に対して垂直に移動自在な測定子32を有し、回転駆動手段14によるワークの回転に伴って、前記ワークのピン部61又はジャーナル部62の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面にこの測定子32の前端部の当接面32bを当接させながら追従駆動して動作し、前記回転の軸心方向に直交する方向の変位量を測定する輪郭測定ユニット30と、前記回転角度センサ15が検出したワークの回転角度、及びこの輪郭測定ユニット30が測定した前記変位量が入力され、所定の回転角度毎の変位量に基づいてワークの輪郭を演算により求める制御器50とを備えたクランクシャフトの自動測定装置において、前記回転の軸心方向に移動自在に設けられる共に、接触子43を有し、かつ、前記軸心方向に移動中にこの接触子43が前記ピン部61又はジャーナル部62の端面に接触したときに接触信号を出力する接触センサ42が設けられた長手測定ユニット40と、この長手測定ユニット40の接触子43の前記軸心方向の移動位置を検出して出力する第1位置センサ22とを付設し、前記制御器50は、前記ワークの輪郭として、少なくとも、ピン部61、ジャーナル部62これらのR溝底面の直径、真円度、真直度、さらには、ピン部61のピン1/2ストローク、ピン部61の位相角度、ジャーナル部62の偏心量求めると共に、長手測定ユニット40から接触信号を入力したとき第1位置センサ22から前記移動位置を入力してこの移動位置に基づいて前記ピン部61又はジャーナル部62の端面の幅寸法又は長手寸法を求めるようにしている。
【0012】
請求項に記載の発明によると、輪郭測定ユニットの測定子は、ワークの回転の軸心方向に対して直交する方向に移動自在であり、ワークの回転に伴ってワークの輪郭測定対象の外周面(例えば、クランクシャフトのピン部の円筒面)に常時当接するように追従駆動されるようになっている。したがって、ワークを回転させているとき、ワークの輪郭測定対象の外周面に前記測定子が常時当接し、かつ、ワークの回転の軸心方向に直交する方向の変位量が精度良く測定される。また、接触センサを前記回転の軸心方向に移動させてその接触子がワークの端面(例えば、クランクシャフトのピン部やジャーナル部の端面)に接触したとき、前記軸心方向の位置を第1位置センサから取り込んで前記端面の位置を検出し、この位置データに基づいて軸心方向(すなわち、長手方向)の位置が正確に検出される。この結果、一回の段取りを行うだけで、ランクシャフトのピン部、ジャーナル部これらのR溝底面の直径、真円度、真直度、さらには、ピン部のピン1/2ストローク、偏心量、位相角度等の輪郭を、そして、ピン部又はジャーナル部の端面の幅寸法及び/又は長手方向寸法(以後、長手寸法と言う)を、正確に測定することが可能となり、測定時間を短縮化することができる。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項1載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記輪郭測定ユニット30は、前記回転の軸心方向に移動自在に設けられ、かつ、前記ワークのピン部61又はジャーナル部62の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面に当接して前記回転の軸心方向に直交する方向に追従駆動される前記測定子32を備えた構成としている。
【0014】
請求項に記載の発明によると、輪郭測定ユニットはワークの回転の軸心方向に移動自在に設けられており(例えば回転の軸心方向に移動自在な水平テーブル上に取着される)、測定子をワークの任意の位置にある輪郭測定対象の各外周面(例えば、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円筒面)に当接させることが可能となる。また、ワークの回転に伴って、前記測定子は前記回転の軸心方向に直交する方向に追従駆動されるので、これらの外周面に常時当接される。したがって、ワークの種類により、輪郭測定部(例えば、ピン部やジャーナル部等)の軸心方向の位置が異なっていても、ワークを取り付けたままで測定子を各測定部の位置に移動させることが可能となる。よって、複数の異なる種類のワークに対応して測定可能となると共に、1回の段取換えを行うだけで、ワークの輪郭を精度良く測定することができ、測定時間を短縮化することが可能となる。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記輪郭測定ユニット30の測定子32は、前記回転の軸心方向とこの測定子32の移動方向とに直交し、かつ、前記ワークの回転に伴って前記ワークのピン部61が前記回転軸心を中心に回転するときにこのピン部61の前記円筒面に常時当接するような長さを有する前記当接面32bを有している。
【0016】
請求項に記載の発明によると、輪郭測定ユニットの測定子は、ワークの回転の軸心方向とこの測定子の移動方向とに直交し、かつ、このワークの回転に伴ってワークの輪郭測定対象の外周面(例えば、クランクシャフトのピン部の円筒面)に常時当接するような長さを有する直線状の当接面を有している。したがって、ワークが非円形形状をしていても、ワークを回転させているとき、ワークの輪郭測定対象の外周面に前記測定子が常時当接し、かつ、ワークの回転の軸心方向に直交する方向の変位量が精度良く測定される。この結果、一回の段取りを行うだけで、例えば、クランクシャフトのピン部、ジャーナル部又はこれらのR溝底面の直径、真円度、真直度、あるいは、ピン部のピン1/2 ストローク、偏心量、位相角度等の輪郭を正確に測定することが可能となり、測定時間を短縮化することができる。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記輪郭測定ユニット30は、前記測定子32を前記回転の軸心方向に直交する方向に前進又は後退させる測定子駆動手段36を備えた構成としている。
【0018】
請求項に記載の発明によると、輪郭測定ユニットは測定子を前記回転の軸心方向に直交する方向に前進又は後退させる測定子駆動手段を有しているので、測定子をこの軸心方向に移動させて測定位置を変更する前に後退させ、測定位置変更後に再び前進させて輪郭測定を行うようにする。これにより、測定子を軸心方向に移動させるときに、測定子がワークに干渉するのが確実に防止される。したがって、異なる種類の複数のワークに対しても、段取換えをしなくても、ワークとの干渉が発生すること無く、確実に精度良く輪郭測定を行うことができる。また、測定子をワークの測定部位に当接させる際、当接する前に減速させるなどして極めてソフトに当接できるので、測定子やワークの損傷を回避できると共に、測定子を能率良く移動できる。
【0019】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記輪郭測定ユニット30の測定子32の追従駆動、バランスウェート35の押しつけ力により行うようにしたものである
【0020】
請求項に記載の発明によると、測定子をバランスウェートの荷重によってワークの測定対象の外周面に押しつけることができる。したがって、簡単な機構で、かつ、確実に測定子の追従駆動が可能となり、よって輪郭測定が精度良く行われる。
【0021】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記輪郭測定ユニット30の測定子32の追従駆動、空圧のバランスシリンダ76の押しつけ力により行うようにしたものである
【0022】
請求項に記載の発明によると、測定子を空圧のバランスシリンダによって所定圧でワークの測定対象の外周面に押しつけることができる。したがって、簡単な機構で、かつ、確実に測定子の追従駆動が可能となり、よって輪郭測定が精度良く行われる。
【0023】
請求項に記載の発明は、請求項記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記長手測定ユニット40の接触センサ42、前記接触子43の長手方向に垂直な力を検出して接触信号を出力するタッチプローブ式センサとしたものである。
【0024】
請求項に記載の発明によると、タッチプローブ式の接触センサを用いているので、接触子の長手方向に垂直に作用する力により接触を正確に検出することができる。したがって、前述のようにこの接触子が前記軸心方向(これは、接触子の長手方向に垂直な方向に相当する)に移動しているとき接触子がワークの端面に接触したら、その端面からの反力を受けてこの接触が正確に検出される。このときの軸心方向の位置に基づいて、接触したこの端面の位置を精度良く検出することが容易に可能となる。よって、簡単な構成により、長手方向の位置、寸法等を精度良く検出することが可能となる。
【0025】
請求項に記載の発明は、請求項記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記長手測定ユニット40は、前記接触センサ42の接触子43を前記回転の軸心方向に直交する方向に前進又は後退させる接触子駆動手段44を備えた構成としている。
【0026】
請求項に記載の発明によると、長手測定ユニットは接触センサの接触子を前記回転の軸心方向に直交する方向に前進又は後退させる接触子駆動手段を有しているので、測定子を後退させ、この軸心方向に移動させて測定位置を変更した後に、再び前進させて長手方向の幅寸法や長手寸法等の測定を行うようにする。これにより、接触子を軸心方向に移動させるときに、接触子のワークへの干渉が確実に防止される。したがって、異なる種類の複数のワークに対しても、段取換えをしなくても、ワークとの干渉が発生すること無く、確実に精度良く長手寸法の測定を行うことができる。
【0027】
請求項に記載の発明は、請求項1載のクランクシャフトの自動測定装置において、測定結果を記憶する記憶装置58と、測定結果を表示する表示器57と、測定結果をプリントアウトするプリンタ59との内、少なくともいずれか1つを付設すると共に、前記制御器50は、前記求めた各測定データが予め設定された許容範囲内か否かを判断し、この測定データ及び判断結果等の測定結果を、前記記憶装置58に記憶し、又は前記表示器57に表示し、又は前記プリンタ59に出力するようにしている。
【0028】
請求項に記載の発明によると、測定データが予め設定された許容範囲内か否か判定され、前記測定データ及びこの判定結果の測定結果が記憶装置に記憶されて保存される。これによって、この測定結果に基づくデータ解析が可能となり、解析結果を用いてメンテナンス管理、次ワークの加工条件の向上、及び故障診断等を行うことができるようになる。また、上記測定結果を表示器に表示することにより、あるいはプリントアウトすることにより、作業者が結果を容易に知ることができ、作業者によるデータ解析が可能となる。
【0029】
請求項10に記載の発明は、請求項記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記制御器50、前記長手測定ユニット40により前記ワークに設けられた基準面63の長手方向位置を測定して求め、この基準面63の測定位置データに基づいて、前記ワークの各輪郭、各幅寸法又は各長手寸法を測定する軸心方向の測定位置を補正してそれぞれを測定するようにしたものである
【0030】
請求項10に記載の発明によると、例えば機械加工の基準面をワークの基準面とし、この基準面の長手方向の位置を測定し、この位置に基づいてワークの各輪郭データ又は長手方向データを測定する軸心方向の測定位置を補正する。この結果、例えばセンタ穴の深さのばらつき等によって、ワークの取付位置が長手方向(つまり、軸心方向)にずれても、上記のデータを精度良く測定できる。
【0031】
請求項11に記載の発明は、クランクシャフトAのワークの両端面に設けられたセンタ穴にセンタ12a,13aを挿入して支持したワークをセンタ12a,13aの軸心を中心に回転させ、この回転に伴って、ワークのピン部61又はジャーナル部62の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面に、測定子32を当接させながら追従駆動させ、前記回転の軸心方向に直交する方向の変位量を測定し、ワークの所定の回転角度毎のこの変位量に基づいてワークの輪郭を演算により求め、接触子43を前記回転の軸心方向に移動しながら検出した前記ピン部61又はジャーナル部62の端面の軸心方向の位置に基づいて、このピン部61又はジャーナル部62の幅寸法及び/又は長手寸法を求めるクランクシャフトの自動測定方法において、前記ピン部61又はジャーナル部62の幅寸法及び/又は長手寸法を求める工程の後、少なくとも、ピン部61、ジャーナル部62これらのR溝底面の直径、真円度、真直度、さらには、ピン部61のピン1/2ストローク、ピン部61の位相角度、ジャーナル部62の偏心量の郭を測定する工程を行う方法としている。
【0032】
請求項11に記載の発明によると、ワークの軸心方向の位置(例えば、クランクシャフトの端面の位置)により長手方向の幅寸法や長手寸法を測定した後、輪郭測定を行うので、1回の段取換え作業で1つのワークの全ての測定項目を測定可能となり、測定時間が短縮化される。
【0033】
請求項12に記載の発明は、請求項11記載のクランクシャフトの自動測定方法において、前記幅寸法及び/又は長手寸法を求める工程、及び前記輪郭を測定する工程の内のいずれかの前後に、前記ワークが前記両センタ12a,13aに支持されているときのワークの軸心の傾きを測定する工程を設け、この傾きに基づいて前記測定した幅寸法、長手寸法及び輪郭を補正する方法としている。
【0034】
請求項12に記載の発明によると、取り付けられた状態のワークの軸心の傾きを測定し、この傾きに基づいて前記測定した幅寸法、長手寸法、輪郭データ等を補正する。これにより、ワークをセンタで支持する支持ユニットを固定したときの位置決め誤差などによって取付け時に軸心の傾きが生じても、非常に正確な幅寸法、長手寸法、輪郭データの測定が可能となる。
【0035】
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12記載のクランクシャフトの自動測定方法において、前記ワークの機械加工の基準面63の長手方向位置を求め、この基準面63の長手方向位置に基づいて、前記輪郭を測定する工程での測定位置を補正する方法としている。
【0036】
請求項13に記載の発明によると、ワークの機械加工の基準面の長手方向位置を求め、この基準面の長手方向位置に基づいて輪郭測定での測定位置を補正する。したがって、輪郭の測定位置のばらつきが無くなり、正確な測定位置で精度良く輪郭を測定できる。この結果、この測定データを用いて解析し、次回の加工条件へのフィードバックによるワーク加工精度管理、及び工具や機械精度のメンテナンス管理を精度良く行うことができる。
【0037】
請求項14に記載の発明は、請求項11、12又は13記載のクランクシャフトの自動測定方法において、前記幅寸法及び/又は長手寸法、及び輪郭を測定した後、この測定データに基づいて測定結果の合否を判定している。
【0038】
請求項14に記載の発明によると、1回の段取換え作業で幅寸法、長手寸法及び輪郭を全て測定でき、この全ての測定データに基づいて測定結果の合否を判定するので、合否判定を短時間で行うことができる。これにより、加工結果の検査時間を短縮化できる。
【0039】
請求項15に記載の発明は、請求項11、12又は13記載のクランクシャフトの自動測定方法において、前記幅寸法及び/又は長手寸法、及び輪郭を測定した後、この測定データを保存又はプリントアウトする工程を設けている。
【0040】
請求項15に記載の発明によると、幅寸法、長手寸法及び輪郭の測定データ記憶装置等に保存され、又はプリントアウトされる。この保存によって、この測定データに基づくデータ解析が可能となり、解析結果を用いて工具や機械精度のメンテナンス管理、次ワークの加工条件の向上、及び故障診断等を行うことができるようになる。また、この測定データをプリントアウトすることにより、作業者が結果を容易に知ることができ、作業者によるデータ解析が可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に好適な実施形態の一例を図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明に係わるクランクシャフトの自動測定装置の側面図及び平面図をそれぞれ示しており、同図に基づいて全体構成を説明する。
ベース1は本測定装置の各部材が載置され、かつ固定される基台を成しており、本実施形態においては、上面が滑らかに研磨された石からなる定盤で構成されている。ベース1の上面前部には、クランクシャフトを長手方向(つまり、軸心方向)の両端側からクランプして支持する支持ユニット10が載置されている。この支持ユニット10は、ベース1の上面前部の左右のいずれか一側(図示では右側)に固定された回転ストック11と、他側にこの回転ストック11に対向して図示で左右方向に移動自在に配設されたテールストック13とを備えている。この回転ストック11のテールストック13と対向する面には円テーブル12が回転自在に設けられており、円テーブル12の回転中心には、テールストック13の方に突出し、かつ、その軸心が前記回転中心と一致したセンタ12aが設けられている。また、テールストック13の回転ストック11と対向する面には、同じくその軸心が前記回転中心と略一致するようにセンタ13aが回転自在に設けられている。さらに、回転ストック11には例えばパルスモータからなる回転駆動手段14が配設されており、この回転駆動手段14の出力回転軸は図示しない動力伝達手段(例えば、ギア列等)を介して前記円テーブル12の回転軸に連結されている。また、この円テーブル12の回転軸には例えばエンコーダからなる回転角度センサ15が取り付けられており、回転角度センサ15により円テーブル12の回転角度、すなわちクランクシャフトの回転角度が検出される。
【0042】
なお、回転ストック11とテールストック13との間のベース1の表面には、両者を結ぶ直線に沿ってT溝16が設けられており、このT溝16の長手方向に垂直な断面形状はベース1の表面近傍に両側面から突出した突出部(図示せず)を有していて、この突出部より下方のT溝16の内部にはナット(図示せず)が設けられている。そして、前記テールストック13はT溝16に沿って移動自在に設けられていると共に、図示しないボルトとT溝16の前記ナットによって前記突出部を介して固定されるようになっている。
【0043】
また、ベース1の上面の後部には、図示しないガイドレールが円テーブル12の前記回転中心線の方向と平行に布設されており、このガイドレール上に水平テーブル20が移動自在に設けられている。この水平テーブル20の下部には図示しないボールネジが配設されており、このボールネジのナット部材は水平テーブル20の下面に取着されており、またボールネジのネジは前記ガイドレールと同一の方向に配設されていて、このネジの一端部に例えばパルスモータからなる水平テーブル駆動手段21の出力回転軸が連結されている。そして、この水平テーブル駆動手段21の本体はベース1の上面に取り付けられており、水平テーブル駆動手段21の回転によってこのボールネジを介して水平テーブル20は前記ガイドレールに沿って移動するようになっている。また、水平テーブル20とベース1との間には、例えばマグネスケール等のリニアセンサからなる第1位置センサ22が設けられており、この第1位置センサ22によって水平テーブル20の移動位置が検出される。
【0044】
水平テーブル20の上面には、クランクシャフトのジャーナル部及びピン部の外周加工面の直径方向の変位量を測定する輪郭測定ユニット30と、クランクシャフトの長手方向、すなわち軸心方向の位置を測定する長手測定ユニット40とが、それぞれクランクシャフトの軸心に直交する方向に移動自在に配設されている。輪郭測定ユニット30はこの軸心に直交する方向に移動自在な輪郭測定テーブル31を有しており、この輪郭測定テーブル31にはクランクシャフトへ向かって突出した測定子32が取着されている。測定子32の先端部においては、平面視での前記軸心方向の厚さは、クランクシャフトのジャーナル部及びピン部の円筒面に当接可能なような所定寸法となっている。また、長手測定ユニット40は前記軸心に直交する方向に移動自在な長手測定テーブル41を有しており、この長手測定テーブル41にはクランクシャフトの方へ突出した接触子43を有する接触センサ42が取着されている。
【0045】
図3及び図4は輪郭測定ユニット30の詳細な側面図を示しており、以下同図に基づいて説明する。
輪郭測定ユニット30のフレーム39は水平テーブル20の上面に取り付けられており、このフレーム39の上部には図示しないガイドレールが布設されていて、このガイドレールによって前記輪郭測定テーブル31が移動自在に支持されている。前述のように、輪郭測定テーブル31はクランクシャフトAの軸心に直交する方向(図示で、左右方向)に移動自在となっている。そして、この輪郭測定テーブル31とフレーム39との間には、この輪郭測定テーブル31の移動方向の位置を検出する、例えばリニアセンサからなる第2位置センサ38が配設されている。
【0046】
フレーム39の上部のクランクシャフトAに近い端部には、ローラ33aがその回転軸を輪郭測定テーブル31の移動方向に対して垂直にして回動自在に設けられており、また、フレーム39の上部の前記ローラ33aと反対側の端部には、ローラ33bが同様にその回転軸を輪郭測定テーブル31の移動方向に垂直にして回動自在に設けられている。そして、ローラ33aに面した輪郭測定テーブル31の端部にはロープ34の一端側が取り付けられており、このロープ34の他端側は前記ローラ33a及びローラ33bを順次経由してバランスウェート35に取り付けられている。このバランスウェート35の荷重は、ロープ34を介して輪郭測定テーブル31に作用することにより、この輪郭測定テーブル31を所定の力でクランクシャフトAに向かって駆動する。これにより、輪郭測定テーブル31に取着された測定子32がクランクシャフトAに当接した後は、この測定子32は前記所定の力でクランクシャフトAの円筒面に当接するように追従駆動されるようになっている。
【0047】
また、フレーム39の下部には、例えばパルスモータからなる測定子駆動手段36が配設されており、この測定子駆動手段36の出力回転軸は、この移動方向に平行にその軸心が設けられた図示しないボールネジの端部に取り付けられている。このボールネジのナット部は、図示しないガイドレール上に移動自在に載置された爪部材37に取着されている。この爪部材37の前進方向の端部、すなわちクランクシャフトAに近い側の端部には上方に突出した爪37aが設けられていて、この爪37aに輪郭測定テーブル31の前進方向の下端部が掛かるようになっている。そして、測定子駆動手段36によって爪37aを前進又は後退させることにより、輪郭測定テーブル31は所定位置に移動することができる。
【0048】
ここで、図4に図示したように、爪部材37をクランクシャフトAに向けて前進させると、爪部材37の爪37aの移動に伴って輪郭測定テーブル31がバランスウェート35の押しつけ力によって前進し、位置Bにおいて測定子32の前端部32aがクランクシャフトAに当接する。この後、さらに爪部材37を前進させると、測定子32は前記押しつけ力によって当接したままで停止しているので、輪郭測定テーブル31はこのときの位置を保持し、一方、爪部材37は前進端位置Cまで前進することができるようになっている。また、爪部材37を後退させると、爪部材37の爪37aが輪郭測定テーブル31の前端部に係合し、これによって輪郭測定テーブル31が後退するので測定子32が後退する。
【0049】
また、本実施形態においては、前記測定子32の前端部32aはクランクシャフトAと当接する側に、クランクシャフトAの軸心方向、及び測定子32の移動方向に対して共に垂直な方向に細長い直線状の当接面32bを有しており、この当接面32bは測定子32の移動方向に直交している。そして、この前端部32aは、前述のように、クランクシャフトAの軸心方向に所定寸法以下の厚さを有している。なお本発明においては、前端部32aのクランクシャフトAとの当接部の形状は前記当接面32bのような平面に限定されず、この当接部の前記軸心方向の幅は所定寸法以下で、かつ、長手方向は前記軸心方向及び前記移動方向に対して共に垂直な当接部であればよい。例えば、直径が所定寸法以下の細長い円筒部材の側面部をクランクシャフトAに向けて、かつ、その円筒軸心を上記のように前記軸心方向及び前記移動方向に対して共に垂直に設けてもよく、このときの円筒部材は完全は円筒形状でも、又は半円筒形状でもよい。
【0050】
つぎに、図5及び図6に基づいて、長手測定ユニット40を詳細に説明する。図5は長手測定ユニット40の平面図を表し、また図6はその側面図を表している。
長手測定ユニット40のフレーム49は水平テーブル20の上面に取り付けられており、このフレーム49の側面にクランクシャフトAの軸心に直交する方向(図示で、左右方向)にガイドレール45が布設されている。ここで、このガイドレール45の取り付け位置をフレーム49の側面としたのは本発明の主旨ではなく、仕様を満たすような位置であればよい。そして、このガイドレール45に長手測定テーブル41が移動自在に支持されて設けられている。前述のように、長手測定テーブル41には接触センサ42が取り付けられており、この接触センサ42はクランクシャフトAの前記軸心に直交する方向にその軸心が向けられた細長い棒状の接触子43を有している。
【0051】
ガイドレール45と反対側の前記フレーム49の面にはガイドレール45の移動方向に沿ってボールネジ46が配設されており、このボールネジ46のナット部47は長手測定テーブル41に取り付けられている。また、ボールネジ46の一端部には例えばパルスモータからなる接触子駆動手段44の出力回転軸が取り付けられており、この接触子駆動手段44の本体は前記フレーム49に取着されている。そして、長手測定テーブル41は接触子駆動手段44によってボールネジ46を介してクランクシャフトAに向かって前進又は後退し、これに伴い接触センサ42が前後進するようになっている。
【0052】
接触センサ42は例えばメトロール社製のタッチプローブ式センサ等で構成することができ、前記接触子43がその長手方向(すなわち接触子43の軸心方向)に垂直な力を受けて所定角度以上傾斜したときに接触信号を出力するようになっている。また、接触子43がその長手方向に所定値以上の力を受けて所定距離以上後退したときにも、接触信号を出力するようになっている。
【0053】
図7には本実施形態に係わる制御構成ブロック図を示しており、同図に基づいて各制御構成を説明する。
ドライブユニット51,52,53,54はそれぞれ回転駆動手段14、水平テーブル駆動手段21、測定子駆動手段36、接触子駆動手段44を駆動するためのアンプであり、制御器50から入力する各駆動手段に対応した駆動指令に基づいて、各駆動手段の回転を制御する。
シーケンサ55は本自動測定装置と外部装置(例えば、ワークの搬入、搬出機)とのインタロックをとるためのインタフェース機器であり、例えば通常のプログラマブルロジックコントローラ(いわゆる、PLC)から構成することができる。シーケンサ55は、そのI/Oユニットの入出力信号や、シリアル通信ユニットの入出力信号によって制御器50とインタロックをとることができる。このシーケンサ55のシーケンス記憶部には、本自動測定装置の運転時の外部装置とのタイミング信号やインタロック信号等を送受信し、判断するためのシーケンスプログラムが記憶されている。なお、このシーケンサ55は本発明においては必須ではなく、このシーケンサ55により実施される上記のようなシーケンスプログラムと等しい機能のプログラムを後述の制御器50の制御プログラム内に有する場合には、このシーケンサ55は不要となる。
【0054】
設定スイッチ56は測定対象となるワーク毎の測定条件に係わる測定仕様データを設定するスイッチであり、各設定項目の選択、設定データの入力等を行うためのスイッチを有している。ここで、設定項目としては、例えば、測定対象ワークの品番(識別番号)、ピン数、ジャーナル数、ピン部の位相角度の基準位置、各測定項目の許容範囲等があり、自動測定を開始する前に、この設定スイッチ56によりワーク毎に予め設定される。また、各測定項目の測定位置、すなわち輪郭測定を行うときの水平テーブル20の位置、輪郭測定ユニット30の測定子32の当接位置、あるいは、長手寸法の測定を開始する水平テーブル20の位置等をティーチングするときの対象位置を設定し、ティーチングされた位置を記憶させることもできる。この設定スイッチ56は、例えば通常のキーボード等により構成してもよい。なお、ティーチング時の水平テーブル20や輪郭測定テーブル31の移動、及び測定子32の前後進等は、図示しない操作スイッチにより行うことができる。
【0055】
表示器57は、前記設定スイッチ56により各種のデータを入力する際に、データ入力が容易に、かつ、ミスが少なく行えるように、設定項目や設定データを表示したり、あるいは、自動測定中に測定結果を作業者に表示したり、また、各種の制御メッセージを表示したりすることができる。この表示器57は、例えば、CRT装置、液晶表示器又はプラズマ表示器等からなるグラフィック表示器や、蛍光表示管やLED表示器等からなるキャラクタ表示器により構成することができる。
【0056】
記憶装置58は、各ワーク毎の測定仕様データ、自動測定時の測定データ、及び測定データに基づく合否結果等を記憶することができる。この記憶装置58は書換え可能なメモリから構成されており、例えばハードディスク装置、フロッピーディスク装置、光磁気ディスク装置、又はICメモリカード装置等によって構成することができる。
また、プリンタ59は前記ワーク毎の測定仕様データ、自動測定時の測定データ、又は測定結果の合否判定データ等をプリントアウトするものである。
【0057】
制御器50はマイクロコンピュータ等を主体にしたコンピュータ装置により構成されており、例えばパーソナルコンピュータ(いわゆる、パソコン)により構成することができる。制御器50はメモリ50aを有しており、このメモリ50aに、本発明に係わる自動測定装置の測定のための制御シーケンスプログラム、及び測定制御に必要な制御データ等を記憶するようにしている。
【0058】
前述した回転角度センサ15、第1位置センサ22、第2位置センサ38及び接触センサ42のそれぞれの出力信号は、制御器50に入力される。そして、自動測定時には、これらの入力した角度データ、位置データ及び接触信号に基づいて、制御器50は後述するような所定の処理を行い、この処理に従って各ドライブユニット51,52,53,54を介して対応する回転駆動手段14、水平テーブル駆動手段21、測定子駆動手段36、接触子駆動手段44の回転角度を制御する。そして、このときの各回転角度データや位置データを所定のタイミングで取り込んでメモリ50aに記憶し、これらのデータに基づいてクランクシャフトの各測定項目データを演算して求め、求めた測定項目データを記憶装置58に記憶する。また、制御器50は表示器57に表示指令及び表示データを出力して、設定スイッチ56により設定された各データを表示して作業者に確認させたり、前記測定項目データを表示したりする。
【0059】
以上のような構成のクランクシャフトの自動測定装置において、各測定項目を測定する手順を以下に説明する。
(1) ワーク取付傾き測定
制御器50は、シーケンサ55を介して搬入装置とインタロックをとり、機械加工済のクランクシャフトを本自動測定装置内に搬入させる。搬入されたクランクシャフトは、回転ストック11の円テーブル12のセンタ12aとテールストック13のセンタ13aとの間に取り付けられる。このとき、クランクシャフトの両端面にそれぞれ設けられたセンタ穴に各センタ12a,13aが挿入され、この後、テールストック13がその位置で前述のようにT溝16に挿入されたボルト等で固定される。これにより、クランクシャフトはセンタ12a,13aの軸心を中心に回転自在に支持される。
【0060】
ここで、各センタ12a,13aのベース1からの高さは所定値となり変化しないが、T溝16には幅方向の隙間があるので、センタ13aがボルトで固定される度に、ベース1の上面に平行で、かつ、クランクシャフトの軸心に垂直な方向にセンタ13aの位置がばらつくことになる。この結果、クランクシャフトが両センタ12a,13a間に固定されたとき、クランクシャフトの軸心がベース1に平行な面内で傾くことになり、この軸心の傾きは以後の各測定項目の測定精度に左右する。したがって、本発明においては、この傾きを以下の手順で測定してこの傾きにより他の測定項目の測定データを補正するようにしている。
【0061】
まず、制御器50は、輪郭測定ユニット30の測定子32及び長手測定ユニット40の接触子43がワークと干渉しないように、測定子32及び接触子43を後退させた状態で、水平テーブル駆動手段21により水平テーブル20を移動させ、図8に示すように測定子32を前進させたときに測定子32がセンタ12aの側面12bに当接可能な位置に水平テーブル20を位置決めする。なお、この水平テーブル20の位置データは、本自動測定を開始する前に予めティーチングによって制御器50のメモリ50aに記憶されている。そして、制御器50は、前記位置決め後に、測定子駆動手段36により爪部材37を介して測定子32を前進させ、測定子32の当接面32bをセンタ12aの側面12bに当接させる。ここで、この当接位置、すなわち測定子32の前進位置データも予めティーチングにより記憶されており、測定子32を当接位置に前進させる際には、制御器50は当接位置より所定距離手前まで測定子32を所定の早送りで前進させ、この後所定の低速度に減速して低速で当接位置まで前進させる。そして、測定子32が前記側面12bに当接したら、これ以降はバランスウェート35の押しつけ力によって前記当接面32bが前記側面12bに押しつけられた状態を保持するだけなので、第2位置センサ38からの位置データが変化しなくなる。よって、制御器50は、この位置データが所定時間以上変化しなくなった場合には、爪部材37を前記早送り速度で前進端位置まで前進させて退避させておくようにしている。このようにして、測定子32がセンタ12aの前記側面12bに当接したら、制御器50はこのときの位置データを第2位置センサ38から取り込み、この当接位置データと、予め記憶されているセンタ12aの半径データとに基づいて、センタ12aの中心線の位置を求める。
【0062】
同様にして、制御器50は、測定子32を後退させた状態で水平テーブル20をセンタ13a側の予め記憶された所定位置に位置決めした後、測定子32を所定の速度及びシーケンスで前進させ、図8に示すようにセンタ13aの外周側面13bに当接させる。そして、測定子32が当接したときの位置データを第2位置センサ38から取り込み、この当接位置データと、予め記憶されているセンタ13aの半径データとに基づいて、センタ13aの中心線の位置を求める。
さらに、前記求めたセンタ12aの中心線の位置データと、センタ13aの中心線の位置データと、これらの位置データを測定したときの水平テーブル20の両位置間の距離データとに基づいて、制御器50は前記クランクシャフトの回転軸心の傾き量を算出し、算出した傾き量データをメモリ50aに記憶しておく。この傾き量データに基づいて、測定対象ワークの直径の補正が行われる。
【0063】
(2) ピン部、ジャーナル部の幅寸法及び端面の長手寸法の測定
図9は、クランクシャフトAの側面図を示している。同図において、ピン部61及びジャーナル部62は円筒形状に機械加工されており、ピン部61はこのクランクシャフトAが係わる内燃機関の気筒数に応じた数だけ設けられる。ピン部61及びジャーナル部62の軸心方向(すなわち、長手方向)のそれぞれの幅H1 ,H2 、及び、ピン部61及びジャーナル部62の端面までの長手寸法は、クランクシャフトAの基準面からの長手方向距離に基づいて求められる。本実施形態においては、クランクシャフトAの一方の端面(図示の右側端面)を基準面としている。そして、この基準面からの長手方向距離は、接触センサ42の接触子43によって、前記基準面の位置と、各ピン部61及びジャーナル部62の左右の端面の位置とを検出することにより算出される。
【0064】
以下に、幅寸法及び長手寸法の測定手順を説明する。
まず、制御器50は、接触子43がワークに干渉しないように後退した状態で、基準面63をサーチ開始する所定位置まで水平テーブル20を移動させて位置決めし、この位置決め後に接触子43を所定位置まで前進させる。ここで、前記サーチ開始するための水平テーブル20の所定位置、及び接触子43の前進の所定位置は、自動測定開始前に予めティーチングにより記憶しておく。そして、水平テーブル20を微速で移動させながら、接触子43が基準面63に接触して接触センサ42から接触信号が入力されるのを待つ。接触信号が入力されたときは、このときの水平テーブル20の位置データを第1位置センサ22から入力し、この位置データを基準面63の長手方向位置として記憶する。
【0065】
次に、同様にして、ピン部61又はジャーナル部62の端面の長手方向位置も検出される。すなわち、制御器50は、水平テーブル20を各ピン部61又はジャーナル部62の測定位置に対応する所定のサーチ開始位置まで移動させて位置決めし、この位置決め後に接触子43を所定位置まで前進させる。ここで、前記サーチ開始位置、及び接触子43の前進位置は、前述同様に自動測定開始前に予めティーチングにより記憶しておく。そして、基準面63の長手方向位置に基づいてこのサーチ開始位置を補正する。次に、水平テーブル20を微速で移動させながら、接触子43がピン部61又はジャーナル部62の端面に接触して接触センサ42から接触信号が入力されるのを待つ。接触信号が入力されたときは、このときの水平テーブル20の位置データを第1位置センサ22から入力し、この位置データを各端面の長手方向位置として記憶する。
以上のような検出シーケンスを、測定対象の各ピン部61及びジャーナル部62の端面毎に繰り返す。
【0066】
そして、各端面の長手方向位置データに基づいて、前記幅寸法及び長手寸法を算出する。すなわち、ピン部61の長手寸法は、基準面63の位置データと、ピン部61の両端面の内の基準面63に近い端面の位置データとの差により算出され、また、ピン部61の幅寸法は両端面の位置データ間の差により算出される。同様にして、ジャーナル部62の長手寸法及び幅寸法が算出される。
【0067】
このように、基準面63からの位置として各端面位置を求めて長手寸法及び幅寸法を求めているので、例えばセンタ12a,13aが挿入されるセンタ穴の深さがワーク毎に異なっていて、クランクシャフトAを両センタ12a,13a間に取り付けた場合に各端面の位置がばらついても、このぱらつきの影響を受けずに精度良く長手寸法及び幅寸法を求めることできる。また、基準面63の位置に基づいて、ティーチングされたサーチ開始位置を補正するので、端面サーチが確実に行えるようになる。
また、タッチプローブ式接触センサを用いているので、簡単な構成で接触位置を精度良く検出でき、よって各端面の位置が精度良く求まる。
【0068】
なお、基準面63の位置は、本実施形態のようにクランクシャフトAの端面に限定されるものではなく、機械加工時の長手方向位置の基準とした端面、例えばクランクシャフトAのスラスト面等であればよい。
また、求められた長手寸法及び幅寸法に基づいて、以下の輪郭測定時の各測定位置の補正を行う。
【0069】
(3) 輪郭測定
次に、輪郭測定を行う。この輪郭測定の項目としては、例えばピン1/2 ストロークや、ピン部の位相、平均直径、真円度及び真直度や、ジャーナル部の振れ(以後、ジャーナル振れと呼ぶ)、平均直径、真円度及び真直度や、ピン部及びジャーナル部のR溝底面の平均直径、真円度及び真直度等がある。ここで、各測定項目を簡単に説明する。
【0070】
図10は、図9のX−X断面図を表している。同図において、ピン1/2ストロークは各ピン部61の軸心OとクランクシャフトAの軸心Oとの距離eであり、ピン部の位相角度は各ピン部61の軸心OとクランクシャフトAの軸心Oとを結ぶ線の軸心Oを中心としたクランクシャフトAの回転の基準角度からの回転角度θである。また、ジャーナル振れは、ジャーナル部62の軸心のクランクシャフトAの軸心Oからの偏心量、すなわち両軸心間距離を表す。さらに、平均直径は各ピン部61又はジャーナル部62毎に測定された複数の直径データの平均値であり、真円度は測定された複数の半径データに基づいて算出される各ピン部61又はジャーナル部62毎の真円度であり、また真直度は各ピン部61又はジャーナル部62の軸心線とクランクシャフトAの軸心線との成す角度(いわゆる、テーパ)で表される。また、図11は図9のP部又はQ部の詳細を表しており、ピン部61及びジャーナル部62のR溝の詳細図を示している。このR溝はピン部61及びジャーナル部62の円筒部の左右端面近傍の円筒面に設けられており、このR溝底面の平均直径、真円度、真直度等が測定される。
【0071】
輪郭測定は、次のような手順で行われる。
まず、制御器50は、水平テーブル20を測定対象のピン部61又はジャーナル部62の所定の測定位置に移動させて位置決めし、この次に測定子32を所定の当接位置より所定距離手前の位置まで所定の早送りで前進させた後に所定の低速度でピン部61又はジャーナル部62の円筒面に当接するまで前進させる。ここで、水平テーブル20の各測定位置、及び測定子32の当接位置は予めティーチングにより記憶させておく。また、基準面63の位置に基づいて、測定位置を補正するので、測定位置のばらつが無くなり、正確な測定位置で精度良く輪郭データを測定することが可能となる。次に、制御器50は、第2位置センサ38からの位置データが所定時間(例えば1秒間)変化しなくなったとき測定子32が当接したと判断し、回転駆動手段14により円テーブル12を回転させ、回転角度センサ15からの角度データを監視しながら所定の単位角度(例えば1°)毎に位置決めする。このとき、測定子32はバランスウェート35によって当接する方向に追従駆動されているので、上記円テーブル12の回転に伴って常時測定子32がピン部61又はジャーナル部62の円筒面に当接した状態は保持される。
【0072】
そして、制御器50は、この各単位回転角度毎の位置決め後、このときの第2位置センサ38から位置データを取り込み、この各位置データを円テーブル12の角度データ(すなわち、回転角度センサ15による回転角度データ)に対応させてメモリ50aの所定エリアに記憶しておく。これらの位置データは各測定位置毎に取り込まれ、各測定位置に対応して記憶される。
【0073】
次に、各測定位置毎に、前記取り込まれた位置データ及び回転角度データに基づいて、前記単位回転角度毎の前記ピン部61又はジャーナル部62の円筒面の前記回転の軸心方向に直交する方向の各変位量を求め、この変位量に基づいて、前記ピン部61又はジャーナル部62の中心位置が求められる。さらに、求めた中心位置に基づいて、ピン1/2ストローク及びジャーナル振れ、ピン部の位相角度、ジャーナル部62の偏心量、ピン部61及びジャーナル部62のそれぞれの直径、真円度及び真直度、また、R溝直径、真円度及び真直度等が算出される。そして、この測定結果に基づいて、各測定データが予め設定された許容範囲内であるか否かを判断し、その判断結果を表示器57に表示するとともに、前記測定結果及び判断結果を記憶装置58に各ワーク毎に対応させて記憶させる。なお、これらの測定結果及び判断結果をプリンタ59に出力して保存することも可能である。
【0074】
以上説明したように、測定対象の各ピン部61及びジャーナル部62や、基準面63等を測定するための各測定位置をワーク毎にティーチングにより予め記憶させることができるので、例えばピン数、ジャーナル数又はピン位相角度等が異なるような複数のワークに対応して容易に測定することが可能となる。
また、各ワーク毎に対応した機械加工時の基準面を測定位置の基準位置とするようにしており、すなわち、各ワーク毎に自動測定開始時にこの基準位置を測定し、この測定された基準位置データに基づいて前記予め記憶されている測定位置の各位置を補正するようにしている。したがって、例えば、両センタ12a,13a間にクランクシャフトを取り付けたときに、端面のセンタ穴の深さのばらつきに影響されて各ピン部61及びジャーナル部62の端面の長さ方向位置がばらつくことになるが、前記補正によってこのばらつきの影響を無くして軸心方向寸法(つまり、幅寸法及び長手寸法等)を精度良く測定することができるようになる。
【0075】
さらに、ワークを取り付けた後は、全測定項目を自動的に測定するので、各測定項目毎に段取換え作業を行う必要が無くなって測定時間を短縮化することが可能となる。また、測定作業に熟練してない作業者でも、容易に、そして精度良く測定することができる。
また、輪郭測定のとき、測定子をワークの測定部位に当接させる際、測定子駆動手段36(例えばパルスモータ)の速度を制御することにより、当接する前に減速させるなどして極めてソフトに当接できるので、測定子やワークの損傷を回避できる。さらに、高速と低速を切り換えることにより、測定子を短時間で能率良く当接位置まで、あるいは最後端位置まで移動できる。
そして、測定後、測定データや合否結果を記憶装置58に記憶しておき、このデータを解析して、工具や機械精度のメンテナンス時期管理、次ワークの加工条件の向上、又は故障診断等に使用することが可能となる。また、測定データの表示やプリントアウトにより、作業者によるデータ解析が行えるようになる。
【0076】
なお、上記の実施形態においては、測定子32が測定対象の外周面に常時当接するように追従駆動させる手段をバランスウェート35の押しつけ力を利用した構成によって実現しているが、本発明はこれに限定されるものでは無い。すなわち、例えば空圧シリンダ等からなる空圧回路により構成することもでき、一例として図12にその空圧回路を示す。同図において、空圧源71からレギュレータ72及びチェック弁73を介してバランスシリンダ76のボトム室76aにエアが供給され、チェック弁73とのバランスシリンダ76のボトム室76aとの間の管路にアキュムレータ74及び圧力計75が接続されている。また、バランスシリンダ76のヘッド室76bには大気と連通するための連通路が設けられている。そして、ピストン77の先端部には測定子32が取着される。なお、バランスシリンダ76はピストン77の摺動抵抗が非常に小さいものが使用される。このような構成において、バランスシリンダ76のボトム室76aにレギュレータ72により所定圧力のエアを供給すると、測定子32はこの圧力で前記外周面に押しつけられ、また測定子32が前進又は後退するときには圧力の変動がアキュムレータ74により抑えられ、よって、測定子32は前記外周面に追従駆動される。
【0077】
また、本実施形態においては、各測定位置での水平テーブル20の位置、測定子32の当接位置、及び接触子43の前進位置を予めティーチングにより記憶させるようにしているが、本発明はこの方法に限定されず、例えば、クランクシャフトの設計データに基づいて位置データとして直接数値データを入力して設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるクランクシャフトの自動測定装置の側面図を示す。
【図2】本発明に係わるクランクシャフトの自動測定装置の平面図を示す。
【図3】輪郭測定ユニットの詳細側面図を示す。
【図4】輪郭測定ユニットの詳細側面図を示す。
【図5】長手測定ユニットの詳細平面図を示す。
【図6】長手測定ユニットの詳細側面図を示す。
【図7】自動測定装置の制御構成ブロック図を示す。
【図8】クランクシャフトの回転軸心の傾き量の測定方法説明図を示す。
【図9】クランクシャフトの側面図を示す。
【図10】図9のX−X断面図を示す。
【図11】図9のP部又はQ部の詳細図を示す。
【図12】測定子の追従駆動の他の実施形態を示す。
【符号の説明】
10 支持ユニット
12a,13a センタ
12b,13b 側面
14 回転駆動手段
15 回転角度センサ
21 水平テーブル駆動手段
22 第1位置センサ
30 輪郭測定ユニット
32 測定子
32b 当接面
35 バランスウェート
36 測定子駆動手段
38 第2位置センサ
40 長手測定ユニット
42 接触センサ
43 接触子
44 接触子駆動手段
57 表示器
58 記憶装置
59 プリンタ
61 ピン部
62 ジャーナル部
63 基準面
76 バランスシリンダ
A クランクシャフト

Claims (15)

  1. クランクシャフト(A)のワークの両端面に設けられたセンタ穴にセンタ(12a,13a)を挿入して回転自在に支持する支持ユニット(10)と、
    支持ユニット(10)に支持されたワークをセンタ(12a,13a)の軸心を中心に回転させる回転駆動手段(14)と、
    このワークの回転角度を検出する回転角度センサ(15)と、
    ワークの回転の軸心方向に対して垂直に移動自在な測定子(32)を有し、
    回転駆動手段(14)によるワークの回転に伴って、前記ワークのピン部(61)又はジャーナル部(62)の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面にこの測定子(32)の前端部の当接面(32b)を当接させながら追従駆動して動作し、前記回転の軸心方向に直交する方向の変位量を測定する輪郭測定ユニット(30)と、
    前記回転角度センサ(15)が検出したワークの回転角度、及びこの輪郭測定ユニット(30)が測定した前記変位量が入力され、所定の回転角度毎の変位量に基づいてワークの輪郭を演算により求める制御器(50)とを備えたクランクシャフトの自動測定装置において、
    前記回転の軸心方向に移動自在に設けられる共に、接触子(43)を有し、かつ、前記軸心方向に移動中にこの接触子(43)が前記ピン部(61)又はジャーナル部(62)の端面に接触したときに接触信号を出力する接触センサ(42)が設けられた長手測定ユニット(40)と、
    この長手測定ユニット(40)の接触子(43)の前記軸心方向の移動位置を検出して出力する第1位置センサ(22)とを付設し、
    前記制御器(50)は、前記ワークの輪郭として、少なくとも、ピン部(61)、ジャーナル部(62)これらのR溝底面の直径、真円度、真直度、さらには、ピン部(61)のピン1/2ストローク、ピン部(61)の位相角度、ジャーナル部(62)の偏心量求めると共に、長手測定ユニット(40)から接触信号を入力したとき第1位置センサ(22)から前記移動位置を入力してこの移動位置に基づいて前記ピン部(61)又はジャーナル部(62)の端面の幅寸法又は長手寸法を求めることを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  2. 請求項1載のクランクシャフトの自動測定装置において、
    前記輪郭測定ユニット(30)は、前記回転の軸心方向に移動自在に設けられ、かつ、前記ワークのピン部(61)又はジャーナル部(62)の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面に当接して前記回転の軸心方向に直交する方向に追従駆動される前記測定子(32)を備えたことを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  3. 請求項記載のクランクシャフトの自動測定装置において、
    前記輪郭測定ユニット(30)の測定子(32)は、前記回転の軸心方向とこの測定子(32)の移動方向とに直交し、かつ、前記ワークの回転に伴って前記ワークのピン部(61)が前記回転軸心を中心に回転するときにこのピン部(61)の前記円筒面に常時当接するような長さを有する前記当接面(32b)を有していることを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  4. 請求項1又は2記載のクランクシャフトの自動測定装置において、
    前記輪郭測定ユニット(30)は、前記測定子(32)を前記回転の軸心方向に直交する方向に前進又は後退させる測定子駆動手段(36)を備えたことを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  5. 請求項1又は2記載のクランクシャフトの自動測定装置において、
    前記輪郭測定ユニット(30)の測定子(32)の追従駆動は、バランスウェート(35)の押しつけ力によることを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  6. 請求項1又は2記載のクランクシャフトの自動測定装置において、
    前記輪郭測定ユニット(30)の測定子(32)の追従駆動は、空圧のバランスシリンダ(76)の押しつけ力によることを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  7. 請求項記載のクランクシャフトの自動測定装置において、
    前記長手測定ユニット(40)の接触センサ(42)は、前記接触子(43)の長手方向に垂直な力を検出して接触信号を出力するタッチプローブ式センサであることを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  8. 請求項記載のクランクシャフトの自動測定装置において、
    前記長手測定ユニット(40)は、前記接触センサ(42)の接触子(43)を前記回転の軸心方向に直交する方向に前進又は後退させる接触子駆動手段(44)を備えたことを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  9. 請求項1載のクランクシャフトの自動測定装置において、
    測定結果を記憶する記憶装置(58)と、
    測定結果を表示する表示器(57)と、
    測定結果をプリントアウトするプリンタ(59)との内、少なくともいずれか1つを付設すると共に、
    前記制御器(50)は、前記求めた各測定データが予め設定された許容範囲内か否かを判断し、この測定データ及び判断結果等の測定結果を、前記記憶装置(58)に記憶し、又は前記表示器(57)に表示し、又は前記プリンタ(59)に出力することを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  10. 請求項記載のクランクシャフトの自動測定装置において、
    前記制御器(50)は、前記長手測定ユニット(40)により前記ワークに設けられた基準面(63)の長手方向位置を測定して求め、この基準面(63)の測定位置データに基づいて、前記ワークの各輪郭、各幅寸法又は各長手寸法を測定する軸心方向の測定位置を補正してそれぞれを測定することを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  11. クランクシャフト(A)のワークの両端面に設けられたセンタ穴にセンタ(12a,13a)を挿入して支持したワークをセンタ(12a,13a)の軸心を中心に回転させ、この回転に伴って、ワークのピン部(61)又はジャーナル部(62)の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面に、測定子(32)を当接させながら追従駆動させ、前記回転の軸心方向に直交する方向の変位量を測定し、ワークの所定の回転角度毎のこの変位量に基づいてワークの輪郭を演算により求め、接触子(43)を前記回転の軸心方向に移動しながら検出した前記ピン部(61)又はジャーナル部(62)の端面の軸心方向の位置に基づいて、このピン部(61)又はジャーナル部(62)の幅寸法及び/又は長手寸法を求めるクランクシャフトの自動測定方法において、
    前記ピン部(61)又はジャーナル部(62)の幅寸法及び手寸法を求める工程の後、
    少なくとも、ピン部(61)、ジャーナル部(62)これらのR溝底面の直径、真円度、真直度、さらには、ピン部(61)のピン1/2ストローク、ピン部(61)の位相角度、ジャーナル部(62)の偏心量の郭を測定する工程を行うことを特徴とするクランクシャフトの自動測定方法。
  12. 請求項11記載のクランクシャフトの自動測定方法において、
    前記幅寸法及び手寸法を求める工程、及び前記輪郭を測定する工程の内のいずれかの前後に、前記ワークが前記両センタ(12a,13a)に支持されているときのワークの軸心の傾きを測定する工程を設け、この傾きに基づいて前記測定した幅寸法、長手寸法及び輪郭を補正することを特徴とするクランクシャフトの自動測定方法。
  13. 請求項11又は12記載のクランクシャフトの自動測定方法において、
    前記ワークの機械加工の基準面(63)の長手方向位置を求め、この基準面(63)の長手方向位置に基づいて、前記輪郭を測定する工程での測定位置を補正することを特徴とするクランクシャフトの自動測定方法。
  14. 請求項11、12又は13記載のクランクシャフトの自動測定方法において、
    前記幅寸法及び手寸法、及び輪郭を測定した後、この測定データに基づいて測定結果の合否を判定する工程を設けたことを特徴とするクランクシャフトの自動測定方法。
  15. 請求項11、12又は13記載のクランクシャフトの自動測定方法において、
    前記幅寸法及び手寸法、及び輪郭を測定した後、この測定データを保存又はプリントアウトする工程を設けたことを特徴とするクランクシャフトの自動測定方法。
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