JPH1183413A - クランクシャフトの自動測定装置及びその測定方法 - Google Patents

クランクシャフトの自動測定装置及びその測定方法

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JPH1183413A
JPH1183413A JP25260397A JP25260397A JPH1183413A JP H1183413 A JPH1183413 A JP H1183413A JP 25260397 A JP25260397 A JP 25260397A JP 25260397 A JP25260397 A JP 25260397A JP H1183413 A JPH1183413 A JP H1183413A
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KOMATSU KOKI KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 複数の異なる種類のワークに対応して複数測
定項目を1回の段取換えで短時間に、かつ確実に測定可
能とする。 【解決手段】 水平テーブル20の上面には、クランク
シャフトのジャーナル部及びピン部の外周加工面の直径
方向の変位量を測定する輪郭測定ユニット30と、軸心
方向の位置を測定する長手測定ユニット40とを、軸心
に直交する方向に移動自在に配設する。輪郭測定ユニッ
ト30はこの軸心に直交する方向に移動自在な輪郭測定
テーブル31を有しており、クランクシャフトへ向かっ
て突出した測定子32を取着する。測定子32の先端部
の、平面視での前記軸心方向の厚さは、クランクシャフ
トのジャーナル部及びピン部の円筒面に当接可能な所定
寸法とする。また、長手測定ユニットは軸心に直交する
方向に移動自在な長手測定テーブル41を有しており、
それにはクランクシャフトの方へ突出した接触子43を
有する接触センサ42を取着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械加工されたク
ランクシャフトの輪郭や長手方向寸法等の複数の測定項
目を短時間で測定可能なクランクシャフトの自動測定装
置及びその測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関に用いられるクランクシ
ャフトは、機械加工された後に各寸法が許容範囲以内に
入っているかをチェックするために、必要な測定項目を
各項目毎の専用測定装置により測定している。このよう
な各項目毎の専用測定装置に関しては、従来から様々な
技術が提案されている。
【0003】例えば、実開平6−53913号公報で
は、回転するワーク(例えば、クランクシャフト等)の
所定の測定位置における加工された軸の外周面に電気マ
イクロメータの測定子を当接させてこの軸の直径方向の
変位量をワークが1°回転する毎に測定し、測定したデ
ータに基づいて半円法によって軸の真円度を算出し、ワ
ークの良否を検査する自動真円度検査装置が開示されて
いる。
【0004】また、実公平8−9604号公報では、測
定治具板にクランク軸(本願では、クランクシャフトと
言う)を第1の回転姿勢に位置決め固定した状態でクラ
ンク軸の複数のクランクピン間の位相を測定し、また同
測定治具板にクランジ軸を第2及び第3の回転姿勢に位
置決め固定した状態で前記複数のクランクピンの軸間距
離を測定するようにした寸法測定治具であって、前記測
定治具板上にスライド自在に載置される治具本体と、こ
の治具本体に上下動自在に支持されて前記クランク軸の
クランクピンに横方向より当接可能なVブロックと、前
記治具本体に揺動可能に軸支され、前記第1の回転姿勢
に在るクランク軸のクランクピンに当接し得る高さに前
記Vブロックが在る時にそのVブロックに係合して該V
ブロックの上下動をいったん部の横変位に変換し得る第
1アームと、同じく治具本体に揺動可能に軸支され、前
記第2又は第3の回転姿勢に在るクランク軸のクランク
ピンに当接し得る高さに前記Vブロックが在る時にその
Vブロックに係合して該Vブロックの上下動を一端部の
横変位に変換し得る第2アームと、前記第1アーム一端
部の横変位を測定し得るよう前記治具本体に略水平な姿
勢で装着されて上向きの表示面を有する第1ダイヤルゲ
ージと、前記第2アーム一端部の横変位を測定し得るよ
う前記治具本体に略水平な姿勢で装着されて上向きの表
示面を有する第2ダイヤルゲージと、前記治具本体に位
置調節可能に固定されて前記Vブロックを弾性体を介し
てフローティング支持するストッパとを備えたクランク
軸の寸法測定治具が開示されている。これにより、クラ
ンクピン間の位相及び軸間距離(本願では、ピン1/2 ス
トロークと言う)を精密に測定可能としている。
【0005】さらに、特開昭59−184814号公報
には、クランクシャフトの長手方向(すなわち、軸方
向)位置を固定して載置する架台と、その受光素子配列
方向を前記クランクシャフトの長手方向と直行する方向
として前記架台の一側方に配設された1次元イメージセ
ンサと、前記架台の他側方に前記イメージセンサと相対
して配設された光源と、前記架台と前記イメージセンサ
との相対位置を前記架台に載置されたクランクシャフト
の長手方向に沿って変更させる手段と、この相対移動量
を検出する手段と、該検出手段及び前記イメージセンサ
による検出結果を基にクランクシャフトの所定部分の長
手方向寸法を算出する演算回路とを具備するクランクシ
ャフト用測長装置が開示されている。これによって、人
間の目視検査による官能検査で行っていた長手方向寸法
測定を、正確に測定できるようにしている。
【0006】また、実開昭55−6825号公報には、
測定すべきクランクシャフトの両端を回転自在に支持す
る支持台と、これら支持台の少なくとも一方に設けら
れ、上記クランクシャフトの回転角度を測定するエンコ
ーダと、上記クランクシャフトの長手方向及び接離方向
に移動でき、かつ移動量をマグネスケールなどの測定手
段により測定可能な測定台と、この測定台上に設けら
れ、クランクシャフトの測定部に当接自在な基準円板
と、上記測定部の上方及び基準円板の反対側において測
定部へ当接し、測定部の寸法を測定する複数個の測定具
とを具備してなるクランクシャフト測定装置が開示され
ている。この測定装置によって、クランクシャフトの曲
がり(ここでは、ジャーナル部の振れ)、ジャーナル部
とピン部との各軸間距離のピン半ストローク(本願のピ
ン1/2 ストロークに相当)、各ピン部の基準ピンに対す
るピン位相、各ピン部及び各ジャーナル部の径、及びそ
の真円度を測定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の各測定装置では、クランクシャフトの加工
精度が要求される項目の内の一部しか測定することがで
きず、全項目を精度良く測定するには、複数の測定装置
を用いて測定しなければならない。このために、測定装
置を替える度にワークの取外し、取付け、及び測定の準
備作業等を行う必要があり、段取換え時間が多くかかっ
ている。この結果、1つのワークに対する全項目の測定
時間が非常に多くかかって作業能率が良くないという問
題が生じている。また、ワークの種類、形状及び大きさ
等が異なると、その度に測定装置の治具等をワークに応
じて変更しなければならない場合もあるので、多品種生
産に対応できないという問題も生じている。
【0008】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、複数の異なる種類のワークに対応して複
数の測定項目を1回の段取換えで短時間に、かつ確実に
測定可能なクランクシャフトの自動測定装置及びその測
定方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、クラン
クシャフトAのワークの両端面に設けられたセンタ穴に
センタ12a,13aを挿入して回転自在に支持する支
持ユニット10と、支持ユニット10に支持されたワー
クをセンタ12a,13aの軸心を中心に回転させる回
転駆動手段14と、このワークの回転角度を検出する回
転角度センサ15と、ワークの回転の軸心方向に対して
垂直に移動自在な測定子32を有し、回転駆動手段14
によるワークの回転に伴って、前記ワークのピン部61
又はジャーナル部62の円筒面に、あるいはこれらのR
溝底面にこの測定子32の前端部の当接面32bを当接
させながら追従駆動して動作し、前記回転の軸心方向に
直交する方向の変位量を測定する輪郭測定ユニット30
と、前記回転角度センサ15が検出したワークの回転角
度、及びこの輪郭測定ユニット30が測定した前記変位
量を入力し、所定の回転角度毎の変位量に基づいてワー
クの輪郭を演算により求める制御器50とを備えたクラ
ンクシャフトの自動測定装置において、前記輪郭測定ユ
ニット30の測定子32は、前記回転の軸心方向とこの
測定子32の移動方向とに直交し、かつ、ワークの回転
に伴ってワークのピン部61が前記回転軸心を中心に回
転するときにこのピン部61の円筒面に常時当接するよ
うな長さを有する直線状の前記当接面32bを設け、前
記制御器50は、前記ワークの輪郭として、少なくと
も、ピン部61、ジャーナル部62又はこれらのR溝底
面の直径、真円度、真直度、あるいは、ピン部61のピ
ン1/2 ストローク、偏心量、位相角度等のいずれかを求
めるようにしている。
【0010】請求項1に記載の発明によると、輪郭測定
ユニットの測定子は、ワークの回転の軸心方向とこの測
定子の移動方向とに直交し、かつ、このワークの回転に
伴ってワークの輪郭測定対象の外周面(例えば、クラン
クシャフトのピン部の円筒面)に常時当接するような長
さを有する直線状の当接面を有している。したがって、
ワークが非円形形状をしていても、ワークを回転させて
いるとき、ワークの輪郭測定対象の外周面に前記測定子
が常時当接し、かつ、ワークの回転の軸心方向に直交す
る方向の変位量が精度良く測定される。この結果、一回
の段取りを行うだけで、例えば、クランクシャフトのピ
ン部、ジャーナル部又はこれらのR溝底面の直径、真円
度、真直度、あるいは、ピン部のピン1/2 ストローク、
偏心量、位相角度等の輪郭を正確に測定することが可能
となり、測定時間を短縮化することができる。
【0011】請求項2に記載の発明は、クランクシャフ
トAのワークの両端面に設けられたセンタ穴にセンタ1
2a,13aを挿入して回転自在に支持する支持ユニッ
ト10と、支持ユニット10に支持されたワークをセン
タ12a,13aの軸心を中心に回転させる回転駆動手
段14と、このワークの回転角度を検出する回転角度セ
ンサ15と、ワークの回転の軸心方向に対して垂直に移
動自在な測定子32を有し、回転駆動手段14によるワ
ークの回転に伴って、前記ワークのピン部61又はジャ
ーナル部62の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面に
この測定子32の前端部の当接面32bを当接させなが
ら追従駆動して動作し、前記回転の軸心方向に直交する
方向の変位量を測定する輪郭測定ユニット30と、前記
回転角度センサ15が検出したワークの回転角度、及び
この輪郭測定ユニット30が測定した前記変位量を入力
し、所定の回転角度毎の変位量に基づいてワークの輪郭
を演算により求める制御器50とを備えたクランクシャ
フトの自動測定装置において、前記回転の軸心方向に移
動自在に設けられる共に、接触子43を有し、かつ、前
記軸心方向に移動中にこの接触子43が前記ピン部61
又はジャーナル部62の端面に接触したときに接触信号
を出力する接触センサ42が設けられた長手測定ユニッ
ト40と、この長手測定ユニット40の接触子43の前
記軸心方向の移動位置を検出して出力する第1位置セン
サ22とを付設し、前記制御器50は、前記ワークの輪
郭として、少なくとも、ピン部61、ジャーナル部62
又はこれらのR溝底面の直径、真円度、真直度、あるい
は、ピン部61のピン1/2 ストローク、偏心量、位相角
度等のいずれかを求めると共に、長手測定ユニット40
から接触信号を入力したとき第1位置センサ22から前
記移動位置を入力してこの移動位置に基づいて前記ピン
部61又はジャーナル部62の端面の幅寸法又は長手寸
法を求めるようにしている。
【0012】請求項2に記載の発明によると、輪郭測定
ユニットの測定子は、ワークの回転の軸心方向に対して
直交する方向に移動自在であり、ワークの回転に伴って
ワークの輪郭測定対象の外周面(例えば、クランクシャ
フトのピン部の円筒面)に常時当接するように追従駆動
されるようになっている。したがって、ワークを回転さ
せているとき、ワークの輪郭測定対象の外周面に前記測
定子が常時当接し、かつ、ワークの回転の軸心方向に直
交する方向の変位量が精度良く測定される。また、接触
センサを前記回転の軸心方向に移動させてその接触子が
ワークの端面(例えば、クランクシャフトのピン部やジ
ャーナル部の端面)に接触したとき、前記軸心方向の位
置を第1位置センサから取り込んで前記端面の位置を検
出し、この位置データに基づいて軸心方向(すなわち、
長手方向)の位置が正確に検出される。この結果、一回
の段取りを行うだけで、例えば、クランクシャフトのピ
ン部、ジャーナル部又はこれらのR溝底面の直径、真円
度、真直度、あるいは、ピン部のピン1/2 ストローク、
偏心量、位相角度等の輪郭を、そして、ピン部又はジャ
ーナル部の端面の幅寸法及び/又は長手方向寸法(以
後、長手寸法と言う)を、正確に測定することが可能と
なり、測定時間を短縮化することができる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記
輪郭測定ユニット30は、前記回転の軸心方向に移動自
在に設けられ、かつ、前記ワークのピン部61又はジャ
ーナル部62の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面に
当接して前記回転の軸心方向に直交する方向に追従駆動
される前記測定子32を備えた構成としている。
【0014】請求項3に記載の発明によると、輪郭測定
ユニットはワークの回転の軸心方向に移動自在に設けら
れており(例えば回転の軸心方向に移動自在な水平テー
ブル上に取着される)、測定子をワークの任意の位置に
ある輪郭測定対象の各外周面(例えば、クランクシャフ
トのピン部又はジャーナル部の円筒面)に当接させるこ
とが可能となる。また、ワークの回転に伴って、前記測
定子は前記回転の軸心方向に直交する方向に追従駆動さ
れるので、これらの外周面に常時当接される。したがっ
て、ワークの種類により、輪郭測定部(例えば、ピン部
やジャーナル部等)の軸心方向の位置が異なっていて
も、ワークを取り付けたままで測定子を各測定部の位置
に移動させることが可能となる。よって、複数の異なる
種類のワークに対応して測定可能となると共に、1回の
段取換えを行うだけで、ワークの輪郭を精度良く測定す
ることができ、測定時間を短縮化することが可能とな
る。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記
輪郭測定ユニット30の測定子32は、前記回転の軸心
方向とこの測定子32の移動方向とに直交し、かつ、前
記ワークの回転に伴って前記ワークのピン部61が前記
回転軸心を中心に回転するときにこのピン部61の前記
円筒面に常時当接するような長さを有する前記当接面3
2bを設けている。
【0016】請求項4に記載の発明によると、輪郭測定
ユニットの測定子は、ワークの回転の軸心方向とこの測
定子の移動方向とに直交し、かつ、このワークの回転に
伴ってワークの輪郭測定対象の外周面(例えば、クラン
クシャフトのピン部の円筒面)に常時当接するような長
さを有する直線状の当接面を有している。したがって、
ワークが非円形形状をしていても、ワークを回転させて
いるとき、ワークの輪郭測定対象の外周面に前記測定子
が常時当接し、かつ、ワークの回転の軸心方向に直交す
る方向の変位量が精度良く測定される。この結果、一回
の段取りを行うだけで、例えば、クランクシャフトのピ
ン部、ジャーナル部又はこれらのR溝底面の直径、真円
度、真直度、あるいは、ピン部のピン1/2 ストローク、
偏心量、位相角度等の輪郭を正確に測定することが可能
となり、測定時間を短縮化することができる。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1、2又
は3記載のクランクシャフトの自動測定装置において、
前記輪郭測定ユニット30は、前記測定子32を前記回
転の軸心方向に直交する方向に前進又は後退させる測定
子駆動手段36を備えた構成としている。
【0018】請求項5に記載の発明によると、輪郭測定
ユニットは測定子を前記回転の軸心方向に直交する方向
に前進又は後退させる測定子駆動手段を有しているの
で、測定子をこの軸心方向に移動させて測定位置を変更
する前に後退させ、測定位置変更後に再び前進させて輪
郭測定を行うようにする。これにより、測定子を軸心方
向に移動させるときに、測定子がワークに干渉するのが
確実に防止される。したがって、異なる種類の複数のワ
ークに対しても、段取換えをしなくても、ワークとの干
渉が発生すること無く、確実に精度良く輪郭測定を行う
ことができる。また、測定子をワークの測定部位に当接
させる際、当接する前に減速させるなどして極めてソフ
トに当接できるので、測定子やワークの損傷を回避でき
ると共に、測定子を能率良く移動できる。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項1、2又
は3記載のクランクシャフトの自動測定装置において、
前記輪郭測定ユニット30の測定子32の追従駆動は、
バランスウェート35の押しつけ力により行ってもよ
い。
【0020】請求項6に記載の発明によると、測定子を
バランスウェートの荷重によってワークの測定対象の外
周面に押しつけることができる。したがって、簡単な機
構で、かつ、確実に測定子の追従駆動が可能となり、よ
って輪郭測定が精度良く行われる。
【0021】請求項7に記載の発明は、請求項1、2又
は3記載のクランクシャフトの自動測定装置において、
前記輪郭測定ユニット30の測定子32の追従駆動は、
空圧のバランスシリンダ76の押しつけ力により行って
もよい。
【0022】請求項7に記載の発明によると、測定子を
空圧のバランスシリンダによって所定圧でワークの測定
対象の外周面に押しつけることができる。したがって、
簡単な機構で、かつ、確実に測定子の追従駆動が可能と
なり、よって輪郭測定が精度良く行われる。
【0023】請求項8に記載の発明は、請求項2又は3
記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記
長手測定ユニット40の接触センサ42は、前記接触子
43の長手方向に垂直な力を検出して接触信号を出力す
るタッチプローブ式センサである方が好ましい。
【0024】請求項8に記載の発明によると、タッチプ
ローブ式の接触センサを用いているので、接触子の長手
方向に垂直に作用する力により接触を正確に検出するこ
とができる。したがって、前述のようにこの接触子が前
記軸心方向(これは、接触子の長手方向に垂直な方向に
相当する)に移動しているとき接触子がワークの端面に
接触したら、その端面からの反力を受けてこの接触が正
確に検出される。このときの軸心方向の位置に基づい
て、接触したこの端面の位置を精度良く検出することが
容易に可能となる。よって、簡単な構成により、長手方
向の位置、寸法等を精度良く検出することが可能とな
る。
【0025】請求項9に記載の発明は、請求項2又は3
記載のクランクシャフトの自動測定装置において、前記
長手測定ユニット40は、前記接触センサ42の接触子
43を前記回転の軸心方向に直交する方向に前進又は後
退させる接触子駆動手段44を備えた構成としている。
【0026】請求項9に記載の発明によると、長手測定
ユニットは接触センサの接触子を前記回転の軸心方向に
直交する方向に前進又は後退させる接触子駆動手段を有
しているので、測定子を後退させ、この軸心方向に移動
させて測定位置を変更した後に、再び前進させて長手方
向の幅寸法や長手寸法等の測定を行うようにする。これ
により、接触子を軸心方向に移動させるときに、接触子
のワークへの干渉が確実に防止される。したがって、異
なる種類の複数のワークに対しても、段取換えをしなく
ても、ワークとの干渉が発生すること無く、確実に精度
良く長手寸法の測定を行うことができる。
【0027】請求項10に記載の発明は、請求項1又は
2記載のクランクシャフトの自動測定装置において、測
定結果を記憶する記憶装置58と、測定結果を表示する
表示器57と、測定結果をプリントアウトするプリンタ
59との内、少なくともいずれか1つを付設すると共
に、前記制御器50は、前記求めた各測定データが予め
設定された許容範囲内か否かを判断し、この測定データ
及び判断結果等の測定結果を、前記記憶装置58に記憶
し、又は前記表示器57に表示し、又は前記プリンタ5
9に出力するようにしている。
【0028】請求項10に記載の発明によると、測定デ
ータが予め設定された許容範囲内か否か判定され、前記
測定データ及びこの判定結果の測定結果が記憶装置に記
憶されて保存される。これによって、この測定結果に基
づくデータ解析が可能となり、解析結果を用いてメンテ
ナンス管理、次ワークの加工条件の向上、及び故障診断
等を行うことができるようになる。また、上記測定結果
を表示器に表示することにより、あるいはプリントアウ
トすることにより、作業者が結果を容易に知ることがで
き、作業者によるデータ解析が可能となる。
【0029】請求項11に記載の発明は、請求項2記載
のクランクシャフトの自動測定装置において、前記制御
器50は、前記長手測定ユニット40により前記ワーク
に設けられた基準面63の長手方向位置を測定して求
め、この基準面63の測定位置データに基づいて、前記
ワークの各輪郭、各幅寸法又は各長手寸法を測定する軸
心方向の測定位置を補正してそれぞれを測定するように
している。
【0030】請求項11に記載の発明によると、例えば
機械加工の基準面をワークの基準面とし、この基準面の
長手方向の位置を測定し、この位置に基づいてワークの
各輪郭データ又は長手方向データを測定する軸心方向の
測定位置を補正する。この結果、例えばセンタ穴の深さ
のばらつき等によって、ワークの取付位置が長手方向
(つまり、軸心方向)にずれても、上記のデータを精度
良く測定できる。
【0031】請求項12に記載の発明は、クランクシャ
フトAのワークの両端面に設けられたセンタ穴にセンタ
12a,13aを挿入して支持したワークをセンタ12
a,13aの軸心を中心に回転させ、この回転に伴っ
て、ワークのピン部61又はジャーナル部62の円筒面
に、あるいはこれらのR溝底面に、測定子32を当接さ
せながら追従駆動させ、前記回転の軸心方向に直交する
方向の変位量を測定し、ワークの所定の回転角度毎のこ
の変位量に基づいてワークの輪郭を演算により求め、接
触子43を前記回転の軸心方向に移動しながら検出した
前記ピン部61又はジャーナル部62の端面の軸心方向
の位置に基づいて、このピン部61又はジャーナル部6
2の幅寸法及び/又は長手寸法を求めるクランクシャフ
トの自動測定方法において、前記ピン部61又はジャー
ナル部62の幅寸法及び/又は長手寸法を求める工程の
後、少なくとも、ピン部61、ジャーナル部62又はこ
れらのR溝底面の直径、真円度、真直度、あるいは、ピ
ン部61のピン1/2 ストローク、偏心量、位相角度等の
いずれかの輪郭を測定する工程を行う方法としている。
【0032】請求項12に記載の発明によると、ワーク
の軸心方向の位置(例えば、クランクシャフトの端面の
位置)により長手方向の幅寸法や長手寸法を測定した
後、輪郭測定を行うので、1回の段取換え作業で1つの
ワークの全ての測定項目を測定可能となり、測定時間が
短縮化される。
【0033】請求項13に記載の発明は、請求項12記
載のクランクシャフトの自動測定方法において、前記幅
寸法及び/又は長手寸法を求める工程、及び前記輪郭を
測定する工程の内のいずれかの前後に、前記ワークが前
記両センタ12a,13aに支持されているときのワー
クの軸心の傾きを測定する工程を設け、この傾きに基づ
いて前記測定した幅寸法、長手寸法及び輪郭を補正する
方法としている。
【0034】請求項13に記載の発明によると、取り付
けられた状態のワークの軸心の傾きを測定し、この傾き
に基づいて前記測定した幅寸法、長手寸法、輪郭データ
等を補正する。これにより、ワークをセンタで支持する
支持ユニットを固定したときの位置決め誤差などによっ
て取付け時に軸心の傾きが生じても、非常に正確な幅寸
法、長手寸法、輪郭データの測定が可能となる。
【0035】請求項14に記載の発明は、請求項12又
は13記載のクランクシャフトの自動測定方法におい
て、前記ワークの機械加工の基準面63の長手方向位置
を求め、この基準面63の長手方向位置に基づいて、前
記輪郭を測定する工程での測定位置を補正する方法とし
ている。
【0036】請求項14に記載の発明によると、ワーク
の機械加工の基準面の長手方向位置を求め、この基準面
の長手方向位置に基づいて輪郭測定での測定位置を補正
する。したがって、輪郭の測定位置のばらつきが無くな
り、正確な測定位置で精度良く輪郭を測定できる。この
結果、この測定データを用いて解析し、次回の加工条件
へのフィードバックによるワーク加工精度管理、及び工
具や機械精度のメンテナンス管理を精度良く行うことが
できる。
【0037】請求項15に記載の発明は、請求項12、
13又は14記載のクランクシャフトの自動測定方法に
おいて、前記幅寸法及び/又は長手寸法、及び輪郭を測
定した後、この測定データに基づいて測定結果の合否を
判定している。
【0038】請求項15に記載の発明によると、1回の
段取換え作業で幅寸法、長手寸法及び輪郭を全て測定で
き、この全ての測定データに基づいて測定結果の合否を
判定するので、合否判定を短時間で行うことができる。
これにより、加工結果の検査時間を短縮化できる。
【0039】請求項16に記載の発明は、請求項12、
13又は14記載のクランクシャフトの自動測定方法に
おいて、前記幅寸法及び/又は長手寸法、及び輪郭を測
定した後、この測定データを保存又はプリントアウトす
る工程を設けている。
【0040】請求項16に記載の発明によると、幅寸
法、長手寸法及び輪郭の測定データがが記憶装置等に保
存され、又はプリントアウトされる。この保存によっ
て、この測定データに基づくデータ解析が可能となり、
解析結果を用いて工具や機械精度のメンテナンス管理、
次ワークの加工条件の向上、及び故障診断等を行うこと
ができるようになる。また、この測定データをプリント
アウトすることにより、作業者が結果を容易に知ること
ができ、作業者によるデータ解析が可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明に好適な実施形態の
一例を図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発
明に係わるクランクシャフトの自動測定装置の側面図及
び平面図をそれぞれ示しており、同図に基づいて全体構
成を説明する。ベース1は本測定装置の各部材が載置さ
れ、かつ固定される基台を成しており、本実施形態にお
いては、上面が滑らかに研磨された石からなる定盤で構
成されている。ベース1の上面前部には、クランクシャ
フトを長手方向(つまり、軸心方向)の両端側からクラ
ンプして支持する支持ユニット10が載置されている。
この支持ユニット10は、ベース1の上面前部の左右の
いずれか一側(図示では右側)に固定された回転ストッ
ク11と、他側にこの回転ストック11に対向して図示
で左右方向に移動自在に配設されたテールストック13
とを備えている。この回転ストック11のテールストッ
ク13と対向する面には円テーブル12が回転自在に設
けられており、円テーブル12の回転中心には、テール
ストック13の方に突出し、かつ、その軸心が前記回転
中心と一致したセンタ12aが設けられている。また、
テールストック13の回転ストック11と対向する面に
は、同じくその軸心が前記回転中心と略一致するように
センタ13aが回転自在に設けられている。さらに、回
転ストック11には例えばパルスモータからなる回転駆
動手段14が配設されており、この回転駆動手段14の
出力回転軸は図示しない動力伝達手段(例えば、ギア列
等)を介して前記円テーブル12の回転軸に連結されて
いる。また、この円テーブル12の回転軸には例えばエ
ンコーダからなる回転角度センサ15が取り付けられて
おり、回転角度センサ15により円テーブル12の回転
角度、すなわちクランクシャフトの回転角度が検出され
る。
【0042】なお、回転ストック11とテールストック
13との間のベース1の表面には、両者を結ぶ直線に沿
ってT溝16が設けられており、このT溝16の長手方
向に垂直な断面形状はベース1の表面近傍に両側面から
突出した突出部(図示せず)を有していて、この突出部
より下方のT溝16の内部にはナット(図示せず)が設
けられている。そして、前記テールストック13はT溝
16に沿って移動自在に設けられていると共に、図示し
ないボルトとT溝16の前記ナットによって前記突出部
を介して固定されるようになっている。
【0043】また、ベース1の上面の後部には、図示し
ないガイドレールが円テーブル12の前記回転中心線の
方向と平行に布設されており、このガイドレール上に水
平テーブル20が移動自在に設けられている。この水平
テーブル20の下部には図示しないボールネジが配設さ
れており、このボールネジのナット部材は水平テーブル
20の下面に取着されており、またボールネジのネジは
前記ガイドレールと同一の方向に配設されていて、この
ネジの一端部に例えばパルスモータからなる水平テーブ
ル駆動手段21の出力回転軸が連結されている。そし
て、この水平テーブル駆動手段21の本体はベース1の
上面に取り付けられており、水平テーブル駆動手段21
の回転によってこのボールネジを介して水平テーブル2
0は前記ガイドレールに沿って移動するようになってい
る。また、水平テーブル20とベース1との間には、例
えばマグネスケール等のリニアセンサからなる第1位置
センサ22が設けられており、この第1位置センサ22
によって水平テーブル20の移動位置が検出される。
【0044】水平テーブル20の上面には、クランクシ
ャフトのジャーナル部及びピン部の外周加工面の直径方
向の変位量を測定する輪郭測定ユニット30と、クラン
クシャフトの長手方向、すなわち軸心方向の位置を測定
する長手測定ユニット40とが、それぞれクランクシャ
フトの軸心に直交する方向に移動自在に配設されてい
る。輪郭測定ユニット30はこの軸心に直交する方向に
移動自在な輪郭測定テーブル31を有しており、この輪
郭測定テーブル31にはクランクシャフトへ向かって突
出した測定子32が取着されている。測定子32の先端
部においては、平面視での前記軸心方向の厚さは、クラ
ンクシャフトのジャーナル部及びピン部の円筒面に当接
可能なような所定寸法となっている。また、長手測定ユ
ニット40は前記軸心に直交する方向に移動自在な長手
測定テーブル41を有しており、この長手測定テーブル
41にはクランクシャフトの方へ突出した接触子43を
有する接触センサ42が取着されている。
【0045】図3及び図4は輪郭測定ユニット30の詳
細な側面図を示しており、以下同図に基づいて説明す
る。輪郭測定ユニット30のフレーム39は水平テーブ
ル20の上面に取り付けられており、このフレーム39
の上部には図示しないガイドレールが布設されていて、
このガイドレールによって前記輪郭測定テーブル31が
移動自在に支持されている。前述のように、輪郭測定テ
ーブル31はクランクシャフトAの軸心に直交する方向
(図示で、左右方向)に移動自在となっている。そし
て、この輪郭測定テーブル31とフレーム39との間に
は、この輪郭測定テーブル31の移動方向の位置を検出
する、例えばリニアセンサからなる第2位置センサ38
が配設されている。
【0046】フレーム39の上部のクランクシャフトA
に近い端部には、ローラ33aがその回転軸を輪郭測定
テーブル31の移動方向に対して垂直にして回動自在に
設けられており、また、フレーム39の上部の前記ロー
ラ33aと反対側の端部には、ローラ33bが同様にそ
の回転軸を輪郭測定テーブル31の移動方向に垂直にし
て回動自在に設けられている。そして、ローラ33aに
面した輪郭測定テーブル31の端部にはロープ34の一
端側が取り付けられており、このロープ34の他端側は
前記ローラ33a及びローラ33bを順次経由してバラ
ンスウェート35に取り付けられている。このバランス
ウェート35の荷重は、ロープ34を介して輪郭測定テ
ーブル31に作用することにより、この輪郭測定テーブ
ル31を所定の力でクランクシャフトAに向かって駆動
する。これにより、輪郭測定テーブル31に取着された
測定子32がクランクシャフトAに当接した後は、この
測定子32は前記所定の力でクランクシャフトAの円筒
面に当接するように追従駆動されるようになっている。
【0047】また、フレーム39の下部には、例えばパ
ルスモータからなる測定子駆動手段36が配設されてお
り、この測定子駆動手段36の出力回転軸は、この移動
方向に平行にその軸心が設けられた図示しないボールネ
ジの端部に取り付けられている。このボールネジのナッ
ト部は、図示しないガイドレール上に移動自在に載置さ
れた爪部材37に取着されている。この爪部材37の前
進方向の端部、すなわちクランクシャフトAに近い側の
端部には上方に突出した爪37aが設けられていて、こ
の爪37aに輪郭測定テーブル31の前進方向の下端部
が掛かるようになっている。そして、測定子駆動手段3
6によって爪37aを前進又は後退させることにより、
輪郭測定テーブル31は所定位置に移動することができ
る。
【0048】ここで、図4に図示したように、爪部材3
7をクランクシャフトAに向けて前進させると、爪部材
37の爪37aの移動に伴って輪郭測定テーブル31が
バランスウェート35の押しつけ力によって前進し、位
置Bにおいて測定子32の前端部32aがクランクシャ
フトAに当接する。この後、さらに爪部材37を前進さ
せると、測定子32は前記押しつけ力によって当接した
ままで停止しているので、輪郭測定テーブル31はこの
ときの位置を保持し、一方、爪部材37は前進端位置C
まで前進することができるようになっている。また、爪
部材37を後退させると、爪部材37の爪37aが輪郭
測定テーブル31の前端部に係合し、これによって輪郭
測定テーブル31が後退するので測定子32が後退す
る。
【0049】また、本実施形態においては、前記測定子
32の前端部32aはクランクシャフトAと当接する側
に、クランクシャフトAの軸心方向、及び測定子32の
移動方向に対して共に垂直な方向に細長い直線状の当接
面32bを有しており、この当接面32bは測定子32
の移動方向に直交している。そして、この前端部32a
は、前述のように、クランクシャフトAの軸心方向に所
定寸法以下の厚さを有している。なお本発明において
は、前端部32aのクランクシャフトAとの当接部の形
状は前記当接面32bのような平面に限定されず、この
当接部の前記軸心方向の幅は所定寸法以下で、かつ、長
手方向は前記軸心方向及び前記移動方向に対して共に垂
直な当接部であればよい。例えば、直径が所定寸法以下
の細長い円筒部材の側面部をクランクシャフトAに向け
て、かつ、その円筒軸心を上記のように前記軸心方向及
び前記移動方向に対して共に垂直に設けてもよく、この
ときの円筒部材は完全は円筒形状でも、又は半円筒形状
でもよい。
【0050】つぎに、図5及び図6に基づいて、長手測
定ユニット40を詳細に説明する。図5は長手測定ユニ
ット40の平面図を表し、また図6はその側面図を表し
ている。長手測定ユニット40のフレーム49は水平テ
ーブル20の上面に取り付けられており、このフレーム
49の側面にクランクシャフトAの軸心に直交する方向
(図示で、左右方向)にガイドレール45が布設されて
いる。ここで、このガイドレール45の取り付け位置を
フレーム49の側面としたのは本発明の主旨ではなく、
仕様を満たすような位置であればよい。そして、このガ
イドレール45に長手測定テーブル41が移動自在に支
持されて設けられている。前述のように、長手測定テー
ブル41には接触センサ42が取り付けられており、こ
の接触センサ42はクランクシャフトAの前記軸心に直
交する方向にその軸心が向けられた細長い棒状の接触子
43を有している。
【0051】ガイドレール45と反対側の前記フレーム
49の面にはガイドレール45の移動方向に沿ってボー
ルネジ46が配設されており、このボールネジ46のナ
ット部47は長手測定テーブル41に取り付けられてい
る。また、ボールネジ46の一端部には例えばパルスモ
ータからなる接触子駆動手段44の出力回転軸が取り付
けられており、この接触子駆動手段44の本体は前記フ
レーム49に取着されている。そして、長手測定テーブ
ル41は接触子駆動手段44によってボールネジ46を
介してクランクシャフトAに向かって前進又は後退し、
これに伴い接触センサ42が前後進するようになってい
る。
【0052】接触センサ42は例えばメトロール社製の
タッチプローブ式センサ等で構成することができ、前記
接触子43がその長手方向(すなわち接触子43の軸心
方向)に垂直な力を受けて所定角度以上傾斜したときに
接触信号を出力するようになっている。また、接触子4
3がその長手方向に所定値以上の力を受けて所定距離以
上後退したときにも、接触信号を出力するようになって
いる。
【0053】図7には本実施形態に係わる制御構成ブロ
ック図を示しており、同図に基づいて各制御構成を説明
する。ドライブユニット51,52,53,54はそれ
ぞれ回転駆動手段14、水平テーブル駆動手段21、測
定子駆動手段36、接触子駆動手段44を駆動するため
のアンプであり、制御器50から入力する各駆動手段に
対応した駆動指令に基づいて、各駆動手段の回転を制御
する。シーケンサ55は本自動測定装置と外部装置(例
えば、ワークの搬入、搬出機)とのインタロックをとる
ためのインタフェース機器であり、例えば通常のプログ
ラマブルロジックコントローラ(いわゆる、PLC)か
ら構成することができる。シーケンサ55は、そのI/
Oユニットの入出力信号や、シリアル通信ユニットの入
出力信号によって制御器50とインタロックをとること
ができる。このシーケンサ55のシーケンス記憶部に
は、本自動測定装置の運転時の外部装置とのタイミング
信号やインタロック信号等を送受信し、判断するための
シーケンスプログラムが記憶されている。なお、このシ
ーケンサ55は本発明においては必須ではなく、このシ
ーケンサ55により実施される上記のようなシーケンス
プログラムと等しい機能のプログラムを後述の制御器5
0の制御プログラム内に有する場合には、このシーケン
サ55は不要となる。
【0054】設定スイッチ56は測定対象となるワーク
毎の測定条件に係わる測定仕様データを設定するスイッ
チであり、各設定項目の選択、設定データの入力等を行
うためのスイッチを有している。ここで、設定項目とし
ては、例えば、測定対象ワークの品番(識別番号)、ピ
ン数、ジャーナル数、ピン部の位相角度の基準位置、各
測定項目の許容範囲等があり、自動測定を開始する前
に、この設定スイッチ56によりワーク毎に予め設定さ
れる。また、各測定項目の測定位置、すなわち輪郭測定
を行うときの水平テーブル20の位置、輪郭測定ユニッ
ト30の測定子32の当接位置、あるいは、長手寸法の
測定を開始する水平テーブル20の位置等をティーチン
グするときの対象位置を設定し、ティーチングされた位
置を記憶させることもできる。この設定スイッチ56
は、例えば通常のキーボード等により構成してもよい。
なお、ティーチング時の水平テーブル20や輪郭測定テ
ーブル31の移動、及び測定子32の前後進等は、図示
しない操作スイッチにより行うことができる。
【0055】表示器57は、前記設定スイッチ56によ
り各種のデータを入力する際に、データ入力が容易に、
かつ、ミスが少なく行えるように、設定項目や設定デー
タを表示したり、あるいは、自動測定中に測定結果を作
業者に表示したり、また、各種の制御メッセージを表示
したりすることができる。この表示器57は、例えば、
CRT装置、液晶表示器又はプラズマ表示器等からなる
グラフィック表示器や、蛍光表示管やLED表示器等か
らなるキャラクタ表示器により構成することができる。
【0056】記憶装置58は、各ワーク毎の測定仕様デ
ータ、自動測定時の測定データ、及び測定データに基づ
く合否結果等を記憶することができる。この記憶装置5
8は書換え可能なメモリから構成されており、例えばハ
ードディスク装置、フロッピーディスク装置、光磁気デ
ィスク装置、又はICメモリカード装置等によって構成
することができる。また、プリンタ59は前記ワーク毎
の測定仕様データ、自動測定時の測定データ、又は測定
結果の合否判定データ等をプリントアウトするものであ
る。
【0057】制御器50はマイクロコンピュータ等を主
体にしたコンピュータ装置により構成されており、例え
ばパーソナルコンピュータ(いわゆる、パソコン)によ
り構成することができる。制御器50はメモリ50aを
有しており、このメモリ50aに、本発明に係わる自動
測定装置の測定のための制御シーケンスプログラム、及
び測定制御に必要な制御データ等を記憶するようにして
いる。
【0058】前述した回転角度センサ15、第1位置セ
ンサ22、第2位置センサ38及び接触センサ42のそ
れぞれの出力信号は、制御器50に入力される。そし
て、自動測定時には、これらの入力した角度データ、位
置データ及び接触信号に基づいて、制御器50は後述す
るような所定の処理を行い、この処理に従って各ドライ
ブユニット51,52,53,54を介して対応する回
転駆動手段14、水平テーブル駆動手段21、測定子駆
動手段36、接触子駆動手段44の回転角度を制御す
る。そして、このときの各回転角度データや位置データ
を所定のタイミングで取り込んでメモリ50aに記憶
し、これらのデータに基づいてクランクシャフトの各測
定項目データを演算して求め、求めた測定項目データを
記憶装置58に記憶する。また、制御器50は表示器5
7に表示指令及び表示データを出力して、設定スイッチ
56により設定された各データを表示して作業者に確認
させたり、前記測定項目データを表示したりする。
【0059】以上のような構成のクランクシャフトの自
動測定装置において、各測定項目を測定する手順を以下
に説明する。 (1) ワーク取付傾き測定 制御器50は、シーケンサ55を介して搬入装置とイン
タロックをとり、機械加工済のクランクシャフトを本自
動測定装置内に搬入させる。搬入されたクランクシャフ
トは、回転ストック11の円テーブル12のセンタ12
aとテールストック13のセンタ13aとの間に取り付
けられる。このとき、クランクシャフトの両端面にそれ
ぞれ設けられたセンタ穴に各センタ12a,13aが挿
入され、この後、テールストック13がその位置で前述
のようにT溝16に挿入されたボルト等で固定される。
これにより、クランクシャフトはセンタ12a,13a
の軸心を中心に回転自在に支持される。
【0060】ここで、各センタ12a,13aのベース
1からの高さは所定値となり変化しないが、T溝16に
は幅方向の隙間があるので、センタ13aがボルトで固
定される度に、ベース1の上面に平行で、かつ、クラン
クシャフトの軸心に垂直な方向にセンタ13aの位置が
ばらつくことになる。この結果、クランクシャフトが両
センタ12a,13a間に固定されたとき、クランクシ
ャフトの軸心がベース1に平行な面内で傾くことにな
り、この軸心の傾きは以後の各測定項目の測定精度に左
右する。したがって、本発明においては、この傾きを以
下の手順で測定してこの傾きにより他の測定項目の測定
データを補正するようにしている。
【0061】まず、制御器50は、輪郭測定ユニット3
0の測定子32及び長手測定ユニット40の接触子43
がワークと干渉しないように、測定子32及び接触子4
3を後退させた状態で、水平テーブル駆動手段21によ
り水平テーブル20を移動させ、図8に示すように測定
子32を前進させたときに測定子32がセンタ12aの
側面12bに当接可能な位置に水平テーブル20を位置
決めする。なお、この水平テーブル20の位置データ
は、本自動測定を開始する前に予めティーチングによっ
て制御器50のメモリ50aに記憶されている。そし
て、制御器50は、前記位置決め後に、測定子駆動手段
36により爪部材37を介して測定子32を前進させ、
測定子32の当接面32bをセンタ12aの側面12b
に当接させる。ここで、この当接位置、すなわち測定子
32の前進位置データも予めティーチングにより記憶さ
れており、測定子32を当接位置に前進させる際には、
制御器50は当接位置より所定距離手前まで測定子32
を所定の早送りで前進させ、この後所定の低速度に減速
して低速で当接位置まで前進させる。そして、測定子3
2が前記側面12bに当接したら、これ以降はバランス
ウェート35の押しつけ力によって前記当接面32bが
前記側面12bに押しつけられた状態を保持するだけな
ので、第2位置センサ38からの位置データが変化しな
くなる。よって、制御器50は、この位置データが所定
時間以上変化しなくなった場合には、爪部材37を前記
早送り速度で前進端位置まで前進させて退避させておく
ようにしている。このようにして、測定子32がセンタ
12aの前記側面12bに当接したら、制御器50はこ
のときの位置データを第2位置センサ38から取り込
み、この当接位置データと、予め記憶されているセンタ
12aの半径データとに基づいて、センタ12aの中心
線の位置を求める。
【0062】同様にして、制御器50は、測定子32を
後退させた状態で水平テーブル20をセンタ13a側の
予め記憶された所定位置に位置決めした後、測定子32
を所定の速度及びシーケンスで前進させ、図8に示すよ
うにセンタ13aの外周側面13bに当接させる。そし
て、測定子32が当接したときの位置データを第2位置
センサ38から取り込み、この当接位置データと、予め
記憶されているセンタ13aの半径データとに基づい
て、センタ13aの中心線の位置を求める。さらに、前
記求めたセンタ12aの中心線の位置データと、センタ
13aの中心線の位置データと、これらの位置データを
測定したときの水平テーブル20の両位置間の距離デー
タとに基づいて、制御器50は前記クランクシャフトの
回転軸心の傾き量を算出し、算出した傾き量データをメ
モリ50aに記憶しておく。この傾き量データに基づい
て、測定対象ワークの直径の補正が行われる。
【0063】(2) ピン部、ジャーナル部の幅寸法及び端
面の長手寸法の測定 図9は、クランクシャフトAの側面図を示している。同
図において、ピン部61及びジャーナル部62は円筒形
状に機械加工されており、ピン部61はこのクランクシ
ャフトAが係わる内燃機関の気筒数に応じた数だけ設け
られる。ピン部61及びジャーナル部62の軸心方向
(すなわち、長手方向)のそれぞれの幅H1 ,H2 、及
び、ピン部61及びジャーナル部62の端面までの長手
寸法は、クランクシャフトAの基準面からの長手方向距
離に基づいて求められる。本実施形態においては、クラ
ンクシャフトAの一方の端面(図示の右側端面)を基準
面としている。そして、この基準面からの長手方向距離
は、接触センサ42の接触子43によって、前記基準面
の位置と、各ピン部61及びジャーナル部62の左右の
端面の位置とを検出することにより算出される。
【0064】以下に、幅寸法及び長手寸法の測定手順を
説明する。まず、制御器50は、接触子43がワークに
干渉しないように後退した状態で、基準面63をサーチ
開始する所定位置まで水平テーブル20を移動させて位
置決めし、この位置決め後に接触子43を所定位置まで
前進させる。ここで、前記サーチ開始するための水平テ
ーブル20の所定位置、及び接触子43の前進の所定位
置は、自動測定開始前に予めティーチングにより記憶し
ておく。そして、水平テーブル20を微速で移動させな
がら、接触子43が基準面63に接触して接触センサ4
2から接触信号が入力されるのを待つ。接触信号が入力
されたときは、このときの水平テーブル20の位置デー
タを第1位置センサ22から入力し、この位置データを
基準面63の長手方向位置として記憶する。
【0065】次に、同様にして、ピン部61又はジャー
ナル部62の端面の長手方向位置も検出される。すなわ
ち、制御器50は、水平テーブル20を各ピン部61又
はジャーナル部62の測定位置に対応する所定のサーチ
開始位置まで移動させて位置決めし、この位置決め後に
接触子43を所定位置まで前進させる。ここで、前記サ
ーチ開始位置、及び接触子43の前進位置は、前述同様
に自動測定開始前に予めティーチングにより記憶してお
く。そして、基準面63の長手方向位置に基づいてこの
サーチ開始位置を補正する。次に、水平テーブル20を
微速で移動させながら、接触子43がピン部61又はジ
ャーナル部62の端面に接触して接触センサ42から接
触信号が入力されるのを待つ。接触信号が入力されたと
きは、このときの水平テーブル20の位置データを第1
位置センサ22から入力し、この位置データを各端面の
長手方向位置として記憶する。以上のような検出シーケ
ンスを、測定対象の各ピン部61及びジャーナル部62
の端面毎に繰り返す。
【0066】そして、各端面の長手方向位置データに基
づいて、前記幅寸法及び長手寸法を算出する。すなわ
ち、ピン部61の長手寸法は、基準面63の位置データ
と、ピン部61の両端面の内の基準面63に近い端面の
位置データとの差により算出され、また、ピン部61の
幅寸法は両端面の位置データ間の差により算出される。
同様にして、ジャーナル部62の長手寸法及び幅寸法が
算出される。
【0067】このように、基準面63からの位置として
各端面位置を求めて長手寸法及び幅寸法を求めているの
で、例えばセンタ12a,13aが挿入されるセンタ穴
の深さがワーク毎に異なっていて、クランクシャフトA
を両センタ12a,13a間に取り付けた場合に各端面
の位置がばらついても、このぱらつきの影響を受けずに
精度良く長手寸法及び幅寸法を求めることできる。ま
た、基準面63の位置に基づいて、ティーチングされた
サーチ開始位置を補正するので、端面サーチが確実に行
えるようになる。また、タッチプローブ式接触センサを
用いているので、簡単な構成で接触位置を精度良く検出
でき、よって各端面の位置が精度良く求まる。
【0068】なお、基準面63の位置は、本実施形態の
ようにクランクシャフトAの端面に限定されるものでは
なく、機械加工時の長手方向位置の基準とした端面、例
えばクランクシャフトAのスラスト面等であればよい。
また、求められた長手寸法及び幅寸法に基づいて、以下
の輪郭測定時の各測定位置の補正を行う。
【0069】(3) 輪郭測定 次に、輪郭測定を行う。この輪郭測定の項目としては、
例えばピン1/2 ストロークや、ピン部の位相、平均直
径、真円度及び真直度や、ジャーナル部の振れ(以後、
ジャーナル振れと呼ぶ)、平均直径、真円度及び真直度
や、ピン部及びジャーナル部のR溝底面の平均直径、真
円度及び真直度等がある。ここで、各測定項目を簡単に
説明する。
【0070】図10は、図9のX−X断面図を表してい
る。同図において、ピン1/2 ストロークは各ピン部61
の軸心O2 とクランクシャフトAの軸心O1 との距離e
であり、ピン部の位相は各ピン部61の軸心O2 とクラ
ンクシャフトAの軸心O1 とを結ぶ線の軸心O1 を中心
としたクランクシャフトAの回転の基準角度からの回転
角度θである。また、ジャーナル振れは、ジャーナル部
62の軸心のクランクシャフトAの軸心O1 からの偏心
量、すなわち両軸心間距離を表す。さらに、平均直径は
各ピン部61又はジャーナル部62毎に測定された複数
の直径データの平均値であり、真円度は測定された複数
の半径データに基づいて算出される各ピン部61又はジ
ャーナル部62毎の真円度であり、また真直度は各ピン
部61又はジャーナル部62の軸心線とクランクシャフ
トAの軸心線との成す角度(いわゆる、テーパ)で表さ
れる。また、図11は図9のP部又はQ部の詳細を表し
ており、ピン部61及びジャーナル部62のR溝の詳細
図を示している。このR溝はピン部61及びジャーナル
部62の円筒部の左右端面近傍の円筒面に設けられてお
り、このR溝底面の平均直径、真円度、真直度等が測定
される。
【0071】輪郭測定は、次のような手順で行われる。
まず、制御器50は、水平テーブル20を測定対象のピ
ン部61又はジャーナル部62の所定の測定位置に移動
させて位置決めし、この次に測定子32を所定の当接位
置より所定距離手前の位置まで所定の早送りで前進させ
た後に所定の低速度でピン部61又はジャーナル部62
の円筒面に当接するまで前進させる。ここで、水平テー
ブル20の各測定位置、及び測定子32の当接位置は予
めティーチングにより記憶させておく。また、基準面6
3の位置に基づいて、測定位置を補正するので、測定位
置のばらつが無くなり、正確な測定位置で精度良く輪郭
データを測定することが可能となる。次に、制御器50
は、第2位置センサ38からの位置データが所定時間
(例えば1秒間)変化しなくなったとき測定子32が当
接したと判断し、回転駆動手段14により円テーブル1
2を回転させ、回転角度センサ15からの角度データを
監視しながら所定の単位角度(例えば1°)毎に位置決
めする。このとき、測定子32はバランスウェート35
によって当接する方向に追従駆動されているので、上記
円テーブル12の回転に伴って常時測定子32がピン部
61又はジャーナル部62の円筒面に当接した状態は保
持される。
【0072】そして、制御器50は、この各単位回転角
度毎の位置決め後、このときの第2位置センサ38から
位置データを取り込み、この各位置データを円テーブル
12の角度データ(すなわち、回転角度センサ15によ
る回転角度データ)に対応させてメモリ50aの所定エ
リアに記憶しておく。これらの位置データは各測定位置
毎に取り込まれ、各測定位置に対応して記憶される。
【0073】次に、各測定位置毎に、前記取り込まれた
位置データ及び回転角度データに基づいて、前記単位回
転角度毎の前記ピン部61又はジャーナル部62の円筒
面の前記回転の軸心方向に直交する方向の各変位量を求
め、この変位量に基づいて、前記ピン部61又はジャー
ナル部62の中心位置が求められる。さらに、求めた中
心位置に基づいて、ピン1/2 ストローク及びジャーナル
振れ、ピン部の位相角度、ジャーナル部62の偏心方
向、ピン部61及びジャーナル部62のそれぞれの直
径、真円度及び真直度、また、R溝63の直径、真円度
及び真直度等が算出される。そして、この測定結果に基
づいて、各測定データが予め設定された許容範囲内であ
るか否かを判断し、その判断結果を表示器57に表示す
るとともに、前記測定結果及び判断結果を記憶装置58
に各ワーク毎に対応させて記憶させる。なお、これらの
測定結果及び判断結果をプリンタ59に出力して保存す
ることも可能である。
【0074】以上説明したように、測定対象の各ピン部
61及びジャーナル部62や、基準面63等を測定する
ための各測定位置をワーク毎にティーチングにより予め
記憶させることができるので、例えばピン数、ジャーナ
ル数又はピン位相角度等が異なるような複数のワークに
対応して容易に測定することが可能となる。また、各ワ
ーク毎に対応した機械加工時の基準面を測定位置の基準
位置とするようにしており、すなわち、各ワーク毎に自
動測定開始時にこの基準位置を測定し、この測定された
基準位置データに基づいて前記予め記憶されている測定
位置の各位置を補正するようにしている。したがって、
例えば、両センタ12a,13a間にクランクシャフト
を取り付けたときに、端面のセンタ穴の深さのばらつき
に影響されて各ピン部61及びジャーナル部62の端面
の長さ方向位置がばらつくことになるが、前記補正によ
ってこのばらつきの影響を無くして軸心方向寸法(つま
り、幅寸法及び長手寸法等)を精度良く測定することが
できるようになる。
【0075】さらに、ワークを取り付けた後は、全測定
項目を自動的に測定するので、各測定項目毎に段取換え
作業を行う必要が無くなって測定時間を短縮化すること
が可能となる。また、測定作業に熟練してない作業者で
も、容易に、そして精度良く測定することができる。ま
た、輪郭測定のとき、測定子をワークの測定部位に当接
させる際、測定子駆動手段36(例えばパルスモータ)
の速度を制御することにより、当接する前に減速させる
などして極めてソフトに当接できるので、測定子やワー
クの損傷を回避できる。さらに、高速と低速を切り換え
ることにより、測定子を短時間で能率良く当接位置ま
で、あるいは最後端位置まで移動できる。そして、測定
後、測定データや合否結果を記憶装置58に記憶してお
き、このデータを解析して、工具や機械精度のメンテナ
ンス時期管理、次ワークの加工条件の向上、又は故障診
断等に使用することが可能となる。また、測定データの
表示やプリントアウトにより、作業者によるデータ解析
が行えるようになる。
【0076】なお、上記の実施形態においては、測定子
32が測定対象の外周面に常時当接するように追従駆動
させる手段をバランスウェート35の押しつけ力を利用
した構成によって実現しているが、本発明はこれに限定
されるものでは無い。すなわち、例えば空圧シリンダ等
からなる空圧回路により構成することもでき、一例とし
て図12にその空圧回路を示す。同図において、空圧源
71からレギュレータ72及びチェック弁73を介して
バランスシリンダ76のボトム室76aにエアが供給さ
れ、チェック弁73とのバランスシリンダ76のボトム
室76aとの間の管路にアキュムレータ74及び圧力計
75が接続されている。また、バランスシリンダ76の
ヘッド室76bには大気と連通するための連通路が設け
られている。そして、ピストン77の先端部には測定子
32が取着される。なお、バランスシリンダ76はピス
トン77の摺動抵抗が非常に小さいものが使用される。
このような構成において、バランスシリンダ76のボト
ム室76aにレギュレータ72により所定圧力のエアを
供給すると、測定子32はこの圧力で前記外周面に押し
つけられ、また測定子32が前進又は後退するときには
圧力の変動がアキュムレータ74により抑えられ、よっ
て、測定子32は前記外周面に追従駆動される。
【0077】また、本実施形態においては、各測定位置
での水平テーブル20の位置、測定子32の当接位置、
及び接触子43の前進位置を予めティーチングにより記
憶させるようにしているが、本発明はこの方法に限定さ
れず、例えば、クランクシャフトの設計データに基づい
て位置データとして直接数値データを入力して設定する
ようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるクランクシャフトの自動測定装
置の側面図を示す。
【図2】本発明に係わるクランクシャフトの自動測定装
置の平面図を示す。
【図3】輪郭測定ユニットの詳細側面図を示す。
【図4】輪郭測定ユニットの詳細側面図を示す。
【図5】長手測定ユニットの詳細平面図を示す。
【図6】長手測定ユニットの詳細側面図を示す。
【図7】自動測定装置の制御構成ブロック図を示す。
【図8】クランクシャフトの回転軸心の傾き量の測定方
法説明図を示す。
【図9】クランクシャフトの側面図を示す。
【図10】図9のX−X断面図を示す。
【図11】図9のP部又はQ部の詳細図を示す。
【図12】測定子の追従駆動の他の実施形態を示す。
【符号の説明】
10 支持ユニット 12a,13a センタ 12b,13b 側面 14 回転駆動手段 15 回転角度センサ 21 水平テーブル駆動手段 22 第1位置センサ 30 輪郭測定ユニット 32 測定子 32b 当接面 35 バランスウェート 36 測定子駆動手段 38 第2位置センサ 40 長手測定ユニット 42 接触センサ 43 接触子 44 接触子駆動手段 57 表示器 58 記憶装置 59 プリンタ 61 ピン部 62 ジャーナル部 63 基準面 76 バランスシリンダ A クランクシャフト

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフト(A) のワークの両端面
    に設けられたセンタ穴にセンタ(12a,13a) を挿入して回
    転自在に支持する支持ユニット(10)と、 支持ユニット(10)に支持されたワークをセンタ(12a,13
    a) の軸心を中心に回転させる回転駆動手段(14)と、 このワークの回転角度を検出する回転角度センサ(15)
    と、 ワークの回転の軸心方向に対して垂直に移動自在な測定
    子(32)を有し、回転駆動手段(14)によるワークの回転に
    伴って、前記ワークのピン部(61)又はジャーナル部(62)
    の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面にこの測定子(3
    2)の前端部の当接面(32b) を当接させながら追従駆動し
    て動作し、前記回転の軸心方向に直交する方向の変位量
    を測定する輪郭測定ユニット(30)と、 前記回転角度センサ(15)が検出したワークの回転角度、
    及びこの輪郭測定ユニット(30)が測定した前記変位量を
    入力し、所定の回転角度毎の変位量に基づいてワークの
    輪郭を演算により求める制御器(50)とを備えたクランク
    シャフトの自動測定装置において、 前記輪郭測定ユニット(30)の測定子(32)は、前記回転の
    軸心方向とこの測定子(32)の移動方向とに直交し、か
    つ、ワークの回転に伴ってワークのピン部(61)が前記回
    転軸心を中心に回転するときにこのピン部(61)の円筒面
    に常時当接するような長さを有する直線状の前記当接面
    (32b) を設け、 前記制御器(50)は、前記ワークの輪郭として、少なくと
    も、ピン部(61)、ジャーナル部(62)又はこれらのR溝底
    面の直径、真円度、真直度、あるいは、ピン部(61)のピ
    ン1/2 ストローク、偏心量、位相角度等のいずれかを求
    めることを特徴とするクランクシャフトの自動測定装
    置。
  2. 【請求項2】 クランクシャフト(A) のワークの両端面
    に設けられたセンタ穴にセンタ(12a,13a) を挿入して回
    転自在に支持する支持ユニット(10)と、 支持ユニット(10)に支持されたワークをセンタ(12a,13
    a) の軸心を中心に回転させる回転駆動手段(14)と、 このワークの回転角度を検出する回転角度センサ(15)
    と、 ワークの回転の軸心方向に対して垂直に移動自在な測定
    子(32)を有し、回転駆動手段(14)によるワークの回転に
    伴って、前記ワークのピン部(61)又はジャーナル部(62)
    の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面にこの測定子(3
    2)の前端部の当接面(32b) を当接させながら追従駆動し
    て動作し、前記回転の軸心方向に直交する方向の変位量
    を測定する輪郭測定ユニット(30)と、 前記回転角度センサ(15)が検出したワークの回転角度、
    及びこの輪郭測定ユニット(30)が測定した前記変位量を
    入力し、所定の回転角度毎の変位量に基づいてワークの
    輪郭を演算により求める制御器(50)とを備えたクランク
    シャフトの自動測定装置において、 前記回転の軸心方向に移動自在に設けられる共に、接触
    子(43)を有し、かつ、前記軸心方向に移動中にこの接触
    子(43)が前記ピン部(61)又はジャーナル部(62)の端面に
    接触したときに接触信号を出力する接触センサ(42)が設
    けられた長手測定ユニット(40)と、 この長手測定ユニット(40)の接触子(43)の前記軸心方向
    の移動位置を検出して出力する第1位置センサ(22)とを
    付設し、 前記制御器(50)は、前記ワークの輪郭として、少なくと
    も、ピン部(61)、ジャーナル部(62)又はこれらのR溝底
    面の直径、真円度、真直度、あるいは、ピン部(61)のピ
    ン1/2 ストローク、偏心量、位相角度等のいずれかを求
    めると共に、長手測定ユニット(40)から接触信号を入力
    したとき第1位置センサ(22)から前記移動位置を入力し
    てこの移動位置に基づいて前記ピン部(61)又はジャーナ
    ル部(62)の端面の幅寸法又は長手寸法を求めることを特
    徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のクランクシャフト
    の自動測定装置において、前記輪郭測定ユニット(30)
    は、前記回転の軸心方向に移動自在に設けられ、かつ、
    前記ワークのピン部(61)又はジャーナル部(62)の円筒面
    に、あるいはこれらのR溝底面に当接して前記回転の軸
    心方向に直交する方向に追従駆動される前記測定子(32)
    を備えたことを特徴とするクランクシャフトの自動測定
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載のクランクシャフト
    の自動測定装置において、 前記輪郭測定ユニット(30)の測定子(32)は、前記回転の
    軸心方向とこの測定子(32)の移動方向とに直交し、か
    つ、前記ワークの回転に伴って前記ワークのピン部(61)
    が前記回転軸心を中心に回転するときにこのピン部(61)
    の前記円筒面に常時当接するような長さを有する前記当
    接面(32b) を設けたことを特徴とするクランクシャフト
    の自動測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載のクランクシャ
    フトの自動測定装置において、 前記輪郭測定ユニット(30)は、前記測定子(32)を前記回
    転の軸心方向に直交する方向に前進又は後退させる測定
    子駆動手段(36)を備えたことを特徴とするクランクシャ
    フトの自動測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は3記載のクランクシャ
    フトの自動測定装置において、 前記輪郭測定ユニット(30)の測定子(32)の追従駆動は、
    バランスウェート(35)の押しつけ力によることを特徴と
    するクランクシャフトの自動測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1、2又は3記載のクランクシャ
    フトの自動測定装置において、 前記輪郭測定ユニット(30)の測定子(32)の追従駆動は、
    空圧のバランスシリンダ(76)の押しつけ力によることを
    特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項2又は3記載のクランクシャフト
    の自動測定装置において、 前記長手測定ユニット(40)の接触センサ(42)は、前記接
    触子(43)の長手方向に垂直な力を検出して接触信号を出
    力するタッチプローブ式センサであることを特徴とする
    クランクシャフトの自動測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項2又は3記載のクランクシャフト
    の自動測定装置において、 前記長手測定ユニット(40)は、前記接触センサ(42)の接
    触子(43)を前記回転の軸心方向に直交する方向に前進又
    は後退させる接触子駆動手段(44)を備えたことを特徴と
    するクランクシャフトの自動測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2記載のクランクシャフ
    トの自動測定装置において、 測定結果を記憶する記憶装置(58)と、 測定結果を表示する表示器(57)と、 測定結果をプリントアウトするプリンタ(59)との内、少
    なくともいずれか1つを付設すると共に、 前記制御器(50)は、前記求めた各測定データが予め設定
    された許容範囲内か否かを判断し、この測定データ及び
    判断結果等の測定結果を、前記記憶装置(58)に記憶し、
    又は前記表示器(57)に表示し、又は前記プリンタ(59)に
    出力することを特徴とするクランクシャフトの自動測定
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項2記載のクランクシャフトの自
    動測定装置において、 前記制御器(50)は、前記長手測定ユニット(40)により前
    記ワークに設けられた基準面(63)の長手方向位置を測定
    して求め、この基準面(63)の測定位置データに基づい
    て、前記ワークの各輪郭、各幅寸法又は各長手寸法を測
    定する軸心方向の測定位置を補正してそれぞれを測定す
    ることを特徴とするクランクシャフトの自動測定装置。
  12. 【請求項12】 クランクシャフト(A) のワークの両端
    面に設けられたセンタ穴にセンタ(12a,13a) を挿入して
    支持したワークをセンタ(12a,13a) の軸心を中心に回転
    させ、この回転に伴って、ワークのピン部(61)又はジャ
    ーナル部(62)の円筒面に、あるいはこれらのR溝底面
    に、測定子(32)を当接させながら追従駆動させ、前記回
    転の軸心方向に直交する方向の変位量を測定し、ワーク
    の所定の回転角度毎のこの変位量に基づいてワークの輪
    郭を演算により求め、接触子(43)を前記回転の軸心方向
    に移動しながら検出した前記ピン部(61)又はジャーナル
    部(62)の端面の軸心方向の位置に基づいて、このピン部
    (61)又はジャーナル部(62)の幅寸法及び/又は長手寸法
    を求めるクランクシャフトの自動測定方法において、 前記ピン部(61)又はジャーナル部(62)の幅寸法及び/又
    は長手寸法を求める工程の後、 少なくとも、ピン部(61)、ジャーナル部(62)又はこれら
    のR溝底面の直径、真円度、真直度、あるいは、ピン部
    (61)のピン1/2 ストローク、偏心量、位相角度等のいず
    れかの輪郭を測定する工程を行うことを特徴とするクラ
    ンクシャフトの自動測定方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のクランクシャフトの
    自動測定方法において、 前記幅寸法及び/又は長手寸法を求める工程、及び前記
    輪郭を測定する工程の内のいずれかの前後に、前記ワー
    クが前記両センタ(12a,13a) に支持されているときのワ
    ークの軸心の傾きを測定する工程を設け、この傾きに基
    づいて前記測定した幅寸法、長手寸法及び輪郭を補正す
    ることを特徴とするクランクシャフトの自動測定方法。
  14. 【請求項14】 請求項12又は13記載のクランクシ
    ャフトの自動測定方法において、 前記ワークの機械加工の基準面(63)の長手方向位置を求
    め、この基準面(63)の長手方向位置に基づいて、前記輪
    郭を測定する工程での測定位置を補正することを特徴と
    するクランクシャフトの自動測定方法。
  15. 【請求項15】 請求項12、13又は14記載のクラ
    ンクシャフトの自動測定方法において、 前記幅寸法及び/又は長手寸法、及び輪郭を測定した
    後、この測定データに基づいて測定結果の合否を判定す
    る工程を設けたことを特徴とするクランクシャフトの自
    動測定方法。
  16. 【請求項16】 請求項12、13又は14記載のクラ
    ンクシャフトの自動測定方法において、 前記幅寸法及び/又は長手寸法、及び輪郭を測定した
    後、この測定データを保存又はプリントアウトする工程
    を設けたことを特徴とするクランクシャフトの自動測定
    方法。
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