JP2005106499A - 回転検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケースから外部に露出している回転部分が一部分で僅かであっても、回転体を機械的に回転駆動しかつ回転量を数値的に検出することが可能な回転検査装置の提供。
【解決手段】回転体の外周面にモータで回転駆動される駆動ローラ11を当接して設定タイミングで回転体W2を回転駆動し、そのときの駆動ローラ11の回転を検出するエンコーダからの信号に基づき、駆動ローラ11の回転量を記憶すると同時に、ケースW1から露出する回転体W2の外周面にレーザビームを照射しレーザ照射面に対向した観測面に表れるスペックルパターンを変換して得られるイメージ信号に基づいて回転体外周面の回転移動量を検出する測長計50からの信号に基づき、回転体W2の回転量を演算し記憶して、駆動ローラ11の回転量に対して回転体W2の回転量が設定範囲内に有るかどうかの判定を行い、その結果を出力するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】回転体の外周面にモータで回転駆動される駆動ローラ11を当接して設定タイミングで回転体W2を回転駆動し、そのときの駆動ローラ11の回転を検出するエンコーダからの信号に基づき、駆動ローラ11の回転量を記憶すると同時に、ケースW1から露出する回転体W2の外周面にレーザビームを照射しレーザ照射面に対向した観測面に表れるスペックルパターンを変換して得られるイメージ信号に基づいて回転体外周面の回転移動量を検出する測長計50からの信号に基づき、回転体W2の回転量を演算し記憶して、駆動ローラ11の回転量に対して回転体W2の回転量が設定範囲内に有るかどうかの判定を行い、その結果を出力するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、ケース内に回転可能に回転体が組立てられた組立品の回転検査装置に関するものであって、詳しくは、自動組立ライン等において、ケース内部に外周の一部のみをケースから露出して回転可能に回転体を組み付けた組立品の回転体の回転具合を、後の工程において自動検出して検査する回転検査装置に関するものである。
従来、ケース内部に回転体外周の一部のみをケースから露出して回転体を回転可能に組み付けた組立品、例えば、図4に示すような一方のみに開放窓を持つケースW1内空間に円筒状の回転体W2を入れた後、この回転体W2の穴W2aとこの穴に対峙するケースW1の両側位置に空けられた同軸穴W1aとに、回転体W2の穴W2aとはすきまばめで、ケースW1の同軸穴W1aとはしまりばめで軸W3を貫通し、回転体W2が軸W3に対して回転可能に組み付けられた組立品において、この回転体W2の回転量を検出する場合、外部に露出する回転部分は、ケースW1から露出する回転体W2の一部分のみであるため、スペース的に回転体W2を機械的に回転しかつ回転体W2の回転具合を数値的に検出することは困難であった。そのため手作業により回転体W2を回しその回転具合を感覚的に確認するしかなかった。しかし、この場合、回転体W2の回転具合を手作業で感覚的に確認するため、回転体W2の回転具合を数値的に判定することができず、回転具合のばらつきが大きくなるという問題があった。また、手作業であるために生産性が上がらないという問題があった。
従来、被測定回転体を機械的に回転駆動し、その回転量を数値として検出するものとして、例えば、特許公報特開平7−20138号に開示された回転検出装置がある。この公報によると、この回転検出装置は、外方に延出する回転軸の周縁部に複数で等間隔の凹部又は凸部を形成する円盤状ローターを固定し、回転中の隣接する凹部又は凸部間の時間間隔を検出するセンサーを備えたものである。
また、特許公報実開平5−69611号に開示された回転検出装置がある。この公報によると、この回転検出装置は、回転体の周部に等角度間隔で多数の切欠きを形成したチョッパ板を設け、チョッパ板の周部に切欠きを検出するセンサを対向させた構成になっている。
また、特許公報特開平9−21820号に開示された回転検出装置がある。この公報によると、この回転数測定方法は、回転体にレーザビームの反射状態を変えうる刻み部を同一円周上かつ回転体と同心に等角度ピッチで設けた測定円板を取り付けるとともに、回転体とともに回転する測定円板の刻み部をレーザ距離計により測定した電気信号を2値化して刻み部の時間当たりの発振数を求めることによって、回転数を求めるものである。
このように、上記特許公報特開平7−20138号、実開平5−69611号および特開平9−21820号に開示された回転数検出装置または回転数測定方法は、いずれも、回転軸の周縁部に複数で等間隔の凹部又は凸部を形成する円盤状ローターを固定したり、周部に等角度間隔で多数の切欠きを形成したチョッパ板を設けたり、または、回転体にレーザ光の反射状態を変えうる刻み部を同一円周上かつ回転体と同心に等角度ピッチで設けた測定円板を取り付けたりするなど、これら被検出回転軸に突出した凹凸部、切欠き、または刻み部をセンサーで検出し回転数を求めるものである。
しかし、本願のように、回転体W2がケースW1内部に回転体外周の一部のみをケースW1から露出して内蔵され、露出する回転部分はケースW1から露出する回転体W2の一部分のみであるような組立品の場合、この回転体W2の回転を直接に外部に取り出すことが不可能であるために、上記従来のいずれの方法を用いても回転を検出することは不可能である。言うまでもなくこの回転体W2の外周表面には凹凸部、切欠き、または刻み部は形成されていない。
特開平7−20138号公報
実開平5−69611号公報
特開平9−21820号公報
本願の解決しようとする問題点は、回転体外周の一部のみをケースから露出し、外部に露出する回転部分はケースから露出する回転体の一部分のみであるような組立品において、この回転体の回転具合を検査する場合、回転体を機械的に回転させつつかつ回転量を数値的に検出することが困難であるという点であって、その目的はこれを解決し、ケースから外部に露出している回転部分が、回転体外周の一部分のみであって僅かであっても、回転体を機械的に回転駆動しかつ回転量を数値的に検出することが可能な回転検査装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、回転体の外周面に設定タイミングで当接して回転体を回転駆動する駆動ローラと、前記駆動ローラを設定タイミングで回転駆動するモータと、前記駆動ローラの回転量を検出するエンコーダと、前記回転体の外周面部分にレーザビームを照射してレーザ照射面に対向した観測面に表れるスペックルパターンを変換して得られるイメージ信号に基づいて前記回転体外周面の回転移動量を検出する測長計と、前記エンコーダからの信号に基づき前記駆動ローラの回転量を記憶し、同時に測長計からの信号に基づき回転体の回転量を演算し記憶して、駆動ローラの回転量に対して回転体の回転量が設定範囲内に有るかどうかの判定を行いその結果を出力する制御部とで構成されることを最も主要な特徴とする。
請求項2に記載の発明は、ケース内に外周の一部を露出して回転可能に組み付けられた回転体の回転検査装置であって、前記回転体の前記ケースから露出した外周面に設定タイミングで当接して前記回転体を回転駆動する駆動ローラと、前記駆動ローラを回転可能に支持するスライドを前記回転体と前記駆動ローラとが当接する位置と待機位置との間で設定タイミングで往復移動する駆動ローラ前後移動手段と、前記駆動ローラに回転動力伝達可能に連結し前記駆動ローラを設定タイミングで回転駆動するステッピングモータと、前記ケースから露出した前記外周面にレーザビームを照射してレーザ照射面に対向した観測面に表れるスペックルパターンを変換して得られるイメージ信号に基づいて前記回転体の外周面の回転移動量を検出する測長計と、前記ステッピングモータで回転駆動される前記駆動ローラの回転量を前記ステッピングモータに内蔵のエンコーダからの信号に基づき演算し記憶し、同時に前記回転体の回転量を前記測長計からの信号に基づき演算し記憶して、前記駆動ローラの回転量に対して前記回転体の回転量が設定範囲内に有るかどうかの判定を行いその結果を出力する制御部と、で構成されることを最も主要な特徴とする。
請求項1に記載された発明の回転検査装置は、回転体の外周面にモータで回転駆動される駆動ローラを当接して設定タイミングで回転体を回転駆動し、そのときの駆動ローラの回転をエンコーダで検出し、エンコーダからの信号に基づき、駆動ローラの回転量を演算し記憶すると同時に、ケースから露出する回転体の外周面にレーザビームを照射しレーザ照射面に対向した観測面に表れるスペックルパターンを変換して得られるイメージ信号に基づいて回転体外周面の回転移動量を検出する測長計からの信号に基づき、回転体の回転量を演算し記憶して、駆動ローラの回転量に対して回転体の回転量が設定範囲内に有るかどうかの判定を行い、その結果を出力するようにしたものである。
その作用として、被測定回転体の回転体の外周面を、その外周面に検出のための印等を設けることなく、測長計は回転体とは非接触で、また僅かの露出面でもその移動量を検出できる。そのため、被測定回転体の外周面がケースから一部しか外部に露出していなくても、回転体を機械的に回転駆動すると同時に回転体の回転量を数値的に検出することが可能となった。
すなわち、回転体の露出面が僅かであっても、被測定回転体を駆動すると同時にその回転量を非接触で検出することが可能であり、そのために、従来困難であった露出面が僅かな回転体の回転検出の自動化を可能にして、回転体の回転具合を精度よく判定でき、回転具合のばらつきの少ない製品を生産することができ、また生産性が向上するという効果がある。更に、自動組立機等にこの回転検査装置を組み込むことにより、組立機のライン上で検査が可能となるので大幅な生産性の向上が可能となるという利点がある。
請求項2に記載された発明の回転検査装置は、ケースから一部が露出する回転体外周面に、ステッピングモータで回転駆動される駆動ローラを当接して設定タイミングで回転体を回転駆動し、そのときのステッピングモータのエンコーダからの信号に基づき、駆動ローラの回転量を演算し記憶すると同時に、ケースから露出する回転体の外周面にレーザビームを照射しレーザ照射面に対向した観測面に表れるスペックルパターンを変換して得られるイメージ信号に基づいて回転体外周面の回転移動量を検出する測長計からの信号に基づき、回転体の回転量を演算し記憶して、駆動ローラの回転量に対して回転体の回転量が設定範囲内に有るかどうかの判定を行い、その結果を出力するようにしたものである。
その作用として、被測定回転体の外周面がケースから一部しか外部に露出していなくても、測長計は回転体とは非接触で、また僅かの露出面でその移動量を検出できるので、その露出部の殆どを回転体を駆動する駆動ローラと当接するためのスペースとして使用できる。そのため、被測定回転体の外周面がケースから一部しか外部に露出していなくても、その露出部を利用して回転体を機械的に回転駆動しかつ回転体の回転量を数値的に検出することが可能となった。
すなわち、外部に露出するスペースが小さい被測定回転体において、その露出部を利用して、被測定回転体を駆動すると同時にその回転量を検出することが可能であり、そのために、手作業で行っていた検査を自動ですることができ、回転体の回転具合を精度よく判定でき、回転具合のばらつきの少ない製品を生産することができ、また生産性が向上するという効果がある。更に、自動組立機等にこの回転検査装置を組み込むことにより、組立機のライン上で検査が可能となるので大幅な生産性の向上が可能となるという利点がある。
回転体の外周面に設定タイミングで駆動ローラを当接して回転体を回転駆動し、同時に、エンコーダで駆動ローラの回転量を検出し、測長計で回転体の外周面部分にレーザビームを照射してレーザ照射面に対向した観測面に表れるスペックルパターンを変換して得られるイメージ信号に基づいて回転体外周面の回転移動量を検出して、制御部において、駆動ローラの回転量をエンコーダからの信号に基づき演算し記憶し、回転体の回転量を測長計からの信号に基づき演算し記憶して、駆動ローラの回転量に対して回転体の回転量が設定範囲内に有るかどうかの判定を行いその結果を出力する構成とした。
図1乃至図4を基に本願の回転検査装置の構成について説明する。図1は、本発明の回転検査装置の正面図である。図2は、図1においてA−A断面図である。図3は、図1において主要部の拡大図であって、一部は図2のB−B断面を示す。図4は、組立品(ワーク)を示す図である。
本願の回転検査装置は、ケースW1、ローラ(請求項にいう回転体)W2および軸W3の各部品から組立られた図4に示す組立品(ワーク)Wにおいて、ローラW2の回転具合を自動検出して検査するものである。この組立品Wは、一方側のみに開放窓を持つケースW1内空間に円筒状のローラW2を入れた後、このローラW2の穴W2aとこの穴W2aに対峙するケースW1の両側位置に空けられた同軸穴W1a、W1aとに、ローラW2の穴W2aとはすきまばめで、ケースW1の同軸穴W1a、W1aとはしまりばめで、軸W3を貫通して組み付けられている。更に必要に応じて、軸W3の端面周辺部をケースW1側に向かってかしめることによって、強固に軸W3とケースW1を固定してもよい。このように組み立てられた組立品Wにおいて、ローラW2は、ローラW2外周の一部のみをケースW1の開放窓から出していて、ケースW1および軸W3に対して回転可能である。しかしながら、部品の加工精度によっては、このローラW2の回転具合が重くなったり、隙間が大きすぎて空回りする場合がある。また、軸W3の端面周辺部のかしめ具合によっても回転具合が重くなることがある。このような場合、機械に組み付けたときに不具合が生じるため、適当な回転具合であることが求められる。
本願の回転検査装置において、前工程で組み立てられた組立完了の組立品Wは、インデックステーブル2の割り出し回転により、回転検査工程(装置)へ搬送されてくる。図1、図2は、回転検査工程に搬送されてきた組立品Wを計測している状態を示している。組立品Wは、インデックステーブル2上の等分割された円周上位置に立設された治具3上部に、ローラW2外周の一部を露出するケースW1の開放窓を上にして、その組立品載置穴3a内に位置決めされて載置されている。ケースW1の開放窓から露出したローラW2外周面には、上方から下降(前進)してきた駆動ローラ11が、圧縮ばね26の付勢力により押圧されて、ほぼ45°斜め上方から当接している。
駆動ローラ11は、ウレタンゴム製の円筒11Aと、先端にこの円筒11Aが嵌合する軸部、中央にベアリング21aが嵌合する軸部、後端にはカップリング12が嵌合する軸部を有する段付き軸11Bとで構成されている。駆動ローラ11は、段付き軸11Bのほぼ中央部においてベアリング21a、21aによりハウジング21内に回転可能に支持されている。ハウジング21は、ブラケット22を介してスライド23の前面に取り付けられている。スライド23は、フレーム1前面に上下方向に取り付けられた2本のレール4a、4aに、上下摺動可能に係合する2個ずつのスライダー4b、4bに、上下移動可能に支持されている。スライド23の上部には、横長の連結体24が取り付けられていて、この連結体24の両側には、ガイドポスト25,25が立設して固定されている。ガイドポスト25,25と摺動可能に係合するガイド27、27が、連結体24と対峙して上側に設けられた連結板29の両側に下方に向かって取り付けられている。連結体24と左右のガイド27、27間にはそれぞれ圧縮ばね26、26が挿入され、連結体24を下方へ付勢している。連結板29中央には、上方に向かってジョイント30が取り付けられ、フレーム1上部のプレート32に取り付けられたシリンダ(請求項にいう駆動ローラ前後移動手段)31のロッドに連結されている。
駆動ローラ11の段付き軸11Bの後端部には、スライド23の後面に取り付けられたステッピングモータ13の出力軸に他方が嵌合されたカップリング12が嵌合して、駆動ローラ11はステッピングモータ13に回転伝達可能に連結されている。
連結板29中央下部には、ストッパボルト41Bが取り付けられ、このストッパボルト41Bに対峙して、スライド23が下降(前進)したときに当接する位置にストッパ41Aが、ブラケット40を介してフレーム1前面に取り付けられている。ストッパ41Aはねじ調整により高さ位置が変更可能である。
図1において、スライド23の前面の駆動ローラ11右方近傍には、測長計50が、スライド23が下降(前進)したときに、組立品WのローラW2外周面に所定距離を置いて右45°上方から対向して、ブラケット51を介して取り付けられている。この実施例では、測長計50は、特許公報特開平4−50708号に開示のスペックル測長計例えば(株)キーエンス製のFC−2010を使用している。本実施例ではスペックル測長計FC−2010を使用したが他の測長計であってもよい。この測長計50の前面からは、ローラW2外周面に向かってレーザビームE1が照射され、その反射光E2が測長計50前面に取り付けられたイメージセンサ50Aに戻るようにセットされている。
ここで測長計50は、公報特開平4−50708号の記載に基づき説明すると、移動する対象物体の表面に向ってレーザビームを出射するレーザ発生装置と、前記対象物体のレーザ照射面に対向した観測面50aに表われるスペックルパターンをイメージ信号に変換するイメージセンサー50Aと、このイメージセンサー50Aから出力されるイメージ信号に基づいて、対象物体の基準位置におけるスペックルパターンに応じた基準データとその後の移動位置におけるスペックルパターンに応じた現データとの近似度を、両データの位相差をパラメータとして算出する近似度演算手段と、この近似度演算手段から出力される近似度データ(C1,C2…Cn)に基づいて物体の移動距離を算出する情報処理回路とを具えている。
フレーム1の右側面には制御盤60が取り付けられ、この中に収納の制御部60Aは、シリンダ31を動作させる電磁バルブ、ステッピングモータ13および測長計50との間で、信号のやり取りが可能となっている。すなわち、制御部からの信号でシリンダ31の電磁バルブを入り切りし、シリンダ31が前進後退しそれに伴って、スライド23並びにスライド23に取り付けられている駆動ローラ11、ステッピングモータ13及び測長計50が上下移動する。そして、制御部60Aからの信号により、設定タイミングでステッピングモータ13を回転し駆動ローラ11及び駆動ローラ11に接圧するローラW2を回転させる。また、制御部60Aからの信号により、ステッピングモータ13内蔵のエンコーダ及び測長計50からの信号が制御部60Aに入力される。
次に、本願の回転検査装置の動作について、図5のタイミング線図を基に説明する。組立品Wが、インデックステーブル2の割り出し回転により所定角度割り出されて、治具3の上部に位置決め載置されて回転検査工程(装置)に搬送されてくると、シリンダ(駆動ローラ前後移動手段)31が前進し、ストッパ41Aでセットされた位置まで連結板29が下降し位置決めされる。同時に、この連結板29に、ガイドポスト25,25により懸架された連結体24は、連結体24に取り付けられたスライド23、このスライド23に取り付けられた駆動ローラ11、ステッピングモータ13及び測長計50とともに下降し、駆動ローラ11の円筒部11Aが組立品WのローラW2の外周左上45°方向に当接した時に停止する。連結板29は更にストッパ41Aでセットされた前進端位置に位置決めされまで下降するが、このときガイド27、27がガイドポスト25,25に対して摺動移動し、圧縮ばね26、26がたわむ。このとき駆動ローラ11はローラW2を圧縮ばね26、26のたわみ量で設定された荷重に基づく力で押圧する。
駆動ローラ11がローラW2の外周に当接するタイミングで、ステッピングモータ13の起動により駆動ローラ11が回転を始め、この駆動ローラ11との摩擦力によりローラW2が回転を始める。同時に、ステッピングモータ13内蔵のエンコーダからパルス信号が出力され制御部60Aに入力される。このエンコーダからの信号をカウントすることにより、駆動ローラ11の回転量が演算され制御部60Aに記憶される。
同時に、同じタイミングで測長計50のレーザ発生装置からローラW2外周面に向ってレーザビームE1が照射され始めると、僅かの凹凸、例えば研磨加工後の数μmからμm以下の凹凸があるローラW2外周面からの反射光E2が干渉し、ローラW2外周面に対向したイメージセンサ50Aの観測面50aにスペックルパターンが表われ、このスペックルパターンをイメージセンサ50Aがイメージ信号に変換する。ローラW2が回転し外周面の凹凸が移動するとスペックルパターンも移動する。イメージセンサ50Aから出力されるイメージ信号に基づいて、制御部60A内の近似度演算手段により、ローラW2外周面の基準位置におけるスペックルパターンに応じた基準データとその後の移動位置におけるスペックルパターンに応じた現データとの近似度を、両データの位相差をパラメータとして算出し、また、制御部60A内の情報処理回路により、近似度演算手段から出力される近似度データ(C1,C2…Cn)に基づいて物体の移動距離を算出する。そして、移動距離の増大に伴って基準データの切り替えが行われ、以後は新たな基準データに基づいて測長が続行され、これが繰り返される。
このように測長計50からの信号に基づき制御部60AでローラW2の回転量が演算され記憶される。このとき、測定面は円弧であるために、必要であれば円弧の径等を考慮して係数をかけて修正を行うとよい。設定された時間Tが経過するとステッピングモータ13が停止し、駆動ローラ11及びローラW2が停止する。またシリンダ31が上昇(後退)し駆動ローラ11、ステッピングモータ13及び測長計50が上昇し上昇端に達すると1サイクルが終了し次のサイクルに入る。同時に、制御部60Aにおいて、設定された時間T間の駆動ローラ11の回転量Q1に対してローラW2の回転量Q2が設定範囲内に有るかどうかの演算と判定を行い記憶される。演算された結果は、図示しないディスプレイに駆動ローラ11の回転量Q1、ローラW2の回転量Q2及び良、不良として表示される。この結果により、組立品Wは、次工程において設定範囲であれば良品として、設定範囲外であれば不良品として排出される。
良品、不良品の判定基準は、例えば駆動ローラ11が1回転するように時間Tを設定しておき、駆動ローラ11がローラW2を押圧した状態で時間Tだけ駆動ローラ11を回転すると、駆動ローラ11に駆動されてローラW2が回転する。このときのステッピングモータ13内蔵のエンコーダからの信号により制御部60Aで求めた駆動ローラ11の回転量をQ1とし、測長計50からの信号により制御部60Aで求めたローラW2の回転量をQ2とすると、これらから求めた回転量比Q2/Q1が設定範囲、例えば0.6〜0.9の範囲内にあるかどうかで良品、不良品の判定を行う。この場合、回転量比が0.6より小さいとローラW2が回転するときの抵抗が大きいため不良品となり、0.6〜0.9内であれば抵抗が範囲内で良品となる。回転量比が0.9以上になるとローラW2と軸W3とのはめあいが緩いと判定され不良品となる。設定範囲の幅を狭くすればより精度良く選別することができる。この設定範囲は目的に応じて0〜1までの間で変更すればよい。
このように本発明の回転検査装置は、ローラW2外周の一部のみをケースW1から露出し、外部に露出する回転部分はケースW1から露出するローラW2の一部分のみで僅かである組立品において、ケースW1から一部が露出するローラW2外周面に、ステッピングモータ13で回転駆動される駆動ローラ11を当接して設定タイミングでローラW2を回転駆動し、そのときのステッピングモータ13のエンコーダからの信号に基づき、駆動ローラ11の回転量Q1を記憶すると同時に、ケースW1から露出するローラW2の外周面にレーザビームE1を照射しレーザ照射面に対向した観測面50aに表れるスペックルパターンを変換して得られるイメージ信号に基づいてローラW2外周面の回転移動量を検出する測長計50からの信号に基づき、ローラW2の回転量Q2を演算し記憶して、駆動ローラ11の回転量Q1に対してローラW2の回転量Q2が設定範囲内に有るかどうかの判定を行い、その結果を出力するようにした。
ここで、測長計50はローラW2とは非接触で、また僅かの露出面があれば、そこにレーザビームE1を照射しローラW2外周面の移動量Q2を検出できるので、被測定回転体のローラW2の外周面がケースW1から一部しか外部に露出していなく露出面が僅かであっても問題なく検出できる。従って、ケースW1から露出するローラW2の回転部分が一部分で露出面が狭く、他にローラW2の回転を外部に取り出すことが不可能である場合であっても、露出するローラW2の回転部分は、ローラW2を機械的に回転させるために使用できるので、ローラW2を機械的に回転させつつかつ回転量を数値的に検査することが容易となる。
更には、ローラW2を機械的に回転させ、その回転量を自動的にかつ数値的に検出することができるので、回転具合を正確に検査でき、ばらつきの少ない精度の良い組立品Wを、高速で検出することができる。その結果、よい製品を安価に大量に提供することができるという効果がある。
なお、本発明に係る回転検査装置は、上述した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてさまざまな形態に構成することができる。例えば本実施例では、駆動ローラ11を駆動するモータはステッピングモータを使用したが、サーボモータであってもよい。また、通常のモータとエンコーダの組み合わせであってもよい。また、測長計50は、スペックル測長計すなわち(株)キーエンス製のFC−2010を使用しているが他の非接触の測長計であってもよい。また回転体は、実施例では円筒体のローラとしたが、球面体であってもよい。また、実施例では測長計50は駆動ローラ11とともに前後移動するが、組立品Wの移動時に干渉がなければフレーム等に固定していてもよい。
本発明の回転検査装置は、単体で使用するばかりでなく、実施例のようにインデックステーブルで搬送される組立品の回転部の回転検査や、ライン上で搬送される組立品の回転部の回転検査にも適用できる。
1 フレーム
2 インデックステーブル
11 駆動ローラ
13 ステッピングモータ
23 スライド
24 連結体
25 ガイドポスト
26 圧縮ばね
27 ガイド
29 連結板
31 シリンダ(駆動ローラ前後移動手段)
50 測長計
50A イメージセンサー
60 制御盤
60A 制御部
W 組立品
W1 ケース
W2 ローラ(回転体)
W3 軸
2 インデックステーブル
11 駆動ローラ
13 ステッピングモータ
23 スライド
24 連結体
25 ガイドポスト
26 圧縮ばね
27 ガイド
29 連結板
31 シリンダ(駆動ローラ前後移動手段)
50 測長計
50A イメージセンサー
60 制御盤
60A 制御部
W 組立品
W1 ケース
W2 ローラ(回転体)
W3 軸
Claims (2)
- 回転体の外周面に設定タイミングで当接して回転体を回転駆動する駆動ローラと、前記駆動ローラを設定タイミングで回転駆動するモータと、前記駆動ローラの回転量を検出するエンコーダと、前記回転体の外周面部分にレーザビームを照射して前記回転体外周面の回転移動量を検出する測長計と、前記エンコーダからの信号に基づき前記駆動ローラの回転量を記憶し、同時に測長計からの信号に基づき回転体の回転量を演算し記憶して、駆動ローラの回転量に対して回転体の回転量が設定範囲内に有るかどうかの判定を行いその結果を出力する制御部とで構成されることを特徴とする回転検査装置。
- ケース内に外周の一部を露出して回転可能に組み付けられた回転体の回転検査装置であって、
前記回転体の前記ケースから露出した外周面に設定タイミングで当接して前記回転体を回転駆動する駆動ローラと、
前記駆動ローラを回転可能に支持するスライドを前記回転体と前記駆動ローラとが当接する位置と待機位置との間で設定タイミングで往復移動する駆動ローラ前後駆動手段と、
前記駆動ローラに回転動力伝達可能に連結し前記駆動ローラを設定タイミングで回転駆動するステッピングモータと、
前記ケースから露出した前記外周面にレーザビームを照射して前記回転体の外周面の回転移動量を検出する測長計と、
前記ステッピングモータで回転駆動される前記駆動ローラの回転量を前記ステッピングモータに内蔵のエンコーダからの信号に基づき演算し記憶し、同時に前記回転体の回転量を前記測長計からの信号に基づき演算し記憶して、前記駆動ローラの回転量に対して前記回転体の回転量が設定範囲内に有るかどうかの判定を行いその結果を出力する制御部と、で構成されることを特徴とする回転検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003337128A JP2005106499A (ja) | 2003-09-29 | 2003-09-29 | 回転検査装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014009853A (ja) * | 2012-06-28 | 2014-01-20 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | プッシャーローラの損傷診断装置 |
CN108426022A (zh) * | 2018-04-18 | 2018-08-21 | 上海拔山自动化技术有限公司 | 一种输送线与旋转编码器的直连安装结构 |
-
2003
- 2003-09-29 JP JP2003337128A patent/JP2005106499A/ja active Pending
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