JP2001286365A - 座圧低減シート - Google Patents

座圧低減シート

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JP2001286365A
JP2001286365A JP2000108637A JP2000108637A JP2001286365A JP 2001286365 A JP2001286365 A JP 2001286365A JP 2000108637 A JP2000108637 A JP 2000108637A JP 2000108637 A JP2000108637 A JP 2000108637A JP 2001286365 A JP2001286365 A JP 2001286365A
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Japan
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seat
cushion
hole
support
cushion member
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JP2000108637A
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English (en)
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Kazunari Ebe
一成 江部
Masaaki Zenba
正顕 善場
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、座り心地感に優れた車両用シート
やクッション等のシートに関し、更に詳述すると、座り
心地に影響を与える座骨結節部分の圧力が低減され、優
れた座り心地感が付与されると共に、形状安定性に優
れ、薄型化に好適に対応し得る座圧低減シートを得る。 【解決手段】 クッション部材と、該クッション部材を
載置するクッション支持体とを具備してなるシートにお
いて、上記クッション支持体のクッションが載置される
部分であってJIS−D 4607による3Dマネキン
の座骨結節部に相当する部分の直下に孔又は凹部が形成
され、着座の際クッション支持体に載置されたクッショ
ン部材がこの孔又は凹部に突出するように設けられてい
ることを特徴とする座圧低減シートを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座り心地感に優れ
た車両用シートやクッション等のシートに関し、更に詳
述すると、座り心地に影響を与える特定箇所の座圧の低
減化が図れ、優れた座り心地感が付与されると共に、形
状安定性に優れ、薄型化に好適に対応し得る座圧低減シ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、座り心地のよいクッション等のシートを得るため種
々改良が行なわれているが、座骨結節部直下の圧力を下
げることを目的としたシート構造の提案はなされていな
い。
【0003】座り心地に関する従来技術として、例え
ば、実開平7−36787号には、所定のフレームに載
置するシートクッションパッドについて、その肉厚を臀
部と大腿部直下の位置で厚くなるように形成することに
より、フレーム内に配設する際、肉厚に形成された部分
のみがフレームに接触し、肉厚に形成していない部分の
パッドとフレームとの間に意図的に隙間を形成し、臀部
のクッションパッドへの沈み込みを防ぐ提案が開示され
ている。
【0004】しかしながら、単に臀部の沈み込みを防止
するだけでは、必ずしも座り心地感の改良が図れるとは
限らず、また、実用化も困難である。
【0005】一方、コスト削減等の観点から、シートの
薄型化を図るための提案も数多くなされているが、必然
的にクッションパッド厚も薄くしなければならず、着座
すると、クッションパッドが大きくつぶれそれ以上変形
しなくなるといったクッション性に悪影響を及ぼす問題
も発生している。この現象は、特に自動車等の車両用シ
ートで顕著である。
【0006】このような状態のまま使用を続けると、臀
部の座圧が極端に高くなる。この座圧の増加は、座骨結
節部直下において特に顕著であり、これが底つき現象発
生の元凶となり、座り心地の悪化をもたらしている。こ
のような座骨結節部の座圧の増加は、バネや弾性帆布等
を有さず、パンフレーム等の支持体でクッションパッド
を載置して使用する通称フルフォームタイプのシート構
造において特に顕著である。
【0007】また、近年の測定機器の進歩に伴い、シー
トの座り心地に影響を及ぼす原因として、臀部の座圧分
布に関する議論が盛んになってきており、この座圧分布
を基準として改良されたシートも提案されている。
【0008】しかしながら、これら提案のほとんどが、
座圧分布全体のパターンや圧力勾配に関する改良に相当
するもので、特定の部位の圧力に着目したものではな
い。特に、自動車用シートにおいては、着座者の体格等
を絞り込めないため、標準的に座り心地をよくできる座
圧分布の改良が求められているが、従来技術では困難で
ある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、座り心地感に優れた車両用シートやクッション等の
シートであって、座り心地に影響を与える特定箇所の座
圧が低減化され、優れた座り心地感が付与されると共
に、形状安定性に優れ、薄型化に好適に対応し得る座圧
低減シートを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記事情に鑑み鋭意検討を行ない、シート設
計において、新たな視点から座圧低減化を図るべく、ま
ず、座骨結節部直下の圧力が座り心地と相関関係を有す
ることを突き止めた。
【0011】即ち、座骨結節部直下の座圧は、シートの
底つき感(座り心地の悪さ)と関連があり、同形状のパ
ッドで比較した場合、座圧の低いものほど底つき感が少
なく、座り心地をよくできることを知見した。従って、
理論上、この座圧の最も高い部分の低減化を図れば座り
心地をよくできると思われる。
【0012】ところが、この場合、座圧分布は着座者に
よって個人差があり、着座者の体型や座り方等によって
も変わってくる。従来技術の多くは、このような相違に
個々に対応しており、個々の着座者の座り心地感を改良
できても、必然的に着座者を絞り込むため、自動車用シ
ートのように、着座者を選べないシートの改良としては
採用し難い。
【0013】そこで、本発明者は、自動車用シートの着
座に使用されるJIS−D 4607による3Dマネキ
ンを使用し、そのマネキンの座圧分布を基準として、実
際に使用する着座者の使用感との相対評価を行った。
【0014】この結果、クッション支持体のクッション
が載置される部分であって、JIS−D 4607によ
る3Dマネキンを使用した場合、該マネキンの座骨結節
部に相当する部分の直下という部分を特定し、この部分
の座圧の低減化を行なうことにより、比較的広い範囲で
着座者の座り心地感を改良できることを知見した。
【0015】そこで、本発明者は、上記特定部分に相当
する支持体に孔又は凹部を形成したシートを得、このシ
ートに着座する際、上記クッション支持体に載置された
クッション部材をこの孔又は凹部に突出するように設け
ることにより、座り心地に最も影響を与える特定位置で
の座圧の低減化が図れ、標準的に座り心地感が改良され
たシートになることを知見し、本発明をなすに至ったも
のである。
【0016】従って、本発明は、下記の座圧低減シート
を提供する。 〔請求項1〕クッション部材と、該クッション部材を載
置するクッション支持体とを具備してなるシートにおい
て、上記クッション支持体のクッションが載置される部
分であってJIS−D 4607による3Dマネキンの
座骨結節部に相当する部分の直下に孔又は凹部が形成さ
れ、着座の際クッション支持体に載置されたクッション
部材がこの孔又は凹部に突出するように設けられている
ことを特徴とする座圧低減シート。 〔請求項2〕クッション支持体と該クッション支持体に
形成される孔又は凹部の境界線によって囲まれる部分の
総面積が5〜2000cm2である請求項1記載の座圧
低減シート。 〔請求項3〕クッション支持体に孔又は凹部の形成部分
を覆う被覆シートが伸縮可能に張設された請求項1又は
2記載の座圧低減シート。 〔請求項4〕クッション支持体に孔が形成されると共
に、該クッション支持体外側の孔の縁部に逃げ部を連設
してなるものである請求項1乃至3のいずれか1項記載
の座圧低減シート。
【0017】
【発明の実施の形態及び実施例】以下、本発明について
更に詳しく説明すると、本発明は、車両用シート、クッ
ション等のシートであって、特に自動車用シートとして
好適な、バネ等の弾性部材を介さずに直接支持体上にク
ッション部材を載置するタイプのシートである。
【0018】本発明の座圧低減シートは、ポリウレタン
フォーム等のクッション部材と、該部材を載置する支持
体とを具備するもので、この支持体には、孔又は凹部が
設けられる。
【0019】本発明において、上記支持体の孔又は凹部
は、座圧を低減化し、良好な座り心地を確実に付与でき
る所定の位置に形成されることを要する。
【0020】ここで、上記所定の位置は、本発明者の知
見に基づく新しい基準によって定められる。即ち、クッ
ション支持体に、クッション部材を載置し、実際の着座
に使用する状態にした後、3Dマネキン(JIS−D
4607)を所定の位置(通称ヒップポイント)に合わ
せて着座させることにより、着座状態のマネキンの座骨
結節部に相当する部分の直下を特定し、この直下に相当
する支持体の部分を所定の位置とする。なお、本発明で
いうマネキンの座骨結節部に相当する部分の直下とは、
上記マネキンが着座した際、座圧が最も高い部分の直下
のことを意味する。
【0021】本発明の支持体には、孔又は凹部が少なく
とも上記部分を網羅する位置に設けられ、本発明のシー
トはこの孔又は凹部が形成された部分と接する位置にク
ッション部材が載置され、該孔又は凹部に突出するよう
に設けられている。
【0022】従って、本発明のシートは、着座の際、変
形が最も大きい座骨結節部に相当するクッション部材
が、部分的に支持体の孔又は凹部に逃げるように突出す
るので、クッション部材が単純に押しつぶされてつぶれ
きってしまうようなことがなく、最も底つき感の起こり
やすい部分の座圧が確実に低減化され、標準的な座り心
地感の改良を行なうことができる。また、クッション部
材の厚さに拘らず低減化を達成できるので、シートの薄
型化にも好適に対応し得るものである。
【0023】本発明において、上記クッション支持体の
孔又は凹部の境界線によって囲まれる部分の総面積は、
通常5〜2000cm2、特に100〜1000cm2
あることが好ましい。孔の大きさが小さすぎると、座骨
結節部に相当する部分の直下を網羅するだけの面積が得
られず、十分な座圧低減効果が得られない場合がある。
また、大きすぎる場合には、着座の際、過度の落ち込み
が発生する場合がある。
【0024】また、支持体に凹部を形成する場合、凹部
の深さは、突出するクッション部材の変形によって適宜
調節されるが、通常1〜5cm、特に1〜3cmである
ことが好ましい。また、凹部は可撓性のある材料にて形
成されることが好ましく、更に、この場合、凹部開口部
をクッション部材の侵入に応じて徐々に大きく開口する
ように設けることもできる。
【0025】本発明において、上記クッション支持体上
に形成される孔又は凹部の面積が大きく、座骨結節部の
落ち込みが発生するおそれがある場合は、その孔又は凹
部を覆う伸縮可能な被覆シートを適度な張力で張設する
ことが推奨され、これにより落ち込みを確実に防ぐこと
ができる。
【0026】また、クッション部材自体には、部材自体
の破れを防ぐ目的などの補強のためにシートを貼着して
もよく、この場合、シートはクッション部材の突出の際
にクッション支持体の孔又は凹部を覆うように設けるこ
とができ、クッション部材の形状に合わせて部分的に或
いはクッション部材の裏面全体に貼着することが推奨さ
れる。
【0027】上記被覆シートとしては、ネットや粗毛布
等を挙げることができ、張設方法としては、一体発泡、
後貼り、直置き等の方法を挙げることができる。この
際、被覆シートにはクッション部材の変形に応じて適度
な伸縮性を有するものを使用することが推奨され、クッ
ション部材の変形を過度に拘束することがなく、座圧を
下げるのに適した材料を選択することが効果的である。
なお、クッション部材自体にシートを貼着する場合も同
様の材料及び方法を採用することができる。
【0028】本発明において、孔を有するクッション支
持体には、外側の孔の縁部に逃げ部を連設することが推
奨される。この逃げ部により、座圧がかけられる際のク
ッション部材の突出がスムーズになり、部材の破れ発生
を確実に防止することができる。
【0029】上記逃げ部は、支持体と一体化しても、別
個独立に形成し、孔の周りに取りつけてもよく、特に制
限されるものではないが、いずれの場合も、クッション
部材の侵入に応じて徐々に広がる可撓性のある部材を使
用することが推奨される。また、逃げ部の形状は特に制
限されるものではないが、応力集中緩和のために、先端
が外側に湾曲した形状にすることが好ましい。
【0030】本発明の座圧低減シートは、公知の方法を
採用して製造することができ、上述した所定位置に孔又
は凹部が形成されたフレームを使用する以外は、常法に
従って製造することができる。
【0031】本発明のシートは、クッション部材の厚さ
に拘らず座圧の低減化を図ることができ、良好な座り心
地感を付与できるので、自動車用の一人用座席や、後部
座席等のベンチシートとして好適に使用できる。特に、
ベンチシートのようにクッション部材を薄く形成せざる
を得ない箇所があるシートでも、敢えてクッション部材
を厚くしなくても、底つき感を少なくし、良好な座り心
地を付与することができる。
【0032】以下、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。図1は自動車の1人掛け用シートの支持
体1として例示できるパンフレーム1の簡略図である。
このパンフレーム1は、2つの円形の孔2,2が形成さ
れたものである。図2は、図1のパンフレーム1のA−
A断面図に相当し、更にこのパンフレーム1にクッショ
ン部材3を載置した上で、座圧がかかったときの様子を
示す。
【0033】即ち、図1のパンフレーム1の孔2,2
は、クッション部材3を載置する部分に、所定のマネキ
ン(図示せず)を着座させた際、該マネキンの座骨結節
部に相当する部分の直下(図中、矢印方向)に穿設され
ており、着座による変形が最も大きいクッション部材の
部分がこれら孔2,2に突出して、底つき感が抑制され
ると共に、座圧が低減化される。従って、本発明のシー
トは良好な座り心地感を付与することができる。
【0034】上記図示の例では、孔の形状は円形とした
が、孔の形状は特に制限されるものではない。孔の位置
が、クッション部材の座骨結節部に相当する直下であれ
ば、種々の形状を採用でき、円形以外の楕円、矩形等の
形状にすることができる。
【0035】ここで、図3〜7を参照し、孔を円形以外
の形状にしたパンフレーム1の例を示す。勿論、孔の形
状はここで示された孔の形状に限定されるものではな
い。
【0036】図3,4は、2つの孔を設けた例で、孔の
形状は、図3が楕円、図4が矩形で、これら孔はフレー
ム中心からみて左右対称に配置されている。また、図5
〜7は一つの孔で本発明の特定箇所を網羅するように形
成された例で、図5は2つの円を連結した所謂ひょうた
ん型、図6は楕円、図7矩形の孔が形成された例を示
す。
【0037】これら孔の形状の中で、特に、図1,3,
4に示される2つの孔を設けたものや図5に示すひょう
たん型の形状は、本発明の特定箇所の間に支持体が部分
的に介在するので着座の際の臀部の急激な落ち込みを防
止することができる。
【0038】本発明において、支持体に孔を設ける場
合、孔の面積(孔の縁部によって囲まれた面積、以下同
じ)が比較的小さい場合は、特に制限されるものではな
いが、孔の面積を大きくすると臀部の大きな落ち込みが
発生する場合がある。そこで、臀部の落ち込みを防ぐた
めに、孔の面積に拘らず孔を覆う伸縮性のあるネット、
帆布などの被覆シートを張設することが推奨される。ま
た、この場合、クッション部材自体にシートを張設する
ことも有効である。
【0039】図8(a)は、円形の孔2を覆う伸縮性の
ある被覆シート4としてネット4を張設したパンフレー
ム1を示す。図8中(b)は、(a)のパンフレーム1
にクッション部材3を載置し、座圧がかかったときの様
子を示すB−B断面図であり、座圧がかかってクッショ
ン部材3の一部が孔2が侵入すると、この孔を覆うネッ
ト4がクッション部材3の侵入を適度に抑えながら伸縮
し、部材の侵入を調整する。従って、このような構成と
することにより、着座者の臀部の過度の落ち込みを可及
的に防ぐことができると共に、座り心地感を良好にする
ことができる。
【0040】なお、上記最適なネット等の被覆シートを
張るための張力と、被覆シートの伸縮性は、特に制限さ
れるものではないが、例えば、被覆シートの伸縮性は、
座圧がかけられたクッション部材の押圧に従って延伸
し、非着座時にはクッション部材を押し出して定位置に
保持できる程度の伸縮性を有するものが好ましい。ま
た、被覆シートで覆われる孔の形状は、図1のような円
形に限られず、上述した図3〜7に示す形状等を採用で
きる。更に、上記図8は、被覆シート4としてネット4
を張った例を示したが、本発明においては、伸縮性のあ
るシートであれば特に制限されるものではなく、帆布等
を張ることもでき、これによりネットと同様の効果が得
られる。
【0041】図9は、上記被覆シート4を張設したパン
フレーム1の例を示す。図9のパンフレーム1は、一つ
の比較的大きい楕円の孔を覆う被覆シート4を張設した
例で、この被覆シート4は、伸縮性の異なる2種類の部
材からなる。
【0042】即ち、この被覆シート4は、2枚の伸縮の
大きいネットと1枚の伸縮の小さい布とからなり、
所定のマネキンの座骨結節部に相当する直下部に伸縮の
大きいネットが配置されると共に、この直下部に相当
しない中央部分に伸縮の小さい布が張設されている。
【0043】図9(b)は、上記(a)の支持体1にク
ッション部材3を載置し、座圧をかけたときのC−C断
面図を示す。即ち、クッション部材3に座圧がかかる
と、高い座圧がかけられる部分は伸縮の大きいネットが
介在し、この部分の部材3を大きく外側に突出させるこ
とができ、また、比較的低い座圧がかけられる中央部
は、伸縮の小さいネットが介在し、この部分の部材3の
突出量を少なくなる。従って、最も座圧の低減化を要す
る部分と、他の部分とのバランスを調整することがで
き、座圧全体のバランスがより適度に保たれる。この図
9のような伸縮性の異なる被覆シートの使用は、特に、
比較的大きい孔を有する支持体を使用する場合に好適
で、大きい穴を一箇所設ける場合でも、本発明の所定位
置に局所的に孔を設ける場合と同様に、中央部の過度の
落ち込みを防ぐことができる。なお、このような被覆シ
ートを使用できるパンフレームの孔の形状としては、例
えば、図6,7で挙げたものを採用できるが、特に制限
されるものではない。
【0044】図10の(a)〜(d)は、逃げ部5を具
備したパンフレーム1の断面図を示し、(a)は着座前
の状態、(b)は着座した時の状態、(c)は(a)の
部分拡大図、(d)は(b)の部分拡大図をそれぞれ示
す。この逃げ部5は、支持体の外側に孔の周縁部を囲ん
で形成されており、可撓性を有する。また、逃げ部5の
先端は、外向きに反った形状になっており、着座による
クッション部材3の侵入時に、該部材3の侵入を適度に
抑制すると共に、該部材3の侵入に伴って外側に広が
り、クッション部材の破れや応力集中を緩和する。ま
た、着座後には、この逃げ部5はもとの形状に戻るた
め、クッション部材を座圧がかけられた時とは反対方向
に押し戻して元の位置に保持する。
【0045】図11は、本発明のクッション部材を突出
させるための凹部6を設けたパンフレーム1の断面図で
あり、この凹部6は可撓性を有するものである。図11
中、(a)は着座前の状態、(b)は着座した時の状
態、(c)は(a)の部分拡大図、(d)は(b)の部
分拡大図を示す。なお、この凹部6は、上記孔の位置と
同様に所定のマネキンによって特定された位置に形成さ
れたものである。
【0046】上記凹部6の開口部は、非着座時において
は、比較的小径になるように設けられ、クッション部材
が安定に保持される〔(a)、(c)〕。着座時におい
ては、クッション部材3の侵入により、凹部上縁部が徐
々に開口し、非着座時よりも大径になるように設けら
れ、クッション部材の侵入がスムーズに行なえるように
なっている。
【0047】即ち、着座時においては、クッション部材
3によって凹部6の開口部が押圧されると〔(d)矢印
参照〕、可撓性部材で形成された凹部の開口部が部材の
圧を受けて広げられるので、クッション部材3の侵入を
抑制しながら、クッション部材3の突出を許す。これに
より、クッション部材3の破れや応力集中を避けること
ができる。また、着座後には、この凹部6はもとの形状
に戻るため、クッション部材を座圧がかけられた時とは
反対方向に押し戻して元の位置に保持する。
【0048】なお、図11にパンフレームに凹部を設け
る場合、パンフレームと凹部の境界線によって囲まれる
開口部の形状は、上記した孔を設ける場合と同様の形状
にすることができ、この開口部に対する被覆シートの張
設や、クッション部材自体へのシートの貼着は孔を設け
る場合と同様に行なうことができる。
【0049】本発明の座圧低減シートは、座骨直下部の
座圧の低減を目的として、座圧直下部に相当する位置を
網羅する場所に孔又は凹部を設置するものであるが、本
発明以外の孔や凹部を設ける目的、例えば、従来からの
空気の流出を妨げないようにクッション支持体に孔を穿
設する等の他の目的達成のための孔や凹部を設けること
は、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々行なうことが
でき、特に制限されるものではない。また、本発明の主
目的は座骨結節部に相当する直下における座圧の低減化
を図るものであるが、比較的軟らかいクッション部材を
パンフレーム等の剛性の高いもので受け止める場合は、
この位置に限らず、圧力を下げることが所望される全て
の位置にも本発明を適用することができる。
【0050】上記具体例では、自動車の1人掛け用シー
トのパンフレーム1について例示したが、本発明のクッ
ション支持体1は、上記パンフレーム1に制限されるも
のではなく、種々のクッション部材を載置することがで
きる支持体を挙げることができ、例えば、2人以上が着
座できるベンチシートの支持体などを例示できる。
【0051】図12は本発明の支持体の他の例に係るベ
ンチシートの支持体7を示し、このベンチシートの支持
体7は、主に自動車の後部座席用の3人掛けシートに採
用されるもので、中央部が凸状に形成され、この凸状の
中央部に一人分の着座部を設けると共に、該凸部の両端
に段差をもってそれぞれ一人分の着座部が設けられてい
る。このベンチシートは、各着座部の所定位置にそれぞ
れ2つづつ円形の孔2,2を穿設している。
【0052】また、図13は、上記図12のベンチシー
トの支持体7のD−D断面図(図12においてクッショ
ンの図示省略)に相当し、所定のクッション部材3を載
置した断面図を示す。
【0053】上記図12のベンチシートの支持体7は、
各着座位置にそれぞれ孔2,2を2つづつ穿設したもの
であり、この穿設は、図13に示されるようにクッショ
ン部材3を載置し、所定の着座位置(3箇所)に上記特
定のマネキンを着座させ(図示せず)、それぞれの着座
位置におけるマネキンの座骨結節部に相当する部分の直
下を特定して行なったものである。
【0054】本発明は、図12のベンチシートの支持体
のように、座席中央位置が凸状に形成される箇所に対し
ても、座圧の低減化を確実に図ることができるので、ク
ッション部材を厚くする必要がなく、底つき感をなくす
ことができる。従って、本実施例のベンチシートの支持
体を使用したシートは、その中央部のクッション部材を
薄くせざるを得ないが、座圧は低減化されるので本発明
の効果をより顕著に確認することができる箇所といえ
る。
【0055】以上のように、本発明のクッション支持体
の孔又は凹部は、パンフレームのような車体ボディーに
着脱可能に取り付けが行なわれる部材に限らず、ベンチ
シートの支持体のように車体ボディーに直接固定した取
り付けが行なわれる支持体に対しても設けることがで
き、作業工程等による支持体の制限はない。
【0056】以下、本発明の実験例、実施例について説
明する。図14及び図15は、ポリウレタンの評価(実
験例)であり、厚さ50mm(図14)、厚さ100m
m(図15)であること以外は、同一形状〔500×5
00mm、(縦×横)以下同じ〕、同一配合、同一密度
のウレタンフォーム(クッション部材)を使用し、同一
の被験者が着座した時の座圧分布をそれぞれ示す。
【0057】図14と図15を比べてわかるように、フ
ォーム厚を薄くすることにより臀部の座圧が全体的に高
くなり、最も高い部分は被験者の座骨結節部直下に集中
している。この高い座圧が底つき感の発生を招き、座り
心地の悪化をもたらすものと考えられる。
【0058】図16、図17は上記とは別の配合、密度
のウレタンフォームに同一の被験者が着座した時の座圧
分布を3次元的に表示したものである。このウレタンフ
ォーム(クッション部材)には、上記図14、図15の
例と同様の形状(500×500mm)に形成され、そ
の厚さは、図16が100mm、図17が50mmのも
のを使用した。これら図において、山が高いものほど座
圧が高いことを示している。図16、図17より、フォ
ーム厚みが薄くなるほど高い部分は顕著に表れ、最も高
い部分は座骨結節部直下に相当する座圧であることが確
認された。
【0059】図18、図19は、上記図17の評価に使
用した厚さ50mmのウレタンフォーム(クッション部
材)を、本発明のパンフレームに載置してシートを得、
このシートに、上記実験例と同一の被験者が着座したと
きの座圧分布を3次元的に表示したもの(実施例)であ
る。
【0060】図18では、パンフレームとして、図1に
示すように2つの孔が穿設されたもの使用した。この場
合、図17と同様のクッション部材を使用するパンフレ
ームに載置し、本発明の位置決定方法で所定のマネキン
の座骨結節部に相当する直下に相当するパンフレームの
位置を特定し、この位置に直径130mmの円形状の孔
が2箇所穿設されるよう配設した。図18、図17の3
次元的表示の座圧分布を比べて分かるように、本発明の
シートは、パンフレームの所定位置に孔が穿設されてい
るので、被験者の座骨結節部に相当する直下の座圧を下
げ、座り心地をよくでき、本発明の効果が得られること
が確認された。
【0061】また、図19では、パンフレームとして、
図7に示すような矩形(350×200mm)の1つの
孔を有するものを使用した例で、この孔の位置も、上記
図18で説明したものと同様に決定した。図19、図1
7の3次元的表示の座圧分布を比べて分かるように、本
発明のシートは、パンフレームの所定位置に孔が穿設さ
れているので、被験者の座骨結節部に相当する直下の座
圧を下げ、座り心地をよくでき、本発明の効果が得られ
ることが確認された。この場合、図18よりも座圧が一
段と下がることも確認された。従って、図19の場合
は、図18よりもより顕著に着座による底つき感の改良
効果を感じ取ることができる。以上の実験結果より、本
発明の効果が確認された。
【0062】
【発明の効果】本発明の座圧低減シートは、座り心地感
に優れた車両用シートやクッション等のシートであり、
座り心地に影響を与える特定箇所の座圧の低減化が図
れ、優れた座り心地感が付与されると共に、形状安定性
に優れ、薄型化に好適に対応し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の座圧シートのクッション支持体(パン
フレーム)を示す斜視図である。
【図2】同支持体にクッション部材を載置したA−A断
面図である。
【図3】本発明のクッション支持体の孔の形状(楕円
形)を示す簡略図である。
【図4】本発明のクッション支持体の他の孔の形状(矩
形)を示す簡略図である。
【図5】本発明のクッション支持体の他の孔の形状(ひ
ょうたん型)を示す簡略図である。
【図6】本発明のクッション支持体の他の孔の形状(楕
円形)を示す簡略図である。
【図7】本発明のクッション支持体の他の孔の形状(矩
形)を示す簡略図である。
【図8】(a)本発明のクッション支持体の孔(円形)
に被覆シートを張設した一例を示す簡略図である。
(b)同支持体にクッション部材を載置したB−B断面
図である。
【図9】本発明のクッション支持体の孔(楕円形)に被
覆シートを張設した一実施例を示す簡略図である。
(b)同支持体にクッション部材を載置したC−C断面
図である。
【図10】本発明のクッション支持体に逃げ部を設けた
パンフレームの一実施例を示す断面図であり、(a)は
着座前の状態、(b)は着座した時の状態、(c)は
(a)の部分拡大図、(d)は(b)の部分拡大図をそ
れぞれ示す。
【図11】本発明のクッション支持体に凹部を設けたパ
ンフレームの一実施例を示す断面図であり、(a)は着
座前の状態、(b)は着座した時の状態、(c)は
(a)の部分拡大図、(d)は(b)の部分拡大図をそ
れぞれ示す。
【図12】本発明のクッションの支持体(ベンチシート
用)の他の実施例を示す斜視図である。
【図13】同支持体にクッション部材を載置したD−D
断面図である。
【図14】一被験者が厚さ50mmの一のクッション部
材に着座した際の座圧分布図である。
【図15】同被験者が厚さ100mmの同クッション部
材に着座した際の座圧分布図である。
【図16】同被験者が厚さ100mmの同クッション部
材に着座した際の座圧分布を3次元的に表示したもので
ある。
【図17】同被験者が厚さ50mmの同クッション部材
に着座した際の座圧分布を3次元的に表示したものであ
る。
【図18】図17のクッション部材を載置した本発明の
一実施例にかかるシートに着座した際の座圧分布を3次
元的に表示したものである。
【図19】図17のクッション部材を載置した本発明の
他の実施例にかかるシートに着座した際の座圧分布を3
次元的に表示したものである。
【符号の説明】
1 クッション支持体(パンフレーム) 2 孔 3 クッション部材 4 被覆シート 5 逃げ部 6 凹部 7 クッション支持体(ベンチシートの支持体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クッション部材と、該クッション部材を
    載置するクッション支持体とを具備してなるシートにお
    いて、上記クッション支持体のクッションが載置される
    部分であってJIS−D 4607による3Dマネキン
    の座骨結節部に相当する部分の直下に孔又は凹部が形成
    され、着座の際クッション支持体に載置されたクッショ
    ン部材がこの孔又は凹部に突出するように設けられてい
    ることを特徴とする座圧低減シート。
  2. 【請求項2】 クッション支持体と該クッション支持体
    に形成される孔又は凹部の境界線によって囲まれる部分
    の総面積が5〜2000cm2である請求項1記載の座
    圧低減シート。
  3. 【請求項3】 クッション支持体に孔又は凹部の形成部
    分を覆う被覆シートが伸縮可能に張設された請求項1又
    は2記載の座圧低減シート。
  4. 【請求項4】 クッション支持体に孔が形成されると共
    に、該クッション支持体外側の孔の縁部に逃げ部を連設
    してなるものである請求項1乃至3のいずれか1項記載
    の座圧低減シート。
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