JP2001284826A - 多層基板および分割多層基板 - Google Patents

多層基板および分割多層基板

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JP2001284826A
JP2001284826A JP2000089602A JP2000089602A JP2001284826A JP 2001284826 A JP2001284826 A JP 2001284826A JP 2000089602 A JP2000089602 A JP 2000089602A JP 2000089602 A JP2000089602 A JP 2000089602A JP 2001284826 A JP2001284826 A JP 2001284826A
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electrode
conductive member
substrate
insulating
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JP2000089602A
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English (en)
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Yuzuru Matsumoto
譲 松本
Norimitsu Fukamizu
則光 深水
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分割時や熱サイクル印加時等における端面電極
の剥離を確実に防止できる多層基板および分割多層基板
を提供する。 【解決手段】絶縁層10a〜10hを複数積層してなる
絶縁基体10と、該絶縁基体10表面に形成され、絶縁
基体10を複数に分割するための分割溝15と、絶縁基
体10表面から厚み方向に所定深さで形成されるととも
に、分割溝15により分割されて分割溝15内に露出す
る端面電極用導電部材13とを具備する多層基板であっ
て、分割溝15から離間した端面電極用導電部材13
に、該端面電極用導電部材13の分割溝15内への露出
面17よりも幅広の拡幅部19を形成してなるものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分割溝を有する多
層基板、および端面電極を有する分割多層基板に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器は小型軽量化、携帯化が進
んでおり、それに用いられる回路ブロックもその動向に
呼応する形で、小型軽量薄型化、表面実装化、複合化が
押し進められている。
【0003】このような動向の中で、セラミック回路基
板は、その優れた放熱性や低誘電損失等の特徴から従来
より多用されており、高周波モジュールとしてその応用
が進められている。
【0004】従来、表面実装用回路基板は母基板に半田
接合されて用いられている。そして、その接合状態の確
認と信頼性維持の観点から、表面実装用回路基板は端面
電極を有する構造が採用されている。その端面電極を有
する表面実装用回路基板の構造を製造方法の観点からみ
ると、大別して3種類の製造方法がある。
【0005】第1の構造はスルーホール厚膜構造と呼ば
れるもので、既に端面電極用のスルーホールが形成され
た未焼成もしくは既焼成の基板に吸引等の技術を併用
し、厚膜印刷技術等により導電性ペーストをスルーホー
ル内壁面にコーティングして焼き付け、スルーホール部
分を横切る分割溝で分割して得られる構造である。本構
造の利点は基板を多数個取りで処理できるため、即ち、
単位ブロック毎に分割した際にはそれぞれが複数の端面
電極を有する分割基板となり、工数削減に有利である。
【0006】第2の構造は第1の構造を応用したもので
あり、未焼成のグリーンシート1層毎にスルーホールを
形成し、該スルーホールの内壁面に導電性ペーストをコ
ーティングし、該スルーホール厚膜構造をとったものを
積層一体化することにより達成される構造であり、焼成
後に、スルーホール部分を横切る分割溝で分割して得ら
れる構造である。本構造の利点は内部配線と端面電極の
接合がとり易い点にある。
【0007】第3の構造は単独形成構造と呼ばれるもの
で、単位ブロックに分割された分割基板に、基本的に1
端面ずつ厚膜印刷技術等を用いて端面電極をパターンニ
ング、焼き付けする方法で得られる構造である。本方法
の利点は実装投影面積でみたときにスルーホールによる
デッドスペースがなく、小型化に適した点である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記3
種の製法による構造は各々以下のような欠点があった。
即ち、第1のスルーホール厚膜構造では、セラミック基
板が内部配線を有していた場合に、内部配線と端面電極
の接続信頼性に欠ける。例えば、未焼成のセラミック基
板が対象であるならば、それにパンチング工法等により
スルーホールを形成する必要があるが、形成時に内部配
線が崩れて端面電極との接点がとれにくい。
【0009】第2の構造も第1の構造と同様に端面電極
の幅が広くなると不適切になる。即ち、この構造では、
スルーホール内壁面のみにコーティングすることが困難
であり、一方、グリーンシートに形成されたスルーホー
ルに導電性ペーストを充填した場合には、導電性ペース
トをスルーホール内壁面のみに残すには導電性ペースト
の除去作業が必要となり、また、導電性ペーストをその
まま残した場合には導電性ペーストが余分に必要となる
という問題があった。
【0010】さらに、一層毎にパンチング等によりスル
ーホールを形成した後、積層する構造となるが、積層時
の積層精度が低いことにより、スルーホール内壁面が凹
凸となり、端面電極表面も凹凸になりやすいという問題
があった。
【0011】また、第1および第2の構造では、基板表
面に形成された分割溝が、多層基板を分割した際には端
面電極となる円筒状の導電部材を通過していたため、分
割溝で分割すると導電部材を直接切断することになり、
導電部材に分割する際の力が作用し、導電部材が剥がれ
落ちる等、導電部材と絶縁基体の接続信頼性が低下する
という問題があった。
【0012】また、スルーホールの形成が不可欠であ
り、スルーホールそのものがデッドスペースとなって、
基板の有効面積が小さくなり、実装効率が低いという問
題があった。
【0013】さらに、従来から種々の端面構造や導体形
状が用いられてきたが、金型を用いるパンチング工法に
より端面電極を作製した場合、円及び楕円等の単純形状
による設計を強いられ、導電部材と絶縁基体の接続信頼
性や量産性に優れた端面構造が得られなった。
【0014】第3の単独形成構造では、端面を露出させ
るために、多数個取りが出来ない。従って基板の表面に
部品を実装する際、分割基板毎に実装する必要があり、
実装効率を大きく低下させてしまう。
【0015】また、これらの構造では、図8に示すよう
に、端面電極41が絶縁基体43の側面全面に形成され
ていたため、電子部品等に衝突した時に剥離し易いとい
う問題があった。また、絶縁基体43の側面全面に形成
されていたため、その端面電極41用の導電ペーストが
多量に必要となり、さらに、図8に示したように、ハン
ダ44により母基板(マザーボード)45に接合する際
には、ハンダ44が絶縁基体43の側面全面に形成され
た端面電極41の全面にのることになり、ハンダ44の
使用量が多量に必要となるという問題があった。
【0016】このような導電ペーストやハンダ使用量を
低減できるものとして、特開平8−37250号公報に
は、絶縁基体の側面の一部に端面電極が形成された積層
電子部品が開示されている。
【0017】しかしながら、この公報に開示された積層
電子部品では、上記第2の構造により製造されていたた
め、作製される端面電極の形状は、上記したように金型
を用いるパンチング工法により形成するため、半円筒
状、半円状とされており、このような端面電極は内部に
いくほど縮幅されており、このような形状のため、多層
基板を分割したり、熱サイクル等の厳しい環境に晒され
た際に、端面電極が剥離しやすいという問題があった。
【0018】本発明は、分割時や熱サイクル等の厳しい
環境に晒された際における端面電極の剥離を確実に防止
できる多層基板および分割多層基板を提供することを目
的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の多層基板は、絶
縁層を複数積層してなる絶縁基体と、該絶縁基体表面に
形成され、前記絶縁基体を複数に分割するための分割溝
と、前記絶縁基体表面から厚み方向に所定深さで形成さ
れるとともに、前記分割溝により分割されて該分割溝内
に露出する端面電極用導電部材とを具備する多層基板で
あって、前記分割溝から離間した前記端面電極用導電部
材の部分に、該端面電極用導電部材の前記分割溝内への
露出面よりも幅広の拡幅部を形成してなるものである。
【0020】本発明の多層基板によれば、分割溝から離
間した端面電極用導電部材の部分に、該端面電極用導電
部材の分割溝内への露出面よりも幅広の拡幅部を形成し
たので、この拡幅部によりアンカー効果が生じ、焼成後
に分割溝に沿って分割しても、端面電極用導電部材と絶
縁基体が機械的に強く結合しており、絶縁基体を分割溝
で分割する際や、熱サイクルが印加された際における端
面電極用導電部材の剥離を防止できる。
【0021】また、端面電極用導電部材を、その分割溝
内への露出面から離間する程拡幅せしめることにより、
端面電極用導電部材が逆テーパ状の台形形状となり、端
面電極用導電部材の剥離をさらに防止できるとともに、
端面電極用導電部材の作製も容易となる。
【0022】さらに、分割溝を、端面電極用導電部材よ
りも絶縁基体の厚み方向に深く形成することにより、絶
縁基体の分割溝で分割する際には、端面電極用導電部材
を直接分割することがなく、端面電極用導電部材に応力
が作用せず、端面電極用導電部材の剥離をさらに防止で
き、端面電極用導電部材と絶縁基体との接続信頼性を向
上できる。
【0023】本発明の分割多層基板は、絶縁層を複数積
層してなる分割絶縁基体と、該分割絶縁基体に埋設され
るとともに、前記分割絶縁基体の外周面に露出する露出
面を有する複数の端面電極とを具備した分割多層基板で
あって、前記分割絶縁基体内部における前記端面電極
に、該端面電極の露出面よりも幅広の拡幅部を形成して
なるものである。
【0024】このように、分割絶縁基体内部における端
面電極に、該端面電極の露出面よりも幅広の拡幅部を形
成することにより、熱サイクル印加時等における端面電
極の剥離を防止できる等、耐環境性の向上を図ることが
できる。
【0025】また、端面電極が、分割絶縁基体の表面か
ら厚み方向に所定長さで形成されており、端面電極の露
出面と分割絶縁基体の側面が同一平面となるため、従来
のように端面電極の表面が分割絶縁基体の側面から突出
しておらず、この端面電極が電子部品等に衝突したとし
ても剥がれ落ちることがない。
【0026】また、従来は分割多層基板の側面の全面に
端面電極が形成されていたため、母基板にハンダにより
接合する場合でも、端面電極全面にハンダがのることに
なり、端面電極を形成するための導電性ペースト、およ
び母基板に接合するためのハンダ等が多量に必要であっ
たが、本発明では、端面電極の露出面積を必要最小限の
面積とすることができ、端面電極、ハンダの材料費を低
減できる。
【0027】本発明の多層基板の製法は、以下の(a)
〜(g)の工程を具備するものである。 (a)少なくとも光硬化性樹脂およびセラミック(また
はガラスセラミック)材料を含有するスリップを作製す
る工程 (b)前記スリップを薄層化し乾燥して絶縁層成形体を
形成する工程 (c)前記絶縁層成形体に露光、現像処理を施して、端
面電極用の導電部材を形成するための貫通溝を形成する
工程 (d)前記貫通溝内に導電性ペーストを充填する工程 (e)前記(b)工程、前記(c)工程、前記(d)工
程を順次繰り返した後、前記スリップを薄層化し乾燥し
て絶縁層成形体を形成し、露光、硬化する工程を繰り返
して積層成形体を作製する工程 (f)前記積層成形体の端面電極用の導電部材を分割す
るように分割溝を形成する工程 (g)前記積層成形体を焼成する工程 この方法において、端面電極用の導電部材を形成するた
めの貫通溝は、分割溝から離間した端面電極用導電部材
の部分に、該端面電極用導電部材の分割溝内への露出面
よりも幅広の拡幅部を形成するように形成される。
【0028】また、この方法において、必要に応じて内
部配線パターンの形成工程またはビアホール導体の形成
工程が追加される。
【0029】上記した多層基板の製法によれば、端面電
極を絶縁層の厚み方向に、絶縁層一層毎に形成する方法
は、従来の技術で説明した第2の方法と基本的に同様で
あるが、第2の方法のようにスルーホールを形成した場
合と異なり、端面電極に相当する部分(端面電極用貫通
溝)に端面電極導体を埋め込むような形成方法であるこ
とが特徴である。この事からスルーホール方式では、埋
め込まれた導体が剥離するという問題により製作不能で
あった、例えば長さ1mm、幅0.2mmの幅広形状
や、十字、T字、逆テーパーといった従来技術では形成
困難であった形状の端面電極の形成が可能になる。さら
に台板上でフォトリソ方式によって端面電極用貫通溝形
成及び積層を行なうため、積層精度が著しく向上し、端
面電極表面が凹凸になるという問題はなくなる。
【0030】また、従来の方法では、配線パターンとな
る導電性ペーストの印刷ズレや、グリーンシートの積層
時の位置ズレがある場合、端面電極と接続されない場合
があるが、上記方法によれば、配線パターンとなる導電
性ペーストを端面電極用の導電部材に接続するように塗
布するため、接続不良が発生することがない。
【0031】また、製造工数も少なく、多数個取りの可
能な多層基板が実現可能となる。更に、多数個取りがで
きることから、多層基板の表面に部品を実装する際に実
装効率も高くなるという利点があげられる。さらにま
た、端面電極の表面を半田ぬれ性の良好な金属でめっき
処理することにより、端面電極の露出面積が少なくても
母基板へのハンダによる接合を確実に行うことができ
る。
【0032】また、スルーホールを用いて端面電極を形
成した従来の場合に比較して、分割基板上のデッドスペ
ースが無くなるため、部品を搭載可能な面積が拡大し、
部品の実装密度を向上することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の分割多層基板の
斜視図を示すもので、符号1は分割絶縁基体を示してお
り、入出力端子、電源端子、グランド端子等の端子が端
面電極2として示されている。端面電極2は分割絶縁基
体1の側面4面に計10個所露出して形成されている。
【0034】また、分割絶縁基体1の上面には、表面電
極(配線)3が形成され、この表面電極3には抵抗器や
コンデンサ等のチップ部品4が接続されている。また分
割絶縁基体1にはキャビティ部5が形成されており、こ
のキャビティ部5には半導体ベアチップ6が収容され、
ワイヤにより表面電極3と接続されている。
【0035】そして、本発明の分割多層基板は、図2
(a)に示すように、端面電極2が、分割絶縁基体1の
底面から厚み方向に所定長さLで埋設して形成され、そ
の端面が露出した露出面7とされ、この端面電極2の露
出面7と分割絶縁基体1の側面が同一平面とされてい
る。分割絶縁基体1の厚み方向における端面電極2の長
さLは、分割絶縁基体1の厚みの1/4以下とされてい
る。
【0036】また、端面電極2は、図2(b)に示すよ
うに、上方から見て分割絶縁基体1の内部に露出面7よ
りも幅広の拡幅部2aが形成されており、分割絶縁基体
1の端部(露出面7)より内部に向かって逆テーパー状
の台形形状とされ、即ち、端面電極2は上方から見て台
形形状とされ、この台形形状の端面電極2の長辺2b
(基板内部側)の長さは、短辺2c(露出面7側)の長
さの1.5〜2倍とされている。分割絶縁基体1の下面
には、端面電極2に接続する表面電極3が形成されてい
る。
【0037】さらに、分割多層基板は最終的に半田によ
り実装されるため、分割多層基板の端面電極2はハンダ
で接合できるものでなくてはならない。ガラスセラミッ
クを含むセラミックスとの同時焼成を考えると、セラミ
ックスは800〜1000℃程度で焼成可能な材料であ
り、また、端子電極2の構成金属は、銀、パラジウム、
白金、銅、および銀とパラジウムの合金のうちの一種を
主成分とするものであり、このうちでも銀系合金もしく
は銅が好ましい。銀は半田食われがあるため、ニッケル
下地でスズめっき等を施したほうが好ましい。また、タ
ングステンやモリブデン等は半田で接続が直接不可能で
ある為に、この場合にもタングステンやモリブデン等の
表面にメッキ等を施した方が好ましい。
【0038】このような分割多層基板は、例えば、図3
に示すように、プラスチック基板からなる母基板8に配
置され、この母基板8の表面電極と、分割多層基板の端
面電極2がハンダ9により接合されることになる。
【0039】以上のように構成された分割多層基板で
は、端面電極2を、分割絶縁基体1の底面から厚み方向
に長さLで形成し、端面電極2の表面と分割絶縁基体1
の側面を同一平面としたので、従来のように端面電極2
の表面が突出していないため、この端面電極2に電子部
品等が衝突したとしても剥がれ落ちることがない。ま
た、端面電極2の露出面積を必要最小限の面積とするこ
とができ、端面電極2、ハンダ9の材料費が低減でき
る。
【0040】さらに、分割絶縁基体1内部における端面
電極2に、この端面電極2の露出面7よりも幅広の拡幅
部2aを形成したので、即ち、端面電極2を、露出面7
から次第に拡幅する断面台形形状としたので、端面電極
2の分割絶縁基体1に対する機械的結合が強くなり、端
面電極2の分割絶縁基体1からの剥離をさらに防止する
ことができる。
【0041】さらにまた、端面電極2の表面を半田ぬれ
性の良好な金属でめっき処理することにより、端面電極
2の露出面積が少なくても母基板8への接合を確実に行
うことができる。さらに、従来のように端面電極2を形
成するためのスルーホールを形成しないため、デッドス
ペースが無く、分割多層基板への部品の搭載面積を拡大
することができる。
【0042】上記のような分割多層基板は、この基板が
集合した、図4に示すような多層基板を分割溝に沿って
分割することにより得られる。以下、本発明の多層基板
について説明する。尚、図4は、表面電極3、チップ部
品4等の記載は省略した。
【0043】本発明の多層基板は、図5に示すように、
絶縁層10a〜10h、内部配線11、ビアホール導体
12、端面電極2となる端面電極用導電部材13とから
なり、絶縁層10a〜10hにより絶縁基体10が形成
され、 表面には表面電極3が形成されている。
【0044】絶縁層10a〜10hは、例えば、ガラス
セラミック材料からなり、それぞれの厚みは40〜15
0μmとされている。このような絶縁層10bと絶縁層
10c、絶縁層10fと絶縁層10g間には内部配線1
1が形成されている。内部配線11は、金系、銀系、銅
系の金属材料、例えば銀系導体からなっている。また、
内部配線11は、絶縁層10g、10hの厚みを貫くビ
アホール導体12によって接続されているものもあれ
ば、容量結合等で分布定数的に接続されるものもある。
このビアホール導体12も内部配線11と同様に金系、
銀系、銅系の金属材料、例えば銀系導体からなってい
る。
【0045】絶縁基体10の表面には、ビアホール導体
12と接続する表面電極3が形成されており、この表面
電極3上には、必要に応じて厚膜抵抗体膜や厚膜保護膜
が形成されたり、メッキ処理されたり、また、図1に示
したように、ICを含む各種チップ部品が半田やボンデ
ィング細線によって接合される。
【0046】そして、絶縁基体10には、図4乃至図6
に示すように、絶縁基体10の底面から厚み方向に所定
深さで端面電極用の導電部材が形成されており、この導
電部材を2つに分割するように分割溝15が形成され、
一対の端面電極用導電部材13が形成されている。この
分割溝15は、下面の分割溝15に対向するように、絶
縁基体10の上面にも形成されており、下面に形成され
た分割溝15は絶縁基体10の厚み方向に端面電極用導
電部材13よりも深く形成されている。尚、図6は、図
5の端面電極用導電部材13近傍の底面斜視図であり、
表面電極3は省略した。
【0047】端面電極用導電部材13は、図6に示すよ
うに、絶縁基体10の底面から厚み方向に所定深さで形
成され、分割溝15から離間した端面電極用導電部材1
3には、該端面電極用導電部材13の分割溝15内への
露出面17よりも幅広の拡幅部19が形成されている。
即ち、端面電極用導電部材13は、分割溝15側から絶
縁基板10内側に向かって逆テーパー状に広がって形成
されている。分割溝15を挟んで一対の台形状の端面電
極用導電部材13が対向して形成されており、分割前は
いわゆる蝶番形状に導電部材が形成されている。
【0048】端面電極用導電部材13の絶縁基体10の
厚み方向の長さは、絶縁基体10の厚みの1/4以下で
あることが望ましい。これは、積層成形体に分割溝15
を形成する必要があるが、分割溝15は、導電部材を絶
縁基体10の厚み方向に分割できるだけの深さを必要と
する。しかし、その深さが絶縁基板10の厚みに対して
深すぎると基板そのものが切断されてしまうため、端面
電極用導電部材13の絶縁基体10の厚み方向の長さL
は、絶縁基体10の表面より絶縁基体10の厚みの1/
4以下とするのが望ましい。
【0049】以上のように構成された多層基板では、分
割溝15から離間した端面電極用導電部材13に、該端
面電極用導電部材13の分割溝15内への露出面17よ
りも幅広の拡幅部19を形成したので、この拡幅部19
によりアンカー効果が生じ、焼成後に分割溝15に沿っ
て分割しても、端面電極用導電部材13と絶縁基体10
が機械的に強く結合しており、絶縁基体10を分割溝1
5で分割する際や、熱サイクルに晒された際における端
面電極用導電部材13の剥離を防止できる。
【0050】また、端面電極用導電部材13を、その分
割溝15内への露出面17から離間する程拡幅せしめる
ことにより、端面電極用導電部材13が逆テーパ状の台
形形状となり、端面電極用導電部材13の剥離をさらに
防止できるとともに、端面電極用導電部材13も容易に
作製できる。
【0051】さらに、分割溝15を、端面電極用導電部
材13よりも絶縁基体10の厚み方向に深く形成するこ
とにより、絶縁基体10の分割溝15で分割する際に
は、端面電極用の導電部材を直接分割することがなく、
端面電極用導電部材13に応力が作用せず、端面電極用
導電部材13の剥離をさらに防止でき、端面電極用導電
部材13と絶縁基体10との接続信頼性を向上できる。
【0052】本発明の基板の製造方法を、図7に基いて
説明する。先ず、絶縁層10a〜10hとなるスリップ
材を作製する。スリップ材は、例えば、ガラスセラミッ
クスまたはセラミック原料粉末、光硬化可能なモノマ
ー、例えばポリオキシエチル化トリメチロールプロパン
トリアクリレートと、有機バインダ、例えばアルキルメ
タクリレートと、可塑剤とを、有機溶剤、例えばエチル
カルビトールアセテートに混合し、ボールミルで混練し
て作製される。
【0053】セラミック原料粉末としては、例えば、金
属元素として少なくともMg、Ti、Caを含有する複
合酸化物であって、その金属元素酸化物による組成式を
(1−x)MgTiO3−xCaTiO3(但し、式中x
は重量比を表し、0.01≦x≦0.15)で表される
主成分100重量部に対して、硼素含有化合物をB23
換算で3〜30重量部、アルカリ金属含有化合物をアル
カリ金属炭酸塩換算で1〜25重量部添加含有してなる
ものが用いられる。
【0054】尚、上述の実施例では溶剤系スリップ材を
作製しているが、親水性の官能基を付加した光硬化可能
なモノマー、例えば多官能基メタクリレートモノマー、
有機バインダ、例えばカルボキシル変性アルキルメタク
リレートを用いて、イオン交換水で混練した水系スリッ
プ材であっても良い。
【0055】セラミック原料粉末としては、例えば、ガ
ラス材料であるSiO2、Al23、ZnO、MgO、
23を主成分とする結晶化ガラス粉末70重量%とセ
ラミック材料であるアルミナ粉末30重量%とからなる
ものも用いられる。セラミック原料粉末は、特に限定さ
れるものではない。
【0056】また、ビアホール導体12、内部配線11
および表面電極3、端面電極用導電部材13となる導電
性ペーストを作製する。導電性ペーストは、低融点で且
つ低抵抗の金属材料である例えば銀粉末と、硼珪酸系低
融点ガラス、例えばB23−SiO2−BaOガラス、
CaO−B23−SiO2ガラス、CaO−Al23
23−SiO2ガラスと、有機バインダ、例えばエチ
ルセルロースとを、有機溶剤、例えば2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレートに
混合し、3本ローラーにより均質混練して作製される。
【0057】本発明の多層基板の製法は、まず、図7
(a)に示すように、支持基板25上に、上述のスリッ
プ材をドクターブレード法によって塗布・乾燥して、絶
縁層10aを形成する絶縁層成形体31aを形成する。
ここで、支持基板25としては、マイラーフイルムを用
い、焼成工程前に取り外される。
【0058】次に、絶縁層成形体31aに、図7(b)
に示すように、蝶番状の端面電極用貫通溝35a(以
下、単に貫通溝35aということもある)の形成を行
う。
【0059】貫通溝35aの形成は、露光処理、現像処
理、洗浄・乾燥処理により行う。露光処理は、絶縁層成
形体31a上に、貫通溝35aが形成される領域が遮光
されるようなフォトターゲットを載置して、例えば、超
高圧水銀灯(10mW/cm 2)を光源として用いて露
光を行なう。
【0060】これにより、貫通溝35aが形成される領
域の絶縁層成形体31aにおいては光硬化可能なモノマ
の光重合反応がおこらず、貫通孔35aが形成される領
域以外の絶縁層成形体31aにおいては光重合反応が起
こる。ここで光重合反応が起こった部位を不溶化部とい
い、光重合反応が起こらない部位を溶化部という。
【0061】現像処理は、絶縁層成形体31aの溶化部
を現像液で除去するもので、具体的には、例えば、トリ
エタノールアミン水溶液を現像液として用いてスプレー
現像を行う。この現像処理により、図7(b)に示すよ
うに、絶縁層成形体31aに蝶番状の貫通溝35aを形
成することができる。その後、絶縁層成形体31aを現
像により生じる不要なカスなどを洗浄、乾燥工程により
完全に除去する。
【0062】次に、貫通溝35aへ導電性ペーストを充
填し、乾燥して、蝶番状の端面電極用導電部材13とな
る導電部材36aを形成する。具体的には、図7(c)
に示すように、上述の工程で形成した貫通溝35a内に
上述の導電性ペーストを充填し、乾燥する。貫通溝35
aに相当する部位のみに印刷可能なスクリーンを用いて
印刷によって導電部材36aを形成し、その後、80℃
で10分乾燥する。
【0063】上記のような工程を2回繰り返して、絶縁
層成形体31a、31bを形成し、この後、上述のスリ
ップ材をドクターブレード法によって塗布・乾燥し、露
光硬化させ、必要に応じて露光現像してビアホール用導
体用の貫通孔を形成し、この貫通孔内に導電性ペースト
を充填したり、また、現像後の絶縁層成形体に内部配線
パターンを形成したりして、絶縁層成形体31a〜31
gを積層する。
【0064】この後、スリップ材をドクターブレード法
によって塗布・乾燥して、絶縁基体10の最表面の絶縁
層成形体31hを形成する。この絶縁層成形体31hに
上記した露光処理を施し、導電性ペーストを塗布して表
面電極を形成する。
【0065】このようにして作製された積層成形体を、
必要に応じてプレスで形状を整え、図7(d)に示すよ
うな積層成形体が得られ、この後、支持基板25が除去
され、積層成形体底面に表面電極を形成する。
【0066】そして、積層成形体の両面から、回路ブロ
ックに分割される位置に鋭利な刃を押し付けて、図5に
示すような分割溝を形成する。端面電極用の導電部材3
6aの中央部を分割溝15が通過するようにする。この
時、その深さは、端面電極用の導電部材36a、36b
を完全に分割する深さとする。これにより台形状の端面
電極用導電部材が対向した状態となる。
【0067】この後、脱バインダー工程と、本焼成工程
からなる焼成を行ない、脱バインダー工程において、含
まれている有機バインダ、光硬化可能なモノマを消失
し、本焼成工程により焼結する。
【0068】その後、表面処理として、さらに、厚膜抵
抗体膜や絶縁膜の印刷・焼きつけを行ない、メッキ処
理、さらにICチップを含む電子部品の接合を行うこと
により、本発明の基板が作製される。
【0069】
【発明の効果】本発明の多層基板によれば、その端面電
極構造は、拡幅部によりアンカー効果が生じ、焼成後に
分割溝に沿って分割しても、端面電極用導電部材と絶縁
基体が機械的に強く結合しており、絶縁基体を分割溝で
分割する際や、熱サイクルが印加された際における端面
電極用導電部材の剥離を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分割多層基板を示す斜視図である。
【図2】図1の分割多層基板の端面電極近傍を示すもの
で、(a)は断面図、(b)は底面図である。
【図3】分割多層基板を母基板に実装した状態を示す説
明図である。
【図4】多層基板を示す斜視図である。
【図5】図4の一部の断面図である。
【図6】図5の端面電極用導電部材およびその近傍を示
す底面斜視図である。
【図7】多層基板の製法を示す工程図である。
【図8】従来の分割多層基板を母基板に実装した状態を
示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・分割絶縁基体 2・・・端面電極 10・・・絶縁基体 10a〜10h・・・絶縁層 13・・・端面電極用導電部材 15・・・分割溝 7、17・・・露出面 2a、19・・・拡幅部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E338 AA03 AA18 BB47 BB65 BB75 CC01 CD01 CD33 EE27 EE32 5E346 AA02 AA04 AA12 AA15 AA32 AA42 BB20 CC02 CC18 CC32 CC39 CC53 DD03 DD13 DD15 DD44 DD45 EE22 FF01 FF07 FF18 GG06 GG07 GG15 GG18 GG28 GG40 HH07 HH11 HH31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁層を複数積層してなる絶縁基体と、該
    絶縁基体表面に形成され、前記絶縁基体を複数に分割す
    るための分割溝と、前記絶縁基体表面から厚み方向に所
    定深さで形成されるとともに、前記分割溝により分割さ
    れて該分割溝内に露出する端面電極用導電部材とを具備
    する多層基板であって、前記分割溝から離間した前記端
    面電極用導電部材の部分に、該端面電極用導電部材の前
    記分割溝内への露出面よりも幅広の拡幅部を形成してな
    ることを特徴とする多層基板。
  2. 【請求項2】端面電極用導電部材は、その分割溝内への
    露出面から離間する程拡幅していることを特徴とする請
    求項1記載の多層基板。
  3. 【請求項3】分割溝は、端面電極用導電部材よりも絶縁
    基体の厚み方向に深く形成されていることを特徴とする
    請求項1または2記載の多層基板。
  4. 【請求項4】絶縁層を複数積層してなる分割絶縁基体
    と、該分割絶縁基体に埋設されるとともに、前記分割絶
    縁基体の外周面に露出する露出面を有する複数の端面電
    極とを具備した分割多層基板であって、前記分割絶縁基
    体内部における前記端面電極に、該端面電極の露出面よ
    りも幅広の拡幅部を形成してなることを特徴とする分割
    多層基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015106636A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 京セラ株式会社 配線基板および電子装置

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