JP2001284631A - 光検出器及び光検出システム - Google Patents

光検出器及び光検出システム

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JP2001284631A
JP2001284631A JP2000095804A JP2000095804A JP2001284631A JP 2001284631 A JP2001284631 A JP 2001284631A JP 2000095804 A JP2000095804 A JP 2000095804A JP 2000095804 A JP2000095804 A JP 2000095804A JP 2001284631 A JP2001284631 A JP 2001284631A
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transparent electrode
electrode
transparent
light
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Minoru Yonezawa
澤 実 米
Masatoshi Sakurai
井 正 敏 櫻
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    • HELECTRICITY
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便かつ廉価な構成で光の強度分布を測定す
る機能を持ち、計測波長帯の選択性を持った光検出器を
提供する。 【解決手段】 増感色素が塗布された透明半導体電極部
11と対向電極部12と、両者に挟まれたバッファ層1
3とからなる透過型光検出器で、対向電極部または透明
半導体電極部が複数の電極セルに分割されて構成され
る。この光検出器によれば、増感色素で吸収される波長
帯の光の一部を用いて、光電変換を行い、波長選択性を
持った光検出器をコンパクトな構成で実現することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光検出器および光
検出システムに関し、より詳細には、透過型の光検出器
を改良し入射光の2次元的な強度分布あるいは波長分布
に関する情報を検出可能とした光検出器および光検出シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】光学技術の多様なシステム応用がなされ
ている現在、光を検出する手段である受光素子はあらゆ
る光応用機器のアプリケーションでキーデバイスとして
活用されている。これら受光素子は、半導体で形成さ
れ、pn接合の働きによって起電力を生じるデバイスで
ある。受光素子の光電変換のメカニズムについて簡単に
説明する。
【0003】光電変換のメカニズムは、表面近傍、空間
電荷領域、結晶内部という3箇所で振る舞いが異なる
が、最終的にはn領域に電子がp領域に正孔がたまるこ
とで電位差が生じるメカニズムである。まず、表面近傍
で吸収された光は高濃度の電子と正孔を励起し、濃度の
低い内部に向けて拡散させる。この際、pn接合の空間
電荷領域に達すると、電子は電位勾配にしたがって落下
しn領域に達し、正孔は電位勾配に遮られて空間電荷領
域の入り口にとどまる。
【0004】次に、表面より少し内部のpn接合空間電
荷領域で吸収された光は、そこで電子と正孔を作り、そ
れぞれ電位勾配にしたがって移動し、n領域、p領域へ
とたまることになる。最後に結晶内部には光の長波長成
分のみが到達し、内部のn領域によって生じた正孔は、
拡散によって空間電荷領域に達して電場によってp領域
に集まることになる。このようにして、pn接合に光が
照射したときに両側に起電力が発生するのである。
【0005】従来の受光素子ではpn接合を行う面が光
を透過しないため、図35に例示したように光路の末端
に配置されるのが一般的であった。すなわち、図35に
例示した構成においては、光路1中に設けられたビーム
スプリッタ2で分岐された光が受光素子3に導かれるよ
うな構成とされている。このため、受光素子3を持つ検
出光学系は複雑な構成をとることが多かった。またビー
ムスプリッタ2を介することで、光軸がシフトしたりビ
ーム波面にノイズが生じたりして悪影響を与えることが
避けられなかった。このため、特に長い距離を伝播させ
る必要のある計測系などでは、このような検出光学系を
採用することが困難であるという問題があった。
【0006】一方、近年の光応用システムの進歩に伴
い、複数の波長の光を同一の光軸上に伝搬させる要請が
強くなっている。従来から、レーザなど単一波長成分を
持った光の検出には、ハーフミラーや偏光状態を考慮し
た偏光ビームスプリッタを用いて分光する構成がよく用
いられる。しかし、最近の短波長レーザの開発により、
複数波長のレーザを光軸を同一にとって用いる例が多く
なってきた。その一例である光ディスク装置では、CD
(compact disc)とDVD(digital versatiledisc)
の読み取りを同一の装置で行うために、780nm、635nmと
いう波長の異なる二つのレーザを使用している。現状技
術では、この二つの波長の検出系がそれぞれ別に構成さ
れている例が多く、検出光学系の構成は、光技術の進歩
とともにますます複雑になってきたとも考えられる。
【0007】入射光が広い周波数帯域の光である一例
が、イメージセンサである。自然光が入射されるビデオ
カメラ用のCCD(chage coupled device)などが代表的
な例である。ビデオカメラ用のイメージセンサでは、入
射された光をRGBの3種の波長帯に分離して、それぞれ検
出するためにCCDを3つ備えた図36のような光学系を
設けている。すなわち、同図に例示した構成の場合は、
光路1中に置かれたプリズム5によって赤色成分が分離
されてCCD4Aで検出され、プリズム6で分離された
緑色成分がCCD4Bで検出され、プリズム7で分離さ
れた青色成分がCCD4Cで検出される。この検出光学
系の採用により、三原色分離して検出された光強度信号
が情報信号として取りだされるのである。高性能イメー
ジセンサの実現のためには、このように広い波長帯の入
射光を3原色分離してそれぞれに検出系を設ける必要が
あり、図36のような複雑な構成の検出光学系が不可欠
であった。
【0008】以上例示したような検出光学系を簡便に構
成するために、光を一部透過する光検出器も提案されて
いる。光を透過する機能を有する従来の光検出器として
は、主に太陽電池の用途に用いられる、ガラス基板上に
アモルファスシリコン光センサを設けた裏面透明電極光
センサや、シリコンに微細孔をあけることによって光透
過を可能とするシースルー光センサがある。
【0009】しかし、裏面透明電極光センサは色がシリ
コンのバンドギャップに制限されるため、赤色以外の例
えば青色や緑色は吸収できず、波長帯が限定される構成
となってしまう。また、シースルー光センサは光透過性
を微細孔で可能にするため、透過率と変換効率を共に高
くとることや、吸収波長の調整はできなかった。
【0010】また、図37に示すように、シリコン基板
の薄膜化のプロセスを用いて、薄膜フォトダイオードが
製造され、透過型光検出器が実現されている。すなわ
ち、同図に表した例においては、酸化シリコンマスクM
を利用してTMAHエッチングによりシリコン基板Sの
一部を薄膜化し(図37(a))、pn接合を形成し
(図37(b))、さらに電極Eを形成して薄膜フォト
ダイオードを形成する(図37(c))。
【0011】しかしこのような検出器は、製造コストが
かかったり、光の透過率が低いなどの問題点があると同
時に、シリコンという材料に依存して吸収検出される波
長スペクトルが固定されるため、光検出器としての用途
が非常に限定されてしまうという問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の受光素子を有する光検出器では、光を透過できないた
め光路の末端に配置しなくてはならなかった。同時に、
末端に配置された光検出器に光を導くために光路中にビ
ームスプリッタなどを設けて分光することが不可欠で、
光学系の構成が複雑になる、光軸が微妙にずれる、ビー
ム波面にノイズが生じるという問題点があった。
【0013】近年の光学技術の進歩に伴い、複数波長の
レーザが使用されたり、周波数帯を分割して検出する用
途が発生したりするために、使用する波長の数だけ検出
光学系が設けられることになると、検出光学系はますま
す複雑な構成となる傾向にある。
【0014】また、従来は、光を透過する検出器は限ら
れた用途では存在するものの、細かな調整が困難であっ
たり、製造コストが高かったりと、廉価で高性能の光検
出器としては適さない構成のものであった。
【0015】本発明は、かかる課題の認識にもとづいて
なされたものであり、その目的は、廉価で簡便な構成に
よって、製造性に優れ、波長帯を選択可能な光検出を行
う光検出器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の透明電極と、第2の透明電極と、前記第1及
び第2の透明電極に挟まれて前記第1の透明電極と第2
の電極に共通な光電変換部と、を備え、前記第1の透明
電極と前記第2の透明電極との少なくともいずれかは、
複数の電極セルに分割されてなることを特徴とする。
【0017】または、本発明の光検出器は、第1の透明
電極と、前記第1の透明電極の上に積層された透明半導
体と、前記透明半導体の上に積層され所定の波長を含む
波長帯の光を吸収する増感色素膜と、第2の透明電極
と、前記増感色素膜と前記第2の透明電極との間に挟持
されたキャリア輸送体と、を備え、前記第1の透明電極
と前記第2の透明電極との少なくともいずれかが、複数
の電極セルに分割されてなることを特徴とする。
【0018】または、本発明の光検出器は、第1の透明
電極と、前記第1の透明電極の上に積層された透明半導
体と、前記透明半導体の上に積層され所定の波長を含む
波長帯の光を吸収する増感色素膜と、第2の透明電極
と、前記増感色素膜と前記第2の透明電極との間に挟持
された誘電体層と、を備え、前記第1の透明電極と前記
第2の透明電極との少なくともいずれかが、複数の電極
セルに分割されてなることを特徴とする。
【0019】または、本発明の光検出器は、第1の透明
電極と、前記第1の透明電極の上に積層された有機p型
半導体層と、前記有機p型半導体層の上に積層された有
機n型半導体層と、前記有機n型半導体層の上に積層さ
れた第2の透明電極と、を備え、前記第1の透明電極と
前記第2の透明電極との少なくともいずれかが、複数の
電極セルに分割されてなることを特徴とする。
【0020】一方、本発明の光検出システムは、前述し
たいずれかの光検出器と、光の入力に応じて前記第1の
透明電極と前記第2の透明電極との間に発生する電気信
号を前記複数の電極セルのそれぞれについて検知する検
知部と、を備え、対象物の上に前記検出器を配置し、前
記光検出器を透過して前記対象物により反射された光に
より前記複数の電極セルのそれぞれについて発生する前
記電気信号を前記検知部により検知することにより前記
対象物の画像情報を入力することを特徴とする。
【0021】または、本発明の光検出システムは、前述
したいずれかの光検出器と、入射光に応じて前記第1の
透明電極と前記第2の透明電極との間に発生する電気信
号を前記複数の電極セルのそれぞれについて検知する検
知部と、前記検知部により検知される前記電気信号に基
づいて、前記入射光と前記光検出器との相対的な位置関
係を所定の関係に修正する駆動手段と、を備えたことを
特徴とする。
【0022】または、本発明の積層型の光検出器は、所
定の波長を含む第1の波長帯の光に対して光電変換を行
う第1の透過型光検出器と、前記第1の透過型光検出器
と積層され前記第1の透過型光検出器を透過した光を検
出する第2の光検出器と、を備えたことを特徴とする。
【0023】ここで、前記第1の透過型光検出器は、第
1の透明電極と、前記第1の透明電極の上に積層された
透明半導体と、前記透明半導体の上に積層された増感色
素膜と、前記増感色素膜と前記第2の透明電極との間に
挟持されたキャリア輸送体と、を有することを特徴とす
る。
【0024】または、前記第1の透過型光検出器は、第
1の透明電極と、前記第1の透明電極の上に積層された
透明半導体と、前記透明半導体の上に積層された増感色
素膜と、前記増感色素膜と前記第2の透明電極との間に
挟持された誘電体層と、を有することを特徴とする。
【0025】または、前記第1の透過型光検出器は、第
1の透明電極と、前記第1の透明電極の上に積層された
有機p型半導体層と、前記有機p型半導体層の上に積層
された有機n型半導体層と、前記有機n型半導体層の上
に積層された第2の透明電極と、を有することを特徴と
する。
【0026】また、積層型の光検出器においては、前記
第2の光検出器は、透明電極を有し、前記第1の光検出
器の前記第1または第2の透明電極と、前記第2の光検
出器の前記透明電極との少なくともいずれかは、複数の
電極セルに分割されていることを特徴とする。
【0027】また、積層型の光検出器においては、前記
第2の光検出器は、透明基板の一方の主面上に積層され
た第3の透明電極を有し、前記透明基板の他方の主面上
には、前記第1の透過型光検出器の前記第2の透明電極
が積層されていることを特徴とする。
【0028】また、前記第2の透明電極と前記第3の透
明電極とは、前記透明基板の両面の電極パターンが一致
するように同一の複数の電極セルに分割されていること
を特徴とする。
【0029】また、前記複数の電極セルは、光の入射光
軸に対して点対称に略等面積となるように分割されて設
けられたことを特徴とする。
【0030】また、前記第2の光検出器は、前記第3の
透明電極と対向して設けられた第4の透明電極を有し、
前記第1の透明電極と前記第4の透明電極のそれぞれ
は、動作時に一定電位となるように構成されたことを特
徴とする。
【0031】また、前記透明基板の両面に設けられた前
記第2の透明電極と前記第3の透明電極のそれぞれを介
して得られる電気信号を、前記分割された電極セル毎に
処理する信号処理回路が一体的に設けられたことを特徴
とする。
【0032】また、前記第1の透過型光検出器で光電変
換される前記第1の波長帯より、前記第2の光検出器で
光電変換される第2の波長帯の方が長波長成分を含むよ
うに構成されたことを特徴とする。
【0033】また、前記第2の光検出器と積層され前記
第1の透過型光検出器と前記第2の光検出器を透過した
光を検出する第3の光検出器をさらに備え、前記第2の
光検出器は前記第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の
光に対して光電変換を行い、前記第3の光検出器は、前
記第1及び第2の波長帯のいずれとも異なる第3の波長
帯の光に対して光電変換を行うことを特徴とする。
【0034】本発明は、上記した構成により、光を透過
しながら、所定波長成分を選択して検出する光検出器を
実現するものである。この光検出器によって、検出光学
系は非常に簡便に構成できることになる。
【0035】また、この光検出器は廉価で簡便な製造プ
ロセスで製造できるため、低コストで高性能な光学検出
系を構成できる。さらにこの光検出器は波長選択性を持
たせられるため、複数の波長のレーザ光が同一光軸上に
配置される光学系においても、所定の波長成分のみを検
出することができる。
【0036】同時に、このような透過型光検出器では、
両面から光を入射することも可能であって、多様な位置
ずれ検出に適用可能な検出光学系を構成することが可能
となる。
【0037】一方、波長を選択して検出する光検出ユニ
ットを積層することで、検出感度を上げることができ
る。また、積層した光検出ユニットの選択波長を異なる
波長とすることで、複数波長を同時に検出可能な光検出
器を構成することが可能となる。この光検出器の構造に
おいて、分割された電極を有していることがひとつの特
長であるが、この電極は、同一の透明基板の両面に形成
されるため、分割電極同士の位置合わせが容易となって
いる。積層される光検出器をこのような構成とすること
で、製造プロセスを簡便化し、廉価な光検出器を実現す
ることが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、実施例を参照しつつ本発明
の実施の形態について詳細に説明する。 (第1の実施例:4分割電極付透過型光検出器)図1
(a)は、本発明の実施の形態にかかる光検出器の基本
構成を例示する概略断面図である。すなわち、光検出器
1001は、透明基板1002に形成された第1の電極
部1004と、透明基板1003に形成され、2つに分
割された第1及び第2の電極セル1006、1007か
らなる第2の電極部と、これら両方の電極部に挟まれた
光電変換部1005からなる構成を有する。
【0039】透明基板1002に入射した光は、透明基
板1002と透明電極部1004を透過して、光電変換
部1005において電子と正孔の移動を促す。その結
果、分割された第2の電極部の第1の電極セル1006
近傍での電子と正孔の移動による起電力は、電気部10
04と第1の電極セル1006との間で発生し、もう一
方の分割電極セル1007の近傍での起電力は電極部1
004と第2の電極セル1007との間で発生すること
になる。
【0040】このように、第2の電極部を2つあるいは
それ以上の電極セルに分割することで、分割線1008
によって分割された領域に入射した光の強度に依存した
起電力をそれぞれ別に取り出すことが可能となる。
【0041】従来の分割型光検出器では、本発明の光検
出器の光電変換部1005や第1の電極部1004にあ
たる部分も分割されて構成されていたため、分割された
領域の中間領域に入射した光を検出することが困難であ
った。図1(a)に例示したように2分割の光検出器で
は、その中間領域の面積は微小であるが、多数の領域に
分割された光検出器では、中間領域で発生するはずの起
電力の成分は大きく、結果的に光電変換の効率が低下す
る要因となっていた。
【0042】これに対して、本発明によれば、分割領域
の中間領域に対しても光電変換を行うことができ、効率
の良い光検出器の構成とされている。また、分割すべき
部分も第2の透明電極部のみで良く、パターニングなど
による成型が容易な光検出器を提供することができる。
【0043】以上のように構成された本実施例の積層透
過型光検出器の動作について、以下に説明する。図1
(b)は、本発明の光検出器の動作モデルを表す概念図
である。透過型光検出器100に入射した光は、透明基
板14を介して色素増感透明半導体電極部60に到達す
る。ここで、増感色素17の吸収波長領域の光は吸収さ
れ、増感色素17を励起する。この励起によって増感色
素のHOMOレベルに正孔が生成し、LUMOレベルに
は電子が生じて、この電子は酸化チタン(TiO)な
どからなる透明半導体16の伝導帯へ移動する。
【0044】なお、上述した光検出器が動作するために
必要なエネルギーレベルとしては、各増感色素のLUM
Oレベルは、透明半導体の伝導帯レベルより0.5eV
以下の差で高いことが望ましい。
【0045】キャリア輸送体である酸化還元電解質で構
成されたバッファ層65では、増感色素64のHOMO
レベルに生じた正孔はバッファ層65に移動し、正孔は
バッファ層中を対向電極部12まで移動して対向電極に
移る。一方、透明半導体に移った電子は、透明電極15
に移動する。この透明電極の電子は電線67に、対向電
極12の正孔は電線68に移動し、電線67と電線68
の間に流れる電流を検知することにより、本発明の透過
型光検出器が動作することになる。
【0046】図2は、本発明の第1実施例における透過
型光検出器の概観図であり、同図(a)はその斜視外観
図、同図(b)はその断面構成図である。
【0047】この光検出器100は、所定の波長帯の光
を選択吸収して光電変換を行う透過型光検出器である。
この透過型光検出器は、色素増感透明半導体電極部11
および対向電極部12と、両電極部に挟まれたバッファ
層13とから構成されている。さらに色素増感透明半導
体電極部11は、透明基板14上に形成された透明電極
15および透明半導体16と、この半導体層に吸着され
た増感色素膜17によって構成されている。
【0048】対向電極部12は、透明基板50に形成さ
れた透明電極部によって構成される。この透明電極は、
図示するように2つのセル18、19、20、21に分
割され電気的に相互に絶縁されて設けられ、各電極セル
において発生した電流信号を個別に取り出すことができ
るように電線22、23、24、25が配線されてい
る。
【0049】なお、図2においては、対抗電極部が同等
な面積の形状で4つのセルに分割された例を表したが、
これ以外にも、例えばライン状に複数のセルに分割され
る構成となっていても構わないし、マトリックス状に多
数のセルに分割されていても構わない。また、各透明電
極および電極部は、入射光軸の中心に対して点対称に分
割されるように構成される。
【0050】また、入射光量のパワーモニタなどの用途
に用いられる場合、電極部は分割されていなくても構わ
ない。
【0051】図2に表した電極セル18、19、20、
21についても、その動作原理は同様である。この動作
原理に基づき、各セルに照射した光量に比例して、各セ
ルに対応する電線に電流が流れることになる。また、信
号品質のよい信号を得るためには、透明電極15の電位
レベルを接地(グランド)とした方がよい。この場合、
複数の対向電極セルに+の電位が生じて、電流電圧変換
によって各セルに対応した電圧が検出されることにな
る。すなわち、透明電極の電線26は接地されている。
【0052】次に、上記のように構成した透過型光検出
器100の応用例について説明する。図3は、本発明の
透過型光検出器の応用例を表す概念図である。同図のよ
うに光路1中に本実施例の透過型光検出器100を配置
することで、簡便な検出光学系を構成することが可能と
なる。同図の構成の検出光学系により、分割された電極
セル18、19、20、21の出力をそれぞれ比較し、
参照光に対する光検出器のずれ量、ないしは光検出器に
対する光軸のずれ量を算出することが可能である。ま
た、本透過型光検出器を透過した光を別の用途に利用す
ることも可能である。
【0053】図4は、光検出器100の透過光も位置ず
れ検出に利用した例を表す概念図である。同図のよう
に、本発明の透過型光検出器100を複数用いること
で、参照光71を基準として複数の移動構造体102、
104どうしの位置ずれを検出する検出光学系を構成す
ることも可能である。
【0054】なお、このとき、構造体102及び104
の距離は1m以上離れていても構わない。また、図4の
光軸上に複数の波長帯の光が入射されている場合、それ
ぞれの透過型光検出器101、透過型光検出器102
は、異なる組成の増感色素を用いて製造されたものであ
っても構わない。この場合、第一の波長帯の光に対する
位置ずれを第一の光検出器が検知、また第二の波長帯の
光に対する第二の構造物の位置ずれを第二の光検出器に
よって検知する構成となる。
【0055】図3及び図4に例示した実施例の場合、4
分割された電極セル18、19、20、21の出力信号
を、各対応するセルへの入射光量として検出して、比較
演算、具体的には和・差演算を行うことによって、入射
光軸の光検出器中心からのずれを2次元的に検知するこ
とが可能となる。このように各電極セルで得られた信号
を用いて信号処理を行う場合、微弱な電流をS/Nよく
検出して処理するために、信号処理回路は光検出器のご
く近傍に設けられるのが好適である。
【0056】図5は、4分割された電極セルを持つ透過
型光検出器の一例を表す概念図である。同図において、
透過型光検出器105で検出された各電極セル81、8
2、83、84の信号は、電線85、86、87、88
を通じて信号処理回路89に入力される。この信号処理
回路89では、各信号の和算・減算を行う。たとえば、
電線85と電線86から入力された信号を足し算し、電
線87と電線88から入力された信号を足し算した結果
から引き算することによって、入射光軸のX方向のずれ
量を検出することができる。同様に、Y方向のずれ量も
和差演算によって検出できて、X・Y2軸方向の光軸ず
れを検知できる。またこのずれ量は、参照光に対する光
検出器のずれ量と同意である。
【0057】ここで、図1(b)に表した透過型光検出
器に関しては、バッファ層65として酸化還元電解質か
らなるキャリア輸送体を用いた例を説明した。この場
合、光が入射している時には電極間に電流が流れ、光が
入射していない時には電流が流れない。
【0058】これに対して、バッファ層65を誘電体を
用いて構成することも可能である。この場合、光検出器
の動作原理は多少異なり、検出される信号も入射光に対
して異なる特性を持つ。
【0059】図6は、この電流信号の違いを表すグラフ
図である。バッファ層がキャリア輸送体により構成され
る場合には、同図(a)に表したような光の入射信号に
対して、同図(b)に表したような電流信号が流れる。
【0060】これに対して、バッファ層が誘電体である
場合には、前述した電荷の移動によって透過型光センサ
ユニット内に電場が生じて、電線に変位電流が流れる。
この変位電流の作用によって、透明電極には正電荷、対
向電極には負電荷が生じる。このとき電線間に流れる変
位電流を検知することにより、本発明の透過型光検出器
が動作することになる。
【0061】すなわち、変位電流は、光の入射量の時間
微分値として流れるため、図6(a)に表したような入
射光に対しては、図6(c)に表したように、入射光が
入った瞬間に電極間に正のパルスが生じ、光が照射して
いる間は電流は流れず、入射光が消えた瞬間に再度電極
間に負のパルス電流が流れることになる。
【0062】本光検出器の応答速度について説明すると
以下の如くである。すなわち、各透過型光検出ユニット
内の増感色素17の光吸収と透明半導体16への電子移
動は、フェムト秒で起こり、透明半導体16へ移った電
子はナノ秒で増感色素17へ戻る。バッファ層65にキ
ャリア輸送体を用いた場合は、増感色素17から透明半
導体16への電子移動後ピコ秒で増感色素17からキャ
リア輸送体65への正孔移動が起こり、増感色素17の
HOMOレベルが埋まるため、ナノ秒で起こる透明半導
体16から増感色素17への電子逆戻りはこの速度に比
べて遅いため起こりにくい。
【0063】透過型光検出ユニットの応答速度は、増感
色素17から移った正孔がキャリア輸送体65中を拡散
する速度によって決定される。たとえばキャリア輸送体
65として、イオン拡散を利用する電解質を用いた場合
には、通常イオン拡散速度は遅いため、ユニットのメガ
Hzオーダの信号応答は困難である。
【0064】バッファ層65にキャリア輸送体ではな
く、誘電体を用いる場合、光吸収によって生じた増感色
素17のHOMOレベルの正孔が移動しないため、透明
半導体16からの電子移動がナノ秒で起こる。したがっ
て、ユニットの応答速度はキャリア輸送体を用いた場合
よりも速く、数10メガHzオーダの信号応答を行うこ
とが可能となる。
【0065】次に、本発明の透過型光検出器における各
部材について説明する。本発明で用いられる、透明電極
11は、透明基板14表面に透明導電層15の設けられ
た構成のことを指している。
【0066】透明基板14は、透明な板状の材料であれ
ば何でもよく、たとえばガラスやポリマーフィルムなど
が挙げられる。
【0067】透明電極15は、透明でかつ電極表面が導
電性を持つ材料ならば何でもよく、たとえば、フッ素や
インジウム、アルミニウムなどをドープした酸化スズ、
酸化亜鉛などが好ましい。また、光透過をあまりさえぎ
らない程度の微量ならば白金、金、銀、銅、アルミなど
の不透明な電極層が含まれていても構わない。透明電極
は透明基板上で複数のパターンに分割される構成となっ
ていても構わない。この場合、各パターンからセル外部
にそれぞれ信号が取り出せるように、配線が取り付けら
れている。
【0068】補助電極としては、白金、金、銀、銅、ア
ルミニウム等の不透明な金属やグラファイトなど導電性
の高い材料が好ましい。
【0069】透明半導体16として用いられる材料は、
可視光領域の光吸収が少ない半導体で、金属酸化物半導
体では、遷移金属の酸化物、たとえばチタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、ストロンチウム、亜鉛、インジウ
ム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タ
ンタル、クロム、モリブデン、タングステンの酸化物、
およびこれらの複合酸化物、または酸化混合物が好まし
い。具体的には、例えば、SrTiO、CaTi
、BaTiO、MgTiO、SrNb
ようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物ま
たは酸化物混合物、GaNなどが好ましい。
【0070】増感色素膜17の透明半導体16表面への
吸着は、1分子層から数分子層程度の厚み以上は起こら
ない。外観上の素子の色の濃さを調整するために、図1
(b)に表したように透明半導体16の表面に微細な凹
凸を設け、実効的な表面積を調節することができる。凹
凸構造を形成するために微粒子構造を用いることができ
る。例えば粒径10nmのTiO微粒子の焼結体を用
いて微細構造を作製する場合には、微粒子層の厚みを調
節することにより実効的な表面積を調節できる。凹凸構
造は全体の比表面積が100から1000の間の値であ
ることが望ましい。
【0071】また、ここでいう透明電極や透明半導体と
は、可視光波長領域の光を透過する性質を持っており、
300nm〜800nmの光を少なくとも30%、好ま
しくは50%、より好ましくは70%以上透過する。
【0072】増感色素膜17は、入射光を吸収して励起
状態になり、その後に電子を透明半導体に渡し、後に固
体キャリア輸送材料から電子を受け取る。したがって増
感色素膜のLUMO準位は透明半導体の伝導帯準位と同
じかそれより上にある必要がある。増感色素膜17は、
透明半導体表面に強く吸着するためにカルボキシル基、
ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、
カルボキシアルキル基などの官能基を分子中に持つこと
が望ましい。
【0073】増感色素膜17としては、ルテニウム−ト
リス、ルテニウム−ビス、オスミウム−トリス、オスミ
ウム−ビス型の遷移金属錯体、多核錯体、またはルテニ
ウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、またはフタロ
シアニン色素、ポルフィリン色素、ペリレン色素、アン
トラキノン色素、アゾ色素、キノフタロン色素、ナフト
キノン色素、シアニン色素、メロシアニン色素、に上記
の官能基を持った構造であることが望ましい。また所望
の色を得るためには、これらの色素の混合物を用いても
良い。
【0074】バッファ層65を構成する誘電体材料とし
ては、結晶性もしくはアモルファス性の有機分子を用い
ることができる。結晶性を持つものとして、各種金属フ
タロシアニン、ペリレンテトラカルボン酸、ペリレンや
コロネン等多環芳香族、テトラチアフルバレン、テトラ
シアノキノジメタン等電荷移動錯体、アモルファス材料
としては例えばAlq3、ジアミン、各種オキサジアゾ
ール、ポリピロール、ポリアニリン、ポリN−ビニルカ
ルバゾール、ポリフェニレンビニレンなどの導電性高分
子があげられる。
【0075】上記のような部材構成で、本実施例の光検
出器を構成した場合、透明基板の厚みは0.1mm程度
にまで薄く構成することが可能で、その他の要素はほと
んど無視できる厚みのため、全体として0.5mm程度
の厚みで構成することが可能である。
【0076】次に、本発明の透過型光検出器の作成法の
要点について説明する。図7は、本発明の透過型光検出
器の作成方法の要部を表す概念図である。まず、透明半
導体16としてのTiO膜の製造法は、以下の通りで
ある。エタノール中にTiCl4を約2mol/l溶解
し、メタノールを加えることで、約50mg/mlチタ
ンを含有するチタンアルコキシドを得る。これを加水分
解した後、補助電極として白金を蒸着した第1の透明電
極上に塗布し(図7(a))、約400℃で約30分間
焼成して透明半導体としてTiO膜を得る(図7
(b))。この時、TiO膜は、表面が平面だった場
合に対する凹凸を設けた場合の比表面積が約600、膜
厚は約5μmが好ましい。
【0077】上記のように形成した透明半導体16に増
感色素膜17を吸着させる(図7(c))。この過程で
は、得られたTiO膜を増感色素のエタノール溶液中
に浸漬する。約3時間浸漬した後、TiO膜を取り出
し、エタノールで洗浄した。本実施例の場合、色素増感
透明半導体電極部が上記の方法で製造されることにな
る。
【0078】対向電極部12は、透明基板に透明電極を
パターニングして成形される(図7(d)、(e))。
【0079】以上のように作成された各パーツは、バッ
ファ層の枠となるスペーサを介して接着積層され(図7
(f))、スペーサの空隙からキャリア輸送体ないしは
誘電体を注入されて組み立てが完了する(図7
(g))。
【0080】なお、図2に表した具体例の場合は、対向
電極部12が分割され、増感色素膜の吸着された透明半
導体が形成された透明電極部11は分割されない構成で
あったが、この透明電極部11が分割されていて、もう
一方の対向電極部12は分割されない構成であっても構
わない。
【0081】図8は、このように対向電極が分割されな
い構成を例示する断面図である。また、図5に表した具
体例の場合は、略等面積に電極セルが分割されている
が、均等でない面積に分割されて構成されても構わな
い。
【0082】図9は、電極セルが均等でない面積に分割
されている構成を例示する概念図である。すなわち、同
図の構成においては、電極セルC1〜C6は、均等でな
い面積に分割されている。
【0083】(第2の実施例:分割電極付き積層光検出
器:動きベクトル検知器:1次元スキャナ)次に、本発
明の第2の実施例について説明する。図10は、本発明
の第2実施例における透過型光検出器200の概観図で
あり、同図(a)はその平面図、同図(b)はその要部
断面図である。同図の光検出器は、第1実施例として説
明した透過型光検出器の対向電極面12を等面積の複数
セルC1、C2、・・・に分割した構成を有する。
【0084】図11は、本実施例の透過型光検出器をビ
デオカメラなどで用いられる検出光学系に配置した一例
である。本実施例のように用いられる場合、この電極セ
ルのマトリックスは600×480のように大規模なも
のとなる。
【0085】ビデオカメラ用のイメージセンサでは、入
射された光をRGBの三種の波長帯に分離して、それぞ
れ検出するために、CCDを3つ備えた図11のような
光学系を設けている。図では、光路中205に置かれた
プリズム206によって赤色成分が分離されてCCD2
09で検出され、プリズム207で分離された緑色成分
がCCD210で検出され、プリズム208で分離され
た青色成分がCCD211で検出される。この検出光学
系の採用により、三色分離して検出された光強度信号が
情報信号として取り出せる。
【0086】さて、本実施例の透過型光検出器201、
202、203を図11のように配置することで、各C
CDセンサに入力される映像信号のうち一部を用いて、
映像の「動きベクトル」の検出が可能になる。この動き
ベクトルは、ビデオカメラが撮像者の振動の影響を受け
るために発生する映像信号の「ブレ」、いわゆる「手ぶ
れ」を補償するためのもので、映像信号が所定の周波数
でCCDセンサ上で移動する信号を、移動方向と移動距
離として把握するためのものである。この動きベクトル
を検出し、手ぶれ成分であると判断された場合は、この
動きベクトルにしたがって映像信号を補正して、手ぶれ
の影響を除去した映像信号として信号記録が行われる。
【0087】実際には、図11のように検出光学系を構
成し、図10に示した実施例の各電極セルCnにて検出
された映像信号の微分、すなわち時間変化量を求めるこ
とによって、動きベクトルの検出が可能となる。なお、
本実施例の透過型光検出器200において、バッファ層
65をキャリア輸送体を用いて構成した場合には、別途
微分回路が必要であるが、誘電体で構成した場合は、図
6に示したように入力された光信号の微分信号を信号出
力として取り出すことができる。つまり、バッファ層6
5に誘電体を用いる場合は、微分回路を要する用途に利
用することによって、信号の微分値を即座に得ることが
可能となる。
【0088】また、図11の構成では3箇所に透過型光
検出器を配置したが、図12のように1箇所に透過型光
検出器204を配置する構成としても構わない。このと
き、透過型光検出器204の増感色素を映像信号のRG
B成分と干渉しない波長成分を吸収するように設定して
おけば、本来の映像信号の信号品質を劣化させることな
く、動きベクトル検出を行うことが可能となる。
【0089】なお、図10に例示したように、大規模な
マトリックス構造の電極セルが採用される場合、各セル
での信号検出には、順次信号読み出し方式が取られるこ
とが多い。具体的な手法を簡単に解説すると、あらかじ
め各電極セルに対応してコンデンサが設けられており、
特定の電圧で充電されている。この電圧は、セル毎に定
期的に順次充電され、なんらかの形で放電があった場
合、充電に要した電圧が信号として取り出せるものであ
る。光検出器の電極セルにパルス電流が流れた際に、対
応するコンデンサが電流値に応じて放電するように回路
構成されていれば、定期的に追加充電されたときに、パ
ルス電流の値を充電量として検出することが可能とな
る。
【0090】(第3の実施例:画面直置き型入力装置)
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図13
は、本発明の第3の実施例を説明するための概念図であ
る。すなわち、本実施例は、第2実施例の透過型光検出
器200を原稿画面301上に配置して、原稿画面の映
像情報を取り込む構成としたものである。本実施例にお
いては、外部光が原稿面301に反射して戻ってきた光
を透過型光検出器200で検出することにより、原稿面
の画像情報を受け取ることが可能となる。
【0091】ここで、原稿面301は電子的に投影され
たディスプレイ上の映像信号であっても構わないし、紙
面に描かれた画像情報であっても構わない。
【0092】また、本発明の透過型光検出器200によ
り検出可能な波長の光、たとえば所定波長のレーザ光の
出力が可能なペン状の入力端末302によって、光検出
器上に任意に描画し情報を入力することが可能である。
この時、元々原稿面301上に存在していた画像情報は
透過型光検出器200の裏面から検知されており、入力
端末302によって入力された情報は、前記画像情報と
電子的に位置合わせされて入力されることが可能であ
る。
【0093】(第4の実施例:センサ付きアクチュエー
タ)次に、本発明の第4の実施例について説明する。図
14及び図15は、本発明の第4実施例の透過型光検出
器の構成を表す概念図である。この透過型光検出器40
0は、図2に表した透過型検出器100の透明電極部1
1の透明基板14を厚めに形成し、ミラー面441を設
けた構成を有する。このような構成の透過型光検出器4
00では、入射光442がミラー面441で反射して反
射光443となり、対向電極部12の4分割された電極
セルに2度照射することになる。同図に例示したよう
に、入射光442がミラー面441に対して斜め入射す
る場合、各電極セルで検知される信号を演算回路446
によって比較演算することで、傾き角の検知を行うこと
が可能である。
【0094】また、この検出された信号電流をそのまま
用いて、あるいはアンプ回路を通過させて、図15に表
したように、透過型光検出器を駆動する駆動手段448
に入力することで、検知された傾き角の補正を行うよう
に透過型光検出器400、すなわちミラー面441を回
転調節することができる。
【0095】つまり、透過型光検出器400により検出
した信号に基づいて角度補正する機能を有するシステム
が実現される。駆動手段448としては、電磁駆動、圧
電駆動、静電駆動などどのような駆動方式のものであっ
ても構わない。ただし、検出された電流値をそのまま用
いる場合には、光検出器で検出される電流値は非常に微
小であるので、静電駆動方式などが適していると考えら
れる。
【0096】なお本実施例では、回転駆動によって補正
を行うものとしたが、平行移動、その他の動作によって
演算回路の出力が所定値になるようにサーボがかけられ
るように構成されても構わない。
【0097】また、本実施例では、駆動する対象は透過
型光検出器自身としたが、たとえば透過型光検出器に入
射される光の光源のパワーなど、図示されない別のもの
であっても構わない。
【0098】(第5の実施例:位置合わせ/両面からの
入射光)次に、本発明の第5の実施例について説明す
る。図16は、本実施例の透過型光検出器を表し、同図
(a)はその平面図、同図(b)はその要部断面図であ
る。
【0099】本実施例は、微少な穴502のあいた部材
501に入射光503を照射し、入射光軸中心を精密に
穴502の中心とあわせる場合などに好適な構成であ
る。その位置合わせの手順は、まず穴のあいた部材50
1の裏面から参照光504を与え、穴を通過した光を4
分割された電極セルC1〜C4で検出しながら部材50
1に対して透過型光検出器500を位置合わせし、接着
などで固定する。
【0100】しかる後に、入射光503を透過型光検出
器500に対して照射し、4分割された電極セルC1〜
C4で検出しながら、光軸の位置合わせを行う。このよ
うに、本発明の透過型光検出器が両面への照射光に対し
て検出可能であるため、図示したような構成の調整手順
が可能となる。
【0101】以上、本発明の第1乃至第5実施例とし
て、電極を複数に分割した透過型光検出器に関して説明
した。
【0102】次に、本発明の第6乃至第12実施例とし
て、複数のセルを積層した透過型光検出器について説明
する。
【0103】(第6の実施例:分割電極付2層光検出
器)まず、本発明の第6の実施例について説明する。図
17は、本発明の第7実施例における積層透過型光検出
器の概観図であり、同図(a)はその斜視外観図、同図
(b)はその断面構成図である。
【0104】この光検出器600は、第1の波長帯の光
を選択吸収して光電変換を行う第1の透過型光検出ユニ
ット10と、第2の波長帯の光を選択吸収して光電変換
を行う第2の透過型光検出ユニット30が絶縁体である
透明基板50を介して積層された構造となっている。
【0105】第1の透過型光検出ユニット10は、第1
の色素増感透明半導体電極部11および第1の対向電極
部12と、両電極部に挟まれた第1のバッファ層13と
から構成されている。さらに第1の色素増感透明半導体
電極部11は、透明基板23上に形成された透明電極1
5および透明半導体16と、この半導体層に吸着された
増感色素膜17によって構成されている。
【0106】同様に、第2の透過型光検出ユニット30
は、第2の色素増感透明半導体電極部31および第2の
対向電極部32と、両電極部に挟まれた第2のバッファ
層33とから構成され、第2の対向電極部32は透明基
板50を介して第1の透明電極部12の裏面に形成され
ている。第2の色素増感透明半導体電極部も第1の色素
増感透明半導体電極部と同様に、透明基板に形成された
透明電極35および透明半導体36と、この半導体層に
吸着された増感色素膜37によって構成されている。
【0107】第1の対向電極部12は、透明基板50に
形成された透明電極部によって構成される。この透明電
極は、図示するように2つのセル18、19に分割され
電気的に相互に絶縁されて設けられ、各電極セルにおい
て発生した電流信号を個別に取り出すことができるよう
に電線20、21が配線されている。
【0108】一方、透明基板50の裏面に設けられた第
2の対向電極部は、第1の透明電極の分割セル形状と等
しい形状のセル38,39に分割され、透明基板50を
介してセル18とセル38およびセル19とセル39が
相互に位置合せされて設けられている。第2の透明電極
においても、各電極セルで発生した電流信号を個別に取
り出すことができるように、電線40、41が配線され
ている。
【0109】また、第1の透明電極の電線22と第2の
透明電極の電線42はお互いに接続されて接地されてい
る。
【0110】なお、図17に表した具体例においては、
対向電極部はそれぞれ2つのセルに分割されているが、
これ以外にも、例えばライン上に複数のセルに分割され
る構成となっていても構わないし、マトリックス状に複
数のセルに分割されていても構わない。また、各透明電
極および電極部は、入射光軸の中心に対して線対称また
は点対称に分割されるように構成される。
【0111】また、第1、第2の対向電極部は、少なく
ともどちらか一方が分割されていればよく、図18に例
示したように、第1の対向電極部のみ電極セル18、お
よび電極セル19に分割された構成となり、第2の対向
電極部の透明電極45は分割されない構成となっていて
も構わない。
【0112】以上のように構成された本実施例の積層透
過型光検出器を構成するそれぞれの透過型光検出ユニッ
ト10及び30の基本的な動作については、図1(b)
に関して前述した通りであるので詳細な説明は省略す
る。
【0113】図17に例示した積層透過型光検出器の場
合、第1の透過型光検出ユニット10で吸収されなかっ
た光は、透明基板50を透過し、第2の透過型光検出ユ
ニット30に入射する。ここでも同様に、対向電極部3
2に設けられた透明電極の分割セルのパターンによっ
て、各セルに照射する光量に応じた電流が検出できる。
【0114】上記のように構成した積層透過型光検出器
600では、第1の増感色素と第2の増感色素を同一の
組成の構成としても構わないし、異なる増感色素を用い
ても構わない。
【0115】同一の組成の増感色素を用いた場合、図1
9に例示したような構成の検出光学系により、分割され
た電極セルの出力をそれぞれ考慮して、入射光1の軸ず
れを検出する検出光学系を構成することができる。この
場合、増感色素で検出する波長の光を第1の透過型光検
出ユニット10および第2の光検出ユニット30で検出
することになるので、検出感度を上げることが可能とな
る。
【0116】一方、第1の増感色素と第2の増感色素を
異なる組成とした場合、第1の透過型光検出器で検出す
る第1の波長帯と、第2の透過型光検出器で検出する第
2の波長帯を異なる波長帯とすることができる。以下、
異なる波長帯を検出する透過型光検出器としての実施例
について説明する。
【0117】図20は、異なる2種類の波長を検出する
構成を表す概念図である。同図に表した構成において
は、本発明の積層透過型光検出器600は、たとえば帯
域幅の広い波長帯を持つ光の光路中、ないしは複数波長
の光が混在する光路中に設けられ、第1の透過型光検出
ユニットによって第1の波長帯の光を用いて光電変換を
行い、各セルに対応した電流を検知すると同時に、第2
の波長帯の光を用いて光電変換して、同様に各セルに対
応した電流を検知することができる。
【0118】例えば、二つの波長のレーザ1A、1Bが
本発明の積層透過型光検出器600に入射される場合、
第一の透過型光検出ユニット10の2分割された電極セ
ルの各出力電流値の差をとって第1の波長帯に属する一
方のレーザ光1Aの光軸位置を把握した上で、第2の透
過型光検出ユニット30の同じく2分割された電極セル
の各出力電流値の差をとって第2の波長帯に属するもう
一方のレーザ光1Bの光軸位置を算出し、両者の光軸の
1次元的なずれ量を検出することが可能となる。
【0119】このとき、積層透過型光検出器600は、
光路1A、1B中に設けることが可能であり、検出器6
00を透過した光を別の用途に利用することが可能であ
り、非常に簡便で廉価に位置ずれ量の検出を行うことが
可能である。また、この検出器の電極セルを4分割構成
とすれば、2次元的なずれ量を検出することも可能であ
る。
【0120】図21は、検出器の電極セルを4分割とし
た構成を例示する平面図及び断面図である。このように
各電極セルで得られた信号を用いて信号処理を行う場
合、微弱な電流をS/Nよく検出して処理するために、
信号処理回路は光検出器のごく近傍に設けられるのが望
ましい。
【0121】図22は、4分割された電極セルを持つ2
層積層透過型光検出器の実施例を表す概念図である。す
なわち、第1の透過型光検出器10で検出された、各電
極セル81、82、83、84の信号は、電線85、8
6、87、88を通じて信号処理回路89に入力され
る。また第2の透過型光検出器30の各信号も図示しな
い信号経路を介して同様に信号処理回路89入力され、
それぞれ和・差などの演算処理が施されることになる。
【0122】また、本実施例で説明した積層透過型光検
出器では、バッファ層65としてキャリア輸送体を用い
た。この場合、光が入射している場合には電極間に電流
が流れ、光が入射していない場合には電流が流れない。
第1実施例に関して前述したように、本実施例において
も、このバッファ層65を誘電体を用いて構成すること
も可能である。誘電体を用いた場合には、図6に関して
前述したように、ユニットの応答速度がキャリア輸送体
を用いた場合よりも速く、数10メガHzオーダの信号
応答を行うことが可能となる。
【0123】本実施例における積層透過型光検出器の各
部材、すなわち、透明基板23、43、50、透明電極
15、18、19、35、38、39、補助電極、透明
半導体16、36、増感色素膜17、37、誘電体材
料、などの材料や製造方法は、第1実施例に関して前述
したものと同様とすることができる。従って、その詳細
な説明は省略する。
【0124】図23は、本実施例の積層透過型光検出器
600の作成法の要部を表す工程図である。まず、2枚
の透明基板23、43を用意し、それぞれの表面に透明
半導体としてのTiO膜を塗布し(図23(a)、
(b))、焼結(図23(c)、(d))し、増感色素
の吸着(図23(e)、(f))を行う。これらの工程
の詳細は、図7(a)〜(c)に関して前述した通りで
ある。
【0125】これらの工程と並行して、中間の透明基板
50を用意(図23(g)し、その両面に透明電極をパ
ターニングする(図23(h))。
【0126】このようにして作成された各パーツは、バ
ッファ層の枠となるスペーサを介して図23(i)に表
したように接着積層され、スペーサの空隙からキャリア
輸送体ないしは誘電体を注入されて組み立てが完了する
(図23(j))。
【0127】本実施例によれば、中間の透明基板50の
両面に分割した透明電極パターンを形成する。従って、
検出ユニット10と30を別々に形成して、両者の分割
パターンを事後的に軸合わせするという煩雑な工程が不
要となる。
【0128】(第7の実施例:分割電極付き3層積層光
検出器:1次元イメージセンサ:スキャナ)次に、本発
明の第7の実施例について説明する。図24は、本発明
の第7実施例における積層透過型光検出器700の概観
図であり、同図(a)はその平面構成図、同図(b)は
その要部断面図である。本実施例の光検出器は、第6実
施例の2層積層透過型光検出器600に、さらにもう一
層の第3の透過型光検出ユニットを積層した構成を有す
る。
【0129】すなわち、光の入射面に最も近い位置に
は、第1の波長帯の光に反応して光電変換を行う第1の
透過型光検出ユニット110が設けられ、続いて透明基
板150を介して、第2の波長帯の光に対して光電変換
を行う第2の透過型光検出ユニット130が設けられて
いる。これら、第1、第2の透過型光検出ユニットの構
成は第6実施例と同様であるので省略する。
【0130】本実施例の構成では、第2の透過型光検出
ユニット130の色素増感透明半導体電極部131が設
けられた透明基板143の裏面に、第3の色素増感透明
半導体電極部が形成されるように第3の透過型光検出ユ
ニット170が構成されている。すなわち、第2の色素
増感透明半導体電極部131の透明基板143の裏面に
形成された透明電極175および透明半導体176と、
この半導体層に吸着された増感色素膜177によって、
第3の色素増感透明半導体電極部が構成されている。そ
の対向する面には、第3の対向電極部172が構成さ
れ、両電極部に挟まれた第3のバッファ層173とから
第3の透過型光検出ユニット170が構成される。
【0131】本実施例の構成では、対向電極部の透明電
極はそれぞれ、例えば480個程度の数のセルに分割さ
れ、各透過型光検出ユニットの対応するセルが、相互の
位置合わせも実現されて積層されている。第1の透過型
光検出ユニット110の分割された電極セルと、第2の
透過型光検出ユニット130の分割された電極セルは、
第6実施例の場合と同様に同一基板150の上に形成さ
れるので、位置合わせは電極形成時に容易に行うことが
できる。
【0132】これに対して、第3の透過型光検出ユニッ
ト170の分割された電極セルは、組み立て時に位置合
わせされる。例えば、前もって透明基板150および透
明基板190に同一の位置合わせマークを形成してお
き、組み立て時にこのマークを基準にして調整するなど
の手法がとられる。
【0133】本実施例の3層積層透過型光検出器700
において、積層された3つの光検出ユニットによって検
出される光の波長帯は、長い波長の光は大きな運動量を
持っており光検出器の奥のほうまで到達するパワーを持
っているため、第1の波長帯がもっとも短い波長を含
み、第2、第3の順番で長い波長の光を含むように構成
されるのが好適である。すなわち、入射面に最も近い光
検出器で短い波長帯の光を検出するように構成すると良
い。このようにして実現された積層透過型光検出器70
0は、カラー画像のRGB分離を簡便に行って、イメー
ジを電子化する用途に応用することができる。
【0134】図25は、カラー画像の読み取りを行う実
施形態を表す概念図である。この3層積層透過型光検出
器では、第1の透過型光検出ユニット110における増
感色素は青色を吸収するように、第2の透過型光検出ユ
ニット130は緑色を吸収、第3の透過型光検出ユニッ
ト170では赤色を主に吸収するように設定される。ま
たこの設定は、短い波長成分が第1、長い波長成分が第
3となるように分離されていれば、イエロー(Y)、マ
ジェンタ(M)、シアン(C)などの3色分離であって
も構わない。
【0135】図25に表した読み取りシステムの動作に
ついて、以下に説明する。検出光学系は、ランプ20
3、レンズ204、積層透過型光検出器700によって
構成され、移動体202に搭載される。ランプから射出
された光は原稿面201に照射され、ライン状の戻り光
のみがレンズによって積層透過型光検出器に集光され
る。また、この移動体が原稿面に平行に移動すること
で、原稿面の情報が順次光検出器によって収集されるこ
とになる。このとき積層透過型光検出器には、原稿面で
反射した光が原稿面にある色情報を含んで入射されるこ
とになる。
【0136】この入射光は、まず積層透過型光検出器の
第1の透過型光検出ユニット110に入力され、第1の
増感色素によって吸収された光によって光電変換が行わ
れた箇所では、対応する分割電極に電位が発生して電流
が流れることになる。
【0137】バッファ層65として、電解質を用いてい
る場合は第1の波長帯の光が吸収されている間電流が流
れ続けることになり、この電流を電流電圧変換すれば、
電圧情報として取り出せる事になる。
【0138】一方、バッファ層65として誘電体を用い
ている場合には、第1の増感色素に対応する第1の波長
帯の光が入射した瞬間に正のパルス電流が流れ、入射し
なくなったときに、負のパルス電流が流れることにな
る。この場合は、シフトレジスタ回路またはフリップフ
ロップ回路等によって、正のパルス電流または負のパル
ス電流の発生を検知する手法などによって、入射光に含
まれる特定波長の光の強度情報を抽出することができ
る。イメージセンサ等で用いられている具体的な手法を
簡単に解説すると、あらかじめ各電極セルに対応してコ
ンデンサが設けられており、特定の電圧で充電されてい
る。この電圧は定期的に順次充電され、なんらかの形で
放電があった場合、充電に要した電圧が信号として取り
出せるものである。光検出器の電極セルにパルス電流が
流れた際に、対応するコンデンサが電流値に応じて放電
するように回路構成されていれば、定期的に充電された
ときに、パルス電流の値を放電量として検出することが
可能である。
【0139】以上のように、第1の透過型光検出ユニッ
トで検出された光の強度信号は、第1の増感色素に対応
する波長帯の光の強度信号として認識され、取り出され
る。
【0140】第1の透過型光検出ユニット110で吸収
されなかった光は、順次、第2の透過型光検出ユニット
130、第3の透過型光検出ユニット170を通過し、
それぞれ第2の増感色素、第3の増感色素の対応する波
長帯の光強度信号に変換されることになる。この際、変
換効率を上げるように、第3の透過型光検出ユニット1
70の下面に図示しないミラーを設けて、ミラーで反射
された光がもう一度検出される構成としても良い。
【0141】上記のように、ランプ203によって照射
されたラインが本実施例の3層積層透過型光検出器によ
って、色情報と強度情報に変換される。この移動体が原
稿に対して平行移動しながら、これに同期して各セルの
情報を読みだしすることで、原稿全体の情報を読み出す
ことが可能である。
【0142】(第8の実施例:2次元イメージセンサ)
次に、本発明の第8の実施例について説明する。図26
は、本発明の第8実施例における積層透過型光検出器の
概観図であり、同図(a)はその平面構成図、同図
(b)はその要部断面図である。本実施例の積層透過型
光検出器800は、第7実施例の3層積層透過型光検出
器700の、対向電極部の透明電極が入射光軸の中心に
対して2次元点対称に分割されたセル構造を有するもの
である。本実施例は、イメージセンサとして用いられる
場合、分割セルのマトリックスは600×480のよう
に大規模なものとなる。
【0143】ここで、本実施例の3層積層透過型光検出
器は、電極の分割形態以外は、第7実施例と同様である
ので詳細な説明は省略する。
【0144】図26に例示したように形成された3層積
層透過型光検出器800は、カラー画像のRGB分離を
簡便に行って、イメージを電子化する用途に応用するこ
とができる。
【0145】図27は、その概観図であり、図28は、
その光学系の一例を示す。すなわち、図28に表したよ
うに、集光レンズ291、292の集光位置に本実施例
の3層積層透過型光検出器800を配置する。つまり、
本実施例の3層積層透過型光検出器は、図36に例示し
た従来のビデオカメラの3CCD検出器の代用的役割を
簡便な構成で果たしている。被写体として撮像された映
像情報を有する光は、集光レンズ291、292で光検
出器800の位置に集光され、第1の透過型光検出ユニ
ット210で青色、第2の透過型光検出ユニット230
で緑色、第3の透過型光検出ユニット270で赤色の、
各波長帯に対応した光強度信号として検出される。この
光強度信号は、分割された電極セルによって、平面分布
が電圧値として取り出せて、それぞれ信号処理回路に入
力されることにより、各波長に対応した光強度分布信号
として処理される。
【0146】上記の構成では、ビデオカメラなどで一般
的な構成となっているが、同様の作用を行うものであれ
ば、その他の光応用デバイスに適用されても構わない。
【0147】また、各透過型光検出ユニットごとに製造
する方が安価な場合、図29に例示したように3層の積
層構造とすることも可能である。すなわち、図29の構
成においては、光検出器900は、3つの透過型光検出
ユニット110、130及び170を予め製造し、しか
る後に貼り合わせた構造を有する。
【0148】(第9の実施例:画面直置き型入力装置)
次に、本発明の第9の実施例について説明する。図30
は、本実施例の構成を表す概念図である。すなわち、本
実施例は、本発明の3層積層透過型光検出器800を原
稿画面301上に配置して、原稿画面の映像情報を取り
込む構成としたものである。但し、本実施例において用
いる検出器800は、その全体のサイズも画素のサイズ
あるいは数も、第8実施例において用いるものとは異な
る。つまり、本実施例の場合には、検出器800は、取
り込みの対象となる原稿などのサイズに応じたサイズで
構成されている。
【0149】この構成および動作は、第3実施例と概略
同様である。すなわち、図30のように構成すること
で、外部光が原稿面301に反射して戻ってきた光を用
いて原稿面の情報を受け取り、光検出器300で検出す
ることが可能となる。このとき原稿の情報がカラー情報
であれば、光検出器を3層積層透過型光検出器として、
RGB情報をそれぞれ別個に信号として取り出すことが
可能となる。
【0150】また、原稿面は電子的に投影されたディス
プレイ上の映像信号であっても構わないし、紙面に描か
れた画像情報であっても構わない。
【0151】また、本発明の積層透過型光検出器に、特
殊な波長の光、たとえばレーザ光などの出力が可能なペ
ン状の入力端末302によって、任意に描画し情報を入
力することが可能である。このとき、透過型光検出器は
単一層であっても構わないが、たとえば3層積層透過型
光検出器を用いれば、射出するレーザ光の波長によっ
て、ペン入力された色を個別に識別することが可能であ
る。
【0152】(第10の実施例:波長測定器)次に、本
発明の第10の実施例について説明する。図31は、本
実施例の構成を表す概念図である。すなわち、本実施例
においても、積層透過型光検出器304を用いている。
この積層透過型光検出器304は、透過型光検出ユニッ
トが複数積層された構造であればよく、図31において
は、3つのユニット310、330、370が積層され
た構造を例示した。ここで、各透過型光検出ユニットの
電極は分割されていなくても構わない。各透過型光検出
ユニットの基本的な構成と動作については、前述したも
のと同様であるのでその説明は省略する。
【0153】本実施例において入射光303は、この積
層透過型光検出器304によって三種類の波長成分に分
解される。このとき第1の透過型光検出ユニット31
0、第2の透過型光検出ユニット330、第3の透過型
光検出ユニット370の各ユニットで検出された信号出
力を比較することにより、各ユニットに対応する増感色
素で吸収された波長帯成分の比率を検知することが可能
となる。これによって、入射光303のスペクトルを解
析することが可能となる。
【0154】(第11の実施例:光ディスク装置用フォ
トディテクタ)次に、本発明の第11の実施例について
説明する。図32は、本実施例の構成を表す概念図であ
る。すなわち、本実施例は、光ディスク読み取り装置な
ど、複数波長の光を用いた光応用デバイスにおいて、用
いられる。図の構成では、透過型光検出器400が光を
透過しない一般的な光検出器401の上に構成され、結
果的に積層された光検出器410として構成されてい
る。
【0155】このように構成することで、従来の光検出
器401のみでは検出できなかった波長帯の光、特に短
波長の光を透過型光検出器400において検出すること
が可能となる。このとき電極の分割セルは光検出器のパ
ターンと同じく分割されていても良いし、異なるパター
ンで分割されていても構わない。本実施例では電極セル
402、403、404、405、406、407は、
同図のように光検出器401と同様なパターンに分割さ
れ、例えば、特に400nm近傍の波長帯で光電変換を
行うように調整されている。
【0156】この積層された光検出器410は、図33
に例示したような光ディスク装置の検出系において、複
数波長のレーザに対して簡便な検出光学系の構成で信号
検出を行うように構成される。すなわち、複数波長レー
ザ411から射出したレーザ光は、コリメートレンズ4
12、プリズム413、偏光板414を通過して対物レ
ンズ415によって光ディスク416の情報記録面上に
集光する。そのとき、一部のレーザ光はプリズム413
によって分光され、レンズ417でパワーモニタ418
上に集光されて、レーザのパワー制御が行われる。一
方、情報記録面で反射した光はプリズム413まで戻
り、レンズ419に入射されてホログラム素子420な
どによって光検出器410に入射することになる。この
光検出器410では、光ディスク上に集光されたスポッ
トの位置制御のための信号が検出されることになる。
【0157】(第12の実施例:色収差記録検出器)次
に、本発明の第12の実施例について説明する。図34
は、本実施例の構成を表す概念図である。すなわち、同
図に表したように、プリズム430の下面に第7実施例
の積層透過型光検出器700を配置する。このようにす
る構成することで、入射される光1の色収差を波長スペ
クトルに応じて検出でき、入射光の情報を抽出できる。
【0158】以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の
形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具
体例に限定されるものではない。
【0159】例えば、上述した具体例において表した光
検出器の構造、材質あるいは、その応用例における光学
系や周辺回路、駆動系などの構成や配置あるいは動作に
ついては、当業者が公知範囲から適宜選択したものを同
様に適用して同様の効果を得ることができる。
【0160】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、廉
価で簡便な構成によって、受光面の両面から光を透過す
ると同時に光検出を行う透過型光検出器を構成できて、
光の光路中に光検出器を配置してコンパクトな検出光学
系が実現できる。
【0161】また、本発明によれば、分割領域の中間領
域に対しても光電変換を行うことができ、効率の良い光
検出器の構成とされている。また、分割すべき部分も第
2の透明電極部のみで良く、パターニングなどによる成
型が容易な光検出器を提供することができる。
【0162】さらに、その透明電極パターンを適宜分割
することにより、位置検出や軸合わせなどを容易且つ確
実に実施することができる。
【0163】また、このような透過型光検出器を積層す
ることにより、画像入力、カラー撮像、波長分析などを
容易且つ確実に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は本発明の光検出器の基本構成を例
示する概略断面図であり、同図(b)は本発明の光検出
器の動作モデルを表す概念図である。
【図2】本発明の第1実施例における透過型光検出器の
概観図であり、同図(a)はその斜視外観図、同図
(b)はその断面構成図である。
【図3】本発明の透過型光検出器の応用例を表す概念図
である。
【図4】光検出器100の透過光も位置ずれ検出に利用
した例を表す概念図である。
【図5】4分割された電極セルを持つ透過型光検出器の
一例を表す概念図である。
【図6】キャリア輸送体と誘電体の電流信号の違いを表
すグラフ図である。
【図7】本発明の透過型光検出器の作成方法の要部を表
す概念図である。
【図8】対向電極が分割されない構成を例示する断面図
である。
【図9】電極セルが均等でない面積に分割されている構
成を例示する概念図である。
【図10】本発明の第2実施例における透過型光検出器
200の概観図であり、同図(a)はその平面図、同図
(b)はその要部断面図である。
【図11】第2実施例の透過型光検出器をビデオカメラ
などで用いられる検出光学系に配置した一例である。
【図12】1箇所に透過型光検出器204を配置する構
成を表す概念図である。
【図13】本発明の第3の実施例を説明するための概念
図である。
【図14】本発明の第4実施例の透過型光検出器の構成
を表す概念図である。
【図15】本発明の第4実施例の透過型光検出器の構成
を表す概念図である。
【図16】本発明の第5実施例の透過型光検出器を表
し、同図(a)はその平面図、同図(b)はその要部断
面図である。
【図17】本発明の第6実施例における積層透過型光検
出器の概観図であり、同図(a)はその斜視外観図、同
図(b)はその断面構成図である。
【図18】第2の対向電極部の透明電極が分割されない
構成を表す概念図である。
【図19】検出光学系を表す概念図である。
【図20】異なる2種類の波長を検出する構成を表す概
念図である。
【図21】検出器の電極セルを4分割とした構成を例示
する平面図及び断面図である。
【図22】4分割された電極セルを持つ2層積層透過型
光検出器の実施例を表す概念図である。
【図23】本発明の第6実施例の積層透過型光検出器6
00の作成法の要部を表す工程図である。
【図24】本発明の第7実施例における積層透過型光検
出器700の概観図であり、同図(a)はその平面構成
図、同図(b)はその要部断面図である。
【図25】カラー画像の読み取りを行う実施形態を表す
概念図である。
【図26】本発明の第8実施例における積層透過型光検
出器の概観図であり、同図(a)はその平面構成図、同
図(b)はその要部断面図である。
【図27】カラー画像のRGB分離を行ってイメージを
電子化する構成の概念図である。
【図28】光学系の一例を表す概念図である。
【図29】3つの透過型光検出ユニットを貼り合わせた
光検出器を表す概念図である。
【図30】本発明の第9実施例の構成を表す概念図であ
る。
【図31】本発明の第10実施例の構成を表す概念図で
ある。
【図32】本発明の第11実施例の構成を表す概念図で
ある。
【図33】光ディスク装置の検出系を表す概念図であ
る。
【図34】本発明の第12実施例の構成を表す概念図で
ある。
【図35】光路の末端に検出器が配置される構成を表す
概念図である。
【図36】CCDを3つ備えた光学系を表す概念図であ
る。
【図37】シリコン基板の薄膜化のプロセスを用いた薄
膜フォトダイオードの製造工程断面図である。
【符号の説明】
1 光路 1A 第一の波長のレーザ 1B 第二の波長のレーザ 2 ビームスプリッタ 3 受光素子 4A、4B、4C CCDセンサ 5〜7 プリズム 10 第1の透過型光検出ユニット 11 色素増感透明半導体電極部 12 対向電極部 13 バッファ層 15 透明電極 16 透明半導体 17 増感色素膜 18〜21 分割電極セル 22〜25 電線 26 透明電極の電線 30 第2の透過型光検出ユニット 31 第2の色素増感透明半導体電極部 32 第2の対向電極部 33 第2のバッファ層 35 第2の透明電極 36 第2の透明半導体 37 第2の増感色素膜 38 分割電極セル 39 分割電極セル 40、41 電線 42 第2の透明電極の電線 43 透明基板 45 透明電極 50、61、62 透明基板 63 透明半導体 64 増感色素 65 バッファ層 66 対向電極 67、68 電線 71 参照光 81,82,83,84 透過型光検出器の分割された
電極セル 85,86,87,88 透過型光検出器の分割された
電極セルの電線 89 信号処理回路 91,92 第2の透過型光検出器の分割された電極セ
ル 100、101、103、105、106、200〜2
04 透過型光検出器 102、104 移動構造体 110 第1の透過型光検出ユニット 111 第1の色素増感透明半導体電極部 112 第1の対向電極部 113 第1のバッファ層 130 第2の透過型光検出ユニット 131 第2の色素増感透明半導体電極部 132 第2の対向電極部 133 第2のバッファ層 143、150 透明基板 170 第3の透過型光検出ユニット 171 第3の色素増感透明半導体電極部 172 第3の対向電極部 173 第3のバッファ層 175 第3の透明電極 176 第3の透明半導体 177 第3の増感色素膜 190 透明基板 200 積層透過型光検出器 201 原稿面 202 移動体 203 ランプ 204 レンズ 205、209 光路 206〜208 CCDセンサ 210〜212 プリズム 230 第2の透過型光検出ユニット 231 第2の色素増感透明半導体電極部 232 第2の対向電極部 233 第2のバッファ層 243、250 透明基板 270 第3の透過型光検出ユニット 271 第3の色素増感透明半導体電極部 272 第3の対向電極部 273 第3のバッファ層 275 第3の透明電極 276 第3の透明半導体 277 第3の増感色素膜 291、292 レンズ 300、400、500 透過型光検出器 301 原稿面 302 入力端末 304 積層透過型光検出器 303 入射光 304 積層透過型光検出器 310 第1の透過型光検出ユニット 330 第2の透過型光検出ユニット 370 第3の透過型光検出ユニット 400 透過型光検出ユニット 401 光検出器 402,403、404、405、406、407 分
割された電極セル 410 積層透過型光検出器 411 レーザ 412 コリメートレンズ 413 プリズム 414 波長版 415 対物レンズ 416 光ディスク 417 レンズ 418 パワーモニタ 419 レンズ 420 ホログラム素子 430 プリズム 441 ミラー面 442 入射光 443 反射光 501 穴のあいた部材 502 微小穴 503 入射光 504 参照光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 31/10 H Fターム(参考) 4M118 AA10 AB01 CA03 CA40 CB20 5C024 AX01 CY21 CY47 EX01 EX41 EX42 EX47 GX12 GX14 GY01 5C065 AA01 BB26 BB30 BB39 BB42 CC01 DD02 DD17 EE01 EE02 5F049 MA02 MB01 MB08 NA10 NB03 SE02 SE09 SE20

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の透明電極と、 第2の透明電極と、 前記第1及び第2の透明電極に挟まれて前記第1の透明
    電極と第2の電極に共通な光電変換部と、 を備え、 前記第1の透明電極と前記第2の透明電極との少なくと
    もいずれかは、複数の電極セルに分割されてなることを
    特徴とする透過型の光検出器。
  2. 【請求項2】第1の透明電極と、前記第1の透明電極の
    上に積層された透明半導体と、前記透明半導体の上に積
    層され所定の波長を含む波長帯の光を吸収する増感色素
    膜と、第2の透明電極と、前記増感色素膜と前記第2の
    透明電極との間に挟持されたキャリア輸送体と、 を備え、 前記第1の透明電極と前記第2の透明電極との少なくと
    もいずれかが、複数の電極セルに分割されてなることを
    特徴とする透過型の光検出器。
  3. 【請求項3】第1の透明電極と、前記第1の透明電極の
    上に積層された透明半導体と、前記透明半導体の上に積
    層され所定の波長を含む波長帯の光を吸収する増感色素
    膜と、第2の透明電極と、前記増感色素膜と前記第2の
    透明電極との間に挟持された誘電体層と、 を備え、 前記第1の透明電極と前記第2の透明電極との少なくと
    もいずれかが、複数の電極セルに分割されてなることを
    特徴とする透過型の光検出器。
  4. 【請求項4】第1の透明電極と、前記第1の透明電極の
    上に積層された有機p型半導体層と、前記有機p型半導
    体層の上に積層された有機n型半導体層と、前記有機n
    型半導体層の上に積層された第2の透明電極と、 を備え、 前記第1の透明電極と前記第2の透明電極との少なくと
    もいずれかが、複数の電極セルに分割されてなることを
    特徴とする透過型の光検出器。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1つに記載の光検
    出器と、 光の入力に応じて前記第1の透明電極と前記第2の透明
    電極との間に発生する電気信号を前記複数の電極セルの
    それぞれについて検知する検知部と、 を備え、 対象物の上に前記検出器を配置し、前記光検出器を透過
    して前記対象物により反射された光により前記複数の電
    極セルのそれぞれについて発生する前記電気信号を前記
    検知部により検知することにより前記対象物の画像情報
    を入力することを特徴とする光検出システム。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれか1つに記載の光検
    出器と、 入射光に応じて前記第1の透明電極と前記第2の透明電
    極との間に発生する電気信号を前記複数の電極セルのそ
    れぞれについて検知する検知部と、 前記検知部により検知される前記電気信号に基づいて、
    前記入射光と前記光検出器との相対的な位置関係を所定
    の関係に修正する駆動手段と、 を備えたことを特徴とする光検出システム。
  7. 【請求項7】所定の波長を含む第1の波長帯の光に対し
    て光電変換を行う第1の透過型光検出器と、 前記第1の透過型光検出器と積層され前記第1の透過型
    光検出器を透過した光を検出する第2の光検出器と、 を備えたことを特徴とする積層型の光検出器。
  8. 【請求項8】前記第1の透過型光検出器は、第1の透明
    電極と、前記第1の透明電極の上に積層された透明半導
    体と、前記透明半導体の上に積層された増感色素膜と、
    前記増感色素膜と前記第2の透明電極との間に挟持され
    たキャリア輸送体と、を有することを特徴とする請求項
    7記載の光検出器。
  9. 【請求項9】前記第1の透過型光検出器は、第1の透明
    電極と、前記第1の透明電極の上に積層された透明半導
    体と、前記透明半導体の上に積層された増感色素膜と、
    前記増感色素膜と前記第2の透明電極との間に挟持され
    た誘電体層と、を有することを特徴とする請求項7記載
    の光検出器。
  10. 【請求項10】前記第1の透過型光検出器は、第1の透
    明電極と、前記第1の透明電極の上に積層された有機p
    型半導体層と、前記有機p型半導体層の上に積層された
    有機n型半導体層と、前記有機n型半導体層の上に積層
    された第2の透明電極と、を有することを特徴とする請
    求項7記載の光検出器。
  11. 【請求項11】前記第2の光検出器は、透明電極を有
    し、 前記第1の光検出器の前記第1または第2の透明電極
    と、前記第2の光検出器の前記透明電極との少なくとも
    いずれかは、複数の電極セルに分割されていることを特
    徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の光検出
    器。
  12. 【請求項12】前記第2の光検出器は、透明基板の一方
    の主面上に積層された第3の透明電極を有し、 前記透明基板の他方の主面上には、前記第1の透過型光
    検出器の前記第2の透明電極が積層されていることを特
    徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の光検出
    器。
  13. 【請求項13】前記第2の透明電極と前記第3の透明電
    極とは、前記透明基板の両面の電極パターンが一致する
    ように同一の複数の電極セルに分割されていることを特
    徴とする請求項12記載の光検出器。
  14. 【請求項14】前記複数の電極セルは、光の入射光軸に
    対して点対称に略等面積となるように分割されて設けら
    れたことを特徴とする請求項11または13に記載の光
    検出器。
  15. 【請求項15】前記第2の光検出器は、前記第3の透明
    電極と対向して設けられた第4の透明電極を有し、 前記第1の透明電極と前記第4の透明電極のそれぞれ
    は、動作時に一定電位となるように構成されたことを特
    徴とする請求項12〜14のいずれか1つに記載の光検
    出器。
  16. 【請求項16】前記透明基板の両面に設けられた前記第
    2の透明電極と前記第3の透明電極のそれぞれを介して
    得られる電気信号を、前記分割された電極セル毎に処理
    する信号処理回路が一体的に設けられたことを特徴とす
    る請求項13または14に記載の光検出器。
  17. 【請求項17】前記第1の透過型光検出器で光電変換さ
    れる前記第1の波長帯より、前記第2の光検出器で光電
    変換される第2の波長帯の方が長波長成分を含むように
    構成されたことを特徴とする請求項7〜16のいずれか
    1つに記載の光検出器。
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