JP2001284573A - 半導体素子 - Google Patents

半導体素子

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JP2001284573A JP2000096443A JP2000096443A JP2001284573A JP 2001284573 A JP2001284573 A JP 2001284573A JP 2000096443 A JP2000096443 A JP 2000096443A JP 2000096443 A JP2000096443 A JP 2000096443A JP 2001284573 A JP2001284573 A JP 2001284573A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い電流利得と低いオン電圧とを同時に備え
る半導体素子の実現を図ること。 【解決手段】 高抵抗ベース層1と、この高抵抗ベース
層1の表面に設けられた第1導電型ドレイン層2と、高
抵抗ベース層1の前記第1導電型ドレイン層2と異なる
表面領域に選択的に設けられた第2導電型ベース層3
と、第2導電型ベース層3の表面に選択的に設けられた
第1導電型ソース層4と、高抵抗ベース層1の表面に第
2導電型ベース層3と離間して設けられ、かつゲート端
子に電気的に接続された第2導電型半導体領域5と、第
2導電型ベース層3からゲート端子へ第2導電型キャリ
アを流す方向が順方向になるように第2導電型ベース層
3及びゲート端子の間に設けられたダイオード13とを
具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子に係
り、特に電力用スイッチング素子としてのバイポーラ型
のパワー半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のパワーエレクトロニクス分野にお
ける電源機器の小型化、高性能化への要求を受けて、パ
ワー半導体素子では、高耐圧、大電流化と共に、低損失
化、高速化、高破壊耐量化に対する性能改善が注力され
ている。特に、半導体素子の低損失化を図るためには、
オン電圧(定常損失)とターンオフ損失を低減させる必
要があり、様々な素子構造が開発、検討されている。そ
の中で、現在、最も多く、広い分野で用いられている代
表的な中容量素子としてのパワートランジスタについて
説明する。
【0003】図32は、従来のnpn型パワートランジ
スタの構成を示す断面図である。このパワートランジス
タでは、高抵抗のn型ベース層101の表面に高濃度の
n型コレクタ層102が形成されている。n型ベース層
101の他方の面にはp型ベース層103が形成され、
p型ベース層103表面にはn型エミッタ層104が選
択的に形成されている。p型ベース層103表面におけ
るn型エミッタ層104とは異なる領域上にはベース電
極112が設けられている。また、n型コレクタ層10
2上にはコレクタ電極109が設けられ、n型エミッタ
層104上にはエミッタ電極110が設けられている。
【0004】次に、かかるパワートランジスタの動作に
ついて説明する。コレクタ電極109に正電圧が印加さ
れ、エミッタ電極110に零電圧が印加されているとす
る。ターンオンの際には、p型ベース層103とn型エ
ミッタ層104とからなるpn接合のビルトイン電圧よ
りも大きい値の正電圧がベース電極112に印加され
る。
【0005】これにより、図33に示すように、ベース
電極112からp型ベース層103を介してn型エミッ
タ層104に正孔hが注入され、n型エミッタ層104
からp型ベース層103に電子eが注入される。一部の
電子eは、p型ベース層103中で正孔hと再結合して
消滅するが、p型ベース層103の接合深さが比較的浅
く形成され、またコレクタ電極102が正電位にバイア
スされていることから、電子eはp型ベース層103か
らn型ベース層101に注入されてn型コレクタ層10
2を通ってコレクタ電極109に流出する。また、nベ
ース層101中に電子eが注入されると、電荷中性条件
をみたすように、正孔hもn型ベース層101中に注入
される。この動作により伝導度変調が生じ、パワートラ
ンジスタがオン状態(導通状態)になる。
【0006】一方、ターンオフの際には、p型ベース層
103とn型エミッタ層104からなるpn接合の耐圧
よりも小さい値の負電圧がベース電極112に印加され
る。これによりベース・エミッタ間が逆バイアスされ、
n型エミッタ層104からの電子注入が停止されると共
に、n型ベース層101内に蓄積されていた正孔hがベ
ース電極112から排出され、素子がターンオフする。
【0007】このパワートランジスタでは、p型ベース
層103からn型ベース層101に正孔hが注入される
ことにより、n型ベース層101で伝導度変調が生じる
ため、オン電圧が低く、大きな電流を制御できるという
特長がある。
【0008】しかしながら、従来のパワートランジスタ
では、オン状態においてベース電極112から注入され
る正孔電流のうち、かなりの割合がn型ベース層101
には注入されずに、p型ベース層103中やp型ベース
層103表面で電子eと再結合したり、p型ベース層1
03を通って直接n型エミッタ層104へ流れ込む。同
様に、エミッタ電極110から注入される電子電流のう
ち、かなりの割合がn型ベース層101には注入されず
に、p型ベース層103中やp型ベース層103表面で
正孔hと再結合したり、p型ベース層103を通って直
接ベース電極112へ流れ込む。このため、大きなベー
ス電流を必要とし、電流利得(直流電流増幅率:hFE
C/IB)が小さいという問題がある。
【0009】このように、従来のトランジスタでは電流
利得が小さいことから、しばしば図34に示すように2
つのトランジスタをダーリントン接続して使用される。
これによりベース電流は小さくて済むが、図35のエミ
ッタ・コレクタ間電圧−コレクタ電流特性に見るよう
に、素子のオン電圧を0.8V以下に低減できないとい
う問題がある。
【0010】また、高抵抗のn型ベース層の表面にp型
ベース層と別にp型インジェクション層を設け、このp
型インジェクション層から別に正孔を注入することによ
り低オン電圧化及び電流利得向上を図ろうとする発明も
なされている(特開平10−256550号公報)。し
かしながら、かかる発明においても正孔と電子との再結
合による電流利得低下の問題を解決することは困難であ
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
半導体素子では電流利得が小さいという問題、或いはオ
ン電圧が大きいという問題がある。
【0012】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであり、従来よりも電流利得を増大でき、かつオン電
圧を低減し得る半導体素子を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】(構成)前述した課題を
解決するため、本発明の第1は、高抵抗ベース層と、こ
の高抵抗ベース層の表面に設けられた第1導電型ドレイ
ン層と、前記高抵抗ベース層の前記第1導電型ドレイン
層と異なる表面領域に選択的に設けられた第2導電型ベ
ース層と、前記第2導電型ベース層の表面に選択的に設
けられた第1導電型ソース層と、前記高抵抗ベース層の
前記第2導電型ベース層と同じ側の表面に設けられ、前
記第2導電型ベース層との間に前記高抵抗ベース層が介
在して設けられ、かつゲート端子に電気的に接続された
第2導電型半導体領域と、前記第2導電型ベース層から
前記ゲート端子へ第2導電型キャリアを流す方向が順方
向になるように当該第2導電型ベース層及びゲート端子
の間に設けられたダイオードとを具備することを特徴と
する半導体素子を提供する。
【0014】また、本発明の第2は、高抵抗ベース層
と、この高抵抗ベース層の表面に設けられた第1導電型
ドレイン層と、前記高抵抗ベース層の前記第1導電型ド
レイン層と異なる表面領域に選択的に設けられた第2導
電型ベース層と、前記第2導電型ベース層の表面に選択
的に設けられた第1導電型ソース層と、前記高抵抗ベー
ス層の前記第2導電型ベース層と同じ側の表面に当該第
2導電型ベース層と離間して設けられ、かつゲート端子
に電気的に接続された第2導電型半導体領域と、前記第
2導電型ベース層から前記ゲート端子へ第2導電型キャ
リアを流す方向が順方向になるように当該第2導電型ベ
ース層及びゲート端子の間に設けられたダイオードとを
具備することを特徴とする半導体素子を提供する。
【0015】また、本発明の第3は、高抵抗ベース層
と、この高抵抗ベース層の表面に設けられた第1導電型
ドレイン層と、前記高抵抗ベース層の前記第1導電型ド
レイン層と異なる表面領域に選択的に設けられた第2導
電型ベース層と、前記第2導電型ベース層の表面に選択
的に設けられた第1導電型ソース層と、前記高抵抗ベー
ス層の前記第2導電型ベース層と同じ側の表面に設けら
れた第2導電型半導体領域とを備え、素子のターンON
時には前記第2導電型ベース層及び前記第2導電型半導
体領域から前記高抵抗ベース層へ第2導電型キャリアが
注入され、素子のON状態中は前記第2導電型半導体領
域から選択的に前記高抵抗ベース層へ第2導電型キャリ
アが注入されることを特徴とする半導体素子を提供す
る。
【0016】本発明の第1乃至第3において、前記ダイ
オードには、素子のターンON時に当該ダイオードの逆
方向耐圧以上の電圧が前記ゲート端子側に印加され、素
子のON状態中は前記ダイオードの逆方向耐圧未満の電
圧が前記ゲート端子側に印加されることが好ましい。
【0017】また、本発明の第4は、高抵抗ベース層
と、この高抵抗ベース層の表面に設けられた第1導電型
ドレイン層と、前記高抵抗ベース層の前記第1導電型ド
レイン層と異なる表面領域に選択的に設けられ、かつゲ
ート端子に電気的に接続された第2導電型ベース層と、
前記第2導電型ベース層の表面に選択的に設けられた第
1導電型ソース層と、前記高抵抗ベース層の前記第2導
電型ベース層と同じ側の表面に設けられ、前記第2導電
型ベース層との間に前記高抵抗ベース層が介在して設け
られ、かつ前記ゲート端子に電気的に接続された第2導
電型半導体領域と、前記第2導電型ベース層及び前記第
2導電型半導体領域から前記ゲート端子へそれぞれ第2
導電型キャリアを流す方向が順方向になるように、前記
第2導電型ベース層と前記ゲート端子間、及び前記第2
導電型半導体領域と前記ゲート端子間にそれぞれ設けら
れた第1及び第2のダイオードとを具備することを特徴
とする半導体素子を提供する。
【0018】また、本発明の第5は、高抵抗ベース層
と、この高抵抗ベース層の表面に設けられた第1導電型
ドレイン層と、前記高抵抗ベース層の前記第1導電型ド
レイン層と異なる表面領域に選択的に設けられ、かつゲ
ート端子に電気的に接続された第2導電型ベース層と、
前記第2導電型ベース層の表面に選択的に設けられた第
1導電型ソース層と、前記高抵抗ベース層の前記第2導
電型ベース層と同じ側の表面に当該第2導電型ベース層
と離間して設けられ、かつ前記ゲート端子に電気的に接
続された第2導電型半導体領域と、前記第2導電型ベー
ス層及び前記第2導電型半導体領域から前記ゲート端子
へそれぞれ第2導電型キャリアを流す方向が順方向にな
るように、前記第2導電型ベース層と前記ゲート端子
間、及び前記第2導電型半導体領域と前記ゲート端子間
にそれぞれ設けられた第1及び第2のダイオードとを具
備することを特徴とする半導体素子を提供する。
【0019】上記各本発明において、以下の構成を備え
ることが好ましい。
【0020】(1)前記第1のダイオードの逆方向耐圧
は、前記第2のダイオードの逆方向耐圧以上であるこ
と。
【0021】(2)前記第1及び第2のダイオードに
は、素子のターンON時に当該第1及び第2のダイオー
ドの逆方向耐圧以上の電圧が前記ゲート端子側に印加さ
れ、素子のON状態中は前記第1のダイオードの逆方向
耐圧未満で、かつ前記第2のダイオードの逆方向耐圧以
上の電圧が前記ゲート端子側に印加されること。
【0022】(3)前記ダイオードは、前記第2導電型
ベース層と前記第2導電型半導体領域との間の前記高抵
抗ベース層上に絶縁層を介して設けられた半導体層から
構成され、当該半導体層は第1導電型半導体層及び第2
導電型半導体層からなること。
【0023】(4)前記ダイオード又は前記第1のダイ
オードの第2導電型端子側は、前記第1導電型ソース層
と前記高抵抗ベース層との間の前記第2導電型ベース層
の表面に電気的に接続されていること。
【0024】(5)前記第1導電型ソース層は、前記第
2導電型ベース層と前記第2導電型半導体領域との間の
前記高抵抗ベース層に対して、前記ダイオード又は前記
第1のダイオードの第2導電型端子よりも近く位置して
いること。
【0025】(6)前記第2導電型ベース層及び前記第
2導電型半導体領域はそれぞれストライプ状に形成さ
れ、ストライプの長手方向に対して垂直な方向に配列さ
れていること。
【0026】(7)前記第2導電型ベース層及び前記第
2導電型半導体領域の少なくとも一方は島状に分割形成
されていること。
【0027】また、本発明の第6は、高抵抗ベース層
と、この高抵抗ベース層の表面に設けられた第1導電型
ドレイン層と、前記高抵抗ベース層の前記第1導電型ド
レイン層と異なる表面領域に選択的に設けられた第2導
電型ベース層と、前記第2導電型ベース層の表面に選択
的に設けられた第1導電型ソース層と、前記高抵抗ベー
ス層の前記第2導電型ベース層と同じ側の表面に絶縁層
を介して設けられ、かつゲート端子に電気的に接続され
た電極と、前記第2導電型ベース層から前記ゲート端子
へ第2導電型キャリアを流す方向が順方向になるように
当該第2導電型ベース層及びゲート端子の間に設けられ
たダイオードとを具備することを特徴とする半導体素子
を提供する。
【0028】また、本発明の第7は、高抵抗ベース層
と、この高抵抗ベース層の表面に設けられた第1導電型
ドレイン層と、前記高抵抗ベース層の前記第1導電型ド
レイン層と異なる表面領域に選択的に設けられた第2導
電型ベース層と、前記第2導電型ベース層の表面に選択
的に設けられた第1導電型ソース層と、前記高抵抗ベー
ス層の当該第2導電型ベース層に隣接する表面領域に絶
縁層を介して設けられ、かつゲート端子に電気的に接続
された電極と、前記第2導電型ベース層から前記ゲート
端子へ第2導電型キャリアを流す方向が順方向になるよ
うに当該第2導電型ベース層及びゲート端子の間に設け
られたダイオードとを具備することを特徴とする半導体
素子を提供する。
【0029】また、本発明の第8は、高抵抗ベース層
と、この高抵抗ベース層の表面に設けられた第1導電型
ドレイン層と、前記高抵抗ベース層の前記第1導電型ド
レイン層と異なる表面領域に選択的に設けられた第2導
電型ベース層と、前記第2導電型ベース層の表面に選択
的に設けられた第1導電型ソース層と、前記高抵抗ベー
ス層の前記第2導電型ベース層と同じ側の表面に絶縁層
を介して設けられた電極とを備え、素子のON状態中に
おいて前記第2導電型ベース層から前記高抵抗ベース層
へ第2導電型キャリアが注入されるとともに、前記電極
に対向する前記高抵抗ベース層の表面領域に第1導電型
キャリアが蓄積されることを特徴とする半導体素子を提
供する。
【0030】本発明の第6及び第8において、以下の構
成を備えることが好ましい。
【0031】(1)前記ダイオードには、素子のターン
ON時及びON状態中に当該ダイオードの逆方向耐圧以
上の電圧が前記ゲート端子側に印加されること。
【0032】(2)前記ダイオードは、前記第2導電型
ベース層に隣接する前記高抵抗ベース層上に絶縁層を介
して設けられた半導体層から構成され、当該半導体層は
第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層からなるこ
と。
【0033】(3)前記ダイオードの前記第1導電型半
導体層は、前記第2導電型ベース層に隣接する前記高抵
抗ベース層上に設けられていること。
【0034】(4)前記ダイオードの第2導電型端子側
は、前記第1導電型ソース層と前記高抵抗ベース層との
間の前記第2導電型ベース層の表面に電気的に接続され
ていること。
【0035】(5)前記第1導電型ソース層は、前記電
極に対して前記ダイオードの第2導電型端子よりも近く
位置し、当該ダイオードの第1導電型端子領域は、前記
第1導電型ソース層と前記高抵抗ベース層間の前記第2
導電型ベース層上に前記絶縁層を介して設けられている
こと。
【0036】また、本発明の第9は、高抵抗ベース層
と、この高抵抗ベース層の表面に設けられた第1導電型
ドレイン層と、前記高抵抗ベース層の前記第1導電型ド
レイン層と異なる表面領域に選択的に設けられた第2導
電型ベース層と、前記第2導電型ベース層の表面に選択
的に設けられた第1導電型ソース層と、前記高抵抗ベー
ス層の前記第2導電型ベース層と同じ側の表面に絶縁層
を介して設けられるとともに、前記第2導電型ベース層
と電気的に接続している電極とを具備することを特徴と
する半導体素子を提供する。
【0037】また、本発明の第10は、高抵抗ベース層
と、この高抵抗ベース層の表面に設けられた第1導電型
ドレイン層と、前記高抵抗ベース層の前記第1導電型ド
レイン層と異なる表面領域に選択的に設けられた第2導
電型ベース層と、前記第2導電型ベース層の表面に選択
的に設けられた第1導電型ソース層と、前記高抵抗ベー
ス層の当該第2導電型ベース層に隣接する表面領域に絶
縁層を介して設けられるとともに、前記第2導電型ベー
ス層と電気的に接続している電極とを具備することを特
徴とする半導体素子を提供する。
【0038】本発明の第9及び第10において、以下の
構成を備えることが好ましい。
【0039】(1)前記電極は、前記第2導電型ベース
層から当該第2導電型ベース層に隣接する前記高抵抗ベ
ース層上にかけて一体化して設けられていること。
【0040】(2)前記電極は、前記第1導電型ソース
層と前記高抵抗ベース層との間の前記第2導電型ベース
層の表面に電気的に接続されていること。
【0041】(3)前記第1導電型ソース層は、前記絶
縁層上の前記電極に対して当該電極の前記第2導電型ベ
ース層へのコンタクト領域よりも近く位置しているこ
と。
【0042】本発明の第6及び第10において、以下の
構成を備えることが好ましい。
【0043】(1)前記電極及び前記第2導電型ベース
層はそれぞれストライプ状に形成され、ストライプの長
手方向に対して垂直な方向に配列されていること。
【0044】(2)前記第2導電型ベース層は島状に分
割形成され、この第2導電型ベース層を囲むように前記
電極がパターン形成されていること。
【0045】本発明の第1及び第10において、以下の
構成を備えることが好ましい。
【0046】(1)前記高抵抗ベース層上に前記絶縁層
を介して設けられた半導体層は多結晶シリコンからなる
こと。
【0047】(2)前記第2導電型ベース層は、前記第
1導電型ドレイン層に対して反対側の前記高抵抗ベース
層の表面領域に設けられていること。
【0048】(3)前記第2導電型ベース層は、前記第
1導電型ドレイン層に対して同じ側の前記高抵抗ベース
層の表面領域に設けられていること。
【0049】(4)前記半導体素子は絶縁領域上の半導
体層に形成されていること。
【0050】(作用)本発明の第1乃至第5は、第2導
電型ベース層を設けるとともに、第2導電型ベース層と
は別に第2導電型半導体領域を設ける。かかる第2導電
型ベース層及び第2導電型半導体領域からキャリアが注
入されるとともに、これらを介してキャリアの排出も行
われる。さらに、第2導電型ベース層から第2導電型半
導体領域へ第2導電型キャリアを流す方向が順方向にな
るように当該第2導電型ベース層及び第2導電型半導体
領域の間にダイオードが設けられ、かかるダイオードの
第1導電型端子側がゲート端子に電気的に接続されてい
る。
【0051】この構成において、前記第2導電型がp型
である場合には、素子のターンオン時にダイオードの逆
方向耐圧を越える正電圧がゲート端子に印加されると、
これにより第2導電型ベース層及び第2導電型半導体領
域から高抵抗ベース層中に正孔が注入され、同時に第1
導電型ソース層から同じく高抵抗ベース層に電子が注入
されて、素子がターンオンする。
【0052】素子がオン状態の時は、ダイオードの逆方
向耐圧未満の正電圧がゲート端子に印加される。これに
より、第2導電型ベース層からの正孔注入は停止すると
同時に、第2導電型半導体領域から高抵抗ベース層中に
正孔が注入される。このとき、第2導電型半導体領域か
ら注入される正孔電流は一旦全て高抵抗ベース層に注入
されて、この高抵抗ベース層の伝導度変調に寄与するの
で、ゲート電流が小さくて済み、高い電流利得を実現す
ることができる。
【0053】特に、オン状態において第2導電型ベース
層からは正孔がほとんど注入されないため、この第2導
電型ベース層による正孔と第1導電型ソース層から注入
される電子とが再結合することを抑制することができ、
第2導電型半導体領域の方から高抵抗ベース層の深い位
置まで正孔を注入することが可能となる。したがって、
高抵抗ベース層の深い位置まで伝導度変調の効果を得る
ことができ、低オン電圧で通電することが可能となる。
【0054】一方、素子のターンオフ時には、ゲート端
子に負電圧が印加される。これにより第2導電型ベース
層及び第2導電型半導体領域の両方から正孔が排出され
て、高いターンオフ能力を得ることができる。
【0055】さらに、第2導電型ベース層と第2導電型
半導体領域の両方、或いは何れか一方が平面的に分割形
成される場合には、面積占有率が縮小されているので、
キャリア再結合が低減され電流利得が一層増大すると同
時に、ターンオフ時に少数キャリアが効率よく排出さ
れ、より高いターンオフ能力が実現される。
【0056】本発明の第6乃至第10は、第2導電型ベ
ース層を電極と接続し、かかる電極を通じて少数キャリ
アの注入及び排出を行う。特に、少なくとも第2導電型
ベース層の形成されていない高抵抗ベース層表面に絶縁
層を介して電極(絶縁ゲート電極)を設ける。この電極
はゲート端子と電気的に接続されるとともに、ダイオー
ドを介して第2導電型ベース層と接続される。ここで、
当該電極はダイオードを介さずに直接第2導電型ベース
層と接続されていても良い。
【0057】この構成において、前記第2導電型がp型
である場合には、素子のターンオン時およびオン状態で
は、ダイオードの逆方向耐圧以上の正電圧がゲート端子
に印加され、前記電極(絶縁ゲート電極)、さらには第
2導電型ベース層が正バイアスされる。これにより、第
2導電型ベース層から高抵抗ベース層中に正孔が注入さ
れ、同時に第1導電型ソース層から同じく高抵抗ベース
層に電子が注入されて、前記絶縁ゲート電極は伝導度変
調が生じる。
【0058】特に、素子のオン状態において絶縁ゲート
電極が正バイアスされるので、絶縁ゲート電極に対向す
る高抵抗ベース層の表面には電子の蓄積層が生成する。
一方、第2導電型ベース層から注入された正孔は高抵抗
ベース層の表面にほとんど存在しない状態となるため、
高抵抗ベース層の表面において電子と正孔とが再結合す
る確率が減少し、その結果として高抵抗ベース層の深い
位置まで正孔を注入することが可能となる。したがっ
て、高抵抗ベース層の深い位置まで伝導度変調の効果を
得ることができ、低オン電圧で通電することが可能とな
る。
【0059】ダイオードを設ける場合は、ダイオードの
第1導電型端子側の電位が第2導電型ベース層の電位よ
りも当該ダイオードの逆方向耐圧分だけ高くなるので、
ダイオードの第1導電型端子側と対向する高抵抗ベース
層の表面に電子の蓄積層をより効率よく形成することが
でき、低オン電圧化の効果を大きくすることができる。
【0060】また、第2導電型ベース層が平面的に分割
形成される場合には、その面積占有率が縮小されている
ので、キャリア再結合が低減され電流利得が著しく増大
する。さらに、オン状態では、前記電極(絶縁ゲート電
極)直下の高抵抗ベース層表面に第1導電型MOSチャ
ネルが形成されるので、かかる表面部分に第1導電型キ
ャリアが蓄積され、このため表面再結合が低減されて電
流利得が一層増大する。
【0061】一方、素子のターンオフ時には、ゲート端
子に負電圧が印加される。これにより、第2導電型ベー
ス層を介して正孔が排出されて、高いターンオフ能力を
得ることができる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の全ての実
施の形態では第1導電型としてn型、第2導電型として
p型を用いている。
【0063】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係る半導体素子の構造を示す断面図及び上
面図である。図1(b)はその上面図、図1(a)は図
1(b)のA−A´における断面図である。
【0064】図1に示すように、高抵抗のn型ベース層
1の一方の面に高濃度のn型ドレイン層2が形成されて
いる。n型ベース層1の他方の面にはp型ベース層3が
選択的に形成され、p型ベース層3内にはn型ソース層
4が選択的に形成されている。このトランジスタ構造に
おいて、n型ベース層1表面に、p型ベース層3から所
定距離離れた位置にp型インジェクション層5が形成さ
れている。なお、この所定距離としては、例えば少数キ
ャリアである正孔の拡散長程度が設定される。
【0065】また、n型ソース層4と高抵抗n型ベース
層1間のp型ベース層3表面には第1のゲート電極12
が設けられ、p型インジェクション層5上には第2のゲ
ート電極11が設けられている。さらに、第1のゲート
電極12からゲート端子に電流が流れる方向が正方向と
なるように、第1のゲート電極12とゲート端子との間
にダイオード13が挿入されている。図3は、このダイ
オードの電圧と電流間の特性を示す特性図である。一
方、第2のゲート電極11は、ゲート端子に電気的に直
接接続されている。n型ドレイン層2にはドレイン電極
9が形成され、n型ソース層4にはソース電極10が形
成されている。
【0066】次に、このような半導体素子の動作を図2
のタイムチャートを用いて説明する。図2中の各線は、
上から順に、ゲート端子のゲート電圧VG、ゲート端子
のゲート電流IG、ドレイン電圧VD、ドレイン電流ID
を示している。
【0067】ターンオン時(時刻t=t1)には、ゲー
ト端子にソース電極10に対して正の電圧を印加する。
ここで、正電圧はダイオード13の逆方向耐圧(降伏電
圧)(図3に示す特性の場合には、−3V。)より大き
な値に設定される。これにより、図4に示すようにp型
ベース層3及びp型インジェクション層5からn型ベー
ス層1に正孔が注入され、同時にn型ソース層4から同
じくn型ベース層1に電子が注入されて、素子がターン
オンする。
【0068】続いて、オン状態(時刻t=t2〜t3)で
は、図5に示すようにゲート端子にダイオード13の逆
方向耐圧より小さい正電圧が印加される。これに伴い、
p型ベース層3の電位がpn接合のビルトイン電圧以上
まで上昇した状態を維持したまま、p型インジェクショ
ン層5からn型ベース層1に正孔が注入され、同時にn
型ソース層4からn型ベース層1に電子が直接注入され
る。この状態ではp型ベース層3からn型ベース層1へ
の正孔の注入はほとんどなくなる。
【0069】この結果、n型ベース層1で伝導度変調が
起こり、低オン電圧で通電される。このとき、第2のゲ
ート電極11から注入された正孔電流は、従来素子と異
なり、全てn型ベース層1に注入される。しかも、p型
インジェクション層5がp型ベース層3から所定距離離
れて形成されているため、図6のキャリア分布図に示す
ように、n型ベース層1の深い位置まで正孔hが注入さ
れて伝導度変調を起こす。以上の機構により、本発明で
は従来素子よりオン電圧が低減される。
【0070】即ち、オン状態においてp型ベース層3か
らは正孔がほとんど注入されないため、このp型ベース
層3による正孔とn型ベース層1から注入される電子と
が再結合することを抑制することができ、一方、p型イ
ンジェクション層5の方から高抵抗n型ベース層1の深
い位置まで正孔を注入することが可能となる。したがっ
て、高抵抗n型ベース層1の深い位置まで伝導度変調の
効果を得ることができ、低オン電圧で通電することが可
能となる。
【0071】例えば、図7のドレイン電圧と電流密度間
の特性図に示すように、一般的なIGBTのようなpn
接合による電圧降下がなく、零電圧から電流が立ち上る
ので、低いオン電圧を得ることができる。
【0072】また言い替えると、従来素子と同じオン電
圧を得るために必要なゲート電流が低減され、電流利得
(直流電流増幅率:hFS=ID/IG)を増大できる。例
えば、図8は図1に示す半導体素子における電流利得に
関してn型ソース層4の幅に対する依存性を示す図であ
る。図8に示すように、セル幅に対するn型ソース層4
幅の比率(Wn+/Wcell)が0.1では、80に近い電流
利得が得られる。電流利得のp型インジェクション層5
幅による依存性も、図8と同様な特性を有する。本発明
者らの研究によれば、電流利得は、セル幅に対するn型
ソース層4幅の比率(Wn+/Wcell)と、セル幅に対する
p型インジェクション層5幅の比率(Wp +/Wcell)と
の両方に大きく依存する。これは、n型ソース層4やp
型ベース層3、p型インジェクション層5の幅が大きい
場合、高濃度層ほどキャリアライフタイムは小さいの
で、第2のゲート電極11から注入された正孔がこれら
の層の中で再結合し、電流利得が低下してしまうためで
ある。
【0073】これらのn型ソース層4幅とp型インジェ
クション層5幅に対する電流利得の依存性から、素子の
平面構造(2次元構造)において、セル面積に占めるn
型ソース層4の面積比(Sn+/Scell)とセル面積に占
めるp型インジェクション層5の面積比(Sp+
cell)を小さく形成することによって、電流利得は著
しく増大する。
【0074】本発明によれば、p型ベース層3とp型イ
ンジェクション層5とを互いに離して形成し、n型ソー
ス層4幅とp型インジェクション層5幅とを共に小さく
形成できるので、高い電流利得を得ることができる。例
えば、Wcell=25μm、W n+=2.5μm、Wp+
2.5μmの寸法で形成すれば良い。
【0075】次に、第1の実施の形態における半導体素
子のターンオフについて説明する。図9はそのターンオ
フの状態を説明する素子断面図である。図9に示すよう
に、ターンオフ時(時刻t=t3)にはゲート端子に負
電圧を印加する。これにより、図9に示すように、nベ
ース層1中に蓄積されていた正孔hがp型ベース層3と
p型インジェクション層5の両方を介してゲート端子か
ら効率よく素子外に排出される。この正孔hの排出に伴
って、p型ベース層3の電位がpn接合のビルトイン電
圧以下まで低下する結果、n型ソース層4からの電子注
入が止まり、素子がターンオフする(時刻t=t3
4)。
【0076】このターンオフ時には、第1のゲート電極
12と第2のゲート電極11の両方を介して正孔hが排
出されるので、従来素子よりも高いターンオフ能力をも
つ半導体素子を実現することができる。
【0077】さらに、オフ状態では、ターンオフ時に引
き続き、ゲート端子へソースに対して負の電圧を印加す
る(t=t4〜)。これにより、p型ベース層3の電位
が第1のゲート電極12を介して負の電位に固定される
ので、ノイズによる誤点弧を防止することができる。
【0078】上述したように、第1の実施形態によれ
ば、オン状態では、n型ベース層1の深い位置まで電子
e及び正孔hの双方のキャリアが蓄積されて伝導度変調
が起き、かつp型ベース層3、n型ソース層4、p型イ
ンジェクション層5の各高濃度層におけるキャリア再結
合が低減されるので、高い電流利得(直流電流増幅率)
を実現することができる。
【0079】また、ターンオフ時には、第1のゲート電
極12と第2のゲート電極11の両方を介して正孔hが
排出されるので、高いターンオフ能力が得られる。
【0080】さらにまた、オフ状態では、第1及び第2
のゲート電極12、11にn型ソース層4に対して負の
電圧を印加することにより、p型ベース層3の電位が負
の電位に固定されるので、ノイズによる誤点弧を防止す
ることができる。
【0081】(第2の実施形態)図10は、本発明の第
2の実施形態に係る半導体素子の構造を示す上面図であ
る。この図10のA−A´における断面図は図1(a)
と同様である。
【0082】図10に示すように、本実施形態の半導体
素子が第1の実施形態に係るものと異なる点は、高抵抗
n型ベース層1表面にp型ベース層3′及びp型インジ
ェクション層5′が島状に形成されている点である。即
ち、p型ベース層3′内には選択的にn型ソース層4′
が形成されており、このn型ソース層4′にはソース電
極10′が設けられている。n型ソース層4′を取り囲
むようにp型ベース層3′表面には第1のゲート電極1
2′が設けられている。また、p型インジェクション層
5′には第2のゲート電極11′が設けられている。
【0083】より具体的に述べると、本実施形態の半導
体素子は、図10に示すようにp型ベース層3′及びn
型ソース層4′並びにp型インジェクション層5′の各
層が矩形状に形成され、相互に所定距離離して分割配置
されている。例えば、A−A′断面においてWcell=2
5μm、Wn+=2.5μm、Wp+=2.5μmの寸法で
形成し、さらに、図10に示す奥行き方向において、n
型ソース層4′同士、及びp型インジェクション層5′
同士の繰り返しピッチを25μm、幅を5μmで形成す
れば良い。
【0084】これによって、p型ベース層3′、n型ソ
ース層4′内、及びp型インジェクション層5′内にお
けるキャリア再結合が低減されるので、高い電流利得が
実現される。本実施形態の例で言えば、n型ソース層4
の面積比率(Sn+/Scell)とp型インジェクション層
5′の面積比率(Sp+/Scell)とが何れも0.05と
なり、140を越える電流利得が得られる。図11は、
図10に示す半導体素子における電流利得に関してn型
ソース層4′幅に対する依存性を示す図である。電流利
得のp型インジェクション層5′幅による依存性も、図
11と同様な特性を有する。
【0085】以上のように本実施形態によれば、p型ベ
ース層3′、n型ソース層4′、及びp型インジェクシ
ョン層5′を、平面的(2次元的)に分割形成して面積
比率を低減させることによって、電流利得を著しく増大
させることができる。さらに、本実施形態では、n型ソ
ース層4′が微小な矩形状に形成されており、ターンオ
フ時には、これら複数の矩形状n型ソース層4′の4辺
から正孔hが引き出されるので、いっそう高いターンオ
フ能力が実現される。特に、従来数10μmのオーダー
で形成されているn型ソース層4′の幅を20μm以下
に形成すれば、ターンオフ能力向上の効果がいっそう顕
著になる。また、ハードドライブ(すなわち1あるいは
1に近い電流利得)でターンオフ駆動させることによっ
て、ターンオフ時の破壊を防止できる。
【0086】(第3の実施形態)図12は、本発明の第
3の実施形態に係る半導体素子の構造を示す断面図及び
上面図である。図12(b)はその上面図、図12
(a)は図12(b)のA−A´における断面図であ
る。
【0087】図12に示すように、本実施形態では、ダ
イオード13がp型多結晶シリコン層7及びn型多結晶
シリコン層8からなり、高抵抗n型ベース層1上に絶縁
膜(シリコン酸化膜等)6を介して形成されている点が
特徴である。
【0088】即ち、高抵抗n型ベース層1上には絶縁膜
(シリコン酸化膜等)6が形成され、この絶縁膜6上に
はp型ベース層3からp型インジェクション層5にわた
って多結晶シリコン層が形成されている。この多結晶シ
リコン層はp型多結晶シリコン層7及びn型多結晶シリ
コン層8からなり、それぞれp型ベース層3、p型イン
ジェクション層5に接している。これらはそれぞれアノ
ード、カソードを構成する。n型多結晶シリコン層8は
第2のゲート電極11に直接接しているが、必ずしも接
している必要はない。
【0089】図12ではダイオードのpn接合の界面は
高抵抗n型ベース層1上に位置しているが、この位置に
は限られず、pn接合の界面はp型インジェクション層
5よりもp型ベース層3により近く位置していてもよ
い。この場合には、電位の高いn型多結晶シリコン層8
がより多く高抵抗n型ベース層1を覆うようになり、後
述するように、より多くの電子の蓄積層が形成されるよ
うになる。このため、電子と正孔が高抵抗n型ベース層
1の表面で再結合する確率を減少させることが可能とな
り、より低いオン電圧を得ることが可能となる。特に、
pn接合の界面が、高抵抗n型ベース層1とp型ベース
層3との界面上か、若しくはそれよりp型ベース層3の
内側の上に形成される場合には、上記効果はより顕著に
なる。
【0090】本実施形態の半導体素子のターンオン時、
オン状態、ターンオンオフ時はいずれも第1の実施形態
と同様である。これらの動作はそれぞれ図13、図1
4、図15に示されている。
【0091】本実施形態のように多結晶シリコン膜を用
いてダイオードを構成すれば、簡単なプロセスで半導体
基板上にトランジスタとともにダイオードを構成するこ
とができ、素子の実用化に非常な有用な構造を提供する
ことができる。
【0092】(第4の実施形態)図16は、本発明の第
4の実施形態に係る半導体素子の構造を示す上面図であ
る。この図16のA−A´における断面図は図12
(a)と同様である。
【0093】図16に示すように、本実施形態の半導体
素子が第3の実施形態に係るものと異なる点は、高抵抗
n型ベース層1表面にp型ベース層3′及びp型インジ
ェクション層5′が島状に形成されている点である。即
ち、p型ベース層3′内には選択的にn型ソース層4′
が形成されており、このn型ソース層4′にはソース電
極10′が設けられている。n型ソース層4′を取り囲
むようにp型ベース層3′表面には第1のゲート電極1
2′が設けられている。また、p型インジェクション層
5′には第2のゲート電極11′が設けられている。さ
らに、p型多結晶シリコン層7′及びn型多結晶シリコ
ン層8′はそれぞれn型ソース層4′及び第2のゲート
電極11′を取り囲むように形成されており、これらの
多結晶シリコン層7′、8′によって基板全面がほとん
ど覆われた形となっている。n型多結晶シリコン層8′
は第2のゲート電極11′に直接接しているが、必ずし
も接している必要はない。
【0094】本実施形態によれば、第3の実施形態で得
られる効果の他に、p型ベース層3′、n型ソース層
4′、及びp型インジェクション層5′を、平面的(2
次元的)に分割形成して面積比率を低減させることによ
って、電流利得を著しく増大させることができる。さら
に、本実施形態では、n型ソース層4′が微小な矩形状
に形成されており、ターンオフ時には、これら複数の矩
形状n型ソース層4′の4辺から正孔hが引き出される
ので、いっそう高いターンオフ能力が実現される。特
に、従来数10μmのオーダーで形成されているn型ソ
ース層4′の幅を20μm以下に形成すれば、ターンオ
フ能力向上の効果がいっそう顕著になる。また、ハード
ドライブ(すなわち1あるいは1に近い電流利得)でタ
ーンオフ駆動させることによって、ターンオフ時の破壊
を防止できる。
【0095】(第5の実施形態)図17及び図18は、
それぞれ本発明の第5の実施形態に係る半導体素子の構
造を示す断面図及び上面図である。図17は図18のA
−A´における断面図である。
【0096】図17及び図18に示すように、本実施形
態では、p型インジェクション層5に代わって、p型ベ
ース層3が形成されていない高抵抗n型ベース層1の表
面にゲート絶縁膜14を介して絶縁ゲート電極15が形
成されている点が特徴である。
【0097】即ち、本実施形態におけるトランジスタ構
造では、図17及び図18に示すようにp型ベース層3
に隣接する高抵抗n型ベース層1表面に、ゲート絶縁膜
14を介して絶縁ゲート電極15が設けられている。ゲ
ート絶縁膜14及び絶縁ゲート電極15の端部はp型ベ
ース層3端部の上を覆っている。また、この絶縁ゲート
電極15は、ゲート端子と電気的に直接接続されてい
る。さらに、p型ベース層3上には第1のゲート電極1
2が設けられ、この第1のゲート電極12からゲート端
子に電流が流れる向きが正方向となるように、第1のゲ
ート電極12とゲート端子の間にダイオード13が挿入
されている。また、n型ドレイン層2にはドレイン電極
9が形成され、n型ソース層4にはソース電極10が形
成されている。
【0098】次に、このような半導体素子の動作を図1
9のタイムチャートを用いて説明する。図20中の各線
は、上から順に、ゲート端子のゲート電圧VG、ゲート
端子のゲート電流IG、ドレイン電圧VD、ドレイン電
流IDを示している。
【0099】ターンオン時(時刻t=t1)には、ゲー
ト端子に、n型ソース層4に対してダイオード13の逆
方向耐圧より大きい正の電圧を印加する。これにより、
図21に示すように、p型ベース層3からn型ベース層
1に正孔が注入されると同時に、n型ソース層4から同
じくn型ベース層1に電子が注入されて、素子がターン
オンする。この結果、n型ベース層1で伝導度変調が起
こり、低オン電圧で通電される。
【0100】また、絶縁ゲート電極15直下のn型ベー
ス層1表面では、図20のバンドエネルギー図に示すよ
うに、蓄積層が形成されてバンド湾曲が生じている。こ
れにより、n型ベース層1の表面近傍で電子と正孔が空
間的に分離されるため、表面再結合が防止される結果、
電流利得がより増大する。
【0101】即ち、素子のオン状態において絶縁ゲート
電極15が正バイアスされるので、絶縁ゲート電極15
に対向する高抵抗n型ベース層1の表面には電子の蓄積
層が生成する。一方、p型ベース層3から注入された正
孔はn型ベース層1の表面にほとんど存在しない状態と
なるため、n型ベース層1の表面において電子と正孔と
が再結合する確率が減少し、その結果としてn型ベース
層1の深い位置まで正孔を注入することが可能となる。
したがって、n型ベース層1の深い位置まで伝導度変調
の効果を得ることができ、低オン電圧で通電することが
可能となる。特に、ダイオード13を設けているので、
ダイオード13の第1導電型端子側の電位がp型ベース
層3の電位よりもダイオード13の逆方向耐圧分だけ高
くなるので、ダイオード13の第1導電型端子側と対向
するn型ベース層1の表面に電子の蓄積層をより効率よ
く形成することができ、低オン電圧化の効果を大きくす
ることができる。
【0102】本実施形態では、図18の上面図に示すよ
うに、p型ベース層3がセルサイズに比較して小さく形
成されているので、図8に示した電流利得のn型ソース
層4幅依存性と同様にゲート電流が低減され、いっそう
電流利得(直流電流増幅率:hFS=ID/IG)が増大す
る。
【0103】一方、本実施形態に対応する半導体素子
は、図19のタイムチャートに示すように、ターンオフ
時にゲート端子に負電圧を印加する(時刻t=t2)。
これにより、図22に示すように、nベース層1中に蓄
積されていた正孔hがp型ベース層3を介して第1のゲ
ート電極12から素子外に排出される。この正孔hの排
出に伴って、p型ベース層3の電位がpn接合のビルト
イン電圧以下まで低下する結果、n型ソース層4からの
電子注入が止まり、素子がターンオフする(t=t2
3)。ここで、正孔の排出は、n型ソース層4近傍の
第1のゲート電極12を介して行われるため、高いター
ンオフ能力が実現できる。なお、図22に示すように、
ゲート絶縁膜14及び絶縁ゲート電極15の端部がp型
ベース層3端部の上を覆っている場合には、特に正孔排
出の効果が大きい。
【0104】さらに、オフ状態では、ターンオフ時に引
き続き、ゲート端にソースに対して負の電圧を印加する
(t=t3〜)。これにより、p型ベース層3の電位が
第1のゲート電極12を介して負の電位に固定されるの
で、ノイズによる誤点弧を防止することができる。
【0105】このように、本実施形態によれば、オン状
態では、n型ベース層1の深い位置まで電子e及び正孔
hの双方のキャリアが蓄積されて伝導度変調が起き、か
つp型ベース層3、n型ソース層4の各高濃度層におけ
るキャリア再結合と、n型ベース層1表面での表面再結
合が効果的に低減されるので、高い電流利得(直流電流
増幅率)を実現することができる。また、ターンオフ時
には、n型ソース層4に隣接する第1のゲート電極を介
して正孔hが排出されるので、高いターンオフ能力が得
られる。さらにまた、オフ状態では、ゲート端子にソー
スに対して負の電圧を印加することにより、p型ベース
層3の電位が負の電位に固定されるので、ノイズによる
誤点弧を防止することができる。
【0106】(第6の実施形態)図23は、本発明の第
6の実施形態に係る半導体素子の構造を示す上面図であ
る。この図23のA−A´における断面図は図17と同
様である。
【0107】図23に示すように、本実施形態の半導体
素子が第5の実施形態に係るものと異なる点は、高抵抗
n型ベース層1表面にp型ベース層3′が島状に形成さ
れている点である。
【0108】即ち、p型ベース層3′内には選択的にn
型ソース層4′が形成されており、このn型ソース層
4′にはソース電極10′が設けられている。n型ソー
ス層4′を取り囲むようにp型ベース層3′表面には第
1のゲート電極12′が設けられている。また、第1の
ゲート電極12′を取り囲むように、高抵抗n型ベース
層1表面にゲート絶縁膜14を介して絶縁ゲート電極1
5が設けられている。ゲート絶縁膜14及び絶縁ゲート
電極15の端部はp型ベース層3端部の上を覆ってい
る。
【0109】より具体的に述べると、本実施形態の半導
体素子は、図23に示すようにp型ベース層3′及びn
型ソース層4′の各層が矩形状に形成され、相互に所定
距離離して分割配置されている。p型ベース層3及びn
型ソース層4を矩形状に形成して平面的に分割配置する
ことによって、セル面積に占めるn型ソース層4の面積
比(Sn+/Scell)を縮小すれば、電流利得をいっそう
増加させることができる。例えば、A−A′断面におい
てWcell=25μm、Wn+=2.5μmの寸法で形成
し、さらに、図23に示す奥行き方向において、n型ソ
ース層4′同士の繰り返しピッチを25μm、幅を5μ
mで形成すれば良い。これによって、p型ベース層3の
面積比率(Sn+/Scell)が0.05となり、優れた電
流利得が得られる。
【0110】(第7の実施形態)図24は、本発明の第
7の実施形態に係る半導体素子の構造を示す断面図であ
る。図24に示すように、本実施形態の半導体素子が第
5の実施形態に係るものと異なる点は、ダイオードが高
抵抗n型ベース層1の表面にゲート絶縁膜16を介して
設けられている点である。
【0111】即ち、高抵抗n型ベース層1の表面にはゲ
ート絶縁膜16が形成され、p型ベース層3表面からゲ
ート絶縁膜16上にまたがる形で多結晶シリコン層が形
成されている。この多結晶シリコン層はp型多結晶シリ
コン層17及びn型多結晶シリコン層18から構成さ
れ、p型多結晶シリコン層17はp型ベース層3と、n
型多結晶シリコン層18はゲート端子とそれぞれ電気的
に接続されている。
【0112】本実施形態のように多結晶シリコン膜を用
いてダイオードを構成すれば、第5の実施形態で得られ
る効果を奏するとともに、簡単なプロセスで半導体基板
上にトランジスタ及びダイオードを構成することができ
る。この場合の多結晶シリコン膜は図17のゲート電極
15とダイオード13とを兼ねており、このため素子の
コンパクト化が可能であり、素子の実用化に非常な有用
な構造を提供することができる。
【0113】なお、図24ではpn接合の界面はp型ベ
ース層3の内側の上に形成されている。この場合には、
電位の高いn型多結晶シリコン層8が高抵抗n型ベース
層1を充分覆うようになり、電子の蓄積層が広く形成さ
れるようになる。このため、電子と正孔が高抵抗n型ベ
ース層1の表面で再結合する確率を減少させることが可
能となり、より低いオン電圧を得ることが可能となる。
なお、この実施態様に限らず、pn接合の界面が、高抵
抗n型ベース層1とp型ベース層3との界面上か、若し
くはp型ベース層3近傍の高抵抗n型ベース層1上に形
成される場合にも、低オン電圧化の効果を奏することが
できる。
【0114】(第8の実施形態)図25は、本発明の第
8の実施形態に係る半導体素子の構造を示す断面図であ
る。図25に示すように、本実施形態の半導体素子が第
7の実施形態に係るものと異なる点は、p型インジェク
ション層5が設けられ、このp型インジェクション層5
とn型多結晶シリコン層28とがp型多結晶シリコン層
27bを介して接続されている点である。
【0115】即ち、高抵抗n型ベース層1表面にはp型
ベース層3と異なる表面にp型インジェクション層5が
形成され、このp型インジェクション層5とp型ベース
層3との間を含めた高抵抗n型ベース層1表面にゲート
絶縁膜26が形成されている。p型ベース層3表面から
ゲート絶縁膜26上を経てp型インジェクション層5表
面に至るまで多結晶シリコン層が形成されている。この
多結晶シリコン層はp型多結晶シリコン層27a、27
b及びn型多結晶シリコン層28から構成され、p型多
結晶シリコン層27a、27bはそれぞれp型ベース層
3、p型インジェクション層5と接続され、n型多結晶
シリコン層28はゲート端子と電気的に接続されてい
る。
【0116】ここで、p型多結晶シリコン層27aとn
型多結晶シリコン層28とから構成されるダイオードの
逆方向耐圧VB1は、p型多結晶シリコン層27bとn型
多結晶シリコン層28とから構成されるダイオードの逆
方向耐圧VB2よりも大きく設定されている。
【0117】本実施形態の素子によれば、第7の実施形
態で得られる効果を奏するとともに、以下の効果を奏す
る。
【0118】即ち、ターンオン時には逆方向耐圧VB1
りも大きな電圧をゲート端子に印加することにより、p
型ベース層3及びp型インジェクション層5それぞれか
らn型ベース層1に正孔が注入され、第1の実施形態と
同様に素子がターンオンする。また、オン状態では、逆
方向耐圧VB2よりも大きく逆方向耐圧VB1よりも小さな
電圧をゲート端子に印加することにより、p型多結晶シ
リコン層27aとn型多結晶シリコン層28とから構成
されるダイオードには電流を流さず、p型多結晶シリコ
ン層27bとn型多結晶シリコン層28とから構成され
るダイオードには電流を流すことができる。このため、
第1の実施形態と同様に、p型インジェクション層5か
らn型ベース層1に正孔が注入されつづけ、p型ベース
層3からn型ベース層1へは正孔がほとんど注入されな
くなる。したがって、n型ベース層1の深い位置まで正
孔hが注入されて伝導度変調を起こすので、従来素子よ
りオン電圧を低減することが可能となる。
【0119】(第9の実施形態)図26は、本発明の第
9の実施形態に係る半導体素子の構造を示す断面図であ
る。図26に示すように、本実施形態の半導体素子が第
5の実施形態に係るものと異なる点は、p型ベース層3
表面からゲート絶縁膜34を介して高抵抗のn型ベース
層1上にゲート電極35として金属電極が形成されてお
り、ダイオードが用いられない点である。
【0120】即ち、高抵抗n型ベース層1の表面にはゲ
ート絶縁膜34が形成され、p型ベース層3表面からゲ
ート絶縁膜34上にまたがる形で金属電極が形成されて
いる。この金属電極はゲート電極35としてゲート端子
と電気的に接続されている。
【0121】次に、本実施形態の素子の動作を図27を
用いて説明する。図27のタイムチャートに示すよう
に、ターンオン時(時刻t=t1)には、ゲート端子に
対して正の電圧を印加する。これにより、p型ベース層
3からn型ベース層1に正孔が注入されると同時に、n
型ソース層4から同じくn型ベース層1に電子が注入さ
れて、素子がターンオンする。この結果、n型ベース層
1で伝導度変調が起こり、低オン電圧で通電される。
【0122】また、絶縁ゲート電極35直下のn型ベー
ス層1表面では、図20のバンドエネルギー図と同様
に、反転層が形成されてバンド湾曲が生じている。これ
により、n型ベース層1の表面近傍で電子と正孔が空間
的に分離されるため、表面再結合が防止される結果、電
流利得がより増大する。
【0123】ターンオフ時及びオフ状態ではゲート端子
に負電圧を印加する(時刻t=t2、t2〜t3)。これ
により、第5の実施形態と同様に、nベース層1中に蓄
積されていた正孔hがp型ベース層3を介して第1のゲ
ート電極35から素子外に排出されることにより素子が
ターンオフする。さらに、p型ベース層3の電位がゲー
ト電極35を介して負の電位に固定されるので、ノイズ
による誤点弧を防止することができる。
【0124】(第10の実施形態)図28は、本発明の
第10の実施形態に係る半導体素子の構造を示す断面図
である。図28に示すように、本実施形態の半導体素子
は横型素子であり、この点が第5の実施形態に係るもの
と異なる点である。
【0125】即ち、図28に示すように、高抵抗のn型
ベース層1の一方の面に高濃度のn型ドレイン層42が
形成されている。n型ベース層1のn型ドレイン層42
と同じ側の面にはp型ベース層3が選択的に形成され、
p型ベース層3内にはn型ソース層4が選択的に形成さ
れている。このトランジスタ構造において、n型ベース
層1表面のp型ベース層3に隣接する位置上にゲート絶
縁膜44を介してゲート電極45が形成され、このゲー
ト電極45はゲート端子に接続されている。ゲート絶縁
膜44及びゲート電極45の端部はp型ベース層3上に
位置している。
【0126】また、n型ソース層4と高抵抗n型ベース
層1間のp型ベース層3表面にはゲート電極12が設け
られ、ゲート電極12からゲート端子に電流が流れる方
向が正方向となるように、ゲート電極12とゲート端子
との間にダイオード13が挿入されている。n型ドレイ
ン層42にはドレイン電極46が形成され、n型ソース
層4にはソース電極10が形成されている。高抵抗のn
型ベース層1の他方の面には高濃度のn型拡散層43が
形成されており、この表面に設けられた電極47はソー
ス電極10と電気的に接続されている。
【0127】本実施形態によれば、第5の実施形態と同
様に、オン状態では、n型ベース層1のドレインに近い
位置まで電子e及び正孔hの双方のキャリアが蓄積され
て伝導度変調が起き、かつp型ベース層3、n型ソース
層4の各高濃度層におけるキャリア再結合と、n型ベー
ス層1表面での表面再結合が効果的に低減されるので、
高い電流利得を実現することができる。また、ターンオ
フ時には高いターンオフ能力が得られ、オフ状態ではノ
イズによる誤点弧を防止することができる。
【0128】(第11の実施形態)図29は、本発明の
第11の実施形態に係る半導体素子の構造を示す断面図
である。図29に示すように、本実施形態の半導体素子
が第10の実施形態に係るものと異なる点は、基板とし
てSOI(Silicon On Insulato
r)基板を用いた点である。
【0129】即ち、高抵抗のn型ベース1は、接地され
た支持基板51上に絶縁膜(シリコン酸化膜等)52を
介して設けられている。本実施形態では、高濃度のn型
拡散層53が高抵抗のn型ベース1と絶縁膜52との間
に設けられているが、このn型拡散層53を設けなくて
も良く、この場合には支持基板51との間の耐圧は向上
する。
【0130】本実施形態の素子によれば、第10の実施
形態の素子と同様の効果が得られる他、SOI基板に高
耐圧素子と低耐圧素子とを混載して設けることができる
ので、素子の集積化に有利である。
【0131】(第12の実施形態)図30は、本発明の
第12の実施形態に係る半導体素子の構造を示す断面図
である。図30に示すように、本実施形態の半導体素子
が第11の実施形態に係るものと異なる点は、ソース電
極61がゲート電極62と絶縁ゲート電極45との間に
設けられている点である。
【0132】即ち、n型ベース層1に近いp型ベース層
3表面上にn型ソース層60が形成され、このn型ソー
ス層60にはソース電極61が形成されてソース端子と
の接続が行われる。また、p型ベース層3のより内側の
表面にはゲート電極62が設けられて、このゲート電極
62にダイオード13が接続されている。
【0133】本実施形態の素子によれば、第11の実施
形態の素子と同様の効果が得られる他、n型ベース層1
とn型ソース層60間のp型ベース層3に対向して絶縁
ゲート電極45が設けられているので、当該p型ベース
層3に反転層を形成することができ、当該反転層を介し
て電子を注入することが可能となり、電子注入による低
オン電圧化の効果を得ることが可能となる。
【0134】(第13の実施形態)図31は、本発明の
第13の実施形態に係る半導体素子の構造を示す断面図
である。図31に示すように、本実施形態の半導体素子
が第12の実施形態に係るものと異なる点は、高抵抗の
n型ベース1表面にゲート絶縁膜44を介してダイオー
ドが設けられている点である。
【0135】即ち、高抵抗のn型ベース1表面にはゲー
ト絶縁膜44を介して多結晶シリコン層が形成されてお
り、この多結晶シリコン層はp型多結晶シリコン層72
bとn型多結晶シリコン層71とからなるダイオードを
構成している。p型ベース層3の表面にはp型多結晶シ
リコン層72aが形成されており、このp型多結晶シリ
コン層72aはp型多結晶シリコン層72bと電気的に
接続されている。また、n型多結晶シリコン層71はゲ
ート端子に接続されている。
【0136】本実施形態の素子によれば、第12の実施
形態の素子と同様の効果が得られる他、多結晶シリコン
膜を用いてダイオードを構成しているので、簡単なプロ
セスで半導体基板上にトランジスタ及びダイオードを構
成することができ、多結晶シリコン膜がゲート電極とダ
イオードとを兼ねるので、素子のコンパクト化が可能で
あり、素子の実用化に非常な有用な構造を提供すること
ができる。
【0137】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことはない。例えば、上記実施形態ではダイオードに対
して、素子のターンON時に当該ダイオードの逆方向耐
圧以上の電圧が前記ゲート端子側に印加され、素子のO
N状態中は前記ダイオードの逆方向耐圧未満の電圧が前
記ゲート端子側に印加されているが、素子のON状態中
においても、第2導電型ベース層からのキャリア(正
孔)注入が実質的に抑制された状態であれば、当該逆方
向耐圧若しくはこれをわずかに越える電圧で動作させる
ことも可能である。
【0138】また、上記実施形態では第2導電型ベース
層と第2導電型半導体領域との間にダイオードを介在さ
せることにより、第2導電型半導体領域の電位を第2導
電型ベース層の電位よりも高くして低オン抵抗化を図っ
ているが、第2導電型ベース層及び第2導電型半導体領
域の電位を別々に独立して制御して、オン状態において
第2導電型半導体領域の電位が第2導電型ベース層の電
位よりも高くなるようにすることも可能であり、この場
合にも低オン抵抗化を達成することができる。
【0139】さらにまた、上記実施形態では第1導電型
をn型、第2導電型をp型とした素子を中心に述べた
が、第1導電型をp型、第2導電型をn型としたものに
対しても本発明を適用できることはいうまでもない。こ
の場合には、ゲート端子に印加される電圧は負の電圧と
なる。
【0140】その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々変形して実施することが可能である。
【0141】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の半導体素子
によれば、電流利得を増大でき、かつオン電圧を低減し
得る半導体素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る半導体素子の
構造を示す断面図及び上面図。
【図2】 図1の半導体素子における動作およびゲート
駆動方法を示すタイムチャート。
【図3】 図1の半導体素子におけるダイオード単体の
電圧−電流特性を示す特性図。
【図4】 図1の半導体素子におけるターンオン時のキ
ャリアの流れを示す模式図。
【図5】 図1の半導体素子におけるオン状態のキャリ
アの流れを示す模式図。
【図6】 図1の半導体素子におけるオン状態のキャリ
ア濃度分布を示す特性図。
【図7】 図1の半導体素子の電圧−電流特性と従来の
IGBTの電圧−電流特性とを比較して示す特性図。
【図8】 図1の半導体素子における電流利得のn型ソ
ース層幅依存性を示す特性図。
【図9】 図1の半導体素子におけるターンオフ時のキ
ャリアの流れを示す模式図。
【図10】 本発明の第2の実施形態に係る半導体素子
の構造を示す上面図。
【図11】 図10の半導体素子における電流利得のn
型ソース層幅依存性を示す特性図。
【図12】 本発明の第3の実施形態に係る半導体素子
の構造を示す断面図及び上面図。
【図13】 図12の半導体素子におけるターンオン時
のキャリアの流れを示す模式図。
【図14】 図12の半導体素子におけるオン状態のキ
ャリアの流れを示す模式図。
【図15】 図12の半導体素子におけるターンオフ時
のキャリアの流れを示す模式図。
【図16】 本発明の第4の実施形態に係る半導体素子
の構造を示す上面図。
【図17】 本発明の第5の実施形態に係る半導体素子
の構造を示す断面図。
【図18】 本発明の第5の実施形態に係る半導体素子
の構造を示す上面図。
【図19】 図17及び図18の半導体素子における動
作およびゲート駆動方法を示すタイムチャート。
【図20】 図17及び図18の半導体素子における絶
縁ゲート電極直下のエネルギーバンドを示す図。
【図21】 図17及び図18の半導体素子におけるオ
ン状態のキャリアの流れを示す模式図。
【図22】 図17及び図18の半導体素子におけるタ
ーンオフ時のキャリアの流れを示す模式図。
【図23】 本発明の第6の実施形態に係る半導体素子
の構造を示す上面図。
【図24】 本発明の第7の実施形態に係る半導体素子
の構造を示す断面図。
【図25】 本発明の第8の実施形態に係る半導体素子
の構造を示す断面図。
【図26】 本発明の第9の実施形態に係る半導体素子
の構造を示す断面図。
【図27】 図26の半導体素子における動作およびゲ
ート駆動方法を示すタイムチャート。
【図28】 本発明の第10の実施形態に係る半導体素
子の構造を示す断面図。
【図29】 本発明の第11の実施形態に係る半導体素
子の構造を示す断面図。
【図30】 本発明の第123の実施形態に係る半導体
素子の構造を示す断面図。
【図31】 本発明の第13の実施形態に係る半導体素
子の構造を示す断面図。
【図32】 従来のnpn型パワートランジスタの構成
を示す断面図。
【図33】 従来のnpn型パワートランジスタにおけ
るオン状態のキャリアの流れを示す模式図。
【図34】 従来のnpn型パワートランジスタが使用
される際のダーリントン接続を示す回路図。
【図35】 図32に示す従来のnpn型パワートラン
ジスタのコレクタ電流−コレクタ電圧の特性を示す特性
図。
【符号の説明】
1…高抵抗n型ベース層 2…n型ドレイン層 3…p型ベース層 4、60…n型ソース層 5…p型インジェクション層(キャリア注入層) 6、14…ゲート絶縁膜 7、17、27a、27b、72a、72b…p型多結
晶シリコン層 8、18、28、71…n型多結晶シリコン層 9、46…ドレイン電極 10、61…ソース電極 11…第2のゲート電極 12、62…第1のゲート電極 13…ダイオード 14、16、26、34、44…ゲート絶縁膜 15、35、45…ゲート電極(絶縁ゲート電極) 51…支持基板 52…絶縁膜 53…n型拡散層 101…高抵抗n型ベース層 102…n型ドレイン層 103…p型ベース層 104…n型ソース層 109…ドレイン電極 110…ソース電極 112…ベース電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/808 Fターム(参考) 5F003 AP00 AZ03 BA06 BA92 BB02 BB08 BB09 BB90 BC02 BC08 BE90 BF03 BG03 BH01 BH06 BH12 BH99 BJ12 BJ15 BJ16 BJ96 BM01 BN00 BN03 BZ01 5F082 AA14 AA16 BA26 BA47 BA48 BC01 BC08 BC09 BC11 5F102 FB10 GA12 GA14 GB02 GC01 GD04 GJ03 GK02 GL03 GR07 GR13

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高抵抗ベース層と、この高抵抗ベース層
    の表面に設けられた第1導電型ドレイン層と、前記高抵
    抗ベース層の前記第1導電型ドレイン層と異なる表面領
    域に選択的に設けられた第2導電型ベース層と、前記第
    2導電型ベース層の表面に選択的に設けられた第1導電
    型ソース層と、前記高抵抗ベース層の前記第2導電型ベ
    ース層と同じ側の表面に設けられ、前記第2導電型ベー
    ス層との間に前記高抵抗ベース層が介在して設けられ、
    かつゲート端子に電気的に接続された第2導電型半導体
    領域と、前記第2導電型ベース層から前記ゲート端子へ
    第2導電型キャリアを流す方向が順方向になるように当
    該第2導電型ベース層及びゲート端子の間に設けられた
    ダイオードとを具備することを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 高抵抗ベース層と、この高抵抗ベース層
    の表面に設けられた第1導電型ドレイン層と、前記高抵
    抗ベース層の前記第1導電型ドレイン層と異なる表面領
    域に選択的に設けられた第2導電型ベース層と、前記第
    2導電型ベース層の表面に選択的に設けられた第1導電
    型ソース層と、前記高抵抗ベース層の前記第2導電型ベ
    ース層と同じ側の表面に当該第2導電型ベース層と離間
    して設けられ、かつゲート端子に電気的に接続された第
    2導電型半導体領域と、前記第2導電型ベース層から前
    記ゲート端子へ第2導電型キャリアを流す方向が順方向
    になるように当該第2導電型ベース層及びゲート端子の
    間に設けられたダイオードとを具備することを特徴とす
    る半導体素子。
  3. 【請求項3】 高抵抗ベース層と、この高抵抗ベース層
    の表面に設けられた第1導電型ドレイン層と、前記高抵
    抗ベース層の前記第1導電型ドレイン層と異なる表面領
    域に選択的に設けられた第2導電型ベース層と、前記第
    2導電型ベース層の表面に選択的に設けられた第1導電
    型ソース層と、前記高抵抗ベース層の前記第2導電型ベ
    ース層と同じ側の表面に設けられた第2導電型半導体領
    域とを備え、素子のターンON時には前記第2導電型ベ
    ース層及び前記第2導電型半導体領域から前記高抵抗ベ
    ース層へ第2導電型キャリアが注入され、素子のON状
    態中は前記第2導電型半導体領域から選択的に前記高抵
    抗ベース層へ第2導電型キャリアが注入されることを特
    徴とする半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記ダイオードには、素子のターンON
    時に当該ダイオードの逆方向耐圧以上の電圧が前記ゲー
    ト端子側に印加され、素子のON状態中は前記ダイオー
    ドの逆方向耐圧未満の電圧が前記ゲート端子側に印加さ
    れることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体素
    子。
  5. 【請求項5】 高抵抗ベース層と、この高抵抗ベース層
    の表面に設けられた第1導電型ドレイン層と、前記高抵
    抗ベース層の前記第1導電型ドレイン層と異なる表面領
    域に選択的に設けられ、かつゲート端子に電気的に接続
    された第2導電型ベース層と、前記第2導電型ベース層
    の表面に選択的に設けられた第1導電型ソース層と、前
    記高抵抗ベース層の前記第2導電型ベース層と同じ側の
    表面に設けられ、前記第2導電型ベース層との間に前記
    高抵抗ベース層が介在して設けられ、かつ前記ゲート端
    子に電気的に接続された第2導電型半導体領域と、前記
    第2導電型ベース層及び前記第2導電型半導体領域から
    前記ゲート端子へそれぞれ第2導電型キャリアを流す方
    向が順方向になるように、前記第2導電型ベース層と前
    記ゲート端子間、及び前記第2導電型半導体領域と前記
    ゲート端子間にそれぞれ設けられた第1及び第2のダイ
    オードとを具備することを特徴とする半導体素子。
  6. 【請求項6】 高抵抗ベース層と、この高抵抗ベース層
    の表面に設けられた第1導電型ドレイン層と、前記高抵
    抗ベース層の前記第1導電型ドレイン層と異なる表面領
    域に選択的に設けられ、かつゲート端子に電気的に接続
    された第2導電型ベース層と、前記第2導電型ベース層
    の表面に選択的に設けられた第1導電型ソース層と、前
    記高抵抗ベース層の前記第2導電型ベース層と同じ側の
    表面に当該第2導電型ベース層と離間して設けられ、か
    つ前記ゲート端子に電気的に接続された第2導電型半導
    体領域と、前記第2導電型ベース層及び前記第2導電型
    半導体領域から前記ゲート端子へそれぞれ第2導電型キ
    ャリアを流す方向が順方向になるように、前記第2導電
    型ベース層と前記ゲート端子間、及び前記第2導電型半
    導体領域と前記ゲート端子間にそれぞれ設けられた第1
    及び第2のダイオードとを具備することを特徴とする半
    導体素子。
  7. 【請求項7】 前記第1のダイオードの逆方向耐圧は、
    前記第2のダイオードの逆方向耐圧以上であることを特
    徴とする請求項5又は6記載の半導体素子。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2のダイオードには、素
    子のターンON時に当該第1及び第2のダイオードの逆
    方向耐圧以上の電圧が前記ゲート端子側に印加され、素
    子のON状態中は前記第1のダイオードの逆方向耐圧未
    満で、かつ前記第2のダイオードの逆方向耐圧以上の電
    圧が前記ゲート端子側に印加されることを特徴とする請
    求項7記載の半導体素子。
  9. 【請求項9】 前記ダイオードは、前記第2導電型ベー
    ス層と前記第2導電型半導体領域との間の前記高抵抗ベ
    ース層上に絶縁層を介して設けられた半導体層から構成
    され、当該半導体層は第1導電型半導体層及び第2導電
    型半導体層からなることを特徴とする請求項1、2、4
    乃至8記載の半導体素子。
  10. 【請求項10】 前記ダイオード又は前記第1のダイオ
    ードの第2導電型端子側は、前記第1導電型ソース層と
    前記高抵抗ベース層との間の前記第2導電型ベース層の
    表面に電気的に接続されていることを特徴とする請求項
    1、2、4乃至9記載の半導体素子。
  11. 【請求項11】 前記第1導電型ソース層は、前記第2
    導電型ベース層と前記第2導電型半導体領域との間の前
    記高抵抗ベース層に対して、前記ダイオード又は前記第
    1のダイオードの第2導電型端子よりも近く位置してい
    ることを特徴とする請求項1、2、4乃至9記載の半導
    体素子。
  12. 【請求項12】 前記第2導電型ベース層及び前記第2
    導電型半導体領域はそれぞれストライプ状に形成され、
    ストライプの長手方向に対して垂直な方向に配列されて
    いることを特徴とする請求項1乃至11記載の半導体素
    子。
  13. 【請求項13】 前記第2導電型ベース層及び前記第2
    導電型半導体領域の少なくとも一方は島状に分割形成さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至11記載の半導
    体素子。
  14. 【請求項14】 高抵抗ベース層と、この高抵抗ベース
    層の表面に設けられた第1導電型ドレイン層と、前記高
    抵抗ベース層の前記第1導電型ドレイン層と異なる表面
    領域に選択的に設けられた第2導電型ベース層と、前記
    第2導電型ベース層の表面に選択的に設けられた第1導
    電型ソース層と、前記高抵抗ベース層の前記第2導電型
    ベース層と同じ側の表面に絶縁層を介して設けられ、か
    つゲート端子に電気的に接続された電極と、前記第2導
    電型ベース層から前記ゲート端子へ第2導電型キャリア
    を流す方向が順方向になるように当該第2導電型ベース
    層及びゲート端子の間に設けられたダイオードとを具備
    することを特徴とする半導体素子。
  15. 【請求項15】 高抵抗ベース層と、この高抵抗ベース
    層の表面に設けられた第1導電型ドレイン層と、前記高
    抵抗ベース層の前記第1導電型ドレイン層と異なる表面
    領域に選択的に設けられた第2導電型ベース層と、前記
    第2導電型ベース層の表面に選択的に設けられた第1導
    電型ソース層と、前記高抵抗ベース層の当該第2導電型
    ベース層に隣接する表面領域に絶縁層を介して設けら
    れ、かつゲート端子に電気的に接続された電極と、前記
    第2導電型ベース層から前記ゲート端子へ第2導電型キ
    ャリアを流す方向が順方向になるように当該第2導電型
    ベース層及びゲート端子の間に設けられたダイオードと
    を具備することを特徴とする半導体素子。
  16. 【請求項16】 高抵抗ベース層と、この高抵抗ベース
    層の表面に設けられた第1導電型ドレイン層と、前記高
    抵抗ベース層の前記第1導電型ドレイン層と異なる表面
    領域に選択的に設けられた第2導電型ベース層と、前記
    第2導電型ベース層の表面に選択的に設けられた第1導
    電型ソース層と、前記高抵抗ベース層の前記第2導電型
    ベース層と同じ側の表面に絶縁層を介して設けられた電
    極とを備え、素子のON状態中において前記第2導電型
    ベース層から前記高抵抗ベース層へ第2導電型キャリア
    が注入されるとともに、前記電極に対向する前記高抵抗
    ベース層の表面領域に第1導電型キャリアが蓄積される
    ことを特徴とする半導体素子。
  17. 【請求項17】 前記ダイオードには、素子のターンO
    N時及びON状態中に当該ダイオードの逆方向耐圧以上
    の電圧が前記ゲート端子側に印加されることを特徴とす
    る請求項14又は15記載の半導体素子。
  18. 【請求項18】 前記ダイオードは、前記第2導電型ベ
    ース層に隣接する前記高抵抗ベース層上に絶縁層を介し
    て設けられた半導体層から構成され、当該半導体層は第
    1導電型半導体層及び第2導電型半導体層からなること
    を特徴とする請求項14、15、又は17記載の半導体
    素子。
  19. 【請求項19】 前記ダイオードの前記第1導電型半導
    体層は、前記第2導電型ベース層に隣接する前記高抵抗
    ベース層上に設けられていることを特徴とする請求項1
    8記載の半導体素子。
  20. 【請求項20】 前記ダイオードの第2導電型端子側
    は、前記第1導電型ソース層と前記高抵抗ベース層との
    間の前記第2導電型ベース層の表面に電気的に接続され
    ていることを特徴とする請求項14、15、17乃至1
    9記載の半導体素子。
  21. 【請求項21】 前記第1導電型ソース層は、前記電極
    に対して前記ダイオードの第2導電型端子よりも近く位
    置していることを特徴とする請求項14、15、17乃
    至19記載の半導体素子。
  22. 【請求項22】 高抵抗ベース層と、この高抵抗ベース
    層の表面に設けられた第1導電型ドレイン層と、前記高
    抵抗ベース層の前記第1導電型ドレイン層と異なる表面
    領域に選択的に設けられた第2導電型ベース層と、前記
    第2導電型ベース層の表面に選択的に設けられた第1導
    電型ソース層と、前記高抵抗ベース層の前記第2導電型
    ベース層と同じ側の表面に絶縁層を介して設けられると
    ともに、前記第2導電型ベース層と電気的に接続してい
    る電極とを具備することを特徴とする半導体素子。
  23. 【請求項23】 高抵抗ベース層と、この高抵抗ベース
    層の表面に設けられた第1導電型ドレイン層と、前記高
    抵抗ベース層の前記第1導電型ドレイン層と異なる表面
    領域に選択的に設けられた第2導電型ベース層と、前記
    第2導電型ベース層の表面に選択的に設けられた第1導
    電型ソース層と、前記高抵抗ベース層の当該第2導電型
    ベース層に隣接する表面領域に絶縁層を介して設けられ
    るとともに、前記第2導電型ベース層と電気的に接続し
    ている電極とを具備することを特徴とする半導体素子。
  24. 【請求項24】 前記電極は、前記第2導電型ベース層
    から当該第2導電型ベース層に隣接する前記高抵抗ベー
    ス層上にかけて一体化して設けられていることを特徴と
    する請求項22又は23記載の半導体素子。
  25. 【請求項25】 前記電極は、前記第1導電型ソース層
    と前記高抵抗ベース層との間の前記第2導電型ベース層
    の表面に電気的に接続されていることを特徴とする請求
    項22乃至24記載の半導体素子。
  26. 【請求項26】 前記第1導電型ソース層は、前記絶縁
    層上の前記電極に対して当該電極の前記第2導電型ベー
    ス層へのコンタクト領域よりも近く位置していることを
    特徴とする請求項22乃至24記載の半導体素子。
  27. 【請求項27】 前記電極及び前記第2導電型ベース層
    はそれぞれストライプ状に形成され、ストライプの長手
    方向に対して垂直な方向に配列されていることを特徴と
    する請求項14乃至26記載の半導体素子。
  28. 【請求項28】 前記第2導電型ベース層は島状に分割
    形成され、この第2導電型ベース層を囲むように前記電
    極がパターン形成されていることを特徴とする請求項1
    4乃至26記載の半導体素子。
  29. 【請求項29】 前記高抵抗ベース層上に前記絶縁層を
    介して設けられた半導体層は多結晶シリコンからなるこ
    とを特徴とする請求項9又は18記載の半導体素子。
  30. 【請求項30】 前記第2導電型ベース層は、前記第1
    導電型ドレイン層に対して反対側の前記高抵抗ベース層
    の表面領域に設けられていることを特徴とする請求項1
    乃至29記載の半導体素子。
  31. 【請求項31】 前記第2導電型ベース層は、前記第1
    導電型ドレイン層に対して同じ側の前記高抵抗ベース層
    の表面領域に設けられていることを特徴とする請求項1
    乃至29記載の半導体素子。
  32. 【請求項32】 前記半導体素子は絶縁領域上の半導体
    層に形成されていることを特徴とする請求項31記載の
    半導体素子。
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