JP2001284153A - 被処理物検出機構 - Google Patents

被処理物検出機構

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出系へのダストの付着を抑制し、被処理物
の光学的検出を長期にわたって維持できる被処理物検出
機構を提供すること。 【解決手段】 処理室20と受光器S2(発光器S1)
との間に、発光器S1と受光器S2との間を結ぶ光路の
一部を形成する通孔40を有する被駆動体37と、この
被駆動体37を通孔40の軸方向が光路と直交する位置
に回動可能な駆動部とからなるシャッタ装置30を設け
る。被処理物の検出時は、被駆動体37を通孔40が光
路と平行な位置に置くが、処理を開始する際は、被駆動
体37を通孔40が光路と垂直な位置に回動して、処理
室20と窓28との間の連通を遮断する。これにより、
処理室20内にて発生したダストが窓28に付着するの
が防止され、検出系のクリーニング周期を長くすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理物検出機構
に関し、更に詳しくは、被処理物として希土類磁石材料
のインゴット又はその粉体を水素吸蔵させた後、脱水素
して粉砕し、永久磁石材料粉末を得る水素熱処理装置に
用いて好適な、被処理物検出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】真空処理装置における被処理物検出機構
は、一般に、処理室内の搬送路と直交する直線上に配置
される一対の発光器及び受光器から成り、この発光器か
ら受光器に向かう光が被処理物により遮られたときの受
光器の受光レベルの低下に基づいて、当該直線上の被処
理物の存在を検出する。
【0003】例えば図3に示す真空処理装置は、永久磁
石材料の水素処理装置を模式的に示すもので、図中左方
から水素吸蔵室としての水素処理室11、脱水素室とし
ての第1、第2加熱室12、13、更に、第1、第2冷
却室14、15の複数の処理室からなる。G1、G2、
G3、G4及びG5は、各処理室の間を仕切るゲートバ
ルブである。各々の処理室には上述した構成の検出機構
Sが各々設けられ、図4に示すように、処理室11〜1
5内における被処理物Tの搬送方向と直交する直線上に
発光器S1及び受光器S2が配置される。
【0004】検出機構Sの検出対象は、処理室11〜1
5を縦断する搬送台16上の搬送ローラ17により搬送
されるトレイTであり、処理するべき永久磁石材料のイ
ンゴット(鋳塊)又はその粉体を収容している。発光器
S1及び受光器S2は各々、処理室内に連絡する導管1
8及びガラス等の透明体で成る窓19を介して対向配置
され、両者の間を結ぶ光路がトレイTにより遮られると
当該光路上にトレイTが搬送されてきたことを検出し、
搬送ローラ17の駆動の停止、ゲートバルブの開閉ある
いは各種真空処理の制御がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、上記のような構
成の被処理物検出機構Sを、永久磁石材料を粉砕する水
素熱処理装置に用いた場合、以下のような問題点があ
る。
【0006】当該水素熱処理装置は、水素処理室11に
おいて加圧水素雰囲気下、トレイT上の永久磁石材料に
水素を吸蔵させ、後の第1、第2加熱室12、13にお
いて減圧下、吸蔵した水素を脱水素させることにより当
該永久磁石材料を自己崩壊させ、磁気特性が改善された
磁性材料粉末を得ることを目的とする。この際、例えば
第1、第2加熱室12、13における脱水素工程におい
てダストが発生し、これが導管18を通って窓19に付
着して、当該窓19を曇らせ、当該検出機構Sによるト
レイTの光学的検出を不可能ならしめるおそれがある。
したがって、窓19の定期的なクリーニングが必要とな
り、装置稼働率の低下が引き起こされる。
【0007】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、検出
系へのダストの付着を抑制し、被処理物の光学的検出を
長期にわたって維持できる被処理物検出機構を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題は、複数の処
理室が仕切弁を介して連結されてなる処理装置に設けら
れ、前記処理室内における被処理物の搬送路と交差する
直線上に配置される投光器及び受光器を有し、前記受光
器にて受光される前記投光器からの光の受光レベルに基
づいて、前記直線上における前記被処理物の存否を検出
する被処理物検出機構において、前記投光器と前記受光
器との間を結ぶ光路の一部を形成する通孔を有する被駆
動体と、該被駆動体を前記通孔の軸方向が前記光路と直
交する位置に回動可能な駆動部とからなるシャッタ装置
を備えたことを特徴とする被処理物検出機構、によって
解決される。
【0009】本発明は、通常は、上記被駆動体を上記通
孔の軸方向が光路と平行に位置させることにより被処理
物の光学的検出を可能とする一方で、検出終了後は、上
記被駆動体を上記通孔の軸方向が光路と直交する位置に
回動して、処理室と発光器側及び受光器側との間の連絡
を絶つことにより、処理室内にて発生するダストが発光
器及び受光器側に到達するのを防止し、被処理物の光学
的検出を長期にわたって維持するようにしている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0011】図1及び図2は本発明の実施の形態を示し
ている。本実施の形態では、処理室を挟んで設置される
一対の発光器及び受光器を有する被処理物検出機構につ
いて説明するが、発光器側及び受光器側の構成はそれぞ
れ同一であるので、受光器側の構成についてのみ図示す
るものとし、発光器側の図示は省略する。また本実施の
形態では、上述したような構成の水素熱処理装置に本発
明を適用した例について説明する。
【0012】処理室20を画成する二重構造の炉壁21
を直角方向に貫通して、受光器S2に連絡する管路2
2、23及び24からなる導管25が設けられ、これと
反対側の炉壁21には図示しない発光器S1に連絡する
同一構成の導管が導管25と同一直線上に設けられてい
る。導管25の端部には、蓋本体29がフランジ部27
を介して気密に固定されており、この蓋本体29の一部
側壁には、導管25を通る上記発光器S1からの光を受
光器S2へ導くためのガラス等の透明体でなる窓28が
設けられている。
【0013】窓28は、蓋本体29の一構成要素である
プレート45の一部をなし、管路24と整列配置される
管路46の端部と正対している。そして、プレート45
を気密に貫通する軸47に取り付けられたゴム製のブレ
ード48をツマミ49で回動させることにより、窓28
の内面が清掃可能に構成されている。
【0014】受光器S2は、蓋本体29と一体的に固定
される支持アーム50上にフレーム51を介して固定さ
れている。又、導管25内の圧力を常に同圧に維持する
ために、シャッタ装置30よりも受光器S2側に位置す
る管路24には処理室20にに連絡する配管52が接続
されている。
【0015】導管25を構成する管路23と管路24と
の間には、本発明に係るシャッタ装置30が設けられて
いる。以下、その詳細について説明する。
【0016】管路23と管路24との間には、これらを
連絡する孔31を有するシャッタ装置30の本体31が
例えば溶接により固定されており、内部にスリーブ33
及びシールリング34、35を介して、駆動部36によ
り導管25の軸線と直交する軸の周りに回動可能な軸状
の被駆動体37が挿入されている。駆動部36は例えば
モータから構成され、本体32に対して支持部材41を
介して固定されている。被駆動体37は駆動部36の駆
動軸38に対してキー39を介して係合している。
【0017】被駆動体37の先端部近傍には、導管25
及び孔31を通る光の光路の一部となり得る通孔40が
形成されており、駆動部36の駆動により、図1に示す
ように通孔40の軸方向が光路と平行な連通位置と、図
2に示すように通孔40の軸方向が光路と直交する遮断
位置とが選択的にとられるように構成される。
【0018】又、本実施の形態では、シールリング3
4、35との間の領域に配管接続孔42を介してアルゴ
ン等の不活性ガスが所定の圧力で導入される。これは、
シールリング34、35の損傷、摩耗等によりシール性
能が劣化した際、処理室20内の水素ガスの外部への漏
洩を防止するためのものであり、例えばシールリング3
4のシール性能が劣化した場合、導入した不活性ガスが
被駆動体37とスリーブ33との間、被駆動体37内部
の通路43、及び通孔40を介して導管25及び処理室
20に流入する。これにより、水素ガスの外部への漏洩
が防止される。
【0019】本発明に係る被処理物検出機構の受光器S
2側は以上のように構成されるが、図示しない発光器S
1側についても上述と同様に構成されているものとす
る。
【0020】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。水素処理すべき遷移金属−希土類金属−半金属系永
久磁石材料(例えばFe-Nd-B 合金)のインゴット又はそ
の粉体は図示しないトレイに収容されて、図3に示す水
素処理室11から第1、第2加熱室12、13及び第
1、第2冷却室14、15の順に搬送される。各処理室
の間にはゲートバルブG1〜G4が仕切弁として配置さ
れ、上記トレイが処理室間を移動する時以外は閉じられ
ている。
【0021】発光器S1及び受光器S2を有する上記構
成の被処理物検出機構は、各処理室11〜15の所定の
場所にそれぞれ配置されており、例えば水素処理室11
に搬入された被処理物は被処理物検出機構Sの配置位置
で停止され、加圧水素下、所定温度に加熱されて水素吸
蔵処理が行われる。この処理が終了すると、ゲートバル
ブG1が開弁するとともに搬送系が駆動され、水素吸蔵
処理が施された被処理物が第1加熱室12へ搬送され
る。そして、第1加熱室12の被処理物検出機構Sの位
置に当該被処理物が到達すると、搬送系の駆動が停止さ
れるとともにゲートバルブG1が閉弁される。この処理
室では、減圧下、所定温度に加熱されて吸蔵された水素
の脱水素が行われる。この過程で、被処理物は水素崩壊
の形態で自己破壊し、微細な粉体となる。この処理と同
様な処理が第2加熱室においても行われ、それ以降、被
処理物は第1、第2冷却室14、15において冷却され
た後、装置外部へ搬出される。
【0022】上述のように、被処理物検出機構Sはゲー
トバルブG1〜G4の開閉制御、搬送系の駆動制御など
を行う上で、各処理室内における被処理物の位置検出セ
ンサとして機能する。このとき、従来の被処理物検出機
構では、各処理室内にて発生するダストが、光透過用の
窓に付着して、当該窓を曇らせ、所期の被処理物検出機
能に支障を来すおそれがあった。
【0023】本実施の形態では、図1に示したように受
光器S2(及び発光器S1)の前面に位置する光透過用
の窓28よりも処理室20側に設けたシャッタ装置30
を、図2に示すように駆動部36の駆動により被駆動体
37を90度回動させて通孔40の軸方向が光路と直交
する位置に置くことにより、処理室20と窓28との間
の連通が遮断され、導管25を介して処理室20内のダ
ストが窓28に到達することが防止される。
【0024】したがって、当該被処理物検出機構により
被処理物を検出した時点で、被駆動体を図1に示す位置
から図2に示す位置へ回動することにより、その後の所
定の処理を行う際に発生するダストが窓28に付着して
被処理物の光学的検出作用を阻害するということはな
い。なお、被処理物に対する処理が終了した後は、シャ
ッタ装置30を図1に示す位置に戻されることにより、
本来の被処理物の検出作用が行われる。
【0025】又、本実施の形態によれば、駆動部36に
よる被駆動体37の駆動を、被駆動体37の軸方向の周
りへの所定角度(90度)の回動で行うようにしている
ので、上下又は水平方向へのスライド移動の場合に比べ
て、シールリング34、35の高いシール性及びシール
耐久性を得ることができる。
【0026】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発
明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0027】例えば以上の実施の形態では、発光器S1
と受光器S2とを結ぶ光路が処理室内における被処理物
の搬送方向と直交するようにしたが、これに限らず、上
記光路が被処理物の搬送方向と斜めに交差する位置に上
記発光器S1及び受光器S2を配置することも可能であ
る。
【0028】また、以上の実施の形態では、発光器S1
及び受光器S2をそれぞれ別々の光電管で構成したが、
発光器及び受光器が一体的となった反射型の光電管を用
いることも可能である。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の被処理物検
出機構によれば、処理室内にて発生するダストが発光器
及び受光器側に到達するのを防止し、被処理物の光学的
検出を長期にわたって維持することができる。
【0030】また、請求項2の構成によれば、処理室内
部とその外部とを区画する透明体へのダストの付着が防
止又は抑制されるので、当該窓の清掃サイクルを長くし
て、装置のスループット向上を図ることができる。
【0031】更に、請求項3の発明によれば、ダストが
発生し易い処理室内における被処理物の適正な検出機能
を長期にわたって維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による被処理物検出機構の
受光器側の構成を示す側断面図である。
【図2】図1の作用を説明する側断面図である。
【図3】水素熱処理装置の概要を説明する模式図であ
る。
【図4】被処理物検出機構の全体を示す処理室の断面図
である。
【符号の説明】
11 水素処理室(水素吸蔵室) 12 第1加熱室(脱水素室) 13 第2加熱室(脱水素室) 20 処理室 25 導管 28 窓 30 シャッタ装置 36 駆動部 37 被駆動体 40 通孔 S1 発光器 S2 受光器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中塚 篤 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内 Fターム(参考) 5E062 CD04 CG01 CG02 CG03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の処理室が仕切弁を介して連結され
    てなる処理装置に設けられ、前記処理室内における被処
    理物の搬送路と交差する直線上に配置される投光器及び
    受光器を有し、前記受光器にて受光される前記投光器か
    らの光の受光レベルに基づいて、前記直線上における前
    記被処理物の存否を検出する被処理物検出機構におい
    て、 前記投光器と前記受光器との間を結ぶ光路の一部を形成
    する通孔を有する被駆動体と、該被駆動体を前記通孔の
    軸方向が前記光路と直交する位置に回動可能な駆動部と
    からなるシャッタ装置を備えたことを特徴とする被処理
    物検出機構。
  2. 【請求項2】 前記投光器及び前記受光器が、前記処理
    室の内部に連絡する管路の端部に設けられた透明体に相
    対向して配置され、前記被駆動体が、前記処理室と前記
    透明体との間の管路途中に配置されることを特徴とする
    請求項1に記載の被処理物検出機構。
  3. 【請求項3】 前記被処理物が、希土類磁石材料のイン
    ゴット又はその粉体からなり、前記処理装置が、少なく
    とも、前記被処理物を水素吸蔵させる水素吸蔵室と、該
    被処理物を脱水素する脱水素室とを前記処理室として有
    する水素熱処理装置であることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の被処理物検出機構。
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