JP2001283919A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP2001283919A
JP2001283919A JP2000089965A JP2000089965A JP2001283919A JP 2001283919 A JP2001283919 A JP 2001283919A JP 2000089965 A JP2000089965 A JP 2000089965A JP 2000089965 A JP2000089965 A JP 2000089965A JP 2001283919 A JP2001283919 A JP 2001283919A
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Ritsu Yo
立 楊
Toshihiro Yoshida
俊広 吉田
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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水液電解液中に発生するHFの影響を抑
え、また、負極におけるSEI層の生成を一定量に制御
することで、電池の出力の低下を抑制し、サイクル特性
を改善したリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 正極板2と負極板3をセパレータ4を介
して、捲回若しくは積層してなる電極体1を備え、リチ
ウム化合物を電解質として含む非水電解液を用いたリチ
ウム二次電池である。正極板2、負極板3、セパレータ
4、非水電解液の少なくともいずれかに、分子中に、有
機塩基と無機酸とが一体となっている化合物を含ませ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、高出力性、サイ
クル特性及び信頼性に優れたリチウム二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 リチウム二次電池は、近年、携帯型の
通信機器やノート型パーソナルコンピュータ等の電子機
器の電源を担う、小型でエネルギー密度の大きな充放電
可能な二次電池として、広く用いられるようになってき
ている。また、国際的な地球環境の保護を背景として省
資源化や省エネルギー化に対する関心が高まる中、リチ
ウム二次電池は、自動車業界においては電気自動車やハ
イブリッド電気自動車用のモータ駆動用バッテリーとし
て、また、電力業界においては夜間電力の保存による電
力の有効利用手段として、それぞれ期待されており、こ
れらの用途に適する大容量リチウム二次電池の実用化が
急務とされている。
【0003】 リチウム二次電池には、一般的に、正極
活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物等が、負極活
物質としてハードカーボンや黒鉛といった炭素質材料が
それぞれ用いられる。また、このような材料を用いたリ
チウム二次電池の反応電位は約4.1Vと高く、このた
め非水電解液として、従来の二次電池のような水系非水
電解液を用いることができない。そこで、リチウム二次
電池の非水電解液としては、有機溶媒にリチウムイオン
(Li+)電解質たるリチウム化合物を溶解した非水電
解液が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 ここで、非水電解液
の原料となる有機溶媒には、製造段階からコンタミとし
て微量であるが水分が混在していることが常である。ま
た、電池を構成する各種の材料や部品、例えば、電極活
物質粉末や集電基板(金属箔)、金属端子、電池ケース
等は、一般的には通常の大気雰囲気において保存される
ため、それら材料や部品の表面に吸着していた水分が、
電池を作成し終えた時点で、非水電解液に入り込むこと
があり得る。
【0005】 このような水分が非水電解液中に存在し
ていると、水分により電解質が分解し、酸性物質やガス
等が発生する危険性が高くなり、結果的に充放電サイク
ル特性(充放電の繰り返しによる電池容量変化特性を指
す。以下、「サイクル特性」という。)が劣化し、電池
寿命が短くなる問題が生ずる。
【0006】 例えば、六フッ化リン酸リチウム(Li
PF6)は、有機溶媒に溶解して高い電導度を示すため
に、電解質として最も注目されているが、LiPF6
用いた場合には、有機溶媒中に水分が存在するとフッ化
水素酸(HF)が発生する。このHFが電池容器や集電
体の金属材料を溶解・腐食させ、また、正極活物質を溶
解して遷移金属を溶出させる。更に負極活物質表面に悪
質なSEI(Solid Electrolyte I
nterface)層を形成してLi+の作用を阻害す
る等して、電池劣化の原因となることが知られている。
この様な電池特性の劣化は、充放電を繰り返すサイクル
運転において顕著に現れ、二次電池の致命的欠陥とな
る。
【0007】 そこで、特開平9−245832号公報
には、非水電解液中に、1,4,8,11−テトラアザ
シクロテトラデカンを添加することで、HFを除去し、
サイクル特性の向上が図られる旨開示されている。しか
し、この方法では、負極活物質表面の悪質なSEI生成
の抑制にはならないことからサイクル特性が悪く、長期
サイクル特性を必要とする電気自動車等の用途には全く
適さない。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明は上述した従来
技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的と
するところは、電池を製造し終えた段階で、結果的に電
極体や非水電解液に含まれることとなるHFを不活性化
することにより、また、特に負極活物質表面のSEI生
成を制御することにより、電解質の分解や電池反応の阻
害を抑制して、サイクル特性及び信頼性に優れたリチウ
ム二次電池を提供することにある。
【0009】 即ち、本発明によれば、正極板と負極板
をセパレータを介して、捲回若しくは積層してなる電極
体を備え、リチウム化合物を電解質として含む非水電解
液を用いたリチウム二次電池であって、当該正極板、当
該負極板、当該セパレータ、及び当該非水電解液の少な
くともいずれかに、分子中に、有機塩基と無機酸とが一
体となっている化合物が含まれていることを特徴とする
リチウム二次電池、が提供される。
【0010】 本発明のリチウム二次電池において、当
該化合物としては、有機塩基が、電子供与性の元素を含
んだ環状化合物が好適に用いられる。電子供与性の元素
としては、酸素原子、硫黄原子、もしくは、窒素原子等
のヘテロ原子が好まれる。また、有機塩基が、電子供与
性の置換基を含んでいる化合物は特に好適に用いること
ができる。
【0011】 また、本発明のリチウム二次電池におい
て、当該化合物としては、無機酸が、強酸である化合物
が好適に用いられる。強酸である化合物としては、塩化
水素、もしくは、硫酸である化合物が好まれる。
【0012】 本発明において、当該化合物は、導電助
剤となるアセチレンブラック等の電子伝導性粒子が分散
されていることも好ましい。このような当該化合物は、
電池反応に寄与することなく、しかも導電助剤を添加す
ることにより内部抵抗の上昇は抑えられ、良好なHFト
ラップ剤/及びSEI制御剤となる。
【0013】 本発明のリチウム二次電池は、電池容量
が2Ah以上の大型電池に好適に採用される。また、車
載用電池として好適に採用され、高出力を必要とするエ
ンジン起動用電源、大電流の放電が頻繁に行われる電気
自動車又はハイブリッド電気自動車のモータ駆動用電源
等として好適に用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】 本発明のリチウム二次電池は、
溶解してリチウムイオン(Li+)を生ずるリチウム化
合物を電解質として含む非水電解液を用いたものであっ
て、その非水電解液の劣化を抑制し、また、負極活物質
表面のSEI生成を制御することによりサイクル特性の
向上を図ったものである。以下、本発明の実施形態につ
いて説明するが、本発明が以下の実施形態に限定されな
いことはいうまでもない。
【0015】 本発明のリチウム二次電池は、正極板
2、負極板3、セパレータ4及び非水電解液の少なくと
もいずれかに、分子中に、有機塩基と無機酸とが一体と
なっている化合物が含まれるようにする。ここで、「当
該化合物が含まれる」とは、当該化合物の添加された非
水電解液が、電極板2・3やセパレータ4に含浸される
ことにより、当該化合物が電極板2・3やセパレータ4
に含まれることとなる場合や、電極板2・3やセパレー
タ4に予め塗布された当該化合物が、非水電解液を充填
した際に非水電解液中に移動して非水電解液にも含まれ
ることとなる場合を含むものである。
【0016】 本発明のリチウム二次電池においては、
この化合物を含める方法として、(1)正極板、及び/
又は、負極板を構成する電極活物質粒子の表面に分散、
または被覆されている、(2)セパレータ表面に分散さ
れている、(3)微細粉末化して非水電解液中に懸濁分
散されている、の少なくともいずれかの方法を用いるこ
とができる。従って、これらの手段を複数併用すること
も、また、可能である。
【0017】 具体的には、電極板2・3に当該化合物
を含ませる方法としては、電極板2・3を、可溶な溶剤
に溶かした当該化合物剤に浸漬する方法(ディッピン
グ)や、スプレーや刷毛塗り等の方法を用いて電極板2
・3に当該化合物を塗布する方法を挙げることができ、
いずれの場合であっても、当該化合物を含ませて後に乾
燥し、その後の電極体の作製に供する。セパレータ4表
面に分散、あるいは固着させるにも、同様の方法を用い
ることができ、また、電解液については、当該化合物を
重力沈降しない程度にまで微細粉末化して均一に当該化
合物を含ませることも可能である。
【0018】 ここで、非水電解液として、予め当該化
合物を添加したものを用いる方法が最も好適に採用され
る。この場合には、電池の組立作業工程も当該化合物の
添加混合工程が増えるのみであって作業も容易であると
いった利点がある。
【0019】 すなわち、電池内に充填する電解液とし
て、後述する電解質を所定の有機溶媒に溶解してなる一
般的な非水電解液に、更に、HFトラップ剤/SEI制
御剤として、当該化合物を添加したものを用いる。当該
化合物の添加により、電池への注入前には非水電解液中
の水分から発生したHF濃度を低下させることが可能と
なり、また、電池への注入後においては、電極板等に吸
着していた水分から発生したHFの除去が容易に行われ
ることとなる。こうしてHFによる金属腐食等の抑制及
びSEI生成の制御に寄与し、サイクル特性の向上が図
られると考えられる。
【0020】 さて、次に本発明のリチウム二次電池に
用いられる化合物について説明する。本発明に用いるこ
とができる有機塩基と無機酸とが一体となっている化合
物としては、具体的には、有機塩基として、ピリミジン
のような2以上の窒素を含む含窒素6員環化合物や含窒
素多環式化合物等であり、無機酸として、塩化水素や硫
酸という強酸であり、且つ、それらが一体となっている
化合物を挙げることができる。さらに、前記有機塩基が
電子供与性の置換基を含んでいる化合物は、特に好適に
採用できる。化合物名を挙げれば、1,8−ジアミノ−
4,5−ジヒドロキシアントラキノン(下記化学式
I)、2,4−ジアミノ−6−メルカプトピリミジン
ヘミサルフェイト(下記化学式II)、6−ヒドロキシー
2,4,5−トリアミノピリミジン サルフェイト(下
記化学式III)、2−イミノピペリジン ハイドロクロ
ライド(下記化学式IV)、イミプラミン ハイドロクロ
ライド(下記化学式V)、ヘキサイクレン トリサルフ
ェイト(下記化学式VI)を挙げることができる。これら
は、電解液に安定でかつ高いLi+導電性を示すもので
あり、当該化合物として好適に用いられる。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】 ここで、本発明において、有機塩基と無
機酸とが一体となっている化合物がHFの不活性化及び
SEI生成の制御をできる機構を説明する。本発明にお
ける電解液は、水分を含まない非水電解液を用いている
が、電池を組み立てた際、電池部材等に付着している水
分を完全に取り除くことができないために、その電解液
中には水分が微量ながら存在することとなる。そして、
その水分により電解質であるLiPF6が分解し、HF
やCO2等が発生する。
【0028】 このとき発生したHFは、電池容器や集
電体の金属材料を溶解・腐食させるとともに、正極活物
質を溶解して遷移金属を溶出させる。又、SEIの生成
反応は発熱反応であることから、この熱により電解質の
水による分解が促進され、更にHFが生成されることに
なる。
【0029】 そこで、本発明においては、当該化合物
の有機塩基部分の電子供与性の元素及び置換基がルイス
塩基性を示すことより、HFを固定化し、不活性状態と
することができるので、HFと電池部材等との反応を抑
制することができる。また、当該化合物の無機酸の陰イ
オンが、上述したSEI組成物が生成される前に、Li
+と反応して塩(LiCl、Li2SO4)を生成し、負
極活物質表面を覆うことになる。この負極表面を覆った
膜は、強酸の塩であり、化学的にも安定である。このこ
とにより、負極活物質とHFの直接的接触を抑制し、そ
れ以上のSEI層の成長を抑止することができる。
【0030】 ところで、本発明において、負極活物質
表面上に意図的に生成させた強酸の塩のSEI層は、負
極カーボン層間へのLi+の移動を阻害することはな
い。それは、強酸の塩の材料となる強酸の陰イオンは、
当該化合物の添加量により、その電解液中の量を制御で
きるからである。このことにより、Li+の移動を阻害
しない範囲で、且つ、従来のSEI層が生成できない範
囲に制御して負極活物質表面上にSEI層を生成させる
ことが可能になる。
【0031】 本発明において、当該化合物には、アセ
チレンブラック等の電子伝導性粒子が分散されていても
よい。このことにより、電導度を上げ、内部抵抗の上昇
を防ぐことができる。
【0032】 本発明のリチウム二次電池は、溶解して
リチウムイオン(Li+)を生ずるリチウム化合物を電
解質として用いた非水電解液を用いたものである。従っ
て、その他の材料や電池構造には何ら制限はない。以
下、電池を構成する主要部材並びにその構造について概
説する。
【0033】 リチウム二次電池の心臓部とも言える電
極体の一つの構造は、小容量のコイン電池にみられるよ
うな、正負各電極活物質を円板状にプレス成型したセパ
レータを挟んだ単セル構造である。
【0034】 コイン電池のような小容量電池に対し
て、容量の大きい電池に用いられる電極体の1つの構造
は捲回型である。図1の斜視図に示されるように、捲回
型電極体1は、正極板2と負極板3とを、多孔性ポリマ
ーからなるセパレータ4を介して正極板2と負極板3と
が直接に接触しないように巻芯13の外周に捲回して構
成される。正極板2及び負極板3(以下、「電極板2・
3」と記す。)に取り付けられている電極リード5・6
の数は最低1本あればよく、複数の電極リード5・6を
設けて集電抵抗を小さくすることもできる。
【0035】 電極体の別の構造としては、コイン電池
に用いられる単セル型の電極体を複数段に積層してなる
積層型が挙げられる。図2に示すように、積層型電極体
7は、所定形状の正極板8と負極板9とをセパレータ1
0を挟み交互に積層したもので、1枚の電極板8・9に
少なくとも1本の電極リード11・12を取り付ける。
電極板8・9の使用材料や作成方法等は、捲回型電極体
1における電極板2・3等と同様である。
【0036】 次に、捲回型電極体1を例に、その構成
について更に詳細に説明する。正極板2は集電基板の両
面に正極活物質を塗工することによって作製される。集
電基板としては、アルミニウム箔やチタン箔等の正極電
気化学反応に対する耐蝕性が良好である金属箔が用いら
れるが、箔以外にパンチングメタル或いはメッシュ
(網)を用いることもできる。また、正極活物質として
は、マンガン酸リチウム(LiMn24)やコバルト酸
リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(Li
NiO2)等のリチウム遷移金属複合酸化物が好適に用
いられ、好ましくは、これらにアセチレンブラック等の
炭素微粉末が導電助剤として加えられる。
【0037】 正極活物質の塗工は、正極活物質粉末に
溶剤や結着剤等を添加して作成したスラリー或いはペー
ストを、ロールコータ法等を用いて、集電基板に塗布・
乾燥することで行われ、その後に必要に応じてプレス処
理等が施される。
【0038】 負極板3は、正極板2と同様にして作成
することができる。負極板3の集電基板としては、銅箔
若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕
性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活物質とし
ては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモル
ファス系炭素質材料や人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛化
炭素質粉末が用いられる。
【0039】 セパレータ4としては、マイクロポアを
有するLi+透過性のポリエチレンフィルム(PEフィ
ルム)を、多孔性のLi+透過性のポリプロピレンフィ
ルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造としたものが好
適に用いられる。これは、電極体の温度が上昇した場合
に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイクロポア
が潰れ、Li+の移動即ち電池反応を抑制する安全機構
を兼ねたものである。そして、このPEフィルムをより
軟化温度の高いPPフィルムで挟持することによって、
PEフィルムが軟化した場合においても、PPフィルム
が形状を保持して正極板2と負極板3の接触・短絡を防
止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確保が可能とな
る。
【0040】 この電極板2・3とセパレータ4の捲回
作業時に、電極板2・3において電極活物質の塗工され
ていない集電基板が露出した部分に、電極リード5・6
がそれぞれ取り付けられる。電極リード5・6として
は、それぞれの電極板2・3の集電基板と同じ材質から
なる箔状のものが好適に用いられる。電極リード5・6
の電極板2・3への取り付けは、超音波溶接やスポット
溶接等を用いて行うことができる。このとき、図1に示
されるように、電極体1の一端面に一方の電極の電極リ
ードが配置されるように電極リード5・6をそれぞれ取
り付けると、電極リード5・6間の接触を防止すること
ができ、好ましい。
【0041】 電池の組立に当たっては、先ず、電流を
外部に取り出すための端子との電極リード5・6との導
通を確保しつつ、作製された電極体1を電池ケースに挿
入して安定な位置にホールドする。その後、非水電解液
を含浸させた後に、電池ケースを封止することで電池が
作製される。
【0042】 次に、本発明のリチウム二次電池に用い
られる非水電解液について説明する。溶媒としては、エ
チレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート
(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピ
レンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系のも
のや、γ―ブチロラクチン、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒が好適に用い
られる。
【0043】 このような溶媒に溶解されるリチウム化
合物、即ち電解質としては、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等の
リチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩素酸リチウム
(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物が挙げ
られ、1種類若しくは2種類以上を前記溶媒に溶解して
用いる。特に、酸化分解が起こり難く、非水電解液の導
電性の高いLiPF6を用いることが好ましい。
【0044】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づいて、更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。 (実施例1〜5、比較例1)実施例1〜5及び比較例1
に係る電池は、LiMn24スピネルを正極活物質と
し、これに導電助剤としてアセチレンブラックを外比で
4重量%ほど添加したものに、更に溶剤、バインダを加
えて作製した正極剤スラリーを、厚さ20μmのアルミ
ニウム箔の両面にそれぞれ約100μmの厚みとなるよ
うに塗工して作成した正極板2と、これと同様の方法に
加え、カーボン粉末を負極活物質として、厚さ10μm
の銅箔の両面にそれぞれ約80μmの厚みとなるように
塗工して作成した負極板3とを用いて捲回型電極体を作
製し、電池ケースに収容後、非水電解液を充填して作製
したものである。ここで、非水電解液としては、ECと
DECの等容量混合溶媒に電解質としてのLiPF6
1mol/lの濃度となるように溶解した溶液に、表1
に示すように、当該化合物を外比で、0.1質量%ほど
添加したものを用いた。これら各種電池の初回充電後の
電池容量は、全て約10Ahであった。
【0045】
【表1】
【0046】 また、サイクル試験は、図3に示される
充放電サイクルを1サイクルとして、これを繰り返すこ
とにより行った。即ち、1サイクルは放電深度50%の
充電状態の電池を10C(放電レート)相当の電流10
0Aにて9秒間放電した後18秒間休止し、その後70
Aで6秒間充電後、続いて18Aで27秒間充電し、再
び50%の充電状態とするパターンに設定した。なお、
充電の2回目(18A)の電流値を微調整することによ
り、各サイクルにおける放電深度のずれを最小限に止め
た。また、この耐久試験中の電池容量の変化を知るため
に、適宜、0.2Cの電流強さで充電停止電圧4.1
V、放電停止電圧2.5Vとした容量測定を行い、所定
のサイクル数における電池容量を初回の電池容量で除し
た値により相対放電容量を求めた。
【0047】(評価)図4から分かるように、本発明に
係る実施例1〜5の電池は、20000回のサイクル試
験において、82%の容量保持率を達成し、当該化合物
が用いられていない比較例1よりも極めて良好なサイク
ル特性を発揮した。これは、電子供与性の元素及び置換
基を含んだ当該化合物が、電解液中のHFを不活性化
し、また、当該化合物中の無機酸の陰イオンとLi+
反応により生成した強酸の塩が負極活物質表面を覆い、
それ以上のSEI生成を抑止した結果、サイクル寿命が
向上したものと考えられる。
【0048】 ここで、実施例1〜5及び比較例1に係
る電池は、上記の方法により、電池ケース内に当該化合
物を含ませて調整した種々の電池構成部材を用いて作製
した。また、その他の部材、試験環境はすべての試料に
ついて同じとし、電池部材の乾燥は電池の組立直前まで
十分に行い、電池の封止不良等による電池外部からの水
分の浸入等の影響も排除した。
【0049】(実施例6〜8、比較例2)実施例6〜8
及び比較例2にかかる電池は、LiMn24スピネルを
正極活物質とし、これに導電助剤たるアセチレンブラッ
クとバインダたるポリフッ化ビニリデンを重量比で、5
0:2:3の比で混合したものを正極材料とし、その正
極材料0.02gを300kg/cm2の圧力で直径2
0mmφの円板状にプレス成形して作製した正極板と、
カーボンを負極板として用いてコインセル型電極体を作
製し、電池ケースに収容後、非水電解液を充填して作製
したものである。ここで、非水電解液としては、ECと
DECの等容量混合溶媒に、電池特性劣化の原因となる
水分(H2O)を500ppm程添加し、また、当該化
合物を、表2に示すように、各ppm程添加し、電解質
としてLiPF6を1mol/lの濃度となるように溶
解した溶液を用いた。これら各種電池の初回充電後の電
池容量は、全て約1.3mAであった。
【0050】
【表2】
【0051】 コインセル型電池におけるサイクル試験
は、以下に示す充放電サイクルを1サイクルとして、こ
れを繰り返すことにより行った。即ち、1サイクルは1
C相当の電流1.3mAで電圧4.1Vまで充電後、続
いて一定電圧にてトータルで3時間の充電をし、その後
電池を、1C(放電レート)相当の電流1.3mAの一
定電流にて放電し、電圧が2.5Vになるまで放電した
後、600秒間休止し、再度同様の充放電を繰り返すと
いうパターンに設定した。なお、図5に示す相対放電容
量(%)は、下記の数1を用いて計算したものである。
【0052】
【数1】相対放電容量(%)=各サイクルにおける放電
容量/初回放電容量
【0053】(評価)図5から分かるように、本発明に
係る実施例6〜8の電池は、100回のサイクル試験に
おいて、85%の容量保持率を達成し、当該化合物が用
いられていない比較例2よりも極めて優れたサイクル特
性を発揮した。このように意図的に水分を加えた実施例
において検証したことにより、本発明により開示された
化合物が、重要な電池特性であるサイクル寿命において
優れた効果を発揮することが明確に実証されたこととな
る。
【0054】 ここで、実施例6〜8及び比較例2に係
る電池は、捲回型電極体の場合と同じく、上記の方法に
より、電池ケース内に当該化合物を含ませて調整した種
々の電池構成部材を用いて作製した。また、その他の部
材、試験環境はすべての試料について同じとし、電池部
材の乾燥は電池の組立直前まで十分に行い、電池の封止
不良等による電池外部からの水分の浸入等の影響も排除
した。
【0055】 なお、エンジン起動用電池、電気自動車
等のモータ駆動用電池においては、発進時や加速時、登
坂時等に大電流の放電が必要とされ、このときには電池
温度の上昇が起こる。しかし、本発明の化合物を添加し
た非水電解液等を用いた場合には、電池温度が上昇した
場合であっても、捕獲されたHFが、再び遊離して非水
電解液中に溶け込むことが起こりがたいために、サイク
ル特性良好な維持が図られる。
【0056】 以上、本発明について、主に捲回型電極
体を用いた場合を例に説明してきたが、本発明は電池構
造を問うものでないこというまでもない。ここで、少容
量のコイン電池では、電池自体が小さいために、その部
品の作製、保管並びに電池組立を不活性ガス雰囲気で行
う等、水分管理が容易である。しかし、前述した捲回或
いは積層型の内部電極体1・7を用いる容量の大きい電
池の作製に当たっては、例えば、集電基板への電極活物
質の塗工は比較的大規模な装置を用いる必要もあり、室
内であっても外気と同様の雰囲気で行われ、特に水分管
理を行う恒温恒湿室であっても完全に水分を除去した環
境で作製されることは、製造コストの点から、現実的に
考えがたい。
【0057】 従って、本発明は、製造工程での水分管
理が容易でない電池容量の大きな電池には好適に採用さ
れる。具体的には、捲回型或いは積層型の電極体1・7
が用いられる電池容量が2Ah以上のものに好適に採用
される。電池の用途も限定されるものではないことはい
うまでもないが、高出力、低内部抵抗と優れたサイクル
特性が要求される車載用大容量電池として、エンジン起
動用、又は電気自動車又はハイブリッド電気自動車のモ
ータ駆動用に特に好適に用いることができる。
【0058】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のリチウ
ム二次電池によれば、電子供与性をもつ当該化合物の有
機塩基部分が電解液中のHFを不活性化することによ
り、電池内の腐食等を防ぐことができる。また、負極表
面を、当該化合物の無機酸部分の陰イオンとLi+との
反応により生成した強酸の塩の層が覆うことにより、そ
れ以上のSEI層の生成を抑止することができる。この
結果、本発明におけるリチウム二次電池は、特に高温に
おけるサイクル特性及び信頼性の向上が図られるという
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 捲回型電極体の構造を示す斜視図である。
【図2】 積層型電極体の構造を示す斜視図である。
【図3】 捲回型電極体を用いた電池のサイクル試験に
おける充放電パターンを示すグラフである。
【図4】 実施例1〜5のサイクル試験の結果を示すグ
ラフである。
【図5】 実施例6〜8のサイクル試験の結果を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1…捲回型電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパ
レータ、5…電極リード、6…電極リード、7…積層型
電極体、8…正極板、9…負極板、10…セパレータ、
11…電極リード、12…電極リード、13…巻芯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/02 B60K 9/00 C Fターム(参考) 5H021 BB12 EE31 5H029 AJ05 AJ14 AK03 AL06 AL07 AL08 AM02 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ12 BJ14 DJ08 EJ03 EJ11 HJ19 5H050 AA07 AA19 BA17 CA08 CA09 CB07 CB08 CB09 DA02 DA03 DA09 EA01 EA22 FA02 FA05 HA19 5H115 PG04 PI16 PI29 PU01 UI35

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極板と負極板をセパレータを介して、
    捲回若しくは積層してなる電極体を備え、リチウム化合
    物を電解質として含む非水電解液を用いたリチウム二次
    電池であって、 当該正極板、当該負極板、当該セパレータ、及び当該非
    水電解液の少なくともいずれかに、 分子中に、有機塩基と無機酸とが一体となっている化合
    物が含まれていることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記有機塩基が、電子供与性の元素を含
    んだ環状化合物である請求項1に記載のリチウム二次電
    池。
  3. 【請求項3】 前記電子供与性の元素が、酸素原子、硫
    黄原子、もしくは、窒素原子である請求項1又は2に記
    載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記有機塩基が、電子供与性の置換基を
    含んでいる請求項1,2又は3に記載のリチウム二次電
    池。
  5. 【請求項5】 前記無機酸が、強酸である請求項1に記
    載のリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 前記無機酸が、塩化水素、もしくは、硫
    酸である請求項1又は5に記載のリチウム二次電池。
  7. 【請求項7】 電池容量が2Ah以上であることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウム二
    次電池。
  8. 【請求項8】 車載用電池であることを特徴とする請求
    項1〜7に記載のリチウム二次電池。
  9. 【請求項9】 電気自動車又はハイブリッド電気自動車
    に用いられることを特徴とする請求項8に記載のリチウ
    ム二次電池。
  10. 【請求項10】 エンジン起動用に用いられることを特
    徴とする請求項8に記載のリチウム二次電池。
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KR100793606B1 (ko) 2006-02-20 2008-01-10 주식회사 엘지화학 전극 첨가제 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
KR100829396B1 (ko) 2006-03-08 2008-05-14 주식회사 엘지화학 향상된 성능의 리튬 이차전지

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