JP2005190953A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】過充電状態になり高温になっても発熱したり熱暴走反応を生じることのない安全で高い信頼性を有する優れたリチウム二次電池を提供すること。
【解決手段】正極板と負極板とセパレータとを有する電極体とリチウムイオン電解質が含まれる非水電解液とを具備し電池内部にリン酸塩(電解質は除く)が存在するリチウム二次電池の提供による。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱暴走反応対策が施され高い信頼性を獲得したリチウム二次電池に関する。
近年、ノート型パソコンや、電話・カメラ・GPS・ラジオ・テレビ等の機能を選択的に備えた携帯電子機器において、小型化、軽量化が加速度的に進行しており、それらの電源用電池として、リチウム二次電池(リチウムイオン電池ともいう)が好適に使用されている。
リチウム二次電池は、一般に、正極板の(正極)活物質にリチウム複合酸化物を、負極板の(負極)活物質に炭素質材料を、電解液にリチウムイオン電解質が有機溶媒に溶解された非水電解液を、それぞれ用いた二次電池であり、単電池電圧が約4V程度と高いことからエネルギー密度が高い、という特長を備える。その特長から、従来の二次電池より小型化、より高電圧化を図ることが可能であるので、上記用途のみならず、最近の環境問題を背景に、低公害車として積極的な一般への普及が図られている電気自動車やハイブリッド電気自動車のモータ駆動用電源としても注目を集める等、更に、その用途は拡大してきている。
用途の拡大に伴い、リチウム二次電池には、安全性の向上が求められている。エネルギー密度が高く容量が大きいリチウム二次電池は、蓄積されるエネルギーの絶対値が大きいことから、誤用した場合の危険性が高いので、取り扱いや充放電時の安全性の確保を充分に図る必要がある。例えば、リチウム二次電池は、正極板及び負極板の活物質が充電時において化学的活性が高く、電解液に使用されている有機溶媒が可燃性のものであることから、過充電してしまうと、その充電にかかるジュール熱及び反応熱に伴う高温化により活物質が発熱し熱暴走反応を生じ、発火、破裂を引き起こす可能性があるとの指摘がある(特許文献1を参照)。その一方で、用途によってはエネルギー密度を更に大きくし高容量化を追求する改善も要求され、このことが過充電時の温度上昇を招来し、リチウム二次電池の安全性及び信頼性の向上を、より困難なものにさせている。尚、リチウム二次電池の発熱にかかる安全性の確保手段についての先行文献として、特許文献1の他に、特許文献2〜6及び非特許文献1が挙げられる。
特開平11−402006号公報 特開平10−64549号公報 特開平7−192753号公報 特開平10−233237号公報 特開平11−45740号公報 特開平11−233150号公報 Angew,chem,Int,Ed,2003,42,1618〜1621ページ
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例え過充電状態になり高温になっても、発熱したり熱暴走反応を生じることのない、より安全で高い信頼性を有する、優れたリチウム二次電池を提供することにある。温度を下げる手段の検討(例えばリチウムイオンの反応で生じてしまった熱を吸熱する物質の探索)や、あるいは、高温時にリチウムイオンの吸蔵及び放出をする正極乃至負極の活物質の化学的活性を低下させる手段の検討(例えば温度上昇するとリチウムイオンと容易に反応する物質の探索)等が重ねられた過程を経て、以下に示す手段により、上記目的を達成出来ることが見出された。
即ち、本発明によれば、正極板と負極板とセパレータとを有する電極体と、リチウムイオン電解質が含まれる非水電解液と、を具備するリチウム二次電池であって、電池内部にリン酸塩(電解質は除く)が存在するリチウム二次電池が提供される。
電池内部にリン酸塩が存在する、とは、本質的には、正極板、負極板、セパレータ、及び非水電解液の何れかにリン酸塩が含まれていることを意味するが、限定されるものではなく、例えば、電池ケースの内面や捲芯表面に存在し又は含まれていてもよい。
本発明のリチウム二次電池において、リン酸塩は金属リン酸塩であることが好ましい。又、金属リン酸塩のうちリン酸アルミニウムが更に好ましい。
本発明のリチウム二次電池においては、リン酸塩が、負極板に含有されていることが好ましい。
リン酸塩が負極板に含有されている、ことの具体的態様として、リン酸塩が負極板に一体化されていたり、リン酸塩が負極板の表面をコートする膜に含まれていたり、等の態様が例示される。
本発明のリチウム二次電池においては、リン酸塩の含有量が、負極板に含有される負極活物質に対して、0.1〜50質量%であることが好ましい。
リン酸塩の含有量が増加すると、電池を等しい質量で作製した場合に、相対的に負極活物質量が減少し、エネルギー密度が低下するため、リン酸塩が負極活物質に対して50質量%より多くなると、他の二次電池に対するエネルギー密度の優位性が低下するおそれがある。一方、リン酸塩の含有量が、負極活物質に対して0.1質量%より少ないと、温度上昇時に、充分な発熱抑制乃至熱暴走反応防止が図れなくなるおそれがある。負極活物質に対するリン酸塩の含有量としては、0.5〜30質量%がより好ましい。又、1〜10質量%であれば更に好ましい。
本発明のリチウム二次電池においては、放圧機構を備えることが好ましい。
放圧機構とは、例えば非水電解液が蒸発して電池内圧が上昇した場合等において、電池内圧を下げる乃至大気圧に開放するしくみを指すが、具体的手段は限定されない。例えば、放圧弁の設置や電池ケースへの切り込み等の手段を採用出来る。放圧機構の好ましい作動圧力範囲は、非水電解液の種類等により異なり、限定されるものではないが、通常、概ね500〜1000kPa程度である。
本発明のリチウム二次電池は、電気自動車又はハイブリッド電気自動車においてモータ駆動用の電源、乃至、エンジン起動用及び制御用の電源として、好適に用いられる。
本発明のリチウム二次電池は、電池内部にリン酸塩を導入し存在させることで、過充電等による熱暴走を防止することが出来、電池の安全性の向上、優れた信頼性の付与、を図ることが出来る。本発明は、リチウムイオンの反応で生じてしまった熱を吸熱する物質や温度上昇するとリチウムイオンと容易に反応する物質を探索した過程で得られたものであり、リン酸塩の存在が熱暴走を防止するしくみは不明であるが、熱暴走に絡む化学物質、例えば非水電解液の電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を用いる場合にリチウムイオン又は六フッ化リン酸イオンと選択的に反応し、無力化しているため、と推定される。又、リン酸塩のうち、金属リン酸塩を用いることにより、発熱をより抑えることが出来る。更に、金属リン酸塩のうちリン酸アルミニウムが最も発熱を抑えることが出来る。
本発明において、負極板に含有される負極活物質に対するリン酸塩の含有量を特定すると、高容量且つ確実に熱暴走が防止されたリチウム二次電池を得ることが出来る。
本発明のリチウム二次電池は、リン酸塩の含有場所を負極板に特定すると、より効果的に熱暴走が防止出来る。即ち、より少ないリン酸塩で確実に熱暴走が防止される。熱暴走は負極板の表面で起こる反応により生じると考えられるからである。
本発明のリチウム二次電池は、放圧機構を設けることで、更に安全性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。例えば、実施例は、好適な本発明の実施の形態を具体的に例示するものであるが、本発明は、図面に示され又は実施例に挙げられた条件や態様やその他の情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は以下に記述される手段である。
本発明は、内部にリン酸塩が存在するところに特徴を有するリチウム二次電池であるから、電極体が正極板と負極板とセパレータとを有し、電解液がリチウムイオン電解質を含む非水電解液であり、内部の何れかにリン酸塩が存在する限りにおいて、電極体の形態や非水電解液のリチウムイオン以外の組成、その他の材料や電池構造、等については制限はない。
例えば、リチウム二次電池の電極体の構造の一例として、小容量のコイン電池にみられるような、正負各電極活物質を円板状にプレス成型したセパレータを挟んだ単セル構造が挙げられるが、本発明はこのような構造のリチウム二次電池であっても有用である。本発明のリチウム二次電池は、よりエネルギー密度が高く容量の大きい電池として設計する場合に効果が顕著になるものであるから、限定されるものではないが、より好ましい電極体として、高容量化が容易である捲回型又は積層型の構造を有するものが挙げられる。
本発明にかかる内部にリン酸塩が存在する又は存在させることについて、理解を容易にするために、最初に、リチウム二次電池を構成する主要部材並びにその構造について説明する。
図1は、電極体の構造の一例として示される捲回型電極体の斜視図である。捲回型電極体1は、正極板2と負極板3とが巻芯13の外周に捲回しされて構成される。正極板2と負極板3とは、間にセパレータ4が介され、直接、接触していない。正極板2及び負極板3に取り付けられている電極リード5,6の数は少なくとも1本あればよく、複数の電極リード5,6を設けて集電抵抗を小さくすることも出来る。
正極板2は、集電基板の両面に正極活物質を塗工することによって作製される。集電基板としては、アルミニウム箔やチタン箔等の正極電気化学反応に対する耐蝕性が良好である金属箔が用いられるが、箔以外にパンチングメタル又はメッシュ(網)を用いることも出来る。又、正極活物質としては、リチウムマンガン複合酸化物を用いる。尚、リチウムマンガン複合酸化物に、アセチレンブラック等の炭素微粉末を導電助剤として加えることが好ましい。
正極活物質の塗工は、正極活物質粉末に溶剤や結着剤等を添加して作製したスラリー又はペーストを、ロールコータ法等を用いて、集電基板に塗布・乾燥することで行われ、その後に必要に応じてプレス処理等が施される。
負極板3は、正極板2と同様にして作製することが出来る。負極板3の集電基板としては、銅箔又はニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活物質としては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモルファス系炭素質材料や人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛化炭素質粉末が用いられる。
セパレータ4は、多孔性ポリマーで構成される。より具体的には、マイクロポアを有するリチウムイオン透過性のポリエチレンフィルム(PEフィルム)を、多孔性のリチウムイオン透過性のポリプロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造としたものが好適に用いられる。これは、電極体の温度が上昇した場合に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイクロポアが潰れ、リチウムイオンの移動即ち電池反応を抑制する安全機構を有している。そして、このPEフィルムをより軟化温度の高いPPフィルムで挟持することによって、PEフィルムが軟化した場合においても、PPフィルムが形状を保持して正極板2と負極板3の接触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確保が可能となる。
電極リード5,6は、正極板2及び負極板3とセパレータ4の捲回作業時に、正極板2及び負極板3において電極活物質の塗工されていない集電基板が露出した部分に、それぞれ取り付けられる。電極リード5,6としては、正極板2及び負極板3のそれぞれの集電基板と同じ材質からなる箔状のものが好適に用いられる。電極リード5,6の正極板2及び負極板3への取り付けは、超音波溶接やスポット溶接等を用いて行うことが出来る。
非水電解液は、溶媒として、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系のものや、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の単独溶媒又は混合溶媒を好適に用いることが出来る。特に電解液の電導度及び高温安定性等の観点から、環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒が好適に用いられる。
電解質としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等のリチウム錯体フッ素化合物、又は過塩素酸リチウム(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物を挙げることが出来、これらのうちの1種類、又は2種類以上を上述した有機溶媒(混合溶媒)に溶解して用いることが出来る。特に、LiPF6を用いることが好ましい。酸化分解が起こり難く信頼性が高いからである。
以上の主な構成要素によりリチウム二次電池の組立をする際には、電流を外部に取り出すための端子と電極リード5,6との導通を確保しつつ、作製した捲回型電極体1を電池ケースに挿入して安定な位置にホールドした後、非水電解液を含浸させる。次いで、電池ケースを封止すれば、リチウム二次電池を得ることが出来る。電池ケース内部に含有させる酸化剤が、空気、酸素又はオゾン等の気体である場合には、これらの気体を含む雰囲気下において電池の組み立て、非水電解液の含浸を行えばよい。
図2は、電極体の構造の他例として示される積層型電極体の斜視図である。積層型電極体は、コイン電池に用いられる単セル型の電極体を複数段に積層したものである。積層型電極体7は、所定形状の正極板8及び負極板9とをセパレータ10を挟み交互に積層したもので、正極板8及び負極板9のそれぞれに少なくとも1本の電極リード11,12が取り付けられる。正極板8及び負極板9の使用材料や作製方法等は、図1に示す捲回型電極体1における正極板2及び負極板3等と同様である。又、セパレータ4や電解液についても、捲回型電極体1を用いた場合と同様のものを用いることが出来る。
次に、本発明のリチウム二次電池の特徴について、図1に示される捲回型電極体1の場合を例にとって説明する。本発明のリチウム二次電池は、電池内部にリン酸塩が存在するものであるから、電池内部にリン酸塩を存在させる手段が必要となるが、これについて以下に例示して説明する。尚、一般に、リン酸塩は、工業薬品又は試薬として、液体、固体、粒状体、粉状体の態様で入手することが出来る。
電池内部にリン酸塩を存在させたリチウム二次電池は、例えば、捲回型電極体1の正極板2、負極板3、セパレータ4及び非水電解液の少なくとも何れかに、リン酸塩が含まれるようにすることで実現出来る。そして、例えば、正極板2乃至(及び/又は)負極板3を構成する電極活物質粒子の表面にリン酸塩の分散又は被覆を行ったり、セパレータ4の表面にリン酸塩を分散させたり、リン酸塩を微細粉末化して非水電解液中に懸濁分散させる等の方法により、あるいは、これらの手段を複数併用して、捲回型電極体1の正極板2、負極板3、セパレータ4及び非水電解液の少なくとも何れかに、リン酸塩が含まれるようにすることが可能である。
リン酸塩が非水電解液のみに含まれていてもよいが、リン酸塩が添加された非水電解液が正極板2及び負極板3やセパレータ4に含浸されることにより、リン酸塩が正極板2及び負極板3やセパレータ4に含まれることとなることもある。又、反対に、正極板2及び負極板3やセパレータ4に予め塗布されたリン酸塩が非水電解液中に移動して非水電解液にも含まれることとなることもある。
正極板2及び負極板3にリン酸塩を含ませる具体的な手段としては、正極活物質及び負極活物質とリン酸塩を溶媒中混合し、集電体に塗工し乾燥する方法や、正極板2及び負極板3を、可溶な溶剤に溶かしたリン酸塩に浸漬する方法(ディッピング)や、スプレーや刷毛塗り等の方法を用いて正極板2及び負極板3にリン酸塩を塗布する方法を挙げることが出来る。そして、乾燥させた後に電極体の作製に供する。セパレータ4表面に分散、あるいは固着させる場合にも同様の方法を用いることが出来る。これらの方法により、対象物にリン酸塩が含まれることは、電池を作製した後に、電池を解体し、対象物(正極板、負極板等)を分析する(ICP分析法)ことにより、確認されている。
次に、本発明を実施例に基づいて、更に詳細に説明する。
[熱分析試験]金属リチウム、非水電解液、及び、リン酸塩としてリン酸アルミニウムを用い、それぞれの量を変えて混合した3つの試料を得て、それら試料の発熱量(μV・sec/mg(金属リチウムの質量))を測定した。3つの試料の成分の質量、及び発熱量を、表1に示す(実施例1〜3)。
Figure 2005190953
尚、測定に際しては、示差熱分析装置(TG/DTA300(Seiko Instruments社製)を使用し、N2気流(200cc/min)中、昇温速度10℃/minの条件とした。試料を収める容器にはAl23製のカップを使用した。非水電解液は、EC、DMC、及びDECの各有機溶媒を体積比で1:1:1となるように混合して混合溶媒を調製し、これに1mol/lの濃度となるように電解質であるLiPF6を溶解したものを使用した。
次に、リン酸アルミニウムを含めず、金属リチウムと非水電解液をそれぞれ所定量混合し、試料を得て、その試料の発熱量(μV・sec/mg(金属リチウムの質量))を測定した。その他の条件は、上記の通り(実施例1〜3と同じ)である。試料の成分の質量、及び発熱量を、表1に示す(比較例1)。
[電池過充電試験]マンガン酸リチウムを正極活物質とし、これに導電助剤としてアセチレンブラックを外比で4質量%添加したものに、更に溶剤、バインダを加えて調製した正極剤スラリーを、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にそれぞれ約100μmの厚みとなるように塗工して正極板を作製した。又、リン酸塩としてリン酸アルミニウムを用い、その所定量のリン酸アルミニウムを黒鉛に混合したものを負極活物質として、厚さ10μmの銅箔の両面にそれぞれ約80μmの厚みとなるように塗工して負極板を作製した。得られた正極板と負極板とを、セパレータ(PP/PE/PP(三層))を介して捲回し、円筒型の単セル電極体を得た。得られた単セル電極体を、アルミニウム製の電池ケースに格納した後に、非水電解液を充填し、電池ケースを封止して電池を得た。得られた電池に対して、200Aの電流、最大電圧18Vで過充電を3分間行い、電池の様子を観察した。リン酸アルミニウムの負極活物質に対する質量%、及び電池の様子(観察結果)を、表2に示す(実施例4)。尚、後に電池を解体し、ICP分析法によって、負極板に所定量のリン酸アルミニウムが含まれることを確認した。
Figure 2005190953
尚、非水電解液は、実施例1〜3と同様のものを使用した。電池の作製は、全てドライプロセスにより行った。電池の封止不良等による電池外部からの水分浸入等の影響も排除した。電池の容量は5Ahであった。
次に、負極活物質を得る際に黒鉛に混合したリン酸アルミニウムの量を変えて、別の2つの電池を作製し、得られた2つの電池に対してそれぞれ過充電を行い、電池の様子を観察した。リン酸アルミニウムの量以外の、電池の作製条件、過充電条件等の条件は、上記の通り(実施例4と同じ)である。リン酸アルミニウムの負極活物質に対する質量%、及び電池の様子(観察結果)を、表2に示す(実施例5,6)。
次に、リン酸アルミニウムを含めない黒鉛を負極活物質として、別の電池を作製し、得られた電池に対して過充電を行い、電池の様子を観察した。リン酸アルミニウムを含めないこと以外の、電池の作製条件、過充電条件等の条件は、上記の通りである(実施例4と同じ)。リン酸アルミニウムの負極活物質に対する質量%(0質量%)、及び電池の様子(観察結果)を、表2に示す(比較例2)。
(評価)表1に示される実施例1〜3及び比較例1の結果より、リン酸アルミニウムの量が増えるに従って、熱暴走の原因である金属リチウムと非水電解液との反応による発熱量が低下することがわかる。又、表2に示される実施例4〜6及び比較例2の結果より、リン酸アルミニウムを添加した電池は破裂発火せず、高い安全性を示した。
本発明のリチウム二次電池は、例えば、電気自動車やハイブリッド電気自動車の動力源、ノート型パソコン用や、ポータブルCD又はMD若しくはカセットレコーダ用、あるいは電話・カメラ・GPS・ラジオ・テレビ等の機能を有する携帯電子機器用の電源、各種バックアップ電源、大型電力貯蔵用システム、等に好適に使用出来る。
捲回型電極体の概略構造を示す斜視図である。 積層型電極体の概略構造を示す斜視図である。
符号の説明
1…捲回型電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパレータ、5…電極リード、6…電極リード、7…積層型電極体、8…正極板、9…負極板、10…セパレータ、11…電極リード、12…電極リード、13…巻芯。

Claims (7)

  1. 正極板と負極板とセパレータとを有する電極体と、リチウムイオン電解質が含まれる非水電解液と、を具備するリチウム二次電池であって、
    電池内部にリン酸塩(電解質は除く)が存在するリチウム二次電池。
  2. 前記リン酸塩が、金属リン酸塩である請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記金属リン酸塩が、リン酸アルミニウムである請求項2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記リン酸塩が、前記負極板に含有されている請求項1〜3の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記リン酸塩の含有量が、前記負極板に含有される負極活物質に対して、0.1〜50質量%である請求項4に記載のリチウム二次電池。
  6. 放圧機構を備える請求項1〜5の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
  7. 電気自動車又はハイブリッド電気自動車においてモータ駆動用の電源、乃至、エンジン起動用及び制御用の電源として用いられる請求項1〜6の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
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