JP2001283769A - Qポール型質量分析計 - Google Patents
Qポール型質量分析計Info
- Publication number
- JP2001283769A JP2001283769A JP2000101056A JP2000101056A JP2001283769A JP 2001283769 A JP2001283769 A JP 2001283769A JP 2000101056 A JP2000101056 A JP 2000101056A JP 2000101056 A JP2000101056 A JP 2000101056A JP 2001283769 A JP2001283769 A JP 2001283769A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pole
- ions
- mass spectrometer
- measured
- region
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/26—Mass spectrometers or separator tubes
- H01J49/34—Dynamic spectrometers
- H01J49/42—Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
- H01J49/4205—Device types
- H01J49/421—Mass filters, i.e. deviating unwanted ions without trapping
- H01J49/4215—Quadrupole mass filters
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
- Electron Tubes For Measurement (AREA)
Abstract
あって、ガス分子の連続的な質量分析を行うことがで
き、Qポール端面(フリンジング)付近の端電場の影響
を少なくするために高速でイオンを入射させても、正常
な質量分別を行うことのできるQポール型質量分析計を
提供する。 【解決手段】 Qポール型質量分析計のQポール領域内
における計測すべきイオンの径方向の動きと、軸方向の
動きとが独立していることに着目し、減圧された雰囲気
ガス中に設置されたQポール型質量分析計において、イ
オン源側からコレクタ側に向けて前進する計測すべきイ
オンの軸方向の動きを、Qポール領域内において制御し
つつ、径方向の四重極高周波電界によるクーロン力によ
って前記計測すべきイオンを質量分別するQポール型質
量分析計によって課題を解決した。
Description
気中にてガス分子の質量を計測するための質量分析計に
関する。特に、0.1Pa以上の比較的高圧の雰囲気中
でも使用可能である質量分析計、および小型で高質量分
子を高感度で計測可能である質量分析計、並びに極微量
なガスを計測可能である質量分析計に関する。
どとも呼ばれるQポール型質量分析計は、小型・シンプ
ルな構造と容易な制御にて広いダイナミックレンジを持
った高感度な計測が行えるため、ガス分子の質量を測定
する質量分析計として非常に一般的なものとなってい
る。Qポール型質量分析計は、ガスをイオン化するイオ
ン源、イオンの質量分別を行うQポール、質量分別され
たイオンを検出するコレクタにより構成され、通常0.
01Pa以下の低い圧力の雰囲気中にて動作される。図
9に通常動作条件での従来のQポール型質量分析計を示
す。
オーダの高精度で平行配置されており、通常長さが10
0〜300mm、対向するポールの間隔が5〜10mm
となっている。各ポールには、1〜5MHz程度の高周
波電圧:Vと直流電圧:Uが印加される。正確には対向
するポールに同じV、U電圧を、隣接するポールには−
V、−U電圧を印加する。これらによって径方向に関し
ては、特有な四重極電界(双曲電界)が形成される。こ
の四重極電界の軸上付近に存在するイオンは、クーロン
力により径方向に振動し、V、Uの値によって決められ
る特有な質量/電荷以外のイオンは軸外に放出される。
においても同じ電位となり軸方向の電界(電位の位置変
化率)はゼロとなる。そのため、イオンには軸方向のク
ーロン力は発生しない。同じ電位となるのは、ポールが
一体で同電位となりポールの軸方向位置によって電圧が
変化していないためである。すなわち、どの軸方向位置
においても軸に垂直な断面では、全く同じ電界が形成さ
れているために、軸方向の電界は発生していないのであ
る。
位(四重極電界の中心電位)よりも10V程度高くし、
イオンを10eVの直進エネルギーに対応する速度(速
度10eV)にてQポール内を前進させる。この時、径
方向に関しては、特定な質量/電荷を持ったイオンだけ
が安定的に振動を続ける。そこで、特定なイオンのみが
Qポールを通過し、コレクタにて検出され信号となる。
特定な質量/電荷を持たないイオンは、途中で散逸され
る。このように、Qポール内におけるイオンの径方向の
動きと軸方向の動きとは、完全に独立している。
り、計測されるイオンの質量/電荷を選択することが出
来、1〜1000amu(atomic mass u
nit:原子質量単位)程度のイオンを計測することが
可能である。しかし、質量数Mamuのイオンを十分な
分解能で質量分別するためには、Qポール内で、少なく
とも(M/0.5)0.5 の2〜4倍の振動が行われな
ければならない。つまり、2amuでは5回、50am
uでは30回、100amuでは50回、300amu
では100回程度の振動が必要となる。すなわち、この
振動に要する時間よりも、イオンのQポール通過時間を
長くする必要がある。そこで、Qポールの長さ、高周波
振動数との関係から、質量分別が達成し得るイオンの速
度が決められる。例えば、Qポールの長さが200m
m、高周波振動数が2MHzの場合、およそ速度15e
Vにて、全ての質量範囲に必要な振動数をちょうど満足
する。したがって、質量分別が達成し得るイオンの速度
は約15eVが最大となり、より十分な分解能を得るた
めには5〜10eVの速度とすることが必要となる。
の雰囲気にて使用されるとしたが、0.01Pa以上の
高圧雰囲気で動作されると雰囲気ガスとイオンの衝突が
発生して正常な計測が阻害される。以下、この説明を行
う。
スに衝突せずに進むことのできる平均距離のことであ
り、雰囲気の圧力(密度)に反比例する。厳密には、雰
囲気ガスとイオンの大きさ、質量、速度にも関連するの
で、圧力だけでなくガスの種類やイオンの速度にも依存
する。0.1PaのAr雰囲気中であれば、平均自由行
程はHeイオン(4amu)で120mm、CO2イオ
ン(44amu)で60mmとなり、300amuの大
きなイオンでは33mm程度となる。
り小さい、例えば、雰囲気圧力が1Paの場合には、Q
ポールを通過するイオンは統計的(平均的)には必ず雰
囲気ガスと衝突する。簡単のため、衝突は必ず軸方向で
正面衝突するものとみなす(実際には径方向の衝突成分
もあるが、平均すれば相殺されて無視することができ
る)。
には、イオンは衝突時に雰囲気ガスからの圧力を受けて
速度が大幅に低下する。したがって軸方向の速度は衝突
のたびに遅くなり、最終的にはQポール内にて停止して
しまう。ただし、径方向の振動に関しては変化はない。
この状況を図10に示した。
がより大きいほど少ない。すなわち、重いイオンほどあ
まり減速しない。一方、イオンが雰囲気ガスより質量が
小さい場合には、衝突後には跳ね返ってイオンの進行方
向が逆になってしまう。質量が同じ場合には、一回の衝
突で停止してしまう。これらの衝突前後の速度変化は、
次式で統一的に表される。 V2=V1(Mi−Mg)/(Mi+Mg) ここに、V1:イオンの衝突前速度、V2:衝突後速度、
Mi:イオンの質量、Mg:雰囲気ガスの質量である。
り、停止・逆行を含めた減速が発生し、Qポール内での
イオンの前進が阻害される。そのために、通常は、平均
自由行程がQポールの長さより大きくなる0.01Pa
以下の圧力で使用される。
を測定する場合には、Qポール型質量分析計の領域のみ
差動排気を行い圧力を下げ、そこに小さなコンダクタン
スの導入パイプを経てガスを導入しなければならなかっ
た。この複雑な構造によりコスト・信頼性の問題だけで
なく、測定すべきガスの濃度が薄くなり感度が劣化する
という問題も発生させていた。工業的には測定すべきガ
スが大気圧であるケースが圧倒的に多いが、この場合に
は2〜3段の差動排気が必要で特に問題が深刻であっ
た。
も動作が可能とする超小型のQポール型質量分析計が開
発されている。これは、原理的には通常のQポール型質
量分析計と同じであるが、Qポールの長さを10mm
(通常の1/10)程度と短くして、0.1〜1Paで
の平均自由行程より短い距離内で質量分別してしまう方
式である。しかし、Qポールの長さが短いのでポール間
隔も1mm以下とする必要があり、要求されるQポール
の位置精度が非常に厳しくなる。そのため、現状では十
分な性能が達成できず、製造での困難さとコストも増大
している。
特に高質量分子の感度を劣化させる深刻なフリンジング
問題が存在する。フリンジング問題は、Qポールの端面
(フリンジング)付近において電界がQポール中央付近
より弱くかつ乱れていることにより発生するもので、端
面電界問題、端電場問題とも呼ばれる。正常な電界とな
っているQポール内では安定的な振動となる特定なイオ
ンも、フリンジング領域では、不安定な軌道となって発
散してしまい、感度の大幅な低下が引き起こされる。
入口フリンジング領域での影響は非常に大きく、出口側
(コレクタ側)すなわち出口フリンジング領域ではほと
んど影響しないことが知られている。これは、入口フリ
ンジング領域を通過するイオンは、少しでも入射方向や
位置がずれるとその後の質量分別に大きな影響を与える
が、出口フリンジング領域を通過するイオンは、その後
コレクタに入りさえすれば良いからである。
ル間隔に等しい距離までは電界が乱れていると考えられ
るので、フリンジング領域は概ねポール間隔の2倍の長
さとなる。Qポール内で電界が乱れていないQポール領
域は、ポールの長さからフリンジング領域を差し引いた
長さとなる。
領域における振動回数に比例して大きくなる。そのた
め、悪影響の度合いはイオンの軸方向速度に逆比例する
ことになる。すなわち、イオンの速度が遅ければ、フリ
ンジング領域にイオンが滞在する時間が長くなり、不安
定な振動が繰り返され悪影響が大きくなる。実験的に
も、フリンジング領域での振動が1回以上となると悪影
響が急増することが知られている。
高質量ほど速度が遅くなるので、フリンジング問題は高
質量で非常に深刻となる。例えば、フリンジング領域の
長さが5mm、高周波振動数が2MHzの場合であっ
て、イオンの速度が5eV、15eV、30eVの時、
フリンジング領域における振動回数は、それぞれ、2a
muでは0.5回、0.26回、0.2回、28amu
では1.7回、0.98回、0.7回、50amuでは
2.3回、1.3回、0.9回、100amuでは3.
2回、1.7回、1回、300amuでは5.6回、
3.2回、2.3回となる。すなわち、速度5eVでは
28amu以上で、速度30eVでも100amu以上
でフリンジング問題の悪影響が出る。
域内での滞在時間が短くなり悪影響は低減するが、上述
の質量分別において振動数が不足し必要な分解能が得ら
れなくなる。そこで、実際には両方の問題が妥協できる
10eV程度の直進エネルギーが採用されている。しか
し、この条件でも、フリンジング問題により100am
uでは1/5、300amuでは1/100程度まで感
度が低下することが知られている。
ろいろな方法が考案されている。特公昭40−1744
0号では高周波電圧と直流電圧の比率を変えた複数のセ
グメントのQポールを使用している。入射側のQポール
では、分解能を大きく設定してフリンジング問題を低減
し、順次分解能を小さくして中央のQポールで所要の分
解能が得られるようにしている。しかし、構造が複雑と
なる上、各セグメントのQポール間での電界の乱れによ
る性能劣化が新たに発生するという問題があった。な
お、Qポールは各セグメントに分かれているものの、各
Qポールの軸上の電位は同じである。したがって、軸上
における軸方向の電界はゼロで、イオンの軸方向速度は
一定となっている。
グ部にノズルを配置しているが、ノズル自体が新たに電
界を乱すという問題があった(100amuでは1/
5、300amuでは1/100となるデータは、この
ノズル方式での結果である)。
をアース電位ではなく、例えば100Vと高くすると同
時に、イオン源の電位を110V、イオン源とQポール
間の電位を0Vとすることも行われている。この場合に
は、イオンはフリンジング領域を速度100eVの高速
で通過するので悪影響が少なくなり、またQポール領域
内ではイオンは減速して速度10eVの低速で前進する
ので正常に質量分別がなされる、との考えである。
ど効果を挙げていない。これには二つの原因がある。ま
ず、Qポール内の軸上電位とQポール外の電位に大きな
差が発生したため、直流電位成分が大きく歪みフリンジ
ングの悪影響がより強くなっているからである。つぎ
に、イオンが減速している位置は、正確にはフリンジン
グ領域内(最終端近く)であって、決してQポール領域
内ではない。軸方向の電界が存在すればイオンは減速す
るが、その軸方向の電界が軸に垂直な断面で完全に一様
でなければ悪影響が発生する。つまり、その位置はまさ
しくフリンジング領域となる。そのため、この方式では
実際にはフリンジング領域内での振動回数は低減してい
ないからである。特に、この減速電界はQポール側の四
重極電界と外側の一様な電界(無電界)の非対称な電界
から形成されているため、その断面は一様とはならず電
界が大きく乱れている。
グ問題に対する対策はなく、高質量分子を高感度で計測
できるQポール型質量分析計は存在していなかった。
類似している3次元四重極型質量分析計(イオントラッ
プ)が実用化されている。イオントラップでは、Qポー
ル型質量分析計のようにイオンが一方向に移動しながら
質量分別されるのはなく、3次元四重極内の同じ領域に
留まりながら質量分別される。しかし、3次元四重極内
の高周波電界と直流電界によって、特定な質量/電荷を
持ったイオンのみを検出するという原理は全く同じであ
る。これらは、特公昭60−32310号、特公平4−
49219号、特公平8−21365号などで詳しく示
されている。
要であるため0.1Paの高圧雰囲気でも計測できるこ
と、フリンジング(端面)が存在しないため高質量ガス
を感度劣化なしに計測できることのメリットがある。ま
た特定ガスのイオンは蓄積し、その他は除去する濃縮機
能により、極微量なガスの計測を行えるというメリット
もある。しかし、同じ領域にイオンが留まるため、空間
電荷の影響で多くのイオンを同時に計測できることがで
きずダイナミックレンジが狭いこと、イオン溜め込みと
質量掃引を交互に行うために複雑な制御が必要であるこ
と、イオン源の拡張性がないことなどの問題がある。
aの高圧でも計測可能であることは注目に値する。すな
わち、軸方向に移動しないとしても、イオンは3次元四
重極内で振動しているので実質的には十分に長い行程を
持っている。この行程は0.1Paでの平均自由行程よ
りも遥かに長くイオンは雰囲気ガスと何回も衝突してい
るが、質量分別は問題なく行われている。これは、安定
的な振動をしているイオンが、衝突によりイオンの軌道
が変更されても安定振動を維持することを示している。
磁場偏向型の質量分析計では、イオンの軌道が途中で変
われば必要な初期条件が失われ、以後の質量分別が全く
不可能となることと対称的である。
分析計と同じものとして荷電粒子の非接触的保持・輸送
を目的とした四重極レール装置が存在しており、四重極
電極を水平面から傾け、帯電粒子を、重力を利用して四
重極の中心軸上、つまり軸方向へ非接触のまま下方へ滑
降させる方法や、粒子と同極性に帯電させた絶縁物を粒
子に近づけその反発力により粒子を軸方向に移動させる
方法などが知られている。
用した方法では、粒子(荷電粒子)の質量は、ガス分子
などと比べると非常に大きい。すなわち、四重極レール
装置は、ガス分子などの質量分別が目的ではなく、質量
の大きな粒子、例えば、結晶構造を有する物質の粒であ
るパーティクルなどの測定に用いられる装置である。仮
に、この粒子(荷電粒子)がイオン化されたガス分子
(イオン)である場合は、イオンがQポール領域を通過
するのに要する時間が極端に長くなってしまい、計測器
として実用にほど遠いものとなる。
極性に帯電させた絶縁物との反発力を利用した方法で
は、Qポール領域に入射された帯電粒子をクーロン力の
反力を利用してQポール領域外へ押し出さなければなら
ないので、必然的に四重極電界に乱れが生じ、正常な質
量分別が不可能となる。さらに、この方法では、駆動機
構はQポール領域にそって往復動作するため、帯電粒子
を連続的にQポール領域外へ輸送することができない。
したがって、質量分析器として、この方法もまた実用に
ほど遠いものとなる。
分析計では、四重極電界を利用する原理こそ同じである
が、研究のために大きなパーティクルの非接触保持・輸
送を主目的としている四重極レールと、計測のためにガ
ス分子の連続的な質量分別を目的としたQポール型質量
分析計では、その用途・機能・構造はまったく異なる。
従って四重極レールの粒子輸送方法をQポール型質量分
析計に応用するすることは性能上および実用上の観点か
ら全く不可能である。
分析計において、0.1Pa以上の高圧雰囲気では、イ
オンが雰囲気ガスと衝突して軸方向の速度がゼロにな
り、Qポール領域内で停止し、コレクタに検出されなか
った。
送する方法として、重力や同極に帯電させた絶縁物を近
づけて、その反力を利用したものなどがあるが、いずれ
の方法によってもガス分子の連続的な質量分別を行うこ
とは不可能であった。
させるQポール端面(フリンジング)付近の端電場の影
響を少なくするためにイオンを高速入射すると、そのま
ま高速でQポール領域内を通過するので必要な振動回数
が得られず、正常な質量分別が行われないなどの問題が
あった。
計測を行えないという問題点もあった。
におけるイオンの径方向と軸方向の動きが完全に独立し
ていることに注目し、径方向でのイオンの動き、すなわ
ち質量分別の機能は従来どうりとしながら、軸方向の力
を与える種々の方法によってイオンの軸方向の動きを制
御することにより上記問題を解決した。
の速度が低下したイオン、あるいはほとんど停止するま
でに減速されたイオン(なお、これらのQポール領域内
におけるイオンの軸方向の速度の低下、減速は、イオン
が雰囲気ガスと衝突することによって引き起こされるも
のである。)に対して、Qポール領域内において新たな
軸方向の力を連続的に、あるいは間欠的に与えて加速さ
せ、前進を続行させてコレクタにて検出できるようにし
た。
せるため高速入射されたイオンを、Qポール領域内にお
いて新たな軸方向の力を与えて減速させ、あるいはほと
んど停止するまでに減速させ、正常な質量分別が行える
ようにした。
方向の速度をほぼゼロとし、特定ガス(極微量なガス)
のイオンのみを蓄積し(Qポール領域内に滞留させ)、
その他は除去する濃縮機能を持たせ、当該蓄積(滞留)
した特定ガス(極微量なガス)のイオンをコレクタ側に
射出する工程を間欠的に行うようにした。
して、本発明は、以下の手段を採用するものである。 1)Qポール型質量分析計を構成する4本のQポールが
それぞれ軸方向位置によって異なる直流電位を有し、当
該4本のQポールの軸方向での同位置では4本とも、直
流電圧:Uを除けば、等しい直流電位を持つように構成
されているQポールにより形成された電界により発生す
るクーロン力。 2)計測すべきイオンの雰囲気ガスとの衝突により発生
する反力。 3)計測すべきイオンが、Qポール領域内にて新たに軸
方向の力を受けなくても、Qポール領域を通過できるよ
うに、Qポール長さ、雰囲気ガスの種類と圧力、イオン
源とQポールの軸上電位を設定して行う制御。 4)計測すべきイオン自体によりQポール領域内に形成
された空間電荷により発生するクーロン力。 5)径方向に印加された四重極高周波電界に同期した高
周波磁場により発生するローレンツ力。 6)径方向に印加された時間的に強度変化する磁場によ
り発生する電磁誘導力。
よいし、複合させて用いることもできる。例えば、電界
により発生するクーロン力のみによって軸方向でのイオ
ンの動きを制御することもできるし、電界による制御と
空間電荷による制御とを複合させて軸方向でのイオンの
動きを制御することもできる。
を参照して説明する。
略図である。本実施例で説明するQポール型質量分析計
は、高圧の雰囲気中でも動作可能で、かつ高質量分子を
高感度で計測可能なQポール型質量分析計であり、Qポ
ール領域内において計測すべきイオンの軸方向の動きの
制御を、4本のQポールがそれぞれ軸方向で異なる直流
電位を有し、当該4本のQポールの軸方向の同位置では
4本とも、直流電圧:Uを除けば、等しい直流電位を持
つように構成されているQポールにより形成された電界
によって発生するクーロン力で行うものである。
来品と同一であるので、その説明は省略する。Qポール
1の長さは、従来品と同じ100〜300mmとするこ
とができるが、本実施例のQポール型質量分析計におい
ては、Qポール1表面に、らせん状に抵抗薄膜3が形成
されている点が従来品と相違している。抵抗薄膜3とQ
ポール1表面との間には絶縁薄膜2が挟まれている。図
1中、符号8で示されている部分が抵抗薄膜形成部とな
る。
出面(薄膜がなくQポール1本来の表面が露出している
所)の幅はほぼ同じである。抵抗薄膜3の入口側には2
00V、出口側には100Vの直流電位が印加されてい
る。
るので、Qポール1内の電位は軸方向の位置、すなわち
入口から出口の位置まで一定の率で減少している。その
ため、Qポール1内の軸上には軸方向に関して、イオン
が前進する方向の電界が形成されており、イオンにはク
ーロン力が働き加速される。
V、コレクタ5に0Vが印加されている。
型質量分析計と同じく、V、U電圧が印加されている。
直流電位としては0Vとなる。そのため径方向に関して
は、下地露出面からのV、U電圧により四重極電界が形
成される。ただし、電界の加法法則により抵抗薄膜3か
らの直流電位が重層(重畳)するので、四重極電界の全
体の電位がQポール1の軸方向の位置によって変化して
いる。
がら、径方向では質量分別が行われる(ただし、直流電
位とV、U電圧の露出面は半分ずつとなるので、電界の
絶対値は、全面がV、U電圧の露出面である場合の半分
の大きさとなる)。
来のQポール型質量分析計が用いられる限界を大きく超
えた1Pa程度となっている。
mm以内となり、Qポール1内ではイオンは必ず雰囲気
ガスと衝突する。そのため、イオンは図1中、符号9で
示すように、軸方向に関して衝突直後に一旦減速する
が、本実施例のQポール型質量分析計においては、上記
クーロン力により直ちに加速される。加速されたイオン
はふただび雰囲気ガスと衝突し減速・加速を繰り返し、
Qポール1内ではイオンはあまり高速にならずに前進を
続ける。
るQポール1内で20回以上の衝突が発生するので、例
えば雰囲気ガスと同質量のイオンでは、前進の速度は最
大でも2.5eV(=50/20)となり十分に質量分
別が行われる。重いイオンの場合には減速の割合が小さ
いが、電圧勾配を小さくしたり雰囲気ガスの質量を大き
くして前進の速度を低く抑えることができる。
長さを持つ入口フリンジング領域6では、ほとんどのイ
オンは衝突せずに100eVもの高速で通過する。その
ため、フリンジング問題の悪影響はほとんどない。出口
フリンジング領域7を50eVで通過したイオンはコレ
クタ5にて検出される。
可能で、しかも高質量分子を高感度で計測することが可
能である。
表面の抵抗薄膜3の面積を下地露出面よりも十分に大き
くあるいは全面薄膜とすると同時に、薄膜に直流電位だ
けでなくV電圧、U電圧を重層(重畳)させることによ
って同様な動作を行わせることもできる。
略図である。本実施例で説明するQポール型質量分析計
は、高質量分子を高感度で計測可能なQポール型質量分
析計であり、Qポール領域内において計測すべきイオン
の軸方向の動きの制御を、4本のQポールがそれぞれ軸
方向で異なる直流電位を有し、4本のQポールの軸方向
の同位置では4本とも、直流電圧:Uを除けば、等しい
直流電位を持つように構成されているQポールにより形
成された電界によって発生するクーロン力で行うもので
ある。
量分析計とは、Qポール1において導電薄膜10が追加
され電圧印加状況が異なる点、および雰囲気ガスの圧力
が0.1Pa以下である点が異なるのみで、他は同様で
ある。
ては、Qポール1の中央に、Qポール1表面との間に絶
縁薄膜2を介在させて、らせん状に導電薄膜10が形成
されており、Qポール1の両端側には、Qポール1表面
との間に絶縁薄膜2を介在させて、らせん状に抵抗薄膜
3が形成されている。図2中、符号8、8で表される部
分が、らせん状に抵抗薄膜3が形成されている抵抗薄膜
形成部、符号11で表される部分が、らせん状に導電薄
膜10が形成されている導電薄膜形成部である。そし
て、中央の導電薄膜10に200V、抵抗薄膜3の最両
端に0Vが印加されている。イオン源4には110V、
コレクタ5には0Vが印加されている。
部8においては、前記実施例1の場合とは逆に、Qポー
ル1内の電位は軸方向の位置、すなわち入口から導電薄
膜10が形成されている位置まで一定の率で増加してい
る。そのため、Qポール1内の軸上には軸方向に関し
て、イオンが前進する方向と反対方向の電界が形成され
ており、イオンにはクーロン力が働き減速される。
受けないように110eVの高速でここを通過したイオ
ンは、入口に近い抵抗薄膜形成部8において、前進方向
とは逆の電界により、質量分別が達成され得る速度であ
る10eVまで減速される。
ては、0.1Pa以下の圧力のため、ほとんどのイオン
は雰囲気ガスと衝突せず中央部では10eVの低速のま
ま前進する。
ば、イオンの速度を20eV以下にまで減速すれば、質
量分別を達成し得る。
部8に達したイオンは、前記実施例1の場合と同じよう
に、前進方向の電界により加速され、出口フリンジング
部7を100eVの高速で通過しコレクタ5にて検出さ
れる。
行われる一方、フリンジング部での悪影響はほとんどな
い。そのため、高質量分子を高感度で計測することが可
能である。
部を実施例1と同様に抵抗薄膜3として電位勾配をつけ
れば、1Pa程度の高圧の雰囲気中でも動作可能とな
る。
する概略図である。本実施例で説明するQポール型質量
分析計は、高圧の雰囲気中でも動作可能なQポール型質
量分析計であり、Qポール領域内において計測すべきイ
オンの軸方向の動きの制御を、雰囲気ガスとの衝突によ
る反力によって行うものである。
ン源4とコレクタ5が、ガスが通り抜け得る構造となっ
ており、そこをキャリアガスが流れている構造になって
いる点を除き、従来のQポール型質量分析計と同様であ
る。
1Pa程度で、キャリアガスはQポール1内を符号14
で示されるように、イオンの前進する方向に流れてい
る。
ては、イオンはキャリアガスと衝突するたびに前進方向
の反力を受けるので、図3(b)に示すように、イオン
の軌道15は、符号16で示す衝突と停止を繰り返しつ
つ、キャリアガスの流れに乗って前進する。
キャリアガスの流れとともにQポール領域に入り、軸方
向に関しては質量分別が達成され得る速度である20e
Vを大きく下回る低速で前進し、径方向に関する四重極
電界によって質量分別が行われる。
ては、図3(a)図示のように、細いノズル形状の入口
電極12と出口電極13を採用することにより、フリン
ジング領域での電界の乱れを小さくするとともに、フリ
ンジング領域でのキャリアガスの流速を早めてフリンジ
ング問題による悪影響を低減させることができる。
略図である。本実施例で説明するQポール型質量分析計
は、高圧の雰囲気中でも動作可能で、かつ高質量分子を
高感度で計測可能なQポール型質量分析計であり、Qポ
ール領域内において計測すべきイオンの軸方向の動きの
制御を、Qポールの長さ、雰囲気ガスの種類と圧力、イ
オン源とQポールの軸上電位の各条件を設定することに
よって行うものである。
オン源4に印加される直流電圧、Qポール長さ、および
雰囲気ガスの種類・圧力及び、Qポールの軸上電位を除
いて従来例と同様である。
ル1の長さは200mm、雰囲気ガスが1PaのHe、
Qポール1の軸上電位は0Vとなっている。
流量バルブを通して減圧された雰囲気に導入して、1P
aのHe圧力を持続させる。
スのHeと衝突し、図4中、符号16で表されるよう
に、衝突、停止を繰り返しつつ、次第に減速していく。
衝突回数が少ない入口フリンジング領域6の初期段階で
はイオンの速度は速すぎるが、多数の衝突を経た出口フ
リンジング領域7の最終段階でもイオンの速度は最後ま
で残っており、イオンはコレクタ5まで到達し検出され
る。
下であるHeおよびH2 のイオンでは衝突により完全停
止および逆行するので、本実施例では雰囲気ガスと同質
量以下のガスは原理的に測定不可能であり、雰囲気ガス
と同質量以上のガスが測定可能である。
の長さ、雰囲気ガスの種類と圧力、イオン源4とQポー
ル1の軸上電位の各条件がある関係を満足しなければな
らない。すなわち、イオンが速すぎると質量分別が不可
能で、遅すぎるとコレクタ5に達しない。必要な条件
は、上述の、衝突前後の速度変化の式{V2=V1(Mi
−Mg)/(Mi+Mg)}から得られる減速割合を公比
とした等比級数の式から求められる。ただし、計算の際
には、イオンの平均自由行程としては径方向での振動に
よる行程も含めることに注意しなければならない。
大きく異なるイオンを測定するので、厳密に必要な諸条
件を決めることは困難である。しかし、本実施例の条件
とすると10〜500amuの広範囲のガスに対して必
要な振動数を満足し正常に質量分別することができる。
0amuでは60回、300amuでは110回程度の
振動回数を達成し、上述の質量分別に必要な振動回数を
満足している。この時Qポール内で、50amuで5
回、100amuで15回、300amuで50回程度
の衝突が発生して適切な減速が実現している。
高速で入口フリンジング領域6を通過するので、フリン
ジング問題の悪影響はほとんどなく、高質量分子を高感
度で計測することが可能である。この入口フリンジング
領域6を通過するイオンの速度は、高速であればあるほ
どフリンジング問題の悪影響を受けないこととなるが、
30eV以上の速度で入口フリンジング領域6を通過す
るようにしておけば、フリンジング問題の悪影響をあま
り受けないようになる。
定すれば、条件を最適化して分解能をより向上させるこ
ともできる。例えば雰囲気ガスを0.1PaのArとす
ると、300amu程度のイオンは50回程度衝突し、
振動回数は250回程度にもおよぶ。
略図である。本実施例で説明するQポール型質量分析計
は、高圧の雰囲気中でも動作可能で、かつ高質量分子を
高感度で計測可能なQポール型質量分析計であり、Qポ
ール領域内において計測すべきイオンの軸方向の動きの
制御を、イオン自体の空間電荷によるクーロン力によっ
て行うものである。
ン源4、Qポール1、コレクタ5にそれぞれ印加される
直流電圧を除いて従来のQポール型質量分析計と同様で
ある。
ポール1には100V、コレクタ5には0Vが印加され
ており、これによって図5図示のように、Qポール領域
内での軸上電位が、入口フリンジング領域での軸上電位
よりも低く、かつ出口フリンジング領域での軸上電位よ
りも高く設定されている。
イオンがQポール領域内で最終的に停止する条件であれ
ばよい。この圧力としては、例えば、前記実施例で採用
した雰囲気ガスの圧力よりも少し高い圧力が考えられ、
例えば、Heの圧力を10Paに設定して行うことがで
きる。
は、雰囲気ガスとの衝突によりイオンはQポール領域内
に停止・滞留するが、そのままイオンの入射を続けると
次第に自らの電荷による電位、すなわち空間電荷による
電位を形成する。初期状態であれば、停止・滞留してい
る場所を中心として丘状の空間電荷(電位)が形成され
る。
位)の丘の裾野が両フリンジング領域まで達すると、空
間電荷(電位)の形状はイオンの前進すべき方向に下り
勾配をもった滑り台状に変化し始める。これは、出口フ
リンジング領域7に達したイオンはコレクタ電位による
外側(図では右側)向きの軸上電界によってコレクタ5
側に流れ出るのに対して、入口フリンジング領域6に達
したイオンはイオン源電位による内側(図では右側)向
きの電界によってQポール内に留まるからである。
受けているが、軸方向には最初(空間電荷が形成される
までは)、何の拘束も受けず自由に軸上を動ける。した
がって、イオンは自らの電荷と平衡するような形に分布
する。
は、イオンは軸方向に関して前進方向のクーロン力を受
ける。そのため、新たにQポール1内に入射し雰囲気ガ
スとの衝突により減速・停止したイオンは、このクーロ
ン力によってふただび加速され、質量分別されながらQ
ポール1を通過し、コレクタ5にて検出される。
にも加わるが、四重極型質量分析計の動作原理から径方
向への数eVの速度成分は許容されるので測定上の問題
とはならない。また、イオンは100eVもの高速で入
口フリンジング領域6を通過するので、フリンジング問
題の悪影響はほとんどない。
略図である。本実施例で説明するQポール型質量分析計
は、高圧の雰囲気中でも動作可能なQポール型質量分析
計であり、Qポール領域内において計測すべきイオンの
軸方向の動きの制御を、Qポールへ印加されるV電圧と
同期した径方向磁場によるローレンツ力によって行うも
のである。
ポール1の上下位置に磁場発生用のコイル17が設置さ
れている点を除いて従来のQポール型質量分析計と同様
である。
領域において磁気力線18が径方向の上下方向となるよ
うに形成される。そのため、径方向の左右方向に振動す
るイオンは磁場力線18を横切ることになり、軸方向の
ローレンツ力が発生する。磁場は高速で方向が変化する
高周波磁場となっており、高周波の位相はQポール1へ
印加されるV電圧と同期している。そのため、イオンが
振動で往復するたびに磁場方向が変わり、同位相で振動
しているイオンに対して加わるローレンツ力の方向は常
に一定となる。
符号16で表すように、減速・停止したイオンは、前進
方向の力を受け質量分別しながらQポール領域内を通過
することとなる。
の位相と同じであるが、残りは逆位相となる。そのた
め、前進して正常に計測されるイオンは半数のみで残り
半数は逆行することになるが、測定上の大きな問題とは
ならない。
えられるので、位相変換器を設置して最適位相に調整す
ることが望ましい。また、イオンの振動周波数は振動方
向によって異なるので、コイルの方向と周波数を最適と
するように調整することが望ましい。
悪影響は200ガウスより発生しはじめて300ガウス
で分解能が半分に劣化するので、適用される磁場の大き
さは200ガウス以内とすることが望ましい。
条件とした上で、イオン源4の電圧を60〜200Vと
高くしてイオンが入口フリンジング領域6を高速で通過
するようにすれば、高質量分子を高感度で計測も可能と
なる。
略図である。本実施例は、高圧の雰囲気中でも動作可能
であるQポール型質量分析計であり、Qポール領域内に
おいて計測すべきイオンの軸方向の動きの制御を行うた
めに、時間変化する径方向磁場による電磁誘導力を利用
したものである。
ポール1の左右のやや上方位置に磁場発生用のコイル1
7が設置されている点を除いて従来例と同様である。
領域において磁気力線18が径方向となるように形成さ
れる。磁場は急速な増加とゆっくりとした減衰が繰返す
鋸刃状磁場となっており、時間的に強度変化する磁場に
より発生する電磁誘導力19がイオンに加えられる。こ
の電磁誘導力は、交流電場が加えられている導電板に発
生する渦電流の現象として知られているものである。
自由に動けるので、電磁誘導力により軸方向の力を受け
ることになる。
の方向が前進方向となるようにしているので、イオンは
前進方向の力を長時間受けて長い行程を前進する。一
方、逆行方向となる急激な増加による電磁誘導力は加わ
る時間が短いため、逆行の実際の行程は短くなる。これ
は、前進・逆行いずれの行程も平均自由行程と衝突回数
の積で与えられるが、前進方向の方が衝突回数が多くな
るからである。
ルギー)は大きいが、これは衝突により失われてしまう
行程の増加には寄与しない。このため、平均すればイオ
ンは常に前進方向の力を受けることになる。
雰囲気ガスとの衝突により、符号16で表すように、減
速・停止し、ここで電磁誘導力19による前進方向の力
を受け、符号15で表すようなイオンの軌道を経て、質
量分別されながらQポール領域内を通過し、コレクタ5
に到達することになる。
場の周波数、位相は任意でよい。
条件とした上で、イオン源の電圧を60〜200Vと高
くしてイオンが入口フリンジング領域を高速で通過する
ようにすれば、高質量分子を高感度で計測可能となる。
略図である。本実施例で説明するQポール型質量分析計
は、高圧での雰囲気でも動作可能で、かつ極微量なガス
を計測可能であるQポール型質量分析計であり、Qポー
ル領域内において計測すべきイオンの軸方向の動きの制
御を、4本のQポールがそれぞれ軸方向で異なる直流電
位を有し、当該4本のQポールの軸方向での同位置では
4本とも、直流電圧:Uを除いて、等しい直流電位を持
つように構成されているQポールにより形成された電解
により発生するクーロン力によって行うものである。
れているが、これらの導電薄膜はQポールの全面を覆っ
ており下地露出面がなく、それぞれの導電薄膜には独立
可変の直流電圧と共通のV、U電圧が印加される。ま
た、Qポールの軸上電位は0Vとなっており、イオン源
には110V、コレクタには0Vが印加されている。こ
れらの点を除いて本実施例のQポール型質量分析計の構
造は、実施例2の場合と同様な構造となっている。なお
雰囲気ガスの圧力は1Paに設定されている。
ては蓄積モードと検出モードがあって、それぞれのモー
ドでは導電薄膜に印加される直流電位が異なる。蓄積モ
ードでは特定ガス(極微量なガス)のイオンが蓄積さ
れ、その他のイオンは除去される。間欠的に実行される
検出モードでは濃縮された特定ガス(極微量なガス)の
イオンが検出される。
膜にはQポール先端(イオン源近く)からそれぞれ10
0V、90V、90V、90V、120Vの直流電位が
印加されている。すなわち、Qポール内では電位勾配が
なく、Qポール内の両端付近では電位が高くなってい
る。そのため、イオン源で生成されたイオンは、入口フ
リンジング領域を110eVの高速で通過した後に、Q
ポール領域内にて減速され、質量分別が行われる。しか
し、計測すべき特定のガス(極微量なガス)の濃度は低
いので、質量分別された特定のガス(極微量なガス)の
イオンの数は非常に少なく、そのままイオンをQポール
領域からコレクタの方向に射出しても、バックグランド
ノイズに埋もれて信号として検出することができない。
は、Qポール内には電位勾配がないので、雰囲気ガスと
衝突を繰り返したイオンは、最終的には軸方向に関して
の動きがなくなり、完全に停止してしまう。しかし、イ
オン源からはイオンが次々にQポール内に入射するの
で、中央付近には特定ガスのイオンが蓄積され、時間と
ともに濃度が高くなる、すなわち濃縮される。濃縮され
たイオンには自らの空間電荷による斥力が働くが、Qポ
ール内の両端付近では電位が高くなっているので、イオ
ンはQポールの中央付近に留まり続ける。すなわち、計
測すべき特定のガス(極微量なガス)のイオンがQポー
ル領域内に滞留する。
領域内での計測すべき特定ガスのイオン滞留)が行われ
た後に、検出モードに切り換えられる。
膜にはQポール先端(イオン源近く)からそれぞれ10
0V、85V、70V、55V、40Vの直流電位が印
加される。Qポール自体の表面の電位は段階的である
が、軸上では空間電荷や電位変化の緩和により、連続的
な電位勾配が形成される。そのため、Qポール内の中央
付近に蓄積されていた特定ガスのイオンは、Qポールか
らコレクタの方向に射出され、コレクタにて電気信号と
して検出される。
少なくとも10-3秒以下となるので、その時に検出され
る信号量としては、通常の103以上の大きなものとな
り、バックグランドノイズの影響を無視することができ
る。ただし、バックグランドノイズは無視できても、一
回の計測ではデータとしては信号量が不十分となる場合
が多いので、検出モードを間欠的に動作させて信号量を
増加させる。すなわち、例えば、動作時間を蓄積モード
1秒、間欠的に実行する検出モード10-3秒として、こ
のサイクルを繰り返してデータ処理的な加算操作を行
う。
析計によれば、通常の方法では測定できないような極微
量なガスを計測することができる。
グランドノイズに完全に埋もれている場合には、データ
処理的な加算操作をいくら行っても信号として区別する
ことは困難である。そこで蓄積モードの動作時間設定
は、信号が少なくともバックグランドノイズと同等レベ
ル以上に増加することを基準にして決定される。
しかもQポールの全面を覆うものを採用したが、これ
は、実施例1、2のように抵抗薄膜や螺旋状薄膜を使用
することもできる。抵抗薄膜では、電位の急激な変化を
緩和してイオンに対する攪乱を減らしたり、あるいは電
位勾配をつけて、より高圧の雰囲気で動作可能とするこ
ともできる。螺旋状薄膜では、V、U電圧の印加がQポ
ールへの一ケ所だけで済むなどのメリットがあるが、薄
膜製作技術としては高度なものが要求される。なお、薄
膜をまったく使用せずに、複数のセグメントに分かれた
Qポールを使用することも、精度確保で不利があるとは
いえ、当然実行可能である。
い実施例を説明したが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握さ
れる技術的範囲において種々の態様に変更可能である。
ル領域内におけるイオンの軸方向の動きの制御方法をそ
れぞれ単独で実行してイオンの軸方向の動きを制御する
こともできるし、各実施例において説明したイオンの軸
方向の動きの制御方法を複合させて実行し、イオンの軸
方向の動きを制御することもできる。
て、計測すべきイオンの径方向とは独立な軸方向の動き
を、種々の方法により制御することによって、0.1P
a以上の高圧条件下における質量分析を可能にすること
ができ、しかも、連続的にガス分子の質量分析を行うこ
とが可能である。
せ、特に高質量のガスを高感度で計測することが可能と
なった。更にまた、特定イオンを濃縮して、極微量のガ
スを計測することが可能となった。
るという本発明によって、 1)高電圧動作、 2)フリンジング問題の影響の低減、 3)特定イオン濃縮、 の3つの効果が得られることになった。
な関係がある。そこで、これらの効果のうち、どれか一
つ、あるいはいずれかの二つ、あるいは三つを同時に得
るため、本明細書で説明した実施例をいろいろと変更
し、あるいは組み合わせることが可能である。
果を同時に得るために、イオン源4に200Vを印加
し、入口フリンジング領域を100eVの高速で通過さ
せている。しかし、これをイオン源4に110Vを印加
し、入口フリンジング領域を従来と同じ10eVで通過
させてもよい、この場合には、前記2)の効果がなくな
るが、1)の効果は維持されたままでイオン源への機械
的・電気的な負荷が軽減される。
2)、3)の効果を同時に得ており、動作圧力は1Pa
で、Qポール中央付近の電位は90Vとなっている。し
かし、動作圧力を0.1Pa以下とし、Qポール中央付
近の電位をQポール先端(イオン源近く)の電位(10
0V)に近い99Vとしてもよい。この場合には、前記
1)の効果がなくなるが、前記2)、3)の効果は維持
されたままとなる。なお、前記1)の効果がなくなるこ
とは、用途によっては、圧力制御を行わなくてもよいと
いう大きなメリットになる。
の出口側には100Vの一定電圧が印加されており、前
記3)の効果はない。しかし、この電圧を1秒間は20
0V、0.001秒間は100Vに繰り返し設定すれ
ば、前記3)の効果を得ることができる。
ではQポールの長さは従来例と同様な100mm〜30
0mmとしたが、本発明では必ずしもこの長さが必要と
いう訳ではない。Qポールの長さは従来のQポール型質
量分析計では十分な振動回数を得るために不可欠である
が、本発明では適当な条件を選べば100mm以下に短
くすることが可能である。特に、実施例3、4を除く他
の実施例による本発明では、Qポール領域でのイオンの
軸方向の速度を自由に制御、すなわちフリンジング領域
でのイオンの速度を高くしながらQポール領域内での速
度は十分に低くすることが出来るので、50mm以下の
Qポールでも高質量分子を十分な高感度で計測すること
が可能である。したがって、本発明では、従来より短い
Qポールを使用した小型のQポール型質量分析計を実現
することができる。
能な超小型Qポール型質量分析計は、Qポールの長さに
比例して間隔も狭くしなければならず位置精度が厳しく
なって実用的に大きな問題であった。これに対して本発
明では、従来例と同様の間隔、すなわち同じ位置精度で
よい。しかもQポールの長さが数分の一と短くすること
ができるので、同じ位置精度であってもその達成は飛躍
的に容易となる。このようにして、Qポール型質量分析
計における性能・コスト面で大きな障害であったQポー
ル位置精度の問題が、本発明により克服できる。
る概略図。 (b) 図3(a)の実施例におけるイオンの動きを表
す図。
説明する概略図。 (b) 本発明の第八の実施例の検出モードを説明する
概略図。
ル型質量分析計を説明する概略図。
質量分析計を説明する概略図。
Claims (14)
- 【請求項1】 減圧された雰囲気ガス中に設置されたQ
ポール型質量分析計において、イオン源側からコレクタ
側に向けて前進する計測すべきイオンの軸方向の動きを
Qポール領域内において制御しつつ、径方向の四重極高
周波電界によるクーロン力によって前記計測すべきイオ
ンを質量分別することを特徴とするQポール型質量分析
計。 - 【請求項2】 Qポール領域内における計測すべきイオ
ンの軸方向の動きの制御は、計測すべきイオンが減速し
た後、質量分別が達成され得る速度の範囲内で、より高
速となるように加速されるものであることを特徴とする
請求項1記載のQポール型質量分析計。 - 【請求項3】 Qポール領域内における計測すべきイオ
ンの軸方向の動きの制御は、計測すべきイオンをQポー
ル領域内に滞留させ、当該滞留したイオンのコレクタ側
への射出を間欠的に行うものであることを特徴とする請
求項1記載のQポール型質量分析計。 - 【請求項4】 Qポール領域内における計測すべきイオ
ンの軸方向の動きの制御は、計測すべきイオンが、Qポ
ール型質量分析計の入口フリンジング領域をフリンジン
グ問題の影響をあまり受けないような高速で通過した
後、質量分別が達成され得る速度以下となるようにQポ
ール領域内で減速されるものであることを特徴とする請
求項1記載のQポール型質量分析計。 - 【請求項5】 Qポール領域内における計測すべきイオ
ンの軸方向の動きの制御は、計測すべきイオンが、Qポ
ール型質量分析計の入口フリンジング領域をフリンジン
グ問題の影響をあまり受けないような高速で通過した
後、Qポール領域内で滞留し、当該滞留したイオンのコ
レクタ側への射出が間欠的に行われるものであることを
特徴とする請求項1記載のQポール型質量分析計。 - 【請求項6】 Qポール領域内における計測すべきイオ
ンの軸方向の動きの制御は、Qポール型質量分析計を構
成する4本のQポールがそれぞれ軸方向位置によって異
なる直流電位を有し、当該4本のQポールの同位置では
4本とも直流電圧:Uを除けば等しい直流電位を持つよ
うに構成されているQポールにより形成された電界によ
り発生するクーロン力を用いるものであることを特徴と
する請求項2乃至5のいずれか一項記載のQポール型質
量分析計。 - 【請求項7】 Qポール型質量分析計を構成する4本の
Qポールの表面の一部又は全部に薄膜を形成し、当該薄
膜に、Qポールの軸方向位置によって異なる前記直流電
位または、Qポールの軸方向位置によって異なる前記直
流電位及び高周波電圧:V、直流電圧:Uを印加するこ
とを特徴とする請求項6記載のQポール型質量分析計。 - 【請求項8】 Qポール領域内における計測すべきイオ
ンの軸方向の動きの制御は、前記計測すべきイオンの雰
囲気ガスとの衝突により発生する反力を用いることを特
徴とする請求項2乃至5のいずれか一項記載のQポール
型質量分析計。 - 【請求項9】 計測すべきイオンの雰囲気ガスとの衝突
により発生する反力を用いたQポール領域内における計
測すべきイオンの軸方向の動きの制御は、イオン源側か
らコレクタ側に向けて前記雰囲気ガスを流して行うもの
であることを特徴とする請求項8記載のQポール型質量
分析計。 - 【請求項10】 Qポール領域内における計測すべきイ
オンの軸方向の動きの制御は、前記計測すべきイオン
が、軸方向の力を受けなくても、Qポール領域を通過で
きるように、Qポール長さ、雰囲気ガスの種類と圧力、
イオン源とQポールの軸上電位を設定して行うことを特
徴とする請求項2乃至5のいずれか一項記載のQポール
型質量分析計。 - 【請求項11】 Qポール領域内における計測すべきイ
オンの軸方向の動きの制御は、前記計測すべきイオン自
体によりQポール領域内に形成された空間電荷により発
生するクーロン力を用いるものであることを特徴とする
請求項2乃至5のいずれか一項記載のQポール型質量分
析計。 - 【請求項12】 Qポール領域内での軸上電位を、入口
フリンジング領域での軸上電位よりも低く、かつ出口フ
リンジング領域での軸上電位よりも高くしたことを特徴
とする請求項11記載のQポール型質量分析計 - 【請求項13】 Qポール領域内における計測すべきイ
オンの軸方向の動きの制御は、径方向に印加された四重
極高周波電界に同期した高周波磁場により発生するロー
レンツ力を用いるものであることを特徴とする請求項2
乃至5のいずれか一項記載のQポール型質量分析計。 - 【請求項14】 Qポール領域内における計測すべきイ
オンの軸方向の動きの制御は、径方向に印加された時間
的に強度変化する磁場により発生する電磁誘導力を用い
るものであることを特徴とする請求項2乃至5のいずれ
か一項記載のQポール型質量分析計。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000101056A JP4578613B2 (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | Qポール型質量分析計 |
US09/824,211 US20020027196A1 (en) | 2000-04-03 | 2001-04-03 | Q-pole type mass spectrometer |
US10/887,910 US20040245459A1 (en) | 2000-04-03 | 2004-07-12 | Q-pole type mass spectrometer |
US11/592,330 US20070114393A1 (en) | 2000-04-03 | 2006-11-03 | Q-pole type mass spectrometer |
US12/071,696 US7842919B2 (en) | 2000-04-03 | 2008-02-25 | Q-pole type mass spectrometer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000101056A JP4578613B2 (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | Qポール型質量分析計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001283769A true JP2001283769A (ja) | 2001-10-12 |
JP4578613B2 JP4578613B2 (ja) | 2010-11-10 |
Family
ID=18615176
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000101056A Expired - Lifetime JP4578613B2 (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | Qポール型質量分析計 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (4) | US20020027196A1 (ja) |
JP (1) | JP4578613B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008538646A (ja) * | 2005-02-11 | 2008-10-30 | サーモ フィニガン リミテッド ライアビリティ カンパニー | Rf単独多重極におけるrf電界と軸方向dc電界との組合せの発生 |
JP2011523173A (ja) * | 2008-06-09 | 2011-08-04 | ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド | 半径方向位置に伴って強度が増大する軸方向電場を提供する多極性イオン誘導、およびかかる軸方向電場を有する多極性イオン誘導を操作する方法 |
JP2017059539A (ja) * | 2015-09-17 | 2017-03-23 | サーモ フィッシャー サイエンティフィック (ブレーメン) ゲーエムベーハー | 質量分析計 |
WO2020049694A1 (ja) * | 2018-09-06 | 2020-03-12 | 株式会社島津製作所 | 四重極質量分析装置 |
JP2022105054A (ja) * | 2018-09-06 | 2022-07-12 | 株式会社島津製作所 | 四重極質量分析装置 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE202010017766U1 (de) | 2009-11-17 | 2012-07-11 | Bruker Daltonik Gmbh | Nutzung von Gasströmungen in Massenspektrometern |
US8694152B2 (en) | 2010-12-15 | 2014-04-08 | Symbotic, LLC | Maintenance access zones for storage and retrieval systems |
US8785847B2 (en) | 2012-02-15 | 2014-07-22 | Thermo Finnigan Llc | Mass spectrometer having an ion guide with an axial field |
KR102350530B1 (ko) | 2013-03-15 | 2022-01-14 | 심보틱 엘엘씨 | 통합 보안 직원 액세스 구역 및 원격 로버 조업 중지를 구비한 자율화된 저장 및 인출 시스템 |
TWI642028B (zh) | 2013-03-15 | 2018-11-21 | 辛波提克有限責任公司 | 具有整合式受保護的人員接觸區及遠端漫遊機關機之運送系統及自動化儲存和取放系統 |
CN108878252B (zh) * | 2018-07-02 | 2020-11-27 | 中国科学院电子学研究所 | 离子迁移谱漂移区复用装置及方法 |
EP4026161A4 (en) | 2019-09-04 | 2023-10-04 | University Of North Carolina At Greensboro | HIGH FREQUENCY QUADRUPOLE STRONG DELAYER AND METHOD FOR THE PRODUCTION AND USE THEREOF |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5346061Y1 (ja) * | 1976-01-08 | 1978-11-04 | ||
JPH03108247A (ja) * | 1989-09-22 | 1991-05-08 | Yokogawa Electric Corp | Icp―msの四重極質量分析計 |
JPH07245080A (ja) * | 1994-03-07 | 1995-09-19 | Hitachi Ltd | 四重極質量分析装置 |
JPH08293282A (ja) * | 1995-04-21 | 1996-11-05 | Shimadzu Corp | 四重極質量フィルタ |
JPH1021871A (ja) * | 1996-07-02 | 1998-01-23 | Hitachi Ltd | イオントラップ質量分析装置 |
JPH11510946A (ja) * | 1995-08-11 | 1999-09-21 | エムディーエス ヘルス グループ リミテッド | 軸電界を有する分光計 |
JP2000077025A (ja) * | 1998-08-31 | 2000-03-14 | Shimadzu Corp | 四重極質量分析装置 |
JP2000510638A (ja) * | 1996-06-06 | 2000-08-15 | エムディーエス インコーポレーテッド | 多重極子質量分光計の軸方向射出方法 |
JP2002522873A (ja) * | 1998-08-05 | 2002-07-23 | ナショナル リサーチ カウンシル カナダ | 大気圧3次元イオントラッピングのための装置および方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4931460A (en) * | 1987-09-17 | 1990-06-05 | E. R. Squibb & Sons, Inc. | Post-ischemic myocardial dysfunction using thromboxane A2 antagonists |
US4959543A (en) * | 1988-06-03 | 1990-09-25 | Ionspec Corporation | Method and apparatus for acceleration and detection of ions in an ion cyclotron resonance cell |
US4931640A (en) | 1989-05-19 | 1990-06-05 | Marshall Alan G | Mass spectrometer with reduced static electric field |
GB9110960D0 (en) * | 1991-05-21 | 1991-07-10 | Logicflit Limited | Mass spectrometer |
DE19523859C2 (de) * | 1995-06-30 | 2000-04-27 | Bruker Daltonik Gmbh | Vorrichtung für die Reflektion geladener Teilchen |
US5783824A (en) * | 1995-04-03 | 1998-07-21 | Hitachi, Ltd. | Ion trapping mass spectrometry apparatus |
AU1067799A (en) * | 1997-10-07 | 1999-04-27 | Sti Optronics Inc. | Magnetic separator for linear dispersion and method for producing the same |
US6753523B1 (en) * | 1998-01-23 | 2004-06-22 | Analytica Of Branford, Inc. | Mass spectrometry with multipole ion guides |
-
2000
- 2000-04-03 JP JP2000101056A patent/JP4578613B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2001
- 2001-04-03 US US09/824,211 patent/US20020027196A1/en not_active Abandoned
-
2004
- 2004-07-12 US US10/887,910 patent/US20040245459A1/en not_active Abandoned
-
2006
- 2006-11-03 US US11/592,330 patent/US20070114393A1/en not_active Abandoned
-
2008
- 2008-02-25 US US12/071,696 patent/US7842919B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5346061Y1 (ja) * | 1976-01-08 | 1978-11-04 | ||
JPH03108247A (ja) * | 1989-09-22 | 1991-05-08 | Yokogawa Electric Corp | Icp―msの四重極質量分析計 |
JPH07245080A (ja) * | 1994-03-07 | 1995-09-19 | Hitachi Ltd | 四重極質量分析装置 |
JPH08293282A (ja) * | 1995-04-21 | 1996-11-05 | Shimadzu Corp | 四重極質量フィルタ |
JPH11510946A (ja) * | 1995-08-11 | 1999-09-21 | エムディーエス ヘルス グループ リミテッド | 軸電界を有する分光計 |
JP2000510638A (ja) * | 1996-06-06 | 2000-08-15 | エムディーエス インコーポレーテッド | 多重極子質量分光計の軸方向射出方法 |
JPH1021871A (ja) * | 1996-07-02 | 1998-01-23 | Hitachi Ltd | イオントラップ質量分析装置 |
JP2002522873A (ja) * | 1998-08-05 | 2002-07-23 | ナショナル リサーチ カウンシル カナダ | 大気圧3次元イオントラッピングのための装置および方法 |
JP2000077025A (ja) * | 1998-08-31 | 2000-03-14 | Shimadzu Corp | 四重極質量分析装置 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008538646A (ja) * | 2005-02-11 | 2008-10-30 | サーモ フィニガン リミテッド ライアビリティ カンパニー | Rf単独多重極におけるrf電界と軸方向dc電界との組合せの発生 |
JP2011523173A (ja) * | 2008-06-09 | 2011-08-04 | ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド | 半径方向位置に伴って強度が増大する軸方向電場を提供する多極性イオン誘導、およびかかる軸方向電場を有する多極性イオン誘導を操作する方法 |
JP2017059539A (ja) * | 2015-09-17 | 2017-03-23 | サーモ フィッシャー サイエンティフィック (ブレーメン) ゲーエムベーハー | 質量分析計 |
WO2020049694A1 (ja) * | 2018-09-06 | 2020-03-12 | 株式会社島津製作所 | 四重極質量分析装置 |
CN112640034A (zh) * | 2018-09-06 | 2021-04-09 | 株式会社岛津制作所 | 四极质量分析装置 |
JPWO2020049694A1 (ja) * | 2018-09-06 | 2021-08-12 | 株式会社島津製作所 | 四重極質量分析装置 |
JP2022105054A (ja) * | 2018-09-06 | 2022-07-12 | 株式会社島津製作所 | 四重極質量分析装置 |
US11430650B2 (en) | 2018-09-06 | 2022-08-30 | Shimadzu Corporation | Quadrupole mass spectrometer |
JP7315061B2 (ja) | 2018-09-06 | 2023-07-26 | 株式会社島津製作所 | 四重極質量分析装置 |
CN112640034B (zh) * | 2018-09-06 | 2024-10-11 | 株式会社岛津制作所 | 四极质量分析装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4578613B2 (ja) | 2010-11-10 |
US20020027196A1 (en) | 2002-03-07 |
US20070114393A1 (en) | 2007-05-24 |
US20080251717A1 (en) | 2008-10-16 |
US20040245459A1 (en) | 2004-12-09 |
US7842919B2 (en) | 2010-11-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7842919B2 (en) | Q-pole type mass spectrometer | |
US8080787B2 (en) | Ion mobility measurement at a potential barrier | |
EP0818054B1 (en) | Mass spectrometer | |
Anders et al. | Transport of vacuum arc plasmas through magnetic macroparticle filters | |
EP3239705B1 (en) | Ion storage for a mobility separator of a mass spectrometric system | |
US6020586A (en) | Ion storage time-of-flight mass spectrometer | |
US7456388B2 (en) | Ion guide for mass spectrometer | |
AU2019281255B2 (en) | Ion trap array for high throughput charge detection mass spectrometry | |
US8754367B2 (en) | Orthogonal acceleration time-of-flight spectrometer having steady potential and variable potential transport regions | |
JP5257334B2 (ja) | 質量分析装置 | |
CN103563042B (zh) | 质量分析可变出口孔 | |
JP2011119279A (ja) | 質量分析装置およびこれを用いる計測システム | |
CN114256053A (zh) | 用于通过离子聚束进行离子转移的方法和设备 | |
EP0883893B1 (en) | Mass selector | |
CN113496866B (zh) | 逆流均匀场离子迁移率谱仪 | |
JP4273917B2 (ja) | 質量分析装置 | |
RU2314594C1 (ru) | Времяпролетный способ измерения зарядового и массового составов ионов плазмы | |
EP4026161A1 (en) | Radio frequency quadrupole stark decelerators and methods of making and using the same | |
EP1688986A1 (en) | Method and device for transferring ions in a mass spectrometer | |
US9874543B2 (en) | Ion mobility analyzer and mass spectrometer | |
CN116615648A (zh) | 质谱和/或离子迁移谱 | |
JPH11345590A (ja) | 表面電離型イオン化検出器 | |
US3514594A (en) | Mass spectrometer employing a structure similar to an electron multiplier tube to generate electron pulses indicative of mass concentration |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070201 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20090217 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20090225 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090625 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090701 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090811 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100215 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100514 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20100607 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100823 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100825 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4578613 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |