JPH08293282A - 四重極質量フィルタ - Google Patents

四重極質量フィルタ

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JPH08293282A
JPH08293282A JP7120607A JP12060795A JPH08293282A JP H08293282 A JPH08293282 A JP H08293282A JP 7120607 A JP7120607 A JP 7120607A JP 12060795 A JP12060795 A JP 12060795A JP H08293282 A JPH08293282 A JP H08293282A
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JP
Japan
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filter
ions
mass
voltage
ion
Prior art date
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Pending
Application number
JP7120607A
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English (en)
Inventor
Masahiro Takebe
雅博 竹部
Sumio Kumashiro
州三夫 熊代
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 目的イオンの透過率を高める。 【構成】 メインの四重極フィルタ11の直前にプレ四
重極フィルタ12を配し、このプレフィルタ12に、メ
イン四重極フィルタ11に印加する[RF+DC]のう
ちの交流成分RFと、通過目的イオンの質量に応じて変
化する直流バイアス電圧とを印加する。 【効果】 目的イオンを質量に拘らずほぼ一定の速度で
プレフィルタ12に入射させることができ、イオンのプ
レフィルタ通過時間のばらつきが抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の質量(実際には
質量数mを電荷zで除した値m/z)を有するイオンの
みを通過させることにより目的イオンを分離し又は所定
の質量範囲を走査して試料の分析を行なう四重極質量フ
ィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】四重極質量フィルタ(QMF)は、中心
軸(これをz軸とする)に平行に4本の電極棒を軸対称
に配置した四重極から成る。z軸を挟んで対向する2本
の電極棒を1対とし(従って、x軸方向及びy軸方向に
各1対の電極棒が配置されていることになる)、四重極
を構成する2対の電極棒の間に交流電圧(RF)と直流
電圧(DC)とを重畳した電圧(RF+DC)を印加す
ることにより、その電圧に対応した質量を有する目的イ
オンのみをz軸方向に通過させ、他の質量のイオンを発
散させる。
【0003】四重極質量フィルタがこのようなフィルタ
として正しく、しかも高感度に機能するためには、イオ
ンは四重極の中心軸の近傍に入射しなければならない。
このため、イオン源と四重極質量フィルタとの間には、
イオンを四重極の中心軸付近に収束するためのイオン光
学系が設けられる。
【0004】四重極質量フィルタにおける目的イオンの
透過率は、また、四重極質量フィルタの端縁場の影響を
強く受ける。このため、従来より、四重極質量フィルタ
(メインフィルタ)の直前に、狭いギャップを設けて同
形の短い四重極(プレフィルタ)を置き、メインフィル
タに印加する電圧(RF+DC)のうちの交流電圧(R
F)のみをこのプレフィルタに印加して、入射イオンが
メインフィルタの端縁場により拡散されないようにして
いた。更に、プレフィルタに入射イオンとは逆極性のバ
イアス直流電圧(上記メインフィルタに印加される直流
電圧(DC)とは別である)を印加し、入射イオンの滞
留時間を短くすることにより端縁場の影響を更に減少す
ることも行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、プレフィルタに
印加される直流バイアス電圧は一定であった。そのた
め、プレフィルタに入射するイオンのz方向速度(及び
イオンがプレフィルタを通過する時間)は、次の式に示
される通り、そのイオンの質量により変化する。 e・Ez=(1/2)・m・vz2 (e:イオンの電荷、Ez:バイアス電圧による電場の
z方向成分、m:イオンの質量、vz:イオンのz方向
速度)
【0006】これにより、たとえイオン光学系によりイ
オンをメインフィルタの中心軸付近に収束しても、プレ
フィルタに入射する際の(及び、メインフィルタに入射
する際の)イオンの速度がばらつくとともに、プレフィ
ルタからメインフィルタに入射する際の時刻がばらつ
き、メインフィルタにおける目的イオンの透過率が低下
する。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、目的イ
オンの透過率を高めた四重極質量フィルタを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る四重極質量フィルタは、中心軸
に平行に4本の電極棒を軸対称に配置し、通過させるべ
き目的イオンの質量に応じた直流電圧及び交流電圧の重
畳電圧を電極棒間に印加することにより目的イオンのみ
を中心軸方向に通過させる四重極質量フィルタにおい
て、 a)上記4本の電極棒の直前に、各電極棒と同軸に配置さ
れた同径の4本の電極棒から成るプレフィルタと、 b)プレフィルタに上記交流電圧と、通過目的イオンの質
量に応じて変化する直流バイアス電圧とを印加するプレ
フィルタ駆動回路と、を備えることを特徴としている。
【0009】
【作用及び効果】プレフィルタに入射するイオンはプレ
フィルタの直流バイアス電圧により加速され、その速度
は上記の通り、直流バイアス電圧が一定であれば質量の
平方根に反比例する。しかし、本発明に係る四重極質量
フィルタでは、プレフィルタ駆動回路が直流バイアス電
圧を目的イオンの質量に応じて変化させるため、目的イ
オンを質量に拘らずほぼ一定の速度でプレフィルタに入
射させることができる。これにより、目的イオンのプレ
フィルタ及びメインフィルタ入射時の速度及びイオンが
プレフィルタを通過する時間(すなわち、イオンがメイ
ンフィルタに入射する時刻)のばらつきが抑えられ、目
的イオンの透過率が向上する。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例である四重極質量フィルタ
を図1により説明する。図1(a)は本実施例の四重極
質量フィルタのイオン光学系13、プレフィルタ12及
びメインフィルタ11の入口部分を示すものであり、図
1(b)はメインフィルタ11の断面図である。図1
(b)に示されるように、メインフィルタ11を構成す
る4本の電極11a〜11dには、質量走査電源15よ
り直流(DC)と高周波(RF)の重畳電圧 Φ=U+Vcosωt …(1) (これを[RF+DC]とも記載する)が印加される。
質量走査電源15は、メインフィルタ11を通過させる
目的イオンの質量に応じて、この電圧のRF成分及びD
C成分を共に変化させる(走査する)。
【0011】プレフィルタ12には、質量走査電源15
から供給される重畳電圧[RF+DC]のうち、容量C
1を通過するRF成分のみが印加される。プレフィルタ
12には更に、非線形変換器14より直流バイアス電圧
(バイアスDC)も印加される。
【0012】本実施例の四重極質量フィルタでは、非線
形変換器14は質量走査電源15から抵抗R1及び容量
C2を介して質量走査電圧[RF+DC]のうちのDC
成分の供給を受ける。質量走査電圧のDC成分は上記の
通り、メインフィルタ11を通過するイオンの質量に応
じて変化するため、非線形変換器14はこの情報に基づ
いて直流バイアス電圧の値を変化させる。これにより、
プレフィルタ12に入射する目的イオンの速度を質量に
拘わらずほぼ一定とすることができ、目的イオンの透過
率を向上させることができる。
【0013】なお、図1に示した回路構成は説明の便宜
のための単なる一構成例であり、同様の機能を有するデ
ジタル回路或いはCPUを用いてプレフィルタ及びメイ
ンフィルタに印加する電圧を生成してももちろん構わな
い。
【0014】次に、本発明の第2実施例として、イオン
透過率を更に向上させるための方法を説明する。本第2
実施例に係る四重極フィルタは、中心軸に平行に4本の
電極棒を軸対称に配置し、通過させるべき目的イオンの
質量に応じた直流電圧及び交流電圧の重畳電圧を電極棒
間に印加することにより目的イオンのみを中心軸方向に
通過させる四重極質量フィルタにおいて、 a)上記4本の電極棒の直前に、各電極棒と同軸に配置さ
れた同径の4本の電極棒から成るプレフィルタと、 b)プレフィルタに上記交流電圧と、通過目的イオンの質
量に応じて変化する直流バイアス電圧とを印加するプレ
フィルタ駆動回路と、 c)プレフィルタの直前に配置された、イオンを所定の位
置に収束させるためのイオン光学系と、 d)イオンの収束位置をプレフィルタの前方端縁に設定す
るイオン光学系駆動回路と、を備えることを特徴とする
ものである。
【0015】このような構成により、本実施例の四重極
フィルタでは、プレフィルタに入射するイオンのz方向
速度のばらつきを最小限に抑えるとともに、直流バイア
ス電圧を変化させることによりプレフィルタの有効長さ
を変化させ、プレフィルタ出口から出射するイオンの運
動の位置及び方向(エミッタンス)を、四重極質量フィ
ルタ(メインフィルタ)の目的イオンの透過率が最大と
なる範囲(アクセプタンス)に適合したものとすること
ができる。その理由を次に説明する。
【0016】本発明者等のシミュレーション解析による
と、プレフィルタ入射時のイオンのz方向速度vzのば
らつきが小さい場合、図3(a)に示すように、イオン
のプレフィルタ12内での運動形態(軌跡の包絡線)は
ほぼ固定的となる。それに対し、プレフィルタ入射時の
z方向速度vzのばらつきが大きい場合は、図3(b)
に示すように、プレフィルタ12内でのイオンの運動は
種々の形態のものが混在したような状態となる。なお、
図4(a)及び(b)に示すように、イオン光学系にお
いてイオンのz方向速度を狭い範囲に抑えても、低質量
イオンの場合にはプレフィルタ内でもz方向速度はあま
りばらつかないのに対し、高質量イオンの場合はz方向
速度が大きくばらつくようになる。このため、低質量イ
オンの場合は比較的図3(a)に示すように運動形態を
固定的としやすいのに対し、高質量イオンの場合は図3
(b)に示すように種々の運動形態が混在したような状
態となりやすい。
【0017】イオンの運動形態が図3(a)に示すよう
にほぼ固定的である場合、メインフィルタ11のアクセ
プタンスに最も適合するようなイオンの運動形態の位置
でイオンがプレフィルタ12を出てメインフィルタ11
に入射すれば、イオンの透過率を最大にすることができ
る。それに対し、図3(b)のようにイオンの運動形態
が混在している場合は、プレフィルタ12をどのような
長さにしてもイオンの透過率は低位で安定した状態とな
る。図5はプレフィルタ12の長さを変化させた場合の
イオン透過率の変化を示すグラフであるが、イオンの運
動形態が固定的である場合(低質量イオン7Daの場
合)は、プレフィルタ12の長さが変化するとイオン透
過率も大きく変化するのに対し、イオンの運動形態が混
在している高質量イオン(238Da)の場合はイオン
の透過率はプレフィルタ12の長さに依存せず、常に低
い。
【0018】以上より、イオンのプレフィルタ入射時の
z方向速度のばらつきを小さくするとともに、プレフィ
ルタ12を適切な長さにしてやることにより、イオンの
透過率を最大にすることができる。上記の通り、このイ
オン透過率改善の効果は特に高質量イオンの場合に著し
い。
【0019】そこで、イオンのプレフィルタ入射時のば
らつきを小さくするための方策を考える。プレフィルタ
12の端縁の電場のz方向成分Ezは図6の(2)式で
表わされる。式(2)中のΦは、上記式(1)で表わさ
れる四重極駆動電圧[RF+DC]である。また、H0
及びH2は0次及び2次の高調波成分を表わ
し、「’」、{3}、{5}はそれぞれ1階、3階、5
階微分を表わす。Ezを表わす式にこのような高階微分
項が含まれることから、プレフィルタ12の端縁におい
てはEzが大きく変動することがうかがえる。プレフィ
ルタ12に入射するイオンはこの電場Ezによりz方向
に加速されるが、いずれの項にもx、y方向の座標の2
乗以上の値が掛けられていることから、イオンがx−y
平面の中心(z軸上)から周辺方向にばらつくと、その
z方向速度vzは大きくばらつくことがわかる。従っ
て、イオンのz方向速度のばらつきを小さくするために
は、プレフィルタ12の端縁場においてイオンをできる
だけ中心軸付近に集めればよい。
【0020】従来の四重極質量フィルタの入射光学系で
は、図2(a)に示すように、入射イオン21はイオン
光学系13のイオン出射口ところ(F1)で収束するよ
うに設定されていた。それに対し、図2(b)に示すよ
うに、イオン21の収束位置をプレフィルタ12の端縁
場内(F2)とすることにより、プレフィルタ12に入
射するイオン21のz方向速度を揃えることができ、上
記の通り、プレフィルタ12の長さを適切な値とするこ
とにより(図5)、イオン21の透過率を最大とするこ
とができる。
【0021】プレフィルタ12に入射するイオン21の
z方向速度を揃えることにより、プレフィルタ12内に
おけるイオン21の運動を固定的なものとすることがで
きるが、その運動の固定的形状(包絡線の形状)はイオ
ン21の質量に応じて変化する。従って、常に最大のイ
オン透過率を得るためには、プレフィルタ12に入射す
るイオン21のz方向速度を揃えることの他、イオン2
1の質量に応じてプレフィルタ12の長さを変化させる
必要がある。しかし、質量走査を行なっている間にプレ
フィルタ12の長さを変化させることは実際的ではな
い。
【0022】本実施例に係る四重極質量フィルタでは、
プレフィルタ12に印加する直流バイアス電圧の大きさ
を変化させる。これにより、イオン21の速度が変化
し、イオン21がプレフィルタ12を通過する時間を変
化させることができる。すなわち、直流バイアス電圧を
変化させることにより、プレフィルタ12の有効長さを
変化させることができる。従って、本実施例の四重極質
量フィルタでは、目的イオン21の質量に応じて直流バ
イアス電圧を変化させることにより、イオン21の質量
に拘わらず常にイオンの透過率を最大とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である四重極質量フィルタ
のイオン光学系、プレフィルタ及びメインフィルタの入
口部分を示す概略構成図(a)及びメインフィルタの断
面図(b)。
【図2】 従来のイオン光学系の収束位置(a)と本発
明の第2実施例におけるイオン光学系の収束位置(b)
を示す断面図。
【図3】 プレフィルタ入射時のz方向速度が揃ってい
る場合のイオンの運動の形態を示すシミュレーション図
(a)及び揃っていない場合のシミュレーション図
(b)。
【図4】 低質量の場合(a)と高質量の場合(b)の
イオンのz方向速度の分布を示すグラフ。
【図5】 プレフィルタの長さとイオン透過率との関係
を示すグラフ。
【図6】 プレフィルタの端縁電場のz方向成分Ezを
表わす式。
【符号の説明】
11…メイン四重極フィルタ 11a〜11d…電極 12…プレ四重極フィルタ 13…イオン光学系 14…非線形変換器 15…質量走査電源 21…入射イオン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸に平行に4本の電極棒を軸対称に
    配置し、通過させるべき目的イオンの質量に応じた直流
    電圧及び交流電圧の重畳電圧を電極棒間に印加すること
    により目的イオンのみを中心軸方向に通過させる四重極
    質量フィルタにおいて、 a)上記4本の電極棒の直前に、各電極棒と同軸に配置さ
    れた同径の4本の電極棒から成るプレフィルタと、 b)プレフィルタに上記交流電圧と、通過目的イオンの質
    量に応じて変化する直流バイアス電圧とを印加するプレ
    フィルタ駆動回路と、 を備えることを特徴とする四重極質量フィルタ。
JP7120607A 1995-04-21 1995-04-21 四重極質量フィルタ Pending JPH08293282A (ja)

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JP7120607A JPH08293282A (ja) 1995-04-21 1995-04-21 四重極質量フィルタ

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001283769A (ja) * 2000-04-03 2001-10-12 Anelva Corp Qポール型質量分析計
JP2005259616A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Shimadzu Corp 四重極質量分析装置
WO2008044285A1 (fr) * 2006-10-11 2008-04-17 Shimadzu Corporation Spectroscope de masse quadripolaire

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040224