JP2001281797A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2001281797A
JP2001281797A JP2000091354A JP2000091354A JP2001281797A JP 2001281797 A JP2001281797 A JP 2001281797A JP 2000091354 A JP2000091354 A JP 2000091354A JP 2000091354 A JP2000091354 A JP 2000091354A JP 2001281797 A JP2001281797 A JP 2001281797A
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shear rate
viscosity
halide photographic
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Shinichi Okamura
真一 岡村
Kamiyuki Sasaki
頂之 佐々木
Eiichi Ueda
栄一 上田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布性、透明性、帯電防止性、耐圧性、乾燥
性、保存性に優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供す
る。 【解決手段】 支持体に最も近い親水性コロイド層と支
持体との間に下引層を有するハロゲン化銀写真感光材料
において、以下の粘度条件を満たす下引層塗布液を塗布
乾燥して得られる下引層を有することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料。(粘度条件)25℃において、
2分間剪断速度5000(1/s)となる剪断を与えた
直後、5分間剪断速度5(1/s)となる剪断を与えた
とき、2分間剪断速度5000(1/s)での平均粘度
をA、5分間剪断速度5(1/s)での平均粘度をBと
したとき、1.0cP≦A≦3.5cPかつ、1.0c
P≦B≦4.0cPある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関し、更に詳しくは、通常のハロゲン化銀写真
材料(コンベンショナルハロゲン化銀写真感光材料)に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料の自動
現像処理は高温迅速処理が急速に普及し、処理時間が大
幅に短縮されて来た。短時間で十分な感度を達成するた
めには現像進行性に優れ、短時間で十分な濃度をハロゲ
ン化銀写真感光材料に与える現像処理方法が、また水洗
後短時間で乾燥する性質をハロゲン化銀写真感光材料に
与えることが必要である。ハロゲン化銀写真感光材料の
乾燥性を改良するために一般的な方法としては、ハロゲ
ン化銀写真感光材料に現像処理(以降、現像−定着−水
洗工程を総称していうことがある)で適切な膨潤を与え
るべく適量の硬膜剤(ゼラチン架橋剤)をハロゲン化銀
乳剤層や親水性コロイド層等の塗布液に添加しておき、
現像処理後の乾燥開始前のハロゲン化銀写真感光材料の
含水量を減少させる方法がある。この方法では、硬膜剤
を多量に使用すればそれだけ乾燥時間を短縮出来るもの
の層の膨潤度が小さくなり、現像が遅れて低感化や軟調
化を引き起こしカバーリングパワーが低下し、硬膜過剰
による定着速度の遅れが起こり、残留銀や残留ハイポ、
増感色素の残色などの問題を引き起こし処理時間短縮の
障害となり、使用に耐えないものになってしまう。
【0003】一方、処理液の現像活性を高める方法も知
られており、現像液中の主薬や補助現像主薬の量を増や
したり、現像液のpHを高めたり、処理する温度を上げ
たりできる。しかし、これらの方法はいずれも処理液の
保恒性を損なったり、感度は上げることが出来ても、軟
調化したりカブリやすいなどという欠点があった。
【0004】以上述べてきたような点を改良する目的で
ハロゲン化銀粒子からアプローチした技術がある。ま
ず、米国特許第4,439,520号、同第4,42
5,425号明細書等の平板状粒子を利用技術、特開昭
63−305343号、特開平1−77047号公報に
は(111)面をもつハロゲン化銀粒子の頂点及び/ま
たは陵及びその近傍の粒子の現像開始点を制御する技
術、更に、特開昭58−111933号公報には平板状
粒子を用い親水性コロイド層の膨潤を200%以下にす
る技術など、現像進行性と(感度/カブリ)比の改良、
高いカバーリングパワーが得られるなど、価値のある技
術として提案されている。しかし、これらの技術にも、
感度低下や、処理時間の短縮による残留銀及び残留ハイ
ポ等の問題点はある。
【0005】特開昭64−73333号、同64−86
133号、特開平1−105244号、同1−1584
35号、同1−158436号公報等には、ハロゲン化
銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有する側のゼラチン
量を2.00〜3.50g/m2の範囲とし、更に他の
技術要素と組み合わせることで、また、特開平2−68
537号公報には乳剤層に塗設された感光性ハロゲン化
銀の(銀/ゼラチン)質量比を1.5以上とすること
で、更に、特開昭63−221341号公報には、乳剤
層中のハロゲン化銀粒子が主に粒子径が粒子厚みの5倍
以上である平板状粒子からなり、ゼラチン量を2.00
〜3.20g/m2としメルティング・タイム(ゼラチ
ン膜の溶解する時間)を8〜45分にすることで、全処
理時間が20秒以上60秒未満の超迅速処理を達成する
手段が開示されている。しかしながら、ゼラチン量の低
減化等による超迅速処理化は、ハロゲン化銀写真感光材
料の物理的性質の面から問題がある場合がある。例え
ば、表面の擦り傷によるハロゲン化銀粒子が黒化するカ
ブリ現象、自動現像機でのローラーマークという一種の
圧力による黒斑点状のムラを生じたりするという問題で
ある。ゼラチン塗布量の低減化は、ローラーマーク、擦
り傷黒化を助長し易くなり、ゼラチン塗布量を調整する
だけでは、乾燥性、圧力性、定着性のような特性を充分
に発揮しにくい点がある。また、全処理時間を60秒以
下、特に40秒以下に設定した場合、現像・定着・水洗
工程の適性時間配分を行い、ゼラチン塗布量は2.5g
/m2以下としても、自動現像機の設置環境が高湿度だ
ったりした場合、乾燥性に支障のある場合があった。
【0006】一方、ハロゲン化銀写真感光材料に、カル
ボキシル基またはその塩を有するポリマーを使用するこ
と、及び、ゼラチンと共に用いることはよく知られてい
る。例えば、特公昭57−53587号、同57−15
375号、同49−23827号、同55−14415
号、同55−15267号、同47−28937号、特
開昭48−89979号公報、西独特許第1,745,
061号、米国特許第2,279,410号、同第3,
791,831号明細書にはカルボキシル基を有するポ
リマーを写真感光材料の帯電防止に利用する試みが開示
されている。
【0007】また、日本国特許番号第2673474
号、同第2715020号、同第2715021号、同
第2753926号公報には、カルボキシル基含有ポリ
マーを用いて、膨潤率を制御しハロゲン化銀写真感光材
料の乾燥速度を速めるという記載がある。
【0008】また、欧州特許第75,231号、同第1
67,081号、米国特許第4,142,894号明細
書、特開昭53−7231号、同60−126644
号、同60−156056号、特開平2−20861
号、特公平1−14574号公報には、カルボキシル基
を含む高分子マット剤が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本発明者が
これらの先行技術を検討したところ、ゼラチンの減量を
塗布銀量を一定に保ちながら(銀/ゼラチン)比を高め
ていくと、しばしば帯電防止性能が低下することが分か
った。またカルボキシル基を有するポリマーで帯電防止
層性能を上げると、乾燥性が悪くなったり、更には塗布
液が増粘して塗布性が劣化し乾燥後の透明性が劣ること
などの色々な問題点があることが明らかとなった。
【0010】本発明の目的は、塗布性、透明性、帯電防
止性、耐圧性、乾燥性、保存性に優れたハロゲン化銀写
真感光材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下に説明する構成により達成される。本発明の粘度測定
にはいかなる装置を使用しても良い。
【0012】本発明における下引層塗布液粘度は、25
℃において、2分間剪断速度5000(1/s)となる
剪断を一定時間与えた後、直ちに5分間剪断速度5(1
/s)にステップ変化させて、その剪断速度で一定時間
剪断を与えたとき、2分間剪断速度5000(1/s)
での平均粘度をA、5分間剪断速度5(1/s)での平
均粘度をBとしたとき、1.0cP≦A≦3.5cPか
つ、1.0cP≦B≦4.0cPある。好ましくは1.
2cP≦A≦3.0cPかつ1.2cP≦B≦3.5c
Pである。
【0013】本発明の下引層塗布液の粘度をコントロー
ルする方法としては、含有する固体微粒子の粒径やアス
ペクト比を制御する方法、界面活性剤を設計する方法、
塗布液の濃度を変える方法、塗布液のpHを変える方法
等を用いることが出来る。
【0014】本発明における親水性コロイド層とは、ゼ
ラチンを主成分とするコロイド層を指す。
【0015】本発明における親水性コロイド層塗布液粘
度は、30℃において、2分間剪断速度5000(1/
s)となる剪断を一定時間与えた後、直ちに5分間剪断
速度5(1/s)にステップ変化させて、その剪断速度
で一定時間剪断を与えたとき、2分間剪断速度5000
(1/s)での平均粘度をC、5分間剪断速度5(1/
s)での平均粘度をDとしたとき、2.0cP≦C≦3
0cP以下かつ2.0cP≦D≦60cPである。
【0016】好ましくは5.0cP≦C≦25cPかつ
5.0cP≦D≦35cPである。特開平11−525
09号公報に、剪断速度0.1(1/S)及び1000
(1/s)での粘度が規定されているが、本発明は、高
剪断速度5000(1/s)から低剪断速度5(1/
s)へ連続変化したときの粘度を規定していること、及
び各剪断速度での粘度は定常流に達していない状態での
値も含んでいるという点で上記公報での粘度規定とは異
なる。
【0017】本発明の親水性コロイド層塗布液の粘度を
コントロールする方法としては、含有する固体微粒子の
粒径やアスペクト比を制御する方法、増粘剤の分子量を
設計する方法、塗布液の濃度を変える方法、塗布液のp
Hを変える方法等を用いることが出来る。
【0018】平均弾性率について説明する。本発明でい
う平均弾性率は以下の方法で測定した。
【0019】10℃、相対湿度40%の条件下で、下引
層を設けない支持体上に乾燥膜厚10μmとなるように
ハロゲン化銀乳剤層塗布液を塗布、乾燥させて得た試料
を9cm×1cmの大きさに切り出し、23℃、相対湿
度55%下で引張り試験機を用い引張り速度40mm/
minで引張って得たときの応力−歪み曲線の傾きから
弾性率を求めた。上記方法により測定した20個の試料
の弾性率の平均値を平均弾性率とした。
【0020】好ましくは500kg/mm2〜1800
kg/mm2より好ましくは700kg/mm2〜130
0kg/mm2である。
【0021】蒸留水に対する膜厚膨潤率について説明す
る。本発明でいう蒸留水に対する膜厚膨潤率は次式で表
わされる。
【0022】蒸留水に対する膜厚膨潤率(%)={(蒸
留水浸漬時の層の膜厚−浸漬前の層の膜厚)/(浸漬前
の層の膜厚)}×100 蒸留水浸漬時の層の膜厚とは、ハロゲン化銀写真感光材
料全層を21℃の蒸留水に3分間浸漬させた時の層の膜
厚を意味する。本発明において、層の膜厚の測定につい
てはクライオSEM法にて定義される。
【0023】本発明において、蒸留水に対する膨潤率を
200%以下にすることによって、実際のハロゲン化銀
写真感光材料の乾燥性を早めることが出来る。
【0024】本発明において、膨潤率をコントロールす
る方法としては、ゼラチン硬膜剤の量及び種類を変化さ
せることにより当業界でよく知られた方法を用いること
が出来る。
【0025】密度について説明する。通常のゼラチンバ
インダー層の密度は、本発明で規定する測定方法による
と1.7g/cm3である。従って、本発明のゼラチン
バインダー層の密度はそれ以下の1.1g/cm3以上
1.6g/cm3以下であり、明らかに異なっているこ
とがわかる。
【0026】本発明のゼラチンバインダー密度は、ゼラ
チンバインダー塗布量7.5g/m 2のゼラチンバイン
ダー層を、23℃、55%RHの条件下で作製した塗膜
を、マイクロトームで超薄切片にスライスし、Pt−P
d(プラチナ−パラジューム)を蒸着装置にてコーティ
ングし、この断面SEM(走査型電子顕微鏡)S−50
00H(日立製作所社製)で5kVの加速電圧で、傾斜
角0°で走査して、得られた画像から厚さ(μm)を算
出し、(付き量)/(厚さ)=バインダー密度、とす
る。10μm等間隔でSEM画像で得られる厚さを20
カ所測定し、それらの平均値をバインダー密度とする。
なお、予めゼラチンバインダーだけの層を一定の条件で
作製してバインダー密度を求めておき、種々の添加物を
入れた層については、ゼラチンバインダーのみの層から
の値を用いることとする。
【0027】本発明の低密度のゼラチンバインダー層
は、水とほとんど相溶しない(実質的に非相溶性の)有
機溶媒をゼラチン溶液中に添加して十分に分散し、写真
用支持体に定量的に塗布し、ゼラチンをセットしてゲル
化させ流動性をなくし、後に通常のハロゲン化銀写真感
光材料の乾燥装置で乾燥することによって得られる。セ
ット温度は20℃以下で、好ましくは15℃〜3℃であ
る。セットする時間は1秒〜1時間がよく、15分〜3
0分が好ましい。乾燥温度は、30℃〜80℃がよく、
30℃〜60℃が好ましい。乾燥湿度については、10
%RH〜50%RHが好ましい。
【0028】本発明に用いられる該有機溶媒としては、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−i−プロピル、酢酸−
t−ブチル、ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、
シクロヘキサン、アクリル酸メチル、エチルイソプロピ
ルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジプロピルエ
ーテル、炭酸ジメチル等の沸点40℃以上100℃以下
のものが好ましく、ほとんど水に不溶、安全性、無公害
等の見地から選ばれる溶媒が好ましい。
【0029】本発明の密度は添加される有機溶媒の量に
よって数値が異なり、ハロゲン化銀写真感光材料の一つ
の層に用いる水の質量に対して5質量%から45質量%
がよく、10質量%〜30質量%が好ましい。
【0030】有機溶媒を分散する方法としては、超音波
分散、ホモジナイザー、ボールミル、振動ミル、遊星ボ
ールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル等
を用いることが出来、超音波分散方法が本発明に好まし
く用いられる。
【0031】本発明の密度を低下させる方法として、有
機溶媒を添加する方法の他に、ゼラチンのセット温度を
低下させるような化合物(例えば尿素、尿素誘導体、チ
オ尿素とその誘導体)を添加する方法、あるいは硬膜剤
をゼラチンに対して多量に用いる方法などもあることを
本発明者は発見したが、前者はそれを含むゼラチン水溶
液を塗布してもセットが十分でなく、膜厚が不均一にな
りやすく、また後者は現像液が浸透しにくくなり、現像
進行性が遅くなる虞もあり、有機溶媒を用いる方法より
好ましい方法ではないが、有機溶媒の方法と組み合わせ
ることによって好ましい効果を発揮させることが出来
る。
【0032】本発明に用いるゼラチンとしては、石灰処
理ゼラチンのほか、ブレティン・オブ・ザ・ソサエティ
・オブ・サイエンティフィック・フォトグラフィー・オ
ブ・ジャパン(Bull.Soc.Sci.Photo
gr.Japan)No.16、30頁(1996)に
記載の酸処理ゼラチンを用いてもよく、又ゼラチンの加
水分解物や酸素分解物も用いることができる。ゼラチン
誘導体としては、ゼラチンに例えば酸ハライド、酸無水
物、イソシアネート類、ブロモ酢酸、アルカンサルトン
類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化合物
類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等種
々の化合物を反応させて得られるものを用いてもよい。
その具体例は米国特許第2,614,928号、同3,
132,945号、同3,186,846号、同3,3
12,553号、英国特許第861,414号、同1,
033,189号、同1,005,784号明細書、特
公昭42−26845号公報等に記載されているゼラチ
ン誘導体を用いることが出来る。
【0033】本発明の密度を低下させたゼラチンバイン
ダーは、ハロゲン化銀写真感光材料の構成層のいずれに
用いてもよい。
【0034】本発明における同時重層塗布方法はいかな
る方法でも良い。具体的にはディップ塗布法、ローラー
塗布法、カーテン塗布法、押し出し塗布法、スライド・
ホッパー法等を用いることができ、RD176、27〜
28頁の「コーティング・プロセデューズ」(Coat
ing procedures)の項に詳しく記述され
ている。
【0035】次に、本発明の通常の(コンベンショナル
の)ハロゲン化銀写真感光材料(以降、単にハロゲン化
銀写真感光材料とすることもある)について述べる。
【0036】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
る好ましいハロゲン化銀乳剤は、(100)面を主平面
とする塩化銀系平板状粒子からなる乳剤で、好ましくは
(a)塩化物30モル%以上の条件で、分散媒体中に銀
塩及びハロゲン化物塩を導入し核形成を行う工程、
(b)核形成に引き続き、平板状粒子の(100)主平
面を維持する条件下でオストワルド熟成を行う工程、
(c)所望の粒径、塩化銀含有率になるように、粒子成
長を行う工程によって調製されたものである。核形成時
の銀塩とハロゲン化物塩を反応させる形式としては、ダ
ブルジェット法を用いることが好ましい。粒子成長時に
もダブルジェット法を用いるのが好ましく、ハロゲン化
銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、即ち、
所謂コントロールドダブルジェット法を用いることもで
きる。ハロゲン化銀乳剤は、その粒子形成時、一部又は
全工程に渡り微細なハロゲン化銀粒子を供給して粒子形
成されたものであってもよい。該微粒子の粒子サイズは
ハライドイオンの供給速度を支配するため、形成するハ
ロゲン化銀粒子のサイズや組成にもよるが、好ましいサ
イズは概ね平均球相当直径で0.3μm以下であり、更
には0.1μm以下である。微粒子が成長粒子上に再結
晶化によって積層するためには、この微粒子サイズは成
長粒子の球相当直径より小さいことが望ましく、更に好
ましくは成長粒子の球相当直径の1/10以下である。
【0037】本発明に係わるハロゲン化銀乳剤は、ハロ
ゲン化銀粒子の成長終了後に可溶性塩類を除去して化学
増感に適するpAgイオン濃度にするためにヌードル水
洗法、フロキュレーション沈降法等を用いてよく、好ま
しい水洗法としては、例えば特公昭35−16086号
公報に記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒ
ド樹脂を用いる方法、または特開平2−7037号公報
に記載の高分子凝集剤である例示化合物G−3、G−8
等を用いる脱塩法を挙げることができる。又、リサーチ
・ディスクロージャー(以降、RDと略す)102巻、
10208(1972年10月)及び131巻、131
22(1975年5月)に記載の限外濾過法を用いて脱
塩を行ってもよい。ハロゲン化銀乳剤はシアニン色素類
等によって分光増感されてもよい。
【0038】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
ハロゲン化銀乳剤の物理熟成又は化学熟成前後の工程
で、RD−17643、同18716(1979年11
月)、同308119(1989年12月)等に記載の
各種写真用添加剤を用いることが出来る。
【0039】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
ハロゲン化銀乳剤層の他に、必要に応じて、紫外線吸収
層、アンチハレーション層、中間層、フィルター層、保
護層等を設けることができる。また、場合によってはク
ロスオーバー光カット層を設けてもよい。
【0040】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に使用
出来る処理液については、前記RD−17643及び同
308119等に記載されている。
【0041】白黒写真に用いる現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(ハイドロキノン等)、3−ピラゾリ
ドン類(1−フェニル−3−ピラゾリドン)、アミノフ
ェノール類(N−メチル−アミノフェノール)等が挙げ
られ、現像液には必要に応じて保恒剤、アルカリ剤、p
H緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促進剤、界面活
性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解助剤、粘性付
与剤等を添加することが出来る。また定着液にはチオ硫
酸塩、チオシアン酸塩等の定着剤が用いられ、更に硬膜
剤としての水溶性のアルミニウム塩(硫酸アルミニウ
ム、カリ明礬等)、保恒剤、pH調整剤、硬水軟化剤等
を含有してもよい。
【0042】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、迅
速処理に適している。特にDryto Dry処理時が
60秒以内であることが好ましい。より好ましくは45
秒以内、さらに好ましくは38秒以内である。また25
秒以内といった超迅速処理を行うことができ、現像液や
定着液の補充量を感光材料1m2当たり200ml以下
といった低補充で処理することが出来る。
【0043】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
ては、ゼラチンが塗設される全量は、特に限定はない
が、片面あたり1.2〜4.5g/m2が好ましい。ま
た、1.5〜3.6g/m2が特に好ましい。
【0044】帯電防止剤について説明する。本発明にお
けるハロゲン化銀写真感光材料の帯電防止剤としては、
金属、金属酸化物、カーボンブラック、イオン性ポリマ
ー界面活性剤等が挙げられるが、現像処理後帯電防止性
能が劣化しない方が好ましい。
【0045】塗布乾燥直後の導電層の導電性を十分保つ
には、導電性の水溶性ポリマーと非水溶性ポリマー微粒
子とからなる導電性層が形成されたとき、粒子と粒子の
間で導電性の水溶性ポリマーの密度が高い状態であれば
よい。さらに、耐水性を付与するために、非水溶性ポリ
マー微粒子の表面と導電性水溶性ポリマーとを化学反応
等によって結合する必要があり、このため官能基を有す
るポリマー微粒子と該官能基と反応しうる基を有する水
溶性ポリマーとを混合後、加熱処理すると目的を達せら
れる。
【0046】本発明の官能基を有するポリマー微粒子と
は、粒径0.03〜10μm、好ましくは粒径0.05
〜0.5μmの水不溶性の樹脂の微粒子であって、導電
性水溶性ポリマーと反応しうる官能基を有するポリマー
微粒子である。官能基として、カルボキシル基、ヒドロ
キシル基、エポキシ基、活性メチレンを有する基であ
り、これらのうちすくなくともいずれか一種を有するポ
リマー微粒子である。これらの官能基は2種以上含有し
ていてもよい。
【0047】これらの官能基の含有量は、モノマーユニ
ットとして、5質量%以上100質量%以下であればよ
いが、好ましくは、10質量%以上60質量%以下であ
る。
【0048】微粒子の形成方法は、乳化重合法、懸濁重
合法、樹脂の分散が挙げられるが、乳化重合法が目的粒
径を達する上で好ましい。
【0049】本発明における官能基を有するポリマー微
粒子のポリマーの構造は、特に一般式(1)で表される
ものが好ましい。
【0050】 一般式(1) −(A)x−(B)y−(C)z− 式中、Aは一般式(2)で表される官能基を有するエチ
レン性不飽和モノマーより誘導される繰り返し単位を示
し、Bは、単独重合体のガラス転移温度が35℃以下で
あるメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、マレ
イン酸エステルから選ばれるエチレン性不飽和モノマー
より誘導される繰り返し単位を表し、CはA、B以外の
エチレン性不飽和モノマーより誘導される繰り返し単位
を表す。ここでx、y、zはポリマーラテックス中の各
成分の質量百分率比を表し、それぞれ10≦x≦60、
5≦y≦90、x+y+z=100を表す。
【0051】
【化1】
【0052】式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基またはハロゲン原子を表し、Lは単結合または
二価の連結基を表す。Xはカルボキシル基、ヒドロキシ
ル基、エポキシ基、活性メチレンを有する基のいずれか
を含む一価の基を表す。
【0053】ここで活性メチレンを有する基としては、
具体的にアセトアセトキシ基、アセトアセトアミド基、
シアノアセトキシ基、エトキシカルボニルアセチル基、
シアノアセトアミド基、アセトアセチル基が挙げられ
る。
【0054】以下に、本発明の一般式(1)で表される
ポリマーにおいて、Aで表される官能基を有するエチレ
ン性不飽和モノマーの好ましいものを例示するが、これ
らに限定されるものではない。
【0055】 MN−1 2−アセトアセトキシエチルメタクリレート MN−2 2−アセトアセトキシエチルアクリレート MN−3 2−アセトアセトキシプロピルメタクリレー
ト MN−4 2−アセトアセトキシプロピルアクリレート MN−5 2−アセトアセトアミドエチルメタクリレー
ト MN−6 2−アセトアセトアミドエチルアクリレート MN−7 2−シアノアセトキシエチルメタクリレート MN−8 2−シアノアセトキシエチルアクリレート MN−9 N−(2−シアノアセトキシエチル)アクリ
ルアミド MN−10 2−プロピオニルアセトキシエチルアクリ
レート MN−11 N−(2−プロピオニルアセトキシエチ
ル)メタクリルアミド MN−12 N−4−(アセトアセトキシベンジル)フ
ェニルアクリルアミド MN−13 エチルアクリロイルアセテート MN−14 アクリロイルメチルアセテート MN−15 N−メタクリロイルオキシメチルアセトア
セトアミド MN−16 エチルメタクリロイルアセトアセテート MN−17 N−アリルシアノアセトアミド MN−18 メチルアクリロイルアセトアセテート MN−19 N−(2−メタクリロイルオキシメチル)
シアノアセトアミド MN−20 p−(2−アセトアセチル)エチルスチレ
ン MN−21 4−アセトアセチル−1−メタクリロイル
ピペラジン MN−22 エチル−α−アセトアセトキシメタクリレ
ート MN−23 N−ブチル−N−アクリロイルオキシエチ
ルアセトアセトアミド MN−24 p−(2−アセトアセトキシ)エチルスチ
レン MN−25 メタクリル酸および/又はそのアルカリ塩 MN−26 アクリル酸および/又はそのアルカリ塩 MN−27 マレイン酸および/又はそのアルカリ塩 MN−28 ヒドロキシエチルメタクリレート MN−29 ヒドロキシエチルアクリレート MN−30 グリシジルメタクリレート 一般式(1)のBで表される繰返し単位を与えるエチレ
ン性不飽和モノマーは、その単独重合体のガラス転移温
度が35℃以下となる様なモノマーであり、具体的に
は、アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n
−ヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、iso−ノニルアクリレ
ート、n−ドデシルアクリレートなど)、アルキルメタ
クリレート(例えば、n−ブチルメタクリレート、n−
ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、iso−ノニルメタクリレート、n−ドデシル
メタクリレートなど)、ジエン類(例えば、ブタジエ
ン、イソプレン)などを挙げることができる。これらの
モノマーはB成分として単独で使用しても、複数使用し
てもよい。
【0056】更に好ましいモノマーとしては、単独重合
体のガラス転移温度が10℃以下のモノマーであり、こ
の様なモノマーとしては炭素数2以上のアルキル側鎖を
有するアルキルアクリレート(例えば、エチルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、iso−ノニルアクリレート等)、炭素数
6以上のアルキル側鎖を有するアルキルメタクリレート
(例えば、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート等)、ジエン類(例えば、ブタジ
エン、イソプレン)を例として挙げることができる。
【0057】上記のポリマーのガラス転移温度の値につ
いては、J.Brandrup,E.H.Immerg
ut共編「Polymer Handbook」第3版
(John Wily & Sons,1989)VI/
209〜VI/277頁に記載されている。
【0058】一般式(1)のCで表される繰返し単位
は、B以外の繰返し単位、すなわちその単独重合体のガ
ラス転移温度が、35℃を超える様なモノマーより誘導
される繰返し単位が好ましい。これらのモノマーはB成
分として単独で使用しても、複数使用してもよく、後述
の分散安定性向上に必要な成分もC成分としてカウント
してよい。
【0059】具体的には、アクリル酸エステル類(例え
ば、t−ブチルアクリレート、フェニルアクリレート、
2−ナフチルアクリレート等)、メタクリル酸エステル
類(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリ
レート、クレジルメタクリレート、4−クロロベンジル
メタクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等)、ビニルエステル類
(例えば、安息香酸ビニル、ピバロイルオキシエチレン
等)、アクリルアミド類(例えば、アクリルアミド、メ
チルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピル
アクリルアミド、ブチルアクリルアミド、tert−ブ
チルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、
ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリルア
ミド、メトキシエチルアクリルアミド、ジメチルアミノ
エチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメ
チルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、β−シ
アノエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド
など)、メタクリルアミド類(例えば、メタクリルアミ
ド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミ
ド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリルアミ
ド、tert−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシ
ルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒド
ロキシメチルメタクリルアミド、メトキシエチルメタク
リルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、
フェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミ
ド、ジエチルメタクリルアミド、β−シアノエチルメタ
クリルアミドなど)、スチレン類(例えば、スチレン、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチレンスチ
レン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロ
スチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、ク
ロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビ
ニル安息香酸メチルエステルなど)、ジビニルベンゼ
ン、アクリルニトリル、メタアクリロニトリル、N−ビ
ニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、塩化ビニ
リデン、フェニルビニルケトン等を挙げることができ
る。
【0060】また、本発明の一般式(1)で表されるポ
リマーにおいては、特公昭60−15935号、同45
−3822号、同53−28086号、米国特許第3,
700,456号等に記載されている様なアニオン性官
能基(例えば、カルボキシル基、スルホン酸基)を有す
るモノマーをラテックスの安定性を向上させる等の目的
で共重合してもよい。
【0061】このようなモノマーとしては、以下の化合
物を挙げることができる。アクリル酸;メタクリル酸;
イタコン酸、マレイン酸;イタコン酸モノアルキル、例
えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチルな
ど;マレイン酸モノアルキル、例えば、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸モノエチルなど;シトラコン酸;ス
チレンスルホン酸;ビニルベンジルスルホン酸;ビニル
スルホン酸;アクリロイルオキシアルキルスルホン酸、
例えば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリ
ロイルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプ
ロピルスルホン酸など;メタクリロイルオキシアルキル
スルホン酸、例えば、メタクリロイルオキシメチルスル
ホン酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタ
クリロイルオキシプロピルスルホン酸など;アクリルア
ミドアルキルスルホン酸、例えば、2−アクリルアミド
−2−メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルブタンスルホン酸など;メタクリルアミドア
ルキルスルホン酸、例えば、2−メタクリルアミド−2
−メチルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−
2−メチルブタンスルホン酸など;これらの酸はアルカ
リ金属(例えば、Na、Kなど)またはアンモニウムイ
オンの塩であってもよい。
【0062】また、上記のアニオン性官能基を有する単
量体は、その単独重合体のガラス転移温度の大小に依ら
ず、ラテックスの安定付与等の必要に応じて用いること
が可能であり、用いた場合の好ましい量は、ポリマーの
全質量に対し、0.5ないし20質量%、特に好ましく
は1ないし10質量%である。
【0063】一般式(1)のx、y、zはポリマーラテ
ックス中の各成分の質量百分率比を表す。x、y、zは
それぞれ5≦x≦60、5≦y≦90、x+y+z=1
00である。
【0064】また、本発明のポリマーラテックスがガラ
ス転移温度は−60℃以上であることが好ましく、さら
に好ましくは−40℃以上である。
【0065】官能基を有するポリマーラテックスは、好
ましくは乳化重合法によって調製される。その分散粒子
径は特に限定されないが、好ましい範囲は0.05〜
0.5μmである。本発明における乳化重合法は、少な
くとも一種類の乳化剤として水溶性ポリマーを用いても
よい。これに水あるいは水と水に混和しうる有機溶媒
(たとえばメタノール、エタノール、アセトン等)の混
和溶媒中でモノマーを乳化させ、ラジカル重合開始剤を
用いて一般に30℃ないし約100℃、好ましくは40
℃ないし約90℃の温度で行なわれる。水に混和しうる
有機溶媒の量は、水に対して体積比で0〜100%、好
ましくは0〜50%である。
【0066】重合反応は、通常重合すべき単量体に対し
0.05〜5質量%のラジカル質量開始剤と必要に応じ
て0.1〜10質量%の乳化剤を用いて行なわれる。重
合開始剤としては、アゾビス化合物、パーオキサイド、
ハイドロパーオキサイド、レドックス溶媒など、たとえ
ば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、tert−ブ
チルパーオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、イ
ソプロピル−カーボネイト、2,4−ジクロロベンジル
パーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、
クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、
亜硫酸カリウムと亜硫酸水素ナトリウムの組合せなどが
ある。
【0067】乳化剤としては、アニオン性、カチオン
性、両性、ノニオン性の界面活性剤を用いることができ
る。界面活性剤の例としては、ラウリン酸ソーダ、ドデ
シル硫酸ナトリウム、1−オクトキシカルボニルメチル
−1−オクトキシカルボニルメタンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルリン酸ナト
リウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ド
デシルトリメチレンアンモニウムクロライド、N−2−
エチルヘキシルピリジニウムクロライド、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソ
ルビタンラウリンエステルなどがある。
【0068】官能基を有するポリマーラテックスを乳化
重合する際に、水溶性ポリマーを使用する事が好まし
い。水溶性ポリマーとしては、分子構造中に水溶性のア
ニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基を有する水溶
性天然ポリマーや水溶性合成ポリマーのほとんどのもの
が使用でき、アニオン性基としてはカルボン酸またはそ
の塩、スルホン酸またはその塩、リン酸またはその塩、
カチオン性基としては第3級アミンまたはアンモニウム
塩、ノニオン性基としては、水酸基、アミド基、メトキ
シ基、アルキレンオキシド基としてはオキシエチレン
基、ヘテロ原子環としてピロリドン基等の基が好まし
い。水溶性合成ポリマーの中では、アニオン性もしくは
ノニオン性のものが好ましく、アニオン性のポリマーが
特に好ましい。さらに好ましくはスルホン酸塩を有する
ポリマーが挙げられ、ポリスチレンスルホン酸塩や共役
ジエン系スルホン酸塩を含むポリマーがより好ましい。
また、水溶性ポリマーを2種以上を組み合わせて使用し
てもよい。また、水溶性ポリマーが、本発明の構成要素
である官能基と反応しうる基を有する水溶性ポリマーと
同じであっても良い。
【0069】活性メチレンを有するポリマーラテックス
を、乳化重合する際に使用する乳化剤としての水溶性ポ
リマーは、天然ポリマーあるいは半合成的な水溶性ポリ
マーなども含み、これらの例としてアルギン酸またはそ
の塩、デキストラン、デキストラン硫酸塩、グリコーゲ
ン、アラビアゴム、アルブミン、寒天、でんぷん誘導
体、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、ヒドロ
キシセルロース、セルロース硫酸エステル等を挙げるこ
とができるが、これらの誘導体も使用できる。
【0070】本発明のポリマーラテックスを、乳化重合
する際に使用する水溶性ポリマーを、下記に例示する
が、これらに限定されるものではない。
【0071】
【化2】
【0072】
【化3】
【0073】
【化4】
【0074】
【化5】
【0075】
【化6】
【0076】
【化7】
【0077】乳化重合においては、その目的に応じて、
重合開始剤、濃度、重合温度、反応時間などを幅広く、
かつ、容易に変更できることはいうまでもない。また、
乳化重合反応は、モノマー、界面活性剤、水溶性ポリマ
ー、媒体を予め容器に全量入れておき、開始剤を投入し
て行ってもよいし、必要に応じて各成分の一部あるいは
全量を滴下しながら重合を行ってもよい。
【0078】ポリマーのTgは例えば「J.Brand
rup,E.H.Immergut共著、Polyme
r Hondbook,2nd Edition,III
−139〜III−192(1975)」に詳細に記載さ
れており、また、共重合体の場合には下式により求める
事ができる。
【0079】
【数1】
【0080】官能基を有するポリマー微粒子の導電性組
成物を、画像形成材料上に塗設した層中の導電性組成物
含有量は、固形分として10質量%以上90質量%以下
が、好ましい。
【0081】本発明の微粒子の官能基と反応しうる基を
有する水溶性ポリマーとは、23℃の水100gあたり
1g以上溶解する高分子物質で、併用するポリマー微粒
子の官能基と反応する基を有していれば特に限定されな
いが、スルホン酸基及びカルボキシル基を有する水溶性
ポリマーが好ましい。特に好ましいポリマー構造を一般
式(3)で表す。
【0082】 一般式(3) −(D)a−(E)b−(F)c− 式中Dは、スルホン酸基を有するエチレン性不飽和モノ
マーユニットを示し、Eは、カルボキシル基を有するエ
チレン性不飽和モノマーユニットを示す。Fは、D、E
以外のエチレン性不飽和モノマーユニットを表す。a、
b、cは水溶性ポリマー中の各ユニットのモル分率を表
し、10≦a≦90、10≦b≦90、a+b+c=1
00を表す。好ましいモル分率は、40≦a≦90、1
0≦b≦60、c≦20である。
【0083】Dのモノマーユニットは、スチレンスルホ
ン酸、ビニルベンジルスルホン酸、ビニルスルホン酸、
アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロイルオ
キシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロピルス
ルホン酸、メタクリロイルオキシメチルスルホン酸、メ
タクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタクリロイル
オキシプロピルスルホン、2−アクリルアミド−2−メ
チルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチ
ルブタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチ
ルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メ
チルブタンスルホン酸などを挙げることができる。これ
らのスルホン酸のポリマーへの導入は、スルホン酸基を
有するモノマーユニットを重合して得てもよいし、ポリ
マー重合後スルホン酸基を導入したものでもよい。これ
らの酸はアルカリ金属(例えば、Na、Kなど)または
アンモニウムイオンの塩であってもよい。
【0084】好ましい例としては、スチレンスルホン酸
を挙げることができる。Eのモノマーユニットの例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸などをあげる事ができる。また、これらの酸はアル
カリ金属(例えば、Na、Kなど)またはアンモニウム
イオンの塩であってもよい。好ましい例として、マレイ
ン酸を挙げることができる。
【0085】以下、微粒子の官能基と反応しうる基を有
する水溶性ポリマーの例を挙げる。
【0086】
【化8】
【0087】
【化9】
【0088】次に、本発明の混合後、加熱処理について
説明する。官能基を有するポリマー微粒子と該官能基と
反応しうる基を有する水溶性ポリマーとの混合は、水媒
体中でおこない、混合比は、必要な導電性レベルや膜強
度により任意に設定できるが、固形分の質量比率でポリ
マー微粒子を1としたとき、水溶性ポリマーはおおむね
0.1〜10の割合で混合すればよく、好ましくは、
0.5〜3の割合の混合比である。混合方法は、特に限
定なく、全体が均一に混合できればよい。加熱処理は、
水媒体の混合液を50℃以上の温度で10分以上保つこ
とである。好ましくは、60℃以上90℃以下の温度を
1時間から6時間保つことである。混合液には、前記ポ
リマー微粒子と水溶性ポリマー以外に、導電性組成物の
成分として用いる素材を予め添加し、加熱処理してもよ
い。たとえば、塗布性を向上させるための界面活性剤や
粘度調整剤、架橋剤、ワックスなどの塗膜の物性改良剤
を必要に応じて添加していても構わない。加熱処理後
は、30℃以下で保存すればよい。
【0089】導電性組成物中の官能基を有するポリマー
微粒子と該官能基と反応しうる基を有する水溶性ポリマ
ーの含有量は、60質量%以上あればよく、その他の成
分の樹脂成分や無機微粒子を含有していてもよく、各種
の増粘剤、無機フィラー、本発明以外のポリマーエマル
ジョン、架橋剤、熱硬化性ポリマー、造膜助剤、可塑
剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、有機溶剤等を混合しても
ちいてもよい。
【0090】本発明の導電性組成物を用いて、基材上に
塗工して層を形成させ、導電性フィルムを作製すること
ができる。基材としては、特に限定されないが、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフテレート等の
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸セ
ルロース、ポリスチレン、ポリカーボネートなどのフィ
ルムあるいは複合体をあげることができる。好ましく
は、ポリエステルフィルムあるいはその複合体である。
【0091】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0092】実施例1 (導電性組成物の作製)官能基を有するポリマー微粒子
及び該官能基と反応しうる基を有する水溶液ポリマーを
攪拌混合後、熱処理し導電性組成物1〜9を作製した。
【0093】なお官能基を有するポリマー微粒子は、分
散剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
SP−23を用い乳化重合して得た固形分濃度30%の
ポリ(スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルア
クリレート=4/4/2)ラテックスを指す。使用した
水溶性ポリマー種、及び混合比(ポリマー微粒子/水溶
性ポリマー)、熱処理条件は、表1に示した。なお、各
試料とも架橋剤(C−4)を100mg/m2になる量
を添加している。
【0094】
【表1】
【0095】下引き済み支持体1−1の作製 2軸延伸熱固定済みの厚さ100μmのPETフィルム
の両面に、8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一
方の面に下記下引下層塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μ
mになるように塗設し、乾燥させて感光層側下引層A−
1とし、また反対側の面に下引塗布液b−1を乾燥膜厚
0.8μmになるように塗設し、乾燥させてBC下引下
層B−1とした。
【0096】 《下引下層塗布液a−1》 ブチルアクリレート30質量%、 t−ブチルアクリレート20質量%、 スチレン25質量%及び2−ヒドロキシエチルアクリレート 25質量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1Lに仕上げる。
【0097】 《下引下層塗布液b−1の調製》 ブチルアクリレート10質量%、 アセトアセトキシエチルメタクリレート30質量%、 スチレン20質量%及びグリシジルメタクリーレート40質量% の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1Lに仕上げる。
【0098】〈下引上層A−2の作製〉上記下引層A−
1の上に、8W/m2・分のコロナ放電を施し、下記下
引上層液a−2を10ml/m2塗布し、100℃、1
分乾燥し下引上層A−2とした。
【0099】 《下引上層液a−2の調製》 ゼラチン 10g (C−1) 0.2g (C−2) 0.2g (C−3) 0.1g (C−F) 0.1g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1g 水で1Lに仕上げる。
【0100】〈帯電防止層B−2の作製〉上記下引層B
−1の上に、8W/m2・分のコロナ放電を施し、帯電
防止液b−2を、ドライ膜厚が1.0μmになるよう、
ロールコーターとワイヤーバーの組み合わせで塗布し、
100℃、1分乾燥し、帯電防止層B−2とした。
【0101】 《帯電防止液b−2の調製》 導電性組成物1(表1に記載) 固形分で90g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1g (C−1) 0.1g (C−4) 12g 水で1.5Lに仕上げる。
【0102】
【化10】
【0103】本発明下引済み支持体1−2〜1−9の作
製 表2に記載の如く導電性組成物種類を変更し、帯電防止
液b−2の粘度が、表2の2分間剪断速度5000(1
/s)での粘度となる量の水を帯電防止液b−2へ添加
した以外は支持体1−1と同様に作製した。
【0104】(支持体の熱処理)上記の下引済み支持体
の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、
その後徐々に冷却した。
【0105】かくして作製した下引済支持体試料につい
て、以下の評価を行った。 (評価方法) 《帯電防止性》試料を23℃の水に5分間浸した後乾燥
し、表面比抵抗を測定し、水に浸す前の表面比抵抗との
差を算出した。表面比抵抗の測定方法は以下の通り。
【0106】テラオームメータモデルVE−30(川口
電機(株)製)を用いて試料の表面比抵抗値を測定し
た。23℃、20%RHの雰囲気下に24時間調温調湿
し、同雰囲気下で上記測定器の電極間隔5cmのステン
レス製電極に挟み、1分間値を測定した。
【0107】ΔlogΩ=水に浸した後のlogΩ−水
に浸す前のlogΩ 《塗布性》未露光の試料の塗布ムラ、スジ故障について
の総合評価を下記の評価基準で目視により5段階評価し
た。
【0108】 5:塗布ムラ、スジの発生なく仕上がり良好である 4:塗布ムラ、スジの発生がごく僅かある 3:塗布ムラ、スジの発生は若干ある 2:塗布ムラ、スジの発生がある 1:塗布ムラ、スジの発生が激しく、仕上がりは非常に
悪い 《透明性》試料の透明度を下記の評価基準で目視により
5段階評価した。
【0109】 5:透明度が非常に高く、フィルムがクリヤーである 4:極僅かに乳白色であるが、さほど透明度は落ちてい
ない 3:僅かに乳白色であり、僅かに透明度が4より劣る 2:透明度がややわるい 1:フィルムが乳白色で透明性がほとんどない 結果を表2に示す。表2に記載の各粘度は、帯電防止層
B−2用の各帯電防止液の粘度を表す。
【0110】
【表2】
【0111】表2から明らかなように、本発明の試料1
−2〜1−4及び1−6〜1−9は、帯電防止性、塗布
性、透明性が向上する。
【0112】実施例2 実施例1で作製した下引済支持体試料1−2上に以下の
画像形成材料を構成する層を設けた。
【0113】ハロゲン化銀写真感光材料試料2−1の作
製 下引済支持体試料1−2の下引上層A−2の上に、乳剤
層として下記処方1の塗布液をハロゲン化銀乳剤が銀量
2.9g/m2、ゼラチン量が1.2g/m2になるよう
に塗布乾燥し、ハロゲン化銀写真感光材料2−1を得
た。(以下試料2−1と称す。) ハロゲン化銀写真感光材料試料2−2〜2−11の作製 表3に記載の如く、水溶性ポリマー種類を変更し、乳剤
層塗布液が表3の剪断速度5000(1/s)での粘度
となる量の水を乳剤層塗布液へ添加した以外は試料2−
1と同様に、試料2−2〜2−11を作製した。
【0114】 《処方1、乳剤層塗布液の組成》 (C−5) 増感色素 0.6mg/m2 (H−7) ヒドラジン化合物 30mg/m2 (C−6) アミノ化合物 50mg/m2 (C−7) 界面活性剤 100mg/m2 (C−8) ラテックスポリマー 1.0mg/m2 (C−9) 硬膜剤 30mg/m2 ソディウム−イソアミル−n−デシルスルホサクシネート 0.7mg/m2 2−メルカプト−6−ヒドロキシプリン 10mg/m2 EDTA 50mg/m2 表3に記載の水溶性ポリマー 0.5g/m2
【0115】
【化11】
【0116】下記の如き処方及び条件で、本発明のハロ
ゲン化銀写真感光材料を、現像液及び定着液により処理
した。
【0117】 《現像液組成》 それぞれ使用液1L当たりの量 ジエチルトリアミン5酢酸・5ナトリウム塩 3g 亜硫酸ナトリウム 50g 炭酸カリウム 40g ハイドロキノン 21g 4−メチル−4−ヒドロキシメチル−1−フェニル−3−ヒドラゾリドン (ジメゾンS) 0.9g 臭化カリウム 5g ベンゾトリアゾール 0.2g 5−メチル−ベンゾトリアゾール 0.13g ほう酸 8g ジエチレングリコール 40g 2−メルカプト−6−ヒドロキシプリン 0.06g 水と水酸化カリウムを加えて1Lとし、pH=10.2
に調節する。
【0118】《定着液組成》 使用液1L当たりの量 チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 200ml 亜硫酸ナトリウム 22g ほう酸 9.8g 酢酸ナトリウム・3水和物 34g 酢酸(90%水溶液) 14.5g 酒石酸 3.0g 硫酸アルミニウム(27%水溶液) 25ml 使用液のpHは4.9であった。
【0119】《現像処理条件》 (工程) (温度) (時間) 現像 38℃ 12秒 定着 35℃ 10秒 水洗 40℃ 10秒 乾燥 50℃ 12秒 合計 44秒 (評価方法) 《塗布性》上記未現像の試料について実施例1に記載の
方法に従って行った。
【0120】《透明性》上記現像の試料について実施例
1に記載の方法に従って行った。
【0121】結果を表3に示す。
【0122】
【表3】
【0123】表3から明らかなように、本発明の試料2
−2、2−4、2−5、2−9、2−10は、塗布性、
透明性が向上する。
【0124】実施例3 表4に記載の如く、水溶性ポリマー種類を変更したこ
と、及び乳剤層塗布液が表3の剪断速度5000(1/
s)での粘度となる量の水を乳剤層塗布液へ添加したこ
と、膜強度調整剤の種類、添加量を変化させた以外は実
施例2に記載の試料2−1と同様に、試料3−1〜3−
9を作製した。
【0125】上記試料3−1〜3−9を、実施例2に記
載と同様に現像液及び定着液により処理した。
【0126】(評価方法) 《透明性》上記現像、定着済の試料について実施例1に
記載の方法に従って行った。
【0127】《耐圧性》未露光の試料を平面台に置き、
この上に板に貼ったスポンジタワシをタワシ面が感材に
当たるように乗せ、この上に荷重50gの錘を乗せて固
定し、試料を平面台とスポンジの間から引き抜いた。こ
の試料を現像処理し、カブリの発生度合いを5段階評価
した。
【0128】評価基準 5.全く発生しない 4.一部に僅かに認められる 3.全体にかすかに発生している 2.全体に発生し、一部はひどく発生している 1.全体にひどく発生している 《膜付き》現像処理前の各試料について、乳剤層上にセ
ロファン粘着テープを圧着し、急激に引き剥がし乳剤層
の剥離面積を求め、下記に示す評価基準にしたがって評
価した。
【0129】評価基準 5.接着力は非常に強く、剥離面積は5%未満である 4.接着力は強く、剥離面積は5%以上、20%未満で
ある 3.剥離面積が20%以上、50%未満である 2.剥離面積が50%以上、100%未満である 1.接着力は非常に弱く、乳剤層は完全に剥離する 《保存性》各試料を二つに分け、一方をそのまま、他方
は40℃、80%RHの雰囲気下に5日間放置し、高湿
高温下での保存安定性を評価した。
【0130】未処理及び高温高湿放置処理済みの各試料
を、実施例2に記載の方法に従って現像液及び定着液に
より処理した。現像、定着処理済みの試料のカブリ濃度
を光学濃度計(コニカ(株)製PDA−65)により測
定した。塗布・乾燥直後の試料に対する強制劣化後の試
料のカブリ増加分を求めた。このカブリ増加分が少ない
程保存性が優れていることを示している。
【0131】結果を表4に示す。
【0132】
【表4】
【0133】
【化12】
【0134】表4から明らかなように、本発明の試料3
−2〜3−7は透明性、耐圧性、膜付き、保存性全てが
向上する。
【0135】実施例4 表5に記載の如く、水溶性ポリマー種類を変更したこ
と、及び乳剤層塗布液が表5の剪断速度5000(1/
s)での粘度となる量の水を乳剤層塗布液へ添加したこ
と、ハロゲン化銀写真感光材料全層の蒸留水に対する膜
厚膨潤率が表5に記載の膨潤率になるよう硬膜剤(C−
9)の添加量を変化させたこと以外は実施例2に記載の
試料2−1と同様に、試料4−1〜4−8を作製した。
【0136】上記試料4−1〜4−8、実施例2に記載
の方法に従って現像液及び定着液により処理した。
【0137】(評価方法) 《透明性》上記現像、定着済の試料について実施例1に
記載の方法に従って行った。
【0138】《耐圧性》上記現像、定着済の試料につい
て実施例3に記載の方法に従って行った。
【0139】《保存性》上記現像処理前の試料について
実施例3に記載の方法に従って行った。
【0140】《乾燥性》上記現像処理前の試料について
実施例2に記載の方法に従って、現像、定着を連続処理
した際のフィルムの乾燥性を触感により官能評価した。
【0141】評価基準 5.20枚目でもフィルムは暖かく乾燥して出てくる。
問題ない 4.20枚目でもフィルムは完全に乾燥している。触っ
た時の温度は室温下に放置したフィルムと同程度 3.20枚目で、フィルムはやや冷たいが連続処理した
フィルムは接着するようなことはない 2.20枚目で、フィルムは湿っており未乾である。フ
ィルム同士が接着する 1.10枚目で、フィルムは湿っており未乾である。フ
ィルム同士が接着する 結果を表5に示す。
【0142】
【表5】
【0143】表5から明らかなように、本発明の試料4
−2〜4−7は透明性、耐圧性、乾燥性、保存性全てが
向上する。
【0144】実施例5 表6に記載の如く、水溶性ポリマーを0.5g/m2
加したこと、及び乳剤層塗布液が表5の間剪断速度50
00(1/s)での粘度となる量の水を乳剤層塗布液へ
添加したこと、有機溶媒種、有機溶媒/水(質量比)を
変化させた以外は実施例2に記載の試料2−1と同様
に、試料5−1〜5−7を作製した。
【0145】上記試料5−1〜5−7を、実施例2に記
載の方法に従って現像液及び定着液により処理した。
【0146】(評価方法) 《透明性》上記現像、定着済の試料について実施例1に
記載の方法に従って行った。
【0147】《耐圧性》上記現像、定着済の試料につい
て実施例3に記載の方法に従って行った。
【0148】《保存性》上記現像処理前の試料について
実施例3に記載の方法に従って行った。
【0149】《乾燥性》上記現像処理前の試料について
実施例4に記載の方法に従って行った。
【0150】結果を表6に示す。
【0151】
【表6】
【0152】表6から明らかなように、本発明の試料5
−2〜5−7は透明性、耐圧性、乾燥性、保存性全てが
向上する。
【0153】実施例6 実施例1で作製した下引済支持体試料1−2について以
下の画像形成材料を構成する層を設けた。
【0154】ハロゲン化銀写真感光材料試料6a−1の
作製 下引済支持体試料1−2の下引上層A−2の上に、乳剤
層として実施例2の処方1の塗布液をハロゲン化銀乳剤
を銀量2.9g/m2、ゼラチン量が1.2g/m2にな
るように塗布乾燥後、その上に保護層として下記処方2
の塗布液を、ゼラチン量が0.6g/m2になるよう塗
布乾燥し、ハロゲン化銀写真感光材料試料6a−1を得
た。(以下試料6a−1と称す。) ハロゲン化銀写真感光材料試料6a−2〜6a−4の作
製 表7に記載の如く、水溶性ポリマーを0.5g/m2
加したこと、及び乳剤層塗布液、保護層塗布液が表7の
剪断速度5000(1/s)での粘度となる量の水をそ
れぞれ乳剤層塗布液、保護層塗布液へ添加した以外は試
料6a−1と同様に、試料6a−2〜6−4を作製し
た。
【0155】同時重層塗布試料6b−1の作製 下引済支持体試料1−2の下引上層A−2の上に、乳剤
層として実施例2の処方1の塗布液をハロゲン化銀乳剤
を銀量2.9g/m2、ゼラチン量が1.2g/m2にな
るように、更にその上に保護層として下記処方2の塗布
液を、ゼラチン量が0.6g/m2になるよう、乳剤層
と保護層を同時重層塗布し、ハロゲン化銀写真感光材料
試料6b−1を得た。
【0156】同時重層塗布試料6b−2〜6b−5の作
製 表7に記載の如く、水溶性ポリマーを0.5g/m2
加したこと、及び乳剤層塗布液、保護層塗布液が表7の
剪断速度5000(1/s)での粘度となる量の水をそ
れぞれ乳剤層塗布液、保護層塗布液へ添加した以外は試
料6b−1と同様に、試料6b−2〜6b−5を作製し
た。
【0157】 《処方2、乳剤保護層の組成》 ゼラチン 0.6g/m2 ソジュウム−イソアミル−n−デシルスルホサクシネート 12mg/m2 マット剤:平均粒径3.5μmの単分散シリカ 25mg/m2 (C−10) 硬膜剤 30mg/m2 (C−11) 界面活性剤 1mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 20mg/m2
【0158】
【化13】
【0159】上記試料6a−1〜6a−4、6b−1〜
6b−5を、実施例2に記載と同様に現像液及び定着液
により処理した。
【0160】(評価方法) 《塗布性》上記未現像の試料について実施例1に記載の
方法に従って行った。
【0161】《透明性》上記現像の試料について実施例
1に記載の方法に従って行った。
【0162】結果を表7に示す。
【0163】
【表7】
【0164】表7から明らかなように、本発明の試料6
a−1、6a−3、6a−4、6b−1、6b−4,6
b−5は、塗布性、透明性が向上する。なかでも、同時
重層塗布して得られた試料6b−1、6b−4,6b−
5は、特に塗布性、透明性の向上が著しい。
【0165】
【発明の効果】本発明により、塗布性、透明性、帯電防
止性、耐圧性、乾燥性、保存性に優れたハロゲン化銀写
真感光材料を提供することができた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体に最も近い親水性コロイド層と支
    持体との間に下引層を有するハロゲン化銀写真感光材料
    において、以下の粘度条件を満たす下引層塗布液を塗布
    乾燥して得られる下引層を有することを特徴とするハロ
    ゲン化銀写真感光材料。 (粘度条件) 25℃において、2分間剪断速度500
    0(1/s)となる剪断を一定時間与えた後、直ちに5
    分間剪断速度5(1/s)にステップ変化させて、その
    剪断速度で一定時間剪断を与えたとき、2分間剪断速度
    5000(1/s)での平均粘度をA、5分間剪断速度
    5(1/s)での平均粘度をBとしたとき、1.0cP
    ≦A≦3.5cPかつ、1.0cP≦B≦4.0cPあ
    る。但し、平均粘度は各剪断速度の時間内に等時間間隔
    で30回、粘度を測定して、その平均値を用いた。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも一層の親水性コロ
    イド層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、以
    下の粘度条件を満たす親水性コロイド層塗布液を塗布乾
    燥して得られることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料。(粘度条件) 30℃において、2分間剪断速度
    5000(1/s)となる剪断を一定時間与えた後、直
    ちに5分間剪断速度5(1/s)にステップ変化させ
    て、その剪断速度で一定時間剪断を与えたとき、2分間
    剪断速度5000(1/s)での平均粘度をC、5分間
    剪断速度5(1/s)での平均粘度をDとしたとき、
    2.0cP≦C≦30cP以下かつ2.0cP≦D≦6
    0cPである。但し、平均粘度は各剪断速度の時間内に
    等時間間隔で30回、粘度を測定して、その平均値を用
    いた。
  3. 【請求項3】 感光層及び非感光層から選ばれる少なく
    とも1層の平均弾性率が500kg/mm2以上180
    0kg/mm2以下であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀写真感光材料全層の蒸留水
    に対する膜厚膨潤率が200%未満であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  5. 【請求項5】 感光層及び非感光層から選ばれる少なく
    とも1層を、密度を1.1g/cm3以上1.6g/c
    3以下としたゼラチンバインダーを有する層とするこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン化銀写
    真感光材料。
  6. 【請求項6】 支持体上に少なくとも2層以上の親水性
    コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
    て、最外層塗布液の剪断速度5000(1/s)での粘
    度(E)、及び支持体と該最外層の間の親水性コロイド
    層塗布液の剪断速度5000(1/s)での粘度(F)
    がE<Fであり、さらに該最外層塗布液および支持体と
    該最外層の間の親水性コロイド層塗布液が以下の粘度条
    件を満たし、この両層が同時重層塗布・乾燥されたもの
    であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 (粘度条件) 30℃において、2分間剪断速度500
    0(1/s)となる剪断を一定時間与えた後、直ちに5
    分間剪断速度5(1/s)にステップ変化させて、その
    剪断速度で一定時間剪断を与えたとき、2分間剪断速度
    5000(1/s)での平均粘度をG、5分間剪断速度
    5(1/s)での平均粘度をHとしたとき、2.0cP
    ≦G≦30cP以下かつ2.0cP≦H≦60cPであ
    る。但し、平均粘度は各剪断速度の時間内に等時間間隔
    で30回、粘度を測定して、その平均値を用いた。
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