JP2001281332A - 合成開口レーダ装置および目標画像再生方法 - Google Patents

合成開口レーダ装置および目標画像再生方法

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JP2001281332A
JP2001281332A JP2000095565A JP2000095565A JP2001281332A JP 2001281332 A JP2001281332 A JP 2001281332A JP 2000095565 A JP2000095565 A JP 2000095565A JP 2000095565 A JP2000095565 A JP 2000095565A JP 2001281332 A JP2001281332 A JP 2001281332A
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健志 堀内
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貴彦 藤坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルスの搬送周波数変化量によって決まる分
解能以上の解像度で、目標散乱点の検出が可能な合成開
口レーダ装置を得る。 【解決手段】 目標の画像の各クロスレンジ成分につい
てのレンジ方向のデータ列をフーリエ変換して周波数デ
ータを生成する周波数変換手段12と、その周波数デー
タに対して、サイドローブ抑圧処理を実行して目標画像
を再生する画像再生手段13aとを備え、レンジ圧縮に
よって生成されるサイドローブを抑圧して、目標画像が
レンジ方向に広がって解像度が劣化するのを改善するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、目標に対して搬
送波周波数が時間と共に変化するパルスを送信し、目標
が反射したパルス信号から目標画像を再生する合成開口
レーダ装置および目標画像再生方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図10は例えば(Airborne P
ulsed Doppler Radar Secon
d Edition,Guy Morris and
Linda Harkness,Artech Hou
se,1997)に示された従来の合成開口レーダ装置
を示す構成図であり、図において、1はパルス信号を出
力する送信機、2は後述の制御回路4から出力された周
波数制御信号に基づいて時間と共に周波数を変化させた
信号を出力する局部発振器、3は送信機1に対してトリ
ガ信号を発生するパルス変調器である。制御回路4は局
部発振器2に対する周波数制御信号を出力する。5は送
受信を切換える送受切換器、6は送受切換器5を介して
送信機1から出力されるパルス信号を目標に対して送信
し、また、目標から反射されたパルス信号を受信するア
ンテナ、7はアンテナ6により受信されたパルス信号を
入力して受信信号を出力する受信機、8は受信機7から
出力された受信信号を各パルス毎にレンジ圧縮するレン
ジ圧縮手段、9はレンジ圧縮された各パルスの受信信号
をストアするメモリ、10はレンジ圧縮された複数のパ
ルスの受信信号をメモリ9から読み出し、これらに対し
てクロスレンジ圧縮を行い、目標の画像を再生するクロ
スレンジ圧縮手段である。なお、11bは上述のレンジ
圧縮手段8とメモリ9とクロスレンジ圧縮手段10とか
らなる信号処理器である。
【0003】次に動作について説明する。図3はレンジ
圧縮およびクロスレンジ圧縮の処理を示す説明図であ
り、図4はクロスレンジ圧縮手段が構成する受信信号の
2次元配置を示す説明図である。図10と共に図3およ
び図4を参照しながら動作について説明する。制御回路
4は、図3(a)、(b)に示すように、時間と共に搬
送波周波数がリニアに変化するように、周波数制御信号
を制御して、局部発振器2に出力する。局部発振器2
は、制御回路4から出力される周波数制御信号に基づい
て搬送波周波数を設定した信号を出力する。時間tにお
ける信号の搬送波周波数f(t)は、周波数初期値をf
、周波数変化率をhとして、下記の式(1)に基づい
て設定される。 f(t)=f+ht (1)
【0004】送信機1は、局部発振器2の出力信号を増
幅し、パルス変調器3から出力される送信トリガ信号に
同期してパルス信号を生成して出力する。送信機1から
出力されたパルス信号は、送受切換器5を介してアンテ
ナ6に給電され、アンテナ6より目標に放射される。次
いでアンテナ6は、目標から反射されたパルス信号を受
信し、送受切換器5を介して受信機7に出力する。パル
ス信号は受信機7においてビデオ信号に周波数変換され
た後、位相検波およびディジタル変換され、受信信号と
して信号処理器11bに出力される。
【0005】信号処理器11bのレンジ圧縮手段8で
は、各パルス毎に受信機7から入力された受信信号に対
して、図3(c)、(d)に示すような特性を持つ信号
を用いて畳込み演算を行う。これにより受信信号は図3
(e)に示すように、パルスの搬送周波数変化量Δfの
逆数1/Δfに相当するパルス幅にレンジ圧縮される。
このレンジ圧縮後の受信信号には、図3(e)に示すよ
うに、レンジ方向の目標の振幅分布を表すメインローブ
と、そのサイドローブが生成される。
【0006】レンジ圧縮手段8によりレンジ圧縮された
各パルスの受信信号は、メモリ9にストアされる。クロ
スレンジ圧縮手段10は、レンジ圧縮された複数のパル
スの受信信号をメモリ9から読み出し、図4に示すよう
にそれらの受信信号を2次元に配置する。次にクロスレ
ンジ圧縮手段10は、レンジ方向に下記の式(2)で間
隔ΔRが与えられるセル毎に、複数のパルスの受信信号
に対して、図3(c)、(d)に示したような特性を持
つ信号を用いて畳込み演算を行う。ここで、cは光速を
表す。 ΔR=c/(2Δf) (2) これによって受信信号はクロスレンジ方向に圧縮され
て、目標の画像が再生される。以上のようにして、観測
対象となる目標に対して搬送波周波数が時間と共に変化
するパルス信号を送信し、反射されたパルス信号から目
標の画像を再生することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の合成開口レーダ
装置は以上のように構成されているので、レンジ圧縮に
よって生成されるサイドローブにより、目標画像がレン
ジ方向に広がり、解像度が劣化するという課題があっ
た。
【0008】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、レンジ圧縮によって生成されるサ
イドローブにより、目標画像がレンジ方向に広がり、解
像度が劣化するのを改善する合成開口レーダ装置および
目標画像再生方法を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る合成開口
レーダ装置は、各クロスレンジ成分についてのレンジ方
向のデータ列をフーリエ変換して周波数データを生成す
る周波数変換手段と、その周波数データに対して、サイ
ドローブ抑圧処理を実行して目標画像を再生する画像再
生手段とを備えたものである。
【0010】この発明に係る合成開口レーダ装置は、画
像再生手段において、周波数データの共分散行列を算出
する共分散行列算出手段と、その共分散行列に対して小
行列を構成して、小行列に対して移動平均処理を実行し
て平均共分散行列を算出する移動平均手段と、その平均
共分散行列の固有値解析を行い固有値を求める固有値解
析手段と、その固有値の累積を計算し、その累積値に基
づいてその平均共分散行列が特異であるか否かを判定す
る判定手段と、その平均共分散行列が特異であると判定
された場合に、移動平均手段における移動平均処理に用
いる小行列の次数を1つ繰り下げて実行させる小行列次
数変更手段と、その平均共分散行列が特異でないと判定
された場合に、その平均共分散行列の逆行列を算出する
逆行列算出手段と、その逆行列を用いて目標のレンジ方
向のレンジプロフィールを生成し、目標画像を再生する
レンジプロフィール生成手段とを備えたものである。
【0011】この発明に係る合成開口レーダ装置は、判
定手段により平均共分散行列が特異であると判定された
場合に、固有値解析手段により求められた固有値から最
小固有値を求め、その最小固有値に基づいてその電力を
設定した疑似雑音を生成し、移動平均手段により算出さ
れた平均共分散行列にその疑似雑音を付加する疑似雑音
生成手段を備えたものである。
【0012】この発明に係る目標画像再生方法は、各ク
ロスレンジ成分についてのレンジ方向のデータ列をフー
リエ変換して周波数データを生成する周波数変換工程
と、その周波数データの共分散行列を算出する共分散行
列算出工程と、その共分散行列に対して小行列を構成し
て、小行列に対して移動平均処理を実行して平均共分散
行列を算出する移動平均工程と、その平均共分散行列の
固有値解析を行い固有値を求める固有値解析工程と、そ
の固有値の累積を計算し、累積値に基づいてその平均共
分散行列が特異であるか否かを判定する判定工程と、そ
の平均共分散行列が特異であると判定された場合に、移
動平均工程における移動平均処理に用いる小行列の次数
を1つ繰り下げて実行させる小行列次数変更工程と、そ
の平均共分散行列が特異でないと判定された場合に、そ
の平均共分散行列の逆行列を算出する逆行列算出工程
と、その逆行列を用いて目標のレンジ方向のレンジプロ
フィールを生成し、目標画像を再生するレンジプロフィ
ール生成工程とを備えたものである。
【0013】この発明に係る目標画像再生方法は、判定
工程により平均共分散行列が特異であると判定された場
合に、固有値解析工程により求められた固有値から最小
固有値を求め、その最小固有値に基づいてその電力を設
定した疑似雑音を生成し、移動平均工程により算出され
た平均共分散行列にその疑似雑音を付加する疑似雑音生
成工程を備えたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による合
成開口レーダ装置を示す構成図であり、図において、1
はパルス信号を出力する送信機(送信手段)、2は後述
の制御回路4から出力された周波数制御信号に基づいて
時間と共に周波数を変化させた信号を出力する局部発振
器、3は送信機1に対してトリガ信号を発生するパルス
変調器である。制御回路4は局部発振器2に対する周波
数制御信号を出力する。5は送受信を切換える送受切換
器、6は送受切換器5を介して送信機1から出力される
パルス信号を目標に対して送信し、また、目標から反射
されたパルス信号を受信するアンテナ、7はアンテナ6
により受信されたパルス信号を入力して受信信号を出力
する受信機(受信手段)、8は受信機7から出力された
受信信号を各パルス毎にレンジ圧縮するレンジ圧縮手
段、9はレンジ圧縮された各パルスの受信信号をストア
するメモリ、10はレンジ圧縮された複数のパルスの受
信信号をメモリ9から読み出し、これらに対してクロス
レンジ圧縮を行い、目標の画像を再生するクロスレンジ
圧縮手段である。以上、従来の技術と同一の構成であ
る。
【0015】12はクロスレンジ圧縮手段10によりク
ロスレンジ圧縮された各クロスレンジ成分についてのレ
ンジ方向のデータ列をフーリエ変換して周波数データを
生成する周波数変換手段(周波数変換工程)、13aは
周波数変換手段12により得られた周波数データに対し
て、サイドローブ抑圧処理を実行して目標画像を再生す
る画像再生手段である。なお、11aは上述のレンジ圧
縮手段8とメモリ9とクロスレンジ圧縮手段10と周波
数変換手段12と画像再生手段13aとからなる信号処
理器(信号処理手段)である。
【0016】図2は画像再生手段の詳細を示す構成図で
あり、図において、14は周波数変換手段12から出力
された周波数データの相互相関図を要素とする共分散行
列を算出する共分散行列算出手段(共分散行列算出工
程)、15は共分散行列算出手段14により算出された
共分散行列の一部から小行列を構成し、それらの小行列
に対して移動平均処理を実行して平均共分散行列を算出
する移動平均手段(移動平均工程)である。16は移動
平均手段15により算出された平均共分散行列の固有値
解析を行い、固有値を求める固有値解析手段(固有値解
析工程)、17aは固有値解析手段16により求められ
た固有値の累積を計算し、その累積値に基づいて移動平
均手段15により算出された平均共分散行列が特異であ
るか否かを判定する判定手段(判定工程)である。18
は判定手段17aにより平均共分散行列が特異であると
判定された場合に、移動平均手段15における移動平均
処理に用いる小行列の次数を1つ繰り下げて実行させる
小行列次数変更手段(小行列次数変更工程)、19は判
定手段17aにより平均共分散行列が特異でないと判定
された場合に、その平均共分散行列の逆行列を算出する
逆行列算出手段(逆行列算出工程)である。20は逆行
列算出手段19により算出された逆行列を用いて目標の
レンジ方向のレンジプロフィールを生成し、目標画像を
再生するレンジプロフィール生成手段(レンジプロフィ
ール生成工程)である。
【0017】次に動作について説明する。図3はレンジ
圧縮およびクロスレンジ圧縮の処理を示す説明図であ
り、図4はクロスレンジ圧縮手段が構成する受信信号の
2次元配置を示す説明図である。図1と共に図3および
図4を参照しながら動作について説明する。制御回路4
は、図3(a)、(b)に示すように、時間と共に搬送
波周波数がリニアに変化するように、周波数制御信号を
制御して、局部発振器2に出力する。局部発振器2は、
制御回路4から出力される周波数制御信号に基づいて搬
送波周波数を設定した信号を出力する。時間tにおける
信号の搬送波周波数f(t)は、周波数初期値をf
周波数変化率をhとして、下記の式(1)に基づいて設
定される。 f(t)=f+ht (1)
【0018】送信機1は、局部発振器2の出力信号を増
幅し、パルス変調器3から出力される送信トリガ信号に
同期してパルス信号を生成して出力する。送信機1から
出力されたパルス信号は、送受切換器5を介してアンテ
ナ6に給電され、アンテナ6より目標に放射される。次
いでアンテナ6は、目標から反射されたパルス信号を受
信し、送受切換器5を介して受信機7に出力する。パル
ス信号は受信機7においてビデオ信号に周波数変換され
た後、位相検波およびディジタル変換され、受信信号と
して信号処理器11aに出力される。
【0019】信号処理器11aのレンジ圧縮手段8で
は、各パルス毎に受信機7から入力された受信信号に対
して、図3(c)、(d)に示すような特性を持つ信号
を用いて畳込み演算を行う。これにより受信信号は図3
(e)に示すように、パルスの搬送周波数変化量Δfの
逆数1/Δfに相当するパルス幅にレンジ圧縮される。
このレンジ圧縮後の受信信号には、図3(e)に示すよ
うに、レンジ方向の目標の振幅分布を表すメインローブ
と、そのサイドローブが生成される。
【0020】レンジ圧縮手段8によりレンジ圧縮された
各パルスの受信信号は、メモリ9にストアされる。クロ
スレンジ圧縮手段10は、レンジ圧縮された複数のパル
スの受信信号をメモリ9から読み出し、図4に示すよう
にそれらの受信信号を2次元に配置する。次にクロスレ
ンジ圧縮手段10は、レンジ方向に下記の式(2)で間
隔ΔRが与えられるセル毎に、複数のパルスの受信信号
に対して、図3(c)、(d)に示したような特性を持
つ信号を用いて畳込み演算を行う。ここで、cは光速を
表す。 ΔR=c/(2Δf) (2) これによって受信信号はクロスレンジ方向に圧縮され
る。
【0021】図5は周波数変換手段により構成されるデ
ータ列を示す説明図であり、次に周波数変換手段12
は、この図5に示すように、クロスレンジ圧縮手段10
により得られた目標画像のクロスレンジ方向の各成分
(x,x,…,x)に対して、それぞれレンジ方
向の各成分(y,y,…,y)のデータ列を構成
し、これらのデータに対して高速フーリエ変換を行い、
周波数データ(z,z,…,z)に変換して画像
再生手段13aに出力する。
【0022】共分散行列算出手段14は、周波数変換手
段12により出力された周波数データに対して、下記の
式(3)で定義される共分散行列Rを算出する。ここ
で、*は共役複素数を表す。
【数1】
【0023】図6は共分散行列および小行列を示す説明
図であり、図において、21は共分散行列、22は小行
列である。次に移動平均手段15は、この図6に示すよ
うに、共分散行列算出手段14から出力された共分散行
列21の対角項に沿って、次数Mの小行列22を構成
する。さらに、移動平均手段15は、共分散行列21か
ら取り出したL個の小行列Rを用いて、下記の式
(4)で定義される平均共分散行列Raを算出する。
【数2】
【0024】次いで固有値解析手段16は、平均共分散
行列Raの固有値解析を実行し、得られたM個の固有
値λ(i=1,2,…,M)を判定手段17aに出
力する。判定手段17aは、下記の式(5)で示される
行列式|Ra|を計算する。
【数3】
【0025】図7は判定手段による小行列次数変更処理
を示すフローチャートであり、判定手段17aは、この
図7に示すフローチャートに従って、行列式|Ra|が
零の場合、平均共分散行列Raは特異であると判定し、
図2に示すように小行列次数変更手段18に対して、小
行列次数変更指令を出力する。小行列次数変更手段18
は、判定手段17aから小行列次数変更指令を入力した
場合、移動平均手段15に対して小行列の次数を1つ繰
り下げた(M−1)に変更して、移動平均処理を再度
実行させる。また、行列式|Ra|が零でない場合、判
定手段17aは平均共分散行列Raが特異でないと判定
し、逆行列算出手段19は、平均共分散行列Raの逆行
列Ra―1を計算する。
【0026】レンジプロフィール生成手段20は、逆行
列算出手段19から出力された平均共分散行列Raの逆
行列Ra―1と、下記の式(6)で与えられるモードベ
クトルa(r)から、下記の式(7)で与えられる目標
のレンジ方向のレンジプロフィールP(r)を計算す
る。ここで、rはレンジ、Fはパルスの搬送波周波数
の中心値をfとして下記の式(8)で与えられる初期
値、ΔFは目標画像のレンジ方向のセル数をMとして下
記の式(9)で与えられるステップ値、Hは複素共役転
置、Tはベクトルの転置をそれぞれ表す。
【数4】
【0027】図8はレンジプロフィールにおけるサイド
ローブの抑圧効果を示す説明図であり、レンジプロフィ
ール生成手段20から出力されるレンジプロフィール
と、レンジ圧縮手段8で受信信号に対して行われたレン
ジ圧縮の結果を示したものである。この図8で分かるよ
うに、レンジプロフィール生成手段20は、レンジ圧縮
によって生成されるサイドローブを抑圧してレンジプロ
フィールを生成することができる。レンジプロフィール
生成手段20は、クロスレンジの各成分に対して、レン
ジプロフィールを生成し、これらのレンジプロフィール
から目標画像を再生する。
【0028】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、レンジ圧縮によって生成されるサイドローブを抑圧
して、目標画像がレンジ方向に広がって解像度が劣化す
るのを改善することができる。
【0029】実施の形態2.図9はこの発明の実施の形
態2による画像再生手段の詳細を示す構成図であり、図
において、13bは画像再生手段、23は判定手段17
bにより平均共分散行列が特異であると判定された場合
に、固有値解析手段16により求められた固有値から最
小固有値を求め、その最小固有値に基づいてその電力を
設定した疑似雑音を生成し、移動平均手段15により算
出された平均共分散行列にその疑似雑音を付加する疑似
雑音生成手段(疑似雑音生成工程)である。その他の構
成は図2と同一なのでその重複する説明を省略する。
【0030】次に動作について説明する。 判定手段1
7bにより平均共分散行列Raが特異であると判定され
た場合に、疑似雑音生成手段23は、固有値解析手段1
6により得られた固有値λから最小固有値λmin
求め、下記の式(10)で示されるように、疑似雑音λ
minIを付加した平均共分散行列Raを新たな平均共
分散行列として、固有値解析手段16に出力する。ここ
で、Iは平均共分散行列と同次数の単位行列を表す。 Ra←Ra+λminI (10)
【0031】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、平均共分散行列が特異となり、逆行列の計算が困難
となるのを改善し、判定手段17bで行われる小行列次
数変更のループ処理の収束を速めることができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、各ク
ロスレンジ成分についてのレンジ方向のデータ列をフー
リエ変換して周波数データを生成する周波数変換手段
と、その周波数データに対して、サイドローブ抑圧処理
を実行して目標画像を再生する画像再生手段とを備える
ように構成したので、レンジ圧縮によって生成されるサ
イドローブを抑圧して、目標画像がレンジ方向に広がっ
て解像度が劣化するのを改善することができる効果が得
られる。
【0033】また、この発明によれば、画像再生手段に
おいて、周波数データの共分散行列を算出する共分散行
列算出手段と、その共分散行列に対して小行列を構成し
て、小行列に対して移動平均処理を実行して平均共分散
行列を算出する移動平均手段と、その平均共分散行列の
固有値解析を行い固有値を求める固有値解析手段と、そ
の固有値の累積を計算し、その累積値に基づいてその平
均共分散行列が特異であるか否かを判定する判定手段
と、その平均共分散行列が特異であると判定された場合
に、移動平均手段における移動平均処理に用いる小行列
の次数を1つ繰り下げて実行させる小行列次数変更手段
と、その平均共分散行列が特異でないと判定された場合
に、その平均共分散行列の逆行列を算出する逆行列算出
手段と、その逆行列を用いて目標のレンジ方向のレンジ
プロフィールを生成し、目標画像を再生するレンジプロ
フィール生成手段とを備えるように構成したので、レン
ジ圧縮によって生成されるサイドローブを抑圧して、目
標画像がレンジ方向に広がって解像度が劣化するのを確
実に改善することができる効果が得られる。
【0034】さらに、この発明によれば、判定手段によ
り平均共分散行列が特異であると判定された場合に、固
有値解析手段により求められた固有値から最小固有値を
求め、その最小固有値に基づいてその電力を設定した疑
似雑音を生成し、移動平均手段により算出された平均共
分散行列にその疑似雑音を付加する疑似雑音生成手段を
備えるように構成したので、レンジ圧縮によって生成さ
れるサイドローブを抑圧して、目標画像がレンジ方向に
広がって解像度が劣化するのを確実に迅速に改善するこ
とができる効果が得られる。
【0035】さらに、この発明によれば、各クロスレン
ジ成分についてのレンジ方向のデータ列をフーリエ変換
して周波数データを生成する周波数変換工程と、その周
波数データの共分散行列を算出する共分散行列算出工程
と、その共分散行列に対して小行列を構成して、小行列
に対して移動平均処理を実行して平均共分散行列を算出
する移動平均工程と、その平均共分散行列の固有値解析
を行い固有値を求める固有値解析工程と、その固有値の
累積を計算し、累積値に基づいてその平均共分散行列が
特異であるか否かを判定する判定工程と、その平均共分
散行列が特異であると判定された場合に、移動平均工程
における移動平均処理に用いる小行列の次数を1つ繰り
下げて実行させる小行列次数変更工程と、その平均共分
散行列が特異でないと判定された場合に、その平均共分
散行列の逆行列を算出する逆行列算出工程と、その逆行
列を用いて目標のレンジ方向のレンジプロフィールを生
成し、目標画像を再生するレンジプロフィール生成工程
とを備えるように構成したので、レンジ圧縮によって生
成されるサイドローブを抑圧して、目標画像がレンジ方
向に広がって解像度が劣化するのを確実に改善すること
ができる効果が得られる。
【0036】さらに、この発明によれば、判定工程によ
り平均共分散行列が特異であると判定された場合に、固
有値解析工程により求められた固有値から最小固有値を
求め、その最小固有値に基づいてその電力を設定した疑
似雑音を生成し、移動平均工程により算出された平均共
分散行列にその疑似雑音を付加する疑似雑音生成工程を
備えるように構成したので、レンジ圧縮によって生成さ
れるサイドローブを抑圧して、目標画像がレンジ方向に
広がって解像度が劣化するのを確実に迅速に改善するこ
とができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による合成開口レー
ダ装置を示す構成図である。
【図2】 画像再生手段の詳細を示す構成図である。
【図3】 レンジ圧縮およびクロスレンジ圧縮の処理を
示す説明図である。
【図4】 クロスレンジ圧縮手段が構成する受信信号の
2次元配置を示す説明図である。
【図5】 周波数変換手段により構成されるデータ列を
示す説明図である。
【図6】 共分散行列および小行列を示す説明図であ
る。
【図7】 判定手段による小行列次数変更処理を示すフ
ローチャートである。
【図8】 レンジプロフィールにおけるサイドローブの
抑圧効果を示す説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態2による画像再生手段
の詳細を示す構成図である。
【図10】 従来の合成開口レーダ装置を示す構成図で
ある。
【符号の説明】
1 送信機(送信手段)、2 局部発振器、3 パルス
変調器、4 制御回路、5 送受切換器、6 アンテ
ナ、7 受信機(受信手段)、8 レンジ圧縮手段、9
メモリ、10 クロスレンジ圧縮手段、11a 信号
処理器(信号処理手段)、12 周波数変換手段(周波
数変換工程)、13a,13b 画像再生手段、14
共分散行列算出手段(共分散行列算出工程)、15 移
動平均手段(移動平均工程)、16 固有値解析手段
(固有値解析工程)、17a,17b判定手段(判定工
程)、18 小行列次数変更手段(小行列次数変更工
程)、19 逆行列算出手段(逆行列算出工程)、20
レンジプロフィール生成手段(レンジプロフィール生
成工程)、21 共分散行列、22 小行列、23 疑
似雑音生成手段(疑似雑音生成工程)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標に対して搬送波周波数が時間と共に
    変化するパルス信号を送信する送信手段と、上記目標が
    反射したパルス信号を受信する受信手段と、上記受信手
    段により受信されたパルス信号に基づいて上記目標への
    パルス信号の送信方向についてのレンジ成分と、その送
    信方向に直交する方向についてのクロスレンジ成分とで
    構成される画像信号を生成する信号処理手段とを備えた
    合成開口レーダ装置において、各クロスレンジ成分につ
    いてのレンジ方向のデータ列をフーリエ変換して周波数
    データを生成する周波数変換手段と、上記周波数変換手
    段により得られた周波数データに対して、サイドローブ
    抑圧処理を実行して目標画像を再生する画像再生手段と
    を備えたことを特徴とする合成開口レーダ装置。
  2. 【請求項2】 画像再生手段は、周波数データの共分散
    行列を算出する共分散行列算出手段と、上記共分散行列
    算出手段により算出された共分散行列に対して小行列を
    構成して、それらの小行列に対して移動平均処理を実行
    して平均共分散行列を算出する移動平均手段と、上記移
    動平均手段により算出された平均共分散行列の固有値解
    析を行い固有値を求める固有値解析手段と、上記固有値
    解析手段により求められた固有値の累積を計算し、その
    累積値に基づいて上記移動平均手段により算出された平
    均共分散行列が特異であるか否かを判定する判定手段
    と、上記判定手段によりその平均共分散行列が特異であ
    ると判定された場合に、上記移動平均手段における移動
    平均処理に用いる小行列の次数を1つ繰り下げて実行さ
    せる小行列次数変更手段と、上記判定手段によりその平
    均共分散行列が特異でないと判定された場合に、その平
    均共分散行列の逆行列を算出する逆行列算出手段と、上
    記逆行列算出手段により算出された逆行列を用いて目標
    のレンジ方向のレンジプロフィールを生成し、目標画像
    を再生するレンジプロフィール生成手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項1記載の合成開口レーダ装置。
  3. 【請求項3】 判定手段により平均共分散行列が特異で
    あると判定された場合に、固有値解析手段により求めら
    れた固有値から最小固有値を求め、その最小固有値に基
    づいてその電力を設定した疑似雑音を生成し、移動平均
    手段により算出された平均共分散行列にその疑似雑音を
    付加する疑似雑音生成手段を備えたことを特徴とする請
    求項2記載の合成開口レーダ装置。
  4. 【請求項4】 目標に対して搬送波周波数が時間と共に
    変化するパルス信号を送信して、その目標が反射したパ
    ルス信号を受信し、そのパルス信号に基づいてその目標
    へのパルス信号の送信方向についてのレンジ成分と、そ
    の送信方向に直交する方向についてのクロスレンジ成分
    とからなる画像を再生する目標画像再生方法において、
    各クロスレンジ成分についてのレンジ方向のデータ列を
    フーリエ変換して周波数データを生成する周波数変換工
    程と、上記周波数変換工程により得られた周波数データ
    の共分散行列を算出する共分散行列算出工程と、上記共
    分散行列算出工程により算出された共分散行列に対して
    小行列を構成して、それらの小行列に対して移動平均処
    理を実行して平均共分散行列を算出する移動平均工程
    と、上記移動平均工程により算出された平均共分散行列
    の固有値解析を行い固有値を求める固有値解析工程と、
    上記固有値解析工程により求められた固有値の累積を計
    算し、その累積値に基づいて上記移動平均工程により算
    出された平均共分散行列が特異であるか否かを判定する
    判定工程と、上記判定工程によりその平均共分散行列が
    特異であると判定された場合に、上記移動平均工程にお
    ける移動平均処理に用いる小行列の次数を1つ繰り下げ
    て実行させる小行列次数変更工程と、上記判定工程によ
    りその平均共分散行列が特異でないと判定された場合
    に、その平均共分散行列の逆行列を算出する逆行列算出
    工程と、上記逆行列算出工程により算出された逆行列を
    用いて目標のレンジ方向のレンジプロフィールを生成
    し、目標画像を再生するレンジプロフィール生成工程と
    を備えたことを特徴とする目標画像再生方法。
  5. 【請求項5】 判定工程により平均共分散行列が特異で
    あると判定された場合に、固有値解析工程により求めら
    れた固有値から最小固有値を求め、その最小固有値に基
    づいてその電力を設定した疑似雑音を生成し、移動平均
    工程により算出された平均共分散行列にその疑似雑音を
    付加する疑似雑音生成工程を備えたことを特徴とする請
    求項4記載の目標画像再生方法。
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