JP5267900B2 - 到来方向推定装置およびそれを備えた無線通信装置 - Google Patents

到来方向推定装置およびそれを備えた無線通信装置 Download PDF

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Description

この発明は、到来波の到来方向を推定する到来方向推定装置およびそれを備えた無線通信装置に関するものである。
近年、無線通信システムにおいて、加入者容量の更なる増大および伝送速度の更なる高速化を図るために、AAA(Adaptive Antenna Array)およびMIMO(Multiple Input Multiple Output)に代表される時間領域と空間領域とを利用した時空間信号処理技術の適用が検討されている。
そして、これらの技術を精度良く評価するために、到来する電波の時間方向と到来方向とを同時に扱える時空間パスモデルが必須とされている。このモデルを提案するためには、まず、実環境における時空間マルチパス伝搬路の詳細な解析を行う必要がある。
このように、素波の到来角度を高分解能で推定する超分解能到来方向推定法と呼ばれるものにMUSIC(Multiple SIgnal Classification)(非特許文献1)およびESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques) (非特許文献2)と言うアルゴリズムがある。
しかし、これらのアルゴリズムは、スナップショット数が少ない場合やコヒーレントな波が到来してきた場合、低SNR(Signal to Noise Ratio)のような環境で精度が劣化してしまう。また、これらのアルゴリズムでは、アレーの形状にも制約があるため、最近では、アレーの形状によらずパラメータの多次元化が容易であることから、最尤推定に基づいたSAGE(Space Alternating Generalized Em algorithm)アルゴリズムが用いられている(非特許文献3)。
R.O.Schmidt "Multiple Emitter Location and Signal Parameter Estimation," IEEE Trans., vol.AP-34, No.3, pp.276-280(Mar. 1986). R.Roy and T.Kailath "Estimatio of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques," IEEE Trans., vol.ASSP-37, pp.984-995(July 1989). Bernard H. Fleury, Patrik Jourdan, Andreas Stucki "High-Resolution Channel Parameter Estimation for MIMO Applications Using the SAGE Algorithm".
しかし、SAGEアルゴリズムは、角度走査により逐次的に到来波を検出するので、到来角度の推定における限界分解能は、アレー応答ベクトルに依存する。そして、SAGEアルゴリズムを実際の装置で使用することを考慮すると、アレー応答ベクトルは、様々な誤差要因によって変化する。例えば、受信機の各ポートのアナログ回路部の利得・位相のばらつきによる誤差や、各素子の位置に誤差がある場合や、アレー素子長など素子形状の製作誤差が考えられる。
この為、誤差要因を推定/測定し、その影響を取り除くことにより、誤差の影響を補償したアレー応答ベクトルが得られる。これは、アレーアンテナを用いた到来方向システムのアレーキャリブレーションと呼ばれるが、上記誤差要因を補償するために、電波暗室などでアレー応答ベクトルを直接測定するという方法がある。これによって、ある一定の角度ステップごとにデータを取得してアンテナパターンテーブルとして保持し、対応する角度の推定時に参照する。
しかし、高分解能な到来方向推定を行う場合、角度ステップが小さく、全ての探索範囲を網羅したアンテナパターンテーブルを作成する必要があるが、これはアレー素子が多い場合に測定が困難であるという問題がある。
また、実機に、この膨大なアンテナパターンテーブルを保持させる場合、メモリ容量も増大してしまうという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、アンテナパターンテーブルの精度よりも高い精度で到来波の到来方向を推定可能な到来方向推定装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、アンテナパターンテーブルの精度よりも高い精度で到来波の到来方向を推定可能な到来方向推定装置を備える無線通信装置を提供することである。
この発明によれば、到来方向推定装置は、アレーアンテナと、受信手段と、第1および第2の推定手段とを備える。アレーアンテナは、複数のアンテナ素子からなり、到来波を受信する。受信手段は、アレーアンテナが到来波を受信したときの受信信号を生成する。第1の推定手段は、受信手段によって生成された受信信号とアレーアンテナが到来波を受信したときの複数のアンテナ素子の応答ベクトルであるアンテナパターンテーブルとを用いて、到来波が伝搬するときの伝搬パラメータを第1の分解能で推定する第1の推定処理を実行する。第2の推定手段は、第1の推定手段によって推定された伝搬パラメータを用いて第1の分解能よりも高い第2の分解能で到来波の到来方向を推定する第2の推定処理を実行する。
好ましくは、第1の推定手段は、伝搬パラメータの初期値を用いて第1の推定処理を開始し、伝搬パラメータが収束するまで第1の推定処理を繰り返し実行して伝搬パラメータを推定する。第2の推定手段は、収束した伝搬パラメータを用いて第2の推定処理を実行して到来波の到来方向を推定する。
好ましくは、第1の推定手段は、伝搬パラメータの初期値を用いて第1の推定処理を開始し、伝搬パラメータが収束するまで第1の推定処理を繰り返し実行して伝搬パラメータを推定する。第2の推定手段は、第1の推定処理が実行されるごとに第2の推定処理を実行し、伝搬パラメータが収束するまで第1の推定手段によって推定された伝搬パラメータを用いて到来波の到来方向を推定する。
好ましくは、アンテナパターンテーブルは、第1の分解能と同じ角度ステップに対して作成されている。
好ましくは、アンテナパターンテーブルは、第1の分解能と同じ角度ステップに対して作成されたアンテナパターンテーブルを補間したパターンテーブルからなる。
好ましくは、伝搬パラメータの初期値は、予め任意に設定されたパラメータからなる。
好ましくは、伝搬パラメータの初期値は、送信信号が受信信号に近づくように検出された伝搬パラメータからなる。
好ましくは、伝搬パラメータの初期値は、受信信号と送信信号との相関値に基づいて検出された伝搬パラメータからなる。
また、この発明によれば、無線通信装置は、到来方向推定装置と、送信手段とを備える。到来方向推定装置は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の到来方向推定装置からなる。送信手段は、到来方向推定装置によって推定された到来方向にビームを形成して信号を送信する。
この発明による到来方向推定装置においては、第1の推定手段は、アンテナパターンテーブルを用いて第1の分解能で伝搬パラメータを推定し、第2の推定手段は、第1の推定手段によって推定された伝搬パラメータを用いて第2の分解能で到来方向を推定する。
従って、この発明によれば、アンテナパターンテーブルの角度ステップよりも高分解能で到来方向を推定できる。
その結果、膨大なデータ量からなるアンテナパターンテーブルを実装する必要がなく、メモリ容量の増大を抑制できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による到来方向推定装置の構成を示す概略ブロック図である。実施の形態1による到来方向推定装置100は、アンテナ101と、受信部102と、既知信号発生部103と、伝搬パラメータ初期値発生部104と、レプリカ信号作成部105と、伝搬パラメータ推定部106と、収束判定部107と、角度高分解能処理部108と、伝搬パラメータ記憶部109とを備える。
アレーアンテナ101は、K(Kは2以上の整数)本のアンテナ素子101−1〜101−Kからなる。そして、アレーアンテナ101は、L(Lは正の整数)個のパスから到来する到来波をK本のアンテナ素子101−1〜101−Kによって受信し、その受信した到来波の受信信号を受信部102へ出力する。
受信部102は、K本のアンテナ素子101−1〜101−Kから受けた受信信号に基づいて、K本のアンテナ素子101−1〜101−Kに対応したK個のベースバンド信号y(t)(k=1〜K)を生成し、その生成したK個のベースバンド信号y(t)をレプリカ信号作成部105へ出力する。
既知信号発生部103は、送信信号からなる既知信号s(t)を発生し、その発生した既知信号s(t)をレプリカ信号作成部105へ出力する。伝搬パラメータ初期値発生部104は、1番目〜L番目のパスによって到来する到来波の遅延時間τ〜τの初期値τ10〜τL0、1番目〜L番目のパスによって到来する到来波の到来角(方位角θ〜θおよび仰角ψ〜ψからなる)の初期値θ10〜θL0,ψ10〜ψL0、および1番目〜L番目のパスによって到来する到来波の複素振幅減衰α〜αの初期値α10〜αL0を保持し、到来波の遅延時間、到来角および複素振幅減衰からなる伝搬パラメータの推定が開始されると、その保持した遅延時間τ〜τの初期値τ10〜τL0、到来角の初期値θ10〜θL0,ψ10〜ψL0、および複素振幅減衰α〜αの初期値α10〜αL0をレプリカ信号作成部105へ出力する。
レプリカ信号作成部105は、到来波を受信したときのK本のアンテナ素子101−1〜101−Kの応答ベクトルであるアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)(k=1〜K,l=1〜L)を保持し、受信部102からK個のベースバンド信号y(t)を受け、既知信号発生部103から既知信号s(t)を受け、伝搬パラメータ初期値発生部104から遅延時間τ〜τの初期値τ10〜τL0、到来角の初期値θ10〜θL0,ψ10〜ψL0、および複素振幅減衰α〜αの初期値α10〜αL0を受ける。そして、レプリカ信号作成部105は、遅延時間τ〜τの初期値τ10〜τL0、到来角の初期値θ10〜θL0,ψ10〜ψL0、および複素振幅減衰α〜αの初期値α10〜αL0を初期値[τ10,θ10,ψ10,α10],[τ20,θ20,ψ20,α20],・・・,[τl0,θl0,ψl0,αl0],・・・,[τL0,θL0,ψL0,αL0]の形式で保持する。
また、レプリカ信号作成部105は、K個のベースバンド信号y(t)、アンテナパターンテーブルV(ψ,θ)、既知信号s(t)および遅延時間τ〜τの初期値τ10〜τL0、到来角の初期値θ10〜θL0,ψ10〜ψL0、および複素振幅減衰α〜αの初期値α10〜αL0に基づいて、後述する方法によって、k番目のアンテナ素子101−kにおけるl番目のパスのレプリカ信号xk,l(t)(l=1〜L)を作成する。
そうすると、レプリカ信号作成部105は、その作成したレプリカ信号xk,l(t)と、既知信号s(t)と、伝搬パラメータ[τln,θln,ψln,αln](nは、正の整数からなり、推定回数を表す)とを伝搬パラメータ推定部106へ出力する。
更に、レプリカ信号作成部105は、伝搬パラメータ推定部106から推定されたl番目のパスの伝搬パラメータ[τln,θln,ψln,αln]を受けると、その受けた伝搬パラメータ[τln,θln,ψln,αln]によってl番目のパスの伝搬パラメータを更新する。
なお、レプリカ信号作成部105は、伝搬パラメータの推定を停止するための停止信号STPを収束判定部107から受けると、レプリカ信号xk,l(t)の作成を停止し、伝搬パラメータ推定部106へ何も出力しない。これによって、伝搬パラメータ推定部106における伝搬パラメータの推定動作は、停止される。
伝搬パラメータ推定部106は、アンテナパターンテーブルV(ψ,θ)(k=1〜K,l=1〜L)を保持し、レプリカ信号作成部105からレプリカ信号xk,l(t)(l=1〜L)と、既知信号s(t)と、伝搬パラメータの初期値[τl0,θl0,ψl0,αl0]とを受ける。そして、伝搬パラメータ推定部106は、レプリカ信号xk,l(t)(l=1〜L)、既知信号s(t)および伝搬パラメータ[τln,θln,ψln,αln]に基づいて、後述する方法によって、遅延時間τ、到来角θ,ψおよび複素振幅減衰αを推定するとともに、伝搬パラメータの推定回数nをカウントする。また、伝搬パラメータ推定部106は、その推定した遅延時間τ、到来角θ,ψおよび複素振幅減衰αからなる伝搬パラメータ[τln,θln,ψln,αln]をレプリカ信号作成部105へ出力し、伝搬パラメータ[τln,θln,ψln,αln]および推定回数nを収束判定部107へ出力する。
収束判定部107は、伝搬パラメータ推定部106から伝搬パラメータ[τln,θln,ψln,αln]および推定回数nを受け、後述する方法によって、伝搬パラメータ[τln,θln,ψln,αln]が収束したか否かを判定する。そして、収束判定部107は、伝搬パラメータが収束したと判定したとき、伝搬パラメータ推定部106から最後に受けた伝搬パラメータ[τln,θln,ψln,αln]を角度高分解能処理部108へ出力するとともに、伝搬パラメータの推定を停止するための停止信号STPをレプリカ信号作成部105へ出力する。
角度高分解能処理部108は、収束判定部107から受けた伝搬パラメータ[τln,θln,ψln,αln]に基づいて、後述する方法によって、到来波の到来方向(方位角θおよび仰角ψからなる)を推定し、その推定した到来波の到来方向(方位角θおよび仰角ψからなる)を伝搬パラメータ記憶部109へ出力する。
伝搬パラメータ記憶部109は、角度高分解能処理部108から受けた到来波の到来方向(方位角θおよび仰角ψからなる)を記憶する。
伝搬パラメータの詳細について説明する。図2は、図1に示すレプリカ信号作成部105が保持する伝搬パラメータテーブルの概念図である。伝搬パラメータの推定が開始されると、レプリカ信号作成部105は、既知信号s(t)、伝搬パラメータの初期値[θ10,ψ10,α10]、および1番目のアンテナ素子101−1におけるベースバンドy(t)を次式に代入して、1番目のアンテナ素子における1番目のパスのレプリカ信号x1,1(t)を作成する。
Figure 0005267900
なお、式(1)におけるl’は、l番目のパス以外のパスによる成分を表し、式(1)の第2項は、l番目のパスの伝搬パラメータを推定するときに、l番目のパス以外のパスによる成分を除去することを意味する。
そして、レプリカ信号作成部105は、レプリカ信号x1,1(t)を作成すると、その作成したレプリカ信号x1,1(t)と、既知信号s(t)と、伝搬パラメータの初期値[τ10,θ10,ψ10,α10]とを伝搬パラメータ推定部106へ出力する。
伝搬パラメータ推定部106は、レプリカ信号作成部105からレプリカ信号x1,1(t)、既知信号s(t)および伝搬パラメータの初期値[τ10,θ10,ψ10,α10]を受け、その受けたレプリカ信号x1,1(t)、既知信号s(t)および伝搬パラメータの初期値[θ10,ψ10,α10]を次式に代入して遅延時間τの評価関数Z(τ)を演算する。
Figure 0005267900
即ち、伝搬パラメータ推定部106は、レプリカ信号x1,1(t)と既知信号s(t)との相互相関をとることによって評価関数Z(τ)を演算する。
そして、伝搬パラメータ推定部106は、次式によって、評価関数Z(τ)が最大となるときの遅延時間τを探索することによって遅延時間τを推定する。
Figure 0005267900
これによって、伝搬パラメータ推定部106は、遅延時間τの推定値τ11を得る。
その後、伝搬パラメータ推定部106は、レプリカ信号x1,1(t)、既知信号s(t)および伝搬パラメータの初期値[τ11,θ10,α10]を次式に代入して方位角θの評価関数Z(θ)を演算する。
Figure 0005267900
即ち、伝搬パラメータ推定部106は、式(2),(3)によって推定された遅延時間の推定値τ11を用いて、レプリカ信号x1,1(t)と、遅延時間の推定値τ11だけシフトさせた既知信号s(t−τ11)と、仰角ψを初期値ψ10に固定したアンテナパターンテーブルV(ψ10,θ)との相互相関を取ることによって評価関数Z(θ)を演算する。
そして、伝搬パラメータ推定部106は、次式によって、評価関数Z(θ)が最大となるときの方位角θを探索することによって方位角θを推定する。
Figure 0005267900
これによって、伝搬パラメータ推定部106は、方位角θの推定値θ11を得る。
引き続き、伝搬パラメータ推定部106は、レプリカ信号x1,1(t)、既知信号s(t)および伝搬パラメータの初期値[τ11,ψ10,α10]を次式に代入して仰角ψの評価関数Z(ψ)を演算する。
Figure 0005267900
即ち、伝搬パラメータ推定部106は、式(2),(3)によって推定された遅延時間の推定値τ11を用いて、レプリカ信号x1,1(t)と、遅延時間の推定値τ11だけシフトさせた既知信号s(t−τ11)と、方位角θを初期値θ10に固定したアンテナパターンテーブルV(ψ,θ10)との相互相関を取ることによって評価関数Z(ψ)を演算する。
そして、伝搬パラメータ推定部106は、次式によって、評価関数Z(ψ)が最大となるときの仰角ψを探索することによって仰角ψを推定する。
Figure 0005267900
これによって、伝搬パラメータ推定部106は、仰角ψの推定値ψ11を得る。
更に、その後、伝搬パラメータ推定部106は、レプリカ信号x1,1(t)、既知信号s(t)および伝搬パラメータ[τ10,θ11,ψ11]を次式に代入して複素振幅減衰αの推定値α11を演算する。
Figure 0005267900
即ち、伝搬パラメータ推定部106は、式(4)〜(7)によって推定された仰角ψの推定値ψ11および方位角θの推定値θ11を用いたアンテナパターンテーブルV(ψ11,θ11)の成分と、既知信号s(t)の成分とをレプリカ信号x1,1(t)から除去することによって複素振幅減衰αの推定値α11を演算する。
そうすると、伝搬パラメータ推定部106は、伝搬パラメータの推定回数を“1”とカウントし、そのカウントした推定回数“1”を収束判定部107へ出力するとともに、伝搬パラメータの推定値[τ11,θ11,ψ11,α11]をレプリカ信号作成部105へ出力する。
レプリカ信号作成部105は、当初、伝搬パラメータテーブルPTB1(図2参照)を保持しており、伝搬パラメータ推定部106から伝搬パラメータの推定値[τ11,θ11,ψ11,α11]を受けると、その受けた伝搬パラメータの推定値[τ11,θ11,ψ11,α11]によって伝搬パラメータテーブルPTB1の初期値[τ10,θ10,ψ10,α10]を更新し、伝搬パラメータテーブルPTB1を伝搬パラメータテーブルPTB2に更新する(図2参照)。
その後、レプリカ信号作成部105は、既知信号s(t)、伝搬パラメータの初期値[τ20,θ20,ψ20,α20]、および1番目のアンテナ素子101−1におけるベースバンドy(t)を式(1)に代入して、1番目のアンテナ素子における2番目のパスのレプリカ信号x1,2(t)を作成する。
その後、上述した動作が繰り返され、2番目のパスの伝搬パラメータの推定値[τ21,θ21,ψ21,α21]が得られる。そして、伝搬パラメータ推定部106は、伝搬パラメータの推定値[τ21,θ21,ψ21,α21]をレプリカ信号作成部105へ出力し、レプリカ信号作成部105は、伝搬パラメータ推定部106から受けた伝搬パラメータの推定値[τ21,θ21,ψ21,α21]によって伝搬パラメータテーブルPTB2の初期値[τ20,θ20,ψ20,α20]を更新し、伝搬パラメータテーブルPTB2を伝搬パラメータテーブルPTB3に更新する(図2参照)。
以後、上述した動作が繰り返し実行され、伝搬パラメータ推定部106は、1番目のアンテナ素子101−1における3番目〜L番目のパスの伝搬パラメータの推定値[τ30,θ30,ψ30,α30]〜[τL0,θL0,ψL0,αL0]をレプリカ信号作成部105へ出力し、レプリカ信号作成部105は、伝搬パラメータテーブルPTB3を伝搬パラメータテーブルPTBLに更新する(図2参照)。
更に、その後、上述した動作が繰り返し実行され、1番目〜K番目のアンテナ素子101−1〜101−Kにおける1番目〜L番目のパスの伝搬パラメータのn回目の推定値が得られる。そして、レプリカ信号作成部105は、最終的に、伝搬パラメータテーブルPTBLを伝搬パラメータテーブルPTBLnに更新する(図2参照)。
このように、伝搬パラメータは、初期値[τ10,θ10,ψ10,α10]から出発して逐次的に推定され、かつ、更新される。
そして、伝搬パラメータ推定部106は、伝搬パラメータのn回目の推定値[τ1n,θ1n,ψ1n,α1n]〜[τLn,θLn,ψLn,αLn]を収束判定部107へ出力し、収束判定部107は、伝搬パラメータのn回目の推定値[τ1n,θ1n,ψ1n,α1n]〜[τLn,θLn,ψLn,αLn]および推定回数nに基づいて、伝搬パラメータが収束したか否かを判定する。この場合、収束判定部107は、推定回数nが所定回数に達したか否かによって伝搬パラメータが収束したか否かを判定する。また、収束判定部107は、n−1回の推定によって推定された伝搬パラメータの推定値[τ1n−1,θ1n−1,ψ1n−1,α1n−1]〜[τ1n−1,θ1n−1,ψ1n−1,α1n−1]と、伝搬パラメータのn回目の推定値[τ1n,θ1n,ψ1n,α1n]〜[τLn,θLn,ψLn,αLn]との差分が閾値よりも小さいか否かによって伝搬パラメータが収束したか否かを判定する。
そして、収束判定部107は、伝搬パラメータが収束したと判定すると、伝搬パラメータのn回目の推定値[τ1n,θ1n,ψ1n,α1n]〜[τLn,θLn,ψLn,αLn]を角度高分解能処理部108へ出力する。
図3は、図1に示す伝搬パラメータ推定部106における推定動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、受信部102は、ベースバンド信号y(t)〜y(t)を生成してレプリカ信号作成部105へ出力し、既知信号発生部103は、既知信号s(t)を発生してレプリカ信号作成部105へ出力し、伝搬パラメータ初期値発生部104は、保持している伝搬パラメータの初期値をレプリカ信号作成部105へ出力する。そして、レプリカ信号作成部105は、ベースバンド信号y(t)〜y(t)、既知信号s(t)および伝搬パラメータの初期値に基づいて、上述した方法によって、レプリカ信号xk,l(t)を作成し(ステップS1)、その作成したレプリカ信号xk,l(t)と、既知信号s(t)と、伝搬パラメータの初期値とを伝搬パラメータ推定部106へ出力する。
伝搬パラメータ推定部106は、レプリカ信号xk,l(t)、既知信号s(t)、および伝搬パラメータの初期値をレプリカ信号作成部105から受ける。そして、伝搬パラメータ推定部106は、伝搬パラメータの推定回数nを“1”に設定し(ステップS2)、パス数lを“1”に設定する(ステップS3)。
そうすると、伝搬パラメータ推定部106は、レプリカ信号作成部105から受けたレプリカ信号xk,l(t)、既知信号s(t)、および伝搬パラメータの初期値に基づいて、l番目のパスのレプリカ信号xk,l(t)を再生する(ステップS4)。
そして、伝搬パラメータ推定部106は、上述した方法によって、l番目のパスの伝搬パラメータ[τkl,ψkl,θkl,αkl]を遅延時間τ、到来角(方位角θ)、到来角(仰角ψ)、および複素振幅減衰αの順で推定し、その推定したl番目のパスの伝搬パラメータの推定値[τkl,ψkl,θkl,αkl]をレプリカ信号作成部105へ出力する。
レプリカ信号作成部105は、l番目のパスの伝搬パラメータの推定値[τkl,ψkl,θkl,αkl]を伝搬パラメータ推定部106から受け、その受けたl番目のパスの伝搬パラメータの推定値[τkl,ψkl,θkl,αkl]によって伝搬パラメータを更新する(ステップS5)。
その後、レプリカ信号作成部105は、更新した伝搬パラメータを用いてレプリカ信号を生成し(ステップS6)、lをl+1に設定し(ステップS7)、lがLよりも大きいか否かを判定する(ステップS8)。
ステップS8において、lがLよりも大きくないと判定されると、一連の動作は、ステップS4へ戻り、ステップS8において、lがLよりも大きいと判定されるまで、上述したステップS4〜ステップS8が繰り返し実行される。
そして、ステップS8において、lがLよりも大きいと判定されると、伝搬パラメータ推定部106は、n=n+1を設定し(ステップS9)、nがNに等しいか否かを判定する(ステップS10)。
ステップS10において、nがNに等しくないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS3へ戻り、ステップS10において、nがNに等しいと判定されるまで、上述したステップS3〜ステップS10が繰り返し実行される。そして、ステップS10において、nがNに等しいと判定されると、一連の動作は終了する。
次に、角度高分解能処理部108における到来方向の推定方法について説明する。角度高分解能処理部108は、アンテナパターンテーブルV(ψ,θ)を保持するとともに、収束判定部107から伝搬パラメータのn回目の推定値[τ1n,θ1n,ψ1n,α1n]〜[τLn,θLn,ψLn,αLn]を受ける。そして、角度高分解能処理部108は、伝搬パラメータのn回目の推定値[τ1n,θ1n,ψ1n,α1n]〜[τLn,θLn,ψLn,αLn]を上述した式(4),(6)に代入して、それぞれ、評価関数Z(ψ)および評価関数Z(θ)を演算する。
図4は、図1に示す角度高分解能処理部108における到来方向の推定方法を説明するための図である。図4の(a)は、方位角θの評価関数Z(θ)を示す。図4の(a)において、縦軸は、評価関数値を表し、横軸は、方位角θを表す。
また、図4の(b)は、図4の(a)に示す評価関数Z(θ)のサンプル値をフーリエ変換したものを示す。図4の(b)において、縦軸は、評価関数値のフーリエ変換の値を表し、横軸は、サンプル数を表す。更に、図4の(c)は、図4の(b)に示すスペクトルの高周波成分を除去したものを逆フーリエ変換したものを示す。図4の(c)において、縦軸は、評価関数値を表し、横軸は、方位角θを表す。更に、図4の(d)は、従来の方法による到来方向の推定結果を示す。図4の(d)において、縦軸は、評価関数値を表し、横軸は、方位角θを表す。なお、方位角θの所望値は、−1.2度である。
角度高分解能処理部108は、評価関数Z(θ)を演算すると、その演算した評価関数Z(θ)をアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップよりも小さいサンプル幅でサンプリングする(図4の(a)参照)。角度高分解能処理部108は、例えば、0.5度のサンプル幅で評価関数Z(θ)をサンプリングする。
そして、角度高分解能処理部108は、サンプリングした評価関数値をフーリエ変換する。これによって、曲線k1によって表されるスペクトルが得られる(図4の(b)参照)。
そうすると、角度高分解能処理部108は、スペクトルk1の高周波成分を除去し、その高周波成分を除去したスペクトルk1を逆フーリエ変換する。これによって、図4の(c)に示す0.5度間隔の評価関数値が得られる。そして、角度高分解能処理部108は、図4の(c)に示す評価関数値が最大になる方位角θ(=−1.5度)を到来方向の方位角θoptと推定する(図4の(c)参照)。
このように、角度高分解能処理部108は、評価関数Z(θ)をアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップよりも小さいサンプル幅でサンプリングして到来方向の方位角θoptを推定する。
図4の(d)に示す評価関数値は、評価関数Z(θ)をアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップと同じサンプル幅でサンプリングした場合の評価関数値である。その結果、従来の方法によって推定した方位角θは、−2度であった(図4の(d)参照)。
従って、方位角θの所望値(=−1.2度)に対して、この発明による推定方法を用いると、−1.5度の方位角θが到来方向の方位角θoptと推定され、従来の推定方法による推定値(=−2度)よりも精度が高い。
角度高分解能処理部108は、同様にして、評価関数Z(ψ)をアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップよりも小さいサンプル幅でサンプリングして到来方向の仰角ψoptを推定する。
角度高分解能処理部108は、上述した方法によって、到来方向の方位角θoptおよび仰角ψoptを推定すると、その推定した方位角θoptおよび仰角ψoptを伝搬パラメータ記憶部109に格納する。そして、伝搬パラメータ記憶部109は、方位角θoptおよび仰角ψoptを記憶する。
図5は、実施の形態1における到来方向の推定動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、図3に示すフローチャートに従って、伝搬パラメータ初期値発生部104に予め設定された伝搬パラメータの初期値を用いてアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップと同じ分解能で伝搬パラメータが収束するまで推定される(ステップS11)。
そして、収束した伝搬パラメータを用いてアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップよりも高い分解能で到来方向が推定される(ステップS12)。これによって、到来方向を推定する動作が終了する。
上述したように、実施の形態1によれば、伝搬パラメータ推定部106は、伝搬パラメータが収束するまでアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)を用いて伝搬パラメータを推定し、角度高分解能処理部108は、伝搬パラメータ推定部106によって推定された伝搬パラメータを用いて到来方向の方位角θおよび仰角ψの評価関数をアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップよりも高い分解能でサンプリグして方位角θおよび仰角ψを推定する。つまり、伝搬パラメータ推定部106は、伝搬パラメータが収束するまでアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップと同じ分解能で伝搬パラメータを推定し、角度高分解能処理部108は、伝搬パラメータが収束すると、その収束した伝搬パラメータを用いて到来方向の方位角θおよび仰角ψの評価関数をアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップよりも高い分解能でサンプリグして方位角θおよび仰角ψを推定する。
従って、この発明によれば、従来と同様の粗い角度ステップに対して作成されたアンテナパターンテーブルを用いて従来の推定方法よりも高い精度で到来方向を推定できる。
なお、伝搬パラメータ推定部106は、「第1の推定手段」を構成し、角度高分解能処理部108は、「第2の推定手段」を構成する。
また、伝搬パラメータ推定部106による推定処理は、「第1の推定処理」を構成し、角度高分解能処理部108による推定処理は、「第2の推定処理」を構成する。
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2による到来方向推定装置の構成を示す概略ブロック図である。実施の形態2による到来方向推定装置200は、図1に示す到来方向推定装置100の伝搬パラメータ初期値発生部104を相関値算出部111および角度スペクトラム算出部112に代えたものであり、その他は、到来方向推定装置100と同じである。
なお、到来方向推定装置200においては、受信部102は、ベースバンド信号y(t)〜y(t)を相関値算出部111へ出力し、既知信号発生部103は、既知信号s(t)をレプリカ信号作成部105および相関値算出部111へ出力する。
相関値算出部111は、既知信号発生部103から受けた既知信号s(t)と、受信部102から受けたベースバンド信号y(t)〜y(t)の各々との相互相関を演算し、その演算したK個の相互相関を合成した合成波形を生成する。
図7は、図6に示す相関値算出部111によって合成された合成波形を示す図である。図7において、縦軸は、相関値を表し、横軸は、遅延時間を表す。そして、合成波形k2は、ピークP1〜P7を有する。
相関値算出部111は、図7に示す合成波形を生成すると、その生成した合成波形k2の相関値が最大となるピークから順番にピークサーチを行ない、パスを抽出する。この場合、相関値算出部111は、予め設定したパス数分のパスを抽出するという規則、ピークから何[dB]までのパスを抽出するという規則、およびノイズフロアから何[dB]以上のパスを抽出するという規則のいずれかの規則によってパスを抽出する。
その結果、相関値算出部111は、例えば、ピークP1〜P7をそれぞれ第1パス〜第7パスとして抽出する。そして、相関値算出部111は、その抽出した第1パス〜第7パス(=ピークP1〜P7)の遅延時間τ〜τを検出し、その検出した遅延時間τ〜τと、ベースバンド信号y(t)〜y(t)とをレプリカ信号作成部105へ出力する。
また、相関値算出部111は、ベースバンド信号y(t)〜y(t)と、既知信号s(t)と、各パスの遅延時間τ〜τと、合成波形k2とを角度スペクトラム算出部112へ出力する。
図8は、図6に示す角度スペクトラム算出部112によって算出される角度スペクトラムを示す図である。なお、図8の各角度スペクトラムは、方位角に対する角度スペクトラムである。
図8において、縦軸は、強度を表し、横軸は、角度を表す。また、曲線k3は、ピークP1における角度スペクトラムを示し、曲線k4は、ピークP7における角度スペクトラムを示す。
角度スペクトラム算出部112は、アンテナパターンテーブルV(ψ,θ)を保持しており、ベースバンド信号y(t)〜y(t)、既知信号s(t)、各パスの遅延時間τ〜τおよび合成波形k2を相関値算出部111から受ける。
そして、角度スペクトラム算出部112は、相関値算出部111から各パスの遅延時間τ〜τおよび合成波形k2を受けると、その受けた遅延時間τ〜τおよび合成波形k2に基づいて、各遅延時間τ〜τごとに方位角θに対する角度スペクトラムk3,k4を算出する。
そして、角度スペクトラム算出部112は、その算出した角度スペクトラムk3,k4の各角度スペクトラムごとにピークサーチを行ない、ピークとなる到来角度を方位角θ〜θとして検出する。
また、角度スペクトラム算出部112は、同様にして、遅延時間τ〜τおよび合成波形k2に基づいて、各遅延時間τ〜τごとに仰角ψに対する角度スペクトラムを算出し、その算出した角度スペクトラムのピークサーチを行ない、ピークとなる到来角度を仰角ψ〜ψとして検出する。
更に、角度スペクトラム算出部112は、既知信号s(t)、ベースバンド信号y(t)〜y(t)、アンテナパターンテーブルV(ψ,θ)、遅延時間τ〜τおよび検出した到来角度(=方位角θ〜θおよび仰角ψ〜ψ)を次式に代入して複素振幅減衰α〜αを算出する。
Figure 0005267900
そうすると、角度スペクトラム算出部112は、到来角度(=方位角θ〜θおよび仰角ψ〜ψ)および複素振幅減衰α〜αをレプリカ信号作成部105へ出力する。
到来方向推定装置200においては、レプリカ信号作成部105は、既知信号発生部103から既知信号s(t)を受け、相関値算出部111から遅延時間τ〜τおよびベースバンド信号y(t)〜y(t)を受け、角度スペクトラム算出部112から到来角度(=方位角θ〜θおよび仰角ψ〜ψ)および複素振幅減衰α〜αを受ける。
そして、レプリカ信号作成部105は、遅延時間τ〜τ、到来角度(=方位角θ〜θおよび仰角ψ〜ψ)および複素振幅減衰α〜αを伝搬パラメータの初期値として用い、既知信号s(t)およびベースバンド信号y(t)〜y(t)に基づいて、実施の形態1と同様にしてレプリカ信号xk,l(t)を作成して伝搬パラメータ推定部106へ出力するとともに、伝搬パラメータ推定部106から受けた伝搬パラメータによって伝搬パラメータを更新する。
その後、伝搬パラメータ推定部106は、実施の形態1と同様にして伝搬パラメータを収束するまで推定し、角度高分解能処理部108は、実施の形態1と同様にして、収束した伝搬パラメータを用いて到来方向を推定する。
上述したように、実施の形態2においては、相関値算出部111は、ベースバンド信号y(t)〜y(t)と既知信号s(t)との相関値を演算して遅延時間τ〜τを検出し、その検出した遅延時間τ〜τをレプリカ信号作成部105へ出力する。また、角度スペクトラム算出部112は、ベースバンド信号y(t)〜y(t)と既知信号s(t)との相関値から得られた合成波形k2と遅延時間τ〜τとに基づいて、到来角度(=方位角θ〜θおよび仰角ψ〜ψ)を検出し、遅延時間τ〜τおよび到来角度(=方位角θ〜θおよび仰角ψ〜ψ)に基づいて、複素振幅減衰α〜αを検出する。そして、角度スペクトラム算出部112は、到来角度(=方位角θ〜θおよび仰角ψ〜ψ)および複素振幅減衰α〜αをレプリカ信号作成部105へ出力する。
そして、レプリカ信号作成部105は、相関値算出部111から受けた遅延時間τ〜τと、角度スペクトラム算出部112から受けた到来角度(=方位角θ〜θおよび仰角ψ〜ψ)および複素振幅減衰α〜αとを伝搬パラメータの初期値として用いてレプリカ信号xk,l(t)を作成する。
従って、実施の形態2においては、既知信号s(t)がアレーアンテナ101によって実際に受信された受信信号(=ベースバンド信号y(t)〜y(t))に近づくように伝搬パラメータの初期値が検出され、その検出された伝搬パラメータの初期値を用いて到来波の到来方向が推定される。
図9は、実施の形態2における到来方向の推定動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、相関値算出部111および角度スペクトラム算出部112は、既知信号s(t)およびベースバンド信号y(t)〜y(t)に基づいて、ベースバンド信号y(t)〜y(t)が既知信号s(t)に近づくように伝搬パラメータの初期値を検出し(ステップS21)、その検出した伝搬パラメータの初期値をレプリカ信号作成部105へ出力する。
そして、レプリカ信号作成部105および伝搬パラメータ推定部106は、相関値算出部111および角度スペクトラム算出部112から受けた伝搬パラメータの初期値を用いてアンテナパターンテーブルVk,l(t)の角度ステップと同じ分解能で伝搬パラメータを収束するまで推定する(ステップS22)。
その後、角度高分解能処理部108は、収束した伝搬パラメータを用いてアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップよりも高い分解能で到来方向を推定する(ステップS23)。これによって、一連の動作が終了する。
このように、実施の形態2においては、既知信号s(t)が実際に受信された受信信号(=ベースバンド信号y(t)〜y(t))に近づくように伝搬パラメータの初期値が検出され、その検出された伝搬パラメータの初期値を用いて到来波の到来方向が推定される。
従って、この発明によれば、実施の形態1に比べ、より速く到来方向を推定できる。
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態3]
図10は、実施の形態3による到来方向推定装置の構成を示す概略ブロック図である。実施の形態3による到来方向推定装置300は、図1に示す到来方向推定装置100の伝搬パラメータ推定部106を伝搬パラメータ推定部106Aに代え、角度高分解能処理部108を伝搬パラメータ推定部106A内へ移動したものであり、その他は、到来方向推定装置100と同じである。
伝搬パラメータ推定部106は、伝搬パラメータ推定部106と、角度高分解能処理部108とからなる。
実施の形態3においては、伝搬パラメータ推定部106は、上述した方法によって、伝搬パラメータを1回推定すると、その推定結果を角度高分解能処理部108へ出力する。また、角度高分解能処理部108は、伝搬パラメータ推定部106から受けた伝搬パラメータを用いて上述した方法によってアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップよりも高い分解能で到来方向を推定する。そして、角度高分解能処理部108は、収束判定部107から停止信号を受けると、最終的に推定した到来方向(=方位角θおよび仰角ψからなる)を収束判定部107へ出力する。
なお、実施の形態3においては、収束判定部107は、角度高分解能処理部108から到来方向(=方位角θおよび仰角ψからなる)を受けると、その受けた到来方向(=方位角θおよび仰角ψからなる)を伝搬パラメータ記憶部109に格納する。
図11は、実施の形態3における到来方向の推定動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、受信部102は、ベースバンド信号y(t)〜y(t)を生成してレプリカ信号作成部105へ出力し、既知信号発生部103は、既知信号s(t)を発生してレプリカ信号作成部105へ出力し、伝搬パラメータ初期値発生部104は、保持している伝搬パラメータの初期値をレプリカ信号作成部105へ出力する。
そして、レプリカ信号作成部105および伝搬パラメータ推定部106は、n=1を設定し(ステップS31)、引き続いてl=1を設定する(ステップS32)。
その後、レプリカ信号作成部105および伝搬パラメータ推定部106は、伝搬パラメータの初期値を用いて伝搬パラメータ[τln,ψln,θln,αln]を上述した方法によって推定する(ステップS33)。
引き続いて、角度高分解能処理部108は、推定された伝搬パラメータ[τln,ψln,θln,αln]を用いてアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップよりも高分解能で上述した方法によって到来方向を推定する(ステップS34)。
その後、レプリカ信号作成部105および伝搬パラメータ推定部106は、l=Lであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35において、l=Lでないと判定されたとき、レプリカ信号作成部105および伝搬パラメータ推定部106は、l=l+1を設定する(ステップS36)。そして、一連の動作は、ステップS33へ戻り、ステップS35において、l=Lであると判定されるまで、上述したステップS33〜ステップS36が繰り返し実行される。
その後、ステップS35において、l=Lであると判定されると、レプリカ信号作成部105および伝搬パラメータ推定部106は、n=Nであるか否かを更に判定し(ステップS37)、n=Nでないとき、n=n+1を設定する(ステップS38)。そして、一連の動作は、ステップS33へ戻り、ステップS37において、n=Nであると判定されるまで、上述したステップS33〜ステップS38が繰り返し実行される。
その後、ステップS37において、n=Nであると判定されると、一連の動作は終了する。
このように、実施の形態3においては、伝搬パラメータ推定部106がアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップと同じ分解能で伝搬パラメータを1回推定するごとに、角度高分解能処理部108が推定された伝搬パラメータを用いてアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の角度ステップよりも高い分解能で到来方向を推定する(ステップS33,S34参照)。
そして、実施の形態3においては、伝搬パラメータ推定部106および角度高分解能処理部108は、一体として実装されるので、コンパクトな到来方向推定装置を実現できる。
なお、実施の形態3による到来方向推定装置は、図6に示す到来方向推定装置200の伝搬パラメータ推定部106を伝搬パラメータ推定部106Aに代え、角度高分解能処理部108を伝搬パラメータ推定部106A内へ移動した到来方向推定装置であってもよい。これにより、コンパクト、かつ、高速に到来方向を推定可能な到来方向推定装置を実現できる。
その他は、実施の形態1,2と同じである。
[実施の形態4]
図12は、実施の形態4による到来方向推定装置の構成を示す概略ブロック図である。実施の形態4による到来方向推定装置400は、図1に示す到来方向推定装置100のレプリカ信号作成部105、伝搬パラメータ推定部106および角度高分解能処理部108をそれぞれレプリカ信号作成部105A、伝搬パラメータ推定部106Bおよび角度高分解能処理部108Aに代えたものであり、その他は、到来方向推定装置100と同じである。
レプリカ信号作成部105A、伝搬パラメータ推定部106Bおよび角度高分解能処理部108Aの各々は、上述したアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)に代えてアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を保持する。
そして、レプリカ信号作成部105Aは、アンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いて上述した方法によってレプリカ信号xk,l(t)を作成する。また、伝搬パラメータ推定部106Bは、アンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いて後述する方法によって評価関数Z(ψ),Z(θ)を演算して仰角ψおよび方位角θを推定するとともに、アンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いて式(8)によって複素振幅減衰αを推定する。
更に、角度高分解能処理部108Aは、アンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いて後述する方法によって評価関数Z(ψ),Z(θ)を演算して到来方向(=仰角ψおよび方位角θ)をアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)の角度ステップよりも高い分解能で推定する。
図13は、元の角度ステップで作成されたアンテナパターンテーブルV(ψ,θ)の概念図である。図13において、縦軸は、アンテナパターン値を表し、横軸は、角度を表す。また、曲線k5は、I成分のアンテナパターン値を示し、曲線k6は、Q成分のアンテナパターン値を示す。
図14は、元の角度ステップよりも小さい角度ステップで作成されたアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)の概念図である。図14において、縦軸は、アンテナパターン値を表し、横軸は、角度を表す。また、曲線k7は、I成分のアンテナパターン値を示し、曲線k8は、Q成分のアンテナパターン値を示す。
曲線k5によって示されたI成分のアンテナパターン値を元の間隔よりも小さい間隔でサンプリングし、そのサンプリングしたI成分のサンプリング値をフーリエ変換して高周波成分を除去する。そして、その高周波成分を除去したフーリエ変換後のI成分のサンプリング値を逆フーリエ変換してI成分のアンテナパターン値(=曲線k7)を作成する。
同様に、曲線k6によって示されたQ成分のアンテナパターン値を元の間隔よりも小さい間隔でサンプリングし、そのサンプリングしたQ成分のサンプリング値をフーリエ変換して高周波成分を除去する。そして、その高周波成分を除去したフーリエ変換後のQ成分のサンプリング値を逆フーリエ変換してQ成分のアンテナパターン値(=曲線k8)を作成する。
そして、I成分のアンテナパターン値(=曲線k7)およびQ成分のアンテナパターン値(=曲線k8)からなるアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)をレプリカ信号作成部105A、伝搬パラメータ推定部106Bおよび角度高分解能処理部108Aの各々に設定する。
伝搬パターン推定部106Bは、上述したアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いて次の3つの方法のいずれかの方法を用いて評価関数を作成し、伝搬パラメータを推定する。
MTH1)実施の形態1における式(4),(6)によってそれぞれ評価関数Z(ψ)
,Z(θ)を演算して伝搬パラメータを推定
MTH2)式(10)を用いてI成分およびQ成分の各々で評価関数Z(ψ),Z
(θ);Z(ψ),Z(θ)を演算して伝搬パラメータを推定
MTH3)式(11)を用いて評価関数Z(ψ),Z(θ)を演算して伝搬パラメー
タを推定
Figure 0005267900
Figure 0005267900
また、角度高分解能処理部108Aは、上述したアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いて次の3つの方法のいずれかの方法を用いて評価関数を作成し、到来方向を推定する。
MTH4)実施の形態1における式(4),(6)によってそれぞれ評価関数Z(ψ)
,Z(θ)を演算して到来方向を推定
MTH5)式(10)を用いてI成分およびQ成分の各々で評価関数Z(ψ),Z
(θ);Z(ψ),Z(θ)を演算して到来方向を推定
MTH6)式(11)を用いて評価関数Z(ψ),Z(θ)を演算して到来方向を推定
なお、実施の形態4による到来方向推定装置は、図6に示す到来方向推定装置200の角度スペクトラム算出部112、レプリカ信号作成部105、伝搬パラメータ推定部106および角度高分解能処理部108の各々がアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を保持し、角度スペクトラム算出部112がアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いて到来角度(方位角θおよび仰角ψからなる)および複素振幅減衰αを算出し、レプリカ信号作成部105がアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いてレプリカ信号xk,l(t)を作成し、伝搬パラメータ推定部106がアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いて伝搬パラメータを推定し、角度高分解能処理部108がアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いて到来方向を推定するようにした到来方向推定装置であってもよい。
この場合、伝搬パラメータ推定部106は、上述した3つの方法MTH1,MTH2,MTH3のいずれかの方法を用いて伝搬パラメータを推定し、角度高分解能処理部108は、上述した3つの方法MTH4,MTH5,MTH6のいずれかの方法を用いて到来方向を推定する。
また、実施の形態4による到来方向推定装置は、図12に示す到来方向推定装置400に実施の形態3を適用したものであってもよい。つまり、実施の形態4による到来方向推定装置は、伝搬パラメータ推定部106Bと角度高分解能処理部108とを一体化したものであってもよい。
上述したように、実施の形態4によれば、元の間隔よりも小さい間隔で作成されたアンテナパターンテーブルV (ψ,θ)を用いて到来方向を推定するので、到来方向の精度をより高くできる。
その他は、実施の形態1〜実施の形態3と同じである。
[応用例]
図15は、図1に示す到来方向推定装置100を用いた無線通信装置の構成を示す概略ブロック図である。無線通信装置500は、到来方向推定装置100と、送信ビーム設定部110と、変調部120と、アレー送信部130とを備える。
送信ビーム設定部110は、到来方向推定装置100の伝搬パラメータ記憶部109から到来方向(方位角θoptおよび仰角ψopt)を受け、その受けた到来方向(方位角θoptおよび仰角ψopt)にビームを設定するための設定信号を生成してアレー送信部130へ出力する。
変調部120は、送信データを外部から受け、その受けた送信データを所定の方式によって変調してアレー送信部130へ出力する。
アレー送信部130は、到来方向(方位角θoptおよび仰角ψopt)にビームを設定するための設定信号に変調部120から受けた変調信号を重畳してアンテナ素子101−1〜101−Kへ出力する。
これによって、アレーアンテナ101は、到来方向(方位角θoptおよび仰角ψopt)にビームを設定して送信データを送信する。
なお、無線通信装置500は、到来方向推定装置100に代えて到来方向推定装置200,300,400のいずれかを備えていてもよい。
また、この発明においては、送信ビーム設定部110、変調部120およびアレー送信部130は、到来方向推定装置100によって推定された到来方向にビームを形成して信号を送信する「送信手段」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、アンテナパターンテーブルの精度よりも高い精度で到来波の到来方向を推定可能な到来方向推定装置に適用される。また、この発明は、アンテナパターンテーブルの精度よりも高い精度で到来波の到来方向を推定可能な到来方向推定装置を備える無線通信装置に適用される。
この発明の実施の形態1による到来方向推定装置の構成を示す概略ブロック図である。 図1に示すレプリカ信号作成部が保持する伝搬パラメータテーブルの概念図である。 図1に示す伝搬パラメータ推定部における推定動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示す角度高分解能処理部における到来方向の推定方法を説明するための図である。 実施の形態1における到来方向の推定動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2による到来方向推定装置の構成を示す概略ブロック図である。 図6に示す相関値算出部によって合成された合成波形を示す図である。 図6に示す角度スペクトラム算出部によって算出される角度スペクトラムを示す図である。 実施の形態2における到来方向の推定動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3による到来方向推定装置の構成を示す概略ブロック図である。 実施の形態3における到来方向の推定動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態4による到来方向推定装置の構成を示す概略ブロック図である。 元の角度ステップで作成されたアンテナパターンテーブルの概念図である。 元の角度ステップよりも小さい角度ステップで作成されたアンテナパターンテーブルの概念図である。 図1に示す到来方向推定装置を用いた無線通信装置の構成を示す概略ブロック図である。
符号の説明
100,200,300,400 到来方向推定装置、101 アレーアンテナ、101−1〜101−K アンテナ素子、102 受信部、103 既知信号発生部、104 伝搬パラメータ初期値発生部、105,105A レプリカ信号作成部、106,106A,106B 伝搬パラメータ推定部、107 収束判定部、108,108A 角度高分解能処理部、109 伝搬パラメータ記憶部、111 相関値算出部、112 角度スペクトラム算出部、110 送信ビーム設定部、120 変調部、130 アレー送信部、500 無線通信装置。

Claims (8)

  1. 複数のアンテナ素子からなり、到来波を受信するアレーアンテナと、
    前記アレーアンテナが前記到来波を受信したときの受信信号を生成する受信手段と、
    前記受信手段によって生成された受信信号と前記アレーアンテナが前記到来波を受信したときの前記複数のアンテナ素子の応答ベクトルであり、かつ、第1の角度ステップで作成された第1のアンテナパターンテーブルとを用いて、前記到来波が伝搬するときの前記到来波の遅延時間、到来角および複素振幅減衰からなる伝搬パラメータを前記第1のアンテナパターンテーブルの前記第1の角度ステップと同じ分解能で推定する第1の推定処理を実行する第1の推定手段と、
    前記第1の推定手段によって推定された伝搬パラメータと前記第1のアンテナパターンテーブルとを用いて演算した到来方向の評価関数を前記第1のアンテナパターンテーブルの前記第1の角度ステップよりも小さいサンプル幅でサンプリングして前記到来波の到来方向を推定する第2の推定処理を実行する第2の推定手段とを備える到来方向推定装置。
  2. 前記第1の推定手段は、前記第1の推定処理に代えて、前記第1のアンテナパターンテーブルに基づいて前記第1の角度ステップよりも小さい第2の角度ステップで作成された第2のアンテナパターンテーブルと前記受信信号とを用いて、前記伝搬パラメータを前記第2のアンテナパターンテーブルの前記第2の角度ステップと同じ分解能で推定する第3の推定処理を実行し、
    前記第2の推定手段は、前記第2の推定処理に代えて、前記第1の推定手段によって推定された伝搬パラメータと前記第2のアンテナパターンテーブルとを用いて演算した到来方向の評価関数を前記第2のアンテナパターンテーブルの前記第2の角度ステップよりも小さいサンプル幅でサンプリングして前記到来波の到来方向を推定する第4の推定処理を実行する請求項1に記載の到来方向推定装置。
  3. 前記第1の推定手段は、前記伝搬パラメータの初期値を用いて前記第1の推定処理または前記第3の推定処理を開始し、前記伝搬パラメータが収束するまで前記第1の推定処理または前記第3の推定処理を繰り返し実行して前記伝搬パラメータを推定し、
    前記第2の推定手段は、前記収束した伝搬パラメータを用いて前記第2の推定処理または前記第4の推定処理を実行して前記到来波の到来方向を推定する、請求項1または請求項2に記載の到来方向推定装置。
  4. 前記第1の推定手段は、前記伝搬パラメータの初期値を用いて前記第1の推定処理または前記第3の推定処理を開始し、前記伝搬パラメータが収束するまで前記第1の推定処理または前記第3の推定処理を繰り返し実行して前記伝搬パラメータを推定し、
    前記第2の推定手段は、前記第1の推定処理または前記第3の推定処理が実行されるごとに前記第2の推定処理または前記第4の推定処理を実行し、前記伝搬パラメータが収束するまで前記第1の推定手段によって推定された伝搬パラメータを用いて前記到来波の到来方向を推定する、請求項1または請求項2に記載の到来方向推定装置。
  5. 前記伝搬パラメータの初期値は、予め任意に設定されたパラメータからなる、請求項3または請求項4に記載の到来方向推定装置。
  6. 前記伝搬パラメータの初期値は、前記送信信号が前記受信信号に近づくように検出された前記到来波の遅延時間、到来角および複素振幅減衰からなる、請求項3または請求項4に記載の到来方向推定装置。
  7. 前記伝搬パラメータの初期値は、前記受信信号と送信信号との相関値に基づいて検出された前記到来波の遅延時間、到来角および複素振幅減衰からなる、請求項に記載の到来方向推定装置。
  8. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の到来方向推定装置と、
    前記到来方向推定装置によって推定された到来方向にビームを形成して信号を送信する送信手段とを備える無線通信装置。
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