JP2016205821A - レーダ装置 - Google Patents

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智江 山本
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正啓 熊川
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Wataru Sato
亘 佐藤
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Abstract

【課題】2対のアレーアンテナを用いて視野角を広げる場合において、従来技術に比較して、互いのサイドローブから主ビームへの干渉をさらに抑制できるレーダ装置を提供する。【解決手段】同期して電子ビーム走査を行うレーダ装置であって、第1の送信アレーアンテナ21と第1の受信アレーアンテナ23を備えた第1のアンテナ基板15と、第2の送信アレーアンテナ22と第2の受信アレーアンテナ24を備えた第2のアンテナ基板16とは、第1の送信アレーアンテナ21及び第1の受信アレーアンテナ23の放射の正面方向と、第2の送信アレーアンテナ22及び第2の受信アレーアンテナ24の放射の正面方向とが異なり、第1の送信アレーアンテナ21の主ビーム方向が第2の送信アレーアンテナ22のサイドローブ方向と異なり、第2の送信アレーアンテナ22の主ビーム方向が第1の送信アレーアンテナ21のサイドローブ方向と異なるように配置された。【選択図】図1

Description

本開示は、例えば安全運転支援システム用レーダ装置などのレーダ装置に関する。
従来、車載用レーダ装置は例えば先行する車両を検出するために用いられてきた。図9Aは先行する車両202を追跡する車両201が、上記先行する車両202を検出するためのミリ波レーダ装置における視野角θvを示す平面図である。図9から明らかなように、従来例の車載用レーダ装置では、先行する車両202のみを検出するために、視野角θvは例えば5度ないし10度程度であって比較的狭い。
これに対して、図9Bはレーダ装置204及びその周辺の歩行者203を検出するためのミリ波レーダ装置における視野角θvを示す平面図である。図9Bから明らかなように、車両202のみならず、歩行者203を検出するために、視野角θvは例えば150度ないし160度程度であって従来例に比較して広くなる。
例えば、特許文献1では、レーダ光線を送信および受信する少なくとも2つのレーダセンサを有する、自動車の周辺状況を監視するための、自動車用のレーダシステムが開示されている。当該自動車用のレーダシステムは、少なくとも2つのレーダセンサがそれぞれ、1つの軸線に対して40°から50°の間の角度で配置されていて、上記少なくとも2つのレーダセンサがそれぞれ少なくとも1つのアンテナを有しており、上記少なくとも2つのレーダセンサは、上記アンテナがそれぞれ、各レーダセンサの主投射方向に対して相対的に、少なくとも−60°から+60°、特に−45°から+45°の間の角度である旋回可能な視野を有するように構成されている。これにより、比較的広い視野角を確保している。
特表2014−525031号公報 特開2012−083143号公報
J. J. Bussgang, et al., "A Unified Analysis of Range Performance of CW, Pulse, and Pulse Doppler Radar", Proceedings of the IRE, Vol. 47, Issue 10, pp. 1753-1762 (1959)
特許文献1では複数のアレーアンテナを組み合わせて広い視野角を確保している。例えば、1つのアレーアンテナを用いてそのサイドローブを抑制して電子ビームを走査可能な視野角の範囲は70度ないし80度程度であり、例えば、2つのアレーアンテナを組み合わせれば、150度の視野角を確保できると考えられる。
しかしながら、1対のアレーアンテナを用いて視野角を広げる場合においては、ある1つのアレーアンテナのサイドローブが別のアレーアンテナの主ビームに対して干渉が発生するおそれがあり、1対のアレーアンテナ間で互いに干渉を抑制する必要があるという問題点があった。
この問題点を解決するために、本出願人は、例えば特許文献2において、2つのアレーアンテナから送信する各送信信号で互いに直交する符号を用いて信号処理することで、互いのサイドローブから主ビームへの干渉を抑制することが提案されているが、当該干渉抑制の度合いが十分ではないという問題点があった。
本開示の目的は、2対のアレーアンテナを用いて視野角を広げる場合において、従来技術に比較して、互いのサイドローブから主ビームへの干渉をさらに抑制することができるアンテナ装置を備えたレーダ装置を提供することにある。
本開示にかかるレーダ装置は、互いに同期して電子ビーム走査を行う少なくとも2対のアレーアンテナを備えたレーダ装置であって、
互いに同一のセクタでそれぞれ送信し、受信する第1の送信アレーアンテナと第1の受信アレーアンテナを備えた第1のアンテナ基板と、
互いに同一のセクタでそれぞれ送信し、受信する第2の送信アレーアンテナと第2の受信アレーアンテナを備えた第2のアンテナ基板とを備え、
上記第1及び第2のアンテナ基板は、上記第1の送信アレーアンテナ及び上記第1の受信アレーアンテナの放射の正面方向と、上記第2の送信アレーアンテナ及び上記第2の受信アレーアンテナの放射の正面方向とが所定の角度で異なることで互いに異なるセクタを形成するように、かつ、上記電子ビーム走査時において、上記第1の送信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第2の送信アレーアンテナのサイドローブ方向と異なり、上記第2の送信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第1の送信アレーアンテナのサイドローブ方向と異なるように配置されたことを特徴とする。
本開示にかかるレーダ装置によれば、2対のアレーアンテナを用いて視野角を広げる場合において、従来技術に比較して、互いのサイドローブから主ビームへの干渉をさらに抑制することができる。特に、水平方向の電子的なビーム走査を行う際に干渉発生する角度領域が少なくなり、干渉抑制効果が高まる。
本開示の一実施形態にかかるレーダ装置用アンテナ装置の外観を示す斜視図である。 図1のA−A’線についての縦断面図である。 図1のレーダ装置用アンテナ装置を用いたレーダ装置101の構成例を示すブロック図である。 図3Aのレーダ装置101の動作を示すタイミングチャートであって、(a)は各送信周期Trにおける第1のセクタレーダの第1の直交符号OC(1)及び送信符号のタイミングチャートであり、(b)は各送信周期Trにおける第2のセクタレーダの第2の直交符号OC(2)及び送信符号のタイミングチャートであり、(c)は各送信周期Trと離散時刻kとの関係を説明する説明図である。 図1のレーダ装置101における送信信号生成部の他の内部構成を示すブロック図である。 ターゲットが移動していない場合における合致判定部の動作の説明図であって、(a)は第1の平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフであり、(b)は第2の平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフであり、(c)合致判定部の出力である第1の平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフである。 ターゲットが移動している場合における合致判定部の動作の説明図であって、(a)は第1の平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフであり、(b)は第2平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフであり、(c)は合致判定部の出力である第1平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフである。 図1のレーダ装置用アンテナ装置の放射パターンの設定方法を示す、アレーアンテナ21〜24間の放射パターンの関係を示す概略模式図である。 図1のレーダ装置用アンテナ装置において、アレーアンテナ21の放射パターンP21についての、放射角度θpに対する放射相対レベルを示すグラフである。 図1のレーダ装置用アンテナ装置において、図4の放射パターンの設定方法を用いて設定された、アレーアンテナ21の放射パターンP21と、アレーアンテナ22の放射パターンP22との関係を示す、放射角度θpに対する放射相対レベルを示すグラフである。 図1のレーダ装置用アンテナ装置において、図4の放射パターンの設定方法を用いて設定された、アレーアンテナ21の放射パターンP21と、アレーアンテナ22の別の放射パターンP22aとの関係を示す、放射角度θpに対する放射相対レベルを示すグラフである。 変形例にかかるアレーアンテナの構成例を示す平面図である。 先行する車両202を追跡する車両201が、上記先行する車両202を検出するためのミリ波レーダ装置における視野角θvを示す平面図である。 レーダ装置204及びその周辺の歩行者203を検出するためのミリ波レーダ装置における視野角θvを示す平面図である。
以下、本開示にかかる実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
図1は本開示の一実施形態にかかるレーダ装置用アンテナ装置の外観を示す斜視図である。レーダ装置用アンテナ装置は、例えば道路上又は道路脇の支柱上部に設けられ、交差点内の事故を未然に防ぐ検知センサーとして用いられ、、車両及びその周囲の歩行者を検出するためのミリ波レーダ装置のためのアンテナ装置である。
図1において、レーダ装置用アンテナ装置の装置筐体10は、底面11と、底面11に平行な上面12と、上面12と隣接して連結されかつ上面を向くように底面11及び上面12に対して所定の角度で傾斜する2つの傾斜面13,14とを有する。傾斜面13上には、第1の送信アレーアンテナ21及び第1の受信アレーアンテナ23を一体的に有するアンテナ基板15が設けられ、また、傾斜面14上には、第2の送信アレーアンテナ22及び第2の受信アレーアンテナ24を一体的に有するアンテナ基板16が設けられる。ここで、アンテナ基板15の同一のおもて面上において、複数のパッチアンテナA1を有するビーム走査可能な第1の送信アレーアンテナ21と、複数のパッチアンテナA3を有するビーム走査可能な第1の受信アレーアンテナ23とが並置される。また、アンテナ基板16の同一のおもて面上において、複数のパッチアンテナA2を有するビーム走査可能な第2の送信アレーアンテナ22と、複数のパッチアンテナA4を有するビーム走査可能な第2の受信アレーアンテナ24とが並置される。なお、アンテナ基板15,16は例えば誘電体基板にて構成され、それぞれの複数のパッチアンテナA1〜A4は例えば矩形形状のパッチ導体で構成され、互いに所定の間隔だけ離隔して格子形状で配置される。
なお、本明細書において、第1の送信アレーアンテナ21と、第2の送信アレーアンテナ22と、第1の受信アレーアンテナ23と、第2の受信アレーアンテナ24とをそれぞれ、簡略してアレーアンテナ21〜24と呼ぶ。
図2は図1のA−A’線についての縦断面図である。図2の断面が水平方向である。図2において、装置筐体10の上面12の短辺の中点を通過しかつ上面12と直交するラインL10と、傾斜面13の短辺の中点を通過しかつ傾斜面13と直交するラインL11と、傾斜面14の短辺の中点を通過しかつ傾斜面14と直交するラインL12とが交わる点を仮想の基準点Oとする。装置筐体10は、基準点OからラインL10の方向がレーダ装置の正面方向Xとなるように載置される。
アレーアンテナ21(23)は、アレーアンテナ21及びそのアンテナ基板15の各主面が基準点OからラインL11の方向X1と直交するように設けられ、方向X1は正面方向Xからθ1だけ左回りに回転されたアレーアンテナ21(23)の放射の正面方向であって、アレーアンテナ21(23)から放射される放射パターンの主ビーム方向(アレーアンテナ21(23)の放射角度0度のとき)である。また、アレーアンテナ24(22)は、アレーアンテナ24及びそのアンテナ基板16の各主面が基準点OからラインL12の方向X2と直交するように設けられ、方向X2は正面方向Xからθ2だけ右回りに回転されたアレーアンテナ24(22)の放射の正面方向であって、アレーアンテナ24(22)から放射される放射パターンの主ビーム方向(アレーアンテナ24(22)の放射角度0度のとき)である。ここで、括弧内は図2において、アレーアンテナ23,22を図示していないが、それぞれアレーアンテナ21,24と同様であり、以下同様に記載する。
本明細書では、図2に示すように、合計4つのアレーアンテナ21〜24を有するアンテナ装置全体の放射角度を、基準点Oからの正面方向Xを基準軸として右回りで放射角度θp(度)として定義する。
以上のように構成されたレーダ装置用アンテナ装置においては、電子ビーム走査を行う複数のセクタを備えた安全運転支援システム用波レーダ装置において、アレーアンテナ21〜24を以下のように配置している。
(1)同一セクタの放射パターンで送信又は受信する送信アレーアンテナ21と受信アレーアンテナ23はアンテナ基板15上で並置して配置する。これにより、アレーアンテナ21,23同士で水平方向で同一のセクタの走査範囲での送受信を実現できる。
(2)同一セクタの放射パターンで送信又は受信する送信アレーアンテナ22と受信アレーアンテナ24はアンテナ基板16上で並置して配置する。これにより、アレーアンテナ22,24同士で水平方向で同一のセクタの走査範囲での送受信を実現できる。
(3)隣接セクタの放射パターンで送信する送信アレーアンテナ21,22は、上面12の長手方向に延在しX方向のラインL10が通過するラインL20(図1)の中点を対称点O1を中心として180度の回転対称で配置している。また、隣接セクタの放射パターンで受信する受信アレーアンテナ23,24は、上記対称点O1を中心として180度の回転対称で配置している。これにより、異なるセクタの送信又は受信アレーアンテナ(21,22;23,24)の間で互いになるべく遠隔の位置に配置されるので、回り込みにより干渉を抑制できる。
図1及び図2のアレーアンテナ21〜24において、図2の断面が上述のように水平方向であって、図1の手前側が上側で、図1の奥側が下側であるとすると、アレーアンテナ21及び24は上側に配置され、アレーアンテナ22,23は下側に配置されている。すなわち、1つのアンテナ基板15又は16において、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナの配置はアンテナ基板15,16で互いに逆の配置となっている。
図1及び図2のアレーアンテナ21〜24において、例えば、θ1=θ2であって、θ1=θ2は例えば30度であって、25〜45度であり、θ1+θ2は例えば60度であって、50〜90度で配置される。すなわち、アレーアンテナ21〜24は、アレーアンテナ21,23又はアンテナ基板15の正面方向X1は、アレーアンテナ22,24又はアンテナ基板16の正面方向X2とは互いに角度(θ1+θ2)をなすように、すなわち、少なくとも方向X1,X2とが平行ではなく異なる方向となるように配置される。
また、図1及び図2のアレーアンテナ21〜24は少なくともビーム走査可能なアレーアンテナであり、それぞれ例えば主ビーム方向を対称軸として放射角度に対して非対称の放射パターンを有する。ここで、アレーアンテナ21(23)の主ビームは、正面方向X1を中心軸として、アレーアンテナ21(23)の基準点O11(例えば、図1のアレーアンテナ21(23)の矩形輪郭の中心である)から方向X1aと方向X1bとの範囲の走査角θs1で水平方向で、図3Aの送信符号制御部140により走査される。また、アレーアンテナ24(22)の主ビームは、正面方向X2を中心軸として、アレーアンテナ24(22)の基準点O12(例えば、図1のアレーアンテナ24(22)の矩形輪郭の中心である)から方向X2aと方向X2bとの範囲の走査角θs2で水平方向で、図3Aの送信符号制御部140により走査される。ここで、走査角θs1,θs2はそれぞれ、サイドローブを抑制して電子ビーム走査可能な範囲では、例えば70ないし80度である。そして、図3Aの送信符号制御部140は、例えば、アレーアンテナ21〜24の主ビーム方向を以下のように同期して走査制御する。
(1)アレーアンテナ21(23)の主ビームがその正面方向X1を向いているときに、アレーアンテナ24(22)の主ビームがその正面方向X2とならない。
(2)アレーアンテナ21(23)の主ビームがその方向X1aを向いているときに、アレーアンテナ24(22)の主ビームがその正面方向X2aとならない。
(3)アレーアンテナ21(23)の主ビームがその正面方向X1bを向いているときに、アレーアンテナ24(22)の主ビームがその正面方向X2bとならない。
図1及び図2のアレーアンテナ21〜24については、互いに同一の個数を有するパッチアンテナA1〜A4で構成して同一の放射パターンを有するアンテナ装置を構成しているが、本開示はこれに限らず、送信アレーアンテナ21,22を互いに同一の放射パターンを有するアンテナ装置で構成する一方、受信アレーアンテナ23,24を互いに同一の放射パターンを有するが、送信アレーアンテナ21,22の放射パターンとは異なるようにアンテナ装置で構成してもよい。例えば特許文献2のレーダ装置の場合において、受信アレーアンテナ23,24のアンテナ利得を送信アレーアンテナ21,22のアンテナ利得よりも小さくなるように構成する場合もある。
次いで、図1のレーダ装置用アンテナ装置のためのレーダ装置101の構成及び動作について、図3A及び図3Bを参照して以下説明する。以下の説明において、当該レーダ装置により受信される受信信号には、当該レーダ装置から送信された高周波送信信号がターゲット(車両又は歩行者等)により反射された反射波の信号と、当該レーダ装置の周囲のノイズ信号とが含まれる。
図3Aは図1のレーダ装置用アンテナ装置のためのレーダ装置101の構成例を示すブロック図である。図3Bはレーダ装置101の動作に関するタイミングチャートであり、図3B(a)は各送信周期Trにおける第1のセクタレーダの第1の直交符号OC(1)及び送信符号のタイミングチャートであり、図3B(b)は各送信周期Trにおける第2のセクタレーダの第2の直交符号OC(2)及び送信符号のタイミングチャートであり、図3B(c)は各送信周期Trと離散時刻kとの関係を説明するタイミングチャートである。
レーダ装置101は、図3Aに示すように、リファレンス信号Loを発生する基準信号発振器131と、送信符号制御部140と、第1の送信アレーアンテナ21が接続された第1のセクタレーダ送信部102と、第1の受信アレーアンテナ23が接続された第1のセクタレーダ受信部103と、第2の送信アレーアンテナ22が接続された第2のセクタレーダ送信部102aと、第2の受信アレーアンテナ24が接続された第2のセクタレーダ受信部103aとを備える。
レーダ装置101は、基準信号発振器131及び送信符号制御部140を共通に有する、2つの第1のセクタレーダ及び第2のセクタレーダを含む。第1のセクタレーダは、第1のセクタレーダ送信部102及び第1のセクタレーダ受信部103を含む。第2のセクタレーダは、第2のセクタレーダ送信部102a及び第2のセクタレーダ受信部103aを含む。各セクタレーダには、基準信号発振器131から信号が同期的に供給され、さらに、送信符号制御部140から信号が同期的に供給されている。第1のセクタレーダ及び第2のセクタレーダの各測定エリアは、当該各セクタレーダの測定エリアが近接する場合には一部重複し得るが、基本的にはそれぞれ異なるエリアであるとする。
レーダ装置101では、第1のセクタレーダ送信部102及び第2のセクタレーダ送信部102aは、所定の間欠的な高周波送信信号をそれぞれ生成して第1の送信アレーアンテナ21及び第2の送信アレーアンテナ22から送信する。さらに、第1のセクタレーダ受信部103及び第2のセクタレーダ受信部103aは、それぞれ送信された高周波相送信信号がターゲットにより反射された反射波の信号を、第1の受信アレーアンテナ23及び第2の受信アレーアンテナ24で受信する。レーダ装置101は、第1のセクタレーダ受信部103及び第2のセクタレーダ受信部103aでそれぞれ受信した受信信号を信号処理してターゲットの有無を検出する。なお、ターゲットはレーダ装置101が検出する対象の物体であり、例えば自動車等の車両、もしくは歩行者等の人などであり、以下の各実施形態においても同様である。
なお、第1のセクタレーダと第2のセクタレーダとは同様な構成を有し、同様に動作するため、以下のレーダ装置101の構成及び動作の説明においては、第1のセクタレーダの構成及び動作を主に説明し、必要に応じて第2のセクタレーダの構成及び動作を説明する。
特に、第2のセクタレーダでの構成が明示的に説明されていないものは、第1のセクタレーダで対応する構成における説明と同様な動作を行う。また、第2のセクタレーダでの構成が明示的に説明されていないもので、第1のセクタレーダで対応する構成における説明において、第uのセクタレーダとして記載しているものは、u=2と読み替えたものが、第2のセクタレーダの動作の説明としている。
第1のセクタレーダ送信部102について説明する。第1のセクタレーダ送信部102は、送信信号生成部104、送信RF(Radio Frequency)部112及び第1の送信アレーアンテナ21を備える。送信信号生成部104は、第1の符号生成部105、第2の符号生成部106、送信符号切換部107、直交符号生成部108、直交符号乗算部109、変調部110、及びLPF(Low Pass Filter)111を備える。図3Aでは、送信信号生成部104はLPF111を含むように構成されているが、LPF111は、送信信号生成部104と独立して第1のセクタレーダ送信部102の中に構成されてもよい。送信RF部112は、周波数変換部113と、増幅器114とを備える。第2のセクタレーダ送信部102aについて説明する。第2のセクタレーダ送信部102aは、図3Aには当該構成を図示していないが、第1のセクタレーダ送信部102と同様に、送信信号生成部104a、送信RF部112a及び第2の送信アレーアンテナ22を備える。送信信号生成部104aは、第1の符号生成部105a、第2の符号生成部106a、送信符号切換部107a、直交符号生成部108a、直交符号乗算部109a、変調部110a、及びLPF111aを備える。送信RF部112aは、周波数変換部113a、及び増幅器114aを備える。
送信信号生成部104は、基準信号発振器131により生成されたリファレンス信号に基づいて、当該リファレンス信号を所定倍に逓倍した信号を生成する。送信信号生成部104の各部は、当該生成された信号に基づいて動作する。送信信号生成部104は、それぞれ符号長Lの相補符号系列a,bのパルス圧縮符号を変調し、式(1)に示すベースバンドの送信信号r(k,M)を周期的に生成する。ここで、パラメータn=1,…,Lであり、パラメータLは、相補符号系列a,bの符号長を表す。パラメータjは、j=−1を満たす虚数単位である。パラメータkは、k=1〜(Nr+Nu)を満たす離散時刻である。離散時刻kの範囲は他の実施形態においても同様である。
次式(1)に示されたベースバンドの送信信号r(k,M)は、第M番目の送信周期Trの離散時刻kにおける送信信号を示し、同相成分Ir(k,M)と、虚数単位jが乗算された直交成分Qr(k,M)との加算結果で示される。
Figure 2016205821
…(1)
また、送信信号生成部104により生成される送信信号は、連続的な信号ではないものとする。図3B(a)に示すように、例えば第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trの送信区間Tw[秒]では、符号長Lの相補符号系列a,bに対して、1つのパルス符号あたりNo[個]のサンプルが存在する。なお、パラメータMは自然数である。従って、送信区間Twにおいては、Nr(=No×L)のサンプルが含まれる。また、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trの非送信区間(Tr−Tw)[秒]では、ベースバンドの送信信号としてNu[個]のサンプルが存在するものとする。
まず、送信信号生成部104の各部の構成及び動作について説明する。
第1の符号生成部105は、符号長Lの相補符号系列のペアを構成する相補符号系列aのパルス圧縮用の送信符号を生成する。第1の符号生成部105は、当該生成された相補符号系列aの送信符号を送信符号切換部107に出力する。以下、相補符号系列aの送信符号を、便宜的に送信符号aと記載する。第2の符号生成部106は、符号長Lの相補符号系列のペアを構成する相補符号系列bのパルス圧縮用の送信符号を生成する。第2の符号生成部106は、当該生成された相補符号系列bの送信符号を送信符号切換部107に出力する。以下、相補符号系列bの送信符号を、便宜的に送信符号bと記載する。
送信符号切換部107は、第1の符号生成部105及び第2の符号生成部106によりそれぞれ出力された送信符号a,bを入力する。送信符号切換部107は、送信符号制御部140からの符号切換制御信号に基づいて、当該入力された送信符号a又は送信符号bを選択的に切り換え、当該切り換えられた送信符号を直交符号乗算部109に出力する。
送信符号制御部140は、第1のセクタレーダ送信部102に対し、送信周期Tr毎に、送信符号a又は送信符号bに選択的に切り換えるように送信符号切換部107を制御する。具体的には、送信符号制御部140は、第1のセクタレーダ送信部102に対し、送信周期Tr毎に、送信符号を選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を送信符号切換部107に出力する。送信符号制御部140は、第1のセクタレーダ送信部102に対し、当該符号切換制御信号を直交符号生成部108及び第1のセクタレーダ受信部103にもそれぞれ出力する。
なお、送信符号制御部140は、第2のセクタレーダ送信部102aに対しても同様に、送信周期Tr毎に、送信符号a又は送信符号bに選択的に切り換えるように送信符号切換部107aを制御する。具体的には、送信符号制御部140は、第2のセクタレーダ送信部102aに対し、送信周期Tr毎に、送信符号を選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を送信符号切換部107aに出力する。送信符号制御部140は、第2のセクタレーダ送信部102aに対し、当該符号切換制御信号を、直交符号生成部108a及び第2のセクタレーダ受信部103aにもそれぞれ出力する。
ここで、送信符号制御部140の動作について、図3B(a)及び図3B(b)を参照して具体的に説明する。送信符号制御部140は、送信信号生成部104及び直交符号生成部108の組と、送信信号生成部104a及び直交符号生成部108aの組とに、それぞれ異なる符号切換制御信号を出力する。
送信符号制御部140は、第M番目の送信周期Trでは、送信符号aを直交符号乗算部109に出力させるように送信符号切換部107を制御する。従って、送信符号制御部140は、第M番目の送信周期Trでは、送信符号aに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部107及び直交符号生成部108にそれぞれ出力する。さらに、送信符号制御部140は、第M番目の送信周期Trでは、送信符号bを直交符号乗算部109aに出力させるように送信符号切換部107aを制御する。従って、送信符号制御部140は、第M番目の送信周期Trでは、送信符号bに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部107a及び直交符号生成部108aにそれぞれ出力する。
送信符号制御部140は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、送信符号bを直交符号乗算部109に出力させるように送信符号切換部107を制御する。従って、送信符号制御部140は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、送信符号bに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部107及び直交符号生成部108にそれぞれ出力する。さらに、送信符号制御部140は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、送信符号aを直交符号乗算部109aに出力させるように送信符号切換部107aを制御する。従って、送信符号制御部140は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、送信符号aに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部107a及び直交符号生成部108aにそれぞれ出力する。
送信符号制御部140は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、送信符号aを直交符号乗算部109に出力させるように送信符号切換部107を制御する。従って、送信符号制御部140は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、送信符号aに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部107及び直交符号生成部108にそれぞれ出力する。さらに、送信符号制御部140は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、送信符号bを直交符号乗算部109aに出力させるように送信符号切換部107aを制御する。従って、送信符号切換部CT1は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、送信符号bに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部107a及び直交符号生成部108aにそれぞれ出力する。
送信符号制御部140は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、送信符号bを直交符号乗算部109に出力させるように送信符号切換部107を制御する。従って、送信符号制御部140は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、送信符号bに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部107及び直交符号生成部108にそれぞれ出力する。さらに、送信符号制御部140は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、送信符号aを直交符号乗算部109aに出力させるように送信符号切換部107aを制御する。従って、送信符号制御部140は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、送信符号aに選択的に切り換える旨の符号切換制御信号を、送信符号切換部107a及び直交符号生成部108aにそれぞれ出力する。
なお、第(M+4)番目以降の送信周期においては、図3B(a)に示した第M番目から第(M+3)番目の送信周期までの4送信周期(4Tr)を1つの単位として、当該単位における各送信周期に応じた送信符号が繰り返して生成される。これらの生成された送信符号は、当該単位における各送信周期に応じて、送信符号切換部107及び送信符号切換部107aにそれぞれ出力される。
直交符号生成部108は、送信符号制御部140により出力された符号切換制御信号を入力する。直交符号生成部108は、当該入力された符号切換制御信号に応じて、第1のセクタレーダ又は第2のセクタレーダから送信された高周波送信信号を分離可能とするために、セクタレーダ毎に異なる直交符号OCを生成する。従って、直交符号生成部108により生成される直交符号OC(1)と、直交符号生成部108aにより生成される直交符号OC(2)とは異なる符号となる。具体的には、直交符号生成部108は、図3Aに示すようなセクタレーダ数Nsが2である場合に、直交符号OCの符号長P=4の互いに直交する関係にある直交符号OC(1)を生成する。パラメータPは、直交符号OCの符号長を表す。例えば、直交符号生成部108は、当該直交符号OC(1)=[1,1,1,1]を生成する。
同様に、直交符号生成部108aは、セクタレーダ数Nsが2である場合に、直交符号OC(1)に直交する直交符号OC(2)を生成する。例えば、直交符号生成部108aは、当該直交符号OC(2)=[1,−1,−1,1]を生成する。なお、符号長P=4の直交符号OC(1)のうち、前半部の直交符号OCa(1)(=[1,1])と後半部の直交符号OCb(1)(=[1,1])とは、同じ符号、すなわち極性が同一である。このため、直交符号OCa(1)と直交符号OCb(1)との間には、次式(2)が成立する。
Figure 2016205821
…(2)
一方、符号長P=4の直交符号OC(2)のうち、前半部の直交符号OCa(2)(=[1,−1])と後半部の直交符号OCb(2)(=[−1,1])とは、逆の符号、すなわち極性が反転されている。このため、直交符号OCa(2)と直交符号OCb(2)との間には、次式(3)が成立する。以下、直交符号OC(u)のq番目の要素を、OC(q、u)と表す。パラメータuは、u=1,…,Nsである。パラメータqは自然数である。
Figure 2016205821
…(3)
ここで、直交符号生成部108及び直交符号生成部108aの動作について、図3B(a)及び図3B(b)を参照して具体的に説明する。直交符号生成部108及び直交符号生成部108aは、それぞれ生成された直交符号OC(1)及びOC(2)を、直交符号乗算部109及び直交符号乗算部109aにそれぞれ出力する。
直交符号生成部108は、送信符号制御部140により出力された符号切換制御信号に応じて、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trで用いられる直交符号OC(1)=[1,1,1,1]を生成する。ただし、図3Bに示すように、第M番目の送信周期Trが、上述した送信符号制御部140を含むレーダ装置101の各部の動作における4送信周期の第1番目の送信周期であり、以下の他の実施形態においても同様であるとする。具体的には、直交符号生成部108は、送信符号制御部140からの符号切換制御信号に応じて、第M番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(1,1)を生成し、直交符号乗算部109に出力する。図3Bでは、直交符号OC(1,1)=+1となる。
直交符号生成部108は、送信符号制御部140からの符号切換制御信号に応じて、第(M+1)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(2,1)を生成し、直交符号乗算部109に出力する。図3Bでは、直交符号OC(2,1)=+1となる。直交符号生成部108は、送信符号制御部140からの符号切換制御信号に応じて、第(M+2)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(3,1)を生成し、直交符号乗算部109に出力する。図3Bでは、直交符号OC(3,1)=+1となる。直交符号生成部108は、送信符号制御部140からの符号切換制御信号に応じて、第(M+3)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(4,1)を生成し、直交符号乗算部109に出力する。図3Bでは、直交符号OC(4,1)=+1となる。
直交符号生成部108aは、送信符号制御部140により出力された符号切換制御信号に応じて、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trで用いられる直交符号OC(2)=[1,−1,−1,1]を生成する。具体的には、直交符号生成部108aは、送信符号制御部140からの符号切換制御信号に応じて、第M番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(1,2)を生成し、直交符号乗算部109aに出力する。図3Bでは、直交符号OC(1,2)=+1となる。
直交符号生成部108aは、送信符号制御部140からの符号切換制御信号に応じて、第(M+1)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(2,2)を生成し、直交符号乗算部109aに出力する。図3Bでは、直交符号OC(2,2)=−1となる。直交符号生成部108aは、送信符号制御部140からの符号切換制御信号に応じて、第(M+2)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(3,2)を生成し、直交符号乗算部109aに出力する。図3Bでは、直交符号OC(3,2)=−1となる。直交符号生成部108aは、送信符号制御部140からの符号切換制御信号に応じて、第(M+3)番目の送信周期Trに用いられる直交符号OC(4,2)を生成し、直交符号乗算部109aに出力する。図3Bでは、直交符号OC(4,2)=+1となる。
なお、第(M+4)番目以降の送信周期においては、図3B(a)に示した第M番目から第(M+3)番目の送信周期までの4送信周期(4Tr)を1つの単位として、当該単位における各送信周期に応じた直交符号が繰り返して生成される。これらの生成された直交符号は、当該単位における各送信周期に応じて、直交符号乗算部109及び直交符号乗算部109aにそれぞれ出力される。
直交符号乗算部109は、送信符号切換部107により出力された送信符号、及び直交符号生成部108により出力された直交符号を入力する。直交符号乗算部109は、送信符号切換部107により出力された送信符号と、直交符号生成部108により出力された直交符号とを乗算する。直交符号乗算部109は、当該乗算結果である送信符号を変調部110に出力する。例えば、図3B(a)には第M番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部107により出力された送信符号がaであり、直交符号生成部108により出力された直交符号OC(1,1)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部109は、送信符号aと直交符号OC(1,1)(=1)との乗算結果である送信符号aを変調部110に出力する。
例えば、図3B(a)には第(M+1)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部107により出力された送信符号がbであり、直交符号生成部108により出力された直交符号OC(2、1)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部109は、送信符号bと直交符号OC(2、1)(=1)との乗算結果である送信符号bを変調部110に出力する。例えば、図3B(a)には第(M+2)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部107により出力された送信符号がaであり、直交符号生成部108により出力された直交符号OC(3、1)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部109は、送信符号aと直交符号OC(3、1)(=1)との乗算結果である送信符号aを変調部110に出力する。例えば、図3B(a)には第(M+3)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部107により出力された送信符号がbであり、直交符号生成部108により出力された直交符号OC(4、1)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部109は、送信符号bと直交符号OC(4、1)(=1)との乗算結果である送信符号bを変調部110に出力する。
例えば、図3B(b)には第M番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部107aにより出力された送信符号がbであり、直交符号生成部108aにより出力された直交符号OC(1、2)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部109aは、送信符号bと直交符号OC(1、2)(=1)との乗算結果である送信符号bを変調部110aに出力する。
例えば、図3B(b)には第(M+1)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部107aにより出力された送信符号がaであり、直交符号生成部108aにより出力された直交符号OC(2、2)が−1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部109aは、送信符号aと直交符号OC(2、2)(=−1)との乗算結果である送信符号−aを変調部110aに出力する。例えば、図3B(b)には第(M+2)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部107aにより出力された送信符号がbであり、直交符号生成部108aにより出力された直交符号OC(3、2)が−1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部109aは、送信符号bと直交符号OC(3、2)(=−1)との乗算結果である送信符号−bを変調部110aに出力する。例えば、図3B(b)には第(M+3)番目の送信周期Trにおいて、送信符号切換部107aにより出力された送信符号がaであり、直交符号生成部108aにより出力された直交符号OC(4、2)が1である場合が示されている。この場合、直交符号乗算部109aは、送信符号aと直交符号OC(4、2)(=1)との乗算結果である送信符号aを変調部110aに出力する。
変調部110は、直交符号乗算部109により出力された送信符号を入力する。変調部110は、当該入力された送信符号をパルス変調することで、ベースバンドの送信信号r(n)を生成する。なお、パルス変調とは、振幅変調、ASK(Amplitude Shift Keying))又は位相変調(PSK(Phase Shift Keying)である。また、変調部110は、LPF111を介して、当該生成された送信信号r(n)のうち予め設定された制限帯域以下の送信信号r(n)を送信RF部112に出力する。
次に、送信RF部112の各部の構成及び動作について説明する。
送信RF部112は、基準信号発振器131により生成されたリファレンス信号に基づいて、当該リファレンス信号を所定倍数に逓倍した信号を生成する。送信RF部112は、当該生成された信号に基づいて動作する。具体的には、周波数変換部113は、送信信号生成部104により生成された送信信号r(n)を入力し、当該入力されたベースバンドの送信信号r(n)をアップコンバートしてキャリア周波数帯域の高周波送信信号を生成する。周波数変換部113は、当該生成された高周波送信信号を増幅器114に出力する。
増幅器114は、当該出力された高周波送信信号を入力し、当該入力された高周波送信信号のレベルを所定のレベルに増幅して第1の送信アレーアンテナ21に出力する。この増幅された高周波送信信号は、第1の送信アレーアンテナ21を介して空間に放射するように送信される。送信アレーアンテナ21は、送信RF部112により出力された高周波送信信号を空間に放射するように送信する。図3B(a)に示すように、高周波送信信号は、送信周期Trのうち送信区間Twの間に送信され、非送信区間(Tr−Tw)の間には送信されない。
なお、上述した各セクタレーダの送信RF部112,112a及び受信RF部115,115a内にそれぞれ設けられる局部発振器には、基準信号発振器131により生成されたリファレンス信号が所定倍に逓倍された信号が共通に供給されている。これにより、当該各セクタレーダの送信RF部112,112a及び受信RF部115,115aの局部発振器間の同期をとることができる。
さらに、各セクタレーダ間では、共通の基準信号発振器131により生成されたリファレンス信号が所定倍に逓倍された信号に基づいて送信信号が生成されている。これにより、送信周期は、当該各セクタレーダ間において同期していることになる。
図3Cは図3Aのレーダ装置101における送信信号生成部の他の内部構成を示すブロック図である。第1のセクタレーダ送信部102において、図3Cに示すように、送信信号生成部104により生成された各送信符号a,b,−a,−bをそれぞれ予め記憶する送信符号記憶部140mを設けても良い。第2のセクタレーダ送信部102aにおいても同様である。図3Cは、実施形態に係るレーダ装置101における送信信号生成部104の他の内部構成を示すブロック図である。この送信信号生成部104cは、送信符号記憶部140mと、送信符号制御部140aと、変調部110と、LPF111とを備える。
図3Cにおいて、送信符号制御部140aは、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trに応じて生成される送信符号を、送信符号記憶部140mから巡回的に読み出して変調部110に出力する。具体的には、送信符号制御部140aは、第M番目の送信周期Trでは、直交符号が予め乗算された送信符号aを送信符号記憶部140mから読み出して変調部110に出力する。送信符号制御部140aは、第(M+1)番目の送信周期Trでは、直交符号が予め乗算された送信符号bを送信符号記憶部140mから読み出して変調部110に出力する。
送信符号制御部140aは、第(M+2)番目の送信周期Trでは、直交符号が予め乗算された送信符号aを送信符号記憶部140mから読み出して変調部110に出力する。送信符号制御部140aは、第(M+3)番目の送信周期Trでは、直交符号が予め乗算された送信符号bを送信符号記憶部140mから読み出して変調部110に出力する。変調部110に出力された後の動作は上述した変調部110及びLPF111の動作と同様であるため、当該同様の内容に関する説明は省略する。さらに、第2のセクタレーダ送信部102aの送信信号生成部104aが図3Cに示す送信信号生成部104cである場合でも、図3B(b)に示した各送信符号が記憶されている点を除けば、上述した同様の動作を行うため当該動作の説明は省略する。
次に、第1のセクタレーダ受信部103と第2のセクタレーダ受信部103aについて説明する。第1のセクタレーダ受信部103と第2のセクタレーダ受信部103aとは同様な構成であり、同様に動作する。ただし、後述する第1のセクタレーダ受信部103の第1の分離符号生成部122及び第1のサブ分離符号生成部124の動作は、第2のセクタレーダ受信部103aの第2の分離符号生成部122a及び第2のサブ分離符号生成部124aとは異なる。
以下では、第1のセクタレーダ受信部103の第1の分離符号生成部122及び第2のセクタレーダ受信部103aの第2の分離符号生成部122aの動作は、第1の分離符号生成部122の動作説明において、第uのセクタレーダとして記載し(u=1,2)、第1のセクタレーダ、第2のセクタレーダで異なる動作部分をまとめた形で説明を行う。同様に、第1のセクタレーダ受信部103の第1のサブ分離符号生成部124及び第2のセクタレーダ受信部103aの第2のサブ分離符号生成部124aの動作は、第1のサブ分離符号生成部124の動作説明において、第uのセクタレーダとして記載し(u=1,2)、第1のセクタレーダ、第2のセクタレーダで異なる動作部分をまとめた形で説明を行う。
第1のセクタレーダ受信部103について説明する。第1のセクタレーダ受信部103は、第1の受信アレーアンテナ23、受信RF部115及び信号処理部119を備える。受信RF部115は、増幅器116、周波数変換部117及び直交検波部118を備える。信号処理部119は、A/D変換部120,121、第1の分離符号生成部122、第1の相関値演算部123、第1のサブ分離符号生成部124、第2の相関値演算部125、第1の分離符号乗算部126、第1の加算処理部127、第2の加算処理部128、合致判定部129及び到来距離推定部130を備える。第1のセクタレーダ受信部103は、4送信周期(4Tr)を信号処理部119における信号処理区間として周期的に演算する。
第2のセクタレーダ受信部103aについて説明する。第2のセクタレーダ受信部103aは、図3Aには当該構成を図示していないが、第1のセクタレーダ受信部103と同様に、第2の受信アレーアンテナ24、受信RF部115a及び信号処理部119aを備える。受信RF部115aは、増幅器116a、周波数変換部117a及び直交検波部118aを備える。信号処理部119aは、A/D変換部120a,121a、第2の分離符号生成部122a、第3の相関値演算部123a、第2のサブ分離符号生成部124a、第4の相関値演算部125a、第2の分離符号乗算部126a、第3の加算処理部127a、第4の加算処理部128a、合致判定部129a及び到来距離推定部130aを備える。第2のセクタレーダ受信部103aは、4送信周期(4Tr)を信号処理部119aにおける信号処理区間として周期的に演算する。
第1の受信アレーアンテナ23は、第1のセクタレーダ送信部102により送信された高周波送信信号がターゲットにより反射された反射波の信号と、レーダ装置101の周囲のノイズ信号とを受信信号として受信する。さらに、第1の受信アレーアンテナ23は、第1のセクタレーダと第2のセクタレーダの測定エリアが近接する場合、第2のセクタレーダ送信部102により送信された高周波送信信号がターゲットにより反射された反射波を、干渉信号として受信することがある。なお、上記2つの反射波の信号は高周波帯域の信号である。第1の受信アレーアンテナ23により受信された受信信号は、受信RF部115に入力される。
なお、レーダ装置101においては、第1のセクタレーダ受信部103は1つの第1の受信アレーアンテナ23を保持する。同様に、第2のセクタレーダ受信部103aは1つの第2の受信アレーアンテナ24を保持する。
第1の受信アレーアンテナ23は、図3B(a)に示す各送信周期Trに相当する区間に、上述した受信信号を受信する。従って、この受信信号が受信される区間Trがレーダ装置101における測定区間とされる。なお、第2の受信アレーアンテナ24についても同様である。
受信RF部115は、送信RF部112と同様に、基準信号発振器131により生成されたリファレンス信号に基づいて、当該リファレンス信号を所定倍に逓倍した信号を生成する。受信RF部115は、当該生成された信号に基づいて動作する。これにより、送信RF部112の局部発振器と受信RF部115の局部発振器(図示せず)との間の同期をとることができる。増幅器116は、第1の受信アレーアンテナ23により受信された高周波帯域の受信信号を入力し、当該入力された高周波帯域の受信信号のレベルを増幅して周波数変換部117に出力する。周波数変換部117は、当該増幅器116により出力された高周波帯域の受信信号を入力し、当該入力された高周波帯域の受信信号をベースバンドにダウンコンバートし、当該ダウンコンバートされた受信信号を直交検波部118に出力する。
直交検波部118は、周波数変換部117により出力されたベースバンドの受信信号を直交検波することで同相信号(In-phase signal)及び直交信号(Quadrate signal)を用いて構成されるベースバンドの受信信号を生成する。直交検波部118は、当該生成された受信信号のうち同相信号成分をA/D変換部120に出力し、当該生成された受信信号のうち直交信号成分をA/D変換部121に出力する。A/D変換部120は、直交検波部118により出力されたベースバンドの同相信号に対して離散時刻kにおけるサンプリングを行い、アナログデータの当該同相信号をデジタルデータに変換する。
A/D変換部120は、当該変換されたデジタルデータの同相信号を、第1の相関値演算部123及び第2の相関値演算部125にそれぞれ出力する。同様に、A/D変換部121は、直交検波部118により出力されたベースバンドの直交信号に対して離散時刻kにおけるサンプリングを行い、アナログデータの当該直交信号をデジタルデータに変換する。A/D変換部121は、当該変換されたデジタルデータの直交信号を、第1の相関値演算部123及び第2の相関値演算部125にそれぞれ出力する。また、A/D変換部120,121により変換された第M番目の送信周期Trの離散時刻kにおける受信信号は、当該受信信号の同相信号I(k,M)及び当該受信信号の直交信号Q(k,M)を用いて、式(4)の複素信号x(k,M)として表される。
Figure 2016205821
…(4)
図3B(c)に示すように、離散時刻k=1は、各送信周期Trの開始時点を示す。また、離散時刻k=Nrは、各送信周期Trにおける送信区間Twの終了時点を示す。さらに、離散時刻k=(Nr+Nu)は、各送信周期Trの終了直前時点を示す。なお、図3B(c)には、離散時刻kの範囲を便宜的に図示するために、離散時刻kの範囲を第M番目の送信周期のみに示している。
第1の分離符号生成部122は、第M番目の送信周期Trに直交符号生成部108により生成された直交符号OC(1)を、当該送信周期Tr毎に入力する。第1の分離符号生成部122は、当該入力された直交符号OC(1)を基に、第1の分離符号として割り当てる。なお、直交符号OC(1)は、第1のセクタレーダ受信部103に受信された受信信号から、第1のセクタレーダ送信部102により送信された送信信号の分離に用いる。
第1の分離符号生成部122は、当該割り当てられた直交符号OC(1)を当該送信周期Trに同期するように第1の分離符号乗算部126に出力する。具体的には、第1の分離符号生成部122は、第M番目の送信周期Trでは、直交符号OC(1、1)を第1の分離符号として第1の分離符号乗算部126に出力する。同様に、第1の分離符号生成部122は、第(M+1)番目の送信周期Trでは、直交符号OC(2、1)を第1の分離符号として第1の分離符号乗算部126に出力する。第1の分離符号生成部122は、第(M+2)番目の送信周期Trでは、直交符号OC(3、1)を第1の分離符号として第1の分離符号乗算部126に出力する。第1の分離符号生成部122は、第(M+3)番目の送信周期Trでは、直交符号OC(4、1)を第1の分離符号として第1の分離符号乗算部126に出力する。
第(M+4)番目の送信周期Tr以降も含めて、以下のように記載する。すなわち、第uのセクタレーダの第(M+p)番目の送信周期Trにおいて、第1の分離符号生成部122は、直交符号生成部108により生成された直交符号OC(u)に対し、第1の分離符号OC(mod(p、4)+1、u)として、第1の分離符号乗算部126に出力する。ここで、パラメータpは、整数を表し、以下においても同様である。また、mod(x、y)は、xをyで割った場合の余り(剰余)を算出する剰余演算子である。
第1の相関値演算部123は、A/D変換部120,121によりそれぞれ出力されたデジタルデータの複素信号x(k,M+p)を入力する。第1の相関値演算部123は、送信信号生成部104の動作と同期することで、当該送信信号生成部104と同様に、基準信号発振器131において生成されたリファレンス信号に基づいて、当該リファレンス信号を所定倍に逓倍した信号を生成する。なお、図3Aでは、第1の相関値演算部123へのリファレンス信号の入力は、省略して記載している。
第1の相関値演算部123は、当該生成された信号に基づいて、離散時刻kに応じて送信信号生成部104により生成された送信信号(式(1)参照)と同一のベースバンドである基準送信信号r(k,M+p)を周期的に生成する。また、第1の相関値演算部123は、当該入力された複素信号x(k,M+p)と、当該生成された基準送信信号r(k,M+p)との第1の相関値を演算する。ただし、この第1の相関値の演算においては、基準送信信号r(k,M+p)の複素共役値が用いられる。具体的には、第1の相関値演算部123は、図3Bに示す各送信周期Tr、すなわち離散時刻k=1〜(Nr+Nu)の場合には、次式(5)に従って第1の相関値AC(k,M+p)を演算する。第1の相関値演算部123は、次式(5)に従って演算された第1の相関値AC(k,M+p)を第1の分離符号乗算部126に出力する。
Figure 2016205821
…(5)
第1の分離符号乗算部126は、第1の分離符号生成部122により生成された第1の分離符号OC(mod(p、4)+1、u)と、第1の相関値演算部123により演算された第1の相関値AC(k,M+p)とを乗算する。第1の分離符号乗算部126は、当該乗算結果を第1の加算処理部127に出力する。ここで、当該乗算結果は、第1の分離符号生成部26により生成された第1の分離符号が乗算された第1の相関値のことである。以下、この第1の分離符号が乗算された第1の相関値を、単に「乗算後第1の相関値」という。
第1の加算処理部127は、第1の分離符号乗算部126により出力された乗算後第1の相関値を入力する。第1の加算処理部127は、第(M+v)番目から第(M+v+3)番目までの4送信周期(4Tr)において乗算された各乗算後第1の相関値を単位として加算を行う。パラメータvは、ゼロを含む4の倍数である。すなわち、第1の加算処理部127は、4送信周期分における乗算後第1の相関値を単位として、離散時刻kのタイミングを揃えて次式(6)に示す様な第1の平均相関値aveAC(k,u)を演算する。第1の加算処理部127は、当該演算された第1の平均相関値aveAC(k,u)を合致判定部129に出力する。
Figure 2016205821
…(6)
この第1の加算処理部127の動作により、ターゲットの移動速度が小さい場合には、レーダ装置101は、第1のセクタレーダからの高周波送信信号を受信し、他の第2のセクタレーダからの高周波送信信号を抑圧する。ただし、ターゲットの移動速度が大きい場合には、レーダ装置101は、他のセクタレーダからの高周波送信信号成分を残留することになる。また、4送信周期(4Tr)において演算された第1の平均相関値aveAC(k,u)を1つの単位として、さらに当該単位の複数倍の送信周期Trにわたって加算しても良い。これにより、レーダ装置101は、雑音成分をさらに抑圧することで、SNR(Signal Noise Ratio)を向上することができ、さらに、ターゲットの到来距離の推定に関する測定性能を向上することができる。
ここで、第M番目の送信周期Trにおける符号長P=4の直交符号OC(1)のうち、前半部の直交符号OCa(1)と後半部の直交符号OCb(1)とは、同じ符号が用いられている(式(2)参照)。一方、第(M+1)番目の送信周期Trにおける符号長P=4の直交符号OC(2)のうち、前半部の直交符号OCa(2)と後半部の直交符号OCb(2)とは、符号の極性が反転した関係にあるものが用いられている(式(4)参照)。例えば第1のセクタレーダが他の第2のセクタレーダ送信部102aからの干渉信号を受信した場合を仮定する。この場合、直交符号OC(1)と直交符号OC(2)との関係によって、レーダ装置101は、上述した第1の平均相関値から当該受信信号の変動が4送信周期(4Tr)において、静的とみなせる場合には、当該干渉信号成分を抑圧し、第1のセクタレーダ送信部102から送信された所望の送信信号を抽出することができる。
また、第1のセクタレーダは、第M番目の送信周期Trにおいて、送信符号aに基づいて生成された高周波送信信号を送信し、続く第(M+1)番目の送信周期Trにおいて、送信符号bに基づいて生成された高周波送信信号を送信する。一方、第2のセクタレーダは、第M番目の送信周期Trにおいて、送信符号bに基づいて生成された高周波送信信号を送信し、続く第(M+1)番目の送信周期Trにおいて、送信符号−aに基づいて生成された高周波送信信号を送信する。
第1のセクタレーダ及び第2のセクタレーダは、これらの各高周波送信信号の送信を同期して行うため、レーダ装置101は、2送信周期(2Tr)においても、他の第1のセクタレーダ又は第2のセクタレーダからの干渉信号成分を抑圧することができる。これは、次の理由による。各セクタレーダ間の符号間干渉は、送信符号の相互相関値に比例した関係を有するため、第M番目の送信周期Trにおいて、異なる送信符号(a,b)間の相互相関値がz(k)として得られた場合であって、受信信号の変動が2送信周期(2Tr)にわたり静的とみなせる場合には、第(M+1)番目の送信周期Trでは異なる送信符号(a,b)間の相互相関値が−z(k)として得られるためである。より具体的には、第1のセクタレーダにおける第1の相関値演算部123に含まれる、A/D変換部120,121からそれぞれ出力されたデジタルデータの複素信号x(k,M+u)、x(k,M+u+1)が、それぞれ、第2のセクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u)、v(k,M+u+1)を含む場合について、以下に説明する。ここでパラメータuは、ゼロを含む2の倍数である。
第1の相関値演算部123は、第M+u番目の送信周期Trにおいて、当該入力された複素信号x(k,M+u)に含まれる第2のセクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u)に対し、送信符号anを用いた第1のセクタレーダにおける基準送信信号r(k,M+u)との相関演算である第1の相関値AC12(k,M+u)を算出することとなる。ここで、次式(7)における2行目において、第2のセクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u)は、送信符号bnを用いた送信信号r(k,M+u)と、第M番目の送信周期Trにおける第2のセクタレーダから第1のセクタレーダへの干渉信号成分の複素伝搬路応答を示す複素遅延プロファイルh12(k,M+u)と、の畳み込み演算によって算出できる性質を用いて、式変形を行っている。
Figure 2016205821
…(7)
また、第1の相関値演算部123は、第M+u+1番目の送信周期Trにおいて、当該入力された複素信号x(k,M+u+1)に含まれる第2のセクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u+1)に対し、送信符号bnを用いた第1のセクタレーダにおける基準送信信号r(k,M+u+1)との相関演算である第1の相関値AC12(k,M+u+1)を算出することとなる。ここで、第2のセクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u+1)は、送信符号anの極性を反転したものを用いた送信信号r(k,M+u+1)と、第M+u+1番目の送信周期Trにおける第2のセクタレーダから第1のセクタレーダへの干渉信号成分の複素伝搬路応答を示す複素遅延プロファイルh12(k,M+u+1)と、の畳み込み演算によって算出できる性質を用いて、次式(8)のように式変形を行っている。
Figure 2016205821
…(8)
ここで、第1のセクタレーダ及び第2のセクタレーダは、第M+u番目の送信周期Tr、第M+u+1番目の送信周期Trの各高周波送信信号の送信を同期して行う。このため、各送信信号間には、r(k,M+u)=−r(k,M+u+1)、r(k,M+u+1)=r(k,M+u)の関係が成り立つ。この関係を用いて、式(8)を変形すると次式(9)となる。
Figure 2016205821
…(9)
ここで、基準送信信号r(k,M+u)、r(k,M+u+1)は、送信符号an,bnの各要素である[1,−1]の成分に対し、変調部110において、各離散時刻kの位相平面上でのコンスタレーション(変調シンボルマッピング)を[0°,180°]または[180°,0°]とすることができる。この場合、各離散時刻kの基準送信信号r(k,M+u)、r(k,M+u+1)は実数として扱うことができるため、式(7)、式(9)は、それぞれ次式(10)、(11)のように変形できる。
Figure 2016205821
…(10)
Figure 2016205821
…(11)
さらに、第M+u番目の送信周期Trにおける第2のセクタレーダから第1のセクタレーダへの干渉信号成分の複素遅延プロファイルh12(k,M)と、第M+u+1番目の送信周期Trにおける第2のセクタレーダから第1のセクタレーダへの干渉信号成分の複素遅延プロファイルh12(k,M+u+1)とが、ほぼ等しい場合(つまり、伝搬路変動がほぼ静的とみなせる場合)、他セクタレーダからの干渉信号成分に対する相関演算結果である第1の相関値AC12(k,M+u)及びAC12(k,M+u+1)は次式(12)で示す関係となる。
Figure 2016205821
…(12)
上記の相関演算結果の関係から、第1の加算処理部127は、第1の分離符号乗算部126により出力された乗算後第1の相関値を入力とし、(M+u)番目から第(M+u+1)番目までの2送信周期(2Tr)において乗算された各乗算後第1の相関値を単位として加算を行うことで、第2のセクタレーダから第1のセクタレーダへの干渉成分AC12(k,M+u)及びAC12(k,M+u+1)を抑圧することができる。
以上、第1の相関値演算部123での、A/D変換部120,121によりそれぞれ出力されたデジタルデータの複素信号x(k,M+u)、x(k,M+u+1)が、それぞれ、第2のセクタレーダからの干渉信号成分v(k,M+u)、v(k,M+u+1)を含む場合であって、第1のセクタレーダにおいて干渉抑圧する動作について説明した。なお、第2のセクタレーダにおいても、第3の相関値演算部123a、第2の分離符号乗算部126a、第3の加算処理部127aの同様な動作により、第1のセクタレーダからの干渉信号成分の抑圧が可能となる。
第1のサブ分離符号生成部124は、第uのセクタレーダにおいて、第M+p番目の送信周期Trに、直交符号生成部108により生成された直交符号OC(mod(p、4)+1、u)が、当該送信周期Tr毎に入力される。また、第1のサブ分離符号生成部124は、第uのセクタレーダにおいて、第M+p番目の送信周期Trに、送信符号制御部140からの符号切換制御信号に応じて送信符号切換部107から出力された送信符号の種別(anあるいはbn)が、当該送信周期Tr毎に入力される。
第1のサブ分離符号生成部124は、当該入力された直交符号OC(mod(p、4)+1、u)及び送信符号の種別に応じて、第1のサブ分離符号subOC(u)を生成する。第1のサブ分離符号subOC(u)は、符号長L/2のサブ符号単位で第1のセクタレーダ受信部103に受信された受信信号から、第1のセクタレーダ送信部102より送信された送信信号を、分離するために用いる。
第1のサブ分離符号生成部124は、当該生成された第1のサブ分離符号subOC(u)を第2の相関値演算部125に出力する。ここで、第uサブ分離符号subOC(u)は、符号長Lの相補符号a,bが符号長L/2の相補符号のペアを構成するc,dを次式(13)に示すように連接することで得られる性質を利用して生成される。なお、符号長L/2の相補符号のペアを構成するc,dは、次式(14)に示すように表される。他の実施形態においても同様である。
Figure 2016205821
…(13)
Figure 2016205821
…(14)
式(13)及び(14)に示される関係を用いて、第1のサブ分離符号の生成方法を具体的に説明する。図3B(a)に示すように、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trにおいて高周波送信信号が送信される際、直交符号OC(M、1)と送信符号a或いは送信符号bとが乗算される。すなわち、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trに対応した送信符号[a,b,a,b]と、直交符号OC(1)=[1,1,1,1]とが乗算される。
この乗算結果の送信符号[a,b,a,b]は、符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えられた場合には、[c,d,c,−d,c,d,c,−d]となる。第1のサブ分離符号生成部124は、当該乗算結果の送信符号[a,b,a,b]を符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えた場合における各送信符号の係数を第1のサブ分離符号subOC(1)として生成する。すなわち、第1のサブ分離符号生成部124は、当該係数である[1,1,1,−1,1,1,1,−1]を第1のサブ分離符号subOC(1)として生成する。
また、第2のセクタレーダにおいても第1のセクタレーダの第1のサブ分離符号生成部124と同様に、第2のサブ分離符号生成部124aは、第2のサブ分離符号subOC(2)を生成する。具体的には、式(13)及び(14)に示される関係を用いて、図3B(b)に示すように、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trにおいて高周波送信信号が送信される際、直交符号OC(M、2)と送信符号a或いは送信符号bとが乗算される。すなわち、第M番目から第(M+3)番目までの各送信周期Trに対応した送信符号[b,a,b,a]と、直交符号OC(2)=[1,−1,−1,1]とが乗算される。
この乗算結果の送信符号[b,−a,−b,a]は、符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えられた場合には、[c,−d,−c,−d,−c,d,c,d]となる。第2のサブ分離符号生成部124aは、当該乗算結果の送信符号[b,a,b,a]を符号長L/2のサブ符号c,dで置き換えた場合における各送信符号の係数を第2のサブ分離符号subOC(2)として生成する。すなわち、第2のサブ分離符号生成部124aは、当該係数である[1,−1,−1,−1,−1,1,1,1]を第2のサブ分離符号subOC(2)として生成する。なお、以下の説明において、第uサブ分離符号subOC(u)の第h番目の要素を、subOC(h,u)と表す。ここで、パラメータhはh=1,2,…,8である。
上述したように、各セクタレーダ間において、第1のサブ分離符号subOC(1)=[1,1,1,−1,1,1,1,−1]と第2のサブ分離符号subOC(2)=[1,−1,−1,−1,−1,1,1,1]とは、次式(15)に示す関係が成立する。すなわち、第1のサブ分離符号subOC(1)と第2のサブ分離符号subOC(2)とは、当該各サブ分離符号の2要素単位(1送信周期(1Tr)相当)、4要素単位(2送信周期(2Tr)相当)、8要素単位(4送信周期(4Tr)相当)で互いに直交する。この次式(15)に示される関係により、受信信号の変動が1送信周期(Tr)、2送信周期(2Tr)、及び4送信周期(4Tr)にわたり静的とみなせる場合には、レーダ装置101は、他のセクタレーダからの干渉信号成分を抑圧することができる。
Figure 2016205821
…(15)
第2の相関値演算部125は、A/D変換部120,121によりそれぞれ出力されたデジタルデータの複素信号x(k,M+p)を入力する。第2の相関値演算部125は、送信信号生成部104の動作と同期して、当該送信信号生成部104と同様に基準信号発振器131において生成されたリファレンス信号に基づいて、当該リファレンス信号を所定倍に逓倍した信号を生成する。なお、図3Aでは、第1の相関値演算部123、第2の相関値演算部125へのリファレンス信号の入力は、省略して記載している。第2の相関値演算部125は、所定倍に逓倍した生成された信号に基づいて、離散時刻kに応じて送信信号生成部104により生成された送信信号(式(1)参照)と同一のベースバンドである基準送信信号r(k,M+p)を周期的に生成する。この基準送信信号r(k,M+p)は、当該基準送信信号の同相成分I(k,M+p)及び当該基準送信信号の直交成分Q(k,M+p)を用いて、次式(16)の複素信号として表される。
Figure 2016205821
…(16)
また、第2の相関値演算部125は、当該入力された複素信号x(k,M+p)と、当該生成された基準送信信号r(k,M+p)との第2の相関値を次のように演算する。具体的には、第2の相関値演算部125は、各送信周期Trの送信区間Twを前半部と後半部とに分割したときの前半第2の相関値と後半第2の相関値とを、式(17)に示すようにそれぞれ演算する。なお、前半部とは、離散時刻k=1〜Nr/2の範囲を示す。さらに、後半部とは、離散時刻k=(Nr/2)+1〜Nrの範囲を示す。
その後、第2の相関値演算部125は、当該演算された前半第2の相関値と、第2のサブ分離符号subOC(h,u)とを乗算する。同様に、第2の相関値演算部125は、当該演算された後半第2の相関値と、第2のサブ分離符号subOC(h,u)とを乗算する。さらに、第2の相関値演算部125は、各第2のサブ分離符号subOC(h,u)が乗算された前半第2の相関値と後半第2の相関値とを加算して第2の相関値を演算する(式(18)参照)。第2の相関値演算部125は、当該演算された第2の相関値を第2の加算処理部128に出力する。ここで、AC2(k,M+p,u)は、第u番目のセクタレーダにおける離散時刻kの第2の相関値演算部125の出力となる第2の相関値を表す。アスタリスク*は、複素共役演算子を表す。
Figure 2016205821
…(17)
Figure 2016205821
…(18)
ここで、第1のセクタレーダで受信された受信信号に、第2のセクタレーダからの信号が干渉信号(干渉波)として重畳されている場合を仮定する。この場合、第2の相関値演算部125は、離散時刻kの前半第2の相関値ACsub(k,M+p)及び後半第2の相関値ACsub(k,M+p)に対して、第1のセクタレーダの第1のサブ分離符号subOC(1)を乗算する。これにより、レーダ装置101は、ターゲットの移動距離が少なく伝搬環境が静的な環境である場合に、次式(19)に示すように、他の第2のセクタレーダからの干渉信号成分を抑圧することができる。
Figure 2016205821
…(19)
同様に、第2のセクタレーダで受信された受信信号に、第1のセクタレーダからの信号が干渉信号(干渉波)として重畳されている場合を仮定する。この場合、第4の相関値演算部125aは、離散時刻kの前半第4相関値ACsub(k,M+p)及び後半第4相関値ACsub(k,M+p)に対して、第2のセクタレーダの第2のサブ分離符号subOC(2)を乗算する。これにより、レーダ装置101は、ターゲットの移動距離が少なく伝搬環境が静的な環境である場合に、次式(20)に示すように、他の第1のセクタレーダからの干渉信号成分を抑圧することができる。
Figure 2016205821
…(20)
上述したように、第1の相関値演算部123及び第2の相関値演算部125の演算は、それぞれ離散時刻k=1〜(Nr+Nu)に対して行われる。なお、レーダ装置101の測定対象となるターゲットの存在範囲によって、測定レンジ(kの範囲)を、例えばk=Nr〜(Nr+Nu)のようにさらに狭めた限定をしてもよい。これにより、レーダ装置101は、第1の相関値演算部123及び第2の相関値演算部125のそれぞれの演算量をそれぞれ低減することができる。すなわち、レーダ装置101は、信号処理部119による演算量の削減に基づく消費電力量を低減することができる。
第2の加算処理部128は、第2の相関値演算部125により出力された第2の相関値を入力する。第2の加算処理部128は、第M番目及び第(M+1)番目の2送信周期(2Tr)における第2の相関値を単位として加算を行う。すなわち、第2の加算処理部128は、2送信周期分における第2の相関値AC(k,M+p,u)〜AC(k,M+p+1,u)を単位として、離散時刻kのタイミングを揃えて次式(21)に示す様な第2の平均相関値aveAC(k,u)を演算する。第2の加算処理部128は、当該演算された第2の平均相関値aveAC(k,u)を合致判定部129に出力する。
Figure 2016205821
…(21)
この第2の加算処理部128の動作により、ターゲットの移動速度が大きい場合には、レーダ装置101は、第1のセクタレーダからの高周波送信信号を受信し、他の第2のセクタレーダからの高周波送信信号を抑圧する。また、2送信周期(2Tr)において演算された第2の平均相関値aveAC(k,u)を1つの単位として、さらに当該単位の複数倍の送信周期Trにわたって加算しても良い。これにより、レーダ装置101は、雑音成分をさらに抑圧することで、SNRを向上することができ、さらに、ターゲットの到来距離の推定に関する測定性能を向上することができる。
合致判定部129は、第1の加算処理部127により出力された第1の平均相関値aveAC(k,u)と、第2の加算処理部128により出力された第2の平均相関値aveAC(k,u)とを入力する。合致判定部129は、所定回数の送信周期Trにわたって入力された第1の平均相関値に基づいて、所定の判定しきい値B1以上、すなわち次式(22)に示す関係を満たすときの離散時刻kを抽出する。また、合致判定部129は、所定回数の送信周期Trにわたって入力された第2の平均相関値に基づいて、所定の判定しきい値B2以上、すなわち式(23)に示す関係を満たすときの離散時刻kを抽出する。さらに、合致判定部129は、式(22)を満たすときの離散時刻kと、式(23)を満たすときの離散時刻kとをそれぞれ比較し、両方の離散時刻が一致するときの離散時刻kにおける第1の平均相関値aveAC(k,u)を到来距離推定部130に出力する。
Figure 2016205821
…(22)
Figure 2016205821
…(23)
ここで、上述した所定の判定しきい値B1、B2は、それぞれ第1の加算処理部127、第2の加算処理部128の出力のノイズレベルに、所定のマージン(3[dB]〜10[dB]程度)を加えたレベルである。この所定のマージンとしては、判定しきい値B1と判定しきい値B2で同じ値に設定にするか、当該判定しきい値B2でのマージンをより小さくすることが好ましい。判定しきい値B2でのマージンをより小さくするのは、符号長L/2の送信符号により相関演算結果である第2の加算処理部128の出力が、第1の加算処理部127の出力に比べて、第2の平均相関値のSNRが低いため、ノイズレベルを基準としたときの信号レベルが低くなるためである。
図3Dはターゲットが移動していない場合における合致判定部の動作の説明図であって、図3D(a)は第1の平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフであり、図3D(b)は第2の平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフであり、図3D(c)合致判定部の出力である第1の平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフである。また、図3Eはターゲットが移動している場合における合致判定部の動作の説明図であって、図3E(a)は第1の平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフであり、図3E(b)は第2平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフであり、図3E(c)は合致判定部の出力である第1平均相関値の絶対値と離散時刻との関係を示したグラフである。
合致判定部129の動作について、図3D及び図3Eを参照して詳細に説明する。
合致判定部129は、判定しきい値B1を超える第1の平均相関値の絶対値|aveAC(k,u)|の離散時刻kの集合group1を抽出する。合致判定部129は、判定しきい値B2を超える第2の平均相関値|aveAC(k,u)|の離散時刻kの集合group2を抽出する。例えば図3D(a)及び(b)では、集合group1={k2、k4、k6、k7}、及び集合group2={k2、k4、k6、k7}である。合致判定部129は、それぞれ抽出された集合group1及び集合group2のうち合致する離散時刻kの集合group3を抽出する。例えば図3D(c)に示すように、集合group3={k2、k4、k6、k7}である。
合致判定部129は、当該抽出された集合group3の各離散時刻における判定後第1の平均相関値|aveAC1(g,u)|を到来距離推定部130に出力する。ただし、パラメータgは、集合group3に含まれる離散時刻kの要素である。例えば図3Eでは、離散時刻k2において到来するターゲットからの反射波の信号であって、当該ターゲットが移動を伴う場合における、第1のセクタレーダにおける第1の加算処理部127の出力の絶対値|aveAC(k,u)|、及び第2の加算処理部128の出力の絶対値|aveAC(k,u)|が示されている。この場合、離散時刻k2において到来するターゲットからの反射波の信号のレベルが強いため、ターゲットの移動に伴うドップラ変動により、離散時刻k2における第1の平均相関値aveAC(k2,u)の他に、aveAC(k5,u)、aveAC(k8,u)、及びaveAC(k10,u)が、判定しきい値B1を超えるレンジサイドローブとして生じているとする。この場合、第2の加算処理部128の出力の絶対値|aveAC(k,u)|のサイドローブは、第2の加算処理部128における加算時間が、第1の加算処理部127における加算時間よりも短い。これにより、第1の加算処理部127の出力の絶対値|aveAC(k5,u)|、|aveAC(k8,u)|、及び|aveAC(k10,u)|でのレンジサイドローブの上昇を抑えることができる。
この結果、第2の加算処理部128の出力の絶対値|aveAC(k,u)|が判定しきい値B2を下回るサイドローブレベルとなった場合には、合致判定部129は、判定しきい値B1を超える第1の平均相関値の絶対値|aveAC(k,u)|、判定しきい値B2を超える第2の平均相関値|aveAC(k,u)|の離散時刻の集合group1、group2を次のように抽出する。具体的には、合致判定部129は、図3E(a)及び図3E(b)に示すように、集合group1={k2、k4、k5、k6、k7、k8、k10}、集合group2={k2、k4、k6、k7}をそれぞれ抽出する。合致判定部129は、図3E(c)に示すように、それぞれ抽出された集合group1及び集合group2のうち合致する離散時刻kの集合group3を抽出する。すなわち、集合group3={k2、k4、k6、k7}である。
合致判定部129は、当該抽出された集合group3の各離散時刻における判定後第1の平均相関値|aveAC1(g,u)|を到来距離推定部130に出力する。ただし、パラメータgは、集合group3に含まれる離散時刻kの要素である。これにより、合致判定部129は、当該ターゲットが移動することによってレンジサイドローブが上昇した場合でも、離散時刻k2において到来するターゲットからの反射波の信号に対して、レンジサイドローブを抑圧することができる。なお、他セクタレーダからの干渉波成分がドップラー変動を含む場合でも、合致判定部129の上記の動作により、その干渉成分の抑圧を行うことができる。
到来距離推定部130は、合致判定部129により出力された判定後第1の平均相関値|aveAC1(g,u)|を入力する。到来距離推定部130は、当該入力された判定後第1の平均相関値|aveAC1(g,u)|に基づいて、ターゲットまでの距離の推定演算を行う。到来距離推定部130によるターゲットまでの距離の推定演算は、既に公知の技術であり、例えば非特許文献1を参照することにより実現することが可能である。
例えば、到来距離推定部130は、合致判定部129により出力された判定後第1の平均相関値|aveAC1(g,u)|に基づいて、当該判定後第1の平均相関値が最大値をとるときの離散時刻と高周波送信信号の送信時間との時間差を判定する。さらに、到来距離推定部130は、当該判定された時間差に基づいて、ターゲットまでの距離を推定する。
以上により、実施形態に係るレーダ装置101によれば、複数のセクタレーダが、サブ符号長単位でもセクタレーダ間の干渉低減が可能となるパルス圧縮符号を送信することで、ターゲットが移動する場合でも当該ターゲットからの反射波の信号における低レンジサイドローブ特性を維持し、複数のセクタレーダ間における干渉を抑圧することができる。
なお、各セクタレーダは、それぞれ複数の受信アンテナを有する場合に当該複数の受信アンテナを用いることで、当該受信アンテナに得られる受信信号におけるターゲットの受信位相差を基にして、当該ターゲットの到来角の推定も可能となる。
なお、図3Aのレーダ装置において、増幅器114,114,116,116aはそれぞれ可変振幅調整器及び可変移相器を含み、送信符号制御部140からの制御信号に基づいて、アレーアンテナ21,22,23,24の主ビームを走査制御する。ここで、アレーアンテナ21から送信される送信信号と、送信アレーアンテナ22から送信する送信信号はそれぞれ符号化されたパルス信号であって、例えば、送信アレーアンテナ21から送信されるパルス信号と送信アレーアンテナ22から送信されるパルス信号は同期又は非同期で送信される。
以上のように構成されたレーダ装置において、基本的には、第1のセクタのアレーアンテナ21で送信した無線信号が車両又は歩行者で反射されてきた反射無線信号は、同一の第1のセクタのアレーアンテナ23で受信して車両又は歩行者の検出判断を行い、第2のセクタのアレーアンテナ22で送信した無線信号が車両又は歩行者で反射されてきた反射無線信号は、同一の第2のセクタのアレーアンテナ24で受信して車両又は歩行者の検出判断を行う。ここで、レーダ装置101で用いる符号化方式において、互いに異なるセクタの信号処理において、例えば特許文献2で用いられた直交する2つの符号を用いる。
「発明が解決しようとする課題」の欄で指摘したように、1対のアレーアンテナを用いて視野角を広げる場合においては、ある1つのアレーアンテナのサイドローブが別のアレーアンテナの主ビームに対して干渉が発生するおそれがあり、1対のアレーアンテナ間で互いに干渉を抑制する必要がある。本実施形態では、この問題点を解決するために、以下のように、2対のアレーアンテナ(21,23;22,24)において放射パターンの設定を行う。
図4は図1のレーダ装置用アンテナ装置の放射パターンの設定方法を示す、アレーアンテナ21〜24間の放射パターンの関係を示す概略模式図である。
図4において、アレーアンテナ21,23は互いに同一の第1のセクタであって例えば同様の放射パターンを有し、主ビーム方向M1と、異なるサイドローブ方向S11,S12とを有するものとする。また、アレーアンテナ22,24は互いに同一の第2のセクタであって例えば同様の放射パターンを有し、主ビーム方向M2と、異なるサイドローブ方向S21,S22とを有するものとする。
本実施形態においては、アレーアンテナ21,23とアレーアンテナ22,24のそれぞれの主ビーム方向とサイドローブ方向との関係が以下のようになるようにアンテナ基板15,16を配置したことを特徴としている。
(1)送信アレーアンテナ21の主ビーム方向M1と、送信アレーアンテナ22のサイドローブ方向S22とが互いに異なり平行とならないように設定する。また、送信アレーアンテナ22の主ビーム方向M2と、送信アレーアンテナ21のサイドローブ方向S11とが互いに異なり平行とならないように設定する。これにより、主ビーム方向M1,M2は最大送信強度を有しているので、隣接セクタのサイドローブからの影響を軽減でき、水平方向の電子的なビーム走査を行う際に、送信で干渉が発生する角度領域を少なくすることができ、干渉抑制の効果を従来技術に比較して高くすることができる。
(2)また同様にして、受信アレーアンテナ23の主ビーム方向M1と、受信アレーアンテナ24のサイドローブ方向S22とが互いに異なり平行とならないように設定する。また、受信アレーアンテナ24の主ビーム方向M2と、受信アレーアンテナ23のサイドローブ方向S11とが互いに異なり平行とならないように設定する。これにより、主ビーム方向M1,M2は最大受信利得を有しているので、隣接セクタのサイドローブからの影響を軽減でき、水平方向の電子的なビーム走査を行う際に、受信で干渉が発生する角度領域を少なくすることができ、干渉抑制の効果を従来技術に比較して高くすることができる。
次いで、本発明者らは実施形態にかかるレーダ装置用アンテナ装置についてシミュレーションを行った。その結果について以下に説明する。
図5は図1のレーダ装置用アンテナ装置において、アレーアンテナ21の放射パターンP21(実線)についての、放射角度θpに対する放射相対レベルを示すグラフである。図5から明らかなように、アレーアンテナ21の放射パターンP21は、主ビーム及び複数のサイドローブを有する。
図6は図1のレーダ装置用アンテナ装置において、図4の放射パターンの設定方法を用いて設定された、アレーアンテナ21の放射パターンP21(実線)と、アレーアンテナ22の放射パターンP22(点線)との関係を示す、放射角度θpに対する放射相対レベルを示すグラフである。図6から明らかなように、送信アレーアンテナ21の放射パターンP21の主ビーム方向M1と、送信アレーアンテナ22の放射パターンP22のサイドローブ方向S22とが実質的に一致していない。また、送信アレーアンテナ22の放射パターンP22の主ビーム方向M2と、送信アレーアンテナ21の放射パターンP21のサイドローブ方向S11とが実質的に一致していない。これにより、主ビーム方向M1,M2は最大送信強度を有しているので、隣接セクタのサイドローブからの影響を軽減でき、水平方向の電子的なビーム走査を行う際に、送信で干渉が発生する角度領域を少なくすることができ、干渉抑制の効果を従来技術に比較して高くすることができる。
図7は図1のレーダ装置用アンテナ装置において、図4の放射パターンの設定方法を用いて設定された、アレーアンテナ21の放射パターンP21(実線)と、アレーアンテナ22の別の放射パターンP22a(点線)との関係を示す、放射角度θpに対する放射相対レベルを示すグラフである。図7でも同様に、送信アレーアンテナ21の放射パターンP21の主ビーム方向M1と、送信アレーアンテナ22の別の放射パターンP22aのサイドローブ方向S22とが実質的に一致していない。また、送信アレーアンテナ22の当該別の放射パターンP22aの主ビーム方向M2と、送信アレーアンテナ21の放射パターンP21のサイドローブ方向S11とが実質的に一致していない。これにより、主ビーム方向M1,M2は最大送信強度を有しているので、隣接セクタのサイドローブからの影響を軽減でき、水平方向の電子的なビーム走査を行う際に、送信で干渉が発生する角度領域を少なくすることができ、干渉抑制の効果を従来技術に比較して高くすることができる。
変形例.
以上の実施形態では、例えば矩形の複数のパッチアンテナA1〜A4を用いてそれぞれアレーアンテナ21〜24を構成しているが、各アレーアンテナ21〜24は電子的にビーム走査可能なアレーアンテナであればよく、例えば、図8のアレーアンテナ構成してもよい。
図8は変形例にかかる1つのアレーアンテナの構成例を示す平面図である。図8において、アレーアンテナは、誘電体基板であるアンテナ基板90上において、例えば4個のアンテナ装置91〜94を並置して構成される。各アンテナ装置91〜94において、ストリップ矩形形状の給電線路95の図上左下側において給電線路95と電磁的に結合するように近接して送信周波数で共振する複数の共振器96を形成する一方、給電線路95の図上右上側において給電線路95と電磁的に結合するように近接して送信周波数で共振する複数のリング共振器97を形成する。そして、給電線路95の重心中心の給電点98で給電することで無線信号の電磁波を図8の紙面から上方向に放射できる。また、複数のアンテナ装置91〜94で位相差を制御することで、上記電磁波の放射を給電線路95の長手方向と直交する方向で電子的に走査することができる。
実施形態のまとめ.
第1の態様にかかるレーダ装置は、互いに同期して電子ビーム走査を行う少なくとも2対のアレーアンテナを備えたレーダ装置であって、
互いに同一のセクタでそれぞれ送信し、受信する第1の送信アレーアンテナと第1の受信アレーアンテナを備えた第1のアンテナ基板と、
互いに同一のセクタでそれぞれ送信し、受信する第2の送信アレーアンテナと第2の受信アレーアンテナを備えた第2のアンテナ基板とを備え、
上記第1及び第2のアンテナ基板は、上記第1の送信アレーアンテナ及び上記第1の受信アレーアンテナの放射の正面方向と、上記第2の送信アレーアンテナ及び上記第2の受信アレーアンテナの放射の正面方向とが所定の角度で異なることで互いに異なるセクタを形成するように、かつ、上記電子ビーム走査時において、上記第1の送信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第2の送信アレーアンテナのサイドローブ方向と平行でなく、上記第2の送信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第1の送信アレーアンテナのサイドローブ方向と平行とならないように配置されたことを特徴とする。
第2の態様にかかるレーダ装置は、第1の態様にかかるレーダ装置において、上記第1及び第2のアンテナ基板は、上記第1の送信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第2の送信アレーアンテナのサイドローブ方向から少なくとも5度以上ずれて異なるように配置されたことを特徴とする。
第3の態様にかかるレーダ装置は、第1又は第2の態様にかかるレーダ装置において、上記第1及び第2のアンテナ基板は、上記電子ビーム走査時において、上記第1の受信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第2の受信アレーアンテナのサイドローブ方向と平行でなく、上記第2の受信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第1の受信アレーアンテナのサイドローブ方向と平行とならないように配置されたことを特徴とする。
第4の態様にかかるレーダ装置は、第1〜第3の態様のうちのいずれか1つの態様にかかるレーダ装置において、
上記第1のアンテナ基板において、上記第1の送信アレーアンテナと上記第1の受信アレーアンテナとを並置して配置し、
上記第2のアンテナ基板において、上記第2の送信アレーアンテナと上記第2の受信アレーアンテナとを並置して配置したことを特徴とする。
第5の態様にかかるレーダ装置は、第4の態様にかかるレーダ装置において、
上記第1の送信アレーアンテナと上記第2の送信アレーアンテナは所定の対称点を中心として回転対称で配置され、
上記第1の受信アレーアンテナと上記第2の受信アレーアンテナは上記対称点を中心として回転対称で配置されたことを特徴とする。
これにより、複数の共通のアンテナ基板を用いてレーダ装置を構成しても干渉抑制の効果を従来技術に比較して高くすることができるため、低コスト化することができる。
また、干渉抑制効果を発揮する送信ビーム方向の角度制約が少なくなり、ビーム方向制御の角度を広範囲に設定可能である。
第6の態様にかかるレーダ装置は、第1〜第5の態様のうちいずれか1つの態様にかかるレーダ装置を備えたことを特徴とする。
第7の態様にかかるレーダ装置は、第1〜第6の態様のうちのいずれか1つの態様にかかるレーダ装置において、
上記第1の送信アレーアンテナから送信される送信信号と、上記第2の送信アレーアンテナから送信する送信信号はそれぞれ符号化されたパルス信号であって、
上記第1の送信アレーアンテナから送信されるパルス信号と上記第2の送信アレーアンテナから送信されるパルス信号は非同期で送信されることを特徴とする。
これにより、パルス信号の積算処理を行った場合において、干渉抑制の効果をより高くすることができる。
以上詳述したように、本開示にかかるレーダ装置によれば、2対のアレーアンテナを用いて視野角を広げる場合において、従来技術に比較して、互いのサイドローブから主ビームへの干渉をさらに抑制することができる。特に、水平方向の電子的なビーム走査を行う際に干渉発生する角度領域が少なくなり、干渉抑制効果が高まる。また、干渉抑制効果が高まることにより、感度が高まるため、人体や自転車などのレーダ反射波の弱い物体の検出が可能となり、車両の走行時にも広視野角で歩行者の検出が可能な車載レーダに用いても有用である。
10…装置筐体、
11…底面、
12…上面、
13,14…傾斜面、
15,16…アンテナ基板、
21,22…送信アレーアンテナ、
23,24…受信アレーアンテナ、
90…アンテナ基板、
91〜94…アンテナ装置、
95…給電線路、
96,97…共振器、
98…給電点、
101…レーダ装置、
102…第1のセクタレーダ送信部、
102a…第2のセクタレーダ送信部、
103…第1のセクタレーダ受信部、
103a…第2のセクタレーダ受信部、
104…送信信号生成部、
105…第1の符号生成部、
106…第2の符号生成部、
107…送信符号切換部、
108…直交符号生成部、
109…直交符号乗算部、
110…変調部、
111…LPF、
112…送信RF部、
113,117…周波数変換部、
114,116…増幅器、
115…受信RF部、
118…直交検波部、
119…信号処理部、
120,121…A/D変換部、
122…第1の分離符号生成部、
123…第1の相関値演算部、
124…第1のサブ分離符号生成部、
125…第2の相関値演算部、
126…第1の分離符号乗算部、
127…第1の加算処理部、
128…第2の加算処理部、
129…合致判定部、
130…到来距離推定部、
131…基準信号発振器、
140,140a…送信符号制御部、
140m…送信符号記憶部、
201,202…車両、
203…歩行者、
204…レーダ装置、
A1〜A4…パッチアンテナ、
X…正面方向(基準軸方向)、
X1…アレーアンテナ21,23の正面方向、
X2…アレーアンテナ22,24の正面方向、
M1…アレーアンテナ21,23の主ビーム方向、
M2…アレーアンテナ22,24の主ビーム方向、
S11,S12…アレーアンテナ21,23のサイドローブ方向、
S21,S22…アレーアンテナ22,24のサイドローブ方向、
θp…放射角度。

Claims (7)

  1. 互いに同期して電子ビーム走査を行う少なくとも2対のアレーアンテナを備えたレーダ装置であって、
    互いに同一のセクタでそれぞれ送信し、受信する第1の送信アレーアンテナと第1の受信アレーアンテナを備えた第1のアンテナ基板と、
    互いに同一のセクタでそれぞれ送信し、受信する第2の送信アレーアンテナと第2の受信アレーアンテナを備えた第2のアンテナ基板とを備え、
    上記第1及び第2のアンテナ基板は、上記第1の送信アレーアンテナ及び上記第1の受信アレーアンテナの放射の正面方向と、上記第2の送信アレーアンテナ及び上記第2の受信アレーアンテナの放射の正面方向とが所定の角度で異なることで互いに異なるセクタを形成するように、かつ、上記電子ビーム走査時において、上記第1の送信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第2の送信アレーアンテナのサイドローブ方向と異なり、上記第2の送信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第1の送信アレーアンテナのサイドローブ方向と異なるように配置されたことを特徴とするレーダ装置。
  2. 上記第1及び第2のアンテナ基板は、上記第1の送信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第2の送信アレーアンテナのサイドローブ方向から少なくとも5度以上ずれて異なるように配置されたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 上記第1及び第2のアンテナ基板は、上記電子ビーム走査時において、上記第1の受信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第2の受信アレーアンテナのサイドローブ方向と異なり、上記第2の受信アレーアンテナの主ビーム方向が上記第1の受信アレーアンテナのサイドローブ方向と異なるように配置されたことを特徴とする請求項1又は2記載のレーダ装置。
  4. 上記第1のアンテナ基板において、上記第1の送信アレーアンテナと上記第1の受信アレーアンテナとを並置して配置し、
    上記第2のアンテナ基板において、上記第2の送信アレーアンテナと上記第2の受信アレーアンテナとを並置して配置したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載のレーダ装置。
  5. 上記第1の送信アレーアンテナと上記第2の送信アレーアンテナは所定の対称点を中心として回転対称で配置され、
    上記第1の受信アレーアンテナと上記第2の受信アレーアンテナは上記対称点を中心として回転対称で配置されたことを特徴とする請求項4記載のレーダ装置。
  6. 上記角度は50〜90度であることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載のレーダ装置。
  7. 上記第1の送信アレーアンテナから送信される送信信号と、上記第2の送信アレーアンテナから送信する送信信号はそれぞれ符号化されたパルス信号であって、
    上記第1の送信アレーアンテナから送信されるパルス信号と上記第2の送信アレーアンテナから送信されるパルス信号は非同期で送信されることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載のレーダ装置。
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