JP2001279521A - 分繊用異型マルチフィラメント糸パッケージとその製造方法 - Google Patents
分繊用異型マルチフィラメント糸パッケージとその製造方法Info
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Abstract
伸するに際して給油後、加熱ローラー入口で糸条を流体
処理するときの流量を適正にすることで、油剤付着斑に
起因した製糸上の糸切れ、染め斑等の欠点がなく、分繊
性良好なドラム状パッケージを得ることができる分繊用
異型マルチフィラメント糸の直接紡糸延伸法を提供す
る。 【解決手段】単糸の横断面形状が異型である分繊用マル
チフィラメント糸パッケージの糸条が、エンタングルメ
ント法において触針にかかる負荷張力が単位繊度当たり
0.20CN/dtex以下となるよう、直接紡糸延伸法で給
油後、加熱ローラー入口で糸条を流体処理する製造方法
で達成する。
Description
フィラメント糸のパッケージとその製造方法に関する。
更に詳しくは直接紡糸延伸法でドラム形状に巻き上げら
れた、分繊性および品質が良好な分繊用異型マルチフィ
ラメント糸のパッケージとその製造方法に関するもので
ある。
のパッケージは一般的にボビン形状であり、2工程法で
生産されていた。ボビン形状に巻かれた分繊用異型マル
チフィラメント糸は製糸する際に撚りが入るため、分繊
する際に撚りを戻しながら解舒し分繊する必要があっ
た。しかしながら分繊工程において、解撚しながら解舒
しても撚りを完全に戻すことは困難であり、分繊時に単
糸の絡みによる糸切れ、また解撚する際の擦過による削
れや、断面形状が変形するなどの問題があった。そのた
め分繊工程において解撚工程がなく、直接分繊可能な実
質的に無撚りであるドラム状に巻かれたパッケージが提
供されてきている。ドラム状パッケージにより分繊性は
向上しているが、異型断面糸においては満足できるレベ
ルではない。
産する方法として直接紡糸延伸によるものが種々提案さ
れている。これら直接紡糸延伸法では、糸条に油剤を付
与した後、加熱延伸して巻き取るのが一般的である。し
かしながら、該製法で分繊用異型マルチフィラメント糸
のドラム状パッケージを製造すると、単糸の横断面形状
が異型でかつ単糸繊度が太いことから、給油した際に異
型断面の凹部に油剤溜まりができ、油剤付着斑が起こり
やすく、油剤付着斑による加熱ローラー上での糸条間接
触による糸切れ、不均一延伸に起因する糸切れ、染め斑
等が発生し、品位面、高次通過性で問題があった。これ
らを改善するため種々の提案があり、例えば特開昭61
−282412号公報では、糸条が低水分率となるよう
に水系、または非水系の高温度、高濃度油剤を付与する
方法が開示されているが、この方法では油剤を加熱する
装置が必要なので、安全性や温度コントロールに問題が
あり、さらに油剤を加熱することでノズル吐出部に油剤
成分が濃縮凝固して油剤付着斑が発生する等の問題があ
る。また特開平5−148705号公報では、糸条に油
剤が均一付与するように低粘度油剤を付与する方法が開
示されているが、この方法では逆に異型断面の凹部に油
剤溜まりが発生しやすく、油剤付着斑を完全に解決でき
ない等の問題があった。
でなく、パッケージに巻かれた糸の絡み状態に大きく影
響を及ぼして分繊性を低下させることを見いだし、本発
明に至ったものである。
解決し、分繊性および品質が良好な分繊用異型マルチフ
ィラメント糸のパッケージとその製造方法を提供するこ
とにある。
面形状が異型であるマルチフィラメント糸条であって、
エンタングルメント法において触針にかかる負荷張力が
単位繊度当たり0.20CN/dtex以下である分繊用異型
マルチフィラメント糸パッケージを得ることで解決され
る。
パッケージの糸条は、エンタングルメント法において触
針にかかる負荷張力が単位繊度当たり0.20CN/dtex
以下であること必要である。エンタングルメント法と
は、糸条の絡みを検知する触針を糸条に突き刺したまま
一定の速度で走行させたとき、触針にかかる負荷張力で
糸条の絡みの度合いを測定するものであり、分繊工程で
の分繊性の挙動と非常に相関がみられるものである。す
なわち触針にかかる負荷張力が0.20CN/dtex以下で
あれば、分繊工程において異型マルチフィラメント糸を
解舒する時に糸条内の単糸移動がなく解舒性が良く、分
繊点に撚り溜まりなく分繊可能であり、より好ましくは
触針にかかる負荷張力が単位繊度あたり0.18CN/dte
x以下であれば分繊時の糸離れ性が良好であり、良好な
分繊性が得られる。一方、触針にかかる負荷張力が0.
20CN/dtexより大きい場合は分繊工程において糸離れ
性が悪く単糸が絡まり、分繊性が極めて悪くなり、更に
は分繊する際の単糸にかかる張力が高くなるため、得ら
れる分繊糸は削れや変形等の問題が発生しやすくなる。
のではないが、例えば三角、五角など単糸の横断面形状
が凹部を1個以上有するものであれば良い。
が、単糸デシテックスが10〜40dtex、総デシテック
スが150〜500dtexの分繊用異型マルチフィラメン
ト糸については、本件エンタングルメント法と分繊性と
に著しい相関がみられる。
は少ないほど分繊性は向上するが、本発明であれば6本
以上でも良好な分繊性が得られる。
は、ポリエチレンテレフタレートを主たる対象構成成分
とするが、エチレンテレフタレート単位を85モル%以
上(好ましくは95モル%以上)含む共重合ポリエステ
ル等の他のポリエステルであっても良い。これらのポリ
エステルには固有粘度(P)(35℃のo−クロロフェ
ノール溶液にて測定)が0.3〜1.0のものが好適で
ある。
外層まで巻幅(W)が略概一定で分繊用異型マルチフィ
ラメント糸を糸管に巻いたものであり、通常ドラム状パ
ッケージと呼ばれるものである。ドラム状パッケージの
サイズは、特に規定されるものではないが、解舒性から
糸条最内層幅は200mm以下が好ましい。
メント糸を構成する各単糸の油剤付着量のバラツキ変動
率(C.V.)は10.0%未満であることが好まし
い。ここで、単糸の油剤付着量のバラツキ変動率(C.
V.)とは、分繊用異型マルチフィラメント糸条を構成
する各単糸の油剤付着量のバラツキ度合いを示すため、
各単糸の油分の標準偏差を各単糸の油剤付着量の平均値
で除したものである。油剤付着量のバラツキ変動率
(C.V.)が10.0%未満であれば、製糸工程では
ドラム端面の糸落ちがなく、解舒性が良好であり、分繊
工程においては解舒時に単糸移動がないため糸離れ性に
優れ、分繊性が極めて良好である。更に好ましくは7.
0%未満であれば良い。
メント糸の油剤付着量は分繊工程以降の高次通過性に問
題ないレベルで付着していれば良いが、製糸工程におけ
る染め斑、分繊工程における分繊性の点で2.0%以下
とすることが好ましい。
示す。
いて、分繊用異型マルチフィラメント糸をドラム状パッ
ケージに巻き取る場合、給油後に加熱ローラー入口で流
体処理装置として、交絡ノズルを使用し、流量が90〜
300Nm3 /hrで糸条を流体処理することが本発明
のドラムを得るのに特に有効的である。ここでいう流量
とは、流体処理装置から分繊用異型マルチフィラメント
糸に付与される空気の流量であり、流体処理装置入口側
に取り付けた流量計の実測値である。本願規定の流量で
糸条を流体処理するときの加熱ローラー入口の糸条にか
かる張力は、単位繊度当たり0.15〜0.30CN/dte
xが好ましく、分繊性が良好でかつ油剤付着斑がない糸
条を得ることができる。
に規定されるものではないが糸条が触れる流体処理部の
材質はセラミックスが好ましい。
する。
チフィラメント糸のドラム状パッケージを得るため、固
有粘度(35℃のクロロフェノール溶液にて測定)0.
65のポリエチレンテレフタレートを凸部を3個持つ形
状の繊維となるオリフィス孔10個を有する紡糸口金か
ら溶融吐出、冷却固化し、その糸条の油剤付着量が単位
長さあたり1.0%となるように濃度20%の水系油剤
を給油装置で付与させてから速度1000m/分の一対
の冷ローラーで糸条を引き取った後、流体処理装置を使
用して糸条を流体処理し、速度1024m/分、温度1
00℃の加熱ローラーで単位繊度当たり0.20CN/dte
xの張力を糸条に付与しながら糸条を引き取り、加熱ロ
ーラーと加熱延伸ローラーとの間で延伸倍率4.2倍で
延伸し、巻き取り速度4300m/分でドラム状パッケ
ージに10kg巻き取った。このとき、流体処理装置の
流量を変更し、加熱ローラー上での糸条間接触、ドラム
状パッケージに巻上がった糸条のエンタングルメント法
による分繊性、単糸の油剤付着量、染め斑、ウースター
糸斑、分繊工程での分繊性を確認した。その結果を表1
示す。なお、実施例における物性値、および評価は次の
ようにして行った。 (a)エンタングルメント法における分繊性評価 ロシールド社製ニードルプルテスターを用いて、前述の
方法で製糸した糸条に触針を突き刺して負荷張力を変更
し、糸速5m/分で糸長1000mを評価した。
0.18CN/dtex以下でトリップなし ○ :触針の負荷張力が単位繊度あたり0.20CN/dte
x以下でトリップなし × :触針の負荷張力が単位繊度あたり0.20CN/dte
x以上でトリップあり (b)単糸油剤付着量のバラツキ変動率 前述の方法で製糸した分繊用異型マルチフィラメント糸
条を構成する10本の単糸の油剤付着量を、JIS(日
本工業規格)メチルアルコール抽出法で測定したときの
標準偏差を平均値で除し、バラツキ変動率(C.V.)
を確認した。
(C.V.)が7.0%未満。
(C.V.)が7.0%以上10.0%未満。
(C.V.)が10.0%以上。 (c)加熱ローラー上での糸条間接触確認 前述の方法で製糸した際に、加熱ローラー上で糸条の単
糸割れ、および接触状態を目視にて確認した。
ャリアー含有)で染色し、目視で確認した。
の太さ斑によって生じる電気容量の変化を糸の断面とし
てチャートに出力したときのウスター値(U%)で確認
した。
単糸切れなく分繊速度600m/分で10本のモノフィ
ラメントに分繊できた割合を満管率(%)で表した。
1は加熱ローラー上での糸条の糸割れ、および糸条間接
触が発生し、糸切れが多発した。実験実験No.7〜8
は単糸が絡み、分繊工程において単糸切れが多発し満足
できるレベルではなかった。
糸の直接紡糸延伸法によれば、単糸横断面形状が異型で
あるマルチフィラメント糸条は、エンタングルメント法
において規定した触針の負荷張力以下で分繊し、その糸
条は給油後に流体処理するときの流量を規定することで
得ることが可能である。該方法によれば製糸時の糸切
れ、ダイフレックが発生しない分繊性良好なパッケージ
を得ることができる。
概略工程図である。
Claims (3)
- 【請求項1】単糸の横断面形状が異型であるマルチフィ
ラメント糸条であって、エンタングルメント法において
触針にかかる負荷張力が単位繊度当たり0.20CN/dte
x以下である分繊用異型マルチフィラメント糸パッケー
ジ。 - 【請求項2】糸条を構成する各単糸の油剤付着量のバラ
ツキ変動率(C.V.)が10.0%未満である請求項
1記載の分繊用異型マルチフィラメント糸パッケージ。 - 【請求項3】異形マルチフィラメント糸を直接紡糸延伸
するに際して、給油後、加熱ローラー入口で流量が90
〜300Nm3 /hrで糸条を流体処理する分繊用異型
マルチフィラメント糸パッケージの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000088102A JP4269474B2 (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 分繊用異型マルチフィメント糸パッケージ |
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JP4269474B2 JP4269474B2 (ja) | 2009-05-27 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005133249A (ja) * | 2003-10-31 | 2005-05-26 | Toray Ind Inc | 分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントとその製造方法 |
JP2015098664A (ja) * | 2013-11-19 | 2015-05-28 | 東レ・デュポン株式会社 | 分繊性に優れたポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維 |
-
2000
- 2000-03-28 JP JP2000088102A patent/JP4269474B2/ja not_active Expired - Fee Related
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