JP2001278839A - 2−位が置換された光学活性カルボン酸の製造法 - Google Patents

2−位が置換された光学活性カルボン酸の製造法

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JP2001278839A
JP2001278839A JP2000160937A JP2000160937A JP2001278839A JP 2001278839 A JP2001278839 A JP 2001278839A JP 2000160937 A JP2000160937 A JP 2000160937A JP 2000160937 A JP2000160937 A JP 2000160937A JP 2001278839 A JP2001278839 A JP 2001278839A
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Susumu Amano
進 天野
Masaru Mitsuda
勝 満田
Kenji Inoue
健二 井上
Koichi Kinoshita
浩一 木下
Koki Yamashita
幸喜 山下
Yasuyoshi Ueda
恭義 上田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性2−クロロカルボン酸及び2−アセ
チルチオカルボン酸を入手容易な原料から、高い光学純
度で効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 光学活性な2−アミノカルボン酸(4)
から誘導できる光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸
(1)を、塩化チオニル及び塩基成分と作用させて、2
−位の立体配置の反転を伴って塩素化することにより、
光学活性な2−クロロカルボン酸クロリド(5)に誘導
した後に、これを加水分解することにより、光学活性な
2−クロロカルボン酸(2)に誘導する。更に、これを
チオ酢酸塩と反応させて、2−位の立体配置の反転を伴
ってアセチルチオ化することにより、光学活性な2−ア
セチルチオカルボン酸(3)を製造する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品等の製造中
間体として重要な光学活性な2−クロロカルボン酸、な
かでも(R)−2−クロロカルボン酸、とりわけ(R)
−2−クロロ−3−フェニルプロピオン酸の製造法、及
び、光学活性な2−アセチルチオカルボン酸、なかでも
(S)−2−アセチルチオカルボン酸、とりわけ(S)
−2−アセチルチオ−3−フェニルプロピオン酸の製造
法に関する。なお、上記(S)−2−アセチルチオ−3
−フェニルプロピオン酸は血圧降下剤中間体(特開平8
−337527)として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】2−位が塩素原子で置換された光学活性
カルボン酸である、一般式(2)
【0003】
【化12】
【0004】(式中、Rは、置換基を有していても良
い炭素数1から12のアルキル基、置換基を有していて
も良い炭素数6から14のアリール基、又は、置換基を
有していても良い炭素数7から15のアラルキル基をあ
らわす)の製造法に関して、従来、 i)アミノ酸を原料として亜硝酸ナトリウムを用い立体
配置を保持してクロロ化する方法(Liebigs A
nn.1907,357,1.) ii)2−ヒドロキシカルボン酸エステルを立体配置の
反転を伴ってクロロ化する方法(特開昭61−5753
4号公報)が知られている。
【0005】しかし、i)の方法では、天然型L−アミ
ノ酸を原料として用いると2−位の立体配置が(S)の
2−クロロカルボン酸が得られるが、2−位の立体配置
が(R)の2−クロロカルボン酸を製造する為には高価
な非天然型D−アミノ酸を原料とする必要があり、
(R)の2−クロロカルボン酸を得るための方法として
は限界がある。
【0006】ii)の方法では、2−ヒドロキシカルボ
ン酸を2−ヒドロキシカルボン酸エステルに誘導した
後、立体配置の反転を伴ってクロロ化し、その後、加水
分解して2−クロロカルボン酸に誘導する必要があり、
工程数が多く効率的でない。この様に、これまでL−ア
ミノ酸等の安価な原料から(R)−2−クロロカルボン
酸を効率的に製造する方法は確立されておらず、その製
法の確立が強く望まれていた。また一般式(3)
【0007】
【化13】
【0008】(式中、Rは前記に同じ)で表される光
学活性な2−アセチルチオカルボン酸は医薬品の製造上
重要な中間体であり(例えば特開平8−337527号
公報)、その製造法としては、従来、 (i)非天然型D−アミノ酸の立体保持ブロモ化反応を
経由してチオアセチル化する方法(特開平8−3375
27号公報等) (ii)ラセミの2−アセチルチオカルボン酸の光学分
割による方法(特開平6−56790号公報) (iii)チアゾリン化合物を微生物で加水分解する方
法(特開平11−192097号公報) (iv)ジ置換アクリル酸誘導体を微生物で立体選択的
に還元する方法(特開平11−196889号公報) が知られている。
【0009】しかし、(i)の方法では、(S)体を製
造しようとすると、高価な非天然型D−アミノ酸を原料
に用いる必要があり、(S)体を製造するための方法と
しては限界がある。(ii)の方法は、ラセミの2−ア
セチルチオカルボン酸を光学分割するため、効率が悪く
工業的な利用に問題がある。(iii)の方法は、チオ
ヒダントイン誘導体の加水分解により得られた2−チオ
カルボン酸誘導体の光学純度が82%eeと低いため、
別途光学純度を高める操作が必要となり工業的な利用に
問題がある。(iv)の方法は、メルカプトアクリル酸
誘導体の不斉還元の収率が60〜70%と低く、また、
得られた2−チオカルボン酸誘導体の光学純度が90%
eeと低いため、別途光学純度を高める操作が必要とな
り工業的な利用に問題がある。この様に、L−アミノ酸
等の安価な原料から高い光学純度の(S)−2−アセチ
ルチオカルボン酸を効率的に製造する方法はこれまで知
られておらず、この製法の確立が強く望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、医薬品等の製造上重要な光学活性2−クロロカル
ボン酸及び2−アセチルチオカルボン酸をL−アミノ酸
等の入手容易な原料から、高い光学純度で効率的に製造
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式(1)
【0012】
【化14】
【0013】(式中、Rは、置換基を有していても良
い炭素数1から12のアルキル基、置換基を有していて
も良い炭素数6から14のアリール基、又は、置換基を
有していても良い炭素数7から15のアラルキル基をあ
らわす)で表される光学活性な2−ヒドロキシカルボン
酸を、塩化チオニル及び塩基性化合物と作用させること
により、2−位の立体配置の反転を伴って塩素化する、
一般式(5)
【0014】
【化15】
【0015】(式中、Rは前記に同じ。)で表される
光学活性な2−クロロカルボン酸クロリドを製造する方
法である。また、本発明は、上記一般式(1)で表され
る光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸を、塩化チオニ
ル及び塩基性化合物と作用させて、2−位の立体配置の
反転を伴って塩素化することにより、上記一般式(5)
で表される光学活性な2−クロロカルボン酸クロリドを
得た後に、得られた該酸クロリドを加水分解する、一般
式(2)
【0016】
【化16】
【0017】(式中、Rは前記に同じ。)で表される
光学活性な2−クロロカルボン酸を製造する方法であ
る。更に、本発明は、上記一般式(2)で表される光学
活性な2−クロロカルボン酸を、チオ酢酸塩と反応させ
ることにより、2−位の立体配置の反転を伴ってアセチ
ルチオ化する、一般式(3)
【0018】
【化17】
【0019】(式中、Rは前記に同じ)で表される光
学活性な2−アセチルチオカルボン酸を製造する方法で
ある。以下、本発明を詳述する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、基本的に、
以下の反応式に従って、(a)一般式(4)で表される
光学活性な2−アミノカルボン酸を一般式(1)で表さ
れる光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸に変換する工
程、(b)光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸(1)
を一般式(5)で表される光学活性な2−クロロカルボ
ン酸クロリドに変換する工程、及び、光学活性な2−ク
ロロカルボン酸クロリド(5)を、一般式(2)で表さ
れる光学活性な2−クロロカルボン酸に変換する工程、
(c)更に、光学活性な2−クロロカルボン酸(2)を
一般式(3)で表される光学活性な2−アセチルチオカ
ルボン酸に変換する工程からなる。この3つの工程を、
以下順を追って詳細に説明する。
【0021】
【化18】
【0022】1.工程(a) 本工程(a)は、上記一般式(4)で表される光学活性
な2−アミノカルボン酸を、一般的な製法(J.Am.
Chem.Soc.,1964,86,5326)に従
い、亜硝酸塩とプロトン酸と作用させて、2−位の立体
配置を保持したままヒドロキシル化することにより、上
記一般式(1)で表される光学活性な2−ヒドロキシカ
ルボン酸を調製することからなる。
【0023】上記一般式(4)又は(1)において、R
は、置換基を有していても良い炭素数1から12のア
ルキル基、置換基を有していても良い炭素数6から14
のアリール基、又は、置換基を有していても良い炭素数
7から15のアラルキル基をあらわす。具体的には、メ
チル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル
基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、フェニル
基、p−ヒドロキシフェニル基、ベンジル基、p−クロ
ロベンジル基、p−フルオロベンジル基、ナフチル基等
を挙げることが出来るが、これらに限定されるものでは
ない。好ましくは置換基を有していても良い炭素数7か
ら15のアラルキル基であり、より好ましくはベンジル
基である。Rが有していても良い置換基としては、メ
トキシ基、エトキシ基、tert−ブチルオキシ基、n
−オクチルオキシ基等の炭素数1から12のアルコキシ
基、フェニルオキシ基、p−ヒドロキシフェニルオキシ
基等の炭素数6から14のアリールオキシ基、ベンジル
オキシ基、p−クロロベンジルオキシ基、p−フルオロ
ベンジルオキシ基等の炭素数7から15のアラルキルオ
キシ基、アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数1から1
5のアシル基、ハロゲン原子、水酸基等が挙げられる。
【0024】本工程において一般式(4)における2−
位の立体配置は保持される。すなわち、上記一般式
(4)における2−位の立体配置が(R)であるとき、
一般式(1)における2−位の立体配置は(R)であ
り、又、一般式(4)における2−位の立体配置が
(S)であるとき、一般式(1)における2−位の立体
配置は(S)である。一般式(4)における2−位の立
体配置は(R)又は(S)のいずれでもよいが、好まし
くは(S)である。
【0025】本工程(a)において、亜硝酸塩として
は、特に限定されないが、例えば、亜硝酸アルカリ金属
塩を挙げることができ、具体的には、亜硝酸ナトリウ
ム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸セシウム
等を挙げることが出来る。好ましくは、亜硝酸ナトリウ
ムである。
【0026】本工程(a)において、プロトン酸として
は、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、クエン酸等を挙
げることが出来るが、これらに限定されるものではな
い。好ましくは、硫酸である。
【0027】本工程(a)において、亜硝酸塩及びプロ
トン酸の使用量は一般式(4)で表される光学活性な2
−アミノカルボン酸に対して、例えば1から10倍モル
量であり、好ましくは1から5倍モル量である。その反
応温度としては、−40℃から120℃が好ましく、よ
り好ましくは−20℃から80℃である。
【0028】反応終了後、反応液から生成物を取得する
ためには、一般的な後処理を行えばよい。例えば、反応
終了後の反応液に、酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩
化メチレン、トルエン、ヘキサン等の一般的な抽出溶媒
を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から、減圧加
熱等の操作により反応溶媒および抽出溶媒を留去する
と、目的物が得られる。このようにして得られる目的物
は、ほぼ純粋なものであるが、晶析精製、分別蒸留、カ
ラムクロマトグラフィー等の一般的な手法により精製を
加え、さらに純度を高めてもよい。
【0029】2.工程(b) 本工程(b)は、上記一般式(1)で表される光学活性
な2−ヒドロキシカルボン酸を、塩化チオニル及び塩基
性化合物と作用させることにより、2−位の立体配置の
反転を伴って塩素化し、上記一般式(5)で表される光
学活性な2−クロロカルボン酸クロリドに変換する工
程、更にこの光学活性な2−クロロカルボン酸クロリド
(5)を加水分解することにより、上記一般式(2)で
表される光学活性な2−クロロカルボン酸に導く工程を
含む。
【0030】上記一般式(1)、(5)又は(2)にお
いて、Rは上記と同じである。好ましくはベンジル基
である。本工程において一般式(1)における2−位の
立体配置は反転する。すなわち、上記一般式(1)にお
ける2−位の立体配置が(S)であるとき、一般式
(5)及び(2)における2−位の立体配置は(R)で
あり、又、一般式(1)における2−位の立体配置が
(R)であるとき、一般式(5)及び(2)における2
−位の立体配置は(S)である。一般式(1)における
2−位の立体配置は(R)又は(S)のいずれでもよい
が、好ましくは(S)である。
【0031】また本工程の反転塩素化反応における立体
反転率は95%以上であることが好ましい。ここでいう
立体反転率とは、原料[2−ヒドロキシカルボン酸
(1)]の鏡像体過剰率(%ee)に対する、逆の立体
配置を有する生成物[2−クロロカルボン酸クロリド
(5)又は2−クロロカルボン酸(2)]の鏡像体過剰
率(%ee)の比で表される。
【0032】本工程(b)において、光学活性な2−ヒ
ドロキシカルボン酸(1)に対する塩化チオニルの使用
量は、普通、2倍モル量以上であるが、本発明者らは、
原料あるいは生成物の分解、ラセミ化等を抑制し、収率
を最大化するためには、更に過剰量使用するのが好まし
いことを見いだした。従って、本工程(b)における塩
化チオニルの使用量は、一般式(1)で表される光学活
性な2−ヒドロキシカルボン酸に対して、一般に2倍モ
ル量以上であるが、本発明の効果を最大に発揮するため
には2.5倍モル量以上、好ましくは3倍モル量以上で
ある。
【0033】本工程(b)において、使用する塩基性化
合物としては特に限定されないが、好ましくは、有機塩
基、アミド基含有化合物、4級アンモニウムハロゲン化
物が挙げられる。上記有機塩基としてはアルキルアミ
ン、アラルキルアミン、アリールアミン及び芳香族アミ
ンがあげられ、具体的には、トリエチルアミン、トリブ
チルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N−メチル
−2−ピロリジン、ジメチルアニリン、イミダゾール、
ピリジン、ルチジン等を挙げることが出来るが、これら
に限定されるものではない。好ましくは、トリエチルア
ミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンである。
【0034】また、上記アミド基含有化合物としては、
具体的には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、テトラメチル尿素、N−メチル−2−ピロリド
ン、ヘキサメチル燐酸トリアミド等を挙げることが出来
るが、これらに限定されるものではない。好ましくは、
ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンで
ある。
【0035】また、上記4級アンモニウムハロゲン化物
としては、具体的には、塩化テトラメチルアンモニウ
ム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラn−ブ
チルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ベンジルトリn−ブチルアンモニウム、臭化テ
トラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウ
ム、臭化テトラn−ブチルアンモニウム、臭化ベンジル
トリメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリn−ブチル
アンモニウム等を挙げることが出来るが、これらに限定
されるものではない。好ましくは、塩化テトラn−ブチ
ルアンモニウムである。上記塩基性化合物のうち、一般
にアミド基含有化合物が好ましい。中でもジメチルホル
ムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が好適に用い
られる。
【0036】本工程(b)において、上記塩基性化合物
の使用量は一般式(1)で表される光学活性な2−ヒド
ロキシカルボン酸に対して、化学量論量以上を用いるこ
ともできるが、好ましくは0.5倍モル量以下である。
普通、約0.1〜0.5倍モル量で好適に実施できる。
【0037】本工程(b)において用いられる反応溶媒
は、非プロトン性有機溶媒が好ましい。非プロトン性有
機溶媒としては特に限定されず、例えば、n−ヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエ
タン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテ
ル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,1,1−
トリクロロエタン等のハロゲン系溶媒;アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
エチルアセトアミド、ジメチルブチルアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ヘキサメチル燐酸トリアミド等の
含窒素系溶媒等を挙げることが出来る。これらは単独で
用いても良く、2種類以上を併用してもよい。
【0038】特に、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエ
ーテル等のエーテル系溶媒あるいはベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を用いると、高
い立体反転率かつ高い収率で反応が進行し、光学活性な
2−ヒドロキシカルボン酸(1)から光学活性な2−ク
ロロカルボン酸クロリド(5)を高い光学純度で得るこ
とが出来る。なかでもテトラヒドロフラン、ジメトキシ
エタン、1,4−ジオキサン、トルエンが好ましく、と
りわけテトラヒドロフラン、トルエンが好ましい。
【0039】その反応温度としては、−20℃から12
0℃が好ましく、より好ましくは0℃から80℃であ
り、とりわけ20℃から60℃が最も好ましい。その反
応濃度としては、特に限定されないが、溶媒量に対して
一般式(1)で表される光学活性な2−ヒドロキシカル
ボン酸量で5w/v%以上、好ましくは10w/v%以
上である。
【0040】本工程(b)において反応手順は特に限定
されないが、例えば、光学活性な2−ヒドロキシカルボ
ン酸(1)の溶液に塩化チオニルを加え、数時間攪拌す
る。しかる後に上記塩基性化合物を加えた後に、数時間
攪拌することで光学活性な2−クロロカルボン酸クロリ
ド(5)が得られる。光学活性な2−クロロカルボン酸
クロリド(5)は、例えば、該反応液から溶媒を蒸発さ
せた後、濃縮液を減圧蒸留することにより単離できる。
【0041】さらに、光学活性な2−クロロカルボン酸
クロリド(5)を加水分解することにより、光学活性な
2−クロロカルボン酸(2)に変換できる。上記加水分
解反応は、通常、光学活性な2−クロロカルボン酸クロ
リド(5)を含む上記反応液又は溶液に、室温又は室温
以下で水を加え、数分〜数時間攪拌することにより実施
できる。
【0042】この反応液から生成物を取得するために
は、一般的な後処理を行えばよい。例えば、加水分解反
応終了後の反応液に、酢酸エチル、ジエチルエーテル、
塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等の一般的な抽出溶
媒を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から、減圧
加熱等の操作により反応溶媒および抽出溶媒を留去する
と、光学活性な2−クロロカルボン酸(2)が得られ
る。また、加水分解をすることなく、濃縮、蒸留等の操
作により光学活性な2−クロロカルボン酸クロリド
(5)を一旦取得した後、加水分解反応以降の操作を行
ってもよい。
【0043】さらに、光学活性な2−クロロカルボン酸
(2)の抽出に際しては、少なくとも1回、中性〜塩基
性条件下、光学活性な2−クロロカルボン酸(2)を水
相に分配して、有機溶媒中に夾雑物を除去する操作を行
ってもよい。また、最終的に、酸性条件下、光学活性な
2−クロロカルボン酸(2)を有機溶媒中に分配して、
中和により生じる塩等を含む夾雑物を水相に除去する操
作を行ってもよい。このようにして得られる生成物は、
ほぼ純粋なものであるが、晶析精製、分別蒸留、カラム
クロマトグラフィー等の一般的な手法により精製を加
え、さらに純度を高めてもよい。
【0044】3.工程(c) 本工程(c)は、上記一般式(2)で表される光学活性
な2−クロロカルボン酸を、チオ酢酸塩と反応させるこ
とにより、2−位の立体配置の反転を伴ってアセチルチ
オ化して、一般式(3)で表される光学活性な2−アセ
チルチオカルボン酸を調製することからなる。
【0045】上記一般式(2)又は(3)において、R
は上記と同じである。好ましくはベンジル基である。
本工程において一般式(2)における2−位の立体配置
は反転する、すなわち、上記一般式(2)における2−
位の立体配置が(S)であるとき、一般式(3)におけ
る2−位の立体配置は(R)であり、又、一般式(2)
における2−位の立体配置が(R)であるとき、一般式
(3)における2−位の立体配置は(S)である。一般
式(2)における2−位の立体配置は(R)又は(S)
のいずれでもよいが、好ましくは(R)である。
【0046】また、本工程反応における立体反転率は9
5%以上であることが好ましい。ここでいう立体反転率
とは、原料[2−クロロカルボン酸(2)]の鏡像体過
剰率(%ee)に対する、逆の立体配置を有する生成物
[2−アセチルチオカルボン酸(3)]の鏡像体過剰率
(%ee)の比で表される。
【0047】本工程(c)において、チオ酢酸塩として
は、特に限定されないが、チオ酢酸と塩基との塩を挙げ
ることができ、好ましくは、チオ酢酸ナトリウム、チオ
酢酸カリウム、チオ酢酸リチウム、チオ酢酸セシウム等
のチオ酢酸アルカリ金属塩である。中でも、チオ酢酸カ
リウムが好適に用いられる。
【0048】また、チオ酢酸と塩基(例えばアルカリ金
属の水酸化物、水素化物、アルコキシド等)を用いて反
応系中でチオ酢酸塩を調製し反応をおこなってもよい。
上記アルカリ金属の水酸化物としては水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることが出
来るが、これらに限定されるものではない。好ましく
は、水酸化カリウムである。上記アルカリ金属の水素化
物としては水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化
カリウム等を挙げることが出来るが、これらに限定され
るものではない。好ましくは、水素化カリウムである。
上記アルカリ金属のアルコキシドとしてはリチウムメト
キシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等
を挙げることが出来るが、これらに限定されるものでは
ない。好ましくは、カリウムメトキシドである。
【0049】本工程(c)において、チオ酢酸塩の使用
量は一般式(2)で表される光学活性な2−クロロカル
ボン酸に対して、1から5倍当量であり、好ましくは1
から2倍当量である。
【0050】本工程(c)においては、該反応を、極性
非プロトン性化合物の存在下で行うことが好ましい。上
記極性非プロトン性化合物としては特に限定されず、例
えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメ
トキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等
の水溶性エーテル系化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル系化合物;アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン系化合物;塩化メチレン、クロロホルム、1,
1,1−トリクロロエタン等のハロゲン系化合物;ジメ
チルスルホキシド等の含硫黄系化合物;アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
エチルアセトアミド、ジメチルブチルアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ヘキサメチル燐酸トリアミド等の
含窒素系化合物等が挙げられる。これらは単独で用いて
も良く、2種類以上を併用してもよい。なかでも、水溶
性エーテル系化合物、エステル系化合物、ケトン系化合
物、含硫黄系化合物、含窒素系化合物が好ましく用いら
れる。具体的には、誘電率15以上かつ双極子モーメン
ト2.5D以上の極性非プロトン性化合物が好ましい。
そのなかでも、上述の含窒素系化合物であって液状のも
のが好適である。とりわけ、反応収率及び立体反転率等
の観点から、アミド基含有液状化合物が好適であり、具
体的には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジエチルアセトアミド、ジメチルブチルアミド、N
−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
【0051】このような極性非プロトン性化合物を反応
系中に存在させるには、該化合物のうち液状のものをチ
オアセチル化における反応溶媒として用いても良いし、
また、該化合物のうち固体のものを水及び/又は下記そ
の他の有機溶媒に溶解させて存在させても良い。このう
ち、反応溶媒として用いることが簡便である。極性非プ
ロトン性化合物を反応溶媒として用いる場合、反応溶媒
は極性非プロトン性化合物単独でも良いし、水及び/又
は下記その他の有機溶媒との混合溶媒でも良い。
【0052】本工程(c)において用いられる反応溶媒
は、一般に、水、有機溶媒、又は、それらからなる混合
溶媒である。上記有機溶媒には上記極性非プロトン性化
合物が含まれるが、それ以外の有機溶媒としては特に限
定されず、例えば、メタノール、エタノール、ブタノー
ル、イソプロパノール、エチレングリコール、メトキシ
アルコール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエ
ン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶
媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブ
チルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等の非水溶性
エーテル系溶媒等を挙げることが出来る。これらは単独
で用いても良く、2種類以上を併用してもよい。
【0053】また、反応収率が低い溶媒などでは、収率
向上を狙いとして、相関移動触媒を用いることもでき
る。使用する相関移動触媒としては、特に限定されない
が、例えば、12−クラウン−4、15−クラウン−
5、18−クラウン−6、24−クラウン−8、ジベン
ゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−24−クラウン−
8、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、ジシクロ
ヘキシル−24−クラウン−8等のクラウンエーテル
類;クリプタンド[2,2]、クリプタンド[2,1,
1]、クリプタンド[2,2,1]、クリプタンド
[2,2,2]、クリプタンド[2B,2,2]等のク
リプタンド類;トリオクチルメチルアンモニウムクロリ
ド(商品名:ALIQUAT 336)、トリオクチル
メチルアンモニウムブロミド、メチルトリアルキル(炭
素数8から10)アンモニウムクロリド(商品名:Ad
ogen 464)等の4級アンモニウム塩が挙げられ
る。上記相関移動触媒のうち、一般に4級アンモニウム
塩が好ましく、中でもトリオクチルメチルアンモニウム
クロリドが好適に用いられる。
【0054】相関移動触媒の使用量は、特に限定されな
いが、一般に、一般式(2)で表される光学活性な2−
クロロカルボン酸に対して0.05から5モル%が好ま
しく、より好ましくは0.3から1モル%である。その
反応温度としては、−20℃から120℃が好ましく、
より好ましくは0℃から50℃である。
【0055】反応終了後、反応液から生成物を取得する
ためには、一般的な後処理を行えばよい。例えば、反応
終了後の反応液に水を加え、酢酸エチル、ジエチルエー
テル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等の一般的な
抽出溶媒を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液か
ら、減圧加熱等の操作により反応溶媒および抽出溶媒を
留去すると、目的物が得られる。また、反応終了後、直
ちに減圧加熱等の操作により反応溶媒を留去してから同
様の操作を行ってもよい。このようにして得られる目的
物は、ほぼ純粋なものであるが、晶析精製、分別蒸留、
カラムクロマトグラフィー等の一般的な手法により精製
を加え、さらに純度を高めてもよい。
【0056】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。 (実施例1)(2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニル
プロピオン酸
【0057】
【化19】
【0058】L−フェニルアラニン14g(85mmo
l)を1N硫酸水溶液100mlに溶かした溶液に、亜
硝酸ナトリウム14g(217mmol)を水20ml
に溶かした溶液を0℃で3時間かけて滴下した後、室温
で終夜攪拌した。酢酸エチル100mlで3回抽出した
後、有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下溶
媒を留去し粗精製(2S)−2−ヒドロキシ−3−フェ
ニルプロピオン酸12gを得た。さらに酢酸エチル35
mlを用いて再結晶し目的の(2S)−2−ヒドロキシ
−3−フェニルプロピオン酸7.5g(収率53%)を
得た。 H−NMR(400MHz,CDCl)δ(pp
m)7.34−7.25(5H,m),4.51(1H,
dd,J=7.3,4.4Hz),3.21(1H,d
d,J=14.2Hz,4.4Hz),3.00(1
H,dd,J=13.7Hz,7.4Hz)。 (実施例2)(2R)−2−クロロ−3−フェニルプロ
ピオン酸クロリド
【0059】
【化20】
【0060】(2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニル
プロピオン酸5.0g(30.1mmol)をトルエン
50mlを加え、塩化チオニル10.7g(90.3m
mol)を滴下し、40℃にて2時間攪拌した。その液
にジメチルホルムアミド0.44g(6.0mmol)
を加え、40℃にて24時間攪拌した。この反応液を減
圧濃縮した後に、更にトルエン90mlを加えて、再度
減圧濃縮を行った。こうして得られた濃縮液を減圧蒸留
(沸点:約1mmHg、102−103℃)して、(2
R)−2−クロロ−3−フェニルプロピオン酸クロリド
3.1g(14.1mmol、収率47%)を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl)δ(pp
m)7.36−7.23(5H,m),4.71(1H,
t,J=7.3Hz),3.47(1H,dd,J=1
4.2Hz,6.4Hz),3.02(1H,dd,J
=14.2Hz,7.8Hz)。13C−NMR(10
0MHz,CDCl)δ(ppm)170.25,1
34.30,129.36,128.83,127.8
4,65.44,40.68。IR(neat)(cm
−1)3034,1783,1605,1499,14
56,1435,1246,1175,1080,10
03,925,887,835,737,698,64
8,548,484。
【0061】(実施例3)(2R)−2−クロロ−3−
フェニルプロピオン酸
【0062】
【化21】
【0063】(2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニル
プロピオン酸500mg(3.0mmol、光学純度1
00%ee(S))をテトラヒドロフラン5mlに溶か
した溶液に、塩化チオニル0.66ml(9.0mmo
l)を室温で滴下し15時間攪拌した。その反応溶液に
塩化テトラn−ブチルアンモニウム170mg(0.6
0mmol)を加え40℃で4時間加熱した。反応溶液
に水5mlを加え30分攪拌した後、酢酸エチル90m
lで抽出した。有機相を飽和食塩水溶液10mlで洗浄
し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下溶媒を
留去し目的の(2R)−クロロ−3−フェニルプロピオ
ン酸499mg(収率90%)を得た。H−NMR
(400MHz,CDCl)δ(ppm)7.36−
7.23(5H,m),4.49(1H,t,J=7.3
Hz),3.39(1H,dd,J=14.1Hz,
6.9Hz),3.02(1H,dd,J=14.2H
z,7.8Hz)。
【0064】尚、生成物の光学純度は以下の方法に従い
対応するメチルエステルへ誘導して決定した。生成物2
5mg(0.14mmol)をメタノール1mlとトル
エン3.5mlの混合溶液に溶かし、10%トリメチル
シリルジアゾメタンヘキサン溶液200mg(0.18
mmol)を滴下し室温で30分反応した後、減圧下溶
媒を留去し濃縮物をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸
エチル=4:1)で精製して2−クロロ−3−フェニル
プロピオン酸メチルエステルを得た。このメチルエステ
ルのHPLC分析[カラム:ChiralcelOD−
H(ダイセル製)、溶離液:ヘキサン/イソプロパノ−
ル=100:1、流速:1.0ml/min、温度:4
0℃、検出波長:210nm、保持時間:R体 26m
in、S体28min]を行ったところ、98.9%e
e(R)(立体反転率98.9%)であった。
【0065】(実施例4)(2R)−2−クロロ−3−
フェニルプロピオン酸 (2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸
20.4g(122.8mmol、光学純度100%e
e(S))をテトラヒドロフラン200mlに溶かした
溶液に、塩化チオニル43.8g(368.4mmo
l)を滴下し、35〜40℃で2時間攪拌した。その液
にジメチルホルムアミド1.8g(24.6mmol)
を加え、42〜44℃にて6時間攪拌した。この反応液
を冷却し、20℃以下を維持しながら水70mlを滴下
し、約1時間攪拌した後、トルエン200mlで抽出し
た。有機相に水70mlを加え、30%水酸化ナトリウ
ム水にてpHを9.0に調整後、有機相を分液除去し、
水相を得た。この水相にトルエン200mlを加え、3
5%塩酸水にてpHを1.0に調整後、水相を分液除去
し、トルエン相を得た。このトルエンを減圧留去し、
(2R)−2−クロロ−3−フェニルプロピオン酸2
1.1g(114.3mmol、収率93%)を得た。
実施例3と同様の方法により生成物の光学純度を測定し
たところ、99.8%ee(R)(立体反転率99.8
%)であった。
【0066】(実施例5)(2R)−2−クロロ−3−
フェニルプロピオン酸 (2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸
20.4g(122.8mmol、光学純度100%e
e(S))に1,4−ジオキサン200mlを加え、塩
化チオニル43.8g(368.4mmol)を滴下
し、40℃にて2時間攪拌した。その液にジメチルホル
ムアミド1.8g(24.6mmol)を加え、40℃
にて6時間攪拌した。この反応液を冷却し、20℃以下
を維持しながら水70mlを滴下し、約1時間攪拌した
後、トルエン200mlで抽出した。有機相に水70m
lを加え、30%水酸化ナトリウム水にてpHを9.0
に調整後、有機相を分液除去し、水相を得た。この水相
にトルエン200mlを加え、35%塩酸水にてpHを
1.0に調整後、水相を分液除去し、トルエン相を得
た。このトルエンを減圧留去し、(2R)−2−クロロ
−3−フェニルプロピオン酸19.1g(103.3m
mol、収率84%)を得た。実施例3と同様の方法に
より生成物の光学純度を測定したところ、99.7%e
e(R)(立体反転率99.7%)であった。
【0067】(実施例6)(2R)−2−クロロ−3−
フェニルプロピオン酸 (2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸
20.4g(122.8mmol、光学純度100%e
e(S))にトルエン200mlを加え、塩化チオニル
43.8g(368.4mmol)を滴下し、40℃に
て2時間攪拌した。その液にジメチルホルムアミド1.
8g(24.6mmol)を加え、40℃にて24時間
攪拌した。この反応液を冷却し、20℃以下を維持しな
がら水70mlを滴下し、約1時間攪拌した後、トルエ
ン200mlで抽出した。有機相に水70mlを加え、
30%水酸化ナトリウム水にてpHを9.0に調整後、
有機相を分液除去し、水相を得た。この水相にトルエン
200mlを加え、35%塩酸水にてpHを1.0に調
整後、水相を分液除去し、トルエン相を得た。このトル
エンを減圧留去し、(2R)−2−クロロ−3−フェニ
ルプロピオン酸21.6g(116.8mmol、収率
95%)を得た。実施例3と同様の方法により生成物の
光学純度を測定したところ、99.5%ee(R)(立
体反転率99.5%)であった。
【0068】(実施例7)(2R)−2−クロロ−3−
フェニルプロピオン酸 (2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸
200mg(1.2mmol、光学純度100%ee
(S))をジメトキシエタン2mlに溶かした溶液に、
塩化チオニル0.18ml(2.4mmol)を室温で
滴下し15時間攪拌した。その反応溶液にピリジン0.
01ml(0.12mmol)を加え60℃で4時間加
熱した。反応溶液に水10mlを加え30分攪拌した
後、酢酸エチル50mlで抽出した。有機相を飽和食塩
水溶液10mlで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し
た。減圧下溶媒を留去し目的の(2R)−2−クロロ−
3−フェニルプロピオン酸135mg(収率61%)を
得た。 実施例3と同様の方法により生成物の光学純度
を測定したところ、光学純度97.6%ee(R)(立
体反転率97.6%)であった。
【0069】(実施例8)(2R)−2−クロロ−3−
フェニルプロピオン酸 反応溶媒として以下の表1の溶媒を用いる以外、実施例
7と同様に塩化チオニル2倍モル量を用いて反応を行っ
た。結果を以下の表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】(実施例9)(2S)−2−アセチルチオ
−3−フェニルプロピオン酸
【0072】
【化22】
【0073】実施例5で得られた(2R)−2−クロロ
−3−フェニルプロピオン酸100mg(0.54mm
ol)をジメチルホルムアミド2mlに溶かした溶液
に、チオ酢酸カリウム68mg(0.64mmol)を
室温で加え24 時間攪拌した。反応溶液に6%チオ硫
酸ナトリウム水溶液0.5mlを加え、酢酸エチル30
mlで抽出した。有機相を6%チオ硫酸ナトリウム水溶
液3ml、水3ml、飽和食塩水溶液3mlで洗浄し、
硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下溶媒を留去し目
的の(2S)−2−アセチルチオ−3−フェニルプロピ
オン酸101mg(収率83%)を得た。 H−NMR(400MHz,CDCl)δ(pp
m)7.34−7.22(5H,m),4.43(1H,
t,J=7.6Hz),3.30(1H,dd,J=1
3.9Hz,7.9Hz),3.02(1H,dd,J
=13.9Hz,7.6Hz),2.33(3H,
s)。
【0074】尚、生成物の光学純度は以下の方法に従い
対応するメチルエステルへ誘導して決定した。生成物2
5mg(0.12mmol)をメタノール1mlとトル
エン3.5mlの混合溶液に溶かし、10%トリメチル
シリルジアゾメタンヘキサン溶液166mg(0.15
mmol)を滴下し室温で30分反応した後、減圧下溶
媒を留去し濃縮物をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸
エチル=4:1)で精製して2−アセチルチオ−3−フ
ェニルプロピオン酸メチルエステルを得た。このメチル
エステルのHPLC分析[カラム:Chiralcel
OD−H(ダイセル製)、溶離液:ヘキサン/イソプロ
パノ−ル=100:1、流速:1.0ml/min、温
度:40℃、検出波長:210nm、保持時間:R体
37min、S体 38min]を行ったところ、光学
純度97.9%ee(S)(立体反転率98.2%)で
あった。
【0075】(実施例10)(2S)−2−アセチルチ
オ−3−フェニルプロピオン酸 (2R)−2−クロロ−3−フェニルプロピオン酸10
0mg(0.54mmol)をN−メチル−2−ピロリ
ドン2mlに溶かした溶液に、チオ酢酸カリウム93m
g(0.81mmol)を室温で加え24 時間攪拌し
た。実施例9と同様の方法により、反応の後処理を行
い、目的の(2S)−2−アセチルチオ−3−フェニル
プロピオン酸114mg(0.51mmol、収率94
%)を得た。
【0076】(実施例11)(2S)−2−アセチルチ
オ−3−フェニルプロピオン酸 チオ酢酸カリウム16.1g(141.0mmol)を
ジメチルホルムアミド40mlに混合させた液に対し
て、実施例4で得た(2R)−2−クロロ−3−フェニ
ルプロピオン酸20.0g(108.0mmol)を0
℃下滴下した後、室温で24時間攪拌した。反応溶液に
6%チオ硫酸ナトリウム水溶液60ml、トルエン20
0mlを加えた後に、35%塩酸水を4.6gでpH
1.7に調整後、分液し、有機相を取得した。この有機
相を6%チオ硫酸ナトリウム水溶液60ml、飽和食塩
水60ml、水60mlで洗浄した。減圧下溶媒を留去
し、目的の(2S)−2−アセチルチオ−3−フェニル
プロピオン酸20.7g(91.8mmol、収率85
%)を得た。実施例9と同様の方法により、生成物の光
学純度を測定したところ、98.9%ee(S)(立体
反転率99.1%)であった。
【0077】(実施例12)(2S)−2−アセチルチ
オ−3−フェニルプロピオン酸 反応溶媒として以下の表2の溶媒を用いる以外、実施例
9と同様に反応を行い、表2に示した時間が経過したと
きの、(2S)−2−アセチルチオ−3−フェニルプロ
ピオン酸(A)と(2R)−2−クロロ−3−フェニル
プロピオン酸(B)のHPLC分析時の面積値をもと
に、式1で表される(2S)−2−アセチルチオ−3−
フェニルプロピオン酸(A)の比率を求めた。 (A)の比率(%)=[(A)のHPLC面積値/
((B)のHPLC面積値+(A)のHPLC面積
値)]×100
【0078】結果を以下の表2に示す。なお、上記化合
物の面積値の評価には、以下のHPLC分析系を用いて
行った。 (HPLC) [カラム:野村化学 Develosil ODS−H
G−3 150mm×4.6mmI.D.、移動相:
0.1wt/v%リン酸水/アセトニトリル=75/2
5、流速:1.0ml/min、検出:UV 210n
m、カラム温度:40℃、保持時間:(2R)−2−ク
ロロ−3−フェニルプロピオン酸(B) 19.9分、
(2S)−2−アセチルチオ−3−フェニルプロピオン
酸(A) 22.6分]
【0079】
【表2】
【0080】(実施例13)(2S)−2−アセチルチ
オ−3−フェニルプロピオン酸 反応溶媒として以下の表3の溶媒を用いる以外、実施例
9と同様に反応を行い、表3に示した時間が経過したと
きの、実施例12と同様に上記式1で表される(2S)
−2−アセチルチオ−3−フェニルプロピオン酸の比率
を求めた。
【0081】
【表3】
【0082】
【発明の効果】本発明は、上述の構成よりなるもので、
医薬品等の製造上重要な光学活性2−クロロカルボン酸
及び2−アセチルチオカルボン酸を入手容易な原料から
高い光学純度で効率的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 57/58 C07C 57/58 57/76 57/76 59/48 59/48 327/32 327/32 (72)発明者 山下 幸喜 兵庫県神戸市垂水区塩屋町6−31−17 (72)発明者 上田 恭義 兵庫県姫路市網干区和久140−15 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC30 AC41 AC46 AC47 AC81 BA36 BA51 BB11 BB15 BB20 BB24 BB41 BB42 BC31 BC34 BD70 BE51 BE90 BJ50 BM10 BM72 BS10 BS90 EB60 TN60 4H039 CA52 CA65 CD30

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1か
    ら12のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数
    6から14のアリール基、又は、置換基を有していても
    良い炭素数7から15のアラルキル基をあらわす)で表
    される光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸を、塩化チ
    オニル及び塩基性化合物と作用させることにより、2−
    位の立体配置の反転を伴って塩素化することを特徴とす
    る、一般式(5) 【化2】 (式中、Rは前記に同じ。)で表される光学活性な2
    −クロロカルボン酸クロリドを製造する方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化3】 (式中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1か
    ら12のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数
    6から14のアリール基、又は、置換基を有していても
    良い炭素数7から15のアラルキル基をあらわす)で表
    される光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸を、塩化チ
    オニル及び塩基性化合物と作用させて、2−位の立体配
    置の反転を伴って塩素化することにより、一般式(5) 【化4】 (式中、Rは前記に同じ。)で表される光学活性な2
    −クロロカルボン酸クロリドを得た後に、得られた該酸
    クロリドを加水分解することを特徴とする、一般式
    (2) 【化5】 (式中、Rは前記に同じ。)で表される光学活性な2
    −クロロカルボン酸を製造する方法。
  3. 【請求項3】 光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸
    (1)における2−位の立体配置が(S)であり、光学
    活性な2−クロロカルボン酸クロリド(5)及び光学活
    性な2−クロロカルボン酸(2)における2−位の立体
    配置が(R)である請求項1又は2のいずれかに記載の
    製造法。
  4. 【請求項4】 光学活性な2−ヒドロキシカルボン酸
    (1)における2−位の立体配置が(R)であり、光学
    活性な2−クロロカルボン酸クロリド(5)及び光学活
    性な2−クロロカルボン酸(2)における2−位の立体
    配置が(S)である請求項1又は2のいずれかに記載の
    製造法。
  5. 【請求項5】 塩化チオニルの使用量は、光学活性な2
    −ヒドロキシカルボン酸(1)に対して2倍モル量以上
    である請求項1から4のいずれかに記載の製造法。
  6. 【請求項6】 反転塩素化の反応溶媒として、エーテル
    系溶媒および芳香族炭化水素系溶媒のうち少なくとも1
    種を使用する請求項1から5のいずれかに記載の製造
    法。
  7. 【請求項7】 反転塩素化の反応溶媒として、テトラヒ
    ドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン及
    びトルエンからなる群より選択される少なくとも1種を
    使用する請求項6に記載の製造法。
  8. 【請求項8】 塩基性化合物として、有機塩基、アミド
    基含有化合物および4級アンモニウムハロゲン化物から
    なる群より選択される少なくとも1種を使用する請求項
    1から7のいずれかに記載の製造法。
  9. 【請求項9】 有機塩基として、ピリジン、トリエチル
    アミン及びジイソプロピルエチルアミンからなる群より
    選択される少なくとも1種を使用する請求項8に記載の
    製造法。
  10. 【請求項10】 アミド基含有化合物として、ジメチル
    ホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドンのうち少
    なくとも一種類を使用する請求項8に記載の製造法。
  11. 【請求項11】 4級アンモニウムハロゲン化物とし
    て、塩化テトラn−ブチルアンモニウムを使用する請求
    項8に記載の製造法。
  12. 【請求項12】 塩基性化合物の使用量は、光学活性な
    2−ヒドロキシカルボン酸(1)に対して0.5倍モル
    量以下である請求項1から11のいずれかに記載の製造
    法。
  13. 【請求項13】 反転塩素化の立体反転率が95%以上
    である請求項1から12のいずれかに記載の製造法。
  14. 【請求項14】 一般式(1)で表される光学活性な2
    −ヒドロキシカルボン酸は、一般式(4) 【化6】 (式中、Rは前記に同じ)で表される光学活性な2−
    アミノカルボン酸を、亜硝酸塩及びプロトン酸と作用さ
    せて、2−位の立体配置を保持したままヒドロキシル化
    することにより得られたものである請求項1から13の
    いずれかに記載の製造法。
  15. 【請求項15】 亜硝酸塩として、亜硝酸ナトリウムを
    使用する請求項14に記載の製造法。
  16. 【請求項16】 プロトン酸として硫酸を使用する請求
    項14又は15のいずれかに記載の製造法。
  17. 【請求項17】 Rがベンジル基である請求項1から
    16のいずれかに記載の製造法。
  18. 【請求項18】 一般式(2) 【化7】 (式中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1か
    ら12のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数
    6から14のアリール基、又は、置換基を有していても
    良い炭素数7から15のアラルキル基をあらわす)で表
    される光学活性な2−クロロカルボン酸を、チオ酢酸塩
    と反応させることにより、2−位の立体配置の反転を伴
    ってアセチルチオ化することを特徴とする、一般式
    (3) 【化8】 (式中、Rは前記に同じ)で表される光学活性な2−
    アセチルチオカルボン酸を製造する方法。
  19. 【請求項19】 チオ酢酸塩との反応を、極性非プロト
    ン性化合物の存在下で行う請求項18に記載の製造法。
  20. 【請求項20】 極性非プロトン性化合物として含窒素
    系液状化合物を用いる請求項19に記載の製造法。
  21. 【請求項21】 含窒素系液状化合物を溶媒として用
    い、前記溶媒はアミド基含有液状化合物である請求項2
    0に記載の製造法。
  22. 【請求項22】 アミド基含有液状化合物として、ジメ
    チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルア
    セトアミド、ジメチルブチルアミド及びN−メチル−2
    −ピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種
    を用いる請求項21に記載の製造法。
  23. 【請求項23】 光学活性な2−クロロカルボン酸
    (2)における2−位の立体配置が(R)であり、光学
    活性な2−アセチルチオカルボン酸(3)における2−
    位の立体配置が(S)である請求項18から22のいず
    れかに記載の製造法。
  24. 【請求項24】 光学活性な2−クロロカルボン酸
    (2)における2−位の立体配置が(S)であり、光学
    活性な2−アセチルチオカルボン酸(3)における2−
    位の立体配置が(R)である請求項18から22のいず
    れかに記載の製造法。
  25. 【請求項25】 チオ酢酸塩として、チオ酢酸アルカリ
    金属塩を用いる請求項18から24のいずれかに記載の
    製造法。
  26. 【請求項26】 チオ酢酸アルカリ金属塩として、チオ
    酢酸カリウムを使用する請求項25に記載の製造法。
  27. 【請求項27】 アセチルチオ化の立体反転率が95%
    以上である請求項18から26のいずれかに記載の製造
    法。
  28. 【請求項28】 一般式(2)で表される光学活性な2
    −クロロカルボン酸は、一般式(1) 【化9】 (式中、Rは前記に同じ)で表される光学活性な2−
    ヒドロキシカルボン酸を、塩化チオニル及び塩基性化合
    物と作用させて、2−位の立体配置の反転を伴って塩素
    化することにより、一般式(5) 【化10】 (式中、Rは前記に同じ。)で表される光学活性な2
    −クロロカルボン酸クロリドを得た後に、得られた該酸
    クロリドを加水分解することにより得られたものである
    請求項18から27のいずれかに記載の製造法。
  29. 【請求項29】 塩化チオニルの使用量は、光学活性な
    2−ヒドロキシカルボン酸(1)に対して2倍モル量以
    上である請求項28に記載の製造法。
  30. 【請求項30】 反転塩素化の反応溶媒として、エーテ
    ル系溶媒および芳香族炭化水素系溶媒のうち少なくとも
    1種を使用する請求項28又は29のいずれかに記載の
    製造法。
  31. 【請求項31】 反転塩素化の反応溶媒として、テトラ
    ヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン
    及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1種
    を使用する請求項30に記載の製造法。
  32. 【請求項32】 塩基性化合物として、有機塩基、アミ
    ド基含有化合物および4級アンモニウムハロゲン化物か
    らなる群より選択される少なくとも1種を使用する請求
    項28から31のいずれかに記載の製造法。
  33. 【請求項33】 有機塩基として、ピリジン、トリエチ
    ルアミン及びジイソプロピルエチルアミンからなる群よ
    り選択される少なくとも1種を使用する請求項32に記
    載の製造法。
  34. 【請求項34】 アミド基含有化合物として、ジメチル
    ホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドンのうち少
    なくとも一種類を使用する請求項32に記載の製造法。
  35. 【請求項35】 4級アンモニウムハロゲン化物とし
    て、塩化テトラn−ブチルアンモニウムを使用する請求
    項32に記載の製造法。
  36. 【請求項36】 塩基性化合物の使用量は、光学活性な
    2−ヒドロキシカルボン酸(1)に対して0.5倍モル
    量以下である請求項28から35のいずれかに記載の製
    造法。
  37. 【請求項37】 反転塩素化の立体反転率が95%以上
    である請求項28から36のいずれかに記載の製造法。
  38. 【請求項38】 一般式(1)で表される光学活性な2
    −ヒドロキシカルボン酸は、一般式(4) 【化11】 (式中、Rは前記に同じ)で表される光学活性な2−
    アミノカルボン酸を、亜硝酸塩及びプロトン酸と作用さ
    せて、2−位の立体配置を保持したままヒドロキシル化
    することにより得られたものである請求項28から37
    のいずれかに記載の製造法。
  39. 【請求項39】 亜硝酸塩として、亜硝酸ナトリウムを
    使用する請求項38に記載の製造法。
  40. 【請求項40】 プロトン酸として硫酸を使用する請求
    項38又は39のいずれかに記載の製造法。
  41. 【請求項41】 Rがベンジル基である請求項18か
    ら40のいずれかに記載の製造法。
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