JP2001213853A - (±)−n−ホルミルロイシンの光学分割法 - Google Patents

(±)−n−ホルミルロイシンの光学分割法

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JP2001213853A
JP2001213853A JP2000025252A JP2000025252A JP2001213853A JP 2001213853 A JP2001213853 A JP 2001213853A JP 2000025252 A JP2000025252 A JP 2000025252A JP 2000025252 A JP2000025252 A JP 2000025252A JP 2001213853 A JP2001213853 A JP 2001213853A
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Hiroyuki Nohira
博之 野平
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性N−ホルミルロイシンを収率よく、
工業的に有利に製造し得る(±)−N−ホルミルロイシ
ンの光学分割法の提供。 【解決手段】 (±)−N−ホルミルロイシンに一般式
(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子、アルキル基またはアラルキル
基を表し、R2はアルキル基を表し、R3は水素原子また
はアルキル基を表し、nは0または1を表し、*は不斉
炭素原子を表す。)で示される光学活性アミンを作用さ
せて一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、nおよび*は前記定義のとお
りである。)で示されるジアステレオマー塩を形成さ
せ、得られたジアステレオマー塩を光学分割して光学活
性ジアステレオマー塩を得、得られた光学活性ジアステ
レオマー塩を塩基で処理して光学活性N−ホルミルロイ
シンを得ることを特徴とする(±)−N−ホルミルロイ
シンの光学分割法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は(±)−N−ホルミ
ルロイシンの光学分割法に関する。本発明により製造さ
れる光学活性N−ホルミルロイシン、例えば(−)−N
−ホルミルロイシンは、膵臓脂肪分解酵素の強力な阻害
剤である(−)−リプスタチン((−)−Lipsta
tin)の合成中間体として有用である[ジャーナル
オブ オーガニック ケミストリー(J.Org.Ch
em.)、第60巻、7334頁(1995年)、ジャ
ーナル オブ ザ ケミカル ソサイエティー パーキ
ントランスアクション 1 (J.Chem.So
c.,Parkin Trans. 1)、1549
頁、(1993年)参照]。また、(+)−N−ホルミ
ルロイシンを構成成分とするオクタペプチド(Val−
Phe−((+)−Leu−Phe)2−(+)−Le
u−Phe)は、該N−ホルミルロイシン(Leu)部
分が(−)体であるオクタペプチドと比較して、連鎖球
菌および大腸菌に対する強い抗菌活性(菌の成長阻害作
用)を有することが知られている[インディアン ジャ
ーナル オブ バイオケミストリー アンド バイオフ
ィジクス(Indian Journal of Bi
ochemistry & Biophysics)、
第14巻、35頁(1977年)参照]。
【0002】
【従来の技術】(±)−N−ホルミルロイシンの光学分
割法としては、エタノール中で光学分割剤としてブルシ
ンを作用させてジアステレオマー塩を形成させ、(−)
−N−ホルミルロイシン塩を難溶性塩として析出させる
ことにより光学分割する方法が知られている[ヒェーミ
シュ ベリヒテ(Chemisch Bericht
e)、第38巻、3997頁(1905年)参照]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法で用いているブルシンは極めて毒性が高く、かつ天
然物由来の化合物であるため、(±)−N−ホルミルロ
イシンの両異性体それぞれを効率的に分割する方法とは
言い難く、容易に入手可能な光学分割剤を用いて両異性
体を効率よく光学分割することが可能な方法の開発が望
まれていた。しかして、本発明の目的は、光学活性N−
ホルミルロイシンを収率よく、工業的に有利に製造し得
る(±)−N−ホルミルロイシンの光学分割法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、(1)(±)−N−ホルミルロイシンに一般式
(I)
【0005】
【化4】
【0006】(式中、R1は水素原子、アルキル基また
はアラルキル基を表し、R2はアルキル基を表し、R3
水素原子またはアルキル基を表し、nは0または1を表
し、*は不斉炭素原子を表す。)で示される光学活性ア
ミン(以下、光学活性アミン(I)と略称する)を作用
させて一般式(II)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1、R2、R3、nおよび*は前
記定義のとおりである。)で示されるジアステレオマー
塩(以下、ジアステレオマー塩(II)と略称する)を
形成させ、得られたジアステレオマー塩(II)を光学
分割して光学活性ジアステレオマー塩を得、得られた光
学活性ジアステレオマー塩を塩基で処理して光学活性N
−ホルミルロイシンを得ることを特徴とする(±)−N
−ホルミルロイシンの光学分割法、および(2)ジアス
テレオマー塩(II)を提供することにより達成され
る。
【0009】
【発明の実施の形態】R1、R2およびR3が表すアルキ
ル基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、イソブチル基などが挙げられ、R1が表すアラル
キル基としては、例えばベンジル基、パラメトキシベン
ジル基、パラクロロベンジル基などが挙げられる。
【0010】光学活性アミン(I)としては、例えば
(+)−3−メチル−2−フェニルブチルアミン、
(−)−3−メチル−2−フェニルブチルアミン、
(+)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン、
(−)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン、
(+)−1−(p−トリル)エチルアミン、(−)−1
−(p−トリル)エチルアミン、(+)−α−メチルベ
ンジルアミン、(−)−α−メチルベンジルアミンなど
が挙げられる。
【0011】本発明の光学分割法は、まず(±)−N−
ホルミルロイシンに光学分割剤として光学活性アミン
(I)を作用させて、(+)−N−ホルミルロイシンお
よび(−)−N−ホルミルロイシンに対応する2種類の
ジアステレオマー塩(II)を形成させる。この2種類
のジアステレオマー塩(II)の形成は、(±)−N−
ホルミルロイシンと光学活性アミン(I)を溶媒に加
え、必要に応じて加熱して、溶解させることにより行う
ことができる。
【0012】光学活性アミン(I)の使用量は特に限定
されないが、通常(±)−N−ホルミルロイシン1モルに
対して0.1〜5モル倍の範囲であるのが好ましく、光
学活性N−ホルミルロイシンを高純度かつ効率よく得る
観点からは、0.5〜2モル倍の範囲であるのがより好
ましい。
【0013】溶媒としては、(±)−N−ホルミルロイシ
ンおよび光学活性アミン(I)のそれぞれを溶解する溶
媒であれば特に制限はなく、例えば酢酸エチル、酢酸ブ
チル、酢酸イソプロピルなどの酢酸エステル;ジエチル
エーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル、
1,4−ジオキサンなどのエーテル;水;メタノール、
エタノール、イソプロパノールなどのアルコール;アセ
トニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;ジクロ
ロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど
のハロゲン化炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン
などの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素またはそれらの混合物などが挙げ
られる。溶媒の使用量は、溶媒の種類、また混合溶媒の
場合はその混合比率によって異なるが、通常(±)−N−
ホルミルロイシン1モルに対して1〜50重量倍の範囲
であるのが好ましく、5〜20重量倍の範囲であるのが
より好ましい。
【0014】生成した2種類のジアステレオマー塩(I
I)は、ジアステレオマー塩(II)を形成させた溶液
をそのまま濃縮し、得られる粗生成物をカラムクロマト
グラフィーにより精製し、2種類のジアステレオマー塩
(II)を分離することも可能であるし、後述するよう
にその溶媒に対する溶解度の差を利用し、分別再結晶に
より分離することもできる。
【0015】溶媒に対する溶解度の差を利用して、生成
した2種類のジアステレオマー塩(II)を分離する場
合、かかるジアステレオマー塩(II)を形成させる際
の溶媒として、水;メタノール、エタノール、イソプロ
パノールなどのアルコール、アセトニトリル、プロピオ
ニトリルなどのニトリル;またはそれらの混合物を用い
るのが好ましく、これらの中でも水、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノールなどのアルコールを用いるの
がより好ましい。これらの溶媒を用いて、生成した2種
類のジアステレオマー塩(II)を溶媒に対する溶解度
の差を利用して分離する場合には、(±)−N−ホルミル
ロイシンおよび光学活性アミン(I)を上記した溶媒に
加え、用いる溶媒の沸点を超えない範囲の温度で加熱し
て溶解させた後、得られた溶液を冷却し、ジアステレオ
マー塩(II)のうち用いる溶媒に対して難溶性の光学
活性ジアステレオマー塩を析出させる。また、必要に応
じ、用いる溶媒に対して難溶性の光学活性ジアステレオ
マー塩を種結晶としてこの溶液に少量添加して、該光学
活性ジアステレオマー塩を析出させることもできる。析
出した該光学活性ジアステレオマー塩の分離方法として
は、例えば、濾過、遠心分離、デカンテーションなどの
通常の分離方法を用いることができる。
【0016】このようにして得られた該光学活性ジアス
テレオマー塩は、上述の溶媒を用いて再結晶するなどの
精製操作を行うことにより、その光学純度をさらに高め
ることが可能である。より光学純度の高い光学活性N−
ホルミルロイシンを得る観点からは、該精製操作を行う
ことが好ましい。
【0017】本発明において、光学活性アミン(I)と
して(+)−3−メチル−2−フェニルブチルアミンを
用い、溶媒として水を用いると(+)−3−メチル−2
−フェニルブチルアミン・(−)−N−ホルミルロイシ
ン塩が、光学活性アミン(I)として(−)−3−メチ
ル−2−フェニルブチルアミンを用い、溶媒として水を
用いると(−)−3−メチル−2−フェニルブチルアミ
ン・(+)−N−ホルミルロイシン塩が、光学活性アミ
ン(I)として(+)−1−(p−トリル)エチルアミ
ンを用い、溶媒として水を用いると(+)−1−(p−
トリル)エチルアミン・(−)−N−ホルミルロイシン
塩が、光学活性アミン(I)として(−)−1−(p−
トリル)エチルアミンを用い、溶媒として水を用いると
(−)−1−(p−トリル)エチルアミン・(+)−N
−ホルミルロイシン塩が、それぞれ難溶性の光学活性ジ
アステレオマー塩として析出する。また、光学活性アミ
ン(I)として(+)−N−ベンジル−α−メチルベン
ジルアミンを用い、溶媒として水または2−プロパノー
ルを用いると(+)−N−ベンジル−α−メチルベンジ
ルアミン・(+)−N−ホルミルロイシン塩が、光学活
性アミン(I)として(−)−N−ベンジル−α−メチ
ルベンジルアミンを用い、溶媒として水または2−プロ
パノールを用いると(−)−N−ベンジル−α−メチル
ベンジルアミン・(−)−N−ホルミルロイシン塩が、
光学活性アミン(I)として(+)−α−メチルベンジ
ルアミンを用い、溶媒としてメタノールを用いると
(+)−α−メチルベンジルアミン・(−)−N−ホル
ミルロイシン塩が、光学活性アミン(I)として(−)
−α−メチルベンジルアミンを用い、溶媒としてメタノ
ールを用いると(−)−α−メチルベンジルアミン・
(+)−N−ホルミルロイシン塩が、それぞれ難溶性の
光学活性ジアステレオマー塩として析出する。
【0018】上記で得られた難溶性の光学活性ジアステ
レオマー塩に塩基、例えば水酸化リチウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ
土類金属水酸化物などを添加して光学活性アミン(I)
を遊離させる。塩基の使用量は特に限定されないが、通
常ジアステレオマー塩1モルに対して0.1〜10モル
倍の範囲であるのが好ましく、1〜5モル倍の範囲であ
るのがより好ましい。光学活性アミン(I)の回収操作
の容易性および経済的な観点からは、塩基として水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのア
ルカリ金属水酸化物を水溶液として用いることが好まし
い。アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸
化物の水溶液を用いる場合の濃度は特に限定されない
が、通常0.1〜6モル/リットルの範囲が好ましい。
【0019】次に、この混合物にジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテルなどのエーテル;ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;ジクロロメタ
ン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などを加え
て光学活性アミン(I)を抽出する。この抽出液より溶
媒を除去することで光学活性アミン(I)を回収でき、
再び本発明の方法に使用することができる。一方、光学
活性アミン(I)を抽出したあとの水層には、光学活性
N−ホルミルロイシンが塩基と結合した形で含まれてお
り、その水層に塩酸、硫酸などの鉱酸;メタンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸など
の酸を添加して光学活性N−ホルミルロイシンを遊離さ
せ、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどの
エーテル;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジ
クロロエタンなどのハロゲン化炭化水素などで抽出し、
抽出液を必要に応じて無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マ
グネシウムなどで乾燥後、濃縮することにより、光学活
性N−ホルミルロイシンを単離できる。
【0020】なお、本発明において出発原料として用い
る(±)−N−ホルミルロイシンは、例えばイソバレラ
ールをストレッカー反応により2−アミノ−4−メチル
ペンタンニトリルに変換し、得られた2−アミノ−4−
メチルペンタンニトリルを加水分解して(±)−ロイシン
を得[アミノ酸シリーズ第4集−バリン、ロイシン、イ
ソロイシン、28頁、世界保健通信社(1960年)参
照]、次いでN−ホルミル化することにより製造できる
(参考例1参照)。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定さ
れるものではない。なお、得られた光学活性N−ホルミ
ルロイシンの光学純度は、参考例2に記載の方法で、対
応するベンジルエステル体へ誘導し、高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)分析により決定した。
【0022】参考例1 (±)−N−ホルミルロイシン
合成 無水酢酸2ml(21.3mmol)を0℃に冷却し、
同温度を保ちながら該無水酢酸に99%ギ酸1ml(2
6.5mmol)をゆっくり加え、添加終了後、50℃
まで昇温して15分間加熱し、その後、0℃に冷却した
(この溶液を溶液Aと称する)。一方、(±)−ロイシ
ン1.71g(13.3mmol)を99%ギ酸7ml
に溶解させて5℃から10℃に冷却し、得られた溶液に
同温度を保ちながら溶液Aの全量をゆっくり加えた後、
5〜10℃で40分攪拌し、次いで25℃に昇温してさ
らに80分間反応させた。反応液を減圧下に濃縮し、得
られた残留物を酢酸エチル2mlを用いて再結晶し、
(±)−N−ホルミルロイシン1.91g(12.0m
mol)を得た((±)−ロイシン基準の収率:92.
2%)
【0023】参考例2 N−ホルミルロイシンの光学純
度の分析方法 ジクロロメタン1mlにアゾジカルボン酸(40%トル
エン溶液)435mg(1.0mmol)および各実施
例で得られた光学活性N−ホルミルロイシン159mg
(1.0mmol)を加えて溶解させた(この溶液を溶
液Bと称する)。一方、トリフェニルホスフィン262
mg(1.0mmol)およびベンジルアルコール13
0mg(1.2mmol)をジクロロメタン1mlに溶
解させ、室温にてこの溶液を溶液Bに滴下し、滴下終了
後、一晩反応させた。溶媒を留去し、残留物にジエチル
エーテル5mlを加えて沈殿物を濾過により除去し、濾
液を濃縮して得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィ
ー(展開溶媒:40%(v/v)酢酸エチル−ヘキサ
ン)で精製することにより、油状物質として光学活性N
−ホルミルロイシンベンジルエステル162mg(0.
65mmol)を得た(収率65%)。このエステル体
をHPLCで分析し光学純度を算出した。 分析条件 使用カラム:CHIRALCEL OD−H カラム径
4.6mm、カラム長250mm 検出波長:UV 254nm 移動相:15%(v/v)イソプロパノール−ヘキサン
溶液 流速:0.5ml/分 温度:室温 保持時間:(+)−N−ホルミルロイシンベンジルエス
テル:22.7分 (−)−N−ホルミルロイシンベンジルエステル:1
8.2分
【0024】実施例1 (±)−N−ホルミルロイシン319mg(2.01m
mol)および(−)−3−メチル−2−フェニルブチ
ルアミン332mg(2.03mmol)を水2.0m
lに加えて100℃で加熱して溶解させ、この溶液を放
冷後、さらに室温で一晩放置した。析出した結晶を濾別
し、乾燥させることにより、下記の物性を有する(−)
−3−メチル−2−フェニルブチルアミン・(+)−N
−ホルミルロイシン塩230mg(0.710mmo
l)を得た。 融点:144℃〜145℃ 比旋光度:[α]D=−0.20°(c1.0、メタノ
ール)
【0025】この(−)−3−メチル−2−フェニルブ
チルアミン・(+)−N−ホルミルロイシン塩に1規定
水酸化ナトリウム水溶液0.92mlを加えてジエチル
エーテル3.5mlで3回抽出し、(−)−メチル−2
−フェニルブチルアミンを分離した。一方、水層に6規
定塩酸0.21mlを加え、酢酸エチル2.1mlで5
回抽出した。抽出液を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、濃縮して、下記の物性を有する(+)−N−ホル
ミルロイシン99.0mg(0.622mmol)を得
た。 融点:123〜124℃ 比旋光度:[α]D=+14.2°(c1.0、エタノ
ール) 光学純度:80.2%e.e.
【0026】実施例2 (+)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン84
5mg(4.00mmol)を水5mlに溶解し、この
溶液に(±)−N−ホルミルロイシン668mg(4.
20mmol)および水5mlを加えて100℃で加熱
して溶解させた。室温まで放冷後、2.5時間放置し
た。析出した結晶を濾別し、乾燥させることにより、粗
(+)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン・
(+)−N−ホルミルロイシン塩705mgを得た。こ
の粗(+)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン
・(+)−N−ホルミルロイシン塩を水6.5mlから
再結晶することにより、下記の物性を有する(+)−N
−ベンジル−α−メチルベンジルアミン・(+)−N−
ホルミルロイシン塩370mg(1.00mmol)を
得た。 融点:140.0〜143.2℃ 比旋光度:[α]D=+24.6°(c1.0、メタノ
ール)
【0027】この(+)−N−ベンジル−α−メチルベ
ンジルアミン・(+)−N−ホルミルロイシン塩に1規
定水酸化ナトリウム水溶液1.3mlを加えてジエチル
エーテル5mlで抽出し、(+)−N−ベンジル−α−
メチルベンジルアミンを分離した。一方、水層に6規定
塩酸0.3mlを加え、酢酸エチル5mlで3回抽出
し、この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を
減圧留去して(+)−N−ホルミルロイシン133mg
(0.840mmol)を得た(用いた(±)−N−ホ
ルミルロイシン中に含まれる(+)−N−ホルミルロイ
シンを基準とした収率:39.9%)。 融点:142.5〜145.0℃ 比旋光度:[α]D=+17.7°(c1.0、エタノ
ール) 光学純度:>99.9%e.e.
【0028】実施例3 (±)−N−ホルミルロイシン320mg(2.00m
mol)に(+)−N−ベンジル−α−メチルベンジル
アミン420mg(2.00mmol)をメタノール5
mlに溶解させた溶液を加え65℃で加熱溶解させた。
室温まで放冷後、2.5時間放置した。析出した結晶を
ろ過し、乾燥させることにより粗(+)−N−ベンジル
−α−メチルベンジルアミン・(+)−N−ホルミルロ
イシン塩360mgを得た。この粗(+)−N−ベンジ
ル−α−メチルベンジルアミン・(+)−N−ホルミル
ロイシン塩をイソプロパノール1.5mlから再結晶す
ることにより、下記の物性を有する(+)−N−ベンジ
ル−α−メチルベンジルアミン・(+)−N−ホルミル
ロイシン塩170mg(0.460mmol)を得た。 融点:135.0〜137.0℃ 比旋光度:[α]D=+25.7°(c1.0、メタノ
ール)
【0029】この(+)−N−ベンジル−α−メチルベ
ンジルアミン・(+)−N−ホルミルロイシン塩に1規
定水酸化ナトリウム水溶液1.0mlを加えてジエチル
エーテル5mlで抽出し、(+)−N−ベンジル−α−
メチルベンジルアミンを分離した。一方、水層に6規定
塩酸0.3mlを加え、析出した結晶を濾別後、乾燥
し、下記の物性を有する(+)−N−ホルミルロイシン
65.0mg(0.410mmol)を得た(用いた
(±)−N−ホルミルロイシン中に含まれる(+)−N
−ホルミルロイシンを基準とした収率:41.0%)。 融点:142.5〜145.0℃ 比旋光度:[α]D=+17.7°(c1.0、エタノ
ール) 光学純度:>99.9%%e.e.
【0030】実施例4 (±)−N−ホルミルロイシン1.59g(10.0m
mol)および(+)−1−(p−トリル)エチルアミ
ン1.35g(10.0mmol)を水5.0mlに加
えて100℃で加熱して溶解させた後、氷冷しながら3
時間放置した。析出した結晶を濾別し、乾燥させること
により、粗(+)−1−(p−トリル)エチルアミン・
(−)−N−ホルミルロイシン塩1.30gを得た。こ
の粗(+)−1−(p−トリル)エチルアミン・(−)
−N−ホルミルロイシン塩を水3mlを用いて再結晶す
ることにより、下記の物性を有する(+)−1−(p−
トリル)エチルアミン・(−)−N−ホルミルロイシン
塩0.91g(3.10mmol)を得た。 融点:135.0〜137.0℃ 比旋光度:[α]D=+1.00°(c1.0、メタノ
ール)
【0031】この(+)−1−(p−トリル)エチルア
ミン・(−)−N−ホルミルロイシン塩に1規定水酸化
ナトリウム水溶液4.0mlを加えてジエチルエーテル
15mlで抽出し、(+)−1−(p−トリル)エチル
アミンを分離した。一方、水層に6規定塩酸0.90m
lを加え、析出した結晶を濾別して乾燥し、下記の物性
を有する(−)−N−ホルミルロイシン382mg
(2.40mmol)を得た。 融点:122〜125℃ 比旋光度:[α]D=−10.1°(c1.0、エタノ
ール) 光学純度:57.1%e.e.
【0032】
【発明の効果】(±)−N−ホルミルロイシンを効率よ
く光学分割し、光学活性N−ホルミルロイシンを収率よ
く、工業的に有利に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 233/47 C07C 233/47 // C07M 7:00 C07M 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (±)−N−ホルミルロイシンに一般式
    (I) 【化1】 (式中、R1は水素原子、アルキル基またはアラルキル
    基を表し、R2はアルキル基を表し、R3は水素原子また
    はアルキル基を表し、nは0または1を表し、*は不斉
    炭素原子を表す。)で示される光学活性アミンを作用さ
    せて一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、nおよび*は前記定義のとお
    りである。)で示されるジアステレオマー塩を形成さ
    せ、得られたジアステレオマー塩を光学分割して光学活
    性ジアステレオマー塩を得、得られた光学活性ジアステ
    レオマー塩を塩基で処理して光学活性N−ホルミルロイ
    シンを得ることを特徴とする(±)−N−ホルミルロイ
    シンの光学分割法。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化3】 (式中、R1は、水素原子、アルキル基またはアラルキ
    ル基を表し、R2はアルキル基を表し、R3は水素原子ま
    たはアルキル基を表し、nは0または1を表し、*は不
    斉炭素原子を表す。)で示されるジアステレオマー塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103159647A (zh) * 2011-12-15 2013-06-19 浙江九洲药业股份有限公司 一种n-甲氧羰基-l-叔亮氨酸的制备方法

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CN103159647A (zh) * 2011-12-15 2013-06-19 浙江九洲药业股份有限公司 一种n-甲氧羰基-l-叔亮氨酸的制备方法

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