JP2001278128A - 自動車におけるシート周りの車体構造 - Google Patents

自動車におけるシート周りの車体構造

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JP2001278128A JP2000095783A JP2000095783A JP2001278128A JP 2001278128 A JP2001278128 A JP 2001278128A JP 2000095783 A JP2000095783 A JP 2000095783A JP 2000095783 A JP2000095783 A JP 2000095783A JP 2001278128 A JP2001278128 A JP 2001278128A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートの着座面の前下方に上下長さが十分に
大きい所定寸法の脚置き空間を設定したとしても、シー
トの設置位置が高くなりすぎないようにする。 【解決手段】 車体2の下側部を構成するサイドメンバ
8が、このサイドメンバ8の長手方向の中途部を構成し
て後上方に向って延出する傾斜メンバ22と、この傾斜
メンバ22の後上端部から後方に向ってほぼ水平に延出
する後部メンバ23とを備える。上記サイドメンバ8の
上端縁にフロアパネル26を取り付けてこのフロアパネ
ル26の上方を車室28とし、この車室28に設置した
シート41の外側部を上記後部メンバ23の前部上方に
位置させる。上記傾斜メンバ22の長手方向における中
途部分の上部に下方に向って凹む凹部53を形成する。
車体2の側面視で、上記凹部53の上端縁54をほぼ水
平に延びるよう形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、サイドメンバが後
上がりの傾斜メンバと、これの後上端部から後方に向っ
て延出する後部メンバとを備えて、この後部メンバの前
部上方にシートを設置した自動車におけるシート周りの
車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体には、従来、次のように構
成されたものがある。
【0003】即ち、上記車体の下側部を構成するサイド
メンバが、このサイドメンバの長手方向の中途部を構成
して後上方に向って延出する傾斜メンバと、この傾斜メ
ンバの後上端部から後方に向ってほぼ水平に延出する後
部メンバとを備えている。上記サイドメンバの上端縁に
はフロアパネルが取り付けられてこのフロアパネルの上
方が車室とされている。この車室にシートが設置され、
このシートの外側部が上記後部メンバの前部上方に位置
させられ、上記シートの外側部が上記後部メンバに支持
されている。
【0004】上記の場合、上下方向で、シートの着座面
の前方への仮想延長面から、上記着座面の前下方におけ
るフロアパネルの部分の上面に至る空間には、このシー
トへの着座者がその脚を無理なく置くことができるよ
う、上下長さが十分に大きい所定寸法の脚置き空間が設
定される。
【0005】また、上記サイドメンバは、車体の幅方向
で離れて対面する外、内側板と、これら外、内側板の各
下端縁を互いに結合させる底板とを備えている(例え
ば、特開平10‐297541号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術では、車体の側面視で、シートは、傾斜メンバの後
上端部から後方に延出する後部メンバの前部上方に設置
されており、このため、上記車室の下端部におけるある
基準位置からみた上記シートの設置位置は高くなりがち
となる。しかも、これに加えて、上記した所定寸法の脚
置き空間を設定すると、上記シートの設定位置が更に高
くなり、その分、上記シートにおける着座者の頂面から
車室天井面までの寸法が過少になるおそれがある。
【0007】そこで、上記シートの着座面の前下方にお
けるサイドメンバの部分の上部に、下方に向って凹む凹
部を形成してこの凹部上のフロアパネルを低く位置させ
ることにより、上記した所定寸法の脚置き空間を設定す
ることとし、もって、上記シートの設置位置が高くなり
過ぎないようにすることが考えられる。
【0008】しかし、上記凹部をサイドメンバに単に形
成すると、このサイドメンバの強度が低下して、所定の
強度の確保がし難くなるおそれを生じる。
【0009】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、サイドメンバが後上がりの傾斜メンバ
と、これの後上端部から後方に向って延出する後部メン
バとを備えて、この後部メンバの前部の上方にシートを
設置した場合に、このシートの着座面の前下方に上下長
さが十分に大きい所定寸法の脚置き空間を設定したとし
ても、車室の下端部の基準位置からみた上記シートの設
置位置が高くなりすぎないようにすることを課題とす
る。
【0010】また、上記課題を達成するようにした場合
でも、サイドメンバに十分の強度が確保されるようにす
ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の自動車におけるシート周りの車体構造は、次
の如くである。
【0012】請求項1の発明は、車体2の下側部を構成
するサイドメンバ8が、このサイドメンバ8の長手方向
の中途部を構成して後上方に向って延出する傾斜メンバ
22と、この傾斜メンバ22の後上端部から後方に向っ
てほぼ水平に延出する後部メンバ23とを備え、上記サ
イドメンバ8の上端縁にフロアパネル26を取り付けて
このフロアパネル26の上方を車室28とし、この車室
28に設置したシート41の外側部を上記後部メンバ2
3の前部上方に位置させた自動車において、
【0013】上記傾斜メンバ22の長手方向における中
途部分の上部に下方に向って凹む凹部53を形成し、車
体2の側面視で、上記凹部53の上端縁54をほぼ水平
に延びるよう形成したものである。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明に加え
て、上記傾斜メンバ22が、車体2の幅方向で離れて対
面する外、内側板14,15と、これら外、内側板1
4,15の各下端縁を互いに結合させる底板16とを備
えた自動車において、
【0015】上記傾斜メンバ22の上記中途部分を構成
する上記外、内側板14,15のうち、上記外側板14
の上端縁よりも上記内側板15の上端縁54が低くなる
ようこの内側板15の上部に上記凹部53を形成したも
のである。
【0016】請求項3の発明は、請求項1、もしくは2
の発明に加えて、車体2の下側部を構成して上記傾斜メ
ンバ22の外側方に配設されるホイールハウス35を設
け、かつ、上記車体の下側部を構成して上記ホイールハ
ウス35側から前方に向って延出するロッカ36を設け
た自動車において、
【0017】上記傾斜メンバ22における上記凹部53
の近傍部分、ホイールハウス35、およびロッカ36を
互いに結合させる補強部材59を設けたものである。
【0018】請求項4の発明は、請求項3の発明に加え
て、上記補強部材59に、シートベルトアンカ60を取
り付けたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0020】図において、符号1は自動車で、矢印Fr
はこの自動車1の前方を示している。
【0021】自動車1の車体2の後部にはサスペンショ
ン3によりデフ装置である車軸支持装置4が上下に揺動
自在となるよう懸架され、この車軸支持装置4に左右一
対の後車輪5が連動連結され、これら後車輪5と不図示
の前車輪とにより、上記車体2が走行路面上に支持され
ている。
【0022】上記車体2は、板金製で、その下部を構成
して上記サスペンション3により車軸支持装置4と後車
輪5を懸架する車体フレーム6と、上記車体2の上部側
を構成して上記車体フレーム6の上面側に支持される箱
形状の車体本体7とを備えている。
【0023】上記車体フレーム6は、その左右各側部
(車体2の下側部)を構成して前後方向に長く延びる左
右一対のサイドメンバ8と、これら両サイドメンバ8の
前端部同士と、長手方向の中途部同士とをそれぞれ互い
に結合させるクロスメンバ9,10と上記両サイドメン
バ8の後端部同士を互いに結合させるロアバックパネル
11とを備えている。
【0024】上記サイドメンバ8は、プレス成形された
もので、その長手方向の各部断面が倒立ハット形とさ
れ、車体2の幅方向で離れて対面する外、内側板14,
15と、これら外、内側板14,15の各下端縁を互い
に一体的に結合させる底板16と、上記外、内側板1
4,15の各上端縁に一体的に形成される外向きフラン
ジ17,18とを備えている。
【0025】上記サイドメンバ8は、その長手方向の中
途部を構成して後方に向ってほぼ水平に直線的に延出す
る前部メンバ21と、上記サイドメンバ8の中途部を構
成して上記前部メンバ21の後端部から後上方に向って
一体的にほぼ直線的に延出する傾斜メンバ22と、この
傾斜メンバ22の後上端部から後方に向ってほぼ水平に
直線的に延出する後部メンバ23とを備えている。
【0026】前記車体本体7は、その下端部を構成して
上記サイドメンバ8、クロスメンバ9,10の各上端縁
に載置されてスポット溶接S(図中×印、以下同じ)に
より取り付けられるフロアパネル26と、上記車体本体
7の左右各側部を構成して車体2の幅方向における上記
フロアパネル26の各外縁部側から上方に延出する左右
一対の側壁27と、これら両側壁27の上端縁同士を互
いに結合させる不図示のルーフパネルとを備え、これら
フロアパネル26、側壁27、およびルーフパネルで囲
まれた車体本体7の内部空間が車室28とされている。
【0027】上記側壁27は、車体2の幅方向で少し離
れて対面するアウタ、インナパネル31,32を備え、
この側壁27の下部のインナパネル32に上記フロアパ
ネル26の各外端縁がスポット溶接Sにより結合させら
れている。
【0028】上記側壁27の前後方向の中途部に車室2
8の内外を連通させるドア開口34が形成されている。
上記側壁27の下部(車体2の下側部)に上記後車輪5
をその上方から覆うホイールハウス35が形成され、こ
のホイールハウス35は上記傾斜メンバ22の後部と後
部メンバ23の前部との各外側方近傍かつドア開口34
の後方近傍に配設されている。
【0029】また、上記側壁27の下部(車体2の下側
部)には、上記ドア開口34の下部開口縁を構成し上記
ホイールハウス35側から前方に向って延出するロッカ
36が形成され、このロッカ36は上記傾斜メンバ22
の前部と前部メンバ21との各外側方近傍に配設されて
いる。
【0030】自動車1はシート装置39を備えている。
このシート装置39は上記車室28の前後方向の中途部
に設置されるシート40と、このシート40の後方で上
記車室28に設置される他のシート41とを備えてい
る。これら各シート40,41は、それぞれ上面が着座
面42とされるシートクッション43と、このシートク
ッション43の後端部から上方に向って突出するシート
バック44とを備えている。
【0031】上記シート40の外側方に上記ドア開口3
4が配設され、上記シート40のシートクッション43
の外側部は上記前部メンバ21の後部と傾斜メンバ22
の前部の各上方に位置させられて、これら21,22に
支持されている。
【0032】一方、上記他のシート41のシートクッシ
ョン43の外側部は、上記後部メンバ23の前部上方に
位置させられ、上記シート41は、上記シートクッショ
ン43の外側部の前、後部を上記後部メンバ23に支持
させる前、後脚45,46を備えている。
【0033】上記サイドメンバ8の後部メンバ23の前
部における内部空間47に、上記後部メンバ23に取り
付けられて上記シート41を支持するシートブラケット
49が配設されている。このシートブラケット49は、
横断面がほぼU字形状をなしその車体2の幅方向の各端
部が上記後部メンバ23の各側板14,15および各外
向きフランジ17,18にスポット溶接Sされて上記各
側板14,15がわに跨ってこれらに強固に結合される
ブラケット基板49aと、このブラケット基板49aの
内部に嵌入されこのブラケット基板49aの外、内側板
と底板にそれぞれスポット溶接Sにより結合されて上記
ブラケット基板49aを補強するブラケット本体49b
とを備え、このブラケット本体49bに上記前脚45が
締結具50により着脱自在に締結されている。
【0034】また、上記ブラケット基板49aは、上記
シートブラケット49から上記内部空間47内に沿って
前方に一体的に延び、上記傾斜メンバ22の各側板1
4,15がわを互いに結合させて、この傾斜メンバ22
を強固に補強している。
【0035】上記傾斜メンバ22の長手方向における中
途部分を含む後部側と後部メンバ23の前部の各上部に
これら傾斜メンバ22と後部メンバ23の各一般部の上
面からみて下方に凹む凹部53が形成され、車体2の側
面視(図1,3)で、上記凹部53の前部の上端縁54
はほぼ水平に直線的に延びるよう形成され、後部の上端
縁55は上記傾斜メンバ22の傾きに沿うように後上方
に向ってほぼ直線的に延びている。そして、上記各上端
縁54,55に上記フロアパネル26が接合させられて
スポット溶接Sされている。
【0036】このため、上記シート41の着座面42の
前方への仮想延長面から、上記着座面42の前下方にお
ける上記凹部53上のフロアパネル26上に至る脚置き
空間56の上下寸法は、上記凹部53を形成した分、上
記着座面42の位置を高くしないままで、十分に大きい
所定寸法に設定することができる。
【0037】よって、上記した後上がりの傾斜メンバ2
2の後上端部から後方に向って延出する後部メンバ23
の上方に上記シート41が設置されていて、このシート
41は、上記車室28の下端部におけるある基準位置5
7からみてその設置位置は高くなりがちではあるが、上
記したように、所定寸法の脚置き空間56を設定したと
しても、上記基準位置57からみた上記シート41の設
置位置は更に高くはさせないで済むことから、このシー
ト41の設置位置が高くなり過ぎるということは防止さ
れる。
【0038】また、上記の場合、傾斜メンバ22はこれ
を水平にした場合に比べて、傾きが与えられている分、
その断面係数を大きくとれるため、上記したように傾斜
メンバ22に凹部53を形成しても、この傾斜メンバ2
2に十分の強度が確保される。
【0039】また、上記傾斜メンバ22と後部メンバ2
3を構成する上記外、内側板14,15のうち、上記外
側板14の上端縁よりも上記内側板15の上端縁54が
低くなるようこの内側板15の上部に上記凹部53が形
成されている。
【0040】ここで、前記したようにシート41はその
外側部が上記後部メンバ23の前部上方に位置させられ
ていることから、上記シート41への着座者の脚は、上
記傾斜メンバ22の外、内側板14,15のうち、比較
的に内側板15の上方に置かれることとなる。
【0041】そこで、上記したように、上記内側板15
の上部に凹部53を形成したのであり、このため、上記
シート41への着座者にとってより広い脚置き空間56
が設定されて好ましい。
【0042】一方、上記外側板14の上端縁は、上記凹
部53が形成された上記内側板15の上端縁54よりも
高く位置させられることから、上記サイドメンバ8に上
記凹部53を成形しても、この凹部53に対応する上記
外側板14の部分の強度低下が防止されることにより、
上記傾斜メンバ22と後部メンバ23の強度低下も防止
され、もって、上記凹部53に対応する傾斜メンバ22
と後部メンバ23の各部分に十分の強度が確保される。
【0043】また、上記シートブラケット49は、上記
サイドメンバ8の後部メンバ23の前部に形成された上
記凹部53と前後方向でほぼ同じところに位置させられ
て、上記サイドメンバ8の後部メンバ23の前部に強固
に取り付けられ、この後部メンバ23の前部を強固に補
強している。
【0044】このため、上記凹部53に対応する上記サ
イドメンバ8の部分が上記シートブラケット49の利用
により補強されており、よって、上記凹部53に対応す
る傾斜メンバ22と後部メンバ23の各部分は、上記シ
ートブラケット49の利用により簡単な構成で、十分の
強度が確保されている。
【0045】また、前記したように、車体2の下側部を
構成して上記傾斜メンバ22の外側方近傍に配設される
ホイールハウス35が設けられ、かつ、上記車体の下側
部を構成して上記ホイールハウス35側から前方に向っ
て延出するロッカ36を設けた場合に、車体2の平面視
で、上記傾斜メンバ22における上記凹部53の近傍部
分、ホイールハウス35、およびロッカ36で囲まれた
空間に上記補強部材59が設けられ、この補強部材59
によって上記各部材22,35,36が互いに結合させ
られて互いに補強されている。
【0046】このため、上記凹部53の形成により上記
傾斜メンバ22の強度は低下しがちとはなるが、この強
度低下は、上記補強部材59による上記した互いの結合
により補填されて、上記傾斜メンバ22に十分の強度が
確保される。
【0047】上記フロアパネル26と補強部材59とが
重なり合った部分に、上記シート40用のシートベルト
アンカ60が締結具61により取り付けられている。
【0048】このため、従来では、シートベルトアンカ
はホイールハウス35の上部に取り付けられると共に、
この取り付け部を補強する補強部材が別途に設けられて
いたが、これに比べて、上記シートベルトアンカ60の
取り付けは、上記傾斜メンバ22、ホイールハウス3
5、およびロッカ36を互いに結合させ、上記傾斜メン
バ22の補強用として大きい強度を有する補強部材59
の利用により達成されたのであり、よって、車体2に対
するシートベルトアンカ60の強固な取り付けが、簡単
な構成により達成される。
【0049】なお、以上は図示の例によるが、凹部53
は傾斜メンバ22と後部メンバ23のうち、傾斜メンバ
22の上部にのみ形成してもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0051】請求項1の発明は、車体の下側部を構成す
るサイドメンバが、このサイドメンバの長手方向の中途
部を構成して後上方に向って延出する傾斜メンバと、こ
の傾斜メンバの後上端部から後方に向ってほぼ水平に延
出する後部メンバとを備え、上記サイドメンバの上端縁
にフロアパネルを取り付けてこのフロアパネルの上方を
車室とし、この車室に設置したシートの外側部を上記後
部メンバの前部上方に位置させた自動車において、
【0052】上記傾斜メンバの長手方向における中途部
分の上部に下方に向って凹む凹部を形成し、車体の側面
視で、上記凹部の上端縁をほぼ水平に延びるよう形成し
てある。
【0053】このため、上記シートの着座面の前方への
仮想延長面から、上記着座面の前下方における上記凹部
上のフロアパネル上に至る脚置き空間の上下寸法は、上
記凹部を形成した分、上記着座面の位置を高くしないま
まで、十分に大きい所定寸法に設定することができる。
【0054】よって、上記した後上がりの傾斜メンバの
後上端部から後方に向って延出する後部メンバの上方に
上記シートが設置されていて、このシートは、上記車室
の下端部におけるある基準位置からみてその設置位置は
高くなりがちではあるが、上記したように、所定寸法の
脚置き空間を設定したとしても、上記基準位置からみた
上記シートの設置位置は更に高くはさせないで済むこと
から、このシートの設置位置が高くなり過ぎるというこ
とは防止される。
【0055】また、上記の場合、傾斜メンバはこれを水
平にした場合に比べて、傾きが与えられている分、その
断面係数を大きくとれるため、上記したように傾斜メン
バに凹部を形成しても、この傾斜メンバに十分の強度が
確保される。
【0056】請求項2の発明は、上記傾斜メンバが、車
体の幅方向で離れて対面する外、内側板と、これら外、
内側板の各下端縁を互いに結合させる底板とを備えた自
動車において、
【0057】上記傾斜メンバの上記中途部分を構成する
上記外、内側板のうち、上記外側板の上端縁よりも上記
内側板の上端縁が低くなるようこの内側板の上部に上記
凹部を形成してあり、次の効果が生じる。
【0058】即ち、前記したようにシートはその外側部
が上記後部メンバの前部上方に位置させられていること
から、上記シートへの着座者の脚は、上記傾斜メンバの
外、内側板のうち、比較的に内側板の上方に置かれるこ
ととなる。
【0059】そこで、上記したように、上記内側板の上
部に凹部を形成したのであり、このため、上記シートへ
の着座者にとってより広い脚置き空間が設定されて好ま
しい。
【0060】一方、上記外側板の上端縁は、上記凹部が
形成された上記内側板の上端縁よりも高く位置させられ
ることから、上記凹部を成形しても、上記外側板の強度
低下が防止されることにより、傾斜メンバの強度低下も
防止され、もって、上記傾斜メンバに十分の強度が確保
される。
【0061】請求項3の発明は、車体の下側部を構成し
て上記傾斜メンバの外側方に配設されるホイールハウス
を設け、かつ、上記車体の下側部を構成して上記ホイー
ルハウス側から前方に向って延出するロッカを設けた自
動車において、
【0062】上記傾斜メンバにおける上記凹部の近傍部
分、ホイールハウス、およびロッカを互いに結合させる
補強部材を設けてある。
【0063】このため、上記凹部の形成により上記傾斜
メンバの強度は低下しがちとはなるが、この強度低下
は、上記補強部材による上記した互いの結合により補填
されて、上記傾斜メンバに十分の強度が確保される。
【0064】請求項4の発明は、上記補強部材に、シー
トベルトアンカを取り付けてある。
【0065】このため、従来では、シートベルトアンカ
はホイールハウスの上部に取り付けられると共に、この
取り付け部を補強する補強部材が別途に設けられていた
が、これに比べて、上記シートベルトアンカの取り付け
は、上記傾斜メンバ、ホイールハウス、およびロッカを
互いに結合させ、上記傾斜メンバの補強用として大きい
強度を有する補強部材の利用により達成されたのであ
り、よって、車体に対するシートベルトアンカの強固な
取り付けが、簡単な構成により達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体側面線図である。
【図2】車体の部分斜視図である。
【図3】図1の部分拡大詳細図である。
【図4】図3で示したものの平面図である。
【図5】図3の5‐5線矢視断面図である。
【図6】図3の6‐6線矢視断面図である。
【図7】図3の7‐7線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 自動車 2 車体 6 車体フレーム 7 車体本体 8 サイドメンバ 14 外側板 15 内側板 16 底板 21 前部メンバ 22 傾斜メンバ 23 後部メンバ 26 フロアパネル 27 側壁 28 車室 35 ホイールハウス 36 ロッカ 39 シート装置 41 シート 42 着座面 49 シートブラケット 53 凹部 54 上端縁 56 脚置き空間 57 基準位置 59 補強部材 60 シートベルトアンカ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の下側部を構成するサイドメンバ
    が、このサイドメンバの長手方向の中途部を構成して後
    上方に向って延出する傾斜メンバと、この傾斜メンバの
    後上端部から後方に向ってほぼ水平に延出する後部メン
    バとを備え、上記サイドメンバの上端縁にフロアパネル
    を取り付けてこのフロアパネルの上方を車室とし、この
    車室に設置したシートの外側部を上記後部メンバの前部
    上方に位置させた自動車において、 上記傾斜メンバの長手方向における中途部分の上部に下
    方に向って凹む凹部を形成し、車体の側面視で、上記凹
    部の上端縁をほぼ水平に延びるよう形成した自動車にお
    けるシート周りの車体構造。
  2. 【請求項2】 上記傾斜メンバが、車体の幅方向で離れ
    て対面する外、内側板と、これら外、内側板の各下端縁
    を互いに結合させる底板とを備えた自動車において、 上記傾斜メンバの上記中途部分を構成する上記外、内側
    板のうち、上記外側板の上端縁よりも上記内側板の上端
    縁が低くなるようこの内側板の上部に上記凹部を形成し
    た請求項1に記載の自動車におけるシート周りの車体構
    造。
  3. 【請求項3】 車体の下側部を構成して上記傾斜メンバ
    の外側方に配設されるホイールハウスを設け、かつ、上
    記車体の下側部を構成して上記ホイールハウス側から前
    方に向って延出するロッカを設けた自動車において、 上記傾斜メンバにおける上記凹部の近傍部分、ホイール
    ハウス、およびロッカを互いに結合させる補強部材を設
    けた請求項1、もしくは2に記載の自動車におけるシー
    ト周りの車体構造。
  4. 【請求項4】 上記補強部材に、シートベルトアンカを
    取り付けた請求項3に記載の自動車におけるシート周り
    の車体構造。
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